JP2006204263A - 培養容器および培養方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微生物感染に関する管理をより容易に行うことができるとともに、細胞の効率的な培養を可能とする。
【解決手段】 培地Bを貯留する容器本体2と、該容器本体2の開口部3に着脱可能に取り付けられ開口部3を密封するキャップ4とを備え、容器本体2が、細胞Aを接着させる材質からなる接着面2aと、貯留された培地Bに接触する位置に設けられ、ガスGの透過を許容し、微生物の通過を遮断するガス透過性膜7とを備える培養容器1を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、培養容器および培養方法に関するものである。
従来、細胞の培養は、ポリスチレン製の底面を有し、上方に開口する開放式のシャーレ状の培養容器あるいはマイクロプレート内に貯留した培地内に細胞を投入し、COインキュベータ内に配置することにより行われている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、ガス透過性の2つの膜の間に培養チェンバーを形成してなる細胞培養装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
芝 良昭、他2名、"Growth and Morphology of Anchorage-Dependent Animal Cells in a Liquid/Liquid InterfaceSystem"、BIOTECHNOLOGYAND BIOENGINEERING、57巻、NO.5、 1998年3月5日、p.583−586 特表2002−539783号公報
しかしながら、シャーレ状の培養容器あるいはマイクロプレートのような開放式の培養容器は、COインキュベータ内に収容することによって、温度、湿度およびCO濃度等の培養条件を一定に維持することができるものの、COインキュベータ内外における細胞への微生物感染等を回避するためには、より慎重に管理する必要がある。また、同一のCOインキュベータ内に異なる複数の検体を同時に収容して培養する場合に、検体間におけるクロスコンタミネーション等を回避するために、管理を厳重に行う必要がある。
また、2つの膜間に培養チェンバーを形成した特許文献1の細胞培養装置の場合には、膜の表面に細胞を付着させて増殖させることが困難であるため、細胞を効率よく増殖させることが困難であるという問題がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、微生物感染に関する管理をより容易に行うことができるとともに、細胞を効率的に培養することができる培養容器および培養方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、培地を貯留する容器本体と、該容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられ開口部を密封するキャップとを備え、前記容器本体が、細胞を接着させる材質からなる接着面と、貯留された培地に接触する位置に設けられ、ガスの透過を許容し、微生物の通過を遮断するガス透過性膜とを備える培養容器を提供する。
本発明によれば、容器本体内に培地および細胞を収容して、開口部をキャップにより閉塞することにより、容器本体内部が密閉される。細胞は、容器本体に設けられた接着面に接着して成長する。また、培地内には、容器本体に設けられ培地に接触するガス透過性膜を介して、COガスを供給される。したがって、細胞と培地を収容した培養容器をCOインキュベータ内に収容することにより、温度、湿度およびCO濃度において、適正な培養条件に維持することができ、また、容器本体を密封することによって、容器本体内の細胞における微生物感染やクロスコンタミネーションの問題をより容易に回避することが可能となる。
上記発明においては、前記容器本体の開口部が、容器本体の底面に対向する上部に、上方に向けて開口していることとしてもよい。
このように構成することで、上方に開口する開口部から、例えば、ピペットを上下方向に挿入ことができ、ピペットの先端を容器本体内の培地に接触させて、培地を吸引し、外部に排出することができる。この場合に、ピペットの姿勢を鉛直方向に維持したまま培地を吸引できるので、ピペットの先端から培地がこぼれることが防止される。
また、本発明は、培地を貯留する容器本体と、該容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられ開口部を密封するキャップとを備え、前記容器本体が、細胞を接着させる材質からなる接着面を備え、前記キャップに、ガスの透過を許容し、微生物の通過を遮断するフィルタが備えられるとともに、開口部に取り付けられた状態で、フィルタの上方を覆うように設けられるカバー部材が備えられている培養容器を提供する。
本発明によれば、培地および細胞を容器本体に収容した状態で、容器本体の開口部をキャップにより密封することにより、容器本体内への微生物の侵入が禁止されるとともに、フィルタを介して容器本体内にCOガスが供給される。容器本体には、細胞を接着させる接着面が備えられているので、容器本体内の細胞は接着面に接着して成長する。
したがって、細胞と培地を収容した培養容器をCOインキュベータ内に収容することにより、温度、湿度およびCO濃度において、適正な培養条件に維持することができ、また、容器本体を密封することによって、容器本体内の細胞における微生物感染やクロスコンタミネーションの問題をより容易に回避することが可能となる。
また、本発明は、貯留された培地内に細胞を投入して培養する培養容器内に所定濃度のCOガスを封入して密封するステップと、密封された培養容器を恒温槽内に収容して、細胞を培養するステップとを備える培養方法を提供する。
本発明によれば、培養容器内にCOガスが封入されるので、所定期間にわたって、CO2濃度に関して適正な培養条件に維持される。この状態で培養容器を密封して恒温槽内に収容することにより、温度に関しても適正な培養条件を維持することができる。この場合に、培養容器が密封されているので、恒温槽内における培養中に、微生物等が培養容器内に侵入することを防止でき、また、他の異なる検体を恒温槽内に同時に収容しても、クロスコンタミネーションが発生することを防止できる。
また、本発明は、COガス供給口と、COガス排出口とを備える密封された培養容器内に、所定の培地と細胞とを投入し、密封された培養容器を恒温槽内に収容して、COガスを培養容器内に流通させながら細胞を培養する培養方法を提供する。
この発明によれば、密封された培養容器内に所定の培地と細胞とを収容してCOガス供給口からCOを供給し、COガス排出口からCOガスを排出することにより、COガスを培養容器内に流通させて、培養容器内のCO濃度に関して適正な培養条件を維持する。この状態で培養容器を恒温槽内に収容することにより、温度に関しても適正な培養条件を維持することができる。培養容器内にはCOガスが流通させられるのみで、他の微生物や他検体が混入することが防止される。
本発明に係る培養容器および培養方法によれば、細胞を培養する培養容器が密封されるので、培養中に培養容器内部に微生物や他検体が混入する不都合を防止して、細胞の健全な増殖を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る培養容器1について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養容器1は、図1に示されるように、所定の培地を貯留可能な容器本体2と、該容器本体2に設けられた開口部3を密封可能に取り付けられるキャップ4と、容器本体2とキャップ4との間に挟まれるシール部材5とを備えている。
容器本体2は、例えば、ポリスチレンにより構成され、その内表面に疎水化処理が施されている。特に、容器本体2の底面には、細胞が接着して成長するための平坦な接着面2aが備えられている。また、容器本体2の上面には、容器壁を貫通して窓部6が形成されている。
この窓部6は、ガス透過性膜7によって閉塞されている。ガス透過性膜7は、容器本体2外部からのガスの通過を許容する一方、微生物等の通過を禁止する膜であって、十分に小さい孔径の貫通孔(図示略)を複数有する透過膜である。ガス透過性膜7は、容器本体2内の観察を可能とするために光学的に透明な生体適合性の材質、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等の高分子材料により構成されている。
容器本体2の上部には、容器本体2が水平面に載置されたときに、鉛直上方に向かって延びるネック部8が設けられ、その先端に容器本体2内外を連通する開口部3が設けられている。また、開口部3は、容器本体2が水平面に載置されたときに、前記窓部5よりも高くなる位置に設けられている。
ネック部8には、その外面に雄ネジ9が形成されている。また、キャップ4には、ネック部8の雄ネジ9に締結される雌ネジ10が設けられている。キャップ4の雌ネジ10をネック部8の雄ネジ9に締結していくと、キャップ4によって開口部3が気密状態に閉塞されるようになっている。また、ネック部8の雄ネジ9に締結されているキャップ4を緩めていくと、容器本体2内部の気密状態が解除されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る培養容器1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る培養容器1を用いて細胞Aを培養するには、図2に示されるように、容器本体2内に所定の培地Bと培養すべき細胞Aとを投入する。このとき、培地Bは、ネック部8の途中位置まで達するように投入する。これにより、培地Bが容器本体2上面の窓部6に設けられたガス透過性膜7に接触するようになる。
この状態で、ネック部8に設けられた雄ネジ9にキャップ4の雌ネジ10を締結し、キャップ4とネック部8の先端との間でシール部材5を圧縮することによってネック部8先端の開口部3を気密状態に閉塞する。これにより、容器本体2内部には、ガス透過性膜7を介したガスGの透過のみが許容され、他の物質、例えば、微生物や他の検体の侵入が禁止される。
このようにして密封された細胞Aおよび培地B入りの培養容器1は、COインキュベータ(図示略)内に収容されることで、細胞Aの培養が開始される。COインキュベータ内部は、CO濃度5%、温度37℃に維持されている。
したがって、COインキュベータ内部のCOガスは、ガス透過性膜7を介して容器本体2内部の培地B内に取り込まれる。また、培養容器1全体が37℃に加温されることで、細胞Aおよび培地Bも37℃の温度に維持されることになる。
すなわち、本実施形態に係る培養容器1によれば、キャップ4によって開口部3を密封した状態でも、容器本体2内部におけるCO濃度および温度に関して、適正な培養条件を維持することができる。また、容器本体2の接着面2aが、ポリスチレンにより構成され、疎水処理が施されているので、接着性の細胞Aが付着し易い環境が整えられている。したがって、細胞Aは接着面2aに接着して効率的に増殖することができる。
この場合において、本実施形態に係る培養容器1によれば、COインキュベータ内に配されているときに、容器本体2内部にはCOガスの供給のみが許容され、他の物質の侵入が禁止されているので、仮に、COインキュベータ内に、微生物等の他の物質が存在したとしても、それらの物質が培養容器1内に侵入することがない。したがって、より容易に微生物感染等の不都合の発生を防止することができる。
また、他の異なる細胞AをCOインキュベータ内に収容して同時に培養することとしても、さらには、他の細胞Aの培養容器1が破損する等して、他の細胞Aやそれを含む培地Bが培養容器1の上方から降りかかったとしても、本実施形態に係る培養容器1はキャップ4によって密封されているので、それらの細胞Aが容器本体2内部に侵入することがなく、いわゆるクロスコンタミネーションの発生を防止することができる。
また、本実施形態に係る培養容器1は、開口部3が容器本体2の上部に鉛直上方に向かって設けられているので、培地Bの交換等を行う際に、図3に示されるように、ピペット先端に取り付けたチップ11の先端を鉛直上方から開口部3に挿入して、内部の培地Bを吸引することができる。特に、自動機により、チップ11の移動および吸引動作を行わせる場合に、鉛直上方から、容器本体2内にチップ11の先端を挿入して吸引し、容器本体2内から鉛直上方に抜き出すことにより、自動機の動作を簡易にすることができるとともに、チップ11の先端からの液だれ等の問題の発生を低減することができるという利点がある。
なお、培地Bの吸引の際に、図4に示されるように容器本体2を傾斜させて培地Bを底面の一カ所に偏らせることで、吸引し易さを向上し、残り少なくなった培地Bをも余すことなく吸引することができる。
また、本実施形態においては、容器本体2の上部に窓部6を設け、この窓部6を閉塞するようにガス透過性膜7を設けることとしたが、これに代えて、あるいは、これとともに、容器本体2の側壁に窓部6を設け、この窓部6を閉塞するガス透過性膜7を設けることにしてもよい。細胞Aが接着する接着面2aとしては容器本体2の底面が適しているため、底面以外の容器壁に窓部6を設けて、ガス透過性膜7によりCOガスの容器本体2内への供給を可能にすることが好ましい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る培養容器20について、図5を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養容器20は、図5に示されるように、培地Bを貯留する容器本体21と、該容器本体21の開口部22に着脱可能に取り付けられるキャップ23とを備えている。
本実施形態においても、容器本体21はポリスチレンにより構成され、その内面には疎水処理が施されている。これにより、投入された細胞Aは容器本体21内面の接着面21aに接着して効率的に増殖することができるようになっている。本実施形態において容器本体21には窓部が設けられておらず、全体的に、ほぼ一様な厚さを有する容器壁によって構成されている。
容器本体21の上部には、第1の実施形態と同様に、鉛直上方に向かって延びるネック部24と、その先端に上向きに開口する開口部22とが設けられている。ネック部24の外周面に雄ネジ25が形成されている点も第1の実施形態に係る培養容器1と同様である。
キャップ23は、図5に示されるように、前記ネック部24の雄ネジ25に締結される雌ネジ26を有する。また、キャップ23には、気体の通過を許容し、微生物等の物質の通過を禁止するフィルタ27が設けられている。また、フィルタ27の外部には、フィルタ27全体を覆うカバー部材28が設けられている。カバー部材28は、フィルタ27との間に隙間をあけて設けられており、フィルタ27を介した気体の流通を許容しつつ、キャップ23の上方から降りかかる物質が、フィルタ27に付着しないように防護するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る培養容器20の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る培養容器20を用いて細胞Aを培養するには、容器本体21内に所定の培地Bと培養すべき細胞Aとを投入する。このとき、培地Bは、ネック部24に到達しない十分に低い液位に設定する。これにより、培地Bがキャップ23のフィルタ27に接触しないようにすることができる。
この状態で、ネック部24に設けられた雄ネジ25にキャップ23の雌ネジ26を締結し、キャップ23とネック部24との間においてシール部材29を圧縮することによってネック部24先端の開口部22を気密状態に閉塞する。これにより、容器本体21内部には、フィルタ27を介したガスの透過のみが許容され、他の物質、例えば、微生物や他の検体の侵入が禁止される。また、フィルタ27は、カバー部材28によって覆われているので、培養容器20の上方から何らかの液体等が降りかかっても、これらの液体がフィルタ27に直接付着してしまうことが防止される。これにより、フィルタ27の通気性を維持し、容器本体21内へのガス供給が阻害されてしまうのを防止することができる。
このようにして密封された細胞Aおよび培地B入りの培養容器20がCOインキュベータ(図示略)内に収容されることで、細胞Aの培養が開始される。COインキュベータ内部は、CO濃度5%、温度37℃に維持されている。
したがって、COインキュベータ内部のCOガスは、カバー部材28とフィルタ27との隙間からフィルタ27を介して容器本体21内部の培地B内に取り込まれる。また、培養容器20全体が37℃に加温されることで、細胞Aおよび培地Bも37℃の温度に維持されることになる。
すなわち、本実施形態に係る培養容器20によれば、キャップ23によって開口部22を密封した状態でも、培養容器20内部におけるCO濃度および温度に関して、適正な培養条件を維持することができる。また、容器本体21の接着面21aが、ポリスチレンにより構成され、疎水処理が施されているので、接着性の細胞Aが付着し易い環境が整えられている。したがって、細胞Aは接着面21aに接着して効率的に増殖することができる。
なお、本実施形態においても、開口部22が容器本体21の上部に鉛直上方に向かって設けられているので、特に、自動機により、チップの移動および吸引動作を行わせる場合に、鉛直上方から、容器本体21内にチップの先端を挿入して吸引等することができ、自動機の動作を簡易にすることができるとともに、チップの先端からの液だれ等の問題の発生を低減することができるという利点がある。
次に、本発明の第3の実施形態に係る培養容器30について、図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養容器30は、図6に示されるように、容器本体31と、該容器本体31の開口部32,33に取り付けられるキャップ34,35とを備えている。
容器本体31の開口部(COガス供給口)32,開口部(COガス排出口)33は、容器本体31の上部2カ所に設けられ、それぞれにキャップ34,35が締結されている。2つのキャップ34,35には、それぞれチューブ36,37が接続されている。一方のチューブ36の先端にはCOガスボンベのようなCOガス供給源(図示略)が接続されている。他方のチューブ37の先端にはフィルタ(図示略)が設けられている。フィルタは、気体の流通を許容し、他の物質の侵入を禁止するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る培養容器30を用いて細胞Aを培養するには、容器本体31内に所定の培地Bと培養すべき細胞Aとを投入し、容器本体31の開口部32,33をキャップ34,35によって閉塞する。そして、容器本体31を37℃の恒温槽(図示略)内に配置するとともに、COガス供給源から5%濃度のCOガスGを供給する。
これにより、COガス供給源から供給されるCOガスGがチューブ36を介して一方の開口部32から容器本体31内に流入する。その一方で、他方の開口部33からは、容器本体31内の気体G′がチューブ37およびフィルタを介して外部に排出される。これにより、容器本体31内部がキャップ34,35によって密封された状態のままで、細胞Aの培養に適したCO濃度5%および温度37℃に維持され、接着面31aに接着した細胞Aが効率よく増殖させられることになる。
この場合において、容器本体31内部には、COガス供給源に接続されたチューブ36から、清浄度を管理されたCOガスGが供給されるのみで、他の物質の侵入が防止される。また、他方のチューブ37の先端にはフィルタが設けられているので、COガス供給源が作動停止された状態においても、他方のチューブ37から外部の雰囲気が逆流して容器本体31内に流入することが防止される。したがって、より確実に微生物感染やクロスコンタミネーションの発生を防止することができる。
なお、培地交換の際には、一方のキャップ34(35)を取り外して、開放された開口部32(33)にチップの先端を上方から挿入し、容易に吸引することができる点は、第1および第2の実施形態に係る培養容器1,20と同様である。
また、上記実施形態においては、37℃の恒温槽に培養容器30を収容して細胞Aを培養することとしたが、これに代えて、37℃に加温したCOガスGを供給することとしてもよい。このようにすることで、恒温槽内への出し入れを行うことなく温度に関しても適正な培養条件を達成することができる。
また、図7に示されるように、さらに2つの開口部38,39を設け、培地B供給用のチューブ40と、廃培地B′吸引用のチューブ41とをそれぞれ接続した培養容器30′を採用してもよい。このようにすることで、キャップ34,35,42,43を着脱することなく、COガスGの供給および培地Bの交換を行うことができる。
次に、本発明の一実施形態に係る培養方法について、図8を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る培養方法は、所定の培地Bおよび培養すべき細胞Aを収容可能な容器本体50と、該容器本体50の開口部51に着脱可能に取り付けられるキャップ52とを有する培養容器53を使用する。培養容器53としては、フィルタ27もガス透過性膜7も有しておらず、容器本体50内部を十分に気密状態に密閉する構造のものでよい。
本実施形態に係る培養方法は、所定の培地Bと細胞Aとが収容された培養容器53内に濃度5%のCOガスを封入して密封する第1ステップと、密封された培養容器53を恒温槽内に収容して温度37℃に維持する第2ステップとを備えている。
第1ステップは、濃度5%のCOガス雰囲気を達成可能なCOガス室54内に、培地Bと細胞Aとを収容した培養容器53を配置して、COガス室54内を濃度5%のCOガス雰囲気に設定し、この状態で培養容器53のキャップ52を開いて放置することにより、容器本体50内に濃度5%のCOガスを充満させる。そして、この状態でキャップ52を閉じることにより、培養容器53内に濃度5%のCOガスを閉じこめる。
COガス室54内におけるキャップ52の開閉は、図示しない開閉機構によって自動的に行うこととしてもよい。また、COガス室54をグローブボックスにより構成し、キャップ52の開閉を手動で行うことにしてもよい。
第2ステップは、COガス室54から濃度5%のCOガスを閉じこめた培養容器53を取り出して、37℃の恒温槽55内に配置する。
この状態で、例えば、1日〜1週間放置することにより、培養容器53内の細胞Aは、温度37℃、CO濃度5%の適正な培養条件に維持されるので、容器本体50内の接着面50aに接着して効率よく増殖させられることになる。
そして、容器本体50内のCO収容量に応じた適当な時間間隔で、COガス室54に戻してキャップ52を開閉する第1ステップと、恒温槽55に収容して放置する第2ステップとを繰り返すことにより、細胞Aを培養することが可能となる。
この場合において、本実施形態に係る培養方法によれば、恒温槽55に収容して細胞Aを培養する第2ステップにおいて、容器本体50をキャップ52により密閉状態に維持することができる。したがって、第2ステップにおいて、培養容器53の外部から微生物等の物質や同時に培養される他の検体が培養容器53内に侵入することをより確実に防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る培養容器を示す縦断面図である。 図1の培養容器を用いて細胞を培養する状態を示す縦断面図である。 図1の培養容器における培地交換を説明する縦断面図である。 図1の培養容器における培地交換の他の例を説明する縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る培養容器を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る培養容器を示す縦断面図である。 図7の培養容器の変形例を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る培養方法を説明する模式的な図である。
符号の説明
A 細胞
B 培地
G COガス(ガス)
1,20,30,30′,53 培養容器
2,21,31,31′,50 容器本体
2a,21a,31a,50a 接着面(底面)
3,22,38,39 開口部
4,23,34,35,42,43,52 キャップ
7 ガス透過性膜
27 フィルタ
28 カバー部材
32 開口部(COガス供給口)
33 開口部(COガス排出口)
55 恒温槽

Claims (5)

  1. 培地を貯留する容器本体と、該容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられ開口部を密封するキャップとを備え、
    前記容器本体が、細胞を接着させる材質からなる接着面と、貯留された培地に接触する位置に設けられ、ガスの透過を許容し、微生物の通過を遮断するガス透過性膜とを備える培養容器。
  2. 前記容器本体の開口部が、容器本体の底面に対向する上部に、上方に向けて開口している請求項1に記載の培養容器。
  3. 培地を貯留する容器本体と、該容器本体の開口部に着脱可能に取り付けられ開口部を密封するキャップとを備え、
    前記容器本体が、細胞を接着させる材質からなる接着面を備え、
    前記キャップに、ガスの透過を許容し、微生物の通過を遮断するフィルタが備えられるとともに、開口部に取り付けられた状態で、フィルタの上方を覆うように設けられるカバー部材が備えられている培養容器。
  4. 貯留された培地内に細胞を投入して培養する培養容器内に所定濃度のCOガスを封入して密封するステップと、
    密封された培養容器を恒温槽内に収容して、細胞を培養するステップとを備える培養方法。
  5. COガス供給口と、COガス排出口とを備える密封された培養容器内に、所定の培地と細胞とを投入し、密封された培養容器を恒温槽内に収容して、COガスを培養容器内に流通させながら細胞を培養する培養方法。
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