JP6446994B2 - 培養容器 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞又は組織を培養するために用いられる培養容器に関する。
従来から細胞又は組織の培養物を生体外で成長させるための細胞培養挿入体を備えた培養容器が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された細胞培養挿入体は、特定の大きさのウェルを持つ複数ウェル組織培養容器で使用できるような大きさにされ、底端に透過性の膜が取り付けられている。この細胞培養挿入体は、その上端に連結されたフランジによって栄養物を収容したウェルの頂部上に支持され、組織の試料を付着させた透過性の膜を通して栄養物の濃度勾配を生じさせる。特許文献1では、組織培養容器と細胞培養挿入体との間の空間によって、ピペットは容器の底に達することができ、膜の下方及び細胞培養挿入体の側壁の外面の周りから膜の上部を汚すことなく培地を取り出すことができ、又、培地を導入することができる、としている。
また、下部のガス透過性フィルムと、選定したサイズの化合物を選択的に透過し得る上部シートとによって区画される細胞培養区画室を有する容器を含む細胞培養装置が知られている(例えば、下記特許文献2を参照)。特許文献2に記載された装置は、培養培地を上部シートと下部ガス透過性フィルムとの間に存在させるように適応させ、基底培地区画室を上部シートよりも上に配置しかつ基底培地を上部シート上に存在させるように適応させる。各々の区画室は、アクセス口を収容する。ガス透過性フィルムの下にかつ該フィルムと一部接触するガスフィルム支持体は、ガス透過性フィルムを、懸濁又は粘着細胞がガス透過性フィルムの水平部分を横断して分布することができるように実質的に水平な位置に保つ。
特開平6−189742号公報 特表平10−504710号公報
特許文献1に記載された培養容器は、ウェルの内側の壁面と細胞培養挿入体の側壁の外面との間に隙間を有しているため、例えば、ピペット操作等、各種の培養操作によって、組織培養容器のウェル内の細胞が細胞培養挿入体に混入する虞がある。培養対象である細胞や組織を培養する細胞培養挿入体に、培養対象でないウェル内の細胞が混入することは、例えば、培養した細胞や組織を医療用途に用いる場合に、安全性の観点から問題になる。
特許文献2に記載された細胞培養装置は、上部シートと下部ガスフィルムとの間に培養培地が存在する細胞培養区画室のアクセス口と、上部シートよりも上に基底培地が存在する基底培地区画室のアクセス口とを、互いに離隔した位置に独立して設け、それぞれキャップによって塞いでいる。この細胞培養装置は、キャップによって基底培地の細胞が培養培地に混入するのを防止することができるが、前記基底培地区画室のアクセス口は、該基底培地区画室に存在する前記上部シートよりも小さい。そのため、例えば、細胞シート等の細胞集合体や組織を培養した場合に、これらをアクセス口から取出すのが困難である。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、培養対象の細胞への培養対象外の細胞の混入を防止することができ、かつ、細胞シート等の細胞集合体や組織の培養に適した培養容器を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の培養容器は、細胞又は組織を培養する培養部と、該培養部の下方で培養液を貯留する貯留部と、前記培養部の底部に設けられて前記培養液を透過する膜と、を備えた培養容器であって、前記培養部は、前記膜と鉛直方向に重なる位置に開口する開口部を有し、前記貯留部は、前記開口部の平面視で前記培養部の側方に隣接して上方に開口する培養液口を有し、前記開口部と前記培養液口の一方を閉塞して他方を開放可能な蓋部材を有することを特徴とする。
前記培養容器において、前記開口部の開口面積は、前記細胞又は前記組織を培養する培養領域の面積以上であってもよい。この場合、前記培養領域の面積は、前記膜の面積以下であってもよい。
前記培養容器において、前記蓋部材は、前記開口部を閉塞する培養部蓋を有し、前記培養部蓋は、気体を通過させる通気部を有してもよい。この場合、前記通気部は、液体を遮蔽するフィルターであってもよい。
前記培養容器において、前記蓋部材は、前記培養液口を閉塞する貯留部蓋を有し、前記貯留部蓋は、前記培養液口を密閉する密閉部を有してもよい。この場合、密閉部は、前記培養液口の外周面又は内周面に螺合するネジ部であってもよい。また、前記密閉部は、前記培養液口に係合して前記培養液口を封止する係合部であってもよい。
本発明によれば、培養部内の培養対象の細胞を培養する培地としての培養液への培養対象外の細胞の混入を防止することができ、かつ、細胞シート等の細胞集合体や組織の培養に適した培養容器を提供することができる。
本発明の培養容器の実施形態に係る斜視図。 図1に示す培養容器のII-II線に沿う断面図。 図2に示す培養容器の培養部及び蓋部材の変形例1を示す拡大断面図。 図2に示す培養容器の貯留部及び蓋部材の変形例2を示す拡大断面図。 図2に示す培養容器の貯留部及び蓋部材の変形例3を示す拡大断面図。 図2に示す培養容器の貯留部及び蓋部材の変形例4を示す拡大断面図。
以下、図面を参照して本発明の培養容器の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る培養容器1の斜視図である。図2は、図1に示す培養容器1のII-II線に沿う断面図である。
本実施形態の培養容器1は、細胞又は組織を培養する培養部3と、培養部3の下方で培養液Lを貯留する貯留部2と、培養部3の底部に設けられて培養液Lを透過する膜4と、を備えている。培養部3と貯留部2は、個別に成形して組み合わせてもよいが、例えば、鋳造や射出成形によって、一体に成形されていてもよい。培養部3及び貯留部2の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂材料、ガラス、石英、セラミックス、金属等を用いることができるが、細胞や組織の顕微鏡等による観察を容易にする観点から、可視光を透過することが好ましい。また、成形の容易性、軽量性、耐久性等の観点から、培養部3及び貯留部2の材料として、樹脂材料を用いることが好ましい。
培養部3及び貯留部2の材料として用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロプレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等を挙げることができる。また、細胞培養に適した表面処理を容易にする観点から、培養部3及び貯留部2の材料として、PSを用いることが好ましい。
膜4は、培養部3で培養される細胞又は組織を透過させず、培養液L及びそれに含まれる栄養素のみを透過させる。膜4の培養液Lを透過する領域は、細胞又は組織を培養する培養領域CAとなる。例えば、膜4の周縁部が培養部3の側壁に固定される場合には、培養領域CAの面積は、膜4の面積以下になる。
膜4は、例えば、細胞接着性、タンパク質透過性及び細胞遮蔽性、光学顕微鏡観察が可能な光透過性、並びに、培養操作に耐えられる強度等を有するものであれば特に限定されないが、不織布を含む公知の多孔質膜、酸素透過性膜、及びこれらの組み合わせ、又はコラーゲンゲル膜等を用いることができる。例えば、細胞の大きさが10μm程度であれば、0.1μm程度の径の微細孔を有する多孔質膜を用いることができる。
培養部3は、概ね円筒形の形状を有し、下端が培養液Lを透過する膜4によって閉塞され、上端が開放されている。培養部3の上端の開口部31は、培養部3の底部に設けられた膜4と上下に重なる位置に開口している。例えば、培養容器1の底面又は開口部31が水平になるように、培養容器1を水平に配置した状態で、培養部3の開口部31は、培養部3の底部に設けられた膜4と鉛直方向に重なる位置に開口している。なお、培養部3の形状は円筒形に限定されず、矩形筒状、多角形筒状、その他、任意の形状を選択することができる。
培養部3の開口部31の開口面積OAは、細胞又は前記組織を培養する培養領域CAの面積より小さくてもよいが、培養部3で培養された細胞シート等の細胞集合体又は組織の取り出しを容易にする観点から、膜4の面積又は培養領域CAの面積の50%以上であることが好ましい。本実施形態の培養容器1では、培養部3の開口部31の開口面積OAは、培養領域CAの面積以上である。より詳細には、培養部3の開口部31の開口面積OAは、培養領域CAの面積よりも大きくなっている。
貯留部2は、培養部3の下方に設けられ、膜4を介して培養部3に供給する培養液Lを貯留するとともに、培養部3の開口部31の平面視で、培養部3の側方に隣接して上方に開口する培養液口24を有している。なお、培養部3の開口部31の高さ位置と培養液口24の高さ位置は、同じであっても異なっていてもよい。本実施形態では、培養液口24の高さ位置は、培養部3の開口部31の高さ位置よりも低くなっている。また、本実施形態において、貯留部2は、培養部3の下端に連結された第1貯留部21と、第1貯留部21から側方に延出する第2貯留部22とを有している。
第1貯留部21は、例えば、培養部3と同様に概ね円筒形の形状を有し、底部が閉塞された有底筒状に形成されている。第1貯留部21は、側壁に開口23を有し、開口23を介して第2貯留部22と連通している。第2貯留部22は、例えば、曲管状に形成され、一端が第1貯留部21の側壁に連結され、第1貯留部21及びその上方に連続する培養部3の径方向外側に延出し、さらに上方に向けて湾曲し、培養部3の開口部31の平面視で、培養部3の側方に隣接する他端に培養液口24が形成されている。
培養容器1は、培養部3の開口部31と貯留部2の培養液口24の一方を閉塞して他方を開放可能な蓋部材5を有している。本実施形態において、蓋部材5は、培養部3の開口部31を閉塞する培養部蓋6と、貯留部2の培養液口24を閉塞する貯留部蓋7と、を有している。すなわち、本実施形態の蓋部材5は、培養部3の開口部31と貯留部2の培養液口24とを、それぞれ独立して閉塞又は開放する培養部蓋6と貯留部蓋7とを有することで、培養部3の開口部31と貯留部2の培養液口24のうち一方を閉塞した状態で、他方を開放することができるようなっている。なお、培養部蓋6と貯留部蓋7とは、例えば、弾性を有する連結部や、ヒンジ等によって連結されていてもよい。
培養部蓋6及び貯留部蓋7は、それぞれ、培養部3の開口部31及び貯留部2の培養液口24を覆う円盤状の蓋部61、71と、その周縁部から下方に延びる円環状の縁部62、72とを有している。培養部蓋6の蓋部61は、周縁部の下面が培養部3の開口部31の縁に当接して下方から支持され、培養部3の上端に載置されている。培養部蓋6の縁部62の内周面は、培養部3の開口部31の外側の外周面に対向している。同様に、貯留部蓋7の蓋部71は、周縁部の下面が貯留部2の培養液口24の縁に当接して下方から支持され、第2貯留部22の上端に載置されている。貯留部蓋7の縁部72の内周面は、第2貯留部22の培養液口24の外側の外周面に対向している。
本実施形態において、培養部蓋6の蓋部61と培養部3の上端との間、及び、培養部蓋6の縁部62と培養部3の外周面との間は、密閉されておらず、気体を通過させることができる微小な隙間が形成されている。すなわち、本実施形態では、培養部蓋6の蓋部61と培養部3の上端との間の隙間と、培養部蓋6の縁部62と培養部3の上端部の外周面との間の隙間が、気体を通過させる通気部Aとなっている。
同様に、貯留部蓋7の蓋部71と第2貯留部22の上端との間、及び、貯留部蓋7の縁部72と第2貯留部22の上端部の外周面との間は、密閉されておらず、気体を通過させることができる微小な隙間が形成されている。すなわち、本実施形態では、貯留部蓋7の蓋部71と第2貯留部22の上端との間の隙間と、貯留部蓋7の縁部72と第2貯留部22の上端部の外周面との間の隙間が、気体を通過させる通気部Aとなっている。
培養部蓋6は、通気部Aによって培養容器1の外部と培養部3の内部との間の通気性を確保しつつ、培養液Lの液滴や飛沫、それに含まれる培養対象外の細胞、又は塵芥等を遮蔽して、これらが培養容器1の外部から開口部31に侵入することを防止する。同様に、貯留部蓋7は、通気部Aによって培養容器1の外部と第2貯留部22の内部との間の通気性を確保しつつ、培養液Lの液滴や飛沫、それに含まれる培養対象の細胞、又は塵芥等を遮蔽して、これらが培養容器1の外部から培養液口24に侵入することを防止する。
以下、本実施形態の培養容器1の作用について説明する。
本実施形態の培養容器1を使用する際には、培養部3の開口部31を蓋部材5の培養部蓋6で閉塞した状態で、貯留部2の培養液口24を開放し、培養液口24から貯留部2に培養液Lを注入する。培養液Lは、培養対象となる細胞や組織に必要な栄養素又はその栄養素を供給する細胞等を含んでもよい。貯留部2に培養液Lを満たすことで、培養部3の底部に設けられた膜4は、培養液Lに浸漬又は浸潤される。貯留部2に培養液Lを満たした後は、培養液口24を蓋部材5の貯留部蓋7で閉塞する。
このように、本実施形態の培養容器1は、培養部3の開口部31と貯留部2の培養液口24のうち、一方の開口部31を閉塞して、他方の培養液口24を開放可能な蓋部材5を有している。そのため、培養液口24から貯留部2に培養液Lを注入する際に、培養液Lの液滴や飛沫が飛散した場合でも、これらを蓋部材5によって遮蔽することができる。したがって、培養液Lに含まれる培養対象外の細胞等が、培養部3の開口部31から培養部3の内部の培養液Lに混入することが防止される。
また、貯留部2は、培養部3の開口部31の平面視で、培養部3の側方に隣接して上方に開口する培養液口24を有しているので、培養部3の下層に設けられた貯留部2に培養液Lを容易に注入することができる。また、培養液口24を有する第2貯留部22の上端に蓋部材5の培養部蓋7を載置し又は培養部蓋7を取り除くことによって、培養液口24を容易に閉塞及び開放することができる。また、培養液口24を培養部3の開口部31よりも低い位置に設けることで、培養液口24に培養液Lを注入する際に、培養部3の開口部31に培養液Lの飛沫等が侵入するのを防止できる。
次に、貯留部2の培養液口24を蓋部材5の貯留部蓋7で閉塞した状態で、蓋部材5の培養部蓋6を取り外して培養部3の開口部31を開放し、開口部31を介して培養部3の内部に培養対象となる細胞又は組織を収容又は配置する。その後、培養部3の開口部31を蓋部材5によって閉塞し、培養対象となる細胞又は組織を、膜4の上面の培養領域CAにおいて培養する。なお、貯留部2に培養液Lを注入する工程と、培養部3に細胞又は組織を収容又は配置する工程は、この順序に限定されず、逆の順序で行ってもよい。
ここで、本実施形態の培養容器1は、培養部3の開口部31と貯留部2の培養液口24のうち、一方の培養液口24を閉塞して、他方の開口部31を開放可能な蓋部材5を有している。そのため、開口部31から培養部3内に培養対象となる細胞又は組織を収容又は配置する際に、培養液Lの液滴や飛沫が飛散した場合でも、これらを蓋部材5によって遮蔽することができる。したがって、培養液Lに含まれる培養対象の細胞等が、培養液口24から貯留部2の内部の培養液Lに混入することが防止される。
また、培養部蓋6は、培養部3の開口部31を閉塞した状態で、培養部3との間に通気部Aを有している。そのため、培養部3の開口部31を培養部蓋6によって閉塞した状態で、培養容器1の外部と培養部3の内部との間の通気性を確保することができる。したがって、培養部3の内部の二酸化炭素の濃度等を適切な範囲に維持し、細胞又は組織を良好に培養することができる。
培養部3の膜4の上面の培養領域CAにおいて培養された細胞又は組織は、例えば、細胞シート等の細胞集合体のように培養領域CAと同等の面積に培養される。培養された細胞集合体又は組織は、通常、そのままの状態で取り出して使用される。この場合、培養した所定の大きさの細胞集合体又は組織の取り出し経路が確保されていないと、細胞集合体又は組織が損傷する虞がある。
本実施形態の培養容器1において、培養部3は、膜4と鉛直方向に重なる位置に開口する開口部31を有している。そのため、培養部3の開口部31に、例えば、ピンセットやトレー等、培養した細胞集合体又は組織を取り出すための器具を挿入することで、膜4の上面で培養された細胞集合体又は組織を容易に取り出すことができる。
また、培養部3の開口部31の開口面積OAは、細胞又は組織を培養する培養領域CAの面積以上とされている。したがって、開口部31の大きさを、培養領域CAで培養した細胞集合体又は組織を取り出すのに十分な大きさにして、細胞集合体又は組織の取出しを容易にすることができる。また、培養領域CAの面積を膜4の面積以下とすることで、例えば、膜4の周縁部を培養部3に対して固定することができる。
以上説明したように、本実施形態の培養容器1によれば、培養対象の細胞を培養する培地への培養対象外の細胞の混入を防止することができ、かつ、細胞シート等の細胞集合体や組織の培養に適した培養容器を提供することができる。
なお、本発明の培養容器は、前述の実施形態で説明した培養容器1の構成に限定されない。以下、前述の実施形態で説明した培養容器1の変形例について説明する。
(変形例1)
図3は、前述の実施形態で説明した培養容器1の変形例1を示す培養部3Aの開口部31近傍の拡大断面図である。
本変形例の培養容器は、培養部3Aの開口部31を閉塞する蓋部材5の培養部蓋6Aが、気体を通過させる通気部Aとして、液体を遮蔽するフィルター63を備えている点、及び、培養部蓋6Aが培養部3Aに螺合されるスクリューキャップ(密閉部S)である点で、前述の実施形態で説明した培養容器1と異なっている。本変形例の培養容器のその他の点は、前述の実施形態で説明した培養容器1と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例の培養部蓋6Aは、蓋部61の中央部に通気部Aとしてのフィルター63を備え、縁部62の内周面にネジ部64が形成されている。フィルター63は、防水性、防塵性、及び通気性を有するものであれば特に限定されず、例えば、不織布や微多孔質の樹脂フィルム等、公知のフィルターを用いることができる。本変形例の培養部3Aは、開口部31の近傍の上端部の外周面に、培養部蓋6Aのネジ部64と螺合するネジ部32を有している。培養部蓋6Aは、縁部62の内周面のネジ部64を培養部3Aの外周面のネジ部32に螺合させることで、培養部3Aの上端に固定されて開口部31を閉塞している。
本変形例の培養容器によれば、前述の実施形態の培養容器1と同様の効果を得られるだけでなく、培養部蓋6Aの脱落を防止することができる。また、培養部蓋6Aの蓋部61及びフィルター63によって、培養液Lの液滴や飛沫、それに含まれる培養対象外の細胞、又は塵芥等を確実に遮蔽しつつ、フィルター63によって培養部3Aの通気性を確保することができる。
(変形例2、3及び4)
図4A、4B及び4Cは、前述の実施形態で説明した培養容器1の変形例2、3及び4を示す貯留部2A、2B及び2Cの培養液口24近傍の拡大断面図である。
変形例2、3及び4の培養容器は、蓋部材5が培養液口24を閉塞する貯留部蓋7A、7B、7Cを有し、貯留部蓋7A、7B、7Cが培養液口24を密閉する密閉部Sを有する点で、前述の実施形態で説明した培養容器1と異なっている。変形例2、3及び4の培養容器のその他の点は、前述の実施形態で説明した培養容器1と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4A、4Bに示す変形例2、3の培養容器において、貯留部2A、2Bの培養液口24を閉塞する蓋部材5の貯留部蓋7A、7Bは、スクリューキャップである。貯留部蓋7A、7Bでは、第2貯留部22A、22Bの培養液口24の内周面又は外周面のネジ部25、26に螺合するネジ部73、75によって、培養液口24を密閉する密閉部Sが形成されている。
図4Aに示す変形例2の培養容器では、貯留部蓋7Aの縁部72の内周面に形成されたネジ部73が、貯留部2Aの第2貯留部22Aの上端部の外周面に形成されたネジ部25に螺合することで、培養液口24が貯留部蓋7Aによって密閉されている。図4Bに示す変形例3の培養容器では、貯留部蓋7Bの蓋部71の下面から突出する突起部74の外周面に形成されたネジ部75が、貯留部2Bの培養液口24の内側の内周面に形成されたネジ部26に螺合することで、培養液口24が貯留部蓋7Bによって密閉されている。
また、図4Cに示す変形例4の培養容器では、貯留部蓋7Cは、蓋部71の下面から突出して培養液口24に陥入される円環状の凸部76を有している。凸部76は、外周面から径方向外側に突出する係合部77を有している。また、貯留部2Cの第2貯留部22Cの上端に開口する培養液口24の内側の内周面には、貯留部蓋7Cの凸部76の係合部77を係合させる凹部27が形成されている。貯留部蓋7Cは、凸部76を弾性変形させて培養液口24に陥入し、凸部76の係合部77を凹部27に係合させることで、培養液口24を封止している。すなわち、変形例4の貯留部蓋7Cにおいて、凸部76の係合部77は、貯留部2Cの凹部27に係合し、貯留部2Cに密着して培養液口24を封止することで、気密性を有する密閉部Sとして機能する。
変形例2、3及び4の培養容器は、前述の実施形態で説明した培養容器1と同様の効果を得ることができるだけでなく、蓋部材5が培養液口24を密閉する貯留部蓋7A、7B、7Cを有し、貯留部蓋7A、7B、7Cが気密性を有する密閉部Sを有することで、蓋部材5による培養液口24の密閉性を向上させることができる。また、貯留部蓋7A、7Bの密閉部Sが、培養液口24の外周面又は内周面のネジ部25又は26に螺合するネジ部73又は75である場合には、蓋部材5の貯留部蓋7A、7Bの脱落をより確実に防止することができる。また、貯留部蓋7Cの密閉部Sが、培養液口24に係合して培養液口24を封止する係合部77である場合には、蓋部材5の貯留部蓋7Cの開閉を容易にすることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 培養容器、2,2A−2C 貯留部、3,3A 培養部、4 膜、5 蓋部材、6 培養部蓋、7 貯留部蓋、24 培養液口、31 開口部、63 フィルター、73 ネジ部、75 ネジ部、77 係合部、A 通気部、CA 培養領域、L 培養液、OA 開口面積、S 密閉部

Claims (7)

  1. 細胞又は組織を培養する単一の培養部と、該培養部と一体に成形されて該培養部の下方で培養液を貯留する単一の貯留部と、前記培養部の底部に設けられて前記培養液を透過する単一の膜と、を備えた培養容器であって、
    前記培養部は、前記膜と鉛直方向に重なる位置に開口する開口部を有し、
    前記開口部の開口面積は、前記細胞又は前記組織を培養する培養領域の面積以上であり、
    前記貯留部は、前記開口部の平面視で前記培養部の側方に隣接して上方に開口する培養液口を有し、
    前記開口部と前記培養液口の一方を閉塞して他方を開放可能な蓋部材を有
    前記培養液口の高さ位置は、前記開口部の高さ位置よりも低いことを特徴とする培養容器。
  2. 前記培養領域の面積は、前記膜の面積以下であることを特徴とする請求項に記載の培養容器。
  3. 前記蓋部材は、前記開口部を閉塞する培養部蓋を有し、
    前記培養部蓋は、気体を通過させる通気部を有することを特徴とする請求項1または請求項に記載の培養容器。
  4. 前記通気部は、液体を遮蔽するフィルターであることを特徴とする請求項に記載の培養容器。
  5. 前記蓋部材は、前記培養液口を閉塞する貯留部蓋を有し、
    前記貯留部蓋は、前記培養液口を密閉する密閉部を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の培養容器。
  6. 前記密閉部は、前記培養液口の外周面又は内周面に螺合するネジ部であることを特徴とする請求項に記載の培養容器。
  7. 前記密閉部は、前記培養液口に係合して前記培養液口を封止する係合部であることを特徴とする請求項に記載の培養容器。
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