JP2009148221A - 生殖細胞凍結保存容器及び生殖細胞凍結保存方法 - Google Patents

生殖細胞凍結保存容器及び生殖細胞凍結保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生殖細胞の凍結保存に好適な容器を提供する。
【解決手段】生殖細胞凍結保存容器10は、容器本体21及び蓋22を有する容器11と、蓋22に貫通されて容器11の内部空間と外部とを連通する第1チューブ12と、第1チューブ12における容器11の内部空間側に第1端24が接続されて、その内部空間が第1チューブ12の内部空間と連続し、かつ第2端25が開口する中空糸13とを具備する。第1チューブ12を通じて中空糸13の内部空間に吸引圧を付与すると、中空糸13の内部空間へ生殖細胞31を取り込むことができる。蓋22を容器本体21に嵌合させると、中空糸13の内部空間に生殖細胞31が内包された状態を維持しながら、中空糸13の内部空間の培養液及び生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換することができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、生殖細胞の凍結保存に好適に用いられ容器に関する。
また、本発明は、生殖細胞を中空糸に包含させて凍結する生殖細胞凍結保存方法に関する。
ヒトの不妊治療や動物のクローンの分野において、卵子や初期胚などの生殖細胞を培養したり凍結保存することがある。この培養や凍結保存において、生殖細胞を培地から取り出したり、凍結保存容器に対して出し入れしたりすることがある。このような生殖細胞の取り扱い作業は、ピペットの如くストロー形状の器具を用いて、生殖細胞をストロー内へ吸い込む或いはストロー内から吐き出すことにより行われている。この他にも、膜状又は板状のデバイス(例えば、北里サプライ社製、クライオトップ)が用いられたり、ループ形状のナイロン糸(例えば、北里サプライ社製、クライオループ)が用いられたりしている。
特許文献1には、初期胚の遺伝情報の判定のために使用される器具が開示されている。この器具は、移植前初期胚から細胞を取り出すために使用され、ピペットに類似するパイプ材(2)を有する。このパイプ材(2)は、細いガラス管であり、その先端に鋭利な突き刺し部(3)が形成されている。パイプ材(2)の他端はマイクロマニピュレータ用の微量吸引及び排出が可能な操作器具に接続されている。初期胚にパイプ材(2)が突き刺され、初期胚内の細胞がパイプ材(2)の内部に吸引される。
特許文献2には、中空糸内部で細胞を培養又は保存するための器具が開示されている。この器具は、細胞懸濁液流通管(1)に中空糸固定部(3)を介して中空糸(4)の束が固定され、その中空糸(4)の束の先端が硬化性樹脂(5)で封止されている。中空糸(4)の束が培地に浸漬された状態で細胞懸濁液流通管(1)が吸引され、細胞懸濁液流通管(1)及び中空糸(4)の束に培地が満たされる。その後、細胞懸濁液流通管(1)を通じて中空糸(4)の束に細胞懸濁液が注入されると、中空糸(4)の内部に細胞が堆積される。
特許文献3には、生体組織マトリックスへ細胞を播種する方法が開示されている。この方法においては、播種すべき細胞が充填された生体分解性中空糸が生体組織片に埋め込まれ、その生体組織片において中空糸から細胞が放出される。
特開2003−33200号公報 特開2003−339368号公報 特開2007−168号公報
しかし、生殖細胞の凍結保存において、従来のストロー形状の器具を用いて、培地などから生殖細胞を取り出し、さらには、その生殖細胞を凍結保存に適した液体へ吐き出して凍結する作業は煩雑であるという問題がある。
また、生殖細胞を凍結保存する際に、例えばガラス化により凍結保存するのであれば、濃度勾配を有する複数のガラス化平衡液に生殖細胞を順次浸漬するが、その際に、従来のストロー形状の器具を用いて、複数種のガラス化平衡液に対して生殖細胞の注入及び取出しを繰り返す作業は煩雑であるという問題がある。さらには、凍結保存された生殖細胞を解凍して培地に注入する際にも、同様の煩雑さが問題となる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生殖細胞の凍結保存に好適な容器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、生殖細胞を簡易に凍結保存する手段を提供することにある。
(1) 本発明にかかる生殖細胞凍結保存容器は、容器本体及び当該容器本体に嵌合される蓋を有する容器と、上記蓋に貫通されて、上記容器の内部空間と外部とを連通する第1管体と、上記第1管体における上記容器の内部空間側に第1端が接続されて、その内部空間が上記第1管体の内部空間と連続し、かつ第2端が開口する中空糸と、を具備する。
本発明において生殖細胞とは、始原生殖細胞、精子、精子細胞、卵子、卵母細胞、初期胚を含む包括的な概念である。ここで、精子細胞とは、精子となる過程における前駆細胞をいう。卵母細胞とは、卵子となる過程における前駆細胞をいう。初期胚とは、着床前の受精卵をいう。
容器は、容器本体と蓋とを有する。容器本体は、液体などを注入可能な開口を有するものであれば、公知の容器形状が採用されうる。また、容器本体は、凍結保存する温度に適した素材が用いられ、そのような素材として、例えば合成樹脂やガラスなどがあげられる。容器本体の形状や容量は、特に限定されないが、一般に、直径が5〜10mm程度で、容量が1〜10mL程度のものが採用される。蓋は、容器本体の開口を閉じて、容器本体の内部空間を液密に封止する。ここでの液密には、後述される第1管体による流路は含まれず、容器本体と蓋との嵌合が液密であるとの意味である。容器本体と蓋との嵌め合いは、ネジ止めなどの公知の嵌合構造が採用されうる。
第1管体は、中空糸と接続可能なものであって、接続された中空糸を支持する剛性を有する。第1管体は、その内部空間が中空糸の内部空間と連続して気体又は液体の流路となり得るものである。第1管体の素材は特に限定されないが、例えば、ステンレスなどの金属や、プラスチック、ガラスなどがあげられる。
第1管体の形状は、特に限定されず、円管、角管などを採用しうるが、通常、中空糸が円筒形状となるので、円管であることが好ましい。
第1管体の外径又は内径は、中空糸との接続及び蓋の形状を考慮して選択される。例えば、第1管体に対して中空糸を外嵌させるのであれば、第1管体の外径は中空糸の内径と同程度としてもよい。逆に、中空糸に対して第1管体を外嵌させるのであれば、第1管体の内径は中空糸の外径と同程度としてもよい。また、筒形状のジョイントを用いて中空糸と第1管体とを接続するのであれば、第1管体の外径は中空糸の外径と同程度としてもよい。また、第1管体は、蓋を厚み方向に貫通するので、第1管体の外径は、蓋の外形寸法より小さいことが好適である。
第1管体の長さは、容器本体の深さ及び中空糸の長さなどを考慮して選択される。第1管体に接続された中空糸が、容器本体の内部で屈曲しない程度の長さが選択される。
第1管体は、蓋に貫通されるが、第1管体と蓋との間は液密に保持される。このような貫通構造は、公知の構造が採用されうる。例えば、蓋に第1管体の外径と同程度の孔を穿ち、その孔に第1管体を挿通して、孔の周縁を液密に封止する。蓋に貫通された第1管体は、蓋により密閉された容器の内部空間と外部とを連通する。
中空糸とは、生殖細胞を通過させないが、水や電解質、タンパク質などを通過させうる径の孔を複数有する膜がストロー形状に成形されたものをいう。中空糸を形成する膜として、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースアセテート、再生セルロールなどがあげられる。この膜が有する孔の平均径は、ナノメートルオーダーのものであればよい。また、膜の厚みは、前述の生殖細胞を観察できる程度の透明性を中空糸が有するためには、好ましくは0.5〜30μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。
中空糸の内径は、対象となる生殖細胞を内包することができる程度が選択され、好ましくは20〜1000μmであり、さらに好ましくは50〜500μm程度である。
中空糸の長さは、数個の生殖細胞を内包することが可能であり、後述される気泡を形成したりするに適した長さが選択される。また、中空糸の長さは、第1管体に接続されて容器本体の内部空間に配置された際に屈曲しない程度の長さである。好ましくは1〜10cmであり、さらに好ましくは10〜40mmである。中空糸の長さがこの範囲内であれば、前述の生殖細胞を1〜5個程度内包することができ、かつ、その内包された複数個の生殖細胞に対して中空糸の両開口側に気泡を形成することができ、さらには一般的な容量の容器に対応可能なので好適である。
中空糸の第1端と第1管体との接続は、外嵌やジョイントによる機械的な接続構造が選択されてもよく、さらに医療用接着剤などを用いて接着固定が行われてもよい。
生殖細胞用凍結保存容器の使用に際して、まず、容器の蓋を容器本体から取り外す。そして、例えば、顕微鏡などによって培地中の生殖細胞を確認して、第1管体又は蓋を操作して、第1管体に接続された中空糸を培地中に挿入し、中空糸の第2端を生殖細胞に近接させる。そして、吸引具又は口などを用いて、第1管体を通じて中空糸の内部空間を負圧にすると、その負圧が吸引圧となって、中空糸の第2端から生殖細胞が培養液と共に中空糸の内部空間へ吸引される。複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する場合には、この作業を繰り返す。
つづいて、予め凍結保存溶液が注入された容器本体に蓋を嵌合して、生殖細胞を包含した状態の中空糸を凍結保存溶液に浸漬する。前述のように、中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、培養液や凍結保存溶液などを通過させるので、中空糸の内部空間に生殖細胞が内包された状態を維持しながら、中空糸の内部空間の培養液を凍結保存溶液に置換することができる。これにより、複数個の生殖細胞を中空糸により一体としたまま凍結保存することができる。
(2) 上記第1管体における上記容器の外部側に、可撓性を有する第2管体が連結されてもよい。
可撓性を有する第2管体として、例えば天然ゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などをチューブ形状に成形したものがあげられる。第2管体の長さは特に限定されないが、第2管体の一端に吸引具や口から吸引圧を付与しながら第1管体又は蓋を操作するに適した長さが採用され、50〜1000mm程度であれば、一方の手で第1管体又は蓋を操作しながら、第2管体の他方に吸引圧を付与することが容易である。
第2管体の一端は、第1管体と接続可能な形状である。第2管体の他端は、吸引具と接続可能な形状や、口に含むためのマウスピースを取付可能な形状が採用される。
第1管体に可撓性を有する第2管体が連結されることにより、第1管体及び蓋と吸引具又は口とを離れた位置にすることができるので、生殖細胞用凍結保存容器のハンドリングが向上される。
(3) 上記第2管体は、その内部空間を閉塞するように弾性変形可能であってもよい。
第2管体の内部空間を閉塞する手法は特に限定されないが、例えば、ピンチコックにより第2管体を圧潰したり、加熱などにより溶着したりすることができる。第2管体の内部空間を閉塞すると、第1管体の内部空間及び中空糸の内部空間に連続する流路が閉塞されるので、中空糸の内部空間から生殖細胞が漏出することがない。
(4) 上記第1管体の内部空間及び上記第2管体の内部空間により形成される流路に、除菌フィルタが介在されてもよい。
除菌フィルタとして、例えば第1管体又は第2管体を接続可能な筐体により形成された流路を塞ぐように、ディスク形状のフィルタが配置されたものがあげられる。第2管体にマウスピースなどを接続して口により吸引圧を付与する場合に、口腔内の雑菌が中空糸の内部空間に進入しないという利点がある。
(5) 本発明にかかる生殖細胞凍結保存方法は、容器本体に嵌合可能な蓋を貫通する第1管体の一端から吸引圧を付与して、第1液体中に生殖細胞が浮遊する生殖細胞浮遊液から生殖細胞及び第1液体を、上記第1管体の他端に接続された中空糸の内部空間へ吸引する第1ステップと、凍結保存に適した第2液体が注入された容器本体を上記蓋で密閉して、その内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を第2液体に浸す第2ステップと、内部空間に生殖細胞を包含する中空糸を冷却して、当該生殖細胞を凍結する第3ステップと、を含む。
凍結保存すべき生殖細胞は第1液体中に浮遊する。第1液体とは、生殖細胞を浮遊させるに適した液体であり、例えば培養液があげられる。培養液は生殖細胞の種類及び目的により選択され、例えば、精子細胞や卵母細胞、初期胚を培養する場合には、TCM−199培地、RPMI−1640培地、DMEM培地、MEM培地、α−MEM培地、IMDM培地などがあげられる。また、ヒトの体外受精を目的とする培地として、HUCUM培地(ニプロ社製)があげられる。ウシの体外受精を目的とする培地として、TCM−199培地、SOF培地、CR1培地、KSOM培地、IVF100培地、IVF110S培地、IVMD101培地、IVD101培地(機能性ペプチド研社製)があげられる。ブタの体外受精を目的とする培地として、NCSU培地、PZM−5培地(機能性ペプチド研社製)があげられる。
生殖細胞浮遊液とは、前述の第1液体中に生殖細胞が浮遊した状態で存在するものである。通常、第1液体中には、単一種類の生殖細胞が複数個浮遊している。
第1ステップにおいて、例えば、顕微鏡などによって第1液体中の生殖細胞を確認し、蓋又は第1管体を操作して、第1管体に接続された中空糸を細胞浮遊液中に挿入し、中空糸の先端を生殖細胞に近接させる。そして、吸引具又は口による吸引圧を第1管体を通じて中空糸の内部空間へ付与する。そうすると、中空糸の先端から生殖細胞が第1液体と共に中空糸の内部空間へ吸引される。複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する場合には、この作業を繰り返す。これにより、中空糸の内部空間に、所望の個数の生殖細胞と第1液体とが取り込まれる。
第2ステップにおいて、予め凍結保存に適した第2溶液が注入された容器本体を蓋で密閉して、内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を容器本体中の第2液体に浸す。生殖細胞の凍結保存方法として、高濃度の凍害保護液中での急速冷凍と、低濃度の凍害保護液での通常冷凍とがあげられる。高濃度の凍結保護液中での急速冷凍は、ガラス化とも称され、また、凍害保護液はガラス化溶液とも称される。細胞内保護タイプのガラス化溶液として、ジメチルスルホキシド(DMSO)含有液、エチレングリコール含有液、プロパンジオール含有液などがあげられる。細胞外保護タイプのガラス化溶液として、トレハロース含有液、フィルコールコンレイ溶液があげられる。
中空糸の内部空間に包含された第1液体をガラス化溶液に置換するには、第2液体として、ガラス化溶液と培養液などの第1液体とを、適度な濃度勾配となる比率で混合したものが複数用いられてもよい。つまり、ガラス化溶液の濃度が次第に高くなる複数種の第2液体が用いられてもよい。濃度勾配を有する第2液体の種類が多いほど、緩慢な条件で中空糸の内部空間に包含された第1液体をガラス化溶液に置換することができるが、あまりに多いと作業が煩雑になるので、2〜5種類の第2液体を用いることが通常である。
複数種の第2液体を用いる場合には、複数種の第2液体をそれぞれ注入した容器本体に順に蓋を嵌合させる。この場合に、中空糸はガラス化溶液の濃度が低い第2液体から順に浸していく。複数種の第2液体に中空糸を浸した状態において、必要に応じて容器本体を振とうしながら第2液体を撹拌して、液体の置換を所定時間行う。前述のように、中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、第1液体及び第2液体を通過させる。したがって、中空糸の内部空間の第1液体や生殖細胞の細胞内液などが第2液体に置換される。その際に、生殖細胞は中空糸の内部空間に包含された状態に維持される。これをガラス化溶液の濃度が低い第2液体から順に行うことにより、中空糸の内部空間の第1液体や生殖細胞の細胞内液などがガラス化溶液に置換される。
第3ステップにおいて、容器本体に蓋が嵌合された状態で、容器本体及び蓋とともに、生殖細胞及び第2液体を包含する中空糸を冷却して、中空糸内の生殖細胞を凍結する。これにより、中空糸の内部空間に包含された生殖細胞が凍結される。凍結された生殖細胞を含有する中空糸は、容器本体及び蓋と共に、フリーザ、液体窒素中又は液体ヘリウム中に保存する。
なお、前述のように中空糸の内部空間に包含されて凍結保存された生殖細胞は、容器本体及び蓋と共に中空糸を加温液に浸すことにより解凍される。その後、容器本体から蓋を取り外して、第1管体を通じて中空糸の内部空間に排出圧を付与すると、中空糸の内部空間から生殖細胞が外部へ排出される。また、中空糸の内部空間に生殖細胞を包含させた状態で培養を行うのであれば、解凍後に、第1管体に接続された中空糸を切断し、生殖細胞を包含する中空糸を所望の培地中に投入すればよい。
(6) 上記第1ステップにおいて、中空糸の内部空間に吸引された生殖細胞及び第1液体の両端側に各々気体層を形成してもよい。
第1ステップにおいて生殖細胞浮遊液から生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する際に、生殖細胞の吸引に先立って、微量の第1液体のみを中空糸の内部空間へ吸引する。その後、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液から取り出して、微量の空気を中空糸の内部空間へ吸引する。その後再び、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液に挿入して、前述のようにして、中空糸の内部空間へ生殖細胞及び第1液体を吸引する。これにより、中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の一方の開口側に、微量の気泡(気体層)が形成される。
中空糸の内部空間へ生殖細胞及び第1液体を吸引した後、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液から取り出して、微量の空気を中空糸の内部空間へ吸引する。その後再び、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液に挿入して、微量の第1液体のみを中空糸の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の他方の開口側に、微量の気泡(気体層)が形成される。
中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の両端側に各々気体層が形成されると、液体層が容易に中空糸の内部空間を移動することが難しくなる。これにより、中空糸の内部空間へ吸引圧や排出圧が積極的に付与されないと、中空糸の内部空間から生殖細胞が外部へ漏れ出ることがない。
本発明にかかる生殖細胞用凍結保存容器によれば、容器本体に嵌合される蓋に貫通された第1管体に中空糸が接続されているので、第1管体を通じて中空糸の内部空間に吸引圧を付与すると、中空糸の内部空間へ生殖細胞を取り込むことができる。この中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、培養液や凍結保存溶液などを通過させるので、蓋を容器本体に嵌合させると、中空糸の内部空間に生殖細胞が内包された状態を維持しながら、中空糸の内部空間の培養液や生殖細胞の細胞内液などを凍結保存溶液に置換することができる。
また、本発明にかかる生殖細胞凍結保存方法によれば、容器本体内に密閉可能な中空糸の内部空間に生殖細胞を包含させ、その後に生殖細胞の細胞内液などを凍結保存溶液に置換してから凍結を行うので、濃度勾配が設けられた複数種の第2液体に対して生殖細胞を出し入れする作業が容易である。また、凍結保存された生殖細胞が容器本体内の中空糸の内部空間に包含されているので、解凍作業が容易であり、さらには、解凍後に、複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間に一体に包含させた状態のまま培養を行うこともできる。したがって、生殖細胞を簡易に凍結保存することができ、さらには、その後の解凍及び培養作業も容易となる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[図面の説明]
図1は、本発明の実施形態にかかる生殖細胞凍結保存容器10の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II切断線での断面図である。図3〜図8は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。図9及び図10は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。なお、図2、図9及び図10では、第2チューブ14の一部及び除菌フィルタ15が省略されている。また、図3〜図8には、生殖細胞凍結保存容器10の一部のみが示されており、第2チューブ14及び除菌フィルタ15は各図に示されていない。
[生殖細胞凍結保存容器10]
図1及び図2に示されるように、生殖細胞凍結保存容器10は、主として、容器11と、第1チューブ12と、中空糸13と、第2チューブ14と、除菌フィルタ15とを有する。
容器11は、内部に液体を保持可能な円柱形状の容器であり、容器本体21及び蓋22を有する。容器本体21は、一端が開口され、他端が底として封止された円筒形状である。蓋22は、容器本体21の開口部分に螺合されて、容器本体21の内部空間を封止する。容器本体21及び蓋22は、例えばポリプロピレンなど、液体窒素などによる冷却に適した素材からなる。図1及び図2には詳細に現れていないが、容器本体21の開口周りの外周面には雄ネジが形成されており、蓋22の内周面には雌ネジが形成されている。これら雄ネジと雌ネジが螺合して、容器本体21に蓋22が液密に嵌合される。容器本体21には、約10mL程度の液体が保持される。
蓋22には、第1チューブ12が貫通されている。第1チューブ12は、本発明における第1管体の一実施態様である。第1チューブ12は、その外径が蓋22の外径より小さな円管であり、容器11と同様に、ポリプレピレンなど、液体窒素などによる冷却に適した素材からなる。第1チューブ12の軸線方向は、蓋22の厚み方向にほぼ一致している。蓋22が容器本体21に嵌合された状態において、第1チューブ12の一端は容器11の内部空間にあり、かつ他端は容器11の外部にある。そして、第1チューブ12の内部空間を通じて、容器11の内部空間が外部と連通されている。第1チューブ12の内部空間は、後述されるように吸引圧が付与されて気体又は液体の流路となる。
中空糸13は、生殖細胞を通過させないが、水や電解質、タンパク質などを通過させうる径の孔を複数有する膜が、両端が開口したストロー形状に成形されたものである。中空糸13の内径及び長さは、対象となる生殖細胞に対応させて適宜選択されるが、内径は、好ましくは20〜1000μmであり、さらに好ましくは50〜500μmである。長さは、好ましくは10〜100mmであり、さらに好ましくは10〜40mmである。
中空糸13の第1端24は、容器11の内部空間側において第1チューブ12と接続されている。これにより、中空糸13の内部空間が、第1チューブ12の内部空間と連続して、気体又は液体の流路となる。中空糸13の第2端25は、容器本体11の内部空間側において開口している。
第1チューブ12の容器11の外部側には、ジョイント27を介して第2チューブ14が接続されている。第2チューブ14は、本発明における第2管体の一実施態様である。第2チューブ14は、シリコーンゴム製である。図1においては、第2チューブ14が、その長さ方向に対して一部が省略されて現されているが、第2チューブ14の長さは、第2チューブ14の一端側にある蓋22及び第1チューブ12を作業者が片手に持った際に、第2チューブ14の他端に接続されたマウスピース28を作業者の口元まで延出できるに適した長さであり、通常、数十cm程度である。第2チューブ14の可撓性は、マウスピース28を口元にあてながら蓋22及び第1チューブ12を作業者が片手に持って操作した際に、第2チューブ14が座屈せず、かつ第2チューブ14の内部空間が後述される吸引に適した負圧にされた際に第2チューブ14が内部空間を閉塞して潰れない程度である。
なお、第2チューブ14は、ジョイント27を介して第1チューブ12と接続されているが、このジョイント27は、公知のものを適宜用いればよいので、ここでは詳細な説明が省略される。
第2チューブ14の他端には、マウスピース28が接続されている。マウスピース28は、作業者が口に含むためのものであり、マウスピース28を介して第2チューブ14の内部空間に吸引圧が付与される。
第2チューブ14の中間には、除菌フィルタ15が接続されている。除菌フィルタ15を介して、第2チューブ14の内部空間は連続している。除菌フィルタ15は、作業者の口腔内の雑菌などが第1チューブ12まで到達させないためのフィルタであり、公知の除菌フィルタが適宜用いられる。
[生殖細胞凍結保存方法]
以下に、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法が説明される。生殖細胞凍結保存方法は、主として、(S1)生殖細胞浮遊液から生殖細胞31及び培養液32を中空糸13の内部空間へ吸引する第1ステップと、(S2)生殖細胞31及び培養液32を包含した中空糸13をガラス化溶液41に浸漬する第2ステップと、(S3)生殖細胞31及びガラス化溶液41を包含する中空糸13を冷却する第3ステップと、の3つのステップを有する。
凍結保存すべき生殖細胞31は培養液32中に浮遊している。培養液32は、培地皿などの容器に保持されているが、図3〜図8では容器が省略されて複数個の生殖細胞31及び培養液32の一部のみが示されている。培養液32中には複数個の生殖細胞31が浮遊しており、これら生殖細胞31は、同一個体から採取された単一種類のものである。
図3に示されるように、第1ステップ(S1)において、生殖細胞凍結保存容器10の容器11から蓋22を取り外し、その蓋22を片手で持って操作し、中空糸13の第2端25を培養液32中に挿入する。そして、他方の手でマウスピース28を口元へ運んで口に含んで吸い、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、中空糸13内に微量の培養液32を吸引する。
その後、図4に示されるように、蓋22を操作して中空糸13の第2端25を培養液32から取り出し、再び第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、微量の空気を中空糸13の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸13に吸引された微量の培養液32は、中空糸13の内部空間を第1チューブ12側へ若干移動する。
その後、図5に示されるように、蓋22を操作して中空糸13の第2端25を再び培養液32中に挿入し、顕微鏡を用いて培養液32中の生殖細胞31を確認しながら、中空糸13の第2端25を生殖細胞31に近接させる。そして、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、中空糸13の内部空間へ生殖細胞31を培養液32と共に吸引する。これにより、中空糸13の内部空間において、生殖細胞31及び培養液32が存在する液体層33の第1端24側に、微量の気体層34が形成される。つまり、中空糸11の内部空間には、第1端24側から順次、培養液32のみの層、気体層34、生殖細胞31及び培養液32を含む液体層33がそれぞれ形成される。
その後、図6に示されるように、中空糸13の第2端25を培養液32から取り出さずに、第2端25を他の生殖細胞31に近接させ、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、中空糸13の内部空間へ他の生殖細胞31を培養液32と共に吸引する。中空糸13の内部空間へ吸引する生殖細胞31の個数は特に限定されないが、本実施形態では、3個の生殖細胞31が培養液32とともに中空糸13の内部空間へ吸引されて液体層33が形成されている。
中空糸13の内部空間へ3個の生殖細胞31を吸引した後、図7に示されるように、蓋22を操作して中空糸13の第2端25を培養液32から取り出し、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、微量の空気を中空糸13の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸13内の液体層33及び気体層34は、中空糸13の内部空間を第1端24側へ若干移動する。
その後、図8に示されるように、蓋22を操作して中空糸13の第2端25を再び培養液32中に挿入し、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13に吸引圧を付与して、中空糸13の内部空間へ培養液32を吸引する。これにより、液体層33に対して中空糸13の第2端25側に、微量の気体層35が形成される。
第2ステップ(S2)において、内部空間に生殖細胞31及び培養液32を包含する中空糸13をガラス化溶液41に浸す。蓋22が取り外された容器本体21には、予め調製されたガラス化容器41を満たしておく。中空糸13内の培養液32をガラス化溶液41に置換する際に、生殖細胞31に対して緩慢な条件を選択したい場合には、ガラス化溶液41として、培養液32が適度な濃度勾配で混合された複数種のものが用いられる。このような濃度勾配は、例えば2〜5種類に設定される。複数種のガラス化溶液41が用いられる場合には、予め調整された各ガラス化溶液41が、それぞれ複数の容器本体21に満たされる。
前述のように、中空糸13は第1チューブ12を介して蓋22に接続されている。したがって、容器本体21に蓋22を嵌合して容器11を密閉すると、容器本体21に満たされたガラス化溶液41内に中空糸13が浸される。この中空糸13の内部空間には複数個の生殖細胞31が包含されている。そして、必要に応じて容器11を振とうさせながら所定時間放置して、中空糸13内の培養液32及び生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換する。前述のように、中空糸13の孔は、生殖細胞31を通過させないが、培養液32及びガラス化溶液41を通過させる。したがって、中空糸13の内部空間に生殖細胞31が保持されたまま、液体層33の培養液32及び生殖細胞31の細胞内液などがガラス化溶液41に置換される。なお、濃度勾配が設定された複数種のガラス化溶液41を用いて置換を行う場合には、濃度が低いガラス化溶液41が満たされた容器本体21から高い濃度のガラス化溶液41が満たされた容器本体21に対して、順に蓋22を嵌合させて液体の置換を行うことにより、中空糸13の内部空間の培養液32及び生殖細胞31の細胞内液などがガラス化溶液41に置換される。
第3ステップ(S3)において、容器本体21から蓋22を外し、蓋22を操作して、液体の置換を終えた中空糸13を液体窒素に投入して冷却する。これにより、中空糸13内にガラス化溶液41と共に包含されている生殖細胞31がガラス化される。ガラス化された生殖細胞31を含有する中空糸13は、再び、蓋22が容器本体21に嵌合して容器11内に封入してフリーザ内に保存する。
なお、前述のように中空糸13の内部空間に包含されて凍結保存された生殖細胞31は、中空糸13と共に加温液に浸すことにより解凍される。その際、蓋22を容器本体21から外して中空糸13を解凍しても、中空糸13を封入した容器11を加温して中空糸13を解凍してもよい。その後、蓋22を容器本体21から取り外した状態において、第2チューブ14及び第1チューブ12を通じて中空糸13の内部空間へ排出圧を付与すると、中空糸13の内部空間から生殖細胞31が外部へ排出される。また、中空糸13の内部空間に生殖細胞31を包含させた状態で培養を行うのであれば、解凍後に、図10に示されるように、中空糸13を切断して第1チューブ12から分離し、生殖細胞31及び培養液32を包含する中空糸13を所望の培地中に投入すればよい。
[本実施形態の作用効果]
前述の生殖細胞用凍結保存容器10によれば、容器本体11を密閉する蓋22に貫通された第1チューブ12に中空糸13が接続されているので、第1チューブ12を通じて中空糸13の内部空間に吸引圧を付与すると、中空糸13の内部空間へ生殖細胞31を取り込むことができる。この中空糸13の孔は、生殖細胞31を通過させないが、培養液32やガラス化溶液41を通過させるので、蓋22を容器本体21に嵌合させると、中空糸13の内部空間に生殖細胞31が内包された状態を維持しながら、中空糸13の内部空間の培養液32及び生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換することができる。
また、第1チューブ12に可撓性を有する第2チューブ14が連結されることにより、第1チューブ12及び蓋22とマウスピース28とを離れた位置にすることができるので、生殖細胞用凍結保存容器10のハンドリングが向上される。
また、第2チューブ14の中間に除菌フィルタ15が介在されているので、口腔内の雑菌が中空糸13の内部空間に進入しないという利点がある。
また、前述の生殖細胞凍結保存方法によれば、容器本体21内に密閉可能な中空糸13の内部空間に生殖細胞31を包含させ、その後に生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換してから凍結を行うので、濃度勾配が設けられた複数種のガラス化溶液41に対して生殖細胞31を出し入れする作業が容易である。また、凍結保存された生殖細胞31が容器本体21内の中空糸13の内部空間に包含されているので、解凍作業が容易であり、さらには、解凍後に、複数個の生殖細胞31を中空糸13の内部空間に一体に包含させた状態のまま培養を行うこともできる。したがって、生殖細胞31を簡易に凍結保存することができ、さらには、その後の解凍及び培養作業も容易となる。
また、中空糸13の内部空間において、生殖細胞31及び培養液32が存在する液体層33の両端側に各々気体層34,35を形成しているので、中空糸13のハンドリングに際して、液体層33が容易に中空糸13の内部空間を移動することがない。これにより、中空糸13の内部空間へ吸引圧や排出圧が積極的に付与されないと、中空糸13の内部空間から生殖細胞31が外部へ漏れ出ることがない。
なお、中空糸13の内部空間に気体層34,35を形成することに代えて、弾性変形可能な第2チューブ14をピンチコックなどで圧潰して、その内部空間を閉塞しても、中空糸13の内部空間から生殖細胞31が外部へ漏れ出ることがない。
また、本実施形態では、第2チューブ14にマウスピース28が接続されて、そのマウスピース28を作業者が口に含んで吸引力を付与することとしたが、例えば、マウスピース28に代えてピペッターなどの吸引具を第2チューブ14に接続して吸引力を付与してもよい。
図1は、本発明の実施形態にかかる生殖細胞凍結保存容器10の全体構成を示す斜視図である。 図2は、図1におけるII−II切断線での断面図である。 図3は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図4は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図5は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図6は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図7は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図8は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図9は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。 図10は、生殖細胞凍結保存容器10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。
符号の説明
10・・・生殖細胞凍結保存容器
11・・・容器
12・・・第1チューブ(第1管体)
13・・・中空糸
14・・・第2チューブ(第2管体)
15・・・除菌フィルタ
21・・・容器本体
22・・・蓋
24・・・第1端
25・・・第2端
31・・・生殖細胞
32・・・培養液(第1液体)
34,35・・・気体層
41・・・ガラス化溶液(第2液体)

Claims (6)

  1. 容器本体及び当該容器本体に嵌合される蓋を有する容器と、
    上記蓋に貫通されて、上記容器の内部空間と外部とを連通する第1管体と、
    上記第1管体における上記容器の内部空間側に第1端が接続されて、その内部空間が上記第1管体の内部空間と連続し、かつ第2端が開口する中空糸と、を具備する生殖細胞凍結保存容器。
  2. 上記第1管体における上記容器の外部側に、可撓性を有する第2管体が連結された請求項1に記載の生殖細胞凍結保存容器。
  3. 上記第2管体は、その内部空間を閉塞するように弾性変形可能である請求項2に記載の生殖細胞凍結保存容器。
  4. 上記第1管体の内部空間及び上記第2管体の内部空間により形成される流路に、除菌フィルタが介在された請求項2又は3に記載の生殖細胞凍結保存容器。
  5. 容器本体に嵌合可能な蓋を貫通する第1管体の一端から吸引圧を付与して、第1液体中に生殖細胞が浮遊する生殖細胞浮遊液から生殖細胞及び第1液体を、上記第1管体の他端に接続された中空糸の内部空間へ吸引する第1ステップと、
    凍結保存に適した第2液体が注入された容器本体を上記蓋で密閉して、その内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を第2液体に浸す第2ステップと、
    内部空間に生殖細胞を包含する中空糸を冷却して、当該生殖細胞を凍結する第3ステップと、を含む生殖細胞凍結保存方法。
  6. 上記第1ステップにおいて、中空糸の内部空間に吸引された生殖細胞及び第1液体の両端側に各々気体層を形成する請求項5に記載の生殖細胞凍結保存方法。
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