JP5051716B2 - 生殖細胞用デバイス及び生殖細胞凍結保存方法 - Google Patents

生殖細胞用デバイス及び生殖細胞凍結保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、生殖細胞の取り扱いに好適に用いられ、中空糸の内部空間に生殖細胞を包含しうる生殖細胞用デバイスに関する。
また、本発明は、生殖細胞を中空糸に包含させて凍結する生殖細胞凍結保存方法に関する。
ヒトの不妊治療や動物のクローンの分野において、卵子や初期胚などの生殖細胞を培養したり凍結保存することがある。この培養や凍結保存において、生殖細胞を培地から取り出したり、凍結保存容器に対して出し入れしたりすることがある。このような生殖細胞の取り扱い作業は、ピペットの如くストロー形状の器具を用いて、生殖細胞をストロー内へ吸い込む或いはストロー内から吐き出すことにより行われている。この他にも、膜状又は板状のデバイス(例えば、北里サプライ社製、クライオトップ)が用いられたり、ループ形状のナイロン糸(例えば、北里サプライ社製、クライオループ)が用いられたりしている。
特許文献1には、初期胚の遺伝情報の判定のために使用される器具が開示されている。この器具は、移植前初期胚から細胞を取り出すために使用され、ピペットに類似するパイプ材(2)を有する。このパイプ材(2)は、細いガラス管であり、その先端に鋭利な突き刺し部(3)が形成されている。パイプ材(2)の他端はマイクロマニピュレータ用の微量吸引及び排出が可能な操作器具に接続されている。初期胚にパイプ材(2)が突き刺され、初期胚内の細胞がパイプ材(2)の内部に吸引される。
特許文献2には、中空糸内部で細胞を培養又は保存するための器具が開示されている。この器具は、細胞懸濁液流通管(1)に中空糸固定部(3)を介して中空糸(4)の束が固定され、その中空糸(4)の束の先端が硬化性樹脂(5)で封止されている。中空糸(4)の束が培地に浸漬された状態で細胞懸濁液流通管(1)が吸引され、細胞懸濁液流通管(1)及び中空糸(4)の束に培地が満たされる。その後、細胞懸濁液流通管(1)を通じて中空糸(4)の束に細胞懸濁液が注入されると、中空糸(4)の内部に細胞が堆積される。
特許文献3には、生体組織マトリックスへ細胞を播種する方法が開示されている。この方法においては、播種すべき細胞が充填された生体分解性中空糸が生体組織片に埋め込まれ、その生体組織片において中空糸から細胞が放出される。
特開2003−33200号公報 特開2003−339368号公報 特開2007−168号公報
しかし、生殖細胞の培養において培地を交換する度に、従来のストロー形状の器具を用いて、培地などに対して生殖細胞の取出し及び吐き出しを繰り返す作業は煩雑であるという問題がある。
また、生殖細胞を凍結保存する際に、例えばガラス化により凍結保存するのであれば、濃度勾配を有する複数のガラス化平衡液に生殖細胞を順次浸漬するが、その際に、従来のストロー形状の器具を用いて、複数種のガラス化平衡液に対して生殖細胞の注入及び取出しを繰り返す作業は煩雑であるという問題がある。さらには、凍結保存された生殖細胞を解凍して培地に注入する際にも、同様の煩雑さが問題となる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生殖細胞の取り扱いに好適であり、特に凍結保存や培養に際しての生殖細胞の取り扱いに適したデバイスを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、生殖細胞を簡易に凍結保存する手段を提供することにある。
(1) 本発明にかかる生殖細胞用デバイスは、両端が開口された中空糸と、上記中空糸の一端に接続されて、その内部空間が当該中空糸の内部空間と連続して流路となる第1管体と、上記第1管体の内部空間に対して吸引圧を付与する吸引具と、を具備する。
本発明において生殖細胞とは、始原生殖細胞、精子、精子細胞、卵子、卵母細胞、初期胚を含む包括的な概念である。ここで、精子細胞とは、精子となる過程における前駆細胞をいう。卵母細胞とは、卵子となる過程における前駆細胞をいう。初期胚とは、着床前の受精卵をいう。
中空糸とは、生殖細胞を通過させないが、水や電解質、タンパク質などを通過させうる径の孔を複数有する膜がストロー形状に成形されたものをいう。中空糸を形成する膜として、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースアセテート、再生セルロールなどがあげられる。この膜が有する細孔径は、ナノメートルオーダーのものであればよい。また、膜の厚みは、前述の生殖細胞を観察できる程度の透明性を中空糸が有するためには、好ましくは0.5〜30μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。
中空糸の内径は、対象となる生殖細胞を内包することができる程度が選択され、好ましくは20〜1000μmであり、さらに好ましくは50〜500μmである。
中空糸の長さは、数個の生殖細胞を内包することが可能であり、後述される気泡を形成したりするに適した長さが選択され、好ましくは1〜100mmであり、さらに好ましくは10〜40mmである。中空糸の長さがこの範囲内であれば、卵母細胞、卵子及び初期胚であれば1〜数十個程度を内包することができ、始原生殖細胞、精子及び精子細胞であれば数十〜数万個程度を内包することができ、かつ、その内包された複数個の生殖細胞に対して中空糸の両開口側に気泡を形成することができる。
第1管体は、中空糸と接続可能なものであって、接続された中空糸を支持する剛性を有する。第1管体は、その内部空間が中空糸の内部空間と連続して気体又は液体の流路となり得るものである。第1管体の素材は特に限定されないが、例えば、ステンレスなどの金属や、プラスチック、ガラスなどがあげられる。
第1管体の形状は、特に限定されず、円管、角管などを採用しうるが、通常、中空糸が円筒形状となるので、円管であることが好ましい。
第1管体の外径又は内径は、中空糸との接続を考慮して選択される。例えば、第1管体に対して中空糸を外嵌させるのであれば、第1管体の外径は中空糸の内径と同程度としてもよい。逆に、中空糸に対して第1管体を外嵌させるのであれば、第1管体の内径は中空糸の外径と同程度としてもよい。また、筒形状のジョイントを用いて中空糸と第1管体とを接続するのであれば、第1管体の外径は中空糸の外径と同程度としてもよい。
第1管体の長さは、ハンドリングを考慮して選択され、50〜1000mm程度がハンドリングに優れるので好適である。
中空糸と第1管体との接続は、内嵌や外嵌、ジョイントによる機械的な接続構造が選択されてもよく、さらに医療用接着剤などを用いて接着固定が行われてもよい。
吸引具とは、中空糸及び第1管体の内部空間を負圧として、中空糸の開口から生殖細胞を液体と共に吸引させることが可能なものである。このような吸引具として、注射筒やマイクロポンプなどがあげられる。生殖細胞用デバイスをディスポーザブル品とするには、吸引具としてディスポーザブルの注射筒を選択することがコストや廃棄の観点から好ましい。
吸引具と第1管体との接続は特に限定されず、後述されるような第2管体を介して吸引具と第1管体とが接続されても、吸引具に第1管体が直接に接続されてもよい。
生殖細胞用デバイスの使用に際して、例えば、顕微鏡などによって培地中の生殖細胞を確認して、生殖細胞用デバイスの第1管体を操作して、第1管体に接続された中空糸を培地中に挿入し、中空糸の先端を生殖細胞に近接させる。そして、吸引具を動作させて第1管体を通じて中空糸の内部空間を負圧とすると、その負圧が吸引圧となって、中空糸の先端から生殖細胞が培養液と共に中空糸の内部空間へ吸引される。複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する場合には、この作業を繰り返す。
培地から取り出した生殖細胞を凍結保存する場合には、中空糸から生殖細胞を取り出すことなく、中空糸に内包された状態の生殖細胞を凍結保存溶液に浸漬する。前述のように、中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、培養液や凍結保存溶液などを通過させるので、中空糸の内部空間に生殖細胞が内包された状態を維持しながら、中空糸の内部空間の培養液や生殖細胞の細胞内液などを凍結保存溶液に置換することができる。これにより、複数個の生殖細胞を中空糸により一体としたまま凍結保存することができる。
(2) 上記第1管体と上記吸引具とが、可撓性を有する第2管体で連結されたものであってもよい。
可撓性を有する第2管体として、例えば天然ゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などをチューブ形状に成形したものがあげられる。第2管体の長さは特に限定されないが、第1管体と吸引具とを別々に操作するに適した長さが採用され、50〜1000mm程度であれば、一方の手で第1管体を操作しながら他方の手で吸引具を操作できるの好適である。
第2管体の両端は、第1管体又は吸引具と接続可能な形状である。第2管体と第1管体又は吸引具との接続構造は特に限定されず、外嵌などのように直接に接続されても、ジョイントなどを介して間接に接続されてもよい。
第1管体と吸引具とが可撓性を有する第2管体で連結されることにより、第1管体と吸引具とを離れた位置で別々に操作することができるので、生殖細胞用デバイスのハンドリングが向上される。
(3) 上記吸引具として、その内部空間に通ずるポートを有するシリンジと、上記シリンジの内部空間に気密に嵌合され、かつ当該内部空間をスライド可能なガスケットと、上記ガスケットに接続されて当該ガスケットのスライド方向へ延出されたプランジャと、を具備するものがあげられる。
これにより、コストや廃棄の観点から、吸引具をディスポーザブル品に適したものとし得る。また、シリンジとプランジャとは、ねじ込み部分を介して連結されたものであってもよい。これにより、中空糸内外へ空気や生殖細胞浮遊液を微量吸入又は微量排出し易いという利点がある。
(4) 本発明にかかる生殖細胞凍結保存方法は、両端が開口された中空糸の一端から吸引圧を付与して、第1液体中に生殖細胞が浮遊する生殖細胞浮遊液から生殖細胞及び第1液体を、中空糸の他端から内部空間へ吸引する第1ステップと、内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を、凍結保存に適した第2液体に浸す第2ステップと、内部空間に生殖細胞を包含する中空糸を冷却して、当該生殖細胞を凍結する第3ステップと、を含む。
凍結保存すべき生殖細胞は第1液体中に浮遊する。第1液体とは、生殖細胞を浮遊させるに適した液体であり、例えば培養液があげられる。培養液は生殖細胞の種類及び目的により選択され、例えば、精子細胞や卵母細胞、初期胚を培養する場合には、TCM−199培地、RPMI−1640培地、DMEM培地、MEM培地、α−MEM培地、IMDM培地などがあげられる。また、ヒトの体外受精を目的とする培地として、HUCUM培地(ニプロ社製)があげられる。ウシの体外受精を目的とする培地として、TCM−199培地、SOF培地、CR1培地、KSOM培地、IVF100培地、IVF110S培地、IVMD101培地、IVD101培地(機能性ペプチド研社製)があげられる。ブタの体外受精を目的とする培地として、NCSU培地、PZM−5培地(機能性ペプチド研社製)があげられる。
生殖細胞浮遊液とは、前述の第1液体中に生殖細胞が浮遊した状態で存在するものである。通常、第1液体中には、単一種類の生殖細胞が複数個浮遊している。
第1ステップにおいて、例えば、顕微鏡などによって第1液中の生殖細胞を確認して、中空糸を細胞浮遊液中に挿入し、中空糸の先端を生殖細胞に近接させる。そして、シリンジやマイクロポンプなどの吸引具を動作させて中空糸の内部空間に吸引圧を付与する。そうすると、中空糸の先端から生殖細胞が第1液と共に中空糸の内部空間へ吸引される。複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する場合には、この作業を繰り返す。これにより、中空糸の内部空間に、所望の個数の生殖細胞と第1液体とが取り込まれる。
第2ステップにおいて、内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を凍結保存に適した第2液体に浸す。第2液体は、凍結保存に適した液体である。生殖細胞の凍結保存方法として、高濃度の凍害保護液中での急速冷凍と、低濃度の凍害保護液での通常冷凍とがあげられる。高濃度の凍結保護液中での急速冷凍は、ガラス化とも称され、また、凍害保護液はガラス化溶液とも称される。細胞内保護タイプのガラス化溶液として、ジメチルスルホキシド(DMSO)含有液、エチレングリコール含有液、プロパンジオール含有液などがあげられる。細胞外保護タイプのガラス化溶液として、シュークロース含有液、トレハロース含有液、フィルコールコンレイ溶液があげられる。
中空糸の内部空間に包含された第1液体をガラス化溶液に置換するには、第2液体として、ガラス化溶液と培養液などの第1液体とを、適度な濃度勾配となる比率で混合したものが複数用いられてもよい。つまり、ガラス化溶液の濃度が次第に高くなる複数種の第2液体が用いられてもよい。濃度勾配を有する第2液体の種類が多いほど、緩慢な条件で中空糸の内部空間に包含された第1液体や生殖細胞の細胞内液などをガラス化溶液に置換することができるが、あまりに多いと作業が煩雑になるので、2〜5種類の第2液体を用いることが通常である。
複数種の第2液体を用いる場合には、ガラス化溶液の濃度が低い第2液体へ中空糸を浸す。そして、必要に応じて撹拌しながら置換を所定時間行う。前述のように、中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、第1液体及び第2液体を通過させる。したがって、中空糸の内部空間や生殖細胞の細胞内液などが第1液体から第2液体に置換される。その際に、生殖細胞は中空糸の内部空間に包含された状態に維持される。これをガラス化溶液の濃度が低い第2液体から順に行うことにより、中空糸の内部空間の第1液体や生殖細胞の細胞内液などがガラス化溶液に置換される。
第3ステップにおいて、生殖細胞及び第2液体を包含する中空糸を冷却して、中空糸内の生殖細胞を凍結する。最終濃度の第2液体から中空糸を取り出すと、その中空糸の内部空間には生殖細胞と第2液体とが包含されている。この中空糸を液体窒素に投入して冷却する。これにより、中空糸の内部空間に包含された生殖細胞が凍結される。凍結された生殖細胞を含有する中空糸は、保存に適した容器に封入してフリーザ、液体窒素中又は液体ヘリウム中に保存する。
なお、前述のように中空糸の内部空間に包含されて凍結保存された生殖細胞は、中空糸と共に加温液に浸すことにより解凍される。その後、中空糸の一端から内部空間へ排出圧を付与すると、中空糸の内部空間から生殖細胞が外部へ排出される。また、中空糸の内部空間に生殖細胞を包含させた状態で培養を行うのであれば、解凍後に、生殖細胞を包含する中空糸を所望の培地中に投入すればよい。
(5) 上記第1ステップにおいて、中空糸の内部空間に吸引された生殖細胞及び第1液体の両端側に各々気体層を形成してもよい。
第1ステップにおいて生殖細胞浮遊液から生殖細胞を中空糸の内部空間へ吸引する際に、生殖細胞の吸引に先立って、微量の第1液体のみを中空糸の内部空間へ吸引する。その後、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液から取り出して、微量の空気を中空糸の内部空間へ吸引する。その後再び、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液に挿入して、前述のようにして、中空糸の内部空間へ生殖細胞及び第1液体を吸引する。これにより、中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の一方の開口側に、微量の気泡(気体層)が形成される。
中空糸の内部空間へ生殖細胞及び第1液体を吸引した後、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液から取り出して、微量の空気を中空糸の内部空間へ吸引する。その後再び、中空糸の先端を生殖細胞浮遊液に挿入して、微量の第1液体のみを中空糸の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の他方の開口側に、微量の気泡(気体層)が形成される。
中空糸の内部空間において、生殖細胞及び第1液体が存在する液体層の両端側に各々気体層が形成されると、液体層が容易に中空糸の内部空間を移動することが難しくなる。これにより、中空糸の内部空間へ吸引圧や排出圧が積極的に付与されないと、中空糸の内部空間から生殖細胞が外部へ漏れ出ることがない。
(6) 上記第1ステップにおいて、上記中空糸の他端が第1管体に接続されて、その内部空間同士が連続して流路となり、その第1管体の内部空間に対して吸引圧を付与する吸引具が設けられた生殖細胞用デバイスを用いてもよい。
(7) 上記第2ステップにおいて、上記第1管体に接続された中空糸を切断して、当該中空糸を上記第2液体に浸してもよい。
本発明にかかる生殖細胞用デバイスによれば、各々の内部空間が流路として連続されて第1管体と中空糸とが接続されているので、吸引具により流路に吸引圧を付与すると、中空糸の内部空間へ生殖細胞を取り込むことができる。この中空糸の孔は、生殖細胞を通過させないが、培養液や凍結保存溶液などを通過させるので、中空糸の内部空間に生殖細胞が内包された状態を維持しながら、中空糸の内部空間の培養液や生殖細胞の細胞内液などを凍結保存溶液に置換することができる。つまり、凍結保存や培養に際して、生殖細胞の取り扱いに適したデバイスが実現される。
また、本発明にかかる生殖細胞凍結保存方法によれば、中空糸の内部空間に生殖細胞を包含させ、その後に生殖細胞の細胞内液などを凍結保存溶液に置換してから凍結を行うので、濃度勾配が設けられた複数種の第2液体に対して生殖細胞を出し入れする作業が容易である。また、凍結保存された生殖細胞が中空糸の内部空間に包含されているので、解凍作業が容易であり、さらには、解凍後に、複数個の生殖細胞を中空糸の内部空間に一体に包含させた状態のまま培養を行うこともできる。したがって、生殖細胞を簡易に凍結保存することができ、さらには、その後の解凍及び培養作業も容易となる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[図面の説明]
図1は、本発明の実施形態にかかる生殖細胞用デバイス10の全体構成を示す斜視図である。図2〜図7は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。図8及び図9は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。なお、図2〜図8には、生殖細胞用デバイス10の中空糸11及び注射針12の一部のみが示されており、チューブ13及び注射筒14は各図に示されていない。
[生殖細胞用デバイス10]
図1に示されるように、生殖細胞用デバイス10は、主として、中空糸11と、注射針12と、チューブ13と、注射筒14とを有する。
中空糸11は、生殖細胞を通過させないが、水や電解質、タンパク質などを通過させうる径の孔を複数有する膜が、両端が開口したストロー形状に成形されたものである。中空糸11の内径及び長さは、対象となる生殖細胞に対応させて適宜選択されるが、内径は数百μm程度であり、長さは数cmである。
注射針12は、本発明における第1管体の一実施態様である。注射針12は一般的なものであり、ステンレス製のカヌラがハブに固定されている。注射針12のカヌラの先端開口に中空糸11の一端が挿入されて、医療用接着剤により中空糸11と注射針12固定されている。これにより、中空糸11の内部空間が注射針12のカヌラの内部空間と連続する。この連続した内部空間は、後述されるように吸引圧が付与されて気体又は液体の流路となる。
チューブ13は、本発明における第2管体の一実施態様である。チューブ13は、シリコーンゴム製である。チューブ13の内径及び外径は、注射針12及び注射筒14に対応させて適宜選択される。図1においては、チューブ13が、その長さ方向に対して一部が省略されて現されているが、チューブ13の長さは、注射針12と注射筒14とを作業者が両手に分けて持って操作できるに適した長さであり、通常、数十cm程度である。チューブ13の可撓性は、注射針12と注射筒14とを作業者が両手に分けて持って操作した際にチューブ13が座屈せず、かつチューブ13の内部空間が後述される吸引に適した負圧にされた際にチューブ13が内部空間を閉塞して潰れない程度である。チューブ13の一端は、ジョイント15を介して注射針12のハブと接続されている。これにより、注射針12の内部空間は、チューブ13の内部空間と連続されている。このジョイント15は、公知のものを適宜用いればよいので、ここでは詳細な説明が省略される。
注射筒14は、本発明における吸引具の一実施態様である。注射筒14は、シリンジ21に対してプランジャ22が引き出されることにより、プランジャ22の先端に接続されたガスケット23が移動して、シリンジ21の内部空間に負圧を発生させる。この負圧が吸引圧として注射針12の内部空間に付与される。
注射筒14の構成は一般的である。シリンジ21は略円筒形状であり、その先端側が縮径されて円筒形状の取付部24が形成されている。取付部24の両端は開口しており、一端がシリンジ21の内部空間と通ずる。つまり、取付部24の内部空間は、シリンジ21の内部空間と外部とを連続させるポートを形成する。この取付部24にチューブ13の他端が外嵌されて、シリンジ21の内部空間とチューブ13の内部空間とが連続されている。シリンジ21の基端側は開口されており、その基端側からプランジャ22が内部空間へ挿入されている。プランジャ22は、シリンジ21の内部空間の軸線方向の長さより長く、シリンジ21の内部空間の最奥部まで挿入された状態で、プランジャ22の一部がシリンジ21の基端から外部へ突出している。
プランジャ22の先端にはガスケット23が接続されている。ガスケット23は、ゴムなどの弾性素材からなる円柱体であり、シリンジ21の内部空間に気密に嵌合されて、プランジャ22とともにシリンジ21の内部空間を軸線方向へスライド移動可能である。プランジャ22が延びる方向は、ガスケット23のスライド方向と一致する。ガスケット23がシリンジ21の基端側へ移動されると、シリンジ21の内部空間が負圧となって、取付部24から気体又は液体が内部空間へ吸引される。
[生殖細胞凍結保存方法]
以下に、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法が説明される。本実施形態では、生殖細胞用デバイス10を用いた手法が一例として説明されるが、本発明にかかる生殖細胞凍結保存方法は、生殖細胞用デバイス10以外の器具が用いられてもよいことは言うまでもない。
以下に説明される生殖細胞凍結保存方法は、主として、(S1)生殖細胞浮遊液から生殖細胞31及び培養液32を中空糸11の内部空間へ吸引する第1ステップと、(S2)生殖細胞31及び培養液32を包含した中空糸11をガラス化溶液41に浸漬する第2ステップと、(S3)生殖細胞31及びガラス化溶液41を包含する中空糸11を冷却する第3ステップと、の3つのステップを有する。
凍結保存すべき生殖細胞31は培養液32中に浮遊している。培養液32は、培地皿などの容器に保持されているが、図2〜図7では容器が省略されて複数個の生殖細胞31及び培養液32の一部のみが示されている。培養液32中には複数個の生殖細胞31が浮遊しており、これら生殖細胞31は、同一個体から採取された単一種類のものである。
図2に示されるように、第1ステップ(S1)において、生殖細胞用デバイス10の注射針12を片手で持って操作し、中空糸11を培養液32中に挿入する。そして、他方の手で注射筒14を操作してプランジャ22をシリンジ21から引き出し、中空糸11内に微量の培養液32を吸引する。
その後、図3に示されるように、注射針12を操作して中空糸11の先端を培養液32から取り出し、再び注射筒14を操作して微量の空気を中空糸11の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸11に吸引された微量の培養液32は、中空糸11の内部空間を注射針12側へ若干移動する。
その後、図4に示されるように、注射針12を操作して中空糸11の先端を再び培養液32中に挿入し、顕微鏡を用いて培養液32中の生殖細胞31を確認しながら、中空糸11の先端を生殖細胞31に近接させる。そして、注射筒14を操作して、中空糸11の内部空間へ生殖細胞31を培養液32と共に吸引する。これにより、中空糸11の内部空間において、生殖細胞31及び培養液32が存在する液体層33の注射針12側(一方の開口側)に、微量の気体層34が形成される。つまり、中空糸11の内部空間には、注射針12側から順次、培養液32のみの層、気体層34、生殖細胞31及び培養液32を含む液体層33がそれぞれ形成される。
その後、図5に示されるように、中空糸11の先端を培養液32から取り出さずに、その先端を他の生殖細胞31に近接させ、注射筒14を操作して、中空糸11の内部空間へ他の生殖細胞31を培養液32と共に吸引する。中空糸11の内部空間へ吸引する生殖細胞31の個数は特に限定されないが、本実施形態では、3個の生殖細胞31が培養液32とともに中空糸11の内部空間へ吸引されて液体層33が形成されている。
中空糸11の内部空間へ3個の生殖細胞31を吸引した後、図6に示されるように、注射針12を操作して中空糸11の先端を培養液32から取り出し、注射筒14を操作して、微量の空気を中空糸11の内部空間へ吸引する。これにより、中空糸11内の液体層33及び気体層34は、中空糸11の内部空間を注射針12側へ若干移動する。
その後、図7に示されるように、注射針12を操作して中空糸11の先端を再び培養液32中に挿入し、注射筒14を操作して、中空糸11の内部空間へ培養液32を吸引する。これにより、液体層33に対して中空糸11の先端側(他方の開口側)に、微量の気体層35が形成される。
第2ステップ(S2)において、内部空間に生殖細胞31及び培養液32を包含する中空糸11をガラス化溶液41に浸す。前述のように、中空糸11は注射針12に接続されているので、図8に示されるように、中空糸11の注射針12側を切断して、生殖細胞31及び培養液32を包含する中空糸11を、生殖細胞用デバイス10から分離する。なお、ハサミを用いて中空糸11を切断すると、サックバック作用により、中空糸11における切断部分と反対側の開口側、つまり先端側には空気が若干入り込む。
図9に示されるように、ガラス化溶液41は、予め調整されて容器50に注入されている。中空糸11内の培養液32をガラス化溶液41に置換する際に、生殖細胞31に対して緩慢な条件を選択したい場合には、ガラス化溶液41として、培養液32が適度な濃度勾配で混合された複数種のものが用いられる。このような濃度勾配は、例えば2〜5種類に設定される。複数種のガラス化溶液41が用いられる場合には、予め調整された各ガラス化溶液41が、それぞれ複数の容器50に注入される。
容器50は、一端が開口された円筒形状の本体51と、本体51に嵌合されて本体51の内部空間を密閉するキャップ52とを備えるが、このような容器50は一般的なものであり、その他の構成のものが適宜選択されて用いられてもよいので、ここでは詳細な説明が省略される。
図9に示されるように、ガラス化溶液41が注入された容器50に、切断された中空糸11を投入する。複数個の生殖細胞31は中空糸11に包含されており、中空糸11は目視によりピンセットなどを用いて操作することができる。そして、必要に応じて容器50を振とうさせながら所定時間放置して、中空糸11内の培養液32及び生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換する。前述のように、中空糸11の孔は、生殖細胞31を通過させないが、培養液32及びガラス化溶液41を通過させる。したがって、中空糸11の内部空間に生殖細胞31が保持されたまま、液体層33の培養液32がガラス化溶液41に置換される。なお、濃度勾配が設定された複数種のガラス化溶液41に置換する場合には、ガラス化溶液41の濃度が低いものから高いものについて順次液体の置換を行うことにより、中空糸11の内部空間の培養液32がガラス化溶液41に置換される。
第3ステップ(S3)において、液体の置換を終えた中空糸11をピンセットなどを用いて容器50から取り出し、液体窒素に投入して冷却する。これにより、中空糸11内にガラス化溶液41と共に包含されている生殖細胞31がガラス化される。ガラス化された生殖細胞31を含有する中空糸11は、冷凍保存に適した容器などに封入してフリーザ内に保存する。
なお、前述のように中空糸11の内部空間に包含されて凍結保存された生殖細胞31は、中空糸11と共に加温液に浸すことにより解凍される。その後、中空糸11の一端から内部空間へ排出圧を付与すると、中空糸11の内部空間から生殖細胞31が外部へ排出される。また、中空糸11の内部空間に生殖細胞31を包含させた状態で培養を行うのであれば、解凍後に、生殖細胞31を包含する中空糸11を所望の培地中に投入すればよい。
[本実施形態の作用効果]
前述の生殖細胞用デバイス10によれば、各々の内部空間が流路として連続されて注射針12と中空糸11とが接続されているので、注射筒14により流路に吸引圧を付与すると、中空糸11の内部空間へ生殖細胞31を取り込むことができる。中空糸11の孔は、生殖細胞31を通過させないが、培養液32やガラス化溶液41を通過させるので、中空糸11の内部空間に生殖細胞31が内包された状態を維持しながら、中空糸11の内部空間の培養液32や生殖細胞31の細胞内液などをガラス化溶液41に置換することができる。このように、生殖細胞用デバイス10は、凍結保存や培養に際して生殖細胞41の取り扱いに適している。
また、注射針12と注射筒14とが可撓性を有するチューブ13で連結されているので、注射針12と注射筒14とを離れた位置で別々に操作することができるので、生殖細胞用デバイス10のハンドリングがよい。
また、本発明にかかる吸引具として、その内部空間に通ずるポートを有するシリンジ21と、シリンジ21の内部空間に気密に嵌合され、かつ内部空間をスライド可能なガスケット23と、ガスケット23に接続されてガスケット23のスライド方向へ延出されたプランジャ22とを具備する注射筒14を用いることにより、生殖細胞用デバイス10をディスポーザブル品とする場合に、コストや廃棄の観点から有利である。
また、前述の生殖細胞凍結保存方法によれば、中空糸11の内部空間に生殖細胞31を包含させ、その後に生殖細胞31の細胞内溶液などをガラス化溶液41に置換してからガラス化を行うので、濃度勾配が設けられた複数種のガラス化溶液41に対して生殖細胞31を出し入れする作業が容易である。また、凍結保存された生殖細胞31が中空糸11の内部空間に包含されているので、解凍作業が容易であり、さらには、解凍後に、複数個の生殖細胞31を中空糸11の内部空間に一体に包含させた状態のまま培養を行うこともできる。したがって、生殖細胞31を簡易にガラス化して凍結保存することができ、さらには、その後の解凍及び培養作業も容易となる。
また、中空糸11の内部空間において、生殖細胞31及び培養液32が存在する液体層33の両端側に各々気体層34,35を形成しているので、中空糸11のハンドリングに際して、液体層33が容易に中空糸11の内部空間を移動することがない。これにより、中空糸11の内部空間へ吸引圧や排出圧が積極的に付与されないと、中空糸11の内部空間から生殖細胞31が外部へ漏れ出ることがない。
なお、本実施形態では、注射針12と注射筒14とがチューブ13により接続されているが、本発明にかかる生殖細胞用デバイスを実現するにあたり、注射針12と注射筒14とが直接に接続される実施態様が採用されてもよい。
過排卵処理したBDF1系マウスより、1細胞期から胚盤胞期の胚を採取した。各発達段階毎の1細胞期から胚盤胞期の胚は、以下の手順でガラス化及び融解を行った。なお、以下の手順において、基本培地は、HEPES緩衝TCM−199培地に20%子牛血清を加えたものであり、平衡液は、凍結保護剤としての7.5%エチレングリコール及び7.5%DMSOを含む液体であり、ガラス化液は、凍結保護剤としての15%エチレングリコール及び15%DMSOを含む液体であり、融解液は、基本培地に1M蔗糖を加えた液体である。
[作業手順]
(1) 図1に示される生殖細胞用デバイス10を20個用いて、図2〜図7に示された手順に従って、培養液中の各発達段階の胚を1個の生殖細胞用デバイス10について10個ずつ中空糸11中に吸引した。つまり、各発達段階について5個の生殖細胞用デバイスを用い、合計で50個の胚を10個ずつ5本の中空糸11中に吸引した。
(2) 図8に示されるようにして、生殖細胞用デバイス10の中空糸11を切断した。胚を内包する各中空糸11を、約2mLの平衡液中に移動させて、約5分間、室温で保持した。
(3) 図9に示されるようにして、平衡液に浸漬された中空糸11をピンセットでつかみ、予め氷温に冷却したガラス化液に移動させて、約1〜2分間保持した。
(4) ガラス化液に浸漬された中空糸11をピンセットでつかんで液体窒素中に投入し、凍結保存した。
(5) 液体窒素中に凍結保存された中空糸11をピンセットでつかみ、予め37℃に暖められた融解液中に移動させて、1分間保持した。
(6) 融解液中に浸漬された中空糸11をピンセットでつかみ、0.5M蔗糖液に移動させて、3分間保持した。
(7) 0.5M蔗糖液中に浸漬された中空糸11をピンセットでつかみ、新鮮な基本培地に移動させる作業を3回繰り返し、中空糸11の内部空間及び生殖細胞31の細胞内液などから凍結保護剤を完全に除去した。
[生存判定]
前述の作業手順を経た中空糸11の一端をピンセットで保持しながら、別のピンセットを用いて中空糸11を緩やかに扱いて、中空糸11の内部空間に包含された胚を新鮮な培養液中に押し出して回収した。回収した胚を、市販の胚培養液を用いて24時間培養し、生存判定を行った。生存判定は、1細胞期胚、2細胞期胚及び桑実期胚の場合は、それぞれ2細胞期、8細胞期、胚盤胞期へ発達したものを生存胚と判定した。また、胚盤胞は、融解後に胞胚腔を再形成したものを生存と判定した。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、胚の発達段階を問わず、すべての胚の生存率が100%であった。
Figure 0005051716
図1は、本発明の実施形態にかかる生殖細胞用デバイス10の全体構成を示す斜視図である。 図2は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図3は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図4は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図5は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図6は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図7は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す模式図である。 図8は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。 図9は、生殖細胞用デバイス10を用いた生殖細胞凍結保存方法の手順を示す縦断面図である。
符号の説明
10・・・生殖細胞用デバイス
11・・・中空糸
12・・・注射針(第1管体)
13・・・チューブ
14・・・注射筒(吸引具)
21・・・シリンジ
22・・・プランジャ
23・・・ガスケット
24・・・取付部(ポート)

Claims (7)

  1. 両端が開口された中空糸と、
    上記中空糸の一端に接続されて、その内部空間が当該中空糸の内部空間と連続して流路となる第1管体と、
    上記第1管体の内部空間に対して吸引圧を付与する吸引具と、を具備する生殖細胞用デバイス。
  2. 上記第1管体と上記吸引具とが、可撓性を有する第2管体で連結された請求項1に記載の生殖細胞用デバイス。
  3. 上記吸引具は、
    その内部空間に通ずるポートを有するシリンジと、
    上記シリンジの内部空間に気密に嵌合され、かつ当該内部空間をスライド可能なガスケットと、
    上記ガスケットに接続されて当該ガスケットのスライド方向へ延出されたプランジャと、を具備する請求項1又は2に記載の生殖細胞用デバイス。
  4. 両端が開口された中空糸の一端から吸引圧を付与して、第1液体中に生殖細胞が浮遊する生殖細胞浮遊液から生殖細胞及び第1液体を、中空糸の他端から内部空間へ吸引する第1ステップと、
    内部空間に生殖細胞及び第1液体を包含する中空糸を、凍結保存に適した第2液体に浸す第2ステップと、
    内部空間に生殖細胞を包含する中空糸を冷却して、当該生殖細胞を凍結する第3ステップと、を含む生殖細胞凍結保存方法。
  5. 上記第1ステップにおいて、中空糸の内部空間に吸引された生殖細胞及び第1液体の両端側に各々気体層を形成する請求項4に記載の生殖細胞凍結保存方法。
  6. 上記第1ステップにおいて、上記中空糸の他端が第1管体に接続されて、その内部空間同士が連続して流路となり、その第1管体の内部空間に対して吸引圧を付与する吸引具が設けられた生殖細胞用デバイスを用いる請求項4又は5に記載の生殖細胞凍結保存方法。
  7. 上記第2ステップにおいて、上記第1管体に接続された中空糸を切断して、当該中空糸を上記第2液体に浸す請求項6に記載の生殖細胞凍結保存方法。
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