JP4602227B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は車両用の油圧緩衝器に関する。
車両用の油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、該隔壁部材の下部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを、前記隔壁部材を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストンロッドの先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、前記インナチューブの作動油室内で、ピストンロッド側の上ばね受けと該インナチューブの底部側の下ばね受けとの間に懸架スプリングを介装したものがある。
特許文献1の油圧緩衝器は、インナチューブの底部側にプランジャを摺動可能に嵌合し、プランジャの上部に懸架スプリングのための下ばね受けを載せ、プランジャの下部に作動油の加圧室を設け、外部操作されて振動するポンプピストンにより加圧室を加圧することにより、懸架スプリングのばね荷重を外部から調整可能にしている。
実開平2-150439
特許文献1の油圧緩衝器では、インナチューブの底部側にプランジャやポンプピストンを摺動可能に組込む必要があり、部品加工性や組付性に困難を伴ない、コスト高になる。
また、懸架スプリングの荷重を加圧室の作動油により支持するものであり、加圧室の高い作動油圧を封止するのに困難を伴ない、コスト高になる。
本発明の課題は、インナチューブの底部側に設けた懸架スプリングの下ばね受けを昇降させてばね荷重を調整する油圧緩衝器において、外部から下ばね受けを昇降させる構造の簡素を図ることにある。
請求項1の発明は、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、該隔壁部材の下部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを、前記隔壁部材を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストンロッドの先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、前記インナチューブの作動油室内で、ピストンロッド側の上ばね受けと該インナチューブの底部側の下ばね受けとの間に懸架スプリングを介装した油圧緩衝器において、前記インナチューブの底部を構成する車軸ブラケットに設けたアジャストボルトにより下ばね受けを支持し、アジャストボルトの螺動により下ばね受けを昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整するものであり、前記車軸ブラケットに穿設されている操作用孔に、インナチューブの内部に臨む側になる方からアジャストボルトの操作部を挿着し、該アジャストボルトを車軸ブラケットの該操作用孔まわりの内面に外部へ抜け止めする状態で支持するとともに、該アジャストボルトの操作部を該操作用孔から外部に臨ませ、インナチューブの内部に臨むアジャストボルトのねじ部にアジャストナットを螺合し、インナチューブの内部に設けた回り止め手段によりアジャストナットを回り止めし、アジャストナットの先端部に下ばね受けの背面を衝合するようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に対して封止したものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に連通したものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記回り止め手段がインナチューブと車軸ブラケットの間に挟圧されるワッシャからなり、ワッシャに設けた回り止め用異形スリットにアジャストナットの異形部を挿通させたものである。
請求項5の発明は、請求項の発明において更に、前記アジャストボルトのフランジ部と前記ワッシャの下面との間に、アジャストボルトを外部から押し込み不能にするカラーを介装したものである。
(請求項1)
(a)インナチューブの底部側にアジャストボルトを回動可能に設けるものであり、プランジャ等の摺動部品を組込むものに比して部品加工性や組付性を簡易化できる。
(b)懸架スプリングの荷重をアジャストボルトにより直に支持するものであり、作動油の封止構造は簡易で足り、作動信頼性も向上する
(c)アジャストボルトをインナチューブの底部の内面に抜け止め支持する状態で、外部から回動操作することにより、回り止めされているアジャストナットを直線動し、アジャストナットが背面支持している下ばね受けを昇降させることができる。
(請求項
(d)インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に対して封止したことにより、インナチューブの内部における下ばね受けの昇降が、インナチューブの作動油室を介して油溜室の油面をも昇降させるものになる。従って、下ばね受けの昇降によって懸架スプリングのばね荷重を調整するとともに、油溜室の油面の上昇によって空気室を拡縮し、結果として空気ばねのばね荷重も調整できる。
(請求項
(e)インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に連通したことにより、下ばね受けの昇降によって懸架スプリングのばね荷重だけを調整できる。
(請求項
(f)インナチューブと車軸ブラケットの間に挟圧されるワッシャに、アジャストナットのための回り止め用異形スリットを設けたから、アジャストナットを簡易に回り止めできる。
(請求項
(g)アジャストボルトのフランジ部と前記ワッシャの下面との間に、アジャストボルトを外部から押し込み不能にするカラーを介装したから、アジャストボルトを外部から押し込み防止できる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の中間部断面図、図4は図1の上部断面図、図5はばね荷重調整装置を示す断面図、図6はアジャストボルトを示す正面図、図7はアジャストナットを示し、(A)は断面図、(B)は平面図、図8はカラーを示す断面図、図9は回り止めワッシャを示す平面図、図10は下ばね受けを示す断面図、図11はばね荷重調整装置の変形例を示す断面図である。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11を車体側に、インナチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであり、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したガイドブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端開口部の外周に固定したガイドブッシュ12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Bはオイルシール、11Cはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材14A、14Bが設けられる。インナチューブ12の下端開口部には車軸ブラケット15が液密に挿着されて螺着されてインナチューブ12の底部を構成し、車軸ブラケット15には車軸取付孔16が設けられる。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記2つのガイドブッシュ11A、12Aにて区画される環状油室17を区画する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側内周にOリングを介する等により液密に、隔壁部材19を設け、隔壁部材19のロッドガイド部19Aより下部に作動油室21を区画するとともに、上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中でその下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。
油圧緩衝器10は、アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23を隔壁部材19のロッドガイド部19Aに摺動自在に挿入する。具体的には、キャップ13の中心部の下端部に中空ピストンロッド23を螺着し、これをロックナット25で固定する。
油圧緩衝器10は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aからインナチューブ12に挿入したピストンロッド23の先端部に、インナチューブ12の内周に摺接するピストン26を固定し、前記油室21をピストンロッド23が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド23が収容されないピストン側油室21Bに区画する。ピストン26はナット27により固定される。
油圧緩衝器10は、前記環状油室17を、インナチューブ12に設けた油孔28を介して、ピストンロッド側油室21Aに常時連通する。
油圧緩衝器10は、ピストン26のピストン側油室21Bに臨む下端面に上ばね受け31を衝合し、車軸ブラケット15が形成するインナチューブ12の底部に下ばね受け32を着座させ、上ばね受け31のテーパ部31Aに連なる最下端縮径部31Bとの段差部に設けたばね受け部31Cと下ばね受け32の間に懸架スプリング33を介装している。油圧緩衝器10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング33の伸縮振動により吸収する。
油圧緩衝器10は、ピストン26に減衰力発生装置40を備える。
減衰力発生装置40は、圧側流路41と伸側流路42(不図示)を備える。圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41Aにより開閉される。伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42Aにより開閉される。尚、バルブストッパ41B、バルブ41A、ピストン26、バルブ42A、バルブストッパ42Bは、ピストンロッド23に挿着されるバルブ組立体を構成し、ピストンロッド23に係着されたストッパリング41Cと、ピストンロッド23に螺着されるナット27に挟まれて固定される。
減衰力発生装置40は、キャップ13の中心部にアジャストロッド43を液密に螺着し、アジャストロッド43に固定したニードルバルブ44をピストンロッド23の中空部に挿入し、ピストンロッド23に設けたバイパス路45の開度をニードルバルブ44の上下動により調整する。バイパス路45は、ピストン26をバイパスし、ピストンロッド側油室21Aとピストン側油室21Bを連絡する。
減衰力発生装置40は、圧側行程では、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。また、伸側行程では、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。この圧側減衰力と伸側減衰力により、前述した懸架スプリング33の伸縮振動を制振する。
油圧緩衝器10は、キャップ13の下端面に、インナチューブ12に設けた隔壁部材19の上端部が最圧縮ストロークで衝合するストッパラバー13A、ストッパ板13Bを固着しており、このストッパラバー13Aによって最圧縮ストロークを規制する。
油圧緩衝器10は、インナチューブ12の上端側の隔壁部材19のピストンロッド側油室21Aに臨む下端面に固定したスプリングシート51と、ピストン26の上端面の側に設けたバルブストッパ41Bとの間にリバウンドスプリング52を介装してある。油圧緩衝器10の最伸長時に、隔壁部材19がリバウンドスプリング52をバルブストッパ41Bとの間で加圧することにより、最伸長ストロークを規制する。
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室17の断面積S1を、ピストンロッド23の断面積(外径に囲まれる面積)S2より大きく形成している(S1>S2、但しS1≧S2でも可)。
また、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止するチェック弁60を設けている。隔壁部材19のロッドガイド部19Aの内周にはバルブ室61が設けられ、バルブ室61の上端側の段差部61Aと、バルブ室61の下端側に設けられた前述のスプリングシート51上のバックアップスプリング53との間にチェック弁60が収容される。チェック弁60は、段差部61Aとスプリングシート51の間隔より短尺とされ、下端面に横溝62を形成される。チェック弁60は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周に摺接して上下変位可能に設けられる。チェック弁60の外周は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周との間に、油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容する流路を形成する。チェック弁60は、ピストンロッド23を摺動自在に支持するブッシュ63をその内周に圧入されて備える。圧側行程では、チェック弁60はインナチューブ12に進入するピストンロッド23に連れ移動して図3の下方に移動し、スプリングシート51に衝合するとともに、段差部61Aとの間に隙間を形成し、ピストンロッド側油室21Aの油を横溝62からその外周経由で段差部61Aとの隙間を通って油溜室22へ排出可能とする。伸側行程では、チェック弁60はインナチューブ12から退出するピストンロッド23に連れ移動して図3の上方に移動し、段差部61Aに衝合して該段差部61Aとの間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの油が上述した圧側行程の逆経路で油溜室22へ排出されることを阻止する。
また、隔壁部材19のロッドガイド部19Aはピストンロッド23の周囲にオイルシールを封着していないから、チェック弁60の内周に圧入してあるブッシュ63がピストンロッド23の周囲に形成する微小間隙(又はチェック弁60が段差部61Aとの間に形成する微小間隙)により、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通する微小流路(オリフィス)64(不図示)を構成する。微小流路64は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに穿設され、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通するものでも良い。
油圧緩衝器10の動作は以下の如くになる。
(圧側行程)
圧側行程でインナチューブ12に進入するピストンロッド23の進入容積分の作動油がインナチューブ12の内周の油室21Aからインナチューブ12の油孔28を介して環状油室17に移送される。このとき、環状油室17の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド23の容積増加分ΔS2より大きいから、環状油室17への油の必要補給量のうち、(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁60を介して補給される。
この圧側行程では、前述した通り、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。
(伸側行程)
伸側行程でインナチューブ12から退出するピストンロッド23の退出容積分の作動油が環状油室17からインナチューブ12の油孔29を介してインナチューブ12の内周の油室21Aに移送される。このとき、環状油室17の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド23の容積減少分ΔS2より大きいから、環状油室17からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分が微小流路64を介して油溜室22へ排出される。
この伸側行程では、前述した通り、低速域で、ニードルバルブ44により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。また、上述の微小流路64の通路抵抗による伸側減衰力も発生する。
以下、下ばね受け32を昇降し、懸架スプリング33のばね荷重を調整するばね荷重調整装置70について説明する。
ばね荷重調整装置70は、図5に示す如く、インナチューブ12の底部(車軸ブラケット15)側に設けたアジャストボルト71により下ばね受け32を支持し、アジャストボルト71の螺動により下ばね受け32を昇降させて懸架スプリング33のばね荷重を調整する。具体的には以下の如くである。
(1)インナチューブ12の下端開口部に螺着される前の車軸ブラケット15の車軸取付孔16を通る中心線上に穿設されている操作用孔15Aに対し、インナチューブ12の内部に臨む側になる方からアジャストボルト71の操作部71Aを挿着する。アジャストボルト71は、図6に示す如く、操作部71Aと、操作部71Aより大径のフランジ部71Bと、ねじ部71Cを有し、操作部71Aの端面に工具停止用六角孔71Dを備え、操作部71Aの外周溝にOリング71Eを嵌着される。アジャストボルト71は、操作部71AをOリング71Eとともに操作用孔15Aに液密に挿着され、フランジ部71Bを車軸ブラケット15の操作用孔15Aまわりの内面に支持して外部へ抜け止めされる状態で、操作部71Aの六角孔71Dを操作用孔15Aから外部(車軸取付孔16)に臨ませる。
(2)インナチューブ12の内部に臨むことになるアジャストボルト71のねじ部71Cに対し、アジャストナット72を螺着する。アジャストナット72は、図7に示す如く、鍔部72Aから筒状異形部72Bを起立し、異形部72Bの内周にねじ部72Cを備える。異形部72Bは例えば円筒外面に二面巾部を備える。アジャストナット72は、鍔部72Aの側から、アジャストボルト71のねじ部71Cにそのねじ部72Cを螺着する。鍔部72Aは後述する回り止めワッシャ74の下面に衝合し、アジャストナット72の上昇ストローク端を規制する。
(3)アジャストナット72の周囲に装填したカラー73をアジャストボルト71のフランジ部71Bの上に載置する。カラー73は、図8に示す如く、アジャストボルト71のフランジ部71Bと後述する回り止めワッシャ74の下面との間に介装され、アジャストボルト71を外部から押し込み不能にする。
(4)インナチューブ12の下端開口部に車軸ブラケット15を螺着する。このとき、インナチューブ12の下端面と車軸ブラケット15の内周段差面との間に回り止めワッシャ74を挟圧する。回り止めワッシャ74は、図9に示す如く、回り止め用異形スリット74Aを備え、この異形スリット74Aに上述(2)のアジャストナット72の異形部72Bを挿通させる。これにより、アジャストナット72は、アジャストボルト71の螺動に対して回り止めワッシャ74により回り止めされ、異形スリット74A内を直線動して昇降する。
(5)インナチューブ12の内周に下ばね受け32を挿入し、アジャストナット72の先端部に下ばね受け32の背面を衝合する。下ばね受け32は、図10に示す如く、カップ状をなし、カップ底部の背面をアジャストナット72の先端部に衝合し、カップ外周溝にOリング75を嵌着させる。下ばね受け32はOリング75とともにインナチューブ12の内周に液密に嵌合され、下ばね受け32の上部の油室21を下ばね受け32の背面室76(アジャストボルト71と下ばね受け32との間で、アジャストナット72、カラー73、回り止めワッシャ74を格納するスペース)に対して液密に封止する。この後、インナチューブ12の内部に懸架スプリング33を挿入し、懸架スプリング33を下ばね受け32に支持させる。
油圧緩衝器10を組上げた状態で、車軸ブラケット15の車軸取付孔16から操作用孔15Aに挿入される工具によりアジャストボルト71の操作部71Aを介してアジャストボルト71を螺動すると、アジャストナット72が昇降し、このアジャストナット72に衝合している下ばね受け32が昇降する。下ばね受け32は、ピストンロッド23側の上ばね受け31との間で、懸架スプリング33の初期長さを調整し、懸架スプリング33のばね荷重を調整するものになる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)インナチューブ12の底部側にアジャストボルト71を回動可能に設けるものであり、プランジャ等の摺動部品を組込むものに比して部品加工性や組付性を簡易化できる。
(b)懸架スプリング33の荷重をアジャストボルト71により直に支持するものであり、作動油の封止構造は簡易で足り、作動信頼性も向上する。
(c)アジャストボルト71をインナチューブ12の底部の内面に抜け止め支持する状態で、外部カラー73回動操作することにより、回り止めされているアジャストナット72を直線動し、アジャストナット72が背面支持している下ばね受け32を昇降させることができる。
(d)インナチューブ12の内部で、下ばね受け32の上部の作動油室21を下ばね受け32の背面室76に対して封止したことにより、インナチューブ12の内部における下ばね受け32の昇降が、インナチューブ12の作動油室21を介して油溜室22の油面をも昇降させるものになる。従って、下ばね受け32の昇降によって懸架スプリング33のばね荷重を調整するとともに、油溜室22の油面の上昇によって空気室22Bを拡縮し、結果として空気ばねのばね荷重も調整できる。
(e)インナチューブ12と車軸ブラケット15の間に挟圧されるワッシャ74に、アジャストナット72のための回り止め用異形スリット74Aを設けたから、アジャストナット72を簡易に回り止めできる。
(f)アジャストボルト71のフランジ部71Bと前記ワッシャ74の下面との間に、アジャストボルト71を外部から押し込み不能にするカラー73を介装したから、アジャストボルト71を外部から押し込み防止できる。
図11の変形例が図5の実施例と異なる点は、下ばね受け32の外周にOリング75を設けず、下ばね受け32のカップ底部に貫通孔32Aを設けたことにある。インナチューブ12の内部で、下ばね受け32の上部の油室21を下ばね受け32の背面室76に連通するものになる。これによれば、アジャストボルト71の螺動に起因する下ばね受け32の昇降によって懸架スプリング33のばね荷重だけを調整できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は油圧緩衝器の全体を示す断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の中間部断面図である。 図4は図1の上部断面図である。 図5はばね荷重調整装置を示す断面図である。 図6はアジャストボルトを示す正面図である。 図7はアジャストナットを示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。 図8はカラーを示す断面図である。 図9は回り止めワッシャを示す平面図である。 図10は下ばね受けを示す断面図である。 図11はばね荷重調整装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10 油圧緩衝器
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
15 車軸ブラケット
19 隔壁部材
21 作動油室
22 油溜室
23 ピストンロッド
26 ピストン
31 上ばね受け
32 下ばね受け
33 懸架スプリング
71 アジャストボルト
71A 操作部
71B フランジ部
71C ねじ部
72 アジャストナット
72B 異形部
73 カラー
74 回り止めワッシャ(回り止め手段)
74A 異形スリット
76 背面室

Claims (5)

  1. 車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、
    前記インナチューブの内周に隔壁部材を設け、該隔壁部材の下部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、
    前記アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを、前記隔壁部材を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストンロッドの先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、
    前記インナチューブの作動油室内で、ピストンロッド側の上ばね受けと該インナチューブの底部側の下ばね受けとの間に懸架スプリングを介装した油圧緩衝器において、
    前記インナチューブの底部を構成する車軸ブラケットに設けたアジャストボルトにより下ばね受けを支持し、アジャストボルトの螺動により下ばね受けを昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整するものであり、
    前記車軸ブラケットに穿設されている操作用孔に、インナチューブの内部に臨む側になる方からアジャストボルトの操作部を挿着し、該アジャストボルトを車軸ブラケットの該操作用孔まわりの内面に外部へ抜け止めする状態で支持するとともに、該アジャストボルトの操作部を該操作用孔から外部に臨ませ、
    インナチューブの内部に臨むアジャストボルトのねじ部にアジャストナットを螺合し、
    インナチューブの内部に設けた回り止め手段によりアジャストナットを回り止めし、
    アジャストナットの先端部に下ばね受けの背面を衝合することを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に対して封止した請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記インナチューブの内部で、下ばね受けの上部の作動油室を下ばね受けの背面室に連通した請求項1に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記回り止め手段がインナチューブと車軸ブラケットの間に挟圧されるワッシャからなり、ワッシャに設けた回り止め用異形スリットにアジャストナットの異形部を挿通させた請求項のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  5. 前記アジャストボルトのフランジ部と前記ワッシャの下面との間に、アジャストボルトを外部から押し込み不能にするカラーを介装した請求項に記載の油圧緩衝器。
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