JP2009133412A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2009133412A
JP2009133412A JP2007310255A JP2007310255A JP2009133412A JP 2009133412 A JP2009133412 A JP 2009133412A JP 2007310255 A JP2007310255 A JP 2007310255A JP 2007310255 A JP2007310255 A JP 2007310255A JP 2009133412 A JP2009133412 A JP 2009133412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil chamber
valve
piston
inner tube
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007310255A
Other languages
English (en)
Inventor
Harusuke Murakami
陽亮 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2007310255A priority Critical patent/JP2009133412A/ja
Publication of JP2009133412A publication Critical patent/JP2009133412A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】 アウタチューブに取付けたピストン支持部材に設けたピストンを、インナチューブの内部の作動油室に摺動させ、アウタチューブとインナチューブの間の環状の油室と作動油室をインナチューブに設けた油孔により連通してなる油圧緩衝器において、ブレーキ操作時における車体前部の沈み込みを簡易に抑制すること。
【解決手段】 アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23に設けたピストン26を、インナチューブ12の内部の作動油室21内に摺動させ、アウタチューブ11とインナチューブ12の間の環状油室17と作動油室21をインナチューブ12に設けた油孔28により連通してなる油圧緩衝器10において、ピストンロッド23に圧側減衰バルブ41Aのためのバルブ押え81を設けるとともに、ブレーキ操作に連動してバルブ押え81を圧側減衰バルブ41Aに対して押圧するアクチュエータ90を有してなるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
従来、油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブに隔壁部材を設け、該隔壁部材の隔壁部の下部の該インナチューブの内部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブ側に取付けたピストン支持部材を、前記隔壁部材の隔壁部を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストン支持部材の先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、前記アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して前記作動油室に連通し、前記作動油室の内部を前記ピストンによりピストン側油室とロッド側油室に区画し、ピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブと圧側減衰バルブを設けてなるものがある。
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、ブレーキ操作時における車体前部の沈み込み(後輪の接地を失い走行安定性を損なう)を抑制するため(アンチノーズダイブフロントフォーク)、インナチューブ内の底部に筒状部材を設け、該筒状部材の外周と該インナチューブの内周との間にフリーピストンを摺動自在に設け、ピストンとインナチューブとの間に配設される懸架スプリングを上下に分割し、分割した懸架スプリングの間に上記フリーピストンを挟持し、フリーピストンの下部油室を、連絡路を介して、該フリーピストンの上部油室に連通可能にし、ブレーキ操作に連動して該連絡路を遮断するバルブ装置を該連絡路に設けている。
ブレーキ操作時には、フリーピストンの下部油室がバルブ装置によって上部油室との連通を遮断され、フリーピストンの自由な摺動を停止する結果、上懸架スプリングだけが伸縮するものとなり、ばね定数は高く、ばね特性は硬くなり、車体前部の沈み込みを抑制できる。
特開2004-52879
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、アンチノーズダイブフロントフォークを構成するため、懸架スプリングを上下に分割すること、上下の懸架スプリングに挟持されるフリーピストンをインナチューブと筒状部材の間に摺動自在に設けること、フリーピストンの下部油室を上部油室に連通する連絡路を開閉するバルブ装置を設けることが必要になる。従って、多数の専用部品を必要として複雑になるし、フリーピストンの摺動部やバルブ装置の開閉部に液密性を確保する必要がある。
本発明の課題は、アウタチューブに取付けたピストン支持部材に設けたピストンを、インナチューブの内部の作動油室に摺動させ、アウタチューブとインナチューブの間の環状の油室と作動油室をインナチューブに設けた油孔により連通してなる油圧緩衝器において、ブレーキ操作時における車体前部の沈み込みを簡易に抑制することにある。
請求項1の発明は、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、前記インナチューブに隔壁部材を設け、該隔壁部材の隔壁部の下部の該インナチューブの内部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、前記アウタチューブ側に取付けたピストン支持部材を、前記隔壁部材の隔壁部を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストン支持部材の先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、前記アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して前記作動油室に連通し、前記作動油室の内部を前記ピストンによりピストン側油室とロッド側油室に区画し、ピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブと圧側減衰バルブを設けてなる油圧緩衝器において、前記ピストン支持部材に圧側減衰バルブのためのバルブ押えを設けるとともに、ブレーキ操作に連動してバルブ押えを圧側減衰バルブに対して押圧するアクチュエータを有してなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アクチュエータがバルブ押えに加えるバルブ押圧荷重を、圧側減衰バルブに作用する作動油室内の油液の圧力が越えるに至ったとき、アクチュエータはバルブ押えが押し戻されることを許容するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記アクチュエータがバルブ押えによるバルブ押圧荷重を調整可能にするようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記アクチュエータがアウタチューブの上端側に設置され、アクチュエータに連結された操作ロッドをピストン支持部材の中空部に通し、操作ロッドによりバルブ押えを押動可能にするようにしたものである。
(請求項1)
(a)ブレーキ操作時には、アクチュエータがバルブ押えを圧側減衰バルブに対して押圧してその開弁圧を高くし、圧側減衰力を強化する結果、車体前部の沈み込みを抑制し、油圧緩衝器はアンチノーズダイブフロントフォークとして機能する。このとき、アウタチューブ側に取付けたピストン支持部材に設けたピストンを、インナチューブの内部の作動油室内に摺動させ、アウタチューブとインナチューブの間の環状の油室と作動油室をインナチューブに設けた油孔により連通してなる油圧緩衝器では、圧側行程で圧側減衰バルブを通過する油液の量が毎ストローク一定であるから、この圧側減衰バルブの押圧制御によれば、車体前部の沈み込み抑制効果は安定になる。
(b)ブレーキ操作されない通常走行時には、圧側減衰バルブはバルブ押えにより押圧されない。従って、油圧緩衝器は通常の減衰力を発生し、通常の乗心地を重視したフロントフォークとして機能する。
(請求項2)
(c)アクチュエータがバルブ押えに加えるバルブ押圧荷重を、圧側減衰バルブに作用する作動油室内の油液の圧力が越えるに至ったとき、アクチュエータはバルブ押えが押し戻されることを許容する。従って、油圧緩衝器が前述(a)のブレーキ操作時にアンチノーズダイブフロントフォークとして機能している間に、車両が路面の突起に乗り、作動油室の油圧が過大になると、アクチュエータはバルブ押えの押し戻しを許容して圧側減衰バルブを開き、路面の突起に対する追従性を確保する。
(請求項3)
(d)アクチュエータがバルブ押えによるバルブ押圧荷重を調整することにより、ブレーキ操作時における圧側減衰力の強化度合を任意に変化させることができる。
(請求項4)
(e)アクチュエータがアウタチューブの上端側に設置され、アクチュエータに連結された操作ロッドをピストン支持部材の中空部に通し、操作ロッドによりバルブ押えを押動可能にする。油圧緩衝器にアクチュエータ、操作ロッド、バルブ押えをコンパクトに組付けできる。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の中間部断面図、図4は図1の上部断面図である。
フロントフォーク(油圧緩衝器)10は、アウタチューブ11を車体側に、インナチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであり、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したガイドブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端側の外周に固定したガイドブッシュ12Aと、インナチューブ12の上端部に設けた後述する隔壁部材19の延長上端部19Bの上端側の外周に設けたシール部材20を介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Bはオイルシール、11Cはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材14A、14B(不図示)が設けられる。インナチューブ12の下端開口部には車軸ブラケット15が液密に挿着されて螺着されてインナチューブ12の底部を構成し、車軸ブラケット15には車軸取付孔16が設けられる。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記ガイドブッシュ11A、12Aにより区画される環状油室17を区画する。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の上端側内周に隔壁部材19の外周を螺着するとともに、隔壁部材19の延長上端部19Bの外周段差面をインナチューブ12の上端面に突き当てるようにして両者を一体固定化している。フロントフォーク10は、隔壁部材19のロッドガイド部19A(隔壁部)の下部のインナチューブ12の内部に作動油室21を区画するとともに、ロッドガイド部19Aの上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中でその下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。空気室22Bは常にフロントフォーク10の空気ばねを構成する。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11に取付けたピストンロッド23(ピストン支持部材)を隔壁部材19のロッドガイド部19Aに摺動自在に貫通して作動油室21に挿入する。具体的には、キャップ13の中心部の下端部に螺着した取付カラー24に中空ピストンロッド23を螺着し、これをロックナット24Aで固定する。
フロントフォーク10は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aからインナチューブ12に挿入したピストンロッド23の先端部に螺着したピストンボルト25に、インナチューブ12の内周に摺接するピストン26を固定し、前記油室21をピストンロッド23が収容されるピストンロッド側油室21Aと、ピストンロッド23が収容されないピストン側油室21Bに区画する。ピストン26はナット27により固定される。
フロントフォーク10は、前記環状油室17を、インナチューブ12に設けた油孔28を介して、ピストンロッド側油室21A(ピストン側油室21Bでも可)に常時連通する。このとき、環状油室17は、フロントフォーク10の伸縮に伴なって容積を変化し、圧縮時には、拡大してピストンロッド23の油室21への進入分の作動油をピストンロッド側油室21Aからインナチューブ12の油孔28を介して吸収し、伸長時には、縮小してピストンロッド23の油室21からの退出分の作動油をインナチューブ12の油孔28を介してピストンロッド側油室21Aに補給し、ピストンロッド23の進入/退出分の体積補償室を構成する。
フロントフォーク10は、ピストン26のピストン側油室21Bに臨む下端面に上ばね受け31を衝合し、車軸ブラケット15が形成するインナチューブ12の底部に下ばね受け32を配置し、上ばね受け31と下ばね受け32に設けたスプリングカラー32Aの間に懸架スプリング33を介装している。フロントフォーク10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力を懸架スプリング33の伸縮振動により吸収する。このとき、後述するばね荷重調整装置70が下ばね受け32を昇降し、懸架スプリング33のばね荷重を調整可能にする。
フロントフォーク10は、ピストン26に減衰力発生装置40を備える(図3)。
減衰力発生装置40は、圧側流路41と伸側流路42(不図示)を備える。圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41A(圧側減衰バルブ)により開閉される。伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42A(伸側減衰バルブ)により開閉される。尚、バルブストッパ41B、バルブ41A、ピストン26、バルブ42A、バルブストッパ42Bは、ピストンボルト25に挿着されるバルブ組立体を構成し、ピストンボルト25に螺着されるナット27に挟まれて固定される。
減衰力発生装置40は、圧側行程では、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。また、伸側行程では、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。この圧側減衰力と伸側減衰力により、前述した懸架スプリング33の伸縮振動を制振する。
フロントフォーク10は、キャップ13の下端面に、インナチューブ12に設けた隔壁部材19の上端部が最圧縮ストロークで衝合するストッパラバー13A、ストッパ板13Bを固着しており、このストッパラバー13Aによって最圧縮ストロークを規制する。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の上端側の隔壁部材19のピストンロッド側油室21Aに臨む下端部に止め輪51Aを用いて固定したスプリングシート51と、ピストンロッド23に設けたストッパリング52Aに係止させたスプリングシート52との間にリバウンドスプリング53を介装してある。フロントフォーク10の最伸長時に、隔壁部材19がリバウンドスプリング53をスプリングシート52との間で加圧することにより、最伸長ストロークを規制する。
フロントフォーク10にあっては、アウタチューブ11とインナチューブ12の環状隙間からなる前記環状油室17の断面積S1を、ピストンロッド23の断面積(外径に囲まれる面積)S2より大きく形成している(S1>S2)。
フロントフォーク10は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに、作動油室21と油溜室22との間で油を給排可能にする給排手段を以下の如くに設けている。即ち、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに、圧側行程では油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容し、伸側行程ではピストンロッド側油室21Aから油溜室22への油の流れを阻止するチェック弁60を設けている。隔壁部材19のロッドガイド部19Aの内周にはバルブ室61が設けられ、バルブ室61の上端側の段差部61Aと、バルブ室61の下端側に設けられた前述のスプリングシート51上のバックアップスプリング62との間にチェック弁60のフランジ部が挟持されて収容される。チェック弁60のフランジ部は、段差部61Aとスプリングシート51の間隔より短尺とされる。チェック弁60は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周に上下変位可能に設けられる。チェック弁60の外周は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに設けたバルブ室61の内周との間に、油溜室22からピストンロッド側油室21Aへの油の流れを許容する流路を形成する。チェック弁60は、ピストンロッド23を摺動自在に支持するブッシュ63をその内周に圧入されて備える。圧側行程では、チェック弁60はインナチューブ12に進入するピストンロッド23に連れ移動して下方に移動し、スプリングシート51の側に変位するとともに、段差部61Aとの間に隙間を形成し、油溜室22の油をその外周経由で段差部61Aとの隙間を通ってピストンロッド側油室21Aへ流入可能とする。伸側行程では、チェック弁60はインナチューブ12から退出するピストンロッド23に連れ移動して上方に移動し、段差部61Aに衝合して該段差部61Aとの間の隙間を閉じ、ピストンロッド側油室21Aの油が上述した圧側行程の逆経路で油溜室22へ排出されることを阻止する。
また、隔壁部材19のロッドガイド部19Aはピストンロッド23の周囲にオイルシールを封着していないから、チェック弁60の内周に圧入してあるブッシュ63がピストンロッド23の周囲に形成する微小間隙(又はチェック弁60が段差部61Aとの間に形成する微小間隙)により、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通する微小流路(オリフィス)64(不図示)を構成する。微小流路64は、隔壁部材19のロッドガイド部19Aに穿設され、ピストンロッド側油室21Aと油溜室22を連通するオリフィスにより構成されるものでも良い。
次に、下ばね受け32を昇降し、懸架スプリング33のばね荷重を調整するばね荷重調整装置70について説明する。
ばね荷重調整装置70は、図2に示す如く、インナチューブ12の底部を構成する車軸ブラケット15の車軸取付孔16を外れる位置(車軸取付孔16の側傍)で外部に臨むアジャストボルト71を該底部に設ける。車軸ブラケット15の内側底部(下ばね受け32の下端部を臨むことになる面)に設けたスライダ72をアジャストボルト71の回転力によりインナチューブ12の中心軸に交差する方向(アジャストボルト71の軸方向)に直線移動可能にする。下ばね受け32の下部斜面A1をスライダ72の上部斜面A2に載置させ、アジャストボルト71の回転により下ばね受け32を昇降させて懸架スプリング33のばね荷重を調整する。尚、ばね荷重調整装置70のばね荷重調整構造の詳細は、特願2006-177358に記載の通りである。
フロントフォーク10の動作は以下の如くになる。
(圧側行程)
圧側行程でインナチューブ12に進入するピストンロッド23の進入容積分の作動油がインナチューブ12の内周の油室21Aからインナチューブ12の油孔28を介して環状油室17に移送される。このとき、環状油室17の容積増加分ΔS1(補給量)がピストンロッド23の容積増加分ΔS2より大きいから、環状油室17への油の必要補給量のうち、(ΔS1−ΔS2)の不足分が油溜室22からチェック弁60を介して補給される。
この圧側行程では、ピストン側油室21Bの作動油が圧側ディスクバルブ41Aを押し開いてピストンロッド側油室21Aに移動し、この間の圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。
(伸側行程)
伸側行程でインナチューブ12から退出するピストンロッド23の退出容積分の作動油が環状油室17からインナチューブ12の油孔28を介してインナチューブ12の内周の油室21Aに移送される。このとき、環状油室17の容積減少分ΔS1(排出量)がピストンロッド23の容積減少分ΔS2より大きいから、環状油室17からの油の排出量のうち、(ΔS1−ΔS2)の余剰分が微小流路64を介して油溜室22へ排出される。
この伸側行程では、前述した通り、ピストンロッド側油室21Aの作動油が伸側ディスクバルブ42Aを押し開いてピストン側油室21Bに移動し、この間の伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。また、上述の微小流路64の通路抵抗による伸側減衰力も発生する。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、車両のブレーキ操作時における車体前部の沈み込みを抑制するアンチノーズダイブ装置80を以下の如くに備える。
アンチノーズダイブ装置80は、ピストンロッド23に圧側ディスクバルブ41Aのためのバルブ押え81を設けるとともに、ブレーキ操作に連動してバルブ押え81を圧側ディスクバルブ41Aに対して押圧するアクチュエータ90を有する。バルブ押え81は圧側ディスクバルブ41Aの上面の適宜の外径位置に全周連続的(間欠的でも可)に衝接する円環状押え部81Aと、ピストンボルト25の上端側外周にスライドガイドされるスライド部81Bとを備える。
アクチュエータ90は、アウタチューブ11の上端側のキャップ13の上面に設置されるソレノイド91からなる。ソレノイド91は、キャップ13に螺着されるカバー92により液密に被覆される。ソレノイド91のプランジャ91Aはキャップ13の上面側に設けられているスライドガイド93A経由でキャップ13の中心部を液密に通り、キャップ13の下面側のガイド孔93Bにガイドされている接続具94を介して操作ロッド95に連結される。操作ロッド95はピストンロッド23の中空部を通り、操作ロッド95の下端部には押動片96が設けられ、押動片96の両側突起がピストンロッド23の下端側の直径方向の両側部で軸方向に延びる長孔状のガイド孔23Aに軸方向にスライド可能に係入されている。
他方、ピストンロッド23の下端側の外周にはスライドカラー97がスライド可能に嵌合され、スライドカラー97の外周には環状ワッシャ98が取着されている。操作ロッド95の押動片96の両側突起がスライドカラー97の上端面に衝合し、ワッシャ98がバルブ押え81の上端面に衝合する。
これにより、アンチノーズダイブ装置80は、アクチュエータ90のソレノイド91がブレーキ操作に連動して作動し、操作ロッド95を下方へ変位させると、バルブ押え81がピストンボルト25の外周に沿って下方へ変位し、圧側ディスクバルブ41Aを閉じ方向へ押圧し、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形による圧側減衰力を増大化する。圧側ディスクバルブ41Aの圧側減衰力がこうして強化される結果、車体前部の沈み込みが抑制されるものになり、フロントフォーク10はアンチノーズダイブフロントフォークとして機能する。
アンチノーズダイブ装置80は、アクチュエータ90のソレノイド91により構成し、ソレノイド91が操作ロッド95を下方へ変位させている作動中に、操作ロッド95を上方へ突き上げる過大反力により操作ロッド95が押し戻されることを許容する。即ち、フロントフォーク10がアンチノーズダイブフロントフォークとして機能している間に、車両が路面の突起に乗り、フロントフォーク10の圧側ディスクバルブ41Aに作用するピストン側油室21Bの圧力が、アクチュエータ90が操作ロッド95を介してバルブ押え81に加えているバルブ押圧荷重を越えるに至ったとき、アクチュエータ90はバルブ押え81及び操作ロッド95が押し戻されることを許容する。
アンチノーズダイブ装置80は、アクチュエータ90をソレノイド91により構成し、ソレノイド91が操作ロッド95を下方へ変位させる位置を多段階又は無段階に調整でき、アクチュエータ90が操作ロッド95を介してバルブ押え81に加えるバルブ押圧荷重を調整可能にし、ブレーキ操作時における圧側ディスクバルブ41Aの圧側減衰力の強化度合を任意に変化させることができる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ブレーキ操作時には、アクチュエータ90がバルブ押え81を圧側ディスクバルブ41Aに対して押圧してその開弁圧を高くし、圧側減衰力を強化する結果、車体前部の沈み込みを抑制し、フロントフォーク10はアンチノーズダイブフロントフォークとして機能する。このとき、アウタチューブ11側に取付けたピストンロッド23に設けたピストン26を、インナチューブ12の内部の作動油室21内に摺動させ、アウタチューブ11とインナチューブ12の間の環状油室17と作動油室21をインナチューブ12に設けた油孔28により連通してなるフロントフォーク10では、圧側行程で圧側ディスクバルブ41Aを通過する油液の量が毎ストローク一定であるから、この圧側ディスクバルブ41Aの押圧制御によれば、車体前部の沈み込み抑制効果は安定になる。
(b)ブレーキ操作されない通常走行時には、圧側ディスクバルブ41Aはバルブ押え81により押圧されない。従って、フロントフォーク10は通常の減衰力を発生し、通常の乗心地を重視したフロントフォークとして機能する。
(c)アクチュエータ90がバルブ押え81に加えるバルブ押圧荷重を、圧側ディスクバルブ41Aに作用する作動油室21内の油液の圧力が越えるに至ったとき、アクチュエータ90はバルブ押え81が押し戻されることを許容する。従って、フロントフォーク10が前述(a)のブレーキ操作時にアンチノーズダイブフロントフォークとして機能している間に、車両が路面の突起に乗り、作動油室21の油圧が過大になると、アクチュエータ90はバルブ押え81の押し戻しを許容して圧側ディスクバルブ41Aを開き、路面の突起に対する追従性を確保する。
(d)アクチュエータ90がバルブ押え81によるバルブ押圧荷重を調整することにより、ブレーキ操作時における圧側減衰力の強化度合を任意に変化させることができる。
(e)アクチュエータ90がアウタチューブ11の上端側に設置され、アクチュエータ90に連結された操作ロッド95をピストンロッド23の中空部に通し、操作ロッド95によりバルブ押え81を押動可能にする。フロントフォーク10にアクチュエータ90、操作ロッド95、バルブ押え81をコンパクトに組付けできる。
アンチノーズダイブ装置80を構成するアクチュエータ90は、ブレーキ操作に連動して送給される液圧により駆動される液圧ピストン装置により構成されても良い。液圧ピストン装置の液圧を調整することにより、液圧ピストン装置がバルブ押え81に加えるバルブ押圧荷重を調整することもできる。
アンチノーズダイブ装置80を構成するアクチュエータ90は、バルブ押え81との間に圧縮ばねを介装することにより、アクチュエータ90がバルブ押え81に加えるバルブ押圧荷重を、圧側ディスクバルブ41Aに作用する油室21Bの圧力が越えるに至ったとき、圧縮ばねの圧縮変形によりバルブ押え81が押し戻されることを許容するものとしても良い。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば環状の油室を作動油室に連通する油孔は、ピストンロッド側油室に開口するものに限らず、ピストン側油室に開口するものであっても良い。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の中間部断面図である。 図4は図1の上部断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
17 環状油室
19 隔壁部材
19A ロッドガイド部(隔壁部)
21 作動油室
21A ロッド側油室
21B ピストン側油室
22 油溜室
23 ピストンロッド(ピストン支持部材)
26 ピストン
28 油孔
41 圧側流路
41A 圧側ディスクバルブ(圧側減衰バルブ)
42 伸側流路
42A 伸側ディスクバルブ(伸側減衰バルブ)
80 アンチノーズダイブ装置
81 バルブ押え
90 アクチュエータ
95 操作ロッド

Claims (4)

  1. 車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、
    前記インナチューブに隔壁部材を設け、該隔壁部材の隔壁部の下部の該インナチューブの内部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、
    前記アウタチューブ側に取付けたピストン支持部材を、前記隔壁部材の隔壁部を貫通して前記作動油室内に挿入し、該ピストン支持部材の先端部に前記作動油室内を摺動するピストンを設け、
    前記アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して前記作動油室に連通し、
    前記作動油室の内部を前記ピストンによりピストン側油室とロッド側油室に区画し、ピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブと圧側減衰バルブを設けてなる油圧緩衝器において、
    前記ピストン支持部材に圧側減衰バルブのためのバルブ押えを設けるとともに、ブレーキ操作に連動してバルブ押えを圧側減衰バルブに対して押圧するアクチュエータを有してなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記アクチュエータがバルブ押えに加えるバルブ押圧荷重を、圧側減衰バルブに作用する作動油室内の油液の圧力が越えるに至ったとき、アクチュエータはバルブ押えが押し戻されることを許容する請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記アクチュエータがバルブ押えによるバルブ押圧荷重を調整可能にする請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記アクチュエータがアウタチューブの上端側に設置され、アクチュエータに連結された操作ロッドをピストン支持部材の中空部に通し、操作ロッドによりバルブ押えを押動可能にする請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
JP2007310255A 2007-11-30 2007-11-30 油圧緩衝器 Pending JP2009133412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007310255A JP2009133412A (ja) 2007-11-30 2007-11-30 油圧緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007310255A JP2009133412A (ja) 2007-11-30 2007-11-30 油圧緩衝器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009133412A true JP2009133412A (ja) 2009-06-18

Family

ID=40865488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007310255A Pending JP2009133412A (ja) 2007-11-30 2007-11-30 油圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009133412A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012695A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Showa Corp 油圧緩衝器
JP2014005864A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Showa Corp フロントフォーク装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0224705A (ja) * 1988-07-14 1990-01-26 Rika Kogyo Kk 制御ループ系の異常検知装置
JPH06173996A (ja) * 1992-09-30 1994-06-21 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器
JPH10213172A (ja) * 1997-01-27 1998-08-11 Toyota Motor Corp 減衰力可変ショックアブゾーバ
JP2006131119A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Showa Corp 自動二輪車のフロントフォーク
JP2006250344A (ja) * 2005-02-08 2006-09-21 Kayaba Ind Co Ltd 開閉弁構造
JP2007225066A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Showa Corp フロントフォークの減衰力調整装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0224705A (ja) * 1988-07-14 1990-01-26 Rika Kogyo Kk 制御ループ系の異常検知装置
JPH06173996A (ja) * 1992-09-30 1994-06-21 Kayaba Ind Co Ltd 油圧緩衝器
JPH10213172A (ja) * 1997-01-27 1998-08-11 Toyota Motor Corp 減衰力可変ショックアブゾーバ
JP2006131119A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Showa Corp 自動二輪車のフロントフォーク
JP2006250344A (ja) * 2005-02-08 2006-09-21 Kayaba Ind Co Ltd 開閉弁構造
JP2007225066A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Showa Corp フロントフォークの減衰力調整装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012695A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Showa Corp 油圧緩衝器
JP2014005864A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Showa Corp フロントフォーク装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4902483B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4700519B2 (ja) フロントフォークの減衰力調整装置
US9581217B2 (en) Shock absorber
KR101662472B1 (ko) 완충기
JP4902497B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2009108884A (ja) 油圧緩衝器
JP4602227B2 (ja) 油圧緩衝器
JP5116874B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2009133412A (ja) 油圧緩衝器
JP2010223413A (ja) 油圧緩衝器
JP4965490B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4212850B2 (ja) 車両の油圧緩衝器
WO2014157370A1 (ja) 液圧緩衝器及び液圧緩衝器への作動液注入方法
JP6357067B2 (ja) フロントフォーク
JP2008240745A (ja) 油圧緩衝器
JP2004044670A (ja) 車両用の油圧緩衝器
JP4999814B2 (ja) 車両の油圧緩衝器
JP4870005B2 (ja) 減衰力発生装置
JP5632301B2 (ja) 車両用の油圧緩衝器
JP5872347B2 (ja) 油圧緩衝器
JP4318208B2 (ja) 二輪車等の倒立型フロントフォーク
JP5642606B2 (ja) 油圧緩衝器
JP5905310B2 (ja) 油圧緩衝器
WO2016158617A1 (ja) フロントフォーク
JP2011012695A (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20100824

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20110825

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120131