JPH06173996A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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Publication number
JPH06173996A
JPH06173996A JP6924493A JP6924493A JPH06173996A JP H06173996 A JPH06173996 A JP H06173996A JP 6924493 A JP6924493 A JP 6924493A JP 6924493 A JP6924493 A JP 6924493A JP H06173996 A JPH06173996 A JP H06173996A
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JP
Japan
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valve
damping force
back pressure
upstream
pressure chamber
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Application number
JP6924493A
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English (en)
Inventor
Akihisa Ikoma
亮久 生駒
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクチェータによる上流側バルブのセット荷
重の変更に伴い下流側抵抗部材との協同の下にメインバ
ルブの背圧室圧力を変え、当該メインバルブの発生減衰
力を制御する減衰力調整式の油圧緩衝器において、上流
側バルブの制御用アクチュエータとして信頼性に富み、
かつ、長手方向寸法も短く構成でき、しかも、駆動電圧
が低くて他の機器に電磁波障害を与えることもなく、さ
らには、背圧室における油圧の急激な上昇をも阻止して
メインバルブによる安定した発生減衰力の制御を可能に
する。 【構成】 上流側バルブ66,82のセット荷重を変更
するアクチュエータとしてソレノイド61,77を用い
ると共に、下流側抵抗部材として常に一定のセット荷重
を保つ下流側バルブ67,83を使用する。そして、こ
れら上流側バルブ66,82と下流側バルブ67,83
の絞り面積差によるパイロット圧制御で背圧室R,Ra
内の油圧を変更し、伸側或いは圧側メインバルブ60,
76による伸側および圧側発生減衰力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等の走行車両
の車体と車輪間に介装して路面から車体へと伝達される
振動を減衰する油圧緩衝器に関し、さらに詳しくは、減
衰力発生用のメインバルブを背面制御バルブとし、この
背面制御用の背圧をアクチュエータによるパイロットバ
ルブのセット荷重の変更により変えて、メインバルブの
発生減衰力を制御するように構成した油圧緩衝器の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】アクチュエータとして圧電素子等の電歪
部材を用い、この電歪部材による押圧力で発生減衰力を
可変制御するように構成した油圧緩衝器としては、従来
から種々の構成のものが提案されている。
【0003】例えば、油圧緩衝器における減衰力発生部
が図6に示すような構造である場合には、環状リーフバ
ルブからなるメインバルブ1の図中右寄りである内周端
側に図中白抜き矢印で示すように電歪部材2(図示省
略)の押圧力が作用すると、当該メインバルブ1の図中
左側端である外周端側がバルブシート部3のシート面へ
と強く押し付けられる。
【0004】これにより、メインバルブ1のシート面に
対する押圧力(セット荷重)が初期時よりも大きくなっ
てその撓み特性が上昇し、図中実線矢印のようにメイン
バルブ1を押し開いて流れる作動油の流動抵抗が増大し
て発生減衰力が高くなる。
【0005】確に、上記構造の減衰力調整機構を備えた
油圧緩衝器によれば、ロータリアクチュエータ等を用い
てオリフィスの開口面積を変える旧来の減衰力調整式油
圧緩衝器に比べてメインバルブ1自体のバルブ特性を変
更し得ることから、より好ましい減衰作用を行い得るば
かりか、オリフィスの開口面積を変えるロータリバルブ
の利用も不要となるので製品としてのコスト低廉化をも
図れる利点がある。
【0006】しかしながら、図6に示す減衰力調整機構
にあっては、メインバルブ1のシート面に対する押付力
を変える電歪部材2の押付力、即ち、電歪部材2の撓み
量が極めて微小であることから当該押付力の変更幅を大
きくとれず、その結果、減衰力の調整幅が狭くなってし
まうという不都合がある。
【0007】そこで、図7に示すような構造の減衰力調
整機構が提案されているが、当該減衰力調整機構は、メ
インバルブ1の背面側に位置して背圧室Rを構成し、こ
の背圧室Rの油圧(背圧)を変更することでメインバル
ブ1のシート面に対する押圧力を変え、メインバルブ1
の発生減衰力を制御するようにしている。
【0008】すなわち、背圧室Rの油圧は、図中実線矢
印のようにメインバルブ1を上方に撓ませて流れるメイ
ン流れの上流側から分岐し、図中点線矢印のように上流
側バルブ4と下流側固定オリフィス5を通して流れるパ
イロット流れ中の中間部分の圧力が導かれる。
【0009】上流側バルブ4の内周端には、電歪部材2
(図示省略)による押付力が作用するようになってお
り、当該押付力が作用すると上流側バルブ4のバルブシ
ート部3に対する押圧力が低下し、当該上流側バルブ4
を通る作動油の流動抵抗が小さくなって圧損が低下す
る。
【0010】その結果、電歪部材2に電圧が印加される
と、上流側バルブ4を通るパイロット流量が増大し、下
流側固定オリフィス5との間の油圧が上昇してメインバ
ルブ1における背圧室Rの油圧も共に上昇し、この油圧
のよりメインバルブ1をバルブシート部へと押し付け
て、メイン流れに対する当該メインバルブ1の発生減衰
力を高くする。
【0011】なお、上記とは逆に、電歪部材2の押付力
を上流側バルブ4に対し図5と同様にその支持点よりも
外周端寄りに作用させるようにしてやれば、電歪部材2
への電圧印加に伴い上流側バルブ4のシート力が上昇し
てそこを通るパイロット流量が減少し、背圧室Rの油圧
が下降してメイン流れに対するメインバルブ1の発生減
衰力は低くなる。
【0012】このように、図7に示す減衰力調整機構に
あっては、パイロット方式によりメインバルブ1のバル
ブ特性を変えて減衰力制御を行うようにしているため、
電歪部材2の撓み量が微小であっても、メインバルブ1
に作用する背圧の変更幅を大きくして広い領域(調整
幅)での減衰力調整が可能になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た図7に示すパイロット方式の減衰力調整機構を備えた
油圧緩衝器にあっても、依然として上流側バルブ4のバ
ルブシート部3に対する押圧力を電歪部材2の押付力で
制御するようにしているため、アクチュエータとしての
電歪部材2の信頼性に問題があり、しかも、通常電歪部
材2は、例えば圧電素子を積層して構成するのが普通で
あるため、長手寸法が長大となって組み込みに不利が生
じる。
【0014】また、電歪部材2は駆動電圧が高いことか
ら、車載ラジオに不快な雑音を与えたり、エンジンコン
トロールをコンピュータで行うEMI制御の車両では、
コンピュータ制御に狂いが生じてエンジンコントロール
が不調になるなどの欠点を有する。
【0015】さらに、上記に加えて、背圧室Rの油圧制
御を司る下流側抵抗部材を固定オリフィス5で構成して
いるので、上流側バルブ4による油圧制御を速効的にす
るためこの下流側固定オリフィス5を極力小径とする必
要があり、その結果、上流側バルブ4の僅かの制御によ
っても背圧室Rの油圧が大きく変化して、メインバルブ
1による発生減衰力の安定した制御ができないという不
都合をも生じる。
【0016】この発明は、上記の事情に基づいて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、上流側バ
ルブの制御用アクチュエータとして信頼性に富み、か
つ、長手方向寸法も短く構成でき、しかも、駆動電圧が
低くて他の機器に電磁波障害を与えることもなく、さら
には、背圧室における油圧の急激な上昇をも阻止してメ
インバルブによる安定した発生減衰力の制御を可能にし
た減衰力調整機構を備える油圧緩衝器を提供することで
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、上流側バルブのセット荷重をソレノイドによって制
御すると共に、下流側抵抗部材として常に一定のセット
荷重を保つ下流側バルブを用い、これら上流側バルブと
下流側バルブの絞り面積差によるパイロット圧制御で背
圧室内の油圧を変更し、メインバルブの発生減衰力を制
御することによって達成される。
【0018】
【作用】すなわち、上記の構成により、ソレノイドへの
印加電圧を制御して例えば上流側バルブのセット荷重を
上げたとすると、上流側バルブから下流側バルブを通し
て両バルブを押し開きつつ流れるパイロット流量が減少
し、メインバルブの背圧室内圧力が下降してメインバル
ブによる発生減衰力が低下する。
【0019】このように、ソレノイドからの押付力を受
ける上流側バルブと一定のセット荷重を保つ下流側バル
ブの開口面積差でパイロット流量を調整し、このパイロ
ット流量の調整で間接的にメインバルブのセット荷重を
変えて当該メインバルブによる発生減衰力を制御する。
【0020】したがって、上流側バルブに押付力を加え
るアクチュエータとして安価なソレノイドを用いたとし
ても、当該ソレノイドにおけるプランジャとコイルのギ
ャップを小さくしておくことにより、大きな押付力で且
微小なストロークで応答性よくメインバルブの発生減衰
力を制御することが可能になる。
【0021】かくして、アクチュエータとしての信頼性
の向上と組み込みの容易化は勿論のこと、ソレノイドに
対する駆動電圧も低くてすむので他部材に電磁波障害を
与える恐れもなく、しかも、メインバルブの発生減衰力
制御を応答性よく行うことができるのである。
【0022】
【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。
【0023】図1は、この発明を実施した油圧緩衝器5
0の要部を示すもので、当該油圧緩衝器50は、円筒状
をしたシリンダ51と、このシリンダ51を取り巻いて
同心状に配置した同じく円筒状のアウターシェル52、
およびシリンダ51内に摺動自在に嵌挿したピストン5
3、並びにシリンダ51の下端に位置してアウターシェ
ル52との間に介装したベースバルブ54とからなる。
【0024】前記ピストン53からは、当該ピストン5
3を担うピストンロッド55が上方へと向かって延びて
おり、このピストンロッド55は、シリンダ51とアウ
ターシェル52の上端を閉塞するベアリングケース(図
示省略)を貫通し、当該ベアリングケースでガイドされ
つつ且油密状態の下にシリンダ51外へと突出してい
る。
【0025】かくして、ピストン53は、シリンダ51
内をピストンロッド55側の上部油室Aとベースバルブ
54側の下部油室Bとに区画すると共に、ベースバルブ
54は、この下部油室Bをシリンダ51とアウターシェ
ル52間のリザーバ室Cから隔離している。
【0026】なお、ピストンロッド55は、下端にねじ
結合した連結体56を備え、この連結体56の上部には
バンプラバー57が設けてあって当該バンプラバー57
が前記シリンダ51とアウターシェル52の上端を閉塞
するベアリングケースの下面と対向し、油圧緩衝器50
の最伸長時に発生する衝撃をベアリングケースとバンプ
ラバー57の衝合によって緩和するようにしてある。
【0027】前記上部油室Aと下部油室Bを区画するピ
ストン53は、上記連結体56の下部インロー部56a
に嵌挿したのち、下からピストンナット58で締め付け
ることによりピストンロッド55に対して固定してあ
る。
【0028】上記油圧緩衝器50のピストン53に対し
て伸側減衰力発生機構を組み込むために、ピストン53
には伸側通路53aと圧側通路53bが穿設してあり、
これら伸側通路53aの上下端と圧側通路53bの上端
はそれぞれピストン53の上下面に形成した環状溝53
c,53d,53eに通じ、これら環状溝53c,53
d,53eを通して上部油室Aと下部油室Bを連通して
いる。
【0029】ピストン53の上面には、連結体56と当
該ピストン53とで内周端を挟持した内周固定のリーフ
状チェックバルブ59が設けてあり、油圧緩衝器50の
静止状態において、このチェックバルブ59によりピス
トン53における圧側通路53bの環状溝53eを閉じ
ると共に、伸側通路53aの上面側環状溝53cを当該
チェックバルブ59の内周端側に穿ったスリット59a
で常時上部油室Aへと連通している。
【0030】同様に、ピストン53の下面には、当該ピ
ストン53とピストンナット58とで内周端を挟持した
リーフ状の伸側減衰力発生機構である内周固定の伸側メ
インバルブ60が設けてあり、この伸側メインバルブ6
0で通常ピストン53における伸側通路53aの下面側
環状溝53dを閉じている。
【0031】なお、図示にあっては、油圧緩衝器50が
伸長行程にあって伸側メインバルブ60が下方へと撓
み、ピストン53の伸側通路53aを下部油室Bへと開
放している状態で示してある。
【0032】一方、上記伸側減衰力発生機構に対して減
衰力調整機能を付与するために、ピストン部には伸側減
衰力調整機構が併設してある。
【0033】ピストン部を拡大して示す図2にみられる
ように、この減衰力調整機構は、伸側メインバルブ60
の背面即ち下面側に位置して配設した背圧室Rと、この
背圧室R内に加わる油圧即ち背圧を変えるためのアクチ
ュエータであるソレノイド61、および連結体56の下
部インロー部56a内に螺挿した油路体62とからな
る。
【0034】上記背圧室Rを構成するためにピストンナ
ット58の外周には保持体63が螺着してあり、この保
持体63内に上下動自在に挿入した摺動環64の上端を
当該保持体63との間に介装したスプリング65で伸側
メインバルブ60の下面へと押し付けることにより、こ
れら伸側メインバルブ60とピストンナット58および
保持体63並びに摺動環64とで背圧室Rを区画してい
る。
【0035】背圧室Rは、シリンダ51内の上部油室A
と下部油室Bとを結ぶバイパス通路であるパイロット通
路(これについては後記する)中に介装され、このパイ
ロット通路には、背圧室Rを挟んで上部油室A側に上流
側バルブ66が、また、下部油室B側には下流側バルブ
67がそれぞれ配設してある。
【0036】上流側バルブ66は、前記油路体62の上
端に圧入した中空ピン68で内周端側を挟持した内周固
定のリーフバルブとして構成してあり、通常油路体62
の上端環状溝62aを閉じている。
【0037】また、下流側バルブ67も同様に、ピスト
ンナット58と保持体63とで内周端側を挟持した内周
固定のリーフバルブとして構成してあり、通常保持体6
3の下面環状溝63aを閉じている。
【0038】なお、図示にあっては、前記伸側メインバ
ルブ60と同様に油圧緩衝器50が伸長行程にあり、こ
れら上流側および下流側バルブ66,67がパイロット
通路を流れる作動油によって押し開かれている状態で示
してある。
【0039】前記背圧室Rは、一方ではピストンナット
58に穿った油孔58aから連結体56の下部インロー
部56aにおける環状溝56bと油孔56c,油路体6
2の環状溝62b,横孔62c,縦孔62d,中空ピン
68、および後記するソレノイド61のプランジャ70
における油孔70bを通して油路体62とソレノイド6
1間の部屋Fに連通している。
【0040】そして、さらにそこから、上流側バルブ6
6,油路体62の環状溝62aと油孔62eおよび環状
通路62f,連結体56の下部インロー部56aにおけ
る油孔56dと環状溝56e,ピストン53の斜め孔5
3fと伸側通路53aおよび環状溝53cを通してシリ
ンダ51内の上部油室Aへと通じている。
【0041】また、背圧室Rの他方側は、保持体63の
油孔63bから環状溝63aと下流側バルブ67を通し
てシリンダ51内の下部油室Bへと連通している。
【0042】これにより、背圧室Rは、ピストン53の
斜め孔53fから連結体56,油路体62ピストンナッ
ト58および保持体63を通してシリンダ51内の上部
油室Aと下部油室Bとを結ぶパイロット通路中に介装さ
れることになり、かつ、この背圧室Rを挟んでパイロッ
ト通路の上流側に上流側バルブ66が、また、下流側に
位置して下流側バルブ67がそれぞれ配設されることに
なる。
【0043】伸側メインバルブ60に対し背圧として作
用する上記背圧室R内の油圧を変えて伸側発生減衰力を
制御するソレノイド61は、コイル69と当該コイル6
9を貫通して上下動可能に緩挿したプランジャ70とか
らなり、コイル69を連結体56内に嵌着することによ
って、ピストンロッド55の下端面と油路体62の上端
面との間に上流側バルブ66と対向して配置してある。
【0044】プランジャ70の上端とピストンロッド5
5の下端面との間には支持スプリング71が介装してあ
り、プランジャ70は、この支持スプリング71の復元
力で下端を前記上流側バルブ66の上面外周部へと押し
付けられ、この状態においてコイル69の上端面とプラ
ンジャ70の上端つば部70a間のギャップが必要最小
限になるように、当該ギャップをできるだけ小さくして
ある。
【0045】これにより、上流側バルブ66に押付力を
加えるアクチュエータとして安価なソレノイド61を用
いたとしても、大きな押付力で且微小なストロークでも
って上流側バルブ66のセット荷重を変え、背圧室Rの
油圧を応答性よく変更して伸側メインバルブ60の発生
減衰力を制御することができるようにしてある。
【0046】そして、上記ソレノイド61のコイル69
からは、ピストンロッド55の透孔55aを通してリー
ド線72が油圧緩衝器50外へと延び、このリード線7
2を介してソレノイド61のコイル69に電圧を印加す
るようにしてある。
【0047】なお、プランジャ70の下端部分には、前
記パイロット通路の一部を構成する油孔70bを設け、
この油孔70bによって通空ピン68から上流側バルブ
66に向かうパイロット流れの流路を確保している。
【0048】図1に戻って、この実施例の場合、ベース
バルブ54もまた前記ピストン53と同様に、圧側減衰
力発生機構と当該圧側減衰力発生機構を制御する圧側減
衰力調整機構とを備えている。
【0049】すなわち、ベースバルブ54には圧側通路
54aと伸側通路54bが穿設してあり、これら圧側通
路54aの上下端と伸側通路54bの上端はそれぞれベ
ースバルブ54の上下面に形成した環状溝54c,54
d,54eに通じ、これら環状溝54c,54d,54
eおよびベースバルブ54の下部切欠き54fを通して
下部油室Bとリザーバ室Cを連通している。
【0050】ベースバルブ54の中心部には、当該ベー
スバルブ54を貫通して連結体73が挿通してあり、こ
の連結体73は、当該連結体73の下方から螺挿したベ
ースバルブナット74とでベースバルブ54を挟持する
ことにより、当該ベースバルブ54に対して固定してあ
る。
【0051】ベースバルブ54の上面には、上記連結体
73とベースバルブ54とで内周端を挟持した内周固定
のリーフ状チェックバルブ75が設けてある。
【0052】チェックバルブ75は、油圧緩衝器50の
静止状態においてベースバルブ54における伸側通路5
4bの環状溝54eを閉じると共に、圧側通路54aの
上面側環状溝54cを当該チェックバルブ75の内周端
側に穿ったスリット75aで常時下部油室Bへと連通し
ている。
【0053】同様に、ベースバルブ54の下面には、当
該ベースバルブ54とベースバルブナット74とで内周
端を挟持したリーフ状の圧側減衰力発生機構である内周
固定の圧側メインバルブ76が設けてあり、この圧側メ
インバルブ76で通常ベースバルブ54における圧側通
路54aの下面側環状溝54dを閉じている。
【0054】なお、図示にあっては、油圧緩衝器50が
圧縮行程にあって圧側メインバルブ76が下方へと撓
み、ベースバルブ54の圧側通路54aをリザーバ室C
側へと開放している状態で示してある。
【0055】一方、上記圧側減衰力発生機構に対して減
衰力調整機能を付与するための圧側減衰力調整機構は、
ベースバルブ部の拡大図である図3にみられるように、
圧側メインバルブ76の背面即ち下面側に位置して配設
した背圧室Raと、この背圧室Ra内に加わる油圧即ち
背圧を変えるためのアクチュエータであるソレノイド7
7、および連結体73内に螺挿した油路体78とからな
る。
【0056】上記背圧室Raを構成するために、ベース
バルブナット74の外周には保持体79が螺着してあ
り、この保持体79内に上下動自在に挿入した摺動環8
0の上端を保持体79との間に介装したスプリング81
で圧側メインバルブ76の下面へと押し付けることによ
り、これら圧側メインバルブ76とベースバルブナット
74および保持体79並びに摺動環80とで背圧室Ra
を区画している。
【0057】背圧室Raは、下部油室Bとリザーバ室C
とを結ぶパイロット通路中に介装してあり、かつ、この
パイロット通路には、背圧室Raを挟んで下部油室B側
に上流側バルブ82が、また、リザーバ室C側には下流
側バルブ83がそれぞれ配設してある。
【0058】上流側バルブ82は、前記油路体78の上
端に圧入したピン84で内周端側を挟持した内周固定の
リーフバルブとして構成してあり、通常油路体78の上
端環状溝78aを閉じている。
【0059】また、下流側バルブ83も同様に、ベース
バルブナット74と保持体79とで内周端側を挟持した
内周固定のリーフバルブとして構成してあり、通常、保
持体79の下面環状溝79aを閉じている。
【0060】なお、図示にあっては、前記圧側メインバ
ルブ76と同様に油圧緩衝器50が圧縮行程にあり、こ
れら上流側および下流側バルブ82,83がパイロット
通路を流れる作動油によって押し開かれている状態で示
してある。
【0061】前記背圧室Raは、一方では、ベースバル
ブナット74に穿った油孔74aから連結体73の外周
面における環状溝73aと油孔73b,油路体78とソ
レノイド77間の部屋G,上流側バルブ82および油路
体78の環状溝78aと油孔78bを通してシリンダ5
1内の下部油室Bへと通じ、また、他方では、保持体7
9の油孔79bと環状溝79aおよび下流側バルブ83
を通してリザーバ室Cへと連通している。
【0062】これにより、背圧室Raは、油路体78か
ら連結体73,ベースバルブナット74および保持体7
9を通して下部油室Bとリザーバ室Cとを結ぶパイロッ
ト通路中に介装されることになり、かつ、この背圧室R
aを挟んでパイロット通路の上流側に上流側バルブ82
が、また、下流側に位置して下流側バルブ83がそれぞ
れ配設されることになる。
【0063】圧側メインバルブ76に対し背圧として作
用する上記背圧室Ra内の油圧を制御して圧側発生減衰
力を調整するソレノイド77は、コイル85と当該コイ
ル85を貫通して上下動可能に緩挿したプランジャ86
とからなり、コイル85を連結体73内に下方から嵌着
したのち、当該連結体73の下端開口部に蓋体87を施
すことにより前記上流側バルブ82と対向して配設して
ある。
【0064】プランジャ86と蓋体87との間には支持
スプリング88が介装してあり、プランジャ86は、こ
の支持スプリング88の復元力で前記上流側バルブ82
の下面外周部へと押し付けられ、この状態においてコイ
ル85の下端面とプランジャ86の下端つば部86a間
のギャップが必要最小限になるように、当該ギャップを
できるだけ小さくしてある。
【0065】上記ソレノイド77のコイル85からは、
蓋体87の透孔87aを通してリード線89が油圧緩衝
器50外へと延び、このリード線89を介して当該ソレ
ノイド77のコイル85に電圧を印加するようにしてあ
る。
【0066】次に、上記のように構成した油圧緩衝器5
0の作用について説明する。
【0067】シリンダ51内からピストンロッド55が
抜け出す伸長行程時にあっては、一方では、上部油室A
内の作動油が、チェックバルブ59のスリット59aか
らピストン53の環状溝53c,伸側通路53aおよび
環状溝53dを通して伸側メインバルブ60を下方に撓
ませつつ下部油室Bへと流動する。
【0068】また、他方では、上記ピストン53の伸側
通路53aから分岐してその斜め孔53f,連結体56
の環状溝56eと油孔56d,油路体62の環状通路6
2fと油孔61eおよび環状溝62aを通り、上流側バ
ルブ66を押し開きつつ部屋Fに流入する。
【0069】この部屋Fに流入した作動油は、ソレノイ
ド61におけるプランジャ70の油孔70bから中空ピ
ン68,油路体62の縦孔62dと横穴62cおよび環
状溝62b,連結体56の油孔56cと環状溝56b、
並びにピストンナット58の油孔58aを通して背圧室
Rに流入し、この背圧室Rを経由して保持体63の油孔
63bと環状溝63aから下流側バルブ67を押し開い
て下部油室Bへと流動する。
【0070】一方、これと並行して、シリンダ51に対
するピストンロッド55の退出体積分に相当する量の作
動油が、リザーバ室Cからベースバルブ54の切欠き5
4fと伸側通路54bおよび環状溝54eを通り、チェ
ックバルブ75を開きつつ殆ど抵抗なく下部油室Bへと
補給される。
【0071】かくして、ピストン部における背圧室R内
には、上流側バルブ66と下流側バルブ67のセット荷
重差に対応する両者の開口面積差に応じた油圧が加わ
り、上記伸側メインバルブ60は、自己の初期セット荷
重にこの背圧室R内の背圧による力が加わったかたちで
撓み、この撓み抵抗に応じた伸側減衰力を発生する。
【0072】したがって、上記の伸長行程時において、
ソレノイド61に電圧を印加してプランジャ70により
上流側バルブ66の外周側を押し、当該上流側バルブ6
6のセット荷重を強くしてやれば、それに伴い、上流側
バルブ66の開口面積が小さくなってそこを通る作動油
の流量が減少し、背圧室R内の油圧が低下して伸側メイ
ンバルブ60に作用する背圧の影響が少なくなり、当該
伸側メインバルブ60のセット荷重が下がって伸側発生
減衰力は低下することになる。
【0073】上記伸長行程時とは逆に、ピストンロッド
55がシリンダ51内へと侵入する圧縮行程時にあって
は、一方では、下部油室B内の作動油が、ピストン53
の圧側通路53bから環状溝53eを通り、チェックバ
ルブ59を開いて殆ど抵抗なく上部油室Aへと流入す
る。
【0074】一方、これと並行して、シリンダ51に対
するピストンロッド55の侵入体積分に相当する量の作
動油が、下部油室Bからチェックバルブ75における切
欠き75aおよびベースバルブ54の環状溝54cと圧
側通路54a、並びに環状溝54dを通して圧側メイン
バルブ76を下方に撓ませつつリザーバ室C側へと流動
する。
【0075】また、他方では、上記下部油室Bの作動油
が、油路体78の油孔78bから環状溝78aを通して
上流側バルブ82を押し開きつつ部屋Gに流入し、この
部屋Gから連結体73の油孔73bと環状溝73aおよ
びベースバルブナット74の油孔74aを通して背圧室
Raに流入する。
【0076】この背圧室Raに流入した作動油は、当該
背圧室Raを経由してさらに保持体79の油孔79bと
環状溝79aから下流側バルブ83を押し開きつつリザ
ーバ室C側へと流動する。
【0077】かくして、背圧室Ra内には、上流側バル
ブ82と下流側バルブ83のセット荷重差に対応する両
者の開口面積差に応じた油圧が加わり、上記圧側メイン
バルブ76は、自己の初期セット荷重にこの背圧室Ra
内の背圧による力が加わったかたちで撓み、この撓み抵
抗に応じた圧側減衰力を発生する。
【0078】したがって、上記の圧縮行程時において、
ソレノイド77に電圧を印加してプランジャ86により
上流側バルブ82の外周側を押し、当該上流側バルブ8
2のセット荷重を強くしてやれば、それに伴い上流側バ
ルブ82の開口面積が小さくなってそこを流れる作動油
の流量が減少し、背圧室Ra内の油圧が低下して圧側メ
インバルブ76に作用する背圧の影響が少なくなり、当
該圧側メインバルブ76のセット荷重が下がって圧側発
生減衰力は低下することになる。
【0079】図4は、この発明をワンウェイフロータイ
プの油圧緩衝器に実施した例を示すもので、当該油圧緩
衝器は、緩衝器本体10と伸側および圧側の両方の減衰
力を発生する減衰力発生部20とからなる。
【0080】緩衝器本体10は、この種タイプの油圧緩
衝器において従来から公知のものをそのまま用いること
ができるので、ここでは説明の繁雑化を防ぐために実際
の構造例を示すことなく、主要構成のみを簡略化したか
たちで示してある。
【0081】すなわち、上記緩衝器本体10は、円筒状
をしたシリンダ11と、このシリンダ11を取り巻いて
同心に配置した同じく円筒状のアウターシェル14、お
よびシリンダ11内に摺動自在に嵌挿したピストン1
3、並びにシリンダ11の下端に位置してアウターシェ
ル14との間に介装したベースバルブ16とからなって
いる。
【0082】前記ピストン13からは、当該ピストン1
3を担うピストンロッド12が上方へと向かって延びて
おり、このピストンロッド12は、シリンダ11を貫通
して外方へと延びている。
【0083】かくして、ピストン13は、シリンダ11
内をピストンロッド12側の上部油室Aとベースバルブ
16側の下部油室Bとに区画すると共に、ベースバルブ
16は、この下部油室Bをシリンダ11とアウターシェ
ル14間のリザーバ室Cから隔離している。
【0084】前記上部油室Aと下部油室Bを区画するピ
ストン13は、下部油室Bから上部油室Aへと向かう作
動油の流動のみを許容するチェックバルブ13aを備え
ており、同様にベースバルブ16には、リザーバ室Cか
ら下部油室Bに向かう作動油の流動のみを許容するチェ
ックバルブ16aが設けてある。
【0085】そして、上記上部油室Aとリザーバ室Cと
が、それぞれ油路15a,15bによって後記する減衰
力発生部20のケーシング21における流入ポート21
bと排出ポート21cに接続している。
【0086】かくして、緩衝器本体10は、伸長行程時
において上部油室A内の作動油を油路15aから減衰力
発生部20の流入ポート21bに送り出すと共に、圧縮
行程時にあっても、下部油室Bからチェックバルブ13
aを通して上部油室Aに流入した作動油のうち、シリン
ダ11に対するピストンロッド12の侵入体積分に相当
する量の作動油を流入ポート21bに送り出すことでワ
ンウェイフロータイプの油圧緩衝器として作用すること
になる。
【0087】減衰力発生部20は、ケーシング21内に
収めたメインバルブ22からなる減衰力発生機構と、当
該メインバルブ22の背面側に位置して配置した背圧室
Rと当該背圧室Rを挟んで上流側と下流側に配設した上
流側バルブ23と下流側バルブ24および上流側バルブ
23のセット荷重を変えるソレノイド30とからなる減
衰力調整機構を備える。
【0088】ケーシング21は有底円筒状の部材で構成
され、かつ、当該ケーシング21の上壁中央部には連結
体25がねじ結合されてケーシング21の内部空間21
a内へと垂下しており、この連結体25に対して上記減
衰力発生機構と減衰力調整機構とが組み込まれる。
【0089】上記連結体25に対して減衰力発生機構を
組み込むために、連結体25の下部外周には円盤状の隔
壁部材26が嵌挿してあり、この隔壁部材26は連結体
25の下端に螺着したナット27で当該連結体25の段
部との間に挟持して固定してある。
【0090】隔壁部材26の外周はケーシング21の内
周壁に対し油密状態を保って接し、この隔壁部材26に
よりケーシング21の内部空間21aを下方の部屋Dと
上方の部屋Eとに区画すると共に、これら部屋D,E
は、隔壁部材26に形成した通路26aと環状溝26b
を通して互いに連通している。
【0091】減衰力発生機構であるメインバルブ22
は、内周端を連結体25の段部と隔壁部材26とで挟持
した内周固定のリーフバルブとして構成され、隔壁部材
26の上面側に配置されて通常隔壁部材26における通
路26aの環状溝26bを閉じている。
【0092】なお、図示にあっては、緩衝器本体10が
伸長或いは圧縮行程にあって減衰力発生部20に作動油
の流れが生じ、それに伴い、メインバルブ22が上方へ
と撓んで隔壁部材26の通路26aを開いている状態で
示してある。
【0093】一方、上記減衰力発生機構に対して減衰力
調整機能を付与するための減衰力調整機構は、メインバ
ルブ22の背面即ち上面側に位置して配設した背圧室R
と、この背圧室R内に加わる油圧即ち背圧を変えるため
のアクチュエータであるソレノイド30、および連結体
25の下方から内部へと螺挿した油路体35とからな
る。
【0094】上記背圧室Rを構成するために連結体25
の外周には保持体28が螺着してあり、この保持体28
内に上下動自在に挿入した摺動環29の下端を保持体2
8との間に介装したスプリング33でメインバルブ22
の上面へと押し付けることにより、これらメインバルブ
22と連結体25および保持体28並びに摺動環29と
で背圧室Rを区画している。
【0095】背圧室Rは、ケーシング21内の下方の部
屋Dと上方の部屋Eとを結ぶバイパス通路であるパイロ
ット通路中に介装され、このパイロット通路には、背圧
室Rを挟んで部屋D側に上流側バルブ23が、また、部
屋E側には下流側バルブ24がそれぞれ配設してある。
【0096】上流側バルブ23は、前記油路体35の上
端に内周端側を固定した内周固定のリーフバルブとして
構成してあり、通常油路体35の上端環状溝35aを閉
じている。
【0097】また、下流側バルブ24も同様に、連結体
25と保持体28とで内周端側を挟持した内周固定のリ
ーフバルブとして構成してあり、通常保持体28の上面
環状溝28bを閉じている。
【0098】なお、図示にあっては、前記メインバルブ
22と同様に緩衝器本体10が伸長或いは圧縮行程にあ
り、これら上流側および下流側バルブ23,24がパイ
ロット通路を流れる作動油によって押し開かれている状
態で示してある。
【0099】前記背圧室Rは、一方では、連結体25に
穿った油孔25aから上流側バルブ23,油路体35の
環状溝35aと油孔35b、および連結体25の下部中
空部25bを通してケーシング21内の下方の部屋Dへ
と通じ、また、他方では、保持体28の油孔28aと環
状溝28bおよび下流側バルブ24を通してケーシング
21内の上方の部屋Eへと連通している。
【0100】これにより、背圧室Rは、油路体35のか
ら連結体25および保持体28を通してケーシング21
内の下方の部屋Dと上方の部屋Eとを結ぶパイロット通
路中に介装されることになり、かつ、この背圧室Rを挟
んでパイロット通路の上流側に上流側バルブ23が、ま
た、下流側に位置して下流側バルブ24がそれぞれ配設
されることになる。
【0101】メインバルブ22に対し背圧として作用す
る上記背圧室R内の油圧を制御して伸側および圧側減衰
力を調整するソレノイド30は、コイル38および当該
コイル38を貫通して上下動可能に緩挿したプランジャ
40とからなり、コイル38を連結体25内に上方から
嵌着したのち、当該連結体25の上端に蓋体41を螺着
することにより前記上流側バルブ23と対向して配設し
てある。
【0102】プランジャ40と蓋体41との間には支持
スプリング43が介装してあり、プランジャ40は、こ
の支持スプリング43の復元力で前記上流側バルブ22
の上面外周部へと押し付けられ、この状態においてコイ
ル38の上端面とプランジャ40の下端つば部40a間
のギャップ39が必要最小限になるように、ロックナッ
ト44で蓋体41を連結体25に対し調整可能に固定し
てある。
【0103】上記ソレノイド30のコイル38からは、
連結体25の透孔25cを通してリード線42がケーシ
ング21外へと延び、このリード線42を介して当該ソ
レノイド30のコイル38に電圧を印加するようにして
ある。
【0104】次に、上記のように構成したワンウェイフ
ロータイプの油圧緩衝器の作用について説明する。
【0105】緩衝器本体10において、シリンダ11内
からピストンロッド12が抜け出す伸長行程時にあって
は、リザーバ室C内の作動油を、ベースバルブ16のチ
ェックバルブ16aを通して下部油室Bへと吸い込みつ
つ、上部油室A内の作動油を油路15aから流入ポート
21bを通して減衰力発生部20の下方の部屋Dに送り
込む。
【0106】この下方の部屋Dに送り込まれた作動油
は、一方では、隔壁部材26の通路26aから環状溝2
6bを通り、メインバルブ22を上方に撓ませつつ上方
の部屋Eに流れ、ここから排出ポート21cと油路15
bを通って緩衝器本体10のリザーバ室Cへと還流す
る。
【0107】また、他方では、連結体25の下部中空部
25bから油路体35の油孔35bと環状溝35aを通
り、上流側バルブ23を押し開きつつ連結体25の油孔
25aから背圧室Rに流入する。
【0108】この背圧室Rに流入した作動油は、さら
に、保持体28の油孔28aと環状溝28bを通って下
流側バルブ24を押し開きつつ上方の部屋Eに流入し、
ここで先のメインバルブ22を押し開いて流れてきた作
動油と合流して緩衝器本体10のリザーバ室Cへと還流
する。
【0109】上記とは逆に、シリンダ11内にピストン
ロッド12が侵入する圧縮行程時にあっては、下部油室
B内の作動油を、ピストン13のチェックバルブ13a
を通して上部油室Aへと押し出しつつ、この上部油室A
へと押し出されてきた作動油のうち、シリンダ11に対
するピストンロッド12の侵入体積分に相当する量の作
動油を、油路15aから流入ポート21bを通して減衰
力発生部20の下方の部屋Dに送り込む。
【0110】したがって、この緩衝器本体10の圧縮行
程時にあつても、減衰力発生部20内における作動油の
流れは前記伸長行程時の場合と全く変わるとこるはな
く、単に伸長行程時と圧縮行程時とでは減衰力発生部2
0内を流れる作動油の量が、前者ではシリンダ11とピ
ストンロド12の断面積差によって決まるのに対し、後
者ではピストンロッド12の断面積で決まる点で異なる
に過ぎない。
【0111】かくして、伸長行程および圧縮行程の両方
において、背圧室R内には、上流側バルブ23と下流側
バルブ24のセット荷重差に対応する両者の開口面積差
に応じた油圧が加わり、上記メインバルブ22は、自己
の初期セット荷重にこの背圧室R内の背圧による力が加
わったかたちで撓み、この撓み抵抗に応じた伸側および
圧側減衰力を発生する。
【0112】このことから、上記伸長および圧縮行程時
において、ソレノイド30に電圧を印加してプランジャ
40により上流側バルブ23の外周側を押し、当該上流
側バルブ23のセット荷重を強くしてやれば、それに伴
い上流側バルブ23の開口面積が小さくなってそこを通
る作動油の流量が減少し、背圧室R内の油圧が低下して
メインバルブ22に作用する背圧の影響が少なくなり、
当該メインバルブ22のセット荷重が低下して伸側およ
び圧側減衰力は共に低下することになる。
【0113】図5は、前記図4におけるワンウェイフロ
ータイプ式の油圧緩衝器の他の実施例を示すものであ
る。
【0114】この図5の実施例は、先の図4の実施例に
対し、プランジャ40の支持スプリング43を廃止して
直接蓋体41の下面で当該プランジャ40の位置決めを
行うようにした点、プランジャ40の下端をストレート
に構成して上流側バルブ23の比較的支持点に近い部分
を押圧するようにした点、およびリード線42を蓋体4
1に穿った透孔41aから外部に引き出すようにした点
で異なっている。
【0115】なお、その他の構成は前記図4の実施例と
全く同一であり、その構成および全体の作用については
先の説明に基づいて容易に理解できることであるので、
ここでは説明の繁雑化を防ぐせためその詳細は省略す
る。
【0116】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、セット荷重を変更し得る上流側バルブと常時一定の
セット荷重を保つ下流側バルブとで背圧室の油圧を制御
するようにしたので、背圧室における油圧の急激な上昇
を抑えて常にメインバルブによる安定した発生減衰力の
制御が可能になる。
【0117】また、上流側バルブのセット荷重変更用ア
クチェータとしてのソレノイドの使用によりその信頼性
を著しく向上し得るばかりか、ソレノイド自体の駆動電
圧も低くてすむので他の機器に電磁波障害を与えること
もなく、かつ、長手方向寸法も短くなるので組み込みが
容易になる等の利点を有する。
【0118】請求項2の発明によれば、上記の効果をピ
ストン部の伸側減衰力発生機構に対して付与することが
できる。
【0119】同様に、請求項3の発明によれば、上記の
効果をベースバルブ部の圧側減衰力発生機構に対して付
与することができる。
【0120】さらに、請求項4の発明によれば、上記の
効果をワンウェイフロータイプの減衰力発生機構に対し
て付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した油圧緩衝器の一実施例を示
す要部縦断正面図である。
【図2】図1におけるピストン部の詳細縦断正面図であ
る。
【図3】図1におけるベースバルブ部の詳細縦断正面図
である。
【図4】この発明をワンウェイフロータイプの油圧緩衝
器に実施した例を示す一部概略縦断正面図である。
【図5】上記図4における他の実施例を示す一部概略縦
断正面図である。
【図6】従来例としての油圧緩衝器における減衰力調整
機構を示す概略図である。
【図7】同じく、他の従来例としての油圧緩衝器におけ
る減衰力調整機構を示す概略図である。
【符号の説明】
A 上方油室 B 下方油室 R 背圧室 Ra 背圧室 10 緩衝器本体 13 ピストン 16 ベースバルブ 22 メインバルブ 23 上流側バルブ 24 下流側バルブ 30 ソレノイド 50 油圧緩衝器 53 ピストン 54 ベースバルブ 60 伸側メインバルブ 61 ソレノイド 66 上流側バルブ 67 下流側バルブ 76 圧側メインバルブ 77 ソレノイド 82 上流側バルブ 83 下流側バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインバルブの背面側に油圧の変更によ
    って当該メインバルブの発生減衰力を制御する背圧室を
    備え、この背圧室は、上流側にソレノイドによってセッ
    ト荷重を変更し得る上流側バルブを有すると共に、下流
    側には常に一定のセット荷重を保つ下流側バルブをそれ
    ぞれ有し、上記ソレノイドによる上流側バルブのセット
    荷重の変更に伴い、当該上流側バルブと下流側バルブの
    絞り面積差で背圧室内の油圧を変更してメインバルブに
    よる発生減衰力を制御するようにしたことを特徴とする
    油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 ピストン部に伸側減衰力発生用のメイン
    バルブを備えた油圧緩衝器において、メインバルブの背
    面側に油圧の変更によって当該メインバルブの発生減衰
    力を制御する背圧室を設け、この背圧室の上流側にソレ
    ノイドによってセット荷重を変更し得る上流側バルブを
    配置すると共に、下流側には常に一定のセット荷重を保
    つ下流側バルブを配設し、上記ソレノイドによる上流側
    バルブのセット荷重の変更に伴い、当該上流側バルブと
    下流側バルブの絞り面積差で背圧室内の油圧を変更して
    メインバルブによる伸側発生減衰力を制御するようにし
    たことを特徴とする油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 ベースバルブ部に圧側減衰力発生用のメ
    インバルブを備えた油圧緩衝器において、メインバルブ
    の背面側に油圧の変更によって当該メインバルブの発生
    減衰力を制御する背圧室を設け、この背圧室の上流側に
    ソレノイドによってセット荷重を変更し得る上流側バル
    ブを配置すると共に、下流側には常に一定のセット荷重
    を保つ下流側バルブを配設し、上記ソレノイドによる上
    流側バルブのセット荷重の変更に伴い、当該上流側バル
    ブと下流側バルブの絞り面積差で背圧室内の油圧を変更
    してメインバルブによる圧側発生減衰力を制御するよう
    にしたことを特徴とする油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 緩衝器本体の伸縮動作に伴いシリンダ内
    上方油室からの作動油が、当該緩衝器本体外に配置した
    減衰力発生部のメインバルブを通してシリンダ内下方油
    室に還流するワンウェイフロータイプの油圧緩衝器にお
    いて、減衰力発生部におけるメインバルブの背面側に油
    圧の変更によって当該メインバルブの発生減衰力を制御
    する背圧室を設け、この背圧室の上流側にソレノイドに
    よってセット荷重を変更し得る上流側バルブを配置する
    と共に、下流側には常に一定のセット荷重を保つ下流側
    バルブを配設し、上記ソレノイドによる上流側バルブの
    セット荷重の変更に伴い、当該上流側バルブと下流側バ
    ルブの絞り面積差で背圧室内の油圧を変更してメインバ
    ルブによる伸側および圧側発生減衰力を制御するように
    したことを特徴とする油圧緩衝器。
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