JP4602179B2 - レーダ装置 - Google Patents

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この発明は、目標の移動に伴う位相変化を補償し、位相補償後の信号を再度コヒーレントに積分するようにしたレーダ装置に関するものである。
従来のレーダ装置として、次のようなものがあった。即ち、受信信号を特定パルスヒット数毎に高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)処理し、FFT処理後の出力信号毎にパルスヒットと位相変化の関係(位相曲線)を各レンジビンに対して得る。次に、各レンジビンに対して得られた位相曲線の中から予め想定した運動の位相曲線に最も近い出力信号を目標信号の候補として選択し、予め想定した運動を基に算出された位相補償量によって、候補信号の位相変化を補償した後、位相補償後の信号を加算することで、検出性能の改善を図る方式である(例えば、特許文献1参照)。
このような方式によれば、振幅情報と位相情報を利用できるため、ノンコヒーレント積分に代表される振幅情報のみを用いる積分方式に比べ、信号対雑音電力比(Signal to Noise Ratio:SNR)が改善され、検出性能の改善が期待できるという効果が得られる。
特許第2737434号明細書
しかしながら、従来のレーダ装置では、想定した運動の位相勾配に最も近い出力信号を目標候補として選択するため、予め目標の運動を想定する必要があり、想定外の運動目標に対する検出性能の改善は困難という問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、予め運動を想定することが困難な高機動目標に対する検出性能を改善することのできるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、受信信号の周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号の発生周波数に相当する相対速度を相対速度計測手段によって計測し、この相対速度に基づいてコヒーレント処理が可能な時間間隔毎の位相変化量を位相変化量算出手段によって算出する。更に、位相変化量を用いてピーク信号の位相を選択信号位相補償手段によって補償し、この補償後の位相と、ピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成し、積分手段によって、コヒーレント処理が可能な時間間隔毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号を加算するようにしたものである。
この発明のレーダ装置は、ピーク信号の発生周波数に相当する相対速度に基づいて各時間間隔毎の位相変化量を算出し、この位相変化量により位相補償を行って、ピーク信号を再構成するようにしたので、レーダ装置として、予め運動を想定することが困難な高機動目標に対する検出性能を改善することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。
図示のように、実施の形態1のレーダ装置は、周波数スペクトル計算手段101、ピーク信号選択手段102、選択信号相対速度計測手段103、選択信号位相変化量算出手段104、選択信号位相補償手段105、振幅算出手段106、信号再構成手段107、積分手段108、閾値検出手段109を備えている。
周波数スペクトル計算手段101は、コヒーレント処理が可能な時間間隔毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める機能を有している。尚、以下、コヒーレント処理が可能な時間間隔をCPI(Coherent Processing Interval)という。ピーク信号選択手段102は、周波数スペクトル計算手段101で求められた周波数スペクトルに対して、周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択する機能を有するものである。選択信号相対速度計測手段103は、ピーク信号選択手段102で求めたピーク信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する機能を有し、選択信号位相変化量算出手段104は、選択信号相対速度計測手段103で計測された相対速度に従って位相変化量を算出する機能を有している。選択信号位相補償手段105は、選択信号位相変化量算出手段104で算出された位相変化量を用いてピーク信号の位相を補償するものである。
振幅算出手段106は、ピーク信号選択手段102で選択されたピーク信号の振幅値を算出する機能を有している。信号再構成手段107は、選択信号位相補償手段105の出力であるピーク信号の補償後の位相と、振幅算出手段106の出力であるピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する機能を有している。積分手段108は、CPI毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号を加算する機能を有している。閾値検出手段109は、積分手段108の出力信号に対して、所定の閾値との比較により、目標の有無を判定する機能を有している。
次に、実施の形態1の動作について説明する。
先ず、パルスヒット毎に得られる信号のサンプル番号をm’とし、A/D変換後の受信ビデオ信号をU(m’)とおく。
周波数スペクトル計算手段101は、A/D変換後の受信ビデオ信号U(m’)を入力とし、コヒーレント処理が可能な時間、即ち、目標が静止,もしくは等速で移動しているとみなせる時間間隔(CPI)毎に、例えば高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)処理等を行い、周波数ビン毎の信号成分、即ち、周波数スペクトルXk(n)を求める。受信信号を連続波(Continuous Wave :CW)とし、CPIをM個のA/D変換後の受信ビデオ信号の観測時間とした場合、受信信号U(m’)をM点毎にN回FFT処理した信号は式(1)で表される。
Figure 0004602179
ここで、k(k=1,2,…,M)は周波数ビン番号、n(n=1,2,…,N)はCPI番号を表し、M、NはそれぞれFFTポイント数およびCPI処理回数を表す。
ピーク信号選択手段102は、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に入力される周波数スペクトルXk(n)(n=1,2,…,N)のそれぞれに対し、強度が最大となるピーク信号Xselect(n)(n=1,2,…,N)を選択する。
図2に、ピーク信号選択手段102の処理動作のイメージを示す。尚、図中、ハッチングで示す部分がピーク信号に相当している。
選択信号相対速度計測手段103は、ピーク信号選択手段102の出力としてCPI毎に選択されるピーク信号の存在する周波数ビンを選択周波数ビンselect(n)とし、select(n),(n=1,2,…,N)に相当するドップラー周波数fdselect(n)を式(2)より求め、式(3)によりピーク信号の相対速度vselect(n)に変換する。
Figure 0004602179
ここで、MはFFTポイント数、ΔTはデータ取得間隔、λは送信キャリア信号の波長を表す。
選択信号位相変化量算出手段104は、CPI毎に選択信号相対速度計測手段103から出力されるピーク信号の相対速度vselect(n)を入力とし、n(n=1,2,…,N)番目のピーク信号に対する移動距離ΔRselect(n)(n=1,2,…,N)を式(4)より算出し、移動距離ΔRselect(n)(n=1,2,…,N)に相当する位相変化量を式(5)より算出する。
Figure 0004602179
ここで、f0は送信キャリア信号周波数、cは光速を表す。
選択信号位相補償手段105は、ピーク信号選択手段102からCPI毎に入力されるピーク信号の位相φselect(n)(n=1,2,…,N)と式(5)よりCPI毎に算出されるピーク信号に対する位相変化量Δφselect(n)(n=1,2,…,N)を入力とし、目標の移動に伴う位相変化を補償したピーク信号の位相φ’select(n)(n=1,2,…,N)をCPI毎に式(6)により算出する。
Figure 0004602179
ここでピーク信号の位相φselect(n)(n=1,2,・・・,N)は式(7)で表される。
Figure 0004602179
振幅算出手段106は、CPI毎にピーク信号選択手段102の出力として得られるピーク信号の振幅Aselect(n)(n=1,2,…,N)を式(8)に従って求める。
Figure 0004602179
信号再構成手段107は、選択信号位相補償手段105からCPI毎に得られる目標の移動に伴う位相変化が補償されたピーク信号の位相φ’ select(n)(n=1,2,…,N)と振幅算出手段106からCPI毎に得られるピーク信号の振幅Aselect(n)(n=1,2,…,N)を用い、位相補償されたピーク信号hselect(n)(n=1,2,…,N)を式(9)により再構成する。
Figure 0004602179
積分手段108は、信号再構成手段107よりCPI毎に得られる位相補償後のピーク信号hselect(n) (n=1,2,…,N)を式(10)に従って加算する。
Figure 0004602179
閾値検出手段109は、積分手段108の出力である積分値Hselectを入力とし、予め設定した閾値レベルを超えた場合に目標の信号として出力する。
以上のように、実施の形態1のレーダ装置によれば、コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するピーク信号選択手段と、ピーク信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、計測された相対速度に基づいてコヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎の位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、位相変化量を用いてピーク信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、ピーク信号の振幅値を算出する振幅算出手段と、選択信号位相補償手段の出力であるピーク信号の補償後の位相と振幅算出手段の出力であるピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する信号再構成手段と、コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号を加算する積分手段と、積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたので、ピーク信号を繋いだ経路に沿って位相補償を行うことから、従来のように予め目標の運動を想定することなく高機動目標に対する検出性能の改善を図ることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2は、相対速度を高精度に計測するようにしたものである。
図3、図4、図5は、それぞれ実施の形態2におけるレーダ装置の構成図である。
図3において、Δ/Σ相対速度計測手段110は、実施の形態1における選択信号相対速度計測手段103に置き換えて設けたもので、ピーク信号選択手段102で選択したピーク信号の発生周波数に近接する最も強度の大きい2信号の振幅値の差(Δ)を、その2信号の和(Σ)で割った値をΔ/Σ値として生成し、このΔ/Σ値と、予め求めたΔ/Σ値と周波数補正量との関係に基づいて、生成したΔ/Σ値に相当する周波数補正量を算出し、その周波数補正量で補正した周波数を前記ピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を求める機能を有している。これ以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
また、図4において、重心相対速度計測手段111は、実施の形態1における選択信号相対速度計測手段103に置き換えて設けたもので、ピーク信号選択手段102で選択したピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号の重心を求め、その重心の周波数をピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する機能を有している。これ以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
更に、図5において、非線形最小二乗相対速度計測手段112は、実施の形態1における選択信号相対速度計測手段103に置き換えて設けたもので、ピーク信号選択手段102で選択したピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号を用いて非線形最小二乗処理を行い、強度が最大となる周波数をピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する機能を有している。これ以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、これら実施の形態2の動作について説明する。
Δ/Σ相対速度計測手段110、もしくは重心相対速度計測手段111、もしくは非線形最小二乗相対速度計測手段112は、ピーク信号選択手段102により選択されたピーク信号を入力とし、ピーク信号及びその周囲の信号の情報を利用し、Δ/Σ処理、もしくは重心演算処理、もしくは非線形最小二乗処理等を行うことで、FFT分解能以上の精度でピーク信号の相対速度を計測する。これらのΔ/Σ相対速度計測手段110、重心相対速度計測手段111および非線形最小二乗相対速度計測手段112以外の処理については実施の形態1と同様の動作であるため、ここでの説明は省略する。
次に、Δ/Σ相対速度計測手段110、重心相対速度計測手段111、非線形最小二乗相対速度計測手段112のそれぞれの動作について図6、図7、図8を参照しながら説明する。尚、図6、図7、図8におけるfdA、fdB、fdC、fdDおよびPA、PB、PC、PDはそれぞれFFT周波数分解能相当の精度で得られるサンプル点のドップラー周波数と電力値を表す。
先ず、Δ/Σ処理は、図6(a)の求めるべきドップラー周波数fdΔ/Σと各サンプル点(fdi,Pi)、(i=A,B,C,D)との関係に示すようにドップラー周波数の真値が電力値の最も大きな2点(fdB,PB)、(fdC,PC)の間にあるものと想定し、式(11)で表されるΔ/Σ値Dを算出する。尚、図中の丸印はサンプル点を示している。
Figure 0004602179
次に、図6(b)に示すような予め精度良く算出されたドップラー周波数補正量とΔ/Σ値Dとの関係(=Δ/Σ曲線)から、補正量fdcompを求めることで、ピーク信号のドップラー周波数fdΔ/Σを式(12)により算出する。
fdΔ/Σ=fdB+fdcomp (12)
次に、重心演算処理は、図7の求めるべきドップラー周波数fdjyushinと各サンプル点(fdi,Pi)、(i=A,B,C,D)との関係に示すように、ドップラー周波数の真値を複数のサンプル点の重心として求める方式である。尚、図中の丸印はサンプル点を示している。重心演算によるピーク信号のドップラー周波数fdjyushinは式(13)により算出される。
Figure 0004602179
次に、非線形最小二乗処理は、図8の求めるべきドップラー周波数fdnonlsqと各サンプル点(fdi,Pi)、(i=A,B,C,D)との関係に示すように、複数のサンプル点を、例えば式(14)で表される電力値Pest,標準偏差σest,平均値mestを未知数としたガウス関数g(fdi)で近似し、式(15)で示される残差二乗和S(fdi)が最小となるときのPest,σest,mestを推定し、平均値mestをピーク信号のドップラー周波数fdnonlsqとして求める方式である。尚、図中の丸印はサンプル点を示している。
Figure 0004602179
ここで、PiはK個のサンプル点に対する電力値を表す。
このようにして求めたピーク信号のドップラー周波数から、Δ/Σ相対速度計測手段110、重心相対速度計測手段111および非線形最小二乗相対速度計測手段112は、式(3)と同様の演算によりピーク信号の相対速度を求める。
以上のように、実施の形態2のレーダ装置によれば、実施の形態1の選択信号相対速度計測手段103に代えて、ピーク信号の発生周波数に近接する最も強度の大きい2信号の振幅値の差(Δ)を2信号の和(Σ)で割った値をΔ/Σ値として生成し、Δ/Σ値と、予め求めたΔ/Σ値と周波数補正量との関係に基づいて、生成したΔ/Σ値に相当する周波数補正量を算出し、周波数補正量で補正した周波数を前記ピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を求めるΔ/Σ相対速度計測手段、もしくは、ピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号の重心を求め、重心の周波数をピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する重心相対速度計測手段、もしくは、ピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号を用いて非線形最小二乗処理を行い、強度が最大となる周波数をピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する非線形最小二乗相対速度計測手段を備えたので、実施の形態1の効果に加えて、Δ/Σ処理、重心演算処理、非線形最小二乗処理等により、FFT分解能以上の精度で相対速度を計測することが可能となるため、更に検出性能の改善が期待できる。
実施の形態3
図9は、本発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成図である。
図9において、閾値判定手段113、ゲート設定手段114およびゲート内信号選択手段115以外の構成については、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。閾値判定手段113は、周波数スペクトル計算手段101の出力である周波数スペクトルに対して閾値を設定し、この閾値を超えた全ての信号を目標信号の候補として仮検出する機能を有している。ゲート設定手段114は、閾値判定手段113で仮検出された各目標信号の候補毎にそれらの情報を利用し、次のCPI間隔に得られる周波数スペクトルに対して仮検出される可能性の高い領域にゲートを設定する機能を有している。ゲート内信号選択手段115は、ゲート設定手段114で設定されたゲート内で周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を検出する機能を有している。
次に、実施の形態3の動作について説明する。
閾値判定手段113は、周波数スペクトル計算手段101から式(1)で表されるCPI毎に入力される周波数スペクトルXk(n)(n=1,2,…,N)に対し閾値を設定し、式(16)の関係を満たす信号を目標信号の候補として仮検出する。
k(n)>Th,(n=1,2,…,N)(k=1,2,…,M) (16)
ここで、k(k=1,2,…,M)は周波数ビン番号、n(n=1,2,…,N)はCPI番号を表し、M、NはそれぞれFFTポイント数およびCPI処理回数を表す。また、Thは予め設定される閾値レベルを表す。
ゲート設定手段114は、閾値判定手段113において仮検出された目標信号の候補の周波数ビンpre−dect(n)を入力とし、例えば、図10に示すようにpre−dect(n)を中心としたある範囲(pre−dect(n)±α:αは予め設定される自然数を表す。尚、図10はα=2の場合を示している。)の周波数帯域を次のCPIにおいて仮検出信号が得られる可能性の高い領域としてゲート設定する。尚、図10において、Aは仮検出信号、Bは仮検出信号のうち位相補償する信号を示している。また、点線範囲はゲート領域、点線の中心点がゲート中心を示している。
即ち、実施の形態3では、閾値判定手段113において、仮検出された目標信号の候補が複数あった場合は、そのそれぞれについてゲート設定する。例えば、図10において、CPI番号=1の場合は一つの候補について次のCPIにおいて仮検出信号が得られる可能性の高い領域としてゲート設定を行い、CPI番号=2の場合は、三つの候補についてゲート設定を行うといった動作となる。
ゲート内信号選択手段115は、ゲート設定手段114の出力として得られるゲートpre−dect(n)±αと閾値判定手段113の出力として得られるn+1番目の周波数スペクトルに対する仮検出信号Xpre-dect(n+1)を入力とし、pre−dect(n)±αの上記ゲート内に得られた上記仮検出信号Xpre-dect(n+1)の中からスペクトル強度が最大となるピーク信号を検出する。
上記以外の処理については、実施の形態1と同様の動作を有するため説明は省略する。
以上のように、実施の形態3のレーダ装置によれば、周波数スペクトル計算手段の出力である周波数スペクトルに対し閾値を設定し、閾値を超えた全ての信号を目標信号の候補として仮検出する閾値判定手段と、仮検出された各目標信号の候補毎にそれらの情報を利用し、次のコヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)に得られる周波数スペクトルに対して仮検出される可能性の高い領域にゲートを設定するゲート設定手段と、ピーク信号選択手段に代えて、各ゲート内で周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するゲート内信号選択手段を備えたので、実施の形態1の効果に加えて、低SNR環境や複数目標環境のように周波数スペクトルに複数の比較的強度の大きな信号が存在する場合にも対処することが可能となる。
また、ここでは、実施の形態1に適用した場合を示したが、実施の形態2に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4によるレーダ装置を示す構成図である。
図11において、初期目標ビン選択手段119は、目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する機能を有している。位相初期値算出手段120は、初期目標ビン選択手段119の出力である予め選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する機能を有している。位相差算出手段121は、後述する選択信号位相補償手段123の出力であるCPI毎の周波数スペクトルの全周波数ビンの信号に対する補償後の位相と、位相初期値算出手段120の出力である位相初期値との位相差を算出する機能を有している。
位相差最小信号選択手段122は、位相差算出手段121の出力である全周波数ビンの信号に対して算出された位相差のうち、CPI毎に位相差が最小となる信号(以下、位相差最小信号)を選択する機能を有している。選択信号相対速度計測手段103は、位相差最小信号選択手段122の出力であるCPI毎に選択された位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する機能を有している。選択信号位相補償手段123は、選択信号位相変化量算出手段104で算出された位相差最小信号に対する位相変化量を用いて、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に入力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の位相を補償し、位相差算出手段121へ出力する機能を有している。振幅算出手段140は周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に出力される周波数スペクトルと位相差最小信号選択手段122より出力される位相差最小信号の存在する周波数ビンとを入力とし、位相差最小信号の振幅値を算出する機能を有している。
これ以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
次に、実施の形態4の動作について説明する。
初期目標ビン選択手段119は、1番目のCPIの周波数スペクトルに対してのみ、目標の存在する周波数ビンの信号を他のレーダ装置等の外部からの情報により選択する。位相初期値算出手段120は、1番目のCPIで周波数スペクトル計算手段101の出力として得られる周波数スペクトルから初期目標ビン選択手段119の出力として得られる1番目のCPIに対する目標の存在する周波数ビンの信号Xinitial(1)を求め、1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値φinitial(1)を式(17)より算出する。
Figure 0004602179
位相差算出手段121は、1番目のCPIに対しては位相初期値φinitial(1)を算出する。また、2番目以降のCPIに対しては、式(18)に示すように、後述する選択信号位相補償手段123の出力として全周波数ビンの信号に対して得られる補償後の位相φ’k(n’)(n’=2,…,N)(k=1,2,…,M)から位相初期値φinitial(1)を引いたk個の補償後の位相差φ’k_dif(n)を算出し、位相差φ’k_dif(n) (n=1,2,…,N)(k=1,2,…,M)として出力する。ここで、M、NはそれぞれFFTポイント数およびCPI処理回数を表す。
Figure 0004602179
位相差最小信号選択手段122は、位相差算出手段121の出力としてCPI毎に得られる前記位相差φ’k_dif(n)(n=1,2,…,N)のうち、位相差が最小となる信号(以下、位相差最小信号)Xselect(n)(n=1,2,…,N)を選択する。
但し、1番目のCPIに対しては、1番目のCPIに対する目標の信号Xinitial(1)を選択(Xselect(1)=Xinitial(1))する。
選択信号相対速度計測手段103は、位相差最小信号選択手段122の出力としてCPI毎に選択される位相差最小信号の存在する周波数ビンを選択周波数ビンselect(n)とし、select(n),(n=1,2,…,N)に相当するドップラー周波数fdselect(n)を式(2)より求め、式(3)によりピーク信号の相対速度vselect(n)に変換する。選択信号位相変化量算出手段104は、CPI毎に選択信号相対速度計測手段103から出力される位相差最小信号の相対速度vselect(n)を入力とし、n(n=1,2,…,N)番目の位相差最小信号に対する移動距離ΔRselect(n)(n=1,2,…,N)を式(4)より算出し、移動距離ΔRselect(n)(n=1,2,…,N)に相当する位相変化量Δφselect(n)を式(5)より算出する。
選択信号位相補償手段123は、2番目以降のCPIに対して、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に入力される周波数スペクトルXk(n)の全周波数ビンの信号に対する位相φk(n’)(n’=2,…,N)(k=1,2,…,M)を式(5)よりCPI毎に算出される位相差最小信号に対する位相変化量Δφselect(n’)(n’=2,…,N)で補償した位相の値φ’k(n’)(n’=2,…,N)(k=1,2,…,M)を式(19)により算出する。
Figure 0004602179

尚、1番目のCPIに対しては位相初期値φinitial(1)を入力する。
実施の形態1の選択信号位相補償手段105では、式(6)で示されたように、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に出力される周波数スペクトルXk(n)のうち、選択されたピーク信号の位相のみを補償したのに対し、本実施の形態4の選択信号位相補償手段123では、式(19)に示されるように、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に出力される周波数スペクトルXk(n)の全周波数ビンの信号の位相を補償する点で異なる。
ここで、2番目以降のCPIに対して、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に出力される周波数スペクトルXk(n’)(n’=2,…,N)の位相φk(n’)は式(20)で表される。
Figure 0004602179
振幅算出手段140は、周波数スペクトル計算手段101からCPI毎に出力される周波数スペクトルと位相差最小信号選択手段122より出力される位相差最小信号の存在する周波数ビンとを入力とし、選択された位相差最小信号の振幅値を式(8)に従って算出する機能を有している。
図12に、位相差最小信号選択手段122の処理イメージ図を示す。
尚、ここでは、FFTポイント数Mが5個、すなわち、スペクトルの全周波数ビン数Mが5個の場合を例として説明する。図12は横軸をCPI番号、縦軸を補償後の位相として、各周波数ビンの補償後の位相をCPI毎にプロットしたものである。
図12に示すように、先ず、1番目のCPIについては、初期目標ビン選択手段119の出力として得られる1番目のCPIに対する目標の存在する周波数ビンの信号Xinitial(1)が選択されるので、位相初期値はφinitial(1)となる。次に、2番目以降のCPIについては、1CPI前までに選択された仮目標信号の情報を元に目標の移動に伴う位相変化を各周波数ビンに対して位相補償し、M個の補償後の位相の中で位相初期値に最も近い信号、すなわち、位相初期値との位相差が最小となる信号を仮目標信号として選択する。
つまり、図12の場合、2番目のCPIに対しては、2番目のCPIで得られる5個の周波数ビンの位相を1番目のCPIにおいて選択された仮目標信号の情報(φinitial(1))を元にそれぞれ補償し、補償後の5個の信号の中から、位相初期値φinitial(1)に最も近い位相φ’1(2)の信号を仮目標信号として選択する(図中、Aで示す)。即ち、図中、Aで示すφ’1(2)の信号は、CPI番号(n)が2、周波数ビン番号(k)が1の信号の補償前の位相φ1(2)を、φinitial(1)の周波数ビン情報で補償した後の位相を示している。
同様に、3番目のCPIに対しては、3番目のCPIで得られる5個の周波数ビンの位相を1番目と2番目のCPIにおいて選択された仮目標信号の情報(φinitial(1)、φ’1(2))を元にそれぞれ補償し、補償後の5個の信号の中から、位相初期値φinitial(1)に最も近い位相φ’4(3)の信号を仮目標信号として選択する(図中、Bで示す)。即ち、図中、Bで示すφ’4(3)の信号は、CPI番号(n)が3、周波数ビン番号(k)が4の信号の補償前の位相φ4(3)を、φinitial(1)とφ1(2)の周波数ビン情報で補償した後の位相を示している。
尚、位相初期値φinitial(1)との位相差が最小となる信号を仮目標信号として選択する理由は、目標の移動に伴う位相変化を補償することが、目標信号の位相を位相初期値に戻すことと等価であることを意味しているためである。
以上のように、実施の形態4のレーダ装置によれば、コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の補償後の位相と位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、全周波数ビンの信号に対して算出された位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、選択された位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、計測された相対速度に基づいて位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、位相変化量を用いて、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段と、位相差最小信号選択手段の出力である位相差最小信号の補償後の位相と振幅算出手段の出力である位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、CPI毎に生成される複数の位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたので、従来のように予め目標の運動を想定することなく高機動目標に対する検出性能の改善を図ることが可能となる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5によるレーダ装置の構成図である。
図13において、信号強度比較手段124以外の構成については実施の形態4と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。信号強度比較手段124は、CPI毎に入力される周波数スペクトルに対し、閾値処理等によって、信号強度が閾値よりも大きな信号を仮目標信号の候補として選択し、位相初期値算出手段120、選択信号位相補償手段123および振幅算出手段140へ出力する機能を有している。
このように構成された実施の形態5によるレーダ装置では、信号強度比較手段124は、信号強度が閾値よりも大きな信号のみを、位相初期値算出手段120、選択信号位相補償手段123および振幅算出手段140へ出力するため、位相初期値算出手段120以降の処理は、信号強度比較手段124で仮目標信号の候補として信号強度が閾値よりも大きな信号に対してのみ位相補償等の処理を行うことになる。これ以外の動作は実施の形態4と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以上のように、実施の形態5のレーダ装置によれば、コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルに対し、信号強度が閾値よりも大きな複数の信号を仮目標信号の候補として選択する信号強度比較手段と、信号強度が閾値よりも大きな複数の信号の補償後の位相と位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、信号強度が閾値よりも大きな複数の信号に対して算出された位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、選択された位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、計測された相対速度に基づいて位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、位相変化量を用いて、信号強度比較手段より出力される信号強度が閾値よりも大きな複数の信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から前記位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段と、位相差最小信号選択手段の出力である位相差最小信号の補償後の位相と振幅算出手段の出力である位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、CPI毎に生成される複数の位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたので、補償後の位相が位相初期値に最も近くなる信号を繋いだ経路に沿って積分路を設定することができ、従来のように予め目標の運動を想定することなく高機動目標に対する検出性能の改善を図ることが可能となると共に、積分路を設定する際に信号の強度情報と位相情報を併用することで、実施の形態4と比較して、積分路の設定精度の改善が期待できる。
実施の形態6.
図14は、本発明の実施の形態6によるレーダ装置の構成図である。
図14において、信号再選択手段125以外の構成については実施の形態4と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。信号再選択手段125は、位相差最小信号選択手段122において選択された信号の位相差φ’dif_min(n)が式(21)を満たさなかった場合、過去に選択された仮目標信号が誤りであったと判断し、仮目標信号を再度選択し直す機能を有している。仮目標信号を再選択する方法としては、例えば、前回選択された仮目標信号の次に補償後の位相差が小さな信号を選ぶ等の処理を実施し、式(21)の関係を満足するまで信号を選び直す。
Figure 0004602179
ここで、Δφは予め定めた位相誤差を表す。
図15〜図17に、信号再選択手段125の処理に対するイメージ図を示す。尚、ここでは、FFTポイント数Mが5個、即ち、スペクトルの全周波数ビン数Mが5個の場合を例として説明する。これらの図は、横軸をCPI番号、縦軸を補償後の位相として、各周波数ビン(M=5)の補償後の位相をCPI毎にプロットしたものである。
先ず、図15は、3番目のCPIにおいて2つの信号の位相(φ’2(3)、φ’4(3))が式(21)を満たした場合の例を示している(図中、Aで示す候補)。但し、3番目のCPIにおける正しい目標信号の位相はφ’2(3)であるものとする。しかし、位相差最小信号選択手段122は、図16に示すように、より位相初期値に近い信号の位相φ’4(3)を仮目標信号の位相として誤って選択するため、4番目のCPIでは、正しい位相補償がなされず、式(21)を満たす信号が得られない可能性が高まる(図中、Bで示す状態)。そこで、図17に示すように、4番目のCPIにおいて式(21)を満たす信号が得られなかった場合には、信号再選択手段125により、3番目のCPIに戻り、前回選択された信号の位相φ’4(3)の次に位相初期値に近い信号の位相φ’2(3)を再選択する。正しい信号を再選択することで、4番目のCPIにおいても式(21)を満たす信号が得られる可能性が高まることになる(図中、Cに示す状態)。
以上のように、実施の形態6のレーダ装置によれば、コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の補償後の位相と位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、全周波数ビンの信号に対して算出された位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、過去のCPIにおいて選択された位相差最小信号が誤りであると判断した場合に、位相差最小信号を再度選択し直す信号再選択手段と、選択された位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、計測された前記相対速度に基づいて位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、位相変化量を用いて、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段と、位相差最小信号選択手段の出力である位相差最小信号の補償後の位相と振幅算出手段の出力である位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、CPI毎に生成される複数の位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたので、従来のように予め目標の運動を想定することなく高機動目標に対する検出性能の改善を図ることが可能となると共に、積分路を設定する際に過去に選択された仮目標信号を再選択する機能を有することにより、実施の形態4と比較し、更なる積分路の設定精度の改善が期待できる。
実施の形態7.
図18は、本発明の実施の形態7によるレーダ装置の構成図である。
図18において、ゲート設定手段130、ゲート内位相差算出手段131以外の構成については実施の形態4と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
ゲート設定手段130は、位相差最小信号選択手段122において仮目標信号として選択された位相差最小信号の周波数ビンselect(n)を入力とし、例えば、図19に示すようにselect(n)を中心としたある範囲(select(n)±α:αは予め設定される自然数を表す。尚、図19はα=2の場合を示している。)の周波数帯域を範囲に持つゲートを次のCPIにおいて入力される周波数スペクトルに対して設定する機能を有している。但し、1番目のCPIに対しては、初期目標ビン選択手段119の出力として得られる予め選択された目標の存在する周波数ビンの信号Xinitial(1)を中心としてゲートを設定する。
尚、図19において、Iは1番目のCPIに対する目標の存在する周波数ビンの信号Xinitial(1)を意味し、2番目以降のCPIに対するs1〜s5は、設定されたゲート内の信号を示している。また、破線丸印はゲート内信号のうち、後述するゲート内位相差算出手段131以降の処理において仮目標信号として選択される位相差が最小となる信号(以下、位相差最小信号)を表している。
ゲート内位相差算出手段131は、ゲート設定手段130の出力として得られるゲートselect(n)±αと周波数スペクトル計算手段101の出力としてn+1番目の周波数スペクトルを入力とし、select(n)±αの上記ゲート内の全ての信号に対し、後述する選択信号位相補償手段123の出力としてゲート内の全ての信号に対して得られる補償後の位相φ’k_gate(n)(n=1,2,…,N)から、位相初期値算出手段120が出力する位相初期値φinitial(1)を引いた補償後の位相差φ’k_gate_dif(n)を式(22)より算出する機能を有している。但し、1番目のCPIに対しては位相初期値φinitial(1)を入力する。
Figure 0004602179
上記以外の処理については、実施の形態4と同様の動作を有するため説明は省略する。
以上のように、実施の形態7のレーダ装置によれば、位相差最小信号選択手段の出力である位相差最小信号の周波数ビンの情報を利用し、次のCPIに得られる周波数スペクトルに対してゲートを設定するゲート設定手段と、位相差算出手段に代えて、各ゲート内で補償後の位相と位相初期値との位相差を算出するゲート内位相差算出手段を備えたので、従来のように予め目標の運動を想定することなく高機動目標に対する検出性能の改善を図ることが可能となる。また、補償後の位相が位相初期値に最も近くなる信号を中心としたゲートを設定する機能を有することにより、実施の形態4と比較し、積分路の設定精度の更なる改善が期待でき、且つ、演算量の削減も可能となる。
実施の形態8.
図20は、本発明の実施の形態8によるレーダ装置の構成図である。
図20において、コヒーレント積分手段116以外の構成については実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。即ち、実施の形態8は、実施の形態1における積分手段108の代わりにコヒーレント積分手段116を設けたものである。このコヒーレント積分手段116は、信号再構成手段107でCPI毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号をコヒーレントに積分する機能を有している。即ち、積分手段108における積分処理が、選択信号位相補償手段105において完全に誤差なく位相補償されているものとして単純に加算するのに対して、コヒーレント積分手段116における積分処理は、選択信号位相補償手段105において位相補償誤差が存在する場合にもその誤差を再度位相補償しながら積分するものである。また、閾値検出手段109は、このコヒーレント積分手段116の出力に対して目標の有無を判定するよう構成されている。
次に、この実施の形態8に係るレーダ装置の動作について説明する。
図21は、実施の形態8の動作を示す説明図である。
コヒーレント積分手段116は、信号再構成手段107の出力である式(9)で表される位相補償されたN個のピーク信号hselect(n)(n=1,2,…,N)を、例えば式(23)で示されるようなFFT処理等によってコヒーレントな積分を実施する。
Figure 0004602179
尚、式(23)において、NはCPI処理回数を表す。
コヒーレント積分手段116以外の処理については上記実施の形態1と同様の動作を有するため説明は省略する。
次に、この実施の形態8に係るレーダ装置の効果について図21、図22を参照しながら説明する。
図21に示すように、目標が等速運動する条件では、FFT分解能の制限による相対速度計測誤差はCPI毎に得られるピーク信号に対して常に一定の値をとる。即ち、FFTの周波数分解能の制限により、出力できる値は離散的な値でしかないため、図21に示すように真値と計測値との間には周波数計測誤差(相対速度計測誤差)が存在することになる。そして、この誤差は、目標が等速運動する条件では、CPI毎に得られるピーク信号に対して常に一定の値となる。
このため、目標が等速運動する条件では、N個のピーク信号に対する補償後の位相は、図22に示されるように一定の割合で変化する。従って、このような信号に対して式(10)で表される加算処理(積分手段108で行う積分処理)をしても損失が大きく信号を積み上げることはできない。一方、上記の式(23)で表されるFFT処理は、一定の割合で変化する位相を補償しながら信号を積分する効果を有するため、FFTのフィルタ形状損失程度の損失で信号を積み上げることが可能となる。
以上のように、実施の形態8のレーダ装置によれば、積分手段に代えて、信号再構成手段でコヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号に対してコヒーレントに積分するコヒーレント積分手段を備え、閾値検出手段は、コヒーレント積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定するようにしたので、実施の形態1の効果に加えて、位相補償後の信号をFFT処理等のコヒーレント積分を実施することにより、例えば、選択信号相対速度計測手段103において相対速度計測誤差がある場合の等速目標に対する検出性能の劣化を防ぐことができる。また、ここでは、実施の形態1に適用した場合を示したが、実施の形態2〜7に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態9.
図23は、本発明の実施の形態9によるレーダ装置の構成図である。
図23において、FFTポイント数設定手段117以外の構成については実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
実施の形態9では、周波数スペクトル計算手段101がFFT処理を実施することを想定し、FFTポイント数設定手段117は、そのFFTポイント数を予め設定する機能を有するものである。即ち、実施の形態8では誤差を補償するよう構成したのに対して、実施の形態9では誤差そのものを小さくするよう構成したものである。
次に、実施の形態9の動作について説明する。
先ず、パルスヒット毎に得られる信号のサンプル番号をm’とし、A/D変換後の受信ビデオ信号をU(m’)とおく。
FFTポイント数設定手段117は、CPIをL個のA/D変換後の受信ビデオ信号の観測時間とした場合、式(24)に示すように、FFTポイント数Mが2のべき乗で、かつ、Lより大きくなるように設定する。
M=2aかつM>L (24)
但し、aは1以上の整数とする。
周波数スペクトル計算手段101は、A/D変換後の受信ビデオ信号U(m’)とFFTポイント数設定手段117より得られるFFTポイント数M(M=2aかつM>L)を入力とし、CPI毎に入力されるL個の受信ビデオ信号を上記FFTポイント数Mに従ってFFT処理し、周波数ビン毎の信号成分、即ち周波数スペクトルXk(n)を求める。受信信号をCWとした場合、受信信号U(m’)をデータ数Lより大きなFFTポイント数M(M=2aかつM>L)点でFFT処理した信号は式(25)で表される。
Figure 0004602179
ここで、aは1以上の整数、Lは受信信号U(m’)のデータ数を表す。
尚、式(25)において、受信信号U(m’)のデータ数LはFFTポイント数M(M=2aかつM>L)より小さいため、受信信号U(m’)のデータ数がM(M=2aかつM>L)になるまで受信信号の後ろに0を加える。
FFTポイント数設定手段117以外の処理については上記実施の形態1と同様の動作を有するため説明は省略する。
次に、この実施の形態9の効果について図24を参照しながら説明する。
図24に示すように、FFTポイント数Mが2a、2a+1、2a+2と増加するにつれて、FFTの周波数分解能は向上する。即ち、FFTポイント数Mを増やすことにより相対速度計測精度を改善することが可能となる。従って、相対速度計測精度の改善により、位相補償精度も改善されるので、検出性能の改善が期待できる。
以上のように、実施の形態9のレーダ装置によれば、高速フーリエ変換処理のポイント数を予め設定するFFTポイント数設定手段を備え、周波数スペクトル計算手段は、FFTポイント数設定手段により設定された高速フーリエ変換処理のポイント数に従ってコヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力される受信信号を高速フーリエ変換処理し、周波数スペクトルを求めるようにしたので、実施の形態1の効果に加えて、データ数Lの受信信号U(m’)をLより大きなFFTポイント数M(M=2aかつM>L)でFFT処理することにより、相対速度計測精度が改善されるので、更に検出性能の改善が期待できる。また、ここでは、実施の形態1に対して適用した例を示したが、実施の形態2〜8に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態10.
図25は、本発明の実施の形態10によるレーダ装置の構成図である。
図25において、処理データ設定手段118以外の構成については実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
処理データ設定手段118は、入力される受信信号に対し、それぞれデータ取得間隔だけずれたCPIの長さをもつN個の受信信号を出力する機能を有するものである。また、周波数スペクトル計算手段101は、上記データ取得間隔だけずれたCPIの長さをもつN個の受信信号をFFT処理し、周波数スペクトルを求めるよう構成されている。
次に、実施の形態10の動作について説明する。
処理データ設定手段118は、A/D変換後の受信ビデオ信号を入力とし、入力される受信信号に対し、それぞれデータ取得間隔だけずれたCPIの長さをもつN個の受信信号を周波数スペクトル計算手段101に出力する。
つまり、実施の形態1では、図26に示すように、CPI毎に入力されるCPIの長さをもつN個の受信信号に対して周波数スペクトルを求めるため、受信信号の観測には式(26)で表される時間Tobs_Aを必要とする。
obs_A=CPI・N (26)
ここで、CPIはコヒーレント処理可能な時間、NはCPI処理回数を表す。
一方、実施の形態10では、図27に示すように、データ取得間隔ΔT毎に入力されるCPIの長さをもつN個の受信信号に対して周波数スペクトルを求めるため、受信信号の必要観測時間Tobs_Bは式(27)で表すことができ、必要観測時間を短縮することができる。
obs_B=CPI+ΔT・(N−1) (27)
処理データ設定手段118以外の処理については上記実施の形態1と同様の動作を有するため説明は省略する。
以上のように、実施の形態10のレーダ装置によれば、入力される受信信号に対し、それぞれデータ取得間隔だけずれたコヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)の長さを有する受信信号を、所定の観測を行うための個数を単位として、周波数スペクトル計算手段に出力する処理データ設定手段を備えたので、実施の形態1の効果に加えて、更に、必要観測時間を短縮することが可能となる。
また、ここでは、実施の形態1に対して適用した例を示したが、実施の形態2〜9に適用しても同様の効果が得られる。
この発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーダ装置のピーク信号選択手段の処理動作のイメージを示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その1)を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その2)を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その3)を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その1)の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その2)の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置(その3)の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ装置の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態4によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4によるレーダ装置の位相差最小信号選択手段の処理動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態5によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6によるレーダ装置の信号再選択手段の処理(その1)を示す説明図である。 この発明の実施の形態6によるレーダ装置の信号再選択手段の処理(その2)を示す説明図である。 この発明の実施の形態6によるレーダ装置の信号再選択手段の処理(その3)を示す説明図である。 この発明の実施の形態7によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7によるレーダ装置のゲート設定手段の処理を示す説明図である。 この発明の実施の形態8によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態8によるレーダ装置の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態8によるレーダ装置のCPI番号に対する補償後の位相の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態9によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態9によるレーダ装置の動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態10によるレーダ装置の構成図である。 この発明の実施の形態10によるレーダ装置の動作を比較するための観測時間を示す説明図である。 この発明の実施の形態10によるレーダ装置の観測時間を示す説明図である。
符号の説明
101 周波数スペクトル計算手段、102 ピーク信号選択手段、103 選択信号相対速度計測手段、104 選択信号位相変化量算出手段、105,123 選択信号位相補償手段、106,140 振幅算出手段、107 信号再構成手段、108 積分手段、109 閾値検出手段、110 Δ/Σ相対速度計測手段、111 重心相対速度計測手段、112 非線形最小二乗相対速度計測手段、113 閾値判定手段、114,130 ゲート設定手段、115 ゲート内ピーク信号選択手段、116 コヒーレント積分手段、117 FFTポイント数設定手段、118 処理データ設定手段、119 初期周波数ビン選択手段、120 位相初期値算出手段、121 位相差算出手段、122 位相差最小信号選択手段、124 信号強度比較手段、125 信号再選択手段、130 ゲート設定手段、131 ゲート内位相差算出手段。

Claims (12)

  1. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    前記周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するピーク信号選択手段と、
    前記ピーク信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、
    計測された前記相対速度に基づいて前記CPI毎の位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて前記ピーク信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記ピーク信号の振幅値を算出する振幅算出手段と、
    前記選択信号位相補償手段の出力である前記ピーク信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記ピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する信号再構成手段と、
    前記CPI毎に生成される複数の前記位相補償されたピーク信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    前記周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するピーク信号選択手段と、
    前記ピーク信号の発生周波数に近接する最も強度の大きい2信号の振幅値の差(Δ)を当該2信号の和(Σ)で割った値をΔ/Σ値として生成し、当該Δ/Σ値と、予め求めたΔ/Σ値と周波数補正量との関係に基づいて、前記生成したΔ/Σ値に相当する周波数補正量を算出し、当該周波数補正量で補正した周波数を前記ピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を求めるΔ/Σ相対速度計測手段と、
    前記相対速度に基づいて前記CPI毎の位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて前記ピーク信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記ピーク信号の振幅値を算出する振幅算出手段と、
    前記選択信号位相補償手段の出力である前記ピーク信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記ピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する信号再構成手段と、
    前記CPI毎に生成される複数の前記位相補償されたピーク信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  3. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    前記周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するピーク信号選択手段と、
    前記ピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号の重心を求め、当該重心の周波数を前記ピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する重心相対速度計測手段と、
    前記相対速度に基づいて前記CPI毎の位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて前記ピーク信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記ピーク信号の振幅値を算出する振幅算出手段と、
    前記選択信号位相補償手段の出力である前記ピーク信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記ピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する信号再構成手段と、
    前記CPI毎に生成される複数の前記位相補償されたピーク信号を加算する積分手段と、前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  4. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    前記周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するピーク信号選択手段と、
    前記ピーク信号の発生周波数に近接する複数の信号を用いて非線形最小二乗処理を行い、強度が最大となる周波数を前記ピーク信号の真の発生周波数として、この周波数に相当する相対速度を算出する非線形最小二乗相対速度計測手段と、
    前記相対速度に基づいて前記CPI毎の位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて前記ピーク信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記ピーク信号の振幅値を算出する振幅算出手段と、
    前記選択信号位相補償手段の出力である前記ピーク信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記ピーク信号の振幅値とから位相補償されたピーク信号を再構成する信号再構成手段と、
    前記CPI毎に生成される複数の前記位相補償されたピーク信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  5. 周波数スペクトル計算手段の出力である周波数スペクトルに対し閾値を設定し、閾値を超えた全ての信号を目標信号の候補として仮検出する閾値判定手段と、
    仮検出された前記各目標信号の候補毎にそれらの情報を利用し、次のCPIに得られる周波数スペクトルに対して仮検出される可能性の高い領域にゲートを設定するゲート設定手段と、
    ピーク信号選択手段に代えて、各前記ゲート内で周波数スペクトルの強度が最大となるピーク信号を選択するゲート内ピーク信号選択手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
  6. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の前記選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の補償後の位相と前記位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、
    全周波数ビンの信号に対して算出された前記位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、
    選択された前記位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、
    計測された前記相対速度に基づいて前記位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて、前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から前記位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を前記位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段と、
    前記位相差最小信号選択手段の出力である前記位相差最小信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、
    CPI毎に生成される複数の前記位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  7. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の前記選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルに対し、信号強度が閾値よりも大きな複数の信号を仮目標信号の候補として選択する信号強度比較手段と、
    前記信号強度が閾値よりも大きな複数の信号の補償後の位相と前記位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、
    前記信号強度が閾値よりも大きな複数の信号に対して算出された前記位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、
    選択された前記位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、
    計測された前記相対速度に基づいて位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて、前記信号強度比較手段より出力される前記信号強度が閾値よりも大きな複数の信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から前記位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を前記位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段
    前記位相差最小信号選択手段の出力である前記位相差最小信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、
    CPI毎に生成される複数の前記位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  8. コヒーレント処理が可能な時間間隔(CPI)毎に入力された受信信号の周波数スペクトルを求める周波数スペクトル計算手段と、
    目標の存在する周波数ビンを外部からの情報により予め選択する初期周波数ビン選択手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される1番目のCPIの周波数スペクトルの中の前記選択された周波数ビンの信号の位相を1番目のCPIに対する目標信号の位相初期値として算出する位相初期値算出手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の補償後の位相と前記位相初期値との位相差を算出する位相差算出手段と、
    全周波数ビンの信号に対して算出された前記位相差のうち、位相差が最小となる信号を位相差最小信号として選択する位相差最小信号選択手段と、
    過去のCPIにおいて選択された前記位相差最小信号が誤りであると判断した場合に、前記位相差最小信号を再度選択し直す信号再選択手段と、
    選択された前記位相差最小信号の発生周波数に相当する相対速度を計測する選択信号相対速度計測手段と、
    計測された前記相対速度に基づいて前記位相変化量を算出する選択信号位相変化量算出手段と、
    前記位相変化量を用いて、前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の位相を補償する選択信号位相補償手段と、
    前記周波数スペクトル計算手段より出力される周波数スペクトルの全周波数ビンの信号の中から前記位相差最小信号の周波数ビンの信号の振幅値を前記位相差最小信号の振幅値として算出する振幅算出手段と、
    前記位相差最小信号選択手段の出力である前記位相差最小信号の補償後の位相と前記振幅算出手段の出力である前記位相差最小信号の振幅値とから位相補償された位相差最小信号を再構成する信号再構成手段と、
    CPI毎に生成される複数の前記位相補償された位相差最小信号を加算する積分手段と、
    前記積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定する閾値検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  9. 位相差最小信号選択手段の出力である位相差最小信号の周波数ビンの情報を利用し、次のCPIに得られる周波数スペクトルに対してゲートを設定するゲート設定手段と、
    位相差算出手段に代えて、各前記ゲート内で補償後の位相と位相初期値との位相差を算出するゲート内位相差算出手段を備えたことを特徴とする請求項6から請求項8のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
  10. 積分手段に代えて、信号再構成手段でCPI毎に生成される複数の位相補償されたピーク信号もしくは位相差最小信号に対してコヒーレントに積分するコヒーレント積分手段を備え、閾値検出手段は、前記コヒーレント積分手段の出力信号に対して目標の有無を判定することを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
  11. 高速フーリエ変換処理のポイント数を予め設定するFFTポイント数設定手段を備え、周波数スペクトル計算手段は、前記FFTポイント数設定手段により設定された高速フーリエ変換処理のポイント数に従ってCPI毎に入力される受信信号を高速フーリエ変換処理し、周波数スペクトルを求めることを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
  12. 入力される受信信号に対し、それぞれデータ取得間隔だけずれたCPIの長さを有する受信信号を、所定の観測を行うための個数を単位として、周波数スペクトル計算手段に出力する処理データ設定手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
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