JP4600686B2 - シールド掘進機 - Google Patents
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Description
例えば、カッタヘッドを後退させることにより、カッタヘッド前面に空間を形成し、この空間に硬質発泡樹脂を充填して硬化させて切羽の崩壊土圧を保持させ、カッタヘッド後部の圧力室からカッタビット交換補修するというものがある(特許文献1参照)。
また、その他にも中間立坑方式、前面部地盤改良方式等のシールド掘進機の前面に作業スペースを確保して交換を行うというものもある。
しかし、これら硬質発泡樹脂充填方式や作業スペース確保方式では作業に長期間要し、かつコストが高い、さらに、立坑構築等に広い用地の確保が必要といった種々の問題がある。
既出願のカッタビット交換方法及び装置は、カッタヘッドに設けたカッタスポークにカッタビットを数珠繋ぎ状に配置し、カッタヘッドの中心側から新しいカッタビットを供給することで、外側のものから順次地中に排出するようにしたものである。
この方法及び装置によれば、カッタビッドの交換時に作業スペースの確保の必要がなく、安価で効率的なカッタビットの交換ができる。
ところが、一般的な摩耗検知装置はカッタヘッドの前面に取り付けられ、カッタビットの交換に合わせて交換するため、交換には通常、前述した従来のカッタビッド交換方法と同様に作業スペースを確保する必要がある。
しかし、摩耗検知装置の取り替えのために作業スペースを確保するのでは、せっかくカッタビットについて作業スペースを設けることなく、交換を可能にしたことが無意味になってしまう。
前記カッタビット交換装置は、カッタビットを挿通可能なカッタビット供給孔を周方向複数箇所に備え、シールド掘進機前端の回転カッタの中心部に配置された筒状の回転体と、
前記カッタビット供給孔に連通して放射方向に延びるカッタビット装着溝を備え、前記回転体に固定されたカッタスポークと、
前記カッタスポークの背面側に設けられ、前記カッタビット装着溝内のカッタビットを解放可能に固定するカッタビット固定手段と、
新カッタビットを設置するためのカッタビット設置用孔を備えたカッタビット収容室と、
前記カッタビット供給孔と前記カッタビット収容室とを選択的に連通させる開口部とを備え、前記回転体内に相対回動可能に設けられた内筒と、
前記カッタビット収容室内に供給された新カッタビットを、前記開口部を通じて前記カッタビット装着溝へ押出可能に設けられたカッタビット押出手段と、
前記回転体と前記内筒との間に介在設置され、前記内筒を前記回転体と一体的に又は前記内筒を前記回転体に対し相対的に回転駆動する内筒駆動装置とを備え、
前記カッタビット摩耗検知装置は、掘進に従って起こるカッタビットの摩耗を検知する摩耗検知手段を備えるものである。
(3)また、前記(2)記載のシールド掘進機において、前記摩耗検知ビットは、カッタビットより後方から、当該カッタビットとほぼ面一となるまで前方に移動可能であるものである。
図1は本発明の一実施の形態に係る摩耗検知装置を備えたシールド掘進機を進行方向前方から見た正面図、図2は図1における円アで囲んだ部分の拡大図である。
シールド掘進機の前端部は、図1に示すように、円筒状のスキンプレート1と、スキンプレート1の前端から少し後方内部に設けられた隔壁2を備えている。隔壁2の中央部にはコーン状の回転体3が回転可能に取り付けられている。
回転体3の先端中心部にはフィッシュテールと呼ばれる回転カッタ7が設置され、回転体3と一体に回転できるようになっている。回転体3そのものは、隔壁2の内側に設置されているカッタヘッド駆動装置のモータからリングギアを介して動力が伝達され、回転できるようになっている。
なお、回転体3及びカッタスポーク6によってスキンプレート1の前端を覆うカッタヘッド4が構成され、このカッタヘッド4と隔壁2の間に掘削チャンバが形成されている。
図3は図2のC−C線矢視断面を示したものであり、第1、第2摩耗検知ビット9,11の説明図である。第1摩耗検知ビット9と第2摩耗検知ビット11とは同一の構成なので、以下においては第1摩耗検知ビットを例に挙げて説明する。
図3に示すように、第1摩耗検知ビット9はカッタスポーク6に対して前後方向に移動可能に取り付けられたビット取付座13、ビット取付座13に取り付けられたビット部15、ビット取付座13を前後方向に駆動する押出しジャッキ17を備えている。
なお、前方向とは地山5の方向をいい、後方向とはシールド掘進機のある方向をいう。
図5は第1摩耗検知ビット9の摩耗検知の原理を説明する説明図であり、図5(a)が基本型を、図5(b)が変形型をそれぞれ示している。まず、基本型を示した図5(a)に基づいて第1摩耗検知ビット9の構成及び原理を説明する。 第1摩耗検知ビット9はカッタビット8と同様の素材によって形成されたビット部15に、機内側から前方に向かう細孔19が設けられている。この細孔19の先端とビット部15の前面との間には一定の厚みLが形成されている。厚みLはカッタビットを交換する時期に合わせて設定されている。
細孔19には油圧ホース21が接続され、所定圧力の油が供給されている。機内側にはこの油圧を検知する油圧計23が設けられている。
シールド掘進機による掘進開始時には、第1摩耗検知ビット9のビット部を前方に出してビット部15の前面がカッタビット8の前面とほぼ面一になるようにする(図3参照)。他方、第2摩耗検知ビット11のビット部の前面がカッタビットより後方に位置するようにしておく。
この状態で掘進を行い、第1摩耗検知ビット9のビット部15が摩耗して、厚みLまで摩耗が進行すると、細孔19の油圧が低下し、油圧計23がこれを検知する。この時点で、カッタビット8の交換時期と判断する。
この状態でさらに掘進を開始すれば、新替したカッタビット8の交換時期を第2摩耗検知ビットで知ることができる。
しかし細孔の数は1本に限られるものではなく、複数の細孔、例えば図5(b)に示すように3本の細孔(第1の細孔19a、第2の細孔19b、第3の細孔19c)を設けてもよい。この場合、第1摩耗検知ビット9のビット部15が摩耗して第1の細孔19aから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19aに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉めるようにする。さらに摩耗が進行して第2の細孔19bから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19bに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉めるようにする。またさらに摩耗が進行して第3の細孔19cから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19cに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉め、前述したように第2摩耗検知ビット11のビット部を後方位置から前方位置に移動させる。
例えば、各細孔の深さの差を小さく設定すればビット部15の摩耗による油圧低下をカッタビット8の摩耗進行状態を知る手段として機能させることができ、カッタビット8の交換時期を緻密に決定することができる。例えば、第3の細孔19cからの油漏出のときにカッタビット交換を行い、このときのカッタビット8の摩耗状態を見て、摩耗が激しすぎたような場合には第2の細孔19bからの油漏出のときにカッタビット8を交換するようにすることで、より適切な時期でのカッタビット交換が可能となる。
なお、この場合には、第1、第2摩耗検知ビット9,11のように2個の摩耗検知ビットを設けなくても1個の摩耗検知ビットでも3回までの摩耗検知ができるのであるから、必ずしも2個の摩耗検知ビットを設けなくてもよい。
なお、第1、第2摩耗検知ビット9,11に複数の細孔を設ける場合の細孔の数は3本に限られないことは言うまでもない。
次に、実施の形態1で説明した摩耗検知装置を、既出願である特願2001−369091号で提案したカッタビット交換装置と共に用いたシールド掘進機について説明する。
なお、実施の形態で説明した構成と同一の構成には同一の符号を付している。
なお、本実施の形態においては、後述するように、カッタスポーク6内にカッタビット8を数珠繋ぎ状に設置する関係から、第1,第2摩耗検知ビット9,11はカッタビット8が設置されるのとは別のスポーク10に設置されている。
内筒36には、回転体3の各カッタビット供給孔3aと選択的に合致する単一の開口36aが形成されているとともに、開口36aの内方に、新カッタビット8Aをセットするための単一のカッタビット収容室37が設けられている。
さらにカッタビット収容室37の軸方向内端には、カッタビット設置用孔37aが形成され、カッタビット設置用孔37aが蓋体38によって開放可能に密閉されている。
なお、カッタビット押出手段を必ずしも油圧シリンダ39に限定する必要はなく、例えばボールねじ等を利用した他の直動機構の採用も可能である。
なお、リングギヤ42と、ピニオン43及び油圧モータ44との取付位置関係は逆でもよいことは言うまでもない。さらに、リングギヤとピニオンとの組合せによる回転方式以外に油圧ジャッキなどを使用した回転機構とすることが可能である。
まず、摩耗検知ビットに関して説明すると、シールド掘進機の掘進開始時には、第1摩耗検知ビット9のビット部を前方に出してビット部15の前面がカッタビット8の前面とほぼ面一になるようにする(図3参照)。他方、第2摩耗検知ビット11のビット部の前面がカッタビットより後方に位置するようにしておく。
そして、この状態で内筒駆動装置41の油圧モータ44が停止していて、内筒36と回転体3とが油圧モータ44によりロックされて一体化し、これによって内筒36と回転体3が一体回転するようになっている。
そして、カッタビット8を交換するには、まずカッタヘッド4の回転を停止させ、次いでカッタビット収容室37のカッタビット設置用孔37aを覆っている蓋体38を開放して、カッタビット設置用孔37aよりカッタビット収容室37内に新カッタビット8Aをセットし、その後、再び蓋体38によってカッタビット設置用孔37aを閉塞する。
以上の動作を、交換が必要なカッタビットの個数分繰り返す。他のカッタスポーク6の新旧カッタビットの交換も前述と同様の手順により行う。
この状態でさらに掘進を開始すれば、新替したカッタビットの交換時期を第2摩耗検知ビットで知ることができる。
また、本実施の形態のカッタビット交換装置によれば、放射方向に配置されているカッタビット列の中心部に交換用の新カッタビット8Aを直接セットでき、かつ単一のカッタビット収容室37を全てのカッタビット列に対応させることができる。このため、さらなる小型化が図れ、かつ必要とする駆動装置(シリンダ等)の数を大幅に減らすことができて、コストを大幅に低減することができる。
また、上記の実施の形態においては、第1、第2摩耗検知ビット9,11を同一の構成としたが、掘進開始時から機能する第1摩耗検知ビットについては前後へ移動させる必要はなく、固定タイプでもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、細孔を各1本有する摩耗検知ビットを2個設けた例を挙げたが、掘進途中でカッタビットを2回交換する場合には、細孔を各1本有する摩耗検知ビットを3個設けるようにすればよい。この場合、3個目の摩耗検知ビットは上記実施の形態で示した第2摩耗検知ビットと同様の構成にすればよい。なお、カッタビットを3回以上交換する場合は、同様に摩耗検知ビットの数を増やせばよい。
3a カッタビット供給孔
7 回転カッタ
6 カッタスポーク
6a カッタビット装着溝
8 カッタビット
8A 新カッタビット
9 第1摩耗検知ビット
11 第2摩耗検知ビット
31 カッタビット固定手段
36 内筒
36a 開口
37 カッタビット収容室
37a カッタビット設置用孔
38 蓋体
39,19A 油圧シリンダ(カッタビット押出手段)
41 内筒駆動装置
42 リングギヤ
43 ピニオン
44 油圧モータ
Claims (7)
- カッタビット交換装置とカッタビット摩耗検知装置とを備えるシールド掘進機であって、
前記カッタビット交換装置は、カッタビットを挿通可能なカッタビット供給孔を周方向複数箇所に備え、シールド掘進機前端の回転カッタの中心部に配置された筒状の回転体と、
前記カッタビット供給孔に連通して放射方向に延びるカッタビット装着溝を備え、前記回転体に固定されたカッタスポークと、
前記カッタスポークの背面側に設けられ、前記カッタビット装着溝内のカッタビットを解放可能に固定するカッタビット固定手段と、
新カッタビットを設置するためのカッタビット設置用孔を備えたカッタビット収容室と、
前記カッタビット供給孔と前記カッタビット収容室とを選択的に連通させる開口部とを備え、前記回転体内に相対回動可能に設けられた内筒と、
前記カッタビット収容室内に供給された新カッタビットを、前記開口部を通じて前記カッタビット装着溝へ押出可能に設けられたカッタビット押出手段と、
前記回転体と前記内筒との間に介在設置され、前記内筒を前記回転体と一体的に又は前記内筒を前記回転体に対し相対的に回転駆動する内筒駆動装置とを備え、
前記カッタビット摩耗検知装置は、掘進に従って起こるカッタビットの摩耗を検知する摩耗検知手段を備える、
ことを特徴とするシールド掘進機。 - 前記摩耗検知手段は、掘進に従って摩耗が進行する摩耗検知ビットを備えることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
- 前記摩耗検知ビットは、カッタビットより後方から、当該カッタビットとほぼ面一となるまで前方に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機。
- 前記摩耗検知手段は、掘進開始時においてカッタビットの摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、前記カッタビット交換装置によるカッタビット交換後において交換後のカッタビットの摩耗を検知する第2摩耗検知手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
- 前記第2摩耗検知手段は、掘進開始時においてはカッタビットより後方に配置され、カッタビット交換後においては交換後のカッタビットとほぼ面一となるように配置される摩耗検知ビットを備えることを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機。
- 前記第1摩耗検知手段と前記第2摩耗検知手段とが1個の摩耗検知ビットに設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のシールド掘進機。
- 前記内筒駆動装置は、内筒または回転体の一方に設けたリングギヤと、他方に設けられて前記リングギヤと噛み合うピニオン及び該ピニオンを駆動する油圧モータとを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のシールド掘進機。
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