JP3937401B2 - シールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置及びシールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法 - Google Patents

シールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置及びシールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシールド掘進機のカッタビット交換時期を検知するカッタビット交換時期検知装置、および該装置を用いたシールド掘進機のカッタビット交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シールドトンネル掘削工事の長距離化に伴い、シールド掘進機のカッタビットの維持管理が問題となっており、掘進途中におけるカッタビットの交換方法が各種提案されている。
例えば、カッタヘッドを後退させることにより、カッタヘッド前面に空間を形成し、この空間に硬質発泡樹脂を充填して硬化させて切羽の崩壊土圧を保持させ、カッタヘッド後部の圧力室からカッタビット交換補修するというものがある(特許文献1参照)。
また、その他にも中間立坑方式、前面部地盤改良方式等のシールド掘進機の前面に作業スペースを確保して交換を行うというものもある。
しかし、これら硬質発泡樹脂充填方式や作業スペース確保方式では作業に長期間要し、かつコストが高い、さらに、立坑構築等に広い用地の確保が必要といった種々の問題がある。
【0003】
そこで、本願の発明者は作業スペースを確保する必要のないカッタビット交換方法及び装置を開発し、既に出願している(特願2001−369091号)。既出願のカッタビット交換方法及び装置は、カッタヘッドに設けたカッタスポークにカッタビットを数珠繋ぎ状に配置し、カッタヘッドの中心側から新しいカッタビットを供給することで、外側のものから順次地中に排出するようにしたものである。
この方法及び装置によれば、カッタビッドの交換時に作業スペースの確保の必要がなく、安価で効率的なカッタビットの交換ができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−144697号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記既出願のカッタビット交換方法及び装置は、効率的なカッタビットの交換を可能にするものの、カッタビットの交換時期を検知する手段についての開示がなく、カッタビットの交換時期を知るためにカッタビットの摩耗検知装置を設ける必要がある。
ところが、一般的な摩耗検知装置はカッタヘッドの前面に取り付けられ、カッタビットの交換に合わせて交換するため、交換には通常、前述した従来のカッタビッド交換方法と同様に作業スペースを確保する必要がある。
しかし、摩耗検知装置の取り替えのために作業スペースを確保するのでは、せっかくカッタビットについて作業スペースを設けることなく、交換を可能にしたことが無意味になってしまう。
【0006】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、長距離掘進用のシールド掘進機のように掘進途中でカッタビットを交換する場合において、交換等のための作業スペースを設けることなく連続してカッタビットの交換時期を検知できるカッタビットの摩耗検知装置を得ることを目的としている。
また、該装置を用いたシールド掘進機のカッタビット交換装置を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置は、シールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置であって、
掘進開始時においてカッタビットの摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、掘進開始時においてはカッタビットの摩耗を検知せず、カッタビット交換後においてはこれを検知する第2摩耗検知手段とを備えてなり
前記第1摩耗検知手段が前記第2摩耗検知手段とは互いに異なる前記シールド掘進機のカッタヘッドの位置に設置されているものである。
【0009】
(2)前記(1)記載のシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置において、前記第1摩耗検知手段を、掘進開始時においてカッタビットとほぼ面一となるように配置される第1摩耗検知ビットから構成し、
前記第2摩耗検知手段を、掘進開始時においてはカッタビットより後方に配置され、カッタビット交換後において交換後のカッタビットとほぼ面一となるように配置される第2摩耗検知ビットから構成したものである。
【0010】
(3)、前記(1)又は(2)記載のシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置において、前記第1摩耗検知手段及び前記第2摩耗検知手段が、前記カッタヘッドの中心から外周方向に延びる複数のスポークのうち、同一又は異なるスポークに設置されていることを特徴とするものである。
【0011】
(4)さらに、本発明に係るシールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法は、シールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法であって、
掘進開始時においては、カッタビットとほぼ面一となるように第1摩耗検知ビットを配置し、前記第1摩耗検知ビットとは異なるカッタヘッドの位置に第2摩耗検知ビットを配置することにより、前記第1摩耗検知ビットによりカッタビットの摩耗を検知し、
カッタビット交換後においては、交換後のカッタビットとほぼ面一となるように前記第2摩耗検知ビットを配置することにより、前記第1摩耗検知ビットによりカッタビットの摩耗を検知するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の一実施の形態に係る摩耗検知装置を備えたシールド掘進機を進行方向前方から見た正面図、図2は図1における円アで囲んだ部分の拡大図である。
シールド掘進機の前端部は、図1に示すように、円筒状のスキンプレート1と、スキンプレート1の前端から少し後方内部に設けられた隔壁2を備えている。隔壁2の中央部にはコーン状の回転体3が回転可能に取り付けられている。
回転体3の先端中心部にはフィッシュテールと呼ばれる回転カッタ7が設置され、回転体3と一体に回転できるようになっている。回転体3そのものは、隔壁2の内側に設置されているカッタヘッド駆動装置のモータからリングギアを介して動力が伝達され、回転できるようになっている。
【0014】
回転体3には複数のカッタスポーク6が放射状に形成され、このカッタスポーク6にカッタビット8(図2参照)及び第1、第2摩耗検知ビット9,11が取り付けられている。第1、第2摩耗検知ビット9,11によってカッタビットの摩耗検知装置が構成される。
なお、回転体3及びカッタスポーク6によってスキンプレート1の前端を覆うカッタヘッド4が構成され、このカッタヘッド4と隔壁2の間に掘削チャンバが形成されている。
【0015】
以下、第1、第2摩耗検知ビット9,11について説明する。
図3は図2のC−C線矢視断面を示したものであり、第1、第2摩耗検知ビット9,11の説明図である。第1摩耗検知ビット9と第2摩耗検知ビット11とは同一の構成なので、以下においては第1摩耗検知ビットを例に挙げて説明する。
図3に示すように、第1摩耗検知ビット9はカッタスポーク6に対して前後方向に移動可能に取り付けられたビット取付座13、ビット取付座13に取り付けられたビット部15、ビット取付座13を前後方向に駆動する押出しジャッキ17を備えている。
なお、前方向とは地山5の方向をいい、後方向とはシールド掘進機のある方向をいう。
【0016】
押出しジャッキ17の駆動によって、ビット部15は図3に示す前方に出た状態と、図4に示す後退した状態になる。
図5は第1摩耗検知ビット9の摩耗検知の原理を説明する説明図であり、図5(a)が基本型を、図5(b)が変形型をそれぞれ示している。まず、基本型を示した図5(a)に基づいて第1摩耗検知ビット9の構成及び原理を説明する。第1摩耗検知ビット9はカッタビット8と同様の素材によって形成されたビット部15に、機内側から前方に向かう細孔19が設けられている。この細孔19の先端とビット部15の前面との間には一定の厚みLが形成されている。厚みLはカッタビットを交換する時期に合わせて設定されている。
細孔19には油圧ホース21が接続され、所定圧力の油が供給されている。機内側にはこの油圧を検知する油圧計23が設けられている。
【0017】
このように構成された第1摩耗検知ビット9においては、シールド掘進機の掘進にしたがってカッタビット8の摩耗が進行するに合わせて第1摩耗検知ビット9のビット部15の摩耗も進行する。ビット部15の摩耗が厚みLまで進行すると、細孔19から油が漏れ初め、油圧が下がり、それが油圧計によって検知される。このとき、カッタビット8も交換が必要な程度に摩耗が進行していると判断されるのである。
【0018】
次に、上記のように構成された摩耗検知ビットによる摩耗検知方法について説明する。
シールド掘進機による掘進開始時には、第1摩耗検知ビット9のビット部を前方に出してビット部15の前面がカッタビット8の前面とほぼ面一になるようにする(図3参照)。他方、第2摩耗検知ビット11のビット部の前面がカッタビットより後方に位置するようにしておく
この状態で掘進を行い、第1摩耗検知ビット9のビット部15が摩耗して、厚みLまで摩耗が進行すると、細孔19の油圧が低下し、油圧計23がこれを検知する。この時点で、カッタビット8の交換時期と判断する。
【0019】
カッタビット8の交換時期と判断すると、交換すべきカッタビットを交換し、交換が完了すると、第2摩耗検知ビット11のビット部を図4の後方位置から図3の前方位置に移動し、ビット部の前面が交換したカッタビット8とほぼ面一になるようにする。
この状態でさらに掘進を開始すれば、新替したカッタビット8の交換時期を第2摩耗検知ビットで知ることができる。
【0020】
このように、本実施形態のカッタビットの摩耗検知装置によれば、掘進途中においてカッタビットを交換した場合においても、交換後のカッタビットの摩耗検知を連続して行うことができる。
【0021】
なお、上記の説明では、図5(a)に示した第1摩耗検知ビット9に細孔19を1本設けたものを例に挙げた。
しかし細孔の数は1本に限られるものではなく、複数の細孔、例えば図5(b)に示すように3本の細孔(第1の細孔19a、第2の細孔19b、第3の細孔19c)を設けてもよい。この場合、第1摩耗検知ビット9のビット部15が摩耗して第1の細孔19aから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19aに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉めるようにする。さらに摩耗が進行して第2の細孔19bから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19bに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉めるようにする。またさらに摩耗が進行して第3の細孔19cから油が漏出して油圧が低下した場合には、細孔19cに通ずる油圧ホース21に設けたバルブを閉め、前述したように第2摩耗検知ビット11のビット部を後方位置から前方位置に移動させる。
【0022】
このように、第1、第2摩耗検知ビット9,11に複数の細孔を設ければ、細孔の深さ(厚みL)を種々設定することで様々な摩耗検知態様が可能となる。
例えば、各細孔の深さの差を小さく設定すればビット部15の摩耗による油圧低下をカッタビット8の摩耗進行状態を知る手段として機能させることができ、カッタビット8の交換時期を緻密に決定することができる。例えば、第3の細孔19cからの油漏出のときにカッタビット交換を行い、このときのカッタビット8の摩耗状態を見て、摩耗が激しすぎたような場合には第2の細孔19bからの油漏出のときにカッタビット8を交換するようにすることで、より適切な時期でのカッタビット交換が可能となる。
【0023】
また、各細孔の深さの差を比較的大きく設定して、油圧の低下ごとにカッタビット8の交換時期とすることもできる。このようにすれば、第1、第2摩耗検知ビット9,11を長期間使用できる。つまり、細孔を3本設けた場合には、第1、第2摩耗検知ビット9,11でそれぞれ3回の交換時期を検知でき、合計6回の交換時期の検知が可能となる。
なお、この場合には、第1、第2摩耗検知ビット9,11のように2個の摩耗検知ビットを設けなくても1個の摩耗検知ビットでも3回までの摩耗検知ができるのであるから、必ずしも2個の摩耗検知ビットを設けなくてもよい。
なお、第1、第2摩耗検知ビット9,11に複数の細孔を設ける場合の細孔の数は3本に限られないことは言うまでもない。
【0024】
実施の形態2.
次に、実施の形態1で説明した摩耗検知装置を、既出願である特願2001−369091号で提案したカッタビット交換装置と共に用いたシールド掘進機について説明する。
【0025】
図6は本実施の形態に係るシールド掘進機の正面図、図7はシールド掘進機の側面断面図、図8はシールド掘進機の前端中心部を拡大して示す縦断面図、図9は図8のA−A線矢視断面図、図10はカッタビット固定手段の詳細を示す縦断面図、図11は図10のB−B線矢視断面図、図12は内筒の背面図である。
なお、実施の形態で説明した構成と同一の構成には同一の符号を付している。
【0026】
シールド掘進機の前端部は、図6、図7に示すように円筒状のスキンプレート1と、スキンプレート1の前端から少し後方内部に設けられた隔壁2を備えている。隔壁2の中央部にはコーン状の回転体3が回転可能に取り付けられている。また、この回転体3の先端側にスキンプレート1の前端を覆うようにカッタヘッド4が設けられ、カッタヘッド4と隔壁2の間に掘削チャンバ5が形成されている。そして、カッタヘッド4には、図6に示すように複数のカッタスポーク6が放射状に形成されている。
なお、本実施の形態においては、後述するように、カッタスポーク6内にカッタビット8を数珠繋ぎ状に設置する関係から、第1,第2摩耗検知ビット9,11はカッタビット8が設置されるのとは別のスポーク10に設置されている。
【0027】
回転体3の先端中心部にはフィッシュテールと呼ばれる回転カッタ7が設置され、回転体3と一体に回転できるようになっている。回転体3そのものは、図7に示すように隔壁2の内側に設置されているカッタヘッド駆動装置50のモータからリングギアを介して動力が伝達され、回転できるようになっている。
【0028】
回転体3には、図9に示すように、その周方向複数個所(ここでは4個所)に、カッタビット8を挿通可能な、カッタビット供給孔3aが設けられている。そして、これらカッタビット供給孔3aの位置に各カッタスポーク6が配置され固定されている。
【0029】
カッタスポーク6には、図9に示すように、回転体3のカッタビット供給孔3aに連通して放射方向に延びるカッタビット装着溝6aが形成されている。カッタビット装着溝6aは、前面が開口する断面略コ字状を呈している。そして、カッタビット装着溝6aは、その前面開口であるスリット6bよりカッタビット8のビット部8aを突出させた状態で溝内にカッタビット8のビット支持駒8bを収容できるようになっていて、複数のカッタビット8をスライド可能に一列に支持できるようにもなっている。
【0030】
また、カッタスポーク6の背面側には、カッタビット装着溝6a内のカッタビット列を解放可能に固定するカッタビット固定装置31が設けられている。カッタビット固定装置31はカッタビット装着溝6a内の各カッタビット8の背面側に挿入配置された係止用ブロック12と、一対の油圧シリンダ33,34とから構成されている。係止用ブロック12は各カッタビット8のビット支持駒8bの後面に形成した谷形の係止用凹部8cに嵌入可能な波状面12aを前面に有している。一対の油圧シリンダ33,34は係止用ブロック12の長手両端部を背面より支持して、係止用ブロック12をカッタビット列に対して進退駆動することで、カッタビット装着溝6a内の各カッタビット8を、スリット6bのエッジと波状面12aとで挟み付けて拘束、あるいはこれらの係合を解くことで解放する。
【0031】
また、回転体3の内部には、図8に示すように、シール材35により水密を保持されて回転体3と相対回動可能な内筒36が設けられているとともに、回転体内面における各カッタビット供給孔3aの周りにもシール材35aが設けられている。
内筒36には、回転体3の各カッタビット供給孔3aと選択的に合致する単一の開口36aが形成されているとともに、開口36aの内方に、新カッタビット8Aをセットするための単一のカッタビット収容室37が設けられている。
さらにカッタビット収容室37の軸方向内端には、カッタビット設置用孔37aが形成され、カッタビット設置用孔37aが蓋体38によって開放可能に密閉されている。
【0032】
またカッタビット収容室37の底部には、このカッタビット収容室37内にセットされた新カッタビット8Aを、内筒36の回動に影響を及ぼさない径方向外方まで押出可能なストロークを有するカッタビット押出手段すなわち油圧シリンダ39が設けられている。油圧シリンダ39は、カッタビット交換時に、新カッタビット8Aと共にカッタビット列(一列)の全体を支持して、カッタビット列全体をカッタビット1個分、径方向外方へ押し出し、カッタビット装着溝6aの終端に位置する旧カッタビット8を外周方向に押し出して順次新しいカッタビットに交換する機能を有するものである。
なお、カッタビット押出手段を必ずしも油圧シリンダ39に限定する必要はなく、例えばボールねじ等を利用した他の直動機構の採用も可能である。
【0033】
また、内筒36は、図7、図8に示すように、内筒駆動装置41によって、シールド掘進機の掘進時には回転体3と一体となって回動するように、さらにカッタビット交換時には回転体3に対し相対的に回転駆動されるようになっている。内筒駆動装置41は、内筒36の内端に固定したリングギヤ42と、回転体3側に取り付けられてリングギヤ42と噛み合うピニオン43及びこのピニオン43を駆動する油圧モータ44とから構成されており、非駆動時には油圧モータ44によりロックされ、内筒36と回転体3とが一体化されるようになっている。
なお、リングギヤ42と、ピニオン43及び油圧モータ44との取付位置関係は逆でもよいことは言うまでもない。さらに、リングギヤとピニオンとの組合せによる回転方式以外に油圧ジャッキなどを使用した回転機構とすることが可能である。
【0034】
次に、本実施形態装置によるシールド掘進機のカッタビット交換方法について説明する。
まず、摩耗検知ビットに関して説明すると、シールド掘進機の掘進開始時には、第1摩耗検知ビット9のビット部を前方に出してビット部15の前面がカッタビット8の前面とほぼ面一になるようにする(図3参照)。他方、第2摩耗検知ビット11のビット部の前面がカッタビットより後方に位置するようにしておく。
【0035】
また、カッタビット交換装置について説明すると、シールド掘進機の掘進時は、回転体3に対する内筒36のカッタビット収容室37の位置が、各カッタビット供給孔3a間の位置a,b,c,d(図9参照)のいずれかの位置、すなわちカッタビット収容室37の開口36aが回転体3の内周面で閉塞されて、回転体3と内筒36間の水密が保持されている位置にある。
そして、この状態で内筒駆動装置41の油圧モータ44が停止していて、内筒36と回転体3とが油圧モータ44によりロックされて一体化し、これによって内筒36と回転体3が一体回転するようになっている。
【0036】
上記の状態で掘進を行い、第1摩耗検知ビット9のビット部15が摩耗して、厚みLまで摩耗が進行すると、細孔19の油圧が低下し、油圧計23がこれを検知する。この時点で、カッタビット8の交換時期と判断する。
そして、カッタビット8を交換するには、まずカッタヘッド4の回転を停止させ、次いでカッタビット収容室37のカッタビット設置用孔37aを覆っている蓋体38を開放して、カッタビット設置用孔37aよりカッタビット収容室37内に新カッタビット8Aをセットし、その後、再び蓋体38によってカッタビット設置用孔37aを閉塞する。
【0037】
次に、前記状態から油圧モータ44を駆動し、ピニオン43、リングギヤ42を介して内筒36を回転体3に対し相対回動させ、カッタビット収容室37の開口36aと、カッタビットを交換したいカッタスポーク6に連なる回転体3のカッタビット供給孔3aとの位置合わせを行う(図1乃至図8の状態)。
【0038】
次いで、新カッタビット8Aが直上の旧カッタビット8に当接するまでカッタビット押出手段である油圧シリンダ39のピストンロッドを伸長させ、次にカッタビット固定装置31の油圧シリンダ33,34の各ピストンロッドを縮退させて、係止用ブロック12の波状面12aとカッタビット列後面の各係止用凹部8cとの係合を解き、各旧カッタビット8を解放し、これら旧カッタビット8を新カッタビット8Aと共に油圧シリンダ39に支持させる。
【0039】
その後、油圧シリンダ39のピストンロッドをさらに伸長させて、新カッタビット8Aを含むカッタビット列全体をカッタビット1個分、径方向外方へ押し出し、カッタビット装着溝6aの終端に位置する旧カッタビット8を外周方向に押し出す。これとともに、カッタビット固定装置31の油圧シリンダ33,34の各ピストンロッドを伸長させて、係止用ブロック12の波状面12aと新カッタビット8Aを含むカッタビット列後面の各係止用凹部8cとを係合させ、各カッタビットを拘束する。その後、油圧シリンダ39のピストンロッドを元の位置まで縮退させ、カッタビット収容室37内の空間を確保する。
【0040】
さらに、同列において新旧カッタビットの交換が必要があれば、前記状態からカッタビット収容室37の蓋体38を開放して、カッタビット設置用孔37aよりカッタビット収容室37内に新カッタビット8Aをセットし、再び蓋体38によってカッタビット設置用孔37aを閉塞した後、前述と同様の手順により新旧カッタビットの交換を行う。
以上の動作を、交換が必要なカッタビットの個数分繰り返す。他のカッタスポーク6の新旧カッタビットの交換も前述と同様の手順により行う。
【0041】
必要なカッタビットの交換を全て終えれば、カッタビット収容室37の位置が各カッタビット供給孔3a間の位置(図9のa,b,c,dのいずれかの位置)にくるまで油圧モータ44を駆動し、ピニオン43、リングギヤ42を介して内筒36を回転体3に対し相対回動させ、カッタビット収容室37の開口36aを回転体3の内周面にて閉塞する。
【0042】
以上のようにしてカッタビットの交換が完了すると、第2摩耗検知ビット11のビット部を図4の後方位置から図3の前方位置に移動し、ビット部の前面が交換したカッタビットとほぼ面一になるようにする。
この状態でさらに掘進を開始すれば、新替したカッタビットの交換時期を第2摩耗検知ビットで知ることができる。
【0043】
このように、本実施形態のカッタビットの摩耗検知装置によれば、掘進途中においてカッタビットを交換した場合においても、交換後のカッタビットの摩耗検知を連続して行うことができる。
また、本実施の形態のカッタビット交換装置によれば、放射方向に配置されているカッタビット列の中心部に交換用の新カッタビット8Aを直接セットでき、かつ単一のカッタビット収容室37を全てのカッタビット列に対応させることができる。このため、さらなる小型化が図れ、かつ必要とする駆動装置(シリンダ等)の数を大幅に減らすことができて、コストを大幅に低減することができる。
【0044】
また、カッタビット収容室37を二重管の内側(内筒36)に設けて、カッタビット収容室37の開口36aを外側の管(回転体3)の内周面にて閉塞できるようにしているので、水密性が向上し、機内への掘削汚泥等の侵入を防止することができた。
【0045】
また、放射方向に配置されているカッタビット列の中心部から押し出して、カッタヘッド4の最外周のものから順に交換するようにしているので、最も摩耗の激しいものから順次交換でき、合理的である。さらに、交換のために掘進作業を停止させる時間が短時間で済み、経済性も高い。
【0046】
また、カッタビット列の全体を解放可能に背面側より支持するカッタビット固定装置31を設けたので、各カッタビット相互間の連結手段が不要となり、その分、カッタビットの小型・軽量化が図れた。
【0047】
なお、上記の実施の形態においては、第1摩耗検知手段と第2摩耗検知手段として、第1、第2摩耗検知ビット9,11を例に挙げ、ビット部15の摩耗を検知する方法としては油圧によるものを示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば超音波によってビット部15の厚みを計測することで摩耗を検知するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、第1、第2摩耗検知ビット9,11を同一の構成としたが、掘進開始時から機能する第1摩耗検知ビットについては前後へ移動させる必要はなく、固定タイプでもよい。
さらに、上記の実施の形態においては、細孔を各1本有する摩耗検知ビットを2個設けた例を挙げたが、掘進途中でカッタビットを2回交換する場合には、細孔を各1本有する摩耗検知ビットを3個設けるようにすればよい。この場合、3個目の摩耗検知ビットは上記実施の形態で示した第2摩耗検知ビットと同様の構成にすればよい。なお、カッタビットを3回以上交換する場合は、同様に摩耗検知ビットの数を増やせばよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るカッタビットの交換時期検知装置においては、掘進開始時においてカッタビットの摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、カッタビット交換後において交換後のカッタビットの摩耗を検知する第2摩耗検知手段とを備えたことにより、カッタビットの交換の前後において連続して交換時期の検知ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るシールド掘進機を進行方向前方から見た正面図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す拡大図である。
【図3】 本発明の一実施の形態に係る摩耗検知ビットの説明図である。
【図4】 本発明の一実施の形態に係る摩耗検知ビットの説明図である。
【図5】 本発明の一実施の形態に係る摩耗検知装置の原理説明図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係るシールド掘進機を進行方向前方から見た正面図である。
【図7】 本発明の他の実施形態に係るシールド掘進機の側面断面図である。
【図8】 本発明の他の実施形態に係るシールド掘進機の前端中心部を拡大して示す縦断面図である。
【図9】 図8のA−A線矢視断面図である。
【図10】 本発明の他の実施形態に係るシールド掘進機のカッタビット固定手段の詳細を示す縦断面図である。
【図11】 図10のB−B線矢視断面図である。
【図12】 本発明の他の実施形態に係るシールド掘進機の内筒の背面図である。
【符号の説明】
3 回転体
3a カッタビット供給孔
7 回転カッタ
6 カッタスポーク
6a カッタビット装着溝
8 カッタビット
8A 新カッタビット
9 第1摩耗検知ビット
11 第2摩耗検知ビット
31 カッタビット固定手段
36 内筒
36a 開口
37 カッタビット収容室
37a カッタビット設置用孔
38 蓋体
39,19A 油圧シリンダ(カッタビット押出手段)
41 内筒駆動装置
42 リングギヤ
43 ピニオン
44 油圧モータ

Claims (4)

  1. シールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置であって、
    掘進開始時においてカッタビットの摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、掘進開始時においてはカッタビットの摩耗を検知せず、カッタビット交換後においてはこれを検知する第2摩耗検知手段とを備えてなり
    前記第1摩耗検知手段が前記第2摩耗検知手段とは互いに異なる前記シールド掘進機のカッタヘッドの位置に設置されていることを特徴とするシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置。
  2. 前記第1摩耗検知手段を、掘進開始時においてカッタビットとほぼ面一となるように配置される第1摩耗検知ビットから構成し、
    前記第2摩耗検知手段を、掘進開始時においてはカッタビットより後方に配置され、カッタビット交換後において交換後のカッタビットとほぼ面一となるように配置される第2摩耗検知ビットから構成したことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置。
  3. 前記第1摩耗検知手段及び前記第2摩耗検知手段が、前記カッタヘッドの中心から外周方向に延びる複数のスポークのうち、同一又は異なるスポークに設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド掘進機のカッタビット交換時期検知装置。
  4. シールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法であって、
    掘進開始時においては、カッタビットとほぼ面一となるように第1摩耗検知ビットを配置し、前記第1摩耗検知ビットとは異なるカッタヘッドの位置に第2摩耗検知ビットを配置することにより、前記第1摩耗検知ビットによりカッタビットの摩耗を検知し、
    カッタビット交換後においては、交換後のカッタビットとほぼ面一となるように前記第2摩耗検知ビットを配置することにより、前記第1摩耗検知ビットによりカッタビットの摩耗を検知する、ことを特徴とするシールド掘進機のカッタビットの摩耗検知方法。
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