JP4148953B2 - 拡幅式シールド掘進機およびその掘削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、標準断面トンネルを掘削途中に、掘削幅を拡大した拡幅断面を掘削可能な拡幅式シールド掘進機およびその掘削方法に関する。
従来、標準断面トンネルを掘削している途中に、拡幅断面を掘削するシールド掘進機として、たとえば特許文献1に示されるものがある。このシールド掘進機は、本体ブロックの側面に形成された凹陥部に、副カッタヘッドを外側方に出退自在に設けたものである。
特開平10−280865号公報
しかしながら、特許文献1では、凹陥部が露出されていることから、1)標準断面の掘進時に推進抵抗となって掘削性能が低下する。2)凹陥部内で副カッタヘッドとの間の空間部に、地山が崩壊陥没する危険性がある。3)標準断面の掘進時に、本体ブロックの周囲に充填される充填材が凹陥部に浸入充填されてカッタヘッドが動作しなくなる恐れがある。また拡幅掘削時には、4)副カッタヘッドが大きくフードを有しないため、副カッタヘッドが突出した空間部に地山が崩壊する危険性がある。5)副カッタヘッドの後退時に凹陥部に残る過大な瓦礫がカッタヘッドに噛み込むと後退できなくなるおそれがある。6)標準断面の掘削と同時に拡幅断面を同時に掘削すると、ラジアル荷重が発生して本体ブロックの掘削姿勢制御が困難になるなどの問題がある。
本発明は、上記問題点を解決して、推進抵抗の増大もなく、また地山の崩壊を防止しつつ安定して拡幅断面を掘削できる拡幅式シールド掘進機およびその掘削方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、シールド本体の前部に配置されて標準断面を掘削する第1カッタヘッドと、シールド本体の胴部から外方に出退されて拡幅断面を掘削する第2カッタヘッドとを具備した拡幅式シールド掘進機であって、前記シールド本体の胴部に第2カッタヘッドが出退自在な拡幅開口部を形成するとともに、シールド本体内に前記拡幅開口部に連通し第2カッタヘッドを収容する圧力保持室を形成し、前記拡幅開口部を開閉自在な開閉板を有する開閉シャッター装置を設け、圧力保持室に、開閉板の開放前に流体を供給して内圧を高めるとともに、掘削時に流体を供給して掘削土砂を流動化する流体供給管と、前記流体と共に掘削土砂を排出する流体排出管とを設け、開閉シャッター装置に、拡幅開口部の周囲のシールド本体に設けられて、開閉板の開放時および閉鎖時に流体圧により拡張され開閉板の外面に圧接されてシールするとともに、開閉動作時に流体圧が減圧され開閉板への圧接が解消されるチューブシール材を有する開閉シール装置を設けたものである。
請求項2記載の発明は、第2カッタヘッドは、シールド軸心と平行な軸心周りに回転駆動されるドラム形カッタと、前記ドラム形カッタをシールド軸心に直交する面内で揺動させるカッタ揺動装置とを具備したものである。
請求項3記載の発明は、開閉シール装置に、開閉板に摺接するダストシール材を設けたものである。
請求項4記載の発明は、流体供給管から供給される流体を、掘削した拡幅断面に充填して崩壊土圧を保持させる充填材として使用するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の拡幅式シールド掘進機を使用してトンネルを拡幅掘削するに際し、標準断面トンネルの掘進を停止し、流体供給管から圧力保持室内に流体を供給して内圧を高めるとともに、開閉シール装置のチューブシール材から流体圧を減圧した後、前記開閉シャッター装置により開閉板を開動して拡幅開口部を開放し、第2カッタヘッドを駆動するとともに突出移動させて標準断面から拡張された拡幅断面を掘削し、流体供給管から流体を供給して掘削土砂を流動化し、流体排出管から掘削土砂を前記流体と共に排出し、前記第2カッタヘッドを後退させるとともに、開閉シール装置のチューブシール材の流体圧を減圧した後、前記開閉シャッター装置により開閉板を閉動して拡幅開口部を閉じ、第1カッタヘッドにより標準断面を掘削して、第2カッタヘッドによる前回掘削された前記拡幅断面のシールド軸心方向の幅に対応する距離を掘進して停止し、これを繰り返してシールド軸心方向に連続する拡幅断面を掘削するものである。
請求項1記載の発明によれば、拡幅開口部に圧力保持室を形成し、この圧力保持室に第2カッタヘッドを出退可能に収納したので、土砂崩壊土圧を確実に保持しつつ拡幅断面の掘削を安全に行うことができる。また、開閉シャッター装置により開閉板により拡幅開口部の開放前に、圧力保持室に流体を供給して内圧を高めることにより、崩壊土圧と圧力保持室との圧力差を小さくして開閉板をスムーズに開閉することができる。さらに、拡幅断面の掘削ごとに開閉される開閉シャッター装置に、流体圧により拡縮されるチューブシール材を有する開閉シール装置を設けたので、開閉板に土砂などが付着していても開閉動作をスムーズに行え、かつシール材の損傷を防止して開放時または閉鎖時に良好にシールすることができる。さらにまた、開閉板により拡幅開口部を閉鎖することにより、標準断面トンネル掘進時に推進抵抗が増大することもなく、シールド本体の姿勢制御も安定して行うことができる。さらに掘削土砂を泥水と共に良好に排出することができる。
請求項2記載の発明によれば、ドラム形カッタを揺動させることで、掘り残しなく効率よく拡幅断面を掘削することができる。
請求項3記載の発明によれば、ダストシール材により、開閉板に付着する土砂などによるチューブシール材の損傷を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、土砂排出用の流体を充填材として使用することにより、土砂排出用の流体と充填材の混合の問題がなくなり、また拡幅断面の掘削手順を簡略化することができる。
請求項5記載の発明によれば、第1カッタヘッドによる標準断面の掘進を停止する毎に、第2カッタヘッドにより拡幅断面を掘削し、第1カッタヘッドによる掘進と第2カッタヘッドによる拡幅断面の掘削とを交互に行うことにより、シールド本体の姿勢制御を高精度で保ちつつ拡幅断面の掘削を効果的に行うことができる。また標準断面の掘削途中に、拡幅断面の掘削を何度でも行うことができ、また拡幅断面の奥行掘削量の調整も容易に行える。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1に示すように、このシールド掘進機は、第1カッタヘッド5を使用してたとえば円形の標準断面(トンネル)Tsを掘削し、そしてエレクタ装置(図示せず)により覆工体である標準セグメントSsを標準断面Ts内に円形に組み立てて掘進する。拡幅位置に達すると、掘削途中で第2カッタヘッド11により標準断面Tsから一側方に突出する拡幅断面Twを掘削し、拡幅断面Twに充填材を注入する。そしてエレクタ装置により前記標準セグメントSsに組み込まれた拡幅セグメントSwを、図10に示す押出しジャッキ43を使用して拡幅セグメントSwを拡幅断面Twに向って突出させ、同時に充填材をセグメントSs,Sw内に流入させて拡幅断面Tw内に拡幅セグメントSwを設置するものである。
図2,図3に示すように、円筒状のシールド本体1の前部に圧力隔壁2が形成され、その前部に切羽崩壊土圧を保持する圧力室3が形成されるとともに、その後部に大気室4が形成されている。前記圧力隔壁2には圧力室3の前面で標準断面を掘削する第1カッタヘッド5がシールド軸心Oを中心に回転自在に支持されている。
前記圧力隔壁2には、シールド軸心Oを中心とする環状支持体6が設置され、この環状支持体6に所定角度ごとに垂設された支持脚5aを介して第1カッタヘッド5が支持されている。前記環状支持体6は旋回台軸受6aおよび環状座部2aを介してスキンプレート1aに支持され、旋回台軸受6aは環状支持体6の背面の回転環と、環状座部2aに固着された回転環受台とで構成される。
また前記圧力隔壁2の後部には、第1カッタ駆動装置7が設けられており、この第1カッタ駆動装置7は、旋回台軸受6aの回転環の外周部に固定されたリングギヤ7aと、リングギヤ7aに噛合される複数のピニオン7bと、環状壁部2aに取付けられて前記ピニオン7bをそれぞれ回転駆動する第1カッタ駆動モータ(油圧式または電動式)7cとで構成されている。9はシールド本体1の後部に設けられた推進ジャッキで、エレクタ装置(図示せず)により組立られたセグメントSs,Swを反力受けとしてシールド本体1を推進させる。
シールド本体1のスキンプレート(胴部)1aで掘進方向に向って左側部(一側部)には、第2カッタヘッド11を有する拡幅掘削部10が設けられている。すなわち、スキンプレート1aの左側部に周方向に長い縦長の矩形状の拡幅開口部12が形成され、この拡幅開口部12は第2カッタヘッド11を出退可能に形成されている。そしてシールド本体1内に、拡幅開口部12に連通し第2カッタヘッド11を収容すると共に切羽崩壊土圧を保持する圧力保持室13が形成され、さらに拡幅開口部12には開閉自在な開閉シャッター装置14が設けられている。
前記第2カッタヘッド11は、シールド軸心Oと平行な回転軸心を中心に回転自在な比較的小径で単体のドラム形カッタ15を具備し、ドラム形カッタ15は外周部に多数のカッタビットを有するとともに、圧力保持室13内から拡幅開口部12を介して外側方に出退自在でかつ上下揺動自在に支持されている。すなわち、圧力保持室13は、拡幅開口部12の上辺部および下辺部から内側に延長された天壁13aおよび底隔13bと、前後の側壁13c,13cと、天壁13a、底隔13b、側壁13c,13cの各内端部を互いに連結する円弧背面壁13dとで構成されている。
そして第2カッタヘッド11は、前後の側壁13c,13cにシールド軸心Oに平行な揺動軸16を介して上下揺動自在に支持されかつ伸縮自在な作動アーム17と、作動アーム17の先端部にシールド軸心Oに平行な軸心周りに回転自在に支持されたドラム形カッタ15と、ドラム形カッタ15を回転駆動する第2カッタ駆動装置18と、作動アーム17を伸縮してドラム形カッタ15を出退する第2カッタ出退装置19と、揺動軸16を介して作動アーム17を揺動する第2カッタ揺動装置20とを具備している。
すなわち、前記揺動軸16は、図8に示すように、圧力保持室13の前後側壁間13c,13cの中間部に軸受21を介して回転自在に支持されており、軸受21と揺動軸16との間に、耐圧シール材22aとメタル軸受22bからなる軸部シール装置22が介在されている。そして、大気室7側に突出する揺動軸16の前後端部に第2カッタ揺動装置20がそれぞれ設けられており、第2カッタ揺動装置20は、シールド本体1に連結された複数の第2カッタ揺動ジャッキ20aと、揺動軸16に固定された揺動レバー20bとを具備し、揺動レバー20bの遊端部に第2カッタ揺動ジャッキ20aの出力ロッドが連結され、第2カッタ揺動ジャッキ20aを伸縮させることにより揺動レバー20bを介して揺動軸16を所定範囲で往復揺動させるように構成されている。また作動アーム17は、揺動軸16が取付けられたガイド筒23と、前記ガイド筒23に出退自在に嵌合された出退アーム24からなり、ガイド筒23内に配置されて出退アーム24を伸縮させる第2カッタ出退装置19が設けられている。この第2カッタ出退装置19は、ガイド筒23の円弧状背面板23aと出退アーム24との間に連結された複数の出退ジャッキ装置19aにより構成される。
前記出退アーム24は、ガイド筒23内にガイド部材を介して嵌合されたスライド部24aと、スライド部24aからドラム形カッタ15の両側に伸びる一対のカッタ支持アーム24bと、アーム部24bに支持されてドラム形カッタ15内に配置されたカッタ受け部24cとを有し、カッタ受け部24cにはリング状軸受25を介してドラム形カッタ16が回転自在に支持されている。
前記第2カッタ駆動装置18は、ドラム形カッタ15のリング状軸受25に取付けられたリングギヤ18aと、前記カッタ受け部24cに設けられた第2カッタ駆動モータ18cと、第2カッタ駆動モータ(油圧式または電動式)18cにより回転駆動されてリングギヤ18aに噛合されるピニオン18bとで構成されている。
開閉シャッター装置14は、拡幅開口部12の前部のシールド本体1内に水密室26が形成され、水密室26と拡幅開口部12との間でシールド軸心O方向に沿ってスライド自在で拡幅開口部12を閉鎖可能な円弧状断面の開閉板27が配置されている。そして水密室26と開閉板27の空間部の間に、開閉板27を開閉駆動する複数のスライドジャッキ28が配設されている。また図9に示すように、拡幅開口部12周囲のスキンプレート1aに設けられて開閉板27に摺接する開閉シール装置29は、スキンプレート1aの内周部に配設されて開閉板27の外面に常時摺接するダストシール材29aと、外周部で開閉板27の開放時および閉鎖時にエア供給ポンプ(流体供給源)31からエア配管32を介して供給される加圧エア(流体圧)により拡張されて開閉板27に圧接されシールするとともに、開閉動作時に操作弁33が開放されて加圧エアが排出減圧され開閉板27への圧接が解消されるチューブシール材29bとで構成される。なお、チューブシール材29bを拡縮する流体を圧縮エアとしたが、他の気体や油、水などの液体であってもよい。
また圧力保持室13の天壁13aには、掘削土砂を排出するとともに掘削部の切羽崩壊土圧を支持する泥水を供給する送泥管(流体供給管)34が設けられ、また底壁13bに掘削土砂を同伴した泥水を排出するための排泥管(流体排出管)35が設けられている。
さらに図3に示すように、掘削後の拡幅断面Twに充填材を供給して土砂の崩壊を防止するための複数の充填材注入孔8が、拡幅開口部12の後部のスキンプレート1aに形成されている。
前記充填材は、後述する拡幅セグメントSwの押出し時に、円滑にセグメントSs,Sw内に流入させるために一定の流動性が要求されるが、流動性が高すぎると、地山の安定を十分に図ることができないため、一定の塑性も要求される。さらに掘削時に土砂を排出するための泥水と混ざりにくい材質や性状が望ましい。たとえばベンナイト、水ガラス、セメントなどを主成分とする塑性流動化材料がある。また高流動性の材料として、泥水や泥しょうなどもその性質により使用可能である。
シールド掘進機の後部では、掘進に伴って拡幅部分に達すると、エレクタ装置により標準セグメントSsおよび拡幅セグメントSwがリング状に組立てられている。これら標準セグメントSsおよび拡幅セグメントSwは、ボルト・ナットにより連結されて一体化されており、拡幅セグメントSwは、図12に示すように、周方向に隣接する標準セグメントSsとの接触する当接面S1が長く形成され、当接面S1にボルト穴S2が形成されている。またシールド軸心O方向に隣接する面に、妻壁S3が形成されて拡幅突出時の漏水を防止している。また拡幅セグメントSwは、拡幅断面Twに押出す時に充填材が流入される流入口(図示せず)が形成され、これら流入口は開閉機構を具備している。
図11,図12に示すように、拡幅セグメントSwを拡幅断面Twに押出すための拡幅押出装置41は、上下方向の形状保持柱42と、摺動面S1に対応して水平方向に設けられた複数の押出しジャッキ43とがシールド軸心O方向に移動自在な台車(図示せず)に設置されて構成されている。
上記構成の拡幅式シールド掘進機の掘削方法を図13を参照して説明する。
発進坑から発進されたシールド掘進機は、第1カッタヘッド5により円形断面の標準断面Tsが掘削され、シールド本体1の後部でエレクタ装置により標準セグメントSsが組立てられて覆工され掘進される[図13(a)]。
シールド掘進機が拡幅位置に達すると掘進を停止し、開閉シャッター装置14により開閉板27を開動させて拡幅開口部12を開放する。この時、開閉シール装置29では、チューブシール材29bが減圧されてダストシール材29aのみが摺接される。また予め送泥管34から圧力保持室13内に泥水を供給して内圧を高めておくことにより、地山側の崩壊土圧と圧力保持室13内の圧力差を小さくして、開閉板27をスムーズに開閉することができる。
次いで第2カッタ駆動装置18によりドラム形カッタ15を回転駆動するとともに第2カッタ揺動装置20により作動アーム17を揺動しつつ、第2カッタ出退装置19により作動アーム17を進展させてドラム形カッタ15を圧力保持室13内から拡幅開口部12を介して地山側に突出させ、拡幅断面Twを掘削する。この時、送泥管34から供給された泥水に、掘削土砂が同伴されて排泥管35からシールド本体1内に排出される。
掘削が終了すると、第2カッタ出退装置19により作動アーム17を収縮してドラム形カッタ15を圧力保持室13に後退させ、充填材注入口8から充填材を拡幅断面に供給しつつ泥水を排泥管35から排出し、拡幅断面Twの泥水が充填材と置換されると、開閉シャッター装置14により開閉板27を閉動させて拡幅開口部12を閉じる。この時、開放時と同様に、チューブシール材29bが減圧されてダストシール材29aのみが摺接される。
次いで、第1カッタヘッド5により掘進を再開して標準断面Tsを掘削し、第2カッタヘッド11により前回掘削された拡幅断面Twのシールド軸心O方向の幅に対応する距離だけ掘進して停止され、さらに拡幅掘削が実施される[図13(b)]。
このように上記の拡幅断面Twの掘削作業が繰り返されて、拡幅断面Twがシールド軸心O方向に延長される。エレクタ装置によるセグメント組立位置が拡幅断面Twに達すると、標準セグメントSsの拡幅断面Twの対応部に、拡幅セグメントSwが組み込まれる。そして、拡幅セグメントSwが組み込まれたセグメントSs内部に拡幅押出装置41が設置される。
さらに、所定距離後方で、拡幅セグメントSwが拡幅断面Twに対向されると、連結用のボルト・ナットが取り外されて複数の押出しジャッキ43により拡幅セグメントSwが拡幅断面Twに向かって押し出される。この時、拡幅断面Tw内の充填材が流入口S4からセグメントSs,Sw内に流入される[図13(c)]。そして押出された拡幅セグメントSwがボルト・ナットにより標準セグメントSsに固定される。
上記実施の形態によれば、シールド本体1に拡幅開口部12を有する圧力保持室13を形成し、この圧力保持室13から第2カッタヘッド11を出退可能に収納したので、地山の崩壊土圧を確実に保持しつつ拡幅断面Twの掘削を安全に行うことができる。また拡幅開口部12を開閉シャッター装置14により開閉できるので、拡幅開口部12を閉じて標準断面Tsの推進抵抗を小さくできてシールド本体1の姿勢制御も安定して行うことができる。さらに掘削土砂を泥水と共に良好に排出することができる。
また比較的小径のドラム形カッタ15の単体を揺動させることで、安定して拡幅断面の掘削が可能で、堀り残しなく拡幅断面Twを掘削することができる。
また開閉シャッター装置14に流体圧により拡縮されるチューブシール材29bとダストシール材29aを有する開閉シール装置29を設けたので、開閉板27に土砂などが付着していても、開閉動作をスムーズに行え、シール材の損傷を防止しつつ開閉板27の停止時には確実なシールが可能となる。また開放時に送泥管34から泥水を供給しておくことで、開閉板27の開閉をスムーズに行うことができる。
さらに拡幅断面Twの掘削は、第1カッタヘッド5による標準断面Twの掘進と停止とを繰返し、停止ごとに第2カッタヘッド11による拡幅断面を掘削し、第2カッタヘッド11による拡幅断面Twを連続して形成することにより、シールド本体1の姿勢制御を正確に行いつつ標準断面Tsの掘削と拡幅断面Twの掘削とを精度良く行うことができる。また標準断面Tsの掘削途中に、拡幅断面Twの掘削を何度でも行うことができ、また第2カッタ出退装置19により拡幅断面Twの奥行の掘削量の調整も容易に行える。
なお、上記実施の形態では、土砂を排出する泥水と、掘削後の拡幅断面Twに充填する充填材とを別々としたが、密度の高い泥水や泥しょう、あるいはその他の流体とすることで、充填材と兼用して使用することができる。この場合には、拡幅断面Twの掘削後に、排泥管35を停止するとともに、必要に応じて送泥管34または充填材注入口8から泥水等を供給し、拡幅断面Tw内の泥水圧を崩壊土圧まで高めた後、開閉シャッター装置14により拡幅開口部12を閉じればよい。送泥管34からの泥水供給で十分である場合には、充填材注入口8を削除することもできる。またこれにより、土砂排出用の流体と充填材が混合されるという問題がなくなる。
本発明に係る拡幅式シールド掘進機とその掘削方法の実施の形態を示す全体斜視図である。 同拡幅式シールド掘進機の全体平面断面図である。 同拡幅式シールド掘進機の全体側面図である。 同拡幅式シールド掘進機の圧力保持室を示す側面断面図である。 図2に示す圧力保持室の拡大図である。 第2カッタヘッドの突出状態を示す側面断面図である。 第2カッタヘッドの突出状態を示す平面断面図である。 図5に示すA部の部分拡大断面図である。 図4に示すB部の部分拡大断面図である。 拡幅セグメントを押出す拡幅押出し装置を示す正面図である。 拡幅押出し装置の拡幅セグメントの押出し状態を示す正面図である。 拡幅セグメントを示す斜視図である。 (a)〜(d)はそれぞれ拡幅掘削の手順を説明する平面図である。
符号の説明
O シールド軸心
Ss 標準セグメント
Sw 拡幅セグメント
S4 流入口
Ts 標準断面
Tw 拡幅断面
1 シールド本体
1a スキンプレート
2 圧力隔壁
3 圧力室
4 大気室
5 第1カッタヘッド
6 旋回台軸受
7 第1カッタ駆動装置
8 充填材注入口
10 拡幅掘削部
11 第2カッタヘッド
12 拡幅開口部
13 圧力保持室
14 開閉シャッター装置
15 ドラム形カッタ
16 揺動軸
17 作動アーム
18 第2カッタ駆動装置
19 第2カッタ出退装置
20 第2カッタ揺動装置
22 軸部シール装置
24 出退アーム
25 リング状軸受
27 開閉板
28 スライドジャッキ
29 開閉シール装置
29a ダストシール材
29b チューブシール材
31 エア供給源
32 エア配管
33 操作弁
34 送泥管
35 排泥管
41 拡幅押出装置
42 形状保持柱
43 押出しジャッキ

Claims (5)

  1. シールド本体の前部に配置されて標準断面を掘削する第1カッタヘッドと、シールド本体の胴部から外方に出退されて拡幅断面を掘削する第2カッタヘッドとを具備した拡幅式シールド掘進機であって、
    前記シールド本体の胴部に第2カッタヘッドが出退自在な拡幅開口部を形成するとともに、シールド本体内に前記拡幅開口部に連通し第2カッタヘッドを収容する圧力保持室を形成し、
    前記拡幅開口部を開閉自在な開閉板を有する開閉シャッター装置を設け、
    圧力保持室に、開閉板の開放前に流体を供給して内圧を高めるとともに、掘削時に流体を供給して掘削土砂を流動化する流体供給管と、前記流体と共に掘削土砂を排出する流体排出管とを設け、
    開閉シャッター装置に、拡幅開口部の周囲のシールド本体に設けられて、開閉板の開放時および閉鎖時に流体圧により拡張され開閉板の外面に圧接されてシールするとともに、開閉動作時に流体圧が減圧され開閉板への圧接が解消されるチューブシール材を有する開閉シール装置を設けた
    拡幅式シールド掘進機。
  2. 第2カッタヘッドは、シールド軸心と平行な軸心周りに回転駆動されるドラム形カッタと、前記ドラム形カッタをシールド軸心に直交する面内で揺動させるカッタ揺動装置とを具備した
    請求項1記載の拡幅式シールド掘進機。
  3. 開閉シール装置に、開閉板に摺接するダストシール材を設けた
    請求項1または2記載の拡幅式シールド掘進機。
  4. 流体供給管から供給される流体を、掘削した拡幅断面に充填して崩壊土圧を保持させる充填材として使用する
    請求項1乃至3の何れかに記載の拡幅式シールド掘進機。
  5. 請求項1記載の拡幅式シールド掘進機を使用してトンネルを拡幅掘削するに際し、
    標準断面トンネルの掘進を停止し、
    流体供給管から圧力保持室内に流体を供給して内圧を高めるとともに、開閉シール装置のチューブシール材から流体圧を減圧した後、前記開閉シャッター装置により開閉板を開動して拡幅開口部を開放し、
    第2カッタヘッドを駆動するとともに突出移動させて標準断面から拡張された拡幅断面を掘削し、流体供給管から流体を供給して掘削土砂を流動化し、流体排出管から掘削土砂を前記流体と共に排出し、
    前記第2カッタヘッドを後退させるとともに、開閉シール装置のチューブシール材の流体圧を減圧した後、前記開閉シャッター装置により開閉板を閉動して拡幅開口部を閉じ、
    第1カッタヘッドにより標準断面を掘削して、第2カッタヘッドによる前回掘削された前記拡幅断面のシールド軸心方向の幅に対応する距離を掘進して停止し、
    これを繰り返してシールド軸心方向に連続する拡幅断面を掘削する
    拡幅トンネルの掘削方法。
JP2005048111A 2005-02-24 2005-02-24 拡幅式シールド掘進機およびその掘削方法 Active JP4148953B2 (ja)

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