JP2001227283A - 掘進工法用の掘進機およびその発進方法 - Google Patents

掘進工法用の掘進機およびその発進方法

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JP2001227283A
JP2001227283A JP2000043167A JP2000043167A JP2001227283A JP 2001227283 A JP2001227283 A JP 2001227283A JP 2000043167 A JP2000043167 A JP 2000043167A JP 2000043167 A JP2000043167 A JP 2000043167A JP 2001227283 A JP2001227283 A JP 2001227283A
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Japan
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slurry
excavation
pipe
valve
excavator
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JP2000043167A
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Muneyuki Watanabe
宗行 渡辺
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WATANABEGUMI KK
Original Assignee
WATANABEGUMI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立坑の長さが短くなり、推進管埋設工事のコ
スト低下および工期の短縮化が図れ、掘進部に油圧機構
部を連結する際に、スラリー管からスラリーが立坑に漏
れにくい掘進工法用の掘進機およびその発進方法を提供
する。 【解決手段】 掘進機10を、掘進部2と、掘進部2の
後端に連結される油圧機構部3とに分割した構造にした
ので、立坑の長さが短縮し、ヒューム管Hの埋設工事が
低コスト化し、工期も短くなる。しかも、掘進部2の後
端に油圧機構部3を連結する際には、掘進部2内のスラ
リー管5の後端部に固定された止水弁53でこの管5を
閉じるので、このスラリー管5からスラリーが立坑に漏
れにくい。結果、作業現場がスラリーで汚れたり、円滑
な作業が阻害されるのが防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は掘進工法用の掘進
機およびその発進方法、詳しくはヒューム管などの推進
管を土中に埋設施工する掘進工法用の掘進機およびその
発進方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地下に例えば推進管の一種である
鉄筋コンクリート製のヒューム管を埋設する際、いった
ん立坑を構築した後、この立坑に掘進機を導入し、掘進
機で横穴を掘設しつつヒューム管を敷設していく、いわ
ゆるシールド掘進工法が知られている。この掘進機は、
ヒューム管とほぼ同一の外径を有する筒形状のケーシン
グを備えている。このケーシング内の先端部に回転式の
カッターヘッドおよびこのカッターヘッドを駆動軸回り
に回転させる駆動手段が装備されている一方、後端には
ケーシング内の各種の機器を作動させる油圧機構が装備
されている。そして、駆動手段の駆動によるカッターヘ
ッドの回転でカッターヘッドの前方に装着されたカッタ
ー刃によりケーシング前方(切羽)の土壌を掘削するよ
うになっている。
【0003】一方、掘進機工法の立坑内には、掘進機の
方向に向いたジャッキ装置が備えられ、このジャッキ装
置のジャッキ腕とケーシングとの間にヒューム管を介在
させた状態で掘削状況と歩調を合わせてジャッキ腕を進
行させ、これによって掘進機を前進させるとともに、ヒ
ューム管を横穴内に順次埋設するようになっている。ま
た、掘進機のカッターヘッドが回転している部分(刃先
部)には、順次埋設されるヒューム管を通って、給水管
および排水管からなる一対のスラリー管が連結されてい
る。カッターヘッドの回転状態で水が給水管を通って刃
先部および切羽に供給されることで、掘削された土壌が
スラリー化され、その後、このスラリーを排水管を通し
て外部に排水することで、掘削土を効率的に取り除ける
ようになっている。なお、このスラリー管は、ヒューム
管の埋設の進行状況に応じて順次継ぎ足される。そし
て、ヒューム管の埋設が完了すると、掘進機は、あらか
じめ横穴の終点位置に向けて地表から掘削されている立
坑内にいったん排出され、そこからクレーンなどの作業
機械によって立坑の外に取り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術によれば、前記掘進機は、前方にカッターヘッド
を回転させる駆動手段が設けられているとともに、後方
にケーシング内の各種機械を駆動するための油圧機構が
設けられた長尺機構を有している。これにより、発進時
の立坑は、少なくともこの長尺な掘進機が入るだけの長
さを必要とし、そのために掘削作業が大がかりになり、
かつ立坑の掘削に長時間を要し、その分だけコストアッ
プと工期が長引くという問題点があった。
【0005】そこで、掘進機の全長を、この駆動手段が
収納された先頭側の掘進部と、この油圧機構が収納され
た後ろ側の油圧機構部とに分割し、これにより立坑を小
さくすることが考えられる。しかしながら、最初に行わ
れる掘進部だけによる掘進が完了してから、掘進部の後
端に油圧機構部を連結する際において、この切羽側から
のスラリーが、掘進部に収納されたスラリー管の部分の
後端から立坑内に漏れ出ることが予想される。
【0006】
【発明の目的】この発明は、立坑の長さを短くすること
ができ、これによって推進管埋設工事のコスト低下およ
び全体としての工期の短縮化を図ることができる掘進工
法用の掘進機およびその発進方法を提供することを、そ
の目的としている。また、この発明は、掘進機を掘進部
と油圧機構部とに分割した際に、掘進部の後端に油圧機
構部を連結する作業中、掘進部内のスラリー管の先部か
らスラリーが立坑に漏れ出るのを防ぐことができる掘進
工法用の掘進機およびその発進方法である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、先頭の推進管の先端側に装着され、前端に設けられ
たカッターヘッドの回転と、掘進の進行に合わせて順次
継ぎ足されるスラリー管による切羽への水の供給および
切羽からのスラリーの回収と、推進源による押圧とによ
って土中を掘進することで推進管を順次土中に埋設施工
する掘進工法用の掘進機であって、前記カッターヘッド
を回転させる駆動手段および前記スラリー管の先部が収
納された駆動手段内装部を有する掘進部と、該掘進部に
搭載された油圧系に作動油を供給する油圧ユニット、お
よび、前記掘進部に収納されたスラリー管の先部に連通
可能なスラリー管の別の部分が収納されて、前記掘進部
の後端に着脱自在に連結される油圧機構部とを備え、前
記駆動手段内装部に収納されたスラリー管の先部の後ろ
側の部分に止水弁が固定された掘進工法用の掘進機であ
る。止水弁の種類は限定されない。例えば、請求項4お
よび請求項9のバルーン弁のほか、各種の手動操作され
る弁、各種の電動弁などが挙げられる。これらの事項
は、請求項5にも該当する。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記掘進部は、
一端が前記スラリー管に連結される中継スラリー管を備
えた緩衝部が着脱自在に装着される請求項1に記載の掘
進工法用の掘進機である。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記止水弁は、
水供給側のスラリー管と、スラリー回収側のスラリー管
との双方に設けられている請求項1または請求項2に記
載の掘進工法用の掘進機である。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記止水弁が、
前記スラリー管の先部に連通される通路を画成するケー
シングと、該ケーシングに設けられた弁体収納部と、該
弁体収納部に収納された袋状の弁体とを備え、該弁体内
に圧力流体を供給すると弁体が膨出して通路をふさぐと
ともに、この圧力流体を排出すると弁体が収縮して通路
を開通するバルーン弁である請求項1〜請求項3のう
ち、何れか1項に記載の掘進工法用の掘進機である。
【0011】請求項5に記載の発明は、先頭の推進管の
先端側に装着され、前端に設けられたカッターヘッドの
回転と、掘進の進行に合わせて順次継ぎ足されるスラリ
ー管による切羽への水の供給および切羽からのスラリー
の回収と、推進源による押圧とによって土中を掘進する
ことで推進管を順次土中に埋設施工する掘進工法用の掘
進機の発進方法であって、前記カッターヘッドを回転さ
せる駆動手段、および、前記スラリー管の先部が収納さ
れた駆動手段内装部を有する掘進部と、該掘進部に搭載
された油圧系に作動油を供給する油圧ユニット、およ
び、前記掘進部に収納されたスラリー管の先部に連通可
能なスラリー管の別の部分が収納されて、前記掘進部の
後端に着脱自在に連結される油圧機構部とを備え、前記
駆動手段内装部に収納されたスラリー管の先部の後ろ側
の部分に止水弁が設けられた掘進機を使用し、前記掘進
部のみを、前記推進管の埋設位置の始点にあらかじめ掘
削された立坑から土中に発進し、次いで土中に埋設され
た前記掘進部の後端に油圧機構部を連結して推進を継続
する掘進工法用の掘進機の発進方法である。
【0012】請求項6に記載の発明は、前記掘進部の発
進前に、一端が前記スラリー管に連結される後端立ち上
がりの中継スラリー管を備えた緩衝部を掘進部の後端に
装着し、該緩衝部が装着された掘進部が土中に埋設され
た後、前記緩衝部を取り除いて油圧機構部を掘進部に連
結する請求項5に記載の掘進工法用の掘進機の発進方法
である。
【0013】請求項7の発明は、前記掘進部の後端部に
油圧機構部を連結する際に、前記止水弁を閉止する請求
項5または請求項6に記載の掘進工法用の掘進機の発進
方法である。
【0014】請求項8の発明は、前記止水弁が、水供給
側のスラリー管と、スラリー回収側のスラリー管との双
方に設けられ、閉弁時には、前記水供給側のスラリー管
およびスラリー回収側のスラリー管の両方を閉じる請求
項5〜請求項7のうち、何れか1項に記載の掘進工法用
の掘進機の発進方法である。
【0015】請求項9の発明は、前記止水弁は、前記ス
ラリー管の先部に連通される通路を画成するケーシング
と、該ケーシングに設けられた弁体収納部と、該弁体収
納部に収納された袋状の弁体とを備えたバルーン弁であ
って、閉弁時には該弁体内に圧力流体を供給することで
弁体を膨出させて通路をふさぎ、開弁時にはこの圧力流
体を排出することで弁体を収縮させて通路を開通する請
求項5〜請求項8のうち、何れか1項に記載の掘進工法
用の掘進機の発進方法である。
【0016】
【作用】この発明によれば、掘進機は、前方の掘進部
と、この掘進部の後端に着脱自在に連結される油圧機構
部とを有しているので、掘進機を発進させる際には、あ
らかじめ分離された掘進部のみを立坑内に吊り降ろし、
スラリー管を地上設備と連結してカッターヘッドおよび
推進源などの駆動力によって掘進部で横穴を掘進してい
く。次いで、掘進部が土中にほとんど入り込んだ状態で
油圧機構部を立坑内に吊り降ろして掘進部の後端に連結
することにより、土中を含む立坑内で掘進機が組み上が
った状態になる。そして、カッターヘッドおよび推進源
などの駆動で油圧機構部を土中に推進させたあとは、常
法にしたがい、順次、推進管を立坑内に吊り降ろして継
ぎ足して行く。これにより、土中に推進管が埋設され
る。
【0017】このように、掘進機は前半の掘進部と後半
の油圧機構部とが分離され、かつ、連結可能になってい
るので、掘進部のみを立坑に吊り降ろして発進させるこ
とが可能になる。したがって、従来のように掘進機の全
長に見合った長さの大きな立坑を掘削する必要がなくな
る。よって、掘進部の長さに応じた小さな立坑を掘削す
ることで掘進機を発進させることができ、その分だけ施
工コストの削減および全体としての工期の短縮化が図れ
る。しかも、止水弁は、駆動手段内装部に収納されたス
ラリー管の先部の後ろ側の部分に固定されている。この
ため、発進開始時にまず行われた掘進部だけによって横
穴を所定距離だけ掘進させた後、この掘進部の後端に油
圧機構部を連結する際に、止水弁を閉止する。これによ
り、地山の崩壊および切羽部からのスラリーの漏れ出し
を確実に防止することができる。
【0018】特に、請求項2および請求項6の発明によ
れば、立坑に吊り降ろされた掘進部の後端に緩衝部を装
着することで、掘進部の後退を緩衝部を介して推進源に
よる押圧に適した状態にできるとともに、緩衝部の中継
スラリー管が立ち上がった状態にされているため、中継
スラリー管と外部のスラリー管との連結部分が推進作業
の邪魔にならない位置にセッティングすることができ、
発進作業を容易に行うことができる。
【0019】また、請求項3、請求項7および請求項8
の発明によれば、掘進部に油圧機構部を連結するに際し
て、連結部分のスラリー管をいったん分離する必要があ
るが、この分離の前に止水弁を閉止することによって、
掘進部の掘進作業時にスラリー管内に残留したスラリー
などがスラリー管の分離した部分から外部に漏れ出さな
い。これにより、油圧機構部など作業現場の汚染が確実
に防止され、この結果、漏電事故などの電気系のトラブ
ルのほか、各種の機械系のトラブルも防ぐことができ
る。
【0020】さらに、請求項4および請求項9の発明に
よれば、開弁時、弁体が弁体収納部に収納されているの
で、管路を流れるスラリーなどの流れを阻害しない。ま
た、閉弁時には、弁体内に圧力流体を供給することで膨
らみ、ケーシング内の管路を塞ぐ。その後、この弁体か
ら圧力流体を排出すれば、弁体が収縮して、弁体収納部
に収納される。これにより、止水弁のコスト低下および
コンパクト化を図ることができる。しかも、この弁の取
り扱いが容易で、その際の安全性も高い。さらに、スラ
リー管への連結の自由度が大きくなるとともに、ケーシ
ング内を通過する流体の流れを阻害しにくくなる。流体
としては、空気、不活性ガス(窒素ガスなど)といった
気体のほか、水や油などの液体でもよいし、各種の粉粒
体でもよい。弁体の素材としては天然ゴム、合成ゴムな
どが挙げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1は、この発明の一実施例に係る
掘進工法用の掘進機を示す一部が切断された斜視図であ
る。図2は、この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘
進機のカッターヘッドの偏心機構を示す要部拡大断面図
である。図3(a)はこの発明の一実施例に係る掘進工
法用の掘進機の緩衝部が連結された状態を示す断面図で
ある。図3(b)はこの発明の一実施例に係る掘進工法
用の掘進機の掘進部に油圧機構部が連結された状態を示
す断面図である。図4(a)は、この発明の一実施例に
係る掘進工法用の掘進機に用いられる止水弁の開弁時を
示す要部拡大断面図である。図4(b)は、この発明の
一実施例に係る掘進工法用の掘進機に用いられる止水弁
の閉弁時を示す要部拡大断面図である。なお、図1にお
いて、X−X方向を掘進機の幅方向、Y−Y方向を掘進
機の前後方向とする。
【0022】図1において、10は掘進工法用の掘進機
であって、この掘進工法用の掘進機(以下、単に掘進機
という場合がある)10は、全体的に円筒状に形成さ
れ、前方部分を構成する掘進部2と、この掘進部2の後
端に着脱自在に連結される油圧機構部3とを備えてい
る。また、掘進機10は、分離された掘進部2の後端に
発進時のみ連結される緩衝部4を有している。
【0023】この掘進部2は、前端側に形成されたカッ
ター部2aと、このカッター部2aの後端に連結された
電動機内装部2bとを有している。この電動機内装部2
bの後端部内に、後述するスラリー管5の管路を開閉操
作する止水弁53が一体的に固定されている。図2に示
すように、カッター部2aは、第1筒体21と、この第
1筒体21内に一体的に設けられたカッターヘッド22
とを備えて構成されている。この第1筒体21は、外径
がヒューム管(推進管)H(図11参照)の外径と同じ
である。これにより、第1筒体21で掘進された横穴に
ヒューム管Hが隙間なく埋設されるようになっている。
このような第1筒体21の前端縁部には前端側に向かっ
て内側から厚さを徐々に減少させた環状の先鋭縁部21
aが設けられ、掘削された土壌が第1筒体21内に誘導
されて掘進が円滑に進行するようになっている。
【0024】このカッターヘッド22は、第1筒体21
内に偏心状態で設けられている。このカッターヘッド2
2は、先細りに形成された円錐台状の円錐体22aと、
この円錐体22aの外周面から第1筒体21の内周面に
向けて周方向へ等ピッチで架橋された複数枚のカッター
支持板22bと、円錐体22aの先端に固定された円形
のカッター支持盤22cとを備えている。そして、この
各カッター支持板22bの先端縁部およびカッター支持
盤22cの前面には、それぞれ複数個のカッター刃22
dが取り付けられ、電動機の駆動によるカッターヘッド
22の偏心回転によって切羽の土壌が有効に削り取られ
る。しかも、この偏心回転によって、カッター支持板2
2bの端面と、第1筒体21の内周面との間に挟まった
礫が破砕され、削り取られた土砂の後方への送り出しが
円滑に行われるようになっている。また、この円錐体2
2aの外周面には、地上に設置された図示しない処理水
槽からの水を切羽に噴射する複数本の噴射ノズル22e
が設けられ、この噴射ノズル22eからの水流によって
切羽の土壌がやわらかくなり、カッター刃22dによる
掘削が容易となるように構成されている。
【0025】電動機内装部2bは、カッター部2aの後
部に同心で連結固定された第2筒体23と、この第2筒
体23の後部に相対的に前後運動ができるように連結さ
れた比較的長尺な第3筒体24とを備えている。このう
ちの第2筒体23は、前端部内に嵌め込まれた支持円盤
23aを有している。この支持円盤23aの前面には、
円錐体22aの軸心を中心とした環状溝23bが形成さ
れている一方、前記第1筒体21には、後縁部が後ろす
ぼみに絞られることによって形成された窄み縁部22f
が形成され、この窄み縁部22fが環状溝23bに嵌め
込まれて固定されることで、第1筒体21の第2筒体2
3に対する連結固定状態が確実なものとなっている。
【0026】このような支持円盤23aの裏面側には円
錐体22aと同心の電動機支持筒23cが後方に向かっ
て突設され、この電動機支持筒23cの後端部には第3
筒体24の中央部内に位置するように電動機25が固定
されている。この電動機25の駆動軸25aは、摺接状
態で電動機支持筒23cに差し通されて支持円盤23a
を貫通し、この円錐体22aに周方向で連れ回りするよ
うに連結されている。これにより、電動機25の駆動に
よる駆動軸25aの軸心回りの回転でカッター部2aが
円錐体22aの回りを回転する。
【0027】次に、このような掘進部2におけるカッタ
ーヘッド22の偏心回転構造を、以下、図2を参照して
詳細に説明する。支持円盤23aには、中心部分の後方
に駆動軸25aが挿通される前後方向に延びた小径孔2
31aが穿設されている。また、この前方には小径孔2
31aよりも大径な大径孔232aが穿設されている。
これらの小径孔231aおよび大径孔232aは、いず
れも駆動軸25aと同心に形成されている。そして、駆
動軸25aの前端部は大径孔232aに入り込み、この
部分に駆動軸25aと同心で太陽ギヤ251aが一体的
に取り付けられている。一方、大径孔232aには、ク
ランク軸27がベアリングを介して嵌着されている。こ
のクランク軸27は、大径孔232aの内径よりもわず
かに外径が小さい駆動軸25aと同心の同心軸27a
と、この同心軸27aの先端面から偏心して前方に突設
された偏心軸27bとを有している。
【0028】そして、この同心軸27aの後端面には、
周方向に等ピッチで後方に延びるように突設された複数
本の遊星軸271aが設けられているとともに、これら
の遊星軸271aに遊星歯車272aがそれぞれ軸支さ
れている。これらの遊星歯車272aは、それぞれ太陽
ギヤ251aに噛合されており、駆動軸25aの軸心回
りの回転は、各遊星歯車272aに伝達されるようにな
っている。一方、大径孔232aの後端側の内周面に
は、この各遊星歯車272aと噛合する内歯233aが
形成されており、遊星歯車272aは、遊星軸271a
の回りに回転することで、太陽ギヤ251aの回りを公
転する。この公転により、クランク軸27は、駆動軸2
5aに対して20〜30分の1の回転数に減速される。
【0029】また、偏心軸27bには、ベアリングを介
して円錐体22aが偏心軸27bと同心で外嵌され、こ
れによって偏心軸27bが偏心回転すると、円錐体22
aは駆動軸25aの軸心回りに公転するようになってい
る。このような円錐体22aの後端面には、後方に向か
って突設された円錐体22aと同心の外歯歯車221a
が設けられている一方、この支持円盤23aには外歯歯
車221aの歯に噛合する内歯234aが設けられてい
る。この内歯234aによって形成される内歯歯車は、
駆動軸25aと同心になっている。そして、この内歯2
34aを有する内歯歯車の内径は、この外歯歯車221
aの外径よりも大きく設計されている。したがって、偏
心軸27bの偏心回転によって円錐体22aが駆動軸2
5aの軸心回りに公転すると、円錐体22aは、外歯歯
車221aの歯が内歯234aに噛合していることで偏
心軸27bの回りに自転する。
【0030】このようなカッターヘッド22の偏心回転
構造によれば、電動機25により駆動軸25aが回転す
ると、太陽ギヤ251aを介して内歯233aに噛合し
ている各遊星歯車272aが回転し、これらの遊星歯車
272aの太陽ギヤ251a回りの公転によって同心軸
27aが軸心回りに回転する。この同心軸27aの回転
によって偏心軸27bは偏心回転し、これにより外歯歯
車221aの歯が内歯234aに噛合している円錐体2
2aが、駆動軸25aの軸心回りに公転しながら自転す
る。そして、円錐体22aと一体のカッターヘッド22
は、円錐体22aの上述した複雑な回転運動を行うた
め、切羽の土壌はカッター刃22dによって効果的に削
り取られる。
【0031】図1および図3に示すように、前記第3筒
体24は、前端部および後端部に外方に向かって先すぼ
みに絞られて形成された前方窄み縁部24aおよび後方
窄み縁部24bを有している。前方窄み縁部24aは、
外径が第2筒体23の内径よりもわずかに小さい。この
前方窄み縁部24aは、摺接状態で第2筒体23の後部
に嵌入され、これによって、第2筒体23と第3筒体2
4とは連結状態で前後に相対移動することができるよう
になっている。
【0032】また、この第3筒体24の内周面には、周
方向へ等ピッチで取り付けられた前後方向に延びる複数
本のシリンダ24cを有している。各シリンダ24cの
ピストンロッド24dは、前端部が支持円盤23aの後
面側に連結され、シリンダ24cの駆動によるピストン
ロッド24dの出没によって支持円盤23aを介して第
2筒体23が前後移動する。これにより、カッターヘッ
ド22の姿勢を補正する。支持円盤23aの後面下部に
はスラリー管5の前端部が連結されている。このスラリ
ー管5は、掘進部2、緩衝部4および油圧機構部3によ
ってそれぞれの底部に配設される給水管51と排水管5
2とを有している。この給水管51は、円錐体22aの
後端側の中心部分に内装された図示しないロータリー分
水器を介して噴射ノズル22eに水を供給するためのも
のである。この排水管52は、カッターヘッド22の回
転によって掘削された土壌と水との混合物であるスラリ
ーを外部に排出させる。
【0033】第3筒体24の後部には、この第3筒体2
4内のスラリー管5の給水管51および排水管52の双
方に固定された止水弁53を有している。これらの止水
弁53は、バルーン弁である。すなわち、図4(a),
図4(b)に示す止水弁53は、スラリー管5の先部に
連通される通路aを画成するケーシング11と、ケーシ
ング11に設けられた短尺な円筒形の弁体収納部12
と、この弁体収納部12の蓋板13と、弁体収納部12
に収納された袋状の弁体14とを備え、弁蓋13に形成
された吸排気口を介して、地上のコンプレッサCから圧
縮空気(圧力流体)を供給することで、弁体14が膨出
して通路aをふさぐ一方、この弁体14内から圧縮空気
を排出することで弁体14が収縮して通路を開通する弁
構造を有している。このバルーン弁53を採用すること
で、止水弁のコスト低下およびコンパクト化を図ること
ができる。しかも、弁の取り扱いが容易で、その際の安
全性も高い。さらに、スラリー管5への連結の自由度が
大きくなるとともに、ケーシング11内を通過するスラ
リーの流れを阻害しにくくなる。さらに、掘進機10
が、例えばφ200mmくらいのきわめて小径なもので
あっても、収納されたスラリー管5の管路の開閉操作を
確実かつ円滑に行うことができる。
【0034】なお、このバルーン式の止水弁53に代え
て、図5に示すようなレバー操作式の止水弁53Aを採
用してもよい。図5は、この発明の他の実施例に係る別
の止水弁が組み込まれた掘進工法の掘進機を示す断面図
である。この止水弁53Aは、コック軸53aと軸心回
りに連れ回りする操作レバー53bを有している。この
操作レバー53bの回動操作によって、止水弁53Aが
開閉される。図1および図3に示すように、前記第3筒
体24内の給水管51および排水管52の後端部にはフ
ランジ54が設けられている。これらのフランジ54を
介して、前方のスラリー管5と後方のスラリー管5とが
連結される。
【0035】前記油圧機構部3は、この第3筒体24の
後端部に着脱自在に連結される第4筒体31と、この第
4筒体31の後端部に固定された第5筒体32と、第4
筒体31内に配設された油圧ユニット33、バイパス弁
34および計器類35と、第5筒体32内に装備され、
かつレンズを計器類35に向けたカメラ36とを備えて
いる。この第4筒体31の後端部には、後方に向かって
先すぼみの窄み縁部31aが形成され、第5筒体32の
前端部がこの窄み縁部31aに外嵌されることで、この
第5筒体32が第4筒体31に連結された状態になって
いる。
【0036】計器類35としては、電動機25の消費電
力、カッターヘッド22の回転数、カッターヘッド22
の傾き具合、油圧ユニット33の油圧値などを表示す
る。これらの計器は、それぞれの表示パネル面をカメラ
36側に向けた状態で、第4筒体31の内部に収納され
ている。こうすることで、カメラ36を介して、外部に
設置されたモニターを見るだけで、掘進機10の駆動状
態を認識することができる。そして、第4筒体31の前
端部を第3筒体24の後方窄み縁部24bに外嵌するこ
とで、油圧機構部3が掘進部2に連結されるようになっ
ている。
【0037】油圧ユニット33は、油圧を送って掘進部
2内のシリンダ24cを駆動させるものであり、外部の
制御手段からの制御信号によって運転されてシリンダ2
4cが駆動・停止するようになっている。また、前記バ
イパス弁34は、給水管51と排水管52との間に架設
されており、このバイパス弁34の切り替え操作によっ
て給水管51を経て送られてきた水を噴射ノズル22e
に送ることなく、排水管52に向けて導出させたり、排
水管52を閉止してスラリーの排出を停止することがで
きるようになっている。このバイパス弁34の操作は、
制御手段からの制御信号によって行われる。
【0038】また、第4筒体31内の給水管51および
排水管52の前端部には、それぞれフランジ55が設け
られ、このフランジ55と掘進部2内のフランジ54と
がボルト締結される。これにより、油圧機構部3側のス
ラリー管5が掘進部2側のスラリー管5に連結されるよ
うになっている。第5筒体32内の後方には、上下で対
向した内壁面間に被押圧支柱32aが架橋され、この被
押圧支柱32aの上部にカメラ36が設置されていると
ともに、この被押圧支柱32aの下部にスラリー管5の
後端部が固定されている。また、第5筒体32は、後縁
部が後方へ向かって先すぼみに絞られて形成された窄み
縁部32bを有している。ヒューム管Hは、この窄み縁
部32bに外嵌されることによって、掘進機10の後端
部に連結される。
【0039】この発明は、図1および図3(a)に示す
ように、掘進部2が油圧機構部3から分離され、かつ後
端に緩衝部4が連結された状態で、まず掘進部2のみを
立坑から取り外し、図3(b)に示すように、掘進部2
に油圧機構部3を連結して油圧機構部3を土中に推進
し、引き続きヒューム管Hを順次継ぎ足して掘進する。
そして、この一実施例においては、掘進部2の発進時に
第3筒体24の後方窄み縁部24bに緩衝部4がいった
ん連結され、この緩衝部4を後述する推進ジャッキ62
によって押圧しながら電動機25によりカッターヘッド
22を回転させつつ、給水管51を通して水を噴射ノズ
ル22eに送り込み、掘進部2のみを土中に推進してか
ら緩衝部4を取り外し、掘進部2の後端部に油圧機構部
3を連結するようにしている。
【0040】このようにするのは、掘進部2の後端部、
すなわち第3筒体24の後端部は、筒内の底部に給水管
51および排水管52が配設されているとともに、各種
のケーブルも配設されて乱雑な状態になっており、この
ような状態では押圧作業が困難であるばかりか、第3筒
体24の底部に配設されたスラリー管5に外部側のスラ
リー管5の遊端を連結する作業も難しくなるためであ
る。このような緩衝部4は、図1および図3(a)に示
すように、前後方向の寸法が短い第6筒体41と、この
第6筒体41の前方底部から後方に向かって立ち上がっ
た立上がり給水管51aおよび立上がり排水管52aを
有する立上がりスラリー管(中継スラリー管)5aとを
備えている。この立上がりスラリー管5aの後端部に
は、第6筒体41の後端の上下方向ほぼ中央部から後方
に延びる連結端56を有し、この連結端56に外方側の
スラリー管5が連結されるようになっている。このよう
に連結端56を第6筒体41の外部に突出させること
で、外部のスラリー管5の連結端56に対する連結操作
を容易に行うことができるようにしている。
【0041】そして、第6筒体41を、第3筒体24の
後方窄み縁部24bに外嵌することによって緩衝部4が
掘進部2の後端部に接合されるようになっている。ま
た、第6筒体41の後縁部には、後方に向かって引き抜
き用のアイナット42が突設され、このアイナット42
にワイヤを掛け通して牽引することで、掘進部2に接合
された緩衝部4の取り外しを容易に行えるようにしてい
る。さらに、第6筒体41の後端部には、上下で対向し
た内壁面間に被押圧支柱43が架橋され、この被押圧支
柱43によって緩衝部4が構造的に丈夫な構造となって
いる。
【0042】以下、この発明の発進方法について、図6
〜図11を参照して説明する。図6は、この発明の一実
施例に係る掘進工法用の掘進機の発進方法における発進
立坑内に掘進部が吊り降ろされている状態を示す説明図
である。図7は、この発明の一実施例に係る掘進工法用
の掘進機の発進方法における発進立坑内に掘進部が吊り
降ろされて後端部に緩衝部が連結された状態を示す説明
図である。図8は、この発明の一実施例に係る掘進工法
用の掘進機の発進方法における掘進部が土中に発進され
た状態を示す説明図である。図9は、この発明の一実施
例に係る掘進工法用の掘進機の発進方法における油圧機
構部が発進立坑内に吊り降ろされて掘進部の後端に連結
された状態を示す説明図である。図10は、この発明の
一実施例に係る掘進工法用の掘進機の発進方法における
掘進部と油圧機構部とからなる掘進機が土中に発進され
た状態を示す説明図である。図11は、この発明の一実
施例に係る掘進工法用の掘進機の発進方法におけるヒュ
ーム管が推進されている状態を示す説明図である。
【0043】土中にヒューム管Hを埋設する際には、ま
ず、地面に所定の深さの発進立坑Gが掘削される。次い
で、発進立坑Gの底部に推進ジャッキ機構(推進源)6
が据え付けられる。また、発進立坑G内の前方(図6の
左方)壁面の掘進対象位置に環状の発進坑口金具G1が
嵌め込まれる。この推進ジャッキ機構6は、立坑の底面
に固定される架台61と、この架台61の後端部に据え
付けられた推進ジャッキ62とを備えている。この架台
61は、発進立坑Gの前後方向のほぼ全長にわたるよう
に敷設され、この架台61上に、分離された掘進部2、
油圧機構部3およびヒューム管Hが順次吊り降ろされ、
その都度、この推進ジャッキ62の駆動とカッターヘッ
ド22の回転とにより掘進部2などが前方の発進坑口金
具G1から土中に推進されていく。
【0044】推進ジャッキ62は、ジャッキシリンダ6
2aと、ジャッキシリンダ62aから前方に向けて出没
するジャッキピストン62bとを有している。したがっ
て、地上側に設けられた図示しない油圧ユニットからの
油圧によって推進ジャッキ62が作動してジャッキピス
トン62bを出没させ、発進時には、突出時のジャッキ
ピストン62bによって掘進部2および油圧機構部3が
順次押圧され、ヒューム管Hを埋設する推進時には、ヒ
ューム管Hがジャッキピストン62bの突出によって順
次押圧される。このように、掘進機10が掘進部2と油
圧機構部3とに分離された発進立坑G内に装填されるの
で、発進立坑Gの前後方向の長さは、掘進機10の長さ
よりも短くすることができる。これにより、その分だけ
発進立坑Gの掘削に要する人手と時間が削減される。
【0045】以下、順を追って、図6〜図11に基づい
て、掘進機10の具体的な発進方法を説明する。掘進機
10を発進させる際には、図6に示すように、まず発進
立坑G内の推進ジャッキ62のジャッキピストン62b
がジャッキシリンダ62aに没入され、次いで架台61
の前方位置に掘進部2が吊り降ろされる。これにより、
ジャッキピストン62bの前端部と掘進部2の後端部と
の間には、所定寸法の隙間が形成された状態となってい
る。この隙間に、緩衝部4を入れて掘進部2の後端に連
結することで、図7に示す状態となる。
【0046】そして、この連結時には、第6筒体41を
第3筒体24の後方窄み縁部24bに外嵌するととも
に、立上がり給水管51aおよび立上がり排水管52a
を第3筒体24内の給水管51および排水管52に連結
する。この際、止水弁53にコンプレッサCからの連結
管を連結しておく。次いで、連結端56を介して、発進
立坑G内に引き込まれている外部の給水管51および排
水管52を、立上がり給水管51aおよび立上がり排水
管52aに連結する。これにより、地上側の処理水槽と
掘進部2内の給水管51および排水管52とが連結状態
になる。この状態で、電動機25を駆動してカッターヘ
ッド22を回転させるとともに、地上側の処理槽を駆動
して給水管51に水を送り込む。
【0047】次いで、推進ジャッキ62を駆動してジャ
ッキピストン62bを突出させることで、ジャッキピス
トン62bの先端面が緩衝部4の被押圧支柱43に当接
し、この被押圧支柱43を前方に向けて押圧する。その
結果、噴射ノズル22eからの噴射水でやわらかくなっ
た土壌が、回転中のカッターヘッド22によって掘削さ
れ、掘進部2は土中に向かって順次推進する。掘削され
た土は、水と混ざってスラリーになる。スラリーは排水
管52を通して外部の処理水槽に送り込まれ、ここで土
壌が分離され、水だけが給水管51を通して噴射ノズル
22eに再び供給され、循環使用される。
【0048】なお、ここでは、ジャッキピストン62b
の出没ストローク以上の距離を掘進部2に推進させるた
め、図8に示すような複数個のスペーサー63を用いて
いる。スペーサー63としては、上部が開放し、かつ曲
率半径が掘進部2の径寸法に等しい半円筒体が適用され
ている。そして、ストローク分だけ突出したジャッキピ
ストン62bを、いったんジャッキシリンダ62a内に
没入させ、ジャッキピストン62bの先端部と緩衝部4
の後端部との間にスペーサー63を嵌め込む。その後、
再びジャッキピストン62bを突出させることで、掘進
部2をジャッキピストン62bのストローク分以上に推
進させる。このような操作を複数回繰り返すことで、ス
ペーサー63の介在個数を順次増やして行く。これによ
り、掘進部2をそのほぼ全長わたって土中に埋設させる
ようにしている。
【0049】そして、掘進部2が所定量土中に推進され
た後、給水管51を通した水の供給を停止するととも
に、コンプレッサCからの圧縮空気が連結管から止水弁
53に供給され、弁体14が膨らんで止水弁53が閉止
する。この止水弁53によって、前方の給水管51内の
水と、排水管52内のスラリーが漏れなくなる。次い
で、掘進部2から緩衝部4を取り外し、ジャッキピスト
ン62bをジャッキシリンダ62aに没入させてスペー
サー63を取り除く。この状態で、図9に示すように、
油圧機構部3を発進立坑G内に吊り降ろして架台61上
にセッティングする。それから、第4筒体31を第3筒
体24の後方窄み縁部24bに外嵌するとともに、油圧
機構部3に収納されたスラリー管5を掘進部2側のスラ
リー管5に連結することで、油圧機構部3が掘進部2の
後端部に連結される。その後、コンプレッサCを含む圧
縮空気供給系から空気を抜くことにより弁体14がしぼ
み、これにより止水弁53を開通するとともに、地上側
の処理水槽から水を給水管51に送り込む。
【0050】この状態で、再びジャッキピストン62b
を突出させる。そうすると、ジャッキピストン62bの
先端面が第5筒体32内の被押圧支柱32aに当接し、
さらにこの被押圧支柱32aを押圧するので、掘進部2
と油圧機構部3とが一体化した掘進機10が土中に順次
推進していく。この際にも、図10に示すように、スペ
ーサー63が上述した方法と同様にして使用される。次
に、掘進機10が、後端の窄み縁部32bを残して土中
に埋設された状態(図10参照)でスペーサー63が取
り除かれ、以降は、図11に示すようにヒューム管Hは
順次吊り降ろされて、土中に推進されていく。なお、ヒ
ューム管Hを吊り降ろすに際には、地上側であらかじめ
スラリー管5がヒューム管Hに通されるため、以後は、
発進立坑G内スラリー管5の連結操作が行われることは
ない。
【0051】以上説明したように、ヒューム管Hを土中
に埋設するために用いられるシールド掘削工法用の掘進
機10を、掘進部2と、この掘進部2の後端に分割可能
に連結される油圧機構部3とにより構成したので、掘進
機10を発進させる際、あらかじめ分離した掘進部2の
みを発進立坑G内に吊り降ろしてカッターヘッド22お
よび推進ジャッキ62によって掘進部2に横穴を掘進さ
せ、その後、掘進部2が土中にほとんど入り込んだ状態
で油圧機構部3を発進立坑G内に吊り降ろして掘進部2
の後端に連結することにより、発進立坑G内に掘進機1
0を組み上げることができる。そして、カッターヘッド
22および推進ジャッキ62などの駆動で油圧機構部3
を土中に推進させた後は、常法にしたがって順次ヒュー
ム管Hを発進立坑G内に吊り降ろして継ぎ足していくこ
とで、ヒューム管Hを順次埋設していくことができる。
【0052】このように、掘進機10のうちの前半の掘
進部2と、後半の油圧機構部3とを分離、かつ連結可能
な構造としたので、掘進部2のみを発進立坑Gに吊り降
ろして発進させることができる。これにより、従来のよ
うに掘進機10の全長に見合った長さを有する大きな発
進立坑Gを掘削する必要がなくなり、掘進部2の長さ分
だけの小さな発進立坑Gが掘削されていれば、掘進機1
0を発進させることができる。その分、施工コストの削
減および工期の短縮を図ることができる。また、この一
実施例では、発進立坑G内に吊り降ろされた掘進部2の
後端に緩衝部4を装着するようにしているので、緩衝部
4を介して、掘進部2の後端を推進ジャッキ62による
押圧に適した状態とすることができる。さらに、緩衝部
4には、後方へ立ち上がった立上がりスラリー管5aが
設けられているので、立上がりスラリー管5aと外部の
スラリー管5との連結部分が、推進作業に支障を来さ
ず、よって掘進機10の発進作業を円滑に行うことがで
きる。
【0053】さらに、掘進部2に収納されたスラリー管
5の後部に止水弁53を固定したので、掘進部2の後端
へ油圧機構部3を連結する際において、この連結部分の
スラリー管5をいったん分離する前に止水弁53を閉止
することができる。これにより、掘進部2の掘進作業時
に、特にスラリー管5の給水管51内および排水管52
内に残留した水およびスラリーが、各分離した開口部か
ら外部に漏れ出さない。その結果、漏れ出した水やスラ
リーによって作業現場が汚れたり、円滑な作業が阻害さ
れるといった不都合が解消される。
【0054】なお、掘進部2の発進時には、掘進部2の
後端に緩衝部4を装着しなくても、掘進部2の後端を推
進ジャッキ62により直接押圧するようにしてもよい。
ただし、この場合は、掘進部2の後端部、すなわち第3
筒体24の後端部を被押圧支柱などで構造的に強化し、
推進ジャッキ62による押圧に耐える構造にしておく必
要がある。また、固定式の推進ジャッキ62に代えて、
自走式の推進ジャッキを採用してもよい。これにより、
スペーサー63を使用しなくても掘進機10の発進操作
や被押圧支柱43の埋設操作を行うことができる。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、掘進工法用の掘進機
を、掘進部と、この掘進部の後端に分割可能に連結され
る油圧機構部とを備えて構成したので、立坑の長さを短
くすることができ、これによって推進管埋設工事のコス
ト低下および全体としての工期の短縮化を図ることがで
きる。しかも、掘進機を掘進部と油圧機構部とに分割し
た際に、掘進部の後端に油圧機構部を連結する作業中、
掘進部内のスラリー管の先部からスラリーが立坑に漏れ
出るのを、掘進部内のスラリー管の後端に固定された止
水弁を閉じることで防止することができ、これにより作
業現場が漏れたスラリーで汚れたり、円滑な作業が阻害
されるという不都合を解消することができる。
【0056】特に、請求項2および請求項6に記載の発
明によれば、立坑に吊り降ろされた掘進部の後端に緩衝
部を装着することで、掘進部の後端を緩衝部を介して推
進源による押圧に適した状態にすることができる。しか
も、緩衝部の中断スラリー管が立ち上がった状態にされ
ているので、中継スラリー管と外部のスラリー管との連
結部分が推進作業に邪魔にならない位置にセッティング
することができ、掘進機の発進作業を容易に行うことが
できる。
【0057】請求項4および請求項9に記載の発明によ
れば、バルーン弁を採用するようにしたことで、止水弁
のコスト低下およびコンパクト化を図ることができる。
しかも、この弁の取り扱いが容易で、その際の安全性も
高い。さらに、スラリー管への連結の自由度が大きくな
るとともに、ケーシング内を通過する流体の流れを阻害
しにくくなる。さらにまた、小径な掘進機であっても、
収納されたスラリー管の管路の開閉操作を確実かつ円滑
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
を示す一部が切断された斜視図である。
【図2】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
のカッターヘッドの偏心機構を示す要部拡大断面図であ
る。
【図3】(a)はこの発明の一実施例に係る掘進工法用
の掘進機の緩衝部が連結された状態を示す断面図であ
る。(b)はこの発明の一実施例に係る掘進工法用の掘
進機の掘進部に油圧機構部が連結された状態を示す断面
図である。
【図4】(a)は、この発明の一実施例に係る掘進工法
用の掘進機に用いられる止水弁の開弁時を示す要部拡大
断面図である。(b)は、この発明の一実施例に係る掘
進工法用の掘進機に用いられる止水弁の閉弁時を示す要
部拡大断面図である。
【図5】この発明の他の実施例に係る別の止水弁が組み
込まれた掘進工法の掘進機を示す断面図である。
【図6】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
の発進方法における発進立坑内に掘進部が吊り降ろされ
ている状態を示す説明図である。
【図7】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
の発進方法における発進立坑内に掘進部が吊り降ろされ
て後端部に緩衝部が連結された状態を示す説明図であ
る。
【図8】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
の発進方法における掘進部が土中に発進された状態を示
す説明図である。
【図9】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進機
の発進方法における油圧機構部が発進立坑内に吊り降ろ
されて掘進部の後端に連結された状態を示す説明図であ
る。
【図10】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進
機の発進方法における掘進部と油圧機構部とからなる掘
進機が土中に発進された状態を示す説明図である。
【図11】この発明の一実施例に係る掘進工法用の掘進
機の発進方法におけるヒューム管が推進されている状態
を示す説明図である。
【符号の説明】
2 掘進部、 2b 電動機内装部(駆動手段内装部)、 3 油圧機構部、 4 緩衝部、 5 スラリー管、 5a 立上がりスラリー管(中継スラリー管)、 6 推進ジャッキ機構、 10 掘進工法用の掘進機、 11 ケーシング、 12 弁体収納部、 14 弁体、 22 カッターヘッド、 25 電動機(駆動手段)、 33 油圧ユニット、 51 給水管(水供給側のスラリー管)、 52 排水管(スラリー回収側のスラリー管)、 53,53A 止水弁、 H ヒューム管、 a 通路。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先頭の推進管の先端側に装着され、前端
    に設けられたカッターヘッドの回転と、掘進の進行に合
    わせて順次継ぎ足されるスラリー管による切羽への水の
    供給および切羽からのスラリーの回収と、推進源による
    押圧とによって土中を掘進することで推進管を順次土中
    に埋設施工する掘進工法用の掘進機であって、 前記カッターヘッドを回転させる駆動手段および前記ス
    ラリー管の先部が収納された駆動手段内装部を有する掘
    進部と、 該掘進部に搭載された油圧系に作動油を供給する油圧ユ
    ニット、および、前記掘進部に収納されたスラリー管の
    先部に連通可能なスラリー管の別の部分が収納されて、
    前記掘進部の後端に着脱自在に連結される油圧機構部と
    を備え、 前記駆動手段内装部に収納されたスラリー管の先部の後
    ろ側の部分に止水弁が固定された掘進工法用の掘進機。
  2. 【請求項2】 前記掘進部は、一端が前記スラリー管に
    連結される中継スラリー管を備えた緩衝部が着脱自在に
    装着される請求項1に記載の掘進工法用の掘進機。
  3. 【請求項3】 前記止水弁は、水供給側のスラリー管
    と、スラリー回収側のスラリー管との双方に設けられて
    いる請求項1または請求項2に記載の掘進工法用の掘進
    機。
  4. 【請求項4】 前記止水弁が、 前記スラリー管の先部に連通される通路を画成するケー
    シングと、該ケーシングに設けられた弁体収納部と、該
    弁体収納部に収納された袋状の弁体とを備え、該弁体内
    に圧力流体を供給すると弁体が膨出して通路をふさぐと
    ともに、この圧力流体を排出すると弁体が収縮して通路
    を開通するバルーン弁である請求項1〜請求項3のう
    ち、何れか1項に記載の掘進工法用の掘進機。
  5. 【請求項5】 先頭の推進管の先端側に装着され、前端
    に設けられたカッターヘッドの回転と、掘進の進行に合
    わせて順次継ぎ足されるスラリー管による切羽への水の
    供給および切羽からのスラリーの回収と、推進源による
    押圧とによって土中を掘進することで推進管を順次土中
    に埋設施工する掘進工法用の掘進機の発進方法であっ
    て、 前記カッターヘッドを回転させる駆動手段、および、前
    記スラリー管の先部が収納された駆動手段内装部を有す
    る掘進部と、該掘進部に搭載された油圧系に作動油を供
    給する油圧ユニット、および、前記掘進部に収納された
    スラリー管の先部に連通可能なスラリー管の別の部分が
    収納されて、前記掘進部の後端に着脱自在に連結される
    油圧機構部とを備え、前記駆動手段内装部に収納された
    スラリー管の先部の後ろ側の部分に止水弁が設けられた
    掘進機を使用し、 前記掘進部のみを、前記推進管の埋設位置の始点にあら
    かじめ掘削された立坑から土中に発進し、次いで土中に
    埋設された前記掘進部の後端に油圧機構部を連結して推
    進を継続する掘進工法用の掘進機の発進方法。
  6. 【請求項6】 前記掘進部の発進前に、一端が前記スラ
    リー管に連結される後端立ち上がりの中継スラリー管を
    備えた緩衝部を掘進部の後端に装着し、該緩衝部が装着
    された掘進部が土中に埋設された後、前記緩衝部を取り
    除いて油圧機構部を掘進部に連結する請求項5に記載の
    掘進工法用の掘進機の発進方法。
  7. 【請求項7】 前記掘進部の後端部に油圧機構部を連結
    する際に、前記止水弁を閉止する請求項5または請求項
    6に記載の掘進工法用の掘進機の発進方法。
  8. 【請求項8】 前記止水弁が、水供給側のスラリー管
    と、スラリー回収側のスラリー管との双方に設けられ、
    閉弁時には、前記水供給側のスラリー管およびスラリー
    回収側のスラリー管の両方を閉じる請求項5〜請求項7
    のうち、何れか1項に記載の掘進工法用の掘進機の発進
    方法。
  9. 【請求項9】 前記止水弁は、前記スラリー管の先部に
    連通される通路を画成するケーシングと、該ケーシング
    に設けられた弁体収納部と、該弁体収納部に収納された
    袋状の弁体とを備えたバルーン弁であって、閉弁時には
    該弁体内に圧力流体を供給することで弁体を膨出させて
    通路をふさぎ、開弁時にはこの圧力流体を排出すること
    で弁体を収縮させて通路を開通する請求項5〜請求項8
    のうち、何れか1項に記載の掘進工法用の掘進機の発進
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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