JP4600185B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4600185B2
JP4600185B2 JP2005199820A JP2005199820A JP4600185B2 JP 4600185 B2 JP4600185 B2 JP 4600185B2 JP 2005199820 A JP2005199820 A JP 2005199820A JP 2005199820 A JP2005199820 A JP 2005199820A JP 4600185 B2 JP4600185 B2 JP 4600185B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid pressure
clutch
power
clutches
abnormality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005199820A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007016933A (ja
Inventor
弘淳 遠藤
一夫 河口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005199820A priority Critical patent/JP4600185B2/ja
Publication of JP2007016933A publication Critical patent/JP2007016933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4600185B2 publication Critical patent/JP4600185B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載し前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、車両に搭載され、モータと、油圧により作動する二つのクラッチにより変速段をHiモードかLoモードかのいずれかに切り替えてモータからの動力を変速して出力する変速機とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、二つのクラッチに油圧を作用させるための油圧回路を備え、油圧回路には回路に異常が生じたときにも走行を可能とするフェールセーフバルブが設けられている。例えば、Loモードで特定のソレノイドに断線が生じたときにはクラッチのオンオフの切替を行なうことにより走行モードをLoモードからHiモードに変更してリンプホーム走行を行なっている。
特開2004−278713号公報
このように、油圧回路に異常が生じたときでも係合可能なクラッチを係合することにより走行を可能とすることができるが、油圧回路の構成や異常の種類によっては係合可能なクラッチを係合する際にクラッチに急激に油圧が作用してショックが生じたりクラッチの摩擦材に焼き付きが生じたりする場合があり、これを改善することが望ましい。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、複数のクラッチのうちのいずれの係合も解除される異常が発生したときにも駆動軸に動力を出力できるようにすることを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、複数のクラッチのうちのいずれの係合も解除される異常が発生したときにもその異常に拘わらず係合可能なクラッチを滑らかに係合することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
動力を出力可能な動力手段と、
作動流体の流体圧により作動する複数のクラッチを有し、該複数のクラッチのうちの少なくとも一つのクラッチの係合と該クラッチとは異なるクラッチの係合の解除とを伴って前記動力手段からの動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
流体圧を発生させる流体圧発生手段と、
前記流体圧発生手段により発生された流体圧を前記複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と、
前記流体圧供給手段と前記複数のクラッチとの間に介在し、前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくとも該クラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し、前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側と該クラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段と、
前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記流体圧発生手段を制御し、該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記流体圧発生手段を制御する異常時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、流体圧発生手段により発生された流体圧を複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と複数のクラッチとの間に介在し流体圧供給手段から複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくともそのクラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し流体圧供給手段から複数のクラッチのうち係合するクラッチ側とそのクラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段を備えるものにおいて、複数のクラッチのうちのいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう流体圧発生手段を制御し、流体圧を低減させた後に複数のクラッチのうち異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共にそのクラッチとは異なる他のクラッチ側への流体圧の供給が遮断されるよう流体圧供給手段を制御し、流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう流体圧発生手段を制御する。したがって、複数のクラッチのうちのいずれの係合も解除される異常が発生したときにもその異常に拘わらず係合可能なクラッチを滑らかに係合することができ、動力手段からの動力を駆動軸に伝達することができる。ここで、「作動流体」には、作動油が含まれる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記流体圧発生手段は、少なくとも電力を用いて作動流体を圧送する電動圧送手段を有する圧送手段を備え、前記異常時制御手段は、前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記圧送手段を制御し、該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記電動圧送手段を制御する手段であるものとすることもできる。
少なくとも電動圧送手段を有する圧送手段を備える態様の本発明の動力出力装置において、前記異常時制御手段は、前記圧送手段の運転を停止することにより流体圧を低減させる手段であるものとすることもできる。こうすれば、より適切に流体圧を低減させることができる。
また、少なくとも電動圧送手段を有する圧送手段を備える態様の本発明の動力出力装置において、前記圧送手段により圧送される作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、前記異常時制御手段は、前記検出された作動流体の温度に基づくスウィープ勾配をもって流体圧が増加されるよう前記電動圧送手段を制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記スウィープ勾配は、前記検出された作動流体の温度が低いほど大きくなる傾向に設定される勾配であるものとすることもできる。こうすれば、作動流体の温度に拘わらず異常に拘わらず係合が可能なクラッチを滑らかに係合することができる。
さらに、少なくとも電動圧送手段を有する圧送手段を備える態様の本発明の動力出力装置において、前記異常時制御手段は、前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力を作用させる準備が所定時間に亘って実行されるよう前記電動圧送手段を制御し、該準備が終了した以降に前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチの係合力の増加が開始されるよう前記電動圧送手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、異常に拘わらず係合が可能なクラッチの係合をより迅速に行なうことができる。ここで、「準備」には、電動圧送手段から圧送する作動流体の量を一時的に増加させるファストフィルが含まれる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記圧送手段により圧送される作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、前記所定時間は、前記検出された作動流体の温度に基づいて設定される時間であるものとすることもできる。この場合、前記所定時間は、前記検出された作動流体の温度が低いほど長くなる傾向に設定される時間であるものとすることもできる。こうすれば、作動流体の温度に拘わらずクラッチに係合力を作用させる準備をより適切に実行することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記異常時制御手段は、前記駆動軸が回転されている最中に機能する手段であるものとすることもできる。こうすれば、異常に拘わらず係合が可能なクラッチを滑らかに係合するときの効果が更に顕著となる。
また、本発明の動力出力装置において、前記動力手段は、電動機であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記動力伝達手段は、変更可能な変速比をもって動力を伝達する変速伝達手段であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、特に、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、動力を出力可能な動力手段と、作動流体の流体圧により作動する複数のクラッチを有し該複数のクラッチのうちの少なくとも一つのクラッチの係合と該クラッチとは異なるクラッチの係合の解除とを伴って前記動力手段からの動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、流体圧を発生させる流体圧発生手段と、前記流体圧発生手段により発生された流体圧を前記複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と、前記流体圧供給手段と前記複数のクラッチとの間に介在し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくとも該クラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側と該クラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段と、前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき流体圧が低減されるよう前記流体圧発生手段を制御し該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記流体圧発生手段を制御する異常時制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、複数のクラッチのうちのいずれの係合も解除される異常が発生したときにもその異常に拘わらず係合可能なクラッチを滑らかに係合して駆動軸に動力を出力することができる効果などを奏することができる。ここで、「異常時制御手段」は、走行している最中に機能するものとすることもできる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
動力を出力可能な動力手段と、作動流体の流体圧により作動する複数のクラッチを有し該複数のクラッチのうちの少なくとも一つのクラッチの係合と該クラッチとは異なるクラッチの係合の解除とを伴って前記動力手段からの動力を駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、流体圧を発生させる流体圧発生手段と、前記流体圧発生手段により発生された流体圧を前記複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と、前記流体圧供給手段と前記複数のクラッチとの間に介在し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくとも該クラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側と該クラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記流体圧発生手段を制御し、
(b)該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、
(c)該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記流体圧発生手段を制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、流体圧発生手段により発生された流体圧を複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と複数のクラッチとの間に介在し流体圧供給手段から複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくともそのクラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し流体圧供給手段から複数のクラッチのうち係合するクラッチ側とそのクラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段を備えるものにおいて、複数のクラッチのうちのいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう流体圧発生手段を制御し、流体圧を低減させた後に複数のクラッチのうち異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共にそのクラッチとは異なる他のクラッチ側への流体圧の供給が遮断されるよう流体圧供給手段を制御し、流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう流体圧発生手段を制御する。したがって、複数のクラッチのうちのいずれの係合も解除される異常が発生したときにもその異常に拘わらず係合可能なクラッチを滑らかに係合することができ、動力手段からの動力を駆動軸に伝達することができる。ここで、「作動流体」には、作動油が含まれる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力とを統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達可能に構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
ブレーキB1,B2は、図3に例示する油圧回路100からの油圧によりオンオフされる。油圧回路100は、図示するように、エンジン22からの動力によりオイルを圧送する機械式ポンプ102と、内蔵されたモータ103からの動力によりオイルを圧送する電動ポンプ104と、機械式ポンプ102や電動ポンプ104から圧送されたオイルの圧力(ライン圧)の高低を切替可能な3ウェイソレノイド105およびプレッシャーコントロールバルブ106と、ライン圧を調節可能な圧力をもってブレーキB1,B2側に個別に供給可能なリニアソレノイド110,111およびコントロールバルブ112,113と、ライン圧を降圧して3ウェイソレノイド105やリニアソレノイド110,111の入力ポートに供給するモジュレータバルブ108と、コントロールバルブ112,113とブレーキB1,B2との間の油路に各々設けられコントロールバルブ112,113のいずれか一方から油圧が供給されるときには対応するブレーキへの油路を開放すると共に他方のブレーキへの油路を遮断しコントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給される異常時にはブレーキB1,B2への油路の両方を遮断するフェールセーフバルブ114,115と、フェールセーフバルブ114,115とブレーキB1,B2との間の油路に設けられたアキュムレータ116,117と、から構成されている。
図4は、フェールセーフバルブ114,115の動作の一例を示す説明図である。図4(a)はコントロールバルブ112から油圧が供給されると共にコントロールバルブ113からの油圧の供給が遮断される正常時の動作を示し、図4(b)はコントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給される異常時の動作を示す。フェールセーフバルブ114,115は、図示するように、スプリング114a,115aによりスプール114b,115bが図中下方に付勢されており、スプール114b,115bを図中上方に移動させる方向にモジュレータバルブ108からの油圧が導入され、スプール114bを図中下方に移動させる方向にコントロールバルブ113からの油圧が導入され、スプール115bを図中下方に移動させる方向にコントロールバルブ112からの油圧が導入されるようになっている。したがって、コントロールバルブ112から油圧が供給されると共にコントロールバルブ113からの油圧の供給が遮断されるときには、図4(a)に示すように、フェールセーフバルブ114ではモジュレータバルブ108からの油圧がスプリング114aの付勢力に打ち勝ってスプール114bを図中上方に移動させてコントロールバルブ112とブレーキB1との間の油路を開放し、フェールセーフバルブ115ではコントロールバルブ112からの油圧とスプリング115aの付勢力とによりモジュレータバルブ108からの油圧に打ち勝ってスプール115bを図中下方に移動させてコントロールバルブ113とブレーキB2との間の油路を遮断する。同様に、コントロールバルブ112からの油圧の供給が遮断されると共にコントロールバルブ113からの油圧が供給されるときには、フェールセーフバルブ114ではコントロールバルブ112とブレーキB1との間の油路を遮断し、フェールセーフバルブ115ではコントロールバルブ113とブレーキB2との間の油路を開放する。一方、コントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給される異常が発生すると、図4(b)に示すように、フェールセーフバルブ114ではコントロールバルブ113からの油圧によりスプール114bを図中下方に移動させてコントロールバルブ112とブレーキB1との油路を遮断すると共にフェールセーフバルブ115ではコントロールバルブ112からの油圧によりスプール115bを図中下方に移動させてコントロールバルブ113とブレーキB2との油路を遮断する。これにより、ブレーキB1,B2が共にオフとされてモータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとが切り離されることになる。前述したように、ブレーキB1,B2が共にオンとされる状態はモータMG2の回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなりこれが走行しているときに発生すると車両に大きなショックが生じたりブレーキB1,B2に焼き付きを生じさせたりするから、何らかの異常によりコントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給されるときでもフェールセーフバルブ114,115によりブレーキB1,B2が共にオンされるのを防止しているのである。なお、コントロールバルブ112,113の両方から油圧の供給が遮断される異常が発生したときには、ライン圧PLはコントロールバルブ112,113で遮断されるから、この場合もブレーキB1,B2が共にオフとされることになる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,油圧回路100におけるライン圧によりオンオフする油圧スイッチ120からのライン圧PL,機械式ポンプ102や電動ポンプ104により圧送されたオイルの温度を検出する温度センサ121からの油温To,ブレーキB1に作用する油圧によりオンオフする油圧スイッチ122からのブレーキ圧Pb1,ブレーキB2に作用する油圧によりオンオフする油圧スイッチ123からのブレーキ圧Pb2などが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、3ウェイソレノイド105やリニアソレノイド110,111への駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、走行しているときに変速機60のブレーキB1,B2が共にオフとされる異常が発生した際の動作について説明する。図5は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるブレーキ異常時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。ここで、走行しているときにブレーキB1,B2が共にオフとされる異常が発生したか否かの判定は、例えば、車速センサ88からの車速Vが所定車速(例えば時速20km)以上か否か、回転位置検出センサ44からのモータMG2の回転子の回転位置に基づいて演算されるモータMG2の回転数Nm2をリングギヤ軸32aの回転数Nrで徐したもの(Nm2/Nr)が変速機60が通常とり得るギヤ比の範囲を超えているか否かを判定することにより行なわれる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。
ブレーキ異常時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、油圧スイッチ120からのライン圧PLや油圧スイッチ122,123からのブレーキ圧Pb1,Pb2,変速機60の変速状態フラグFなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、変速状態フラグFは、変速機60におけるLoギヤからHiギヤへの切替が開始されたときに値1が設定されHiギヤからLoギヤへの切替が開始されたときに値0が設定されてRAM76の所定領域に書き込まれたものを読み込むことにより入力するものとした。したがって、変速状態フラグFは、LoギヤからHiギヤへの切替が開始されると、Hiギヤへの切替が完了し次にHiギヤからLoギヤへの切替が開始されるまでに亘って値1が設定され、HiギヤからLoギヤへの切替が開始されると、Loギヤへの切替が完了し次にLoギヤからHiギヤへの切替が開始されるまでに亘って値0が設定されることになる。
こうしてデータを入力すると、ライン圧PLがONでブレーキB1,B2のブレーキ圧Pb1,Pb2が共にOFFとなっている否かを判定する(ステップS110,S120)。この判定は、ブレーキB1,B2が共にオフとされる異常がライン圧PLが抜けたことにより生じたものであるかライン圧PLは抜けていないがブレーキ圧Pb1,Pb2が抜けたことにより生じたものであるかを判定するためのものであり、ブレーキB1,B2の切替が可能か否かを判定するものとなる。ライン圧PLがOFFと判定されたりブレーキ圧Pb1がONと判定されたりブレーキ圧Pb2がONと判定されたときには、ブレーキB1,B2の切替を行なうことができないと判断して、そのまま本ルーチンを終了する。この場合、モータMG2からの動力はリングギヤ軸32aには伝達されないが、モータMG2を停止してモータMG1でトルク反力を受け止めながらエンジン22からの動力を直接リングギヤ軸32aに出力することにより走行することはできる。
一方、ライン圧PLがONでブレーキB1,B2のブレーキ圧Pb1,Pb2が共にOFFと判定されると、エンジン22の運転を停止すると共に(ステップS130)、電動ポンプ104の運転を停止し(ステップS140)、油圧スイッチ120からのライン圧PLがOFF即ちライン圧PLが抜けるまで待つ処理を行なう(ステップS150,S160)。なお、実施例では、油圧スイッチ120からのライン圧PLに基づいてライン圧が抜けたか否かを判定したが、ライン圧PLが抜けるのに必要な時間を予め実験などにより求めておき、その時間が経過するまで待つものとしてもよい。
ライン圧PLが抜けると、ステップS100で入力した変速状態フラグFを調べ(ステップS170)、変速状態フラグFが値1と判定されたときには変速機60がHiギヤの状態かLoギヤからHiギヤに切替を行なっている最中すなわちブレーキB1がオンされている状態かブレーキB1がオフからオンされようとしている最中で異常が発生したと判断し、ブレーキB1からブレーキB2への切替を行なうためにブレーキB1側のリニアソレノイド110が0%のデューティ比で駆動されると共にブレーキB2側のリニアソレノイド111が100%のデューティ比で駆動されるようリニアソレノイド110,111を制御し(ステップS180)、変速状態フラグFが値0と判定されたときには変速機60がLoギヤの状態かHiギヤからLoギヤに切替を行なっている最中すなわちブレーキB2がオンされている状態かブレーキB2がオフからオンされようとしている最中で異常が発生したと判断し、ブレーキB2からブレーキB1への切替を行なうためにブレーキB1側のリニアソレノイド110が100%のデューティ比で駆動されると共にブレーキB2側のリニアソレノイド111が0%のデューティ比で駆動されるようリニアソレノイド110,111を制御する(ステップS190)。いま、コントロールバルブ112の油路が開放されコントロールバルブ113の油路が遮断されてブレーキB1がオンでブレーキB2がオフされている状態から何らかの異常によりコントロールバルブ113の油路が開放された場合を考える。この場合、上述したように、フェールセーフバルブ114,115の作動によりコントロールバルブ112,113とブレーキB1,B2との間の各油路が共に遮断されるから、ライン圧PLはフェールセーフバルブ114,115で遮断された状態となりブレーキB1,B2は共にオフとされる。この状態でコントロールバルブ112の油路を遮断してライン圧PLを維持したままブレーキB1からブレーキB2への切替を直接に行なおうとすると、コントロールバルブ112の油路の遮断に伴ってフェールセーフバルブ115が開放し、コントロールバルブ113の油路は異常により開放されているためにライン圧PLがコントロールバルブ113とフェールセーフバルブ115とを介して直接ブレーキB2に作用し、大きなショックが発生したりブレーキB2の摩擦材が焼き付いたりする場合がある。ブレーキB1,B2が共にオフとされる異常が発生したときに一旦ライン圧PLを抜くのは、コントロールバルブ112,113の油路の一方が開放され他方が遮断されている状態から何らかの異常によりコントロールバルブ112,113の油路が共に開放された状態でブレーキB1,B2の切替を行なうときにブレーキにライン圧PLが直接作用することにより大きなショックが生じるのを防止するためである。
こうしてリニアソレノイド110,111を制御すると、図6に例示する電動ポンプ駆動制御ルーチンの実行を開始することにより電動ポンプ104の駆動制御を開始し(ステップS200)、ブレーキB1,B2の切替が完了するまで待って(ステップS210)、本ルーチンを終了する。ここで、ブレーキB1,B2の切替が完了したか否かは、ブレーキB1,B2の切替後の変速機60のギヤ比とリングギヤ軸32aの回転数Nrとに基づいてモータMG2の切替後の回転数Nm2*を推定し、推定した切替後の回転数Nm2*と回転位置検出センサ44からのモータMG2の回転子の回転位置に基づいて演算されるモータMG2の回転数Nm2とを比較することにより行なうことができる。これにより、ブレーキB1,B2の切替によりモータMG1の回転軸48とリングギヤ軸32aとが再び接続され、モータMG2からの動力をリングギヤ軸32aに出力して走行することが可能となる。なお、ブレーキB1,B2の切替が完了しないまま所定時間が経過すると(ステップS220))、ブレーキB1,B2の切替が不能な他の異常が発生していると判断し、ブレーキB1,B2の切替を完了させることなく本ルーチンを終了する。ここで、所定時間は、実施例では、ブレーキB1,B2の切替に通常要する時間よりも長い時間として予め定めたものを用いるものとした。
次に、ステップS200における図6に例示する電動ポンプ駆動制御ルーチンについて説明する。電動ポンプ駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、油温センサ121からの油温Toを入力し(ステップS300)、入力した油温Toに基づいてファストフィル時間Tfを設定する(ステップS310)。ここで、ファストフィルは、ブレーキに摩擦材が当節するまでの隙間を埋めるためにパックにオイルを急速充填する処理であり、その実行時間としてのファストフィル時間Tfの設定は、実施例では、油温Toとファストフィル時間Tfとの関係を予め求めてマップとして記憶しておき、油温Toが与えられると記憶しているマップから対応するファストフィル時間Tfを導出することにより行なうものとした。このマップの一例を図7に示す。ファストフィル時間Tfは、図示するように、油温Toが低いほどオイルの粘性が大きくなって電動ポンプ104からオイルが圧送されにくくなることから長くなる傾向に設定するものとした。ファストフィル時間Tfを設定すると、設定したファストフィル時間Tfが経過するまで、ファストフィル用回転数N1を電動ポンプ104の目標回転数Nopmに設定すると共に設定した目標回転数Nopmで回転駆動するよう電動ポンプ104を駆動制御する(ステップS320〜S340)。ここで、ファストフィル用回転数N1は、実施例では、電動ポンプ104がその上限回転数近傍かそれよりも若干低い回転数で回転駆動されるよう予め定めたものを用いるものとした。
ファストフィル時間Tfが経過すると、次に、イナーシャ相が開始されるまで、ファストフィル用回転数N1よりも低い低圧待機用回転数N2を電動ポンプ104の目標回転数Nopmに設定すると共に設定した目標回転数Nopmで回転駆動するよう電動ポンプ104を駆動制御する(ステップS350〜S370)。ここで、イナーシャ相が開始されたか否かは、モータMG2の回転数の変化(例えば、モータMG2の現在の回転数Nm2と前回の回転数との差)に基づいて判定することができる。イナーシャ相が開始されると、ステップS300で入力した油温Toに基づいてスウィープ勾配ΔNを設定する(ステップS380)。ここで、スウィープ勾配ΔNの設定は、実施例では、油温Toとスウィープ勾配ΔNとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、油温Toが与えられると記憶しているマップからスウィープ勾配ΔNを導出することにより行なうものとした。このマップの一例を図8に示す。スウィープ勾配ΔNは、図示するように、油温Toが低いほどオイルの粘性が大きくなって電動ポンプ104からオイルが圧送されにくくなることから勾配が急になる(値が大きくなる)傾向に設定するものとした。スウィープ勾配ΔNを設定すると、設定したスウィープ勾配ΔNを目標回転数Nopmの前回値(前回Nopm)に加えたものを新たな目標回転数Nopmに設定すると共に設定した目標回転数Nopmで回転駆動するよう電動ポンプ104を駆動制御する処理を(ステップS390,S400)、ブレーキB1,B2の切替が完了するまで繰り返し実行し(ステップS410)、ブレーキB1,B2の切替が完了したときに本ルーチンを終了する。
図9に、ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1,B2が共にオフとされたときのライン圧PLとリニアソレノイド110,111のデューティ比と電動ポンプ104の目標回転数Nopmの時間変化の様子を示す説明図を示す。ブレーキB1,B2が共にオフとされると、エンジン22の運転を停止すると共に電動ポンプ104の運転を停止して一旦ライン圧PLを抜いてから、リニアソレノイド110を0%のデューティ比で駆動とすると共にリニアソレノイド111を100%のデューティ比で駆動することによりブレーキB1に対応するコントロールバルブ112の油路を遮断すると共にブレーキB2に対応するコントロールバルブ113の油路を開放する。このとき、ライン圧PLを抜いているから、何らかの異常によりコントロールバルブ112,113の油路が共に開放されていたとしてもコントロールバルブ112の油路の遮断によりフェールセーフバルブ114の油路が開放されてライン圧PLがブレーキB2に直接作用するものとしても大きなショックが生じることはない。そして、電動ポンプ104により油温Toに基づくファストフィル時間Tfでファストフィルを実行すると共に油温Toに基づくスウィープ勾配ΔNをもって電動ポンプ104からオイルを圧送することにより係合力を徐々に増加させながらブレーキB1からブレーキB2への切替を行なう。これにより、コントロールバルブ112,113の油路が共に開放される異常が発生したときでも使用可能な変速段にスムーズに移行することができる。なお、ブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態から異常によりブレーキB1,B2が共にオフとされたときでも同様の動作によりブレーキB2からブレーキB1への切替を行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、コントロールバルブ112,113とブレーキB1,B2との間の油路に各々設けられてコントロールバルブ112,113のいずれか一方から油圧が供給されるときには対応するブレーキへの油路を開放すると共に他方のブレーキへの油路を遮断しコントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給される異常時にはブレーキB1,B2への油路の両方を遮断するフェールセーフバルブ114,115を設けた油圧回路100を備えるものにおいて、走行しているときにブレーキB1,B2が共にオフとされる異常が発生したときには、機械式ポンプ102の運転と電動ポンプ104の運転とを停止させることにより一旦ライン圧PLを抜き、ライン圧PLを抜いた後にコントロールバルブ112,113の油路の切替が行なわれるようリニアソレノイド110,111を制御し、その後にライン圧PLが徐々に大きくなるよう電動ポンプ104を駆動制御してブレーキB1,B2の切替を行なうから、何らかの異常によりコントロールバルブ112,113の両方から油圧が供給される異常が発生したときでもブレーキB1,B2の切替を滑らかに行なうことができる。しかも、電動ポンプ104により圧送されるオイルの温度(油温To)に基づいてファストフィル時間Tfを設定したりスウィープ勾配ΔNを設定したりして電動ポンプ104を駆動制御するから、油温Toに拘わらずブレーキB1,B2の切替を適切に行なうことができる。
ここで、実施例では、モータMG2が動力手段に相当し、変速機60が動力伝達手段に相当し、機械式ポンプ102や電動ポンプ104,3ウェイソレノイド105,プレッシャーコントロールバルブ106が流体圧発生手段に相当し、フェールセーフバルブ114,115が自動開放遮断手段に相当し、図5に例示するブレーキ異常時制御ルーチンや図6に例示する電動ポンプ駆動制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が異常時制御手段に相当する。
実施例のハイブリッド自動車20では、油温Toに基づいてファストフィル時間Tfを設定すると共にスウィープ勾配ΔNを設定するものとしたが、油温Toに基づいてファストフィル時間Tfを設定すると共にスウィープ勾配ΔNを所定値として用いるものとしてもよいし、ファストフィル時間Tfを所定値として用いると共に油温Toに基づいてスウィープ勾配ΔNを設定するものとしてもよいし、ファストフィル時間Tfを所定値として用いると共にスウィープ勾配ΔNを所定値として用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキB1,B2が共にオフとされる異常が検出されたときに、一旦ライン圧PLを抜いてからコントロールバルブ112,113の油路の切替を行なうと共に再びライン圧PLを増加させることによりブレーキB1,B2の切替を行なうものとしたが、ブレーキB1,B2が共にオフとされる異常には、コントロールバルブ112,113の油路の一方が開放され他方が遮断されている状態からコントロールバルブ112,113の油路が共に開放される異常の他にコントロールバルブ112,113の油路の一方が開放され他方が遮断されている状態からコントロールバルブ112,113の油路が共に遮断される異常が含まれ、コントロールバルブ112,113の油路が共に遮断される異常によりブレーキB1,B2が共にオフとされた場合には、ライン圧PLを維持したままであってもコントロールバルブ112,113のうち異常が発生する前に油路が遮断されていたコントロールバルブの油路を徐々に開放するものとすればライン圧PLがブレーキに直接作用することはないから、ライン圧PLを維持したまま直接ブレーキB1,B2の切替を行なうものとしてもよい。この場合、例えば、コントロールバルブ112,113とフェールセーフバルブ114,115の間の油路に油圧スイッチを各々設け、油圧スイッチが共にオンのときにはコントロールバルブ112,113の油路が共に開放される異常が発生していると判断して図5のブレーキ異常時制御ルーチンを実行し、油圧スイッチの共にオフのときにはコントロールバルブ112,113の油路が共に遮断される異常が発生していると判断してライン圧PLを維持したまま直接コントロールバルブ112,113の油路の切替を行なうことによりブレーキB1,B2の切替を行なうものとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、内燃機関からの動力と電動機からの動力とを駆動軸に出力可能なハイブリッド自動車に適用したが、こうしたハイブリッド自動車に限定されるものではなく、電動機からの動力だけで走行する通常の電気自動車にも適用することができる。また、内燃機関からの動力と電動機からの動力とを駆動軸に出力する動力出力装置を自動車以外の車両や航空機,船舶などに搭載するものとしてもよいし、動力出力装置の形態や動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施形態としての動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 油圧回路100の構成の概略を示す構成図である。 フェールセーフバルブ114,115の作動の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるブレーキ異常時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電動ポンプ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 油温Toとファストフィル時間Tfとの関係の一例を示すマップである。 油温Toとスウィープ勾配ΔNとの関係の一例を示すマップである。 ブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1,B2が共にオフとされたときのライン圧PLとリニアソレノイド110,111のデューティ比と電動ポンプ104の目標回転数Nopmの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61 サンギヤ、62 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64 キャリア、65 サンギヤ、66 リングギヤ、67 ピニオンギヤ、68 キャリア、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 油圧回路、102 機械式ポンプ、103 モータ、104 電動ポンプ、105 3ウェイソレノイド、106 プレッシャコントロールバルブ、108 モジュレータバルブ、110,111 リニアソレノイド、112,113 コントロールバルブ、114,115 フェールセーフバルブ、116,117 アキュムレータ、121 温度センサ、120,122,123 油圧スイッチ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (14)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    動力を出力可能な動力手段と、
    作動流体の流体圧により作動する複数のクラッチを有し、該複数のクラッチのうちの少なくとも一つのクラッチの係合と該クラッチとは異なるクラッチの係合の解除とを伴って前記動力手段からの動力を前記駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、
    流体圧を発生させる流体圧発生手段と、
    前記流体圧発生手段により発生された流体圧を前記複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と、
    前記流体圧供給手段と前記複数のクラッチとの間に介在し、前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくとも該クラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し、前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側と該クラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段と、
    前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記流体圧発生手段を制御し、該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記流体圧発生手段を制御する異常時制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記流体圧発生手段は、少なくとも電力を用いて作動流体を圧送する電動圧送手段を有する圧送手段を備え、
    前記異常時制御手段は、前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記圧送手段を制御し、該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記電動圧送手段を制御する手段である
    動力出力装置。
  3. 前記異常時制御手段は、前記圧送手段の運転を停止することにより流体圧を低減させる手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 請求項2または3記載の動力出力装置であって、
    前記圧送手段により圧送される作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記異常時制御手段は、前記検出された作動流体の温度に基づくスウィープ勾配をもって流体圧が増加されるよう前記電動圧送手段を制御する手段である
    動力出力装置。
  5. 前記スウィープ勾配は、前記検出された作動流体の温度が低いほど大きくなる傾向に設定される勾配である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 前記異常時制御手段は、前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力を作用させる準備が所定時間に亘って実行されるよう前記電動圧送手段を制御し、該準備が終了した以降に前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチの係合力の増加が開始されるよう前記電動圧送手段を制御する手段である請求項2ないし5いずれか記載の動力出力装置。
  7. 請求項6記載の動力出力装置であって、
    前記圧送手段により圧送される作動流体の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記所定時間は、前記検出された作動流体の温度に基づいて設定される時間である
    動力出力装置。
  8. 前記所定時間は、前記検出された作動流体の温度が低いほど長くなる傾向に設定される時間である請求項7記載の動力出力装置。
  9. 前記準備は、前記電動圧送手段から圧送する作動流体の量を一時的に増加させるファストフィルである請求項6ないし8いずれか記載の動力出力装置。
  10. 前記異常時制御手段は、前記駆動軸が回転されている最中に機能する手段である請求項1ないし9いずれか記載の動力出力装置。
  11. 前記動力手段は、電動機である請求項1ないし10いずれか記載の動力出力装置。
  12. 前記動力伝達手段は、変更可能な変速比をもって動力を伝達する変速伝達手段である請求項1ないし11いずれか記載の動力出力装置。
  13. 請求項1ないし12いずれか記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸に車軸が接続されて走行する自動車。
  14. 動力を出力可能な動力手段と、作動流体の流体圧により作動する複数のクラッチを有し該複数のクラッチのうちの少なくとも一つのクラッチの係合と該クラッチとは異なるクラッチの係合の解除とを伴って前記動力手段からの動力を駆動軸に伝達可能な動力伝達手段と、流体圧を発生させる流体圧発生手段と、前記流体圧発生手段により発生された流体圧を前記複数のクラッチ側に個別に供給可能な流体圧供給手段と、前記流体圧供給手段と前記複数のクラッチとの間に介在し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側のみに流体圧が供給されるときには少なくとも該クラッチ側における流体圧の伝達を自動的に開放し前記流体圧供給手段から前記複数のクラッチのうち係合するクラッチ側と該クラッチとは異なるクラッチ側とに流体圧が供給されるときには前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除されるよう流体圧の伝達を自動的に遮断する自動開放遮断手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記複数のクラッチのうちいずれのクラッチの係合も解除される異常が発生したとき、流体圧が低減されるよう前記流体圧発生手段を制御し、
    (b)該流体圧を低減させた後に前記複数のクラッチのうち前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチ側への流体圧の供給が開放されると共に該クラッチとは異なる他のクラッチへの流体圧の供給が遮断されるよう前記流体圧供給手段を制御し、
    (c)該流体圧供給手段を制御した後に流体圧が徐々に増加されて前記異常に拘わらず係合が可能なクラッチに係合力が作用するよう前記流体圧発生手段を制御する
    動力出力装置の制御方法。
JP2005199820A 2005-07-08 2005-07-08 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Active JP4600185B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199820A JP4600185B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005199820A JP4600185B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007016933A JP2007016933A (ja) 2007-01-25
JP4600185B2 true JP4600185B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=37754264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005199820A Active JP4600185B2 (ja) 2005-07-08 2005-07-08 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4600185B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010079622A1 (ja) 2009-01-09 2010-07-15 トヨタ自動車株式会社 車両用油圧制御回路の制御装置
JP5772627B2 (ja) 2012-01-26 2015-09-02 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 車両用伝動装置
CN114427580B (zh) * 2020-10-29 2024-02-23 广州汽车集团股份有限公司 一种同步器充油自适应控制方法及装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5997349A (ja) * 1982-11-22 1984-06-05 Aisin Seiki Co Ltd 自動変速機の保護装置
JPS59146749A (ja) * 1983-02-10 1984-08-22 Osaka Fuji Kogyo Kk 薄金属板の研摩方法
JPH10299880A (ja) * 1997-04-25 1998-11-13 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2000065203A (ja) * 1998-08-25 2000-03-03 Nissan Motor Co Ltd 直動バルブ式自動変速機のインターロック防止装置
JP2001080390A (ja) * 1999-09-16 2001-03-27 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2004278713A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Toyota Motor Corp ハイブリッド車の制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5997349A (ja) * 1982-11-22 1984-06-05 Aisin Seiki Co Ltd 自動変速機の保護装置
JPS59146749A (ja) * 1983-02-10 1984-08-22 Osaka Fuji Kogyo Kk 薄金属板の研摩方法
JPH10299880A (ja) * 1997-04-25 1998-11-13 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2000065203A (ja) * 1998-08-25 2000-03-03 Nissan Motor Co Ltd 直動バルブ式自動変速機のインターロック防止装置
JP2001080390A (ja) * 1999-09-16 2001-03-27 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2004278713A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Toyota Motor Corp ハイブリッド車の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007016933A (ja) 2007-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4038214B2 (ja) 駆動装置およびこれを搭載する動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法
JP4265570B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置、動力出力装置の制御方法
JP4680075B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御装置、動力出力装置の制御方法
JP4365431B2 (ja) 車両および駆動装置並びにそれらの制御方法
JP5716633B2 (ja) 車両の制御装置
JP5737136B2 (ja) 車両の制御装置
WO2014091588A1 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2018086974A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US10676076B2 (en) Control device of vehicle
JP4220969B2 (ja) 駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法
JP4217234B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP4600185B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2008114802A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP2006306213A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2005319894A (ja) 動力出力システムおよびこれを搭載する自動車
JP2007203875A (ja) 動力出力装置や駆動装置およびこれらの制御方法並びに車両
JP4020888B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法,駆動装置
JP2008049825A (ja) 車両および駆動装置並びにこれらの制御方法
JP2006316848A (ja) 電動車両およびその制御方法
JP4054009B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに駆動装置、動力出力装置における変速制御方法
JP4789638B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両
JP4277823B2 (ja) 電動車両およびその制御方法
JP4217236B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法
JP2007210502A (ja) 動力出力装置およびその制御方法や駆動装置並びに車両
JP2006014387A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100913

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4600185

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3