JP4220969B2 - 駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法 - Google Patents

駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法に関する。
従来、この種の駆動装置としては、バッテリからの電力を用いて動力を入出力可能なモータと、電動機から出力された動力を変速して駆動軸に伝達可能な変速機とを備える電気自動車に搭載されたものが提案されている(特許文献1参照)。この装置では、バッテリの残容量がわずかであることを検出したときには、モータからの出力を制限すると共にモータの回転数が大きくなるよう変速機の変速比を変更することにより、駆動軸の駆動状態を変化させてバッテリの残存容量がわずかであることを運転者に明確に知らせ、バッテリの過放電を抑制することができる、としている。
特開平9−294302号公報
しかしながら、上述の駆動装置では、変速機の変速比を変更する際、モータの状態やバッテリの状態によってはモータの駆動による変速比の変更の前後におけるモータの回転数の同期を伴って変速比を変更することができない場合が生じる。ところで、こうした駆動装置において、変速機の変速比を変更する際には変速ショックをできるだけ小さくするのが望ましい。
本発明の駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法は、電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができないときでも変速比の変更を可能とすることを目的の一つとする。また、本発明の駆動装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法は、変速機の変速比を変更する際のショックを抑制することを目的の一つとする。
本発明の駆動装置およびこれを搭載する動力出力装置並びにこれを搭載する自動車,駆動装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
少なくとも充放電可能な蓄電手段からの電力を用いて駆動軸を駆動する駆動装置であって、
前記蓄電手段からの電力を用いて動力の入出力が可能な電動機と、
複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたとき、前記電動機の状態と前記蓄電手段の状態とに基づいて該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができる通常変速時には該電動機の回転数の同期を伴って該変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御し、前記電動機の状態と前記蓄電手段の状態とに基づいて該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができない非通常変速時には前記クラッチの半係合を用いて該変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、複数のクラッチの係合状態を変更することにより電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段の変速比の変更が指示された際には、電動機の状態と蓄電手段の状態とに基づいて電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができる通常変速時には電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比が変更されるよう電動機と変速伝達手段とを制御し、電動機の状態と蓄電手段の状態とに基づいて電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができない非通常変速時にはクラッチの半係合を用いて変速伝達手段の変速比が変更されるよう電動機と変速伝達手段とを制御する。したがって、電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができないときでもクラッチを半係合することにより変速伝達手段の変速比を変更することができる。ここで、「電動機の回転数の同期」は、電動機の駆動による変速伝達手段の変速比の変更の前後における電動機の回転数の同期を意味する。また、「前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたとき」は、前記電動機の回転数が大きくなるよう前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたときとしたり、前記電動機の回転数が小さくなるよう前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたときとしたりしてもよい。さらに、「クラッチ」には、2つの回転系を接続する通常のクラッチが含まれる他、一つの回転系をケースなどの非回転系に固定するブレーキも含まれる。
こうした本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記電動機の入出力制限により該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができないときを前記非通常変速時として該変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできるし、前記蓄電手段の出力制限により前記電動機の回転数の同期に必要な電力を該蓄電手段に入出力することができないときを前記非通常変速時として該変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできる。後者の場合、前記制御手段は、前記非通常変速時には前記蓄電手段の入出力制限の程度が大きいほど大きくなる傾向の係合力をもって前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の入出力制限の程度に応じた係合力をもって変速比を変更することができる。また、前記制御手段は、前記非通常変速時には前記蓄電手段の入出力制限の範囲内で前記電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、変速比を変更する際のショックを抑制することができる。
さらに、本発明の駆動装置において、前記制御手段は、前記非通常変速時には前記複数のクラッチのうちオンするクラッチの半係合とオフするクラッチの半係合とを伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、変速比を変更する際のショックをより抑制することができる。この場合、前記制御手段は、前記オンするクラッチの第1の係合力の半係合と前記オフするクラッチの前記第1の係合力より小さな第2の係合力の半係合とを伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
充放電可能な蓄電手段と、
該蓄電手段からの電力を用いて前記駆動軸を駆動する上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置と、
前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する手段である
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、上述のいずれかの態様の本発明の駆動装置を搭載するから、本発明の駆動装置が奏する効果、例えば、電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができないときでも変速伝達手段の変速比を変更することができる効果などと同様の効果を奏することができる。もとより、要求駆動力に基づく駆動力を駆動軸に出力することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段であるものとすることもできるし、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を備えるから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができないときでも変速伝達手段の変速比を変更することができる効果や要求駆動力に対応することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の駆動装置の制御方法は、
充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段からの電力を用いて動力の入出力が可能な電動機と、複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える駆動装置の制御方法であって、
前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたとき、前記電動機の状態と前記蓄電手段の状態とに基づいて該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができる通常変速時には該電動機の回転数の同期を伴って該変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御し、前記電動機の状態と前記蓄電手段の状態とに基づいて該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができない非通常変速時には前記クラッチの半係合を用いて該変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御する
ことを要旨とする。
この本発明の駆動装置の制御方法によれば、複数のクラッチの係合状態を変更することにより電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段の変速比の変更が指示された際には、電動機の状態と蓄電手段の状態とに基づいて電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができる通常変速時には電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比が変更されるよう電動機と変速伝達手段とを制御し、電動機の状態と蓄電手段の状態とに基づいて電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができない非通常変速時にはクラッチの半係合を用いて変速伝達手段の変速比が変更されるよう電動機と変速伝達手段とを制御するから、電動機の回転数の同期を伴って変速伝達手段の変速比を変更することができないときでもクラッチを半係合することにより変速伝達手段の変速比を変更することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して変速機60がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達できるよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
ブレーキB1,B2は、図3に例示する油圧回路100からの油圧によりオンオフされるようになっている。油圧回路100は、図示するように、エンジン22の回転により駆動する機械式ポンプ100と、図示しない電動モータを内蔵する電動ポンプ104と、機械式ポンプ102または電動ポンプ104からのライン油圧PLを調整する3ウェイソレノイド106およびプレッシャーコントロールバルブ108と、ライン油圧PLを用いてブレーキB1,B2の係合力を調整するリニアソレノイド110,111やコントロールバルブ112,113,アキュムレータ114,115とから構成されている。油圧回路100では、ライン油圧PLは、3ウェイソレノイド106を駆動してプレッシャーコントロールバルブ108の開閉を制御することにより調整することができ、ブレーキB1,B2の係合力は、リニアソレノイド110,111に印加する電流を制御することによりライン油圧PLをブレーキB1,B2に伝達させるコントロールバルブ112,113の開閉を制御することにより調節することができる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧やバッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、バッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を計算したり、この残容量(SOC)が目標SOCから所定範囲内になるようにバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*を設定したり、電池温度Tbや残容量(SOC)に基づいてバッテリ50の入出力制限Win,Woutを設定したりしている。こうして検出したデータや演算した結果,設定した設定値は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータとして通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じて入出力制限Win,Woutを設定することができる。図4に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図5にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、電動ポンプ104を駆動する電動モータへの駆動信号や3ウェイソレノイド106への駆動信号,リニアソレノイド110,111への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、変速機60の変速段を変更する際の動作について説明する。図6は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量(SOC)などに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbと残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図7に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が充放電すべき充放電要求パワーPb*とロスLossとの和により設定するものとした。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、モータMG2の回転数Nm2を変速機60の現在のギヤ比Grで除することにより求めたり、車速Vに換算係数kを乗じることにより求めることができる。
続いて、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS120)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図8に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定すると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS130)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図9に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。モータMG1の目標回転数Nm1*は、この共線図における回転数の関係を用いることにより容易に導くことができる。したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することによりエンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。なお、図9におけるR軸上の上向きの2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmax,Tminを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS140)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS150)、計算した仮モータトルクTm2tmpをトルク制限Tmax,Tminで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS160)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図9の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(5)
続いて、変速機60の変速段を変更するよう変速要求がなされているか否かを判定し(ステップS170)、変速要求がなされていると判定されたときには、さらに変速中であるか否かを判定する(ステップS180)。ここで、変速機60の変速要求は、実施例では、要求トルクTr*と車速Vとに基づいて予め定められたタイミングで行なわれるものとした。変速機60の変速要求がなされていないと判定されたときや変速中であると判定されたときには、前述した処理により設定されたエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS170で変速機60の変速要求はなされているが変速中ではないと判定されたときには、変速要求が変速機60の変速段をHiギヤの状態からLoギヤの状態へ変更するダウンシフトの変速要求であるか否かを判定し(ステップS185)、ダウンシフトの変速要求であると判定されたときには、バッテリ50の出力制限Woutに基づいてブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定する(ステップS190)。ここで、ブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2は変速機60の変速段を変更する際のブレーキB1,B2の半係合の係合力に相当する油圧であり、ダウンシフトを行なう際のブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2は、実施例では、バッテリ50の出力制限WoutとブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2との関係を予め定めてダウンシフト時待機圧設定用マップとしてROM74に記憶しておき、バッテリ50の出力制限Woutが与えられるとマップから対応するブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を導出して設定するものとした。図10にダウンシフト時待機圧設定用マップの一例を示す。図中、実線はブレーキB1の待機圧Pb1を示し、点線はブレーキB2の待機圧Pb2を示す。ダウンシフトを行なう際のブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2は、図示するように、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutref以下のときには出力制限Woutが小さいほど大きくなる傾向に設定するものとした。通常、バッテリ50の出力制限Woutが比較的小さいときには、モータMG2から出力可能な正のトルクが制限され、モータMG2から正のトルクを出力して変速段の変更の前後のモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速段を変更できない場合がある。このとき、出力制限Woutに拘わらずブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2に所定値を設定すると、ダウンシフトをスムーズに行なうことができない場合が生じる。一方、バッテリ50の出力制限Woutが小さいほど大きくなる傾向にブレーキB1、B2の待機圧Pb1,Pb2を設定すれば、モータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速段を変更することができないときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速段を変更することができる。また、図10に示すように、ブレーキB1の待機圧Pb1には、ブレーキB2の待機圧Pb2に比して小さい値を設定するものとした。これは、ダウンシフトを行なう際には、ブレーキB2側を変速段を変更するために半係合し、ブレーキB1側を変速段を変更する際のショックを抑制するために半係合するという理由に基づく。なお、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutrefより大きいときには、モータMG2から正のトルクを出力して変速段の変更の前後のモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速段を変更することができると判断し、ブレーキB1の待機圧Pb1に値0を設定すると共にブレーキB2の待機圧Pb2に比較的小さい値を設定するものとした。
一方、ステップS185でダウンシフトの変速要求ではない、即ちLoギヤの状態からHiギヤの状態へ変更するアップシフトの変速要求であるとき判定されたときには、バッテリ50の入力制限Winに基づいてブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定する(ステップS195)。この場合のブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2は、実施例では、バッテリ50の入力制限WinとブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2との関係を予め定めてアップシフト時待機圧設定用マップとしてROM74に記憶しておき、バッテリ50の入力制限Winが与えられるとマップから対応するブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を導出して設定するものとした。図11にアップシフト時待機圧設定用マップの一例を示す。アップシフトを行なう際のブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2は、図示するように、バッテリ50の入力制限Winが閾値Winref以上のときには入力制限Winが大きいほど大きくなる傾向に設定するものとした。いま、運転者のアクセルオフ操作によって駆動軸としてのリングギヤ軸32aに比較的小さなトルクが要求され、アップシフトを行なう場合を考える。この場合、バッテリ50の入力制限Winが比較的大きいと、モータMG2から出力してもよいトルクの下限が制限され、モータMG2から負のトルクを出力して変速段の変更の前後のモータMG2の回転数の同期を伴って変速段を変更することができない場合が生じる。このとき、入力制限Winに拘わらずブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2に所定値を設定すると、アップシフトをスムーズに行なうことができない場合が生じる。一方、入力制限Winが大きいほど大きくなる傾向にブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定すれば、モータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速段を変更することができないときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速段を変更することができる。また、図11に示すように、ブレーキB2の待機圧Pb2には、ブレーキB1の待機圧Pb1に比して小さい値を設定するものとした。これは、前述したのと同様の理由に基づく。なお、バッテリ50の入力制限Winが閾値Winrefより小さいときには、モータMG2から負のトルクを出力して変速段の変更の前後のモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速段を変更することができると判断し、ブレーキB2の待機圧Pb2に値0を設定すると共にブレーキB1の待機圧Pb1に比較的小さい値を設定するものとした。
こうしてブレーキB1,B2の係合力を設定すると、変速機60の変速段の変更処理の開始を指示し(ステップS200)、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。変速機60の変速段の変更処理は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により図12に例示する変速段変更処理を実行することにより行なわれる。変速段変更処理では、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、変速要求がアップシフトかダウンシフトかを判定し(ステップS300)、ダウンシフトであるときには、現在のモータMG2の回転数Nm2と変速機60のLo,Hiギヤの状態のギヤ比Glo,Ghiとに基づいて変速段の変更後のモータMG2の回転数Nm2*を次式(6)により計算し(ステップS310)、ファストフィルを実行する(ステップS330)。ここで、ファストフィルは、摩擦部材が当接するまでの隙間を埋めるためにパックにオイルを急速に充填させる処理である。具体的には、ブレーキB2側のリニアソレノイド111を100%かそれに近いデューティ比で駆動する処理となる。なお、このファストフィルの実行と併せて、ブレーキB1に作用しているオイルを抜く動作も行なわれる。ファストフィルの実行が終了すると(ステップS340)、ブレーキB1,B2を作動する油圧が待機圧Pb1,Pb2となるようリニアソレノイド110,111のデューティ比を調節して定圧待機し(ステップS350)、モータMG2から出力される正のトルクとブレーキB1、B2の半係合とによってモータMG2の回転数Nm2が変更後の回転数Nm2*近傍に至ると(ステップS360,S370)、ブレーキB1,B2を作動する油圧が待機圧Pb1,Pb2で定圧待機している状態からブレーキB1がオフされると共にブレーキB2がオンされるようリニアソレノイド110,111ののデューティ比を調節して(ステップS380,S390)、変速段変更処理を終了する。図13に変速機60の共線図の一例を示す。図中、S2軸はモータMG2の回転数Nm2であるシングルピニオンの遊星歯車機構60bのサンギヤ65の回転数を示し、C1,C2軸はリングギヤ軸32aの回転数Nrであるダブルピニオンの遊星歯車機構60aおよびシングルピニオンの遊星歯車機構60bのキャリア64,68の回転数を示し、R1,R2軸はダブルピニオンの遊星歯車機構60aおよびシングルピニオンの遊星歯車機構60bのリングギヤ62,66の回転数を示し、S1軸はダブルピニオンの遊星歯車機構60aのサンギヤ61の回転数を示す。ダウンシフトを行なう際には、図示するように、モータMG2の回転数Nm2を大きくするためにモータMG2から正のトルクを出力する必要があり、このための電力を必要とするが、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutref以下で比較的小さいときにはモータMG2から出力可能なトルクが制限されてモータMG2の回転数Nm2の同期に必要な正のトルクをモータMG2から出力できない場合がある。このとき、バッテリ50の出力制限Woutが小さいほど大きくなる傾向にブレーキB1,B2の半係合の係合力を設定すれば、モータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速機60の変速段を変更することができないときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速機60の変速段を変更することができる。しかも、このときにはバッテリ50の出力制限Woutを考慮してモータMG2から正のトルクを出力することによってブレーキB1,B2の半係合とモータMG2からの正のトルクとを用いて変速機60の変速段を変更することができるから、ブレーキB1,B2の半係合だけを用いて変速段を変更するものに比して変速ショックを抑制することができる。
Nm2*=Nm2・Glo/Ghi …(6)
一方、変速要求がアップシフトであるときには、変速段の変更後のモータMG2の回転数Nm2を式(7)により計算し(ステップS320)、ファストフィルを実行する(ステップS330)。この場合、ファストフィルは、ブレーキB1側のリニアソレノイド110を100%かそれに近いデューティ比で駆動する処理となる。なお、このファストフィルの実行と併せて、ブレーキB2に作用しているオイルを抜く動作も行なわれる。ファストフィルの実行が終了すると(ステップS340)、ブレーキB1,B2を作動する油圧が待機圧Pb1,Pb2となるようリニアソレノイド110,111のデューティ比を調節して定圧待機し(ステップS350)、モータMG2から出力される負のトルクとブレーキB1、B2の半係合とによってモータMG2の回転数Nm2が変更後の回転数Nm2*近傍に至ると(ステップS360,S370)、ブレーキB1,B2を作動する油圧が待機圧Pb1,Pb2で定圧待機している状態からブレーキB1がオンされると共にブレーキB2がオフされるようリニアソレノイド110,111ののデューティ比を調節して(ステップS380,S400)、変速段変更処理を終了する。アップシフトを行なう際にはモータMG2の回転数Nm2を小さくするためにモータMG2から負のトルクを出力する必要があるが、バッテリ50の入力制限Winが閾値Winref以上で比較的大きいときにはモータMG2から出力可能な負のトルクが制限されてモータMG2の回転数Nm2の同期に必要な負のトルクをモータMG2から出力できない場合がある。このとき、ブレーキB1,B2の半係合の係合力をバッテリ50の入力制限Winが閾値Winrefより小さいときに比して大きくすれば、モータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速機60の変速段を変更することができないときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速機60の変速段を変更することができる。しかも、このときにはバッテリ50の入力制限Winを考慮してモータMG2から負のトルクを出力することによってブレーキB1,B2の半係合とモータMG2からの負のトルクとを用いて変速機60の変速段を変更することができるから、ブレーキB1,B2の半係合だけを用いて変速段を変更するものに比して変速ショックを抑制することができる。
Nm2*=Nm2・Ghi/Glo …(7)
図14にダウンシフトを行なう際のモータMG2の回転数Nm2*とブレーキB1,B2の油圧指令の時間変化の一例を示す。図示するように、変速機60の変速要求がなされた時刻t1以降にブレーキB2側のファストフィルが実行されると共にブレーキB1の油圧は待機圧Pb1に調節される。そしてファストフィルが終了した時刻t2以降にはブレーキB1,B2の油圧をそれぞれ待機圧Pb1,Pb2として定圧待機し、モータMG2からの正のトルクとブレーキB1,B2の半係合とによってモータMG2の回転数Nm2が変更後の回転数Nm2*近傍に至ったときにブレーキB1がオフされると共にブレーキB2がオンされるようブレーキB1,B2の油圧が調整される。変速機60の変速段を変更する際のブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2をバッテリ50の出力制限Woutが小さくなるほど大きくなる傾向に設定することにより、バッテリ50の出力制限Woutが比較的小さいときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速段を変更することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、ダウンシフトの変速要求がなされたときにはバッテリ50の出力制限Woutが小さいほど大きくなる傾向に設定されたブレーキB1,B2の待機圧Pb1、Pb2に相当する係合力の半係合とモータMG2からの正のトルクとを用いて変速機60の変速段を変更し、アップシフトの変速要求がなされたときにはバッテリ50の入力制限Winが大きいほど大きくなる傾向に設定されたブレーキB1,B2の待機圧Pb1、Pb2に相当する係合力の半係合とモータMG2からの負のトルクとを用いて変速機60の変速段を変更するから、バッテリ50の入出力制限Win,Woutが比較的制限されているときでもブレーキB1,B2の半係合を用いて変速機60の変速段を変更することができる。しかも、ダウンシフトを行なう際にはバッテリ50の出力制限Woutが比較的低いときでも出力制限WoutとモータMG1の消費電力(発電電力)との差の範囲内でモータMG2から正のトルクを出力してモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速機60の変速段を変更することにより、アップシフトを行なう際にはバッテリ50の入力制限Winが比較的大きいときでも入力制限WinとモータMG1の消費電力(発電電力)との差の範囲内でモータMG2から負のトルクを出力してモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速機60の変速段を変更することにより、変速機60の半係合だけを用いて変速段を変更するものに比して変速ショックを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、ダウンシフトを行なう際には出力制限Woutを考慮してブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定し、アップシフトを行なう際には入力制限Winを考慮してブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしたが、ダウンシフトを行なう際には出力制限Woutを考慮してブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するもののアップシフトを行なう際には入力制限Winを考慮せずにブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしてもよいし、アップシフトを行なう際には入力制限Winを考慮してブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するもののダウンシフトを行なう際には出力制限Woutを考慮せずにブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、バッテリ50の入出力制限Win,Woutを用いてブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしたが、これに代えてまたはこれに加えてモータMG2の入出力制限、例えばモータMG2やインバータ42の冷却水の温度に基づくモータMG2の入出力制限などを用いてブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしてもよい。また、モータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)などを考慮してブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図10のダウンシフト時待機圧設定用マップに示したように、バッテリ50の出力制限Woutが小さいほど大きくなる傾向にブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2を設定するものとしたが、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutref以下のときには、出力制限Woutに拘わらず、出力制限Woutが閾値Woutrefより大きいときのブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2より大きな所定値をブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2に設定するものとしてもよい。同様に、図11のアップシフト時待機圧設定用マップにおいて、バッテリ50の入力制限Winが閾値Winref以上のときには、入力制限Winに拘わらず、入力制限Winが閾値Winrefより小さいときのブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2より大きな所定値をブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2に設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図10のダウンシフト時待機圧設定用マップに示したように、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutrefより大きいときにはブレーキB1の待機圧Pb1に値0を設定し、バッテリ50の出力制限Woutが閾値Woutref以下のときにはブレーキB1の待機圧Pb1に正の値を設定するものとしたが、バッテリ50の出力制限Woutに拘わらずブレーキB1の待機圧Pb1に値0を設定するものとしてもよい。同様に、図11のアップシフト時待機圧設定用マップにおいて、バッテリ50の入力制限Winに拘わらずブレーキB2の待機圧Pb2に値0を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図10のダウンシフト時待機圧設定用マップおよび図11のアップシフト時待機圧設定用マップに示したように、ダウンシフトを行なう際にはブレーキB1の待機圧Pb1にブレーキB2の待機圧Pb2より小さい値を設定し、アップシフトを行なう際にはブレーキB2の待機圧Pb2にブレーキB1の待機圧Pb1より小さい値を設定するものとしたが、ブレーキB1,B2の待機圧Pb1,Pb2に同一の値を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ダウンシフトを行なう際に出力制限Woutが閾値Woutref以下のときには出力制限Woutを考慮してモータMG2から正のトルクを出力し、アップシフトを行なう際に入力制限Winが閾値Winref以上のときには入力制限Winを考慮してモータMG2から負のトルクを出力してモータMG2の回転数Nm2の同期を伴って変速機60の変速段を変更するものとしたが、ダウンシフトを行なう際に出力制限Woutが閾値Woutref以下のときやアップシフトを行なう際に入力制限Winが閾値Winref以上のときには、モータMG2から正のトルクまたは負のトルクを出力することなく、ブレーキB1,B2の半係合を用いて変速機60の変速段を変更するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速機の変速段は2段に限られず、3段以上の変速段をもって変速可能な変速機を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図15の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図15における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図16の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動軸に動力を出力可能なエンジン22とモータMG2とを備えるいわゆるパラレル型の自動車としたが、モータからの動力を変速機を介して駆動軸に出力するものであればよいから、いわゆるシリーズ型のハイブリッド自動車や単純な電気自動車に適用しても差し支えない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例としての駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成概略を示す構成図である。 油圧回路100の構成の概略を示す構成図である。 電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例および目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの関係を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 ダウンシフト時待機圧設定用マップの一例を示す説明図である。 アップシフト時待機圧設定用マップの一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される変速段変更処理の一例を示すフローチャートである。 変速機60の共線図の一例を示す説明図である。 変速機60の変速段をHiギヤの状態からLoギヤの状態に変更する際のモータMG2の回転数Nm2とブレーキB1,B2の油圧指令の時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60,330 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、100 油圧回路、102 機械式ポンプ、104 電動ポンプ、106 3ウェイソレノイド、108 プレッシャーコントロールバルブ、110,111 リニアソレノイド、112,113 コントロールバルブ、114,115 アキュムレータ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (10)

  1. 少なくとも充放電可能な蓄電手段からの電力を用いて駆動軸を駆動する駆動装置であって、
    前記蓄電手段からの電力を用いて動力の入出力が可能な電動機と、
    複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記電動機の回転軸と前記駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
    前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたとき、前記蓄電手段の入出力制限により前記電動機の回転数の同期に必要な電力を該蓄電手段に入出力することができる通常変速時には該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御し、前記蓄電手段の入出力制限により前記電動機の回転数の同期に必要な電力を該蓄電手段に入出力することができない非通常変速時には前記蓄電手段の入出力制限の程度が大きいほど大きくなる傾向の係合力での前記クラッチの半係合を用いて前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御する制御手段と、
    を備える駆動装置。
  2. 前記制御手段は、前記非通常変速時には、前記蓄電手段の入出力制限の範囲内で前記電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段である請求項記載の駆動装置。
  3. 前記制御手段は、前記電動機の入出力制限により該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更することができないときを前記非通常変速時として該変速伝
    達手段の変速比が変更されるよう制御する手段である請求項1または2記載の駆動装置。
  4. 前記制御手段は、前記非通常変速時には前記複数のクラッチのうちオンするクラッチの半係合とオフするクラッチの半係合とを伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段である請求項1ないしいずれか記載の駆動装置。
  5. 前記制御手段は、前記オンするクラッチの第1の係合力の半係合と前記オフするクラッチの前記第1の係合力より小さな第2の係合力の半係合とを伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう制御する手段である請求項記載の駆動装置。
  6. 駆動軸に動力を出力可能な動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段と、
    充放電可能な蓄電手段と、
    該蓄電手段からの電力を用いて前記駆動軸を駆動する請求項1ないしいずれか記載の駆動装置と、
    前記駆動軸に出力すべき要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力する発電機とを備える手段である請求項記載の動力出力装置。
  8. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機である請求項記載の動力出力装置。
  9. 請求項6ないし8いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる自動車。
  10. 充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段からの電力を用いて動力の入出力が可能な電動機と、複数のクラッチの係合状態を変更することにより前記電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える駆動装置の制御方法であって、
    前記変速伝達手段の変速比の変更が指示されたとき、前記蓄電手段の入出力制限により前記電動機の回転数の同期に必要な電力を該蓄電手段に入出力することができる通常変速時には該電動機の回転数の同期を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御し、前記蓄電手段の入出力制限により前記電動機の回転数の同期に必要な電力を該蓄電手段に入出力することができない非通常変速時には前記蓄電手段の入出力制限の程度が大きいほど大きくなる傾向の係合力での前記クラッチの半係合を用いて前記変速伝達手段の変速比が変更されるよう該電動機と該変速伝達手段とを制御する
    駆動装置の制御方法。
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