JP2009248914A - 車両およびその制御方法並びに駆動装置 - Google Patents

車両およびその制御方法並びに駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速装置を備えるものにおいて、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトする際に内燃機関から出力されるパワーをより早く上昇させる。
【解決手段】エンジンの運転を伴って走行している最中にアクセルペダルの踏み込みにより変速機をダウンシフトするときには、変速機をダウンシフトするよう制御し(S100)、エンジンの回転数Neが要求トルクTd*に基づく目標回転数Ne*に向けて上昇するようエンジンを制御し(S120〜S140)、変速中のイナーシャによるトルクを考慮して駆動軸への要求トルクTd*に対応するトルクを動力軸に出力するために第1,第2モータから出力すべきトルクに比してこのイナーシャによるトルクをキャンセルするトルク分が第1モータから出力されないよう調整して第1,第2モータを制御する(S150〜S190)。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両およびその制御方法並びに駆動装置に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、第1電動機と、エンジンと第1電動機とにそれぞれキャリアとサンギヤとが接続されたプラネタリギヤと、このプラネタリギヤのリングギヤに接続された第2電動機と、プラネタリギヤのリングギヤからの動力を変速して車軸側に伝達する有段の変速機と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、変速機による変速時に、第1電動機の目標トルクをイナーシャによる回転変動に応じて補正することにより、変速の前後でエンジン回転数を変化させないようにしている。
特開2007−118696号公報
上述の車両では、アクセルペダルの踏み込みにより変速段をダウンシフトするいわゆるキックダウンするときであっても、変速段を変更している最中はエンジン回転数が変化しないように制御され、エンジン回転数の上昇が変速段の変更後に生じるものとなるため、エンジンから出力されるパワーの上昇が遅れる場合がある。
本発明の車両およびその制御方法並びに駆動装置は、入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速装置を備えるものにおいて、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトする際に内燃機関から出力されるパワーをより早く上昇させることを主目的とする。
本発明の車両およびその制御方法並びに駆動装置は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
内燃機関と、
入力軸を有し、該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、
動力を入出力可能な第1電動機と、
前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
アクセル操作に基づいて前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、
前記内燃機関の運転を伴って走行している最中に前記要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、内燃機関の運転を伴って走行している最中にアクセル操作に基づく駆動軸に要求される要求駆動力の増加により入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、変速段がダウンシフトされるよう有段変速手段を制御し、内燃機関の回転数が要求駆動力に基づく内燃機関の目標回転数に向けて上昇すると共に変速段のダウンシフトに伴って入力軸の回転数が変化しているときでも要求駆動力に対応する駆動力が入力軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に第1電動機から出力すべきトルクに比して内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが第1電動機から出力されるよう第1電動機を制御し、要求駆動力出力制御の際に第2電動機から出力すべきトルクが第2電動機から出力されるよう第2電動機を制御し、内燃機関の回転数が目標回転数に向けて上昇するよう内燃機関を制御する。したがって、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトしている最中は、内燃機関の回転数が上昇しやすいよう第1電動機からのトルクを調整することにより、変速段の変更後に内燃機関から出力されるパワーの上昇がより早くなる。この結果、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトする際に内燃機関から出力されるパワーをより早く上昇させることができる。
こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記入力軸の回転数が変化していないとして前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する入力軸回転無変化時制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクと前記要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクとの範囲内で調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第1電動機から出力するトルクをより確実に調整することができる。この場合、前記制御手段は、前記入力軸回転無変化時制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の車両において、前記3軸式動力入出力手段は、共線図において前記回転軸,前記出力軸,前記入力軸の順に並ぶよう該回転軸,該出力軸,該入力駆に接続されてなり、前記制御手段は、前記要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記出力軸からのトルクを受けとめるトルクの大きさが小さくなる方向に調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段であるものとすることもできる。
本発明の駆動装置は、
内燃機関および蓄電手段と共に車両に搭載される駆動装置であって、
入力軸を有し、該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、
前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で、動力を入出力可能な第1電動機と、
前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で、前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
アクセル操作に基づいて前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、
前記内燃機関の運転を伴って走行している最中に前記要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、内燃機関の運転を伴って走行している最中にアクセル操作に基づく駆動軸に要求される要求駆動力の増加により入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、変速段がダウンシフトされるよう有段変速手段を制御し、内燃機関の回転数が要求駆動力に基づく内燃機関の目標回転数に向けて上昇すると共に変速段のダウンシフトに伴って入力軸の回転数が変化しているときでも要求駆動力に対応する駆動力が入力軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に第1電動機から出力すべきトルクに比して内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが第1電動機から出力されるよう第1電動機を制御し、要求駆動力出力制御の際に第2電動機から出力すべきトルクが第2電動機から出力されるよう第2電動機を制御し、内燃機関の回転数が目標回転数に向けて上昇するよう内燃機関を制御する。したがって、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトしている最中は、内燃機関の回転数が上昇しやすいよう第1電動機からのトルクを調整することにより、変速段の変更後に内燃機関から出力されるパワーの上昇がより早くなる。この結果、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトする際に内燃機関から出力されるパワーをより早く上昇させることができる。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、入力軸を有し該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、動力を入出力可能な第1電動機と、前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
前記内燃機関の運転を伴って走行している最中にアクセル操作に基づく前記駆動軸に要求される要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記要求駆動力に基づく前記内燃機関の目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法では、内燃機関の運転を伴って走行している最中にアクセル操作に基づく駆動軸に要求される要求駆動力の増加により入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、変速段がダウンシフトされるよう有段変速手段を制御し、内燃機関の回転数が要求駆動力に基づく内燃機関の目標回転数に向けて上昇すると共に変速段のダウンシフトに伴って入力軸の回転数が変化しているときでも要求駆動力に対応する駆動力が入力軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に第1電動機から出力すべきトルクに比して内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが第1電動機から出力されるよう第1電動機を制御し、要求駆動力出力制御の際に第2電動機から出力すべきトルクが第2電動機から出力されるよう第2電動機を制御し、内燃機関の回転数が目標回転数に向けて上昇するよう内燃機関を制御する。したがって、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトしている最中は、内燃機関の回転数が上昇しやすいよう第1電動機からのトルクを調整することにより、変速段の変更後に内燃機関から出力されるパワーの上昇がより早くなる。この結果、要求駆動力の増加により変速段をダウンシフトする際に内燃機関から出力されるパワーをより早く上昇させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された動力軸としてのリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、リングギヤ軸32aの動力を変速して駆動輪39a,39bに連結された駆動軸36に出力する変速機60と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には回転軸としてのリングギヤ軸32aがそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aから変速機60,駆動軸36,デファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
変速機60は、動力軸としてのリングギヤ軸32aと駆動軸36との接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をリングギヤ軸32aの回転数を4段に変速して駆動軸36に伝達できるよう構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。図2に示す変速機60は、シングルピニオンの遊星歯車機構62,64と三つのクラッチC1,C2,C3と二つのブレーキB1,B2と一つのワンウェイクラッチF1とにより構成されている。遊星歯車機構62は、外歯歯車のサンギヤ62sと、このサンギヤ62sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62rと、サンギヤ62sに噛合すると共にリングギヤ62rに噛合する複数のピニオンギヤ62pと、複数のピニオンギヤ62pを自転かつ公転自在に保持するキャリア62cとを備えている。サンギヤ62sは、クラッチC1を介してリングギヤ軸32aに接続されていると共にブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。キャリア62cは、クラッチC2を介してリングギヤ軸32aに接続されている。遊星歯車機構64は、外歯歯車のサンギヤ64sと、このサンギヤ64sと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ64rと、サンギヤ64sに噛合すると共にリングギヤ64rに噛合する複数のピニオンギヤ64pと、複数のピニオンギヤ64pを自転かつ公転自在に保持するキャリア64cとを備えている。サンギヤ64sは、回転軸63およびクラッチC3を介してリングギヤ軸32aに接続されている。リングギヤ64rは、遊星歯車機構62のキャリア62cに接続されており、ブレーキB2のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっていると共にワンウェイクラッチF1により所定方向に自由に回転でき所定方向と逆方向には回転できないようになっている。キャリア64cは、駆動軸36に接続されていると共に遊星歯車機構62のリングギヤ62rに接続されている。変速機60は、クラッチC1,C2,C3とブレーキB1,B2とを全てオフすることによりリングギヤ軸32aと駆動軸36とを切り離すことができ、クラッチC3とブレーキB2とをオンする(またはブレーキB2をオンする代わりにワンウェイクラッチF1が機能する)と共にクラッチC1,C2とブレーキB1とをオフすることによりリングギヤ軸32aの回転を比較的大きな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を1速の状態という)、クラッチC3とブレーキB1とをオンすると共にクラッチC1,C2とブレーキB2とをオフすることによりリングギヤ軸32aの回転を1速より小さな減速比で減速して駆動軸36に伝達し(以下、この状態を2速の状態という)、クラッチC2,C3をオンすると共にクラッチC1とブレーキB1,B2とをオフすることによりリングギヤ軸32aの回転をそのまま駆動軸36に伝達し(以下、この状態を3速の状態という)、クラッチC2,ブレーキB1をオンすると共にクラッチC1,C3とブレーキB2とをオフすることによりリングギヤ軸32aの回転を増速して駆動軸36に伝達する(以下、この状態を4速の状態という)。また、この変速機60は、クラッチC1とブレーキB2とをオンすると共にクラッチC2,C3とブレーキB1とをオフすることによりリングギヤ軸32aの回転を反転かつ減速して駆動軸36に伝達する(以下、この状態をリバースの状態という)。クラッチC1,C2,C3やブレーキB1,B2のオンオフは、実施例では、図示しない油圧式のアクチュエータの駆動によりクラッチC1,C2,C3やブレーキB1,B2に対して作用させる油圧を調整することにより行なわれる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,駆動軸36に取り付けられた回転数センサ37からの駆動軸回転数Ndなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のクラッチC1,C2,C3,ブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクを計算し、アクセル開度Accと車速Vとに応じた変速段となるよう変速機60が制御され、要求トルクと変速機60の変速段とに応じたトルクに対応する要求動力が動力軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にアクセルペダル83の踏み込みにより変速機60の変速段をダウンシフトする際、即ちキックダウンする際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるダウンシフト時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転を伴って走行している最中にアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて図4に例示する変速マップを用いてキックダウン要求がなされたと判定されたときに実行される。図4の変速マップでは、実線で示す変速線を越えて車速Vが大きくなるかまたはアクセル開度Accが小さくなったときに変速機60の変速段を低い状態から高い状態(例えば、2速の状態から3速の状態など)に変更(アップシフト)し、破線で示す変速線を越えて車速Vが小さくなるかまたはアクセル開度Accが大きくなったときに変速機60の変速段を高い状態から低い状態(例えば、3速の状態から2速の状態など)に変更(ダウンシフト)する。キックダウン要求は、実施例では、図4の破線で示す変速線を越えてアクセル開度Accが大きくなったときになされたと判定するものとした。
ダウンシフト時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、変速機60のダウンシフトを開始する処理を行なう(ステップS100)。変速機60のダウンシフトは、実施例では、変速機60の図示しない油圧式のアクチュエータに対する油圧シーケンスとして変速パターン毎に予め定めてROM74に記憶したものを開始して実行するものとした。図5に、アクセルペダル83の踏み込みにより変速機60を3速の状態から2速の状態にダウンシフトするときの動力分配統合機構30および変速機60の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す。図中、実線は変速機60が3速の状態のときの共線図を示し、破線は変速機60が2速の状態のときの共線図を示す。図中の左側は動力分配統合機構30の共線図であり、左の31軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、34軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、32軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数を示す。図中の右側は変速機60の共線図であり、64s軸は遊星歯車機構64のサンギヤ64sの回転数を示し、62r,64c軸は駆動軸36の回転数Ndである遊星歯車機構62のリングギヤ62rおよび遊星歯車機構64のキャリア64cの回転数を示し、62c,64r軸は遊星歯車機構62のキャリア62cおよび遊星歯車機構64のリングギヤ64rの回転数を示し、62s軸は遊星歯車機構62のサンギヤ62sの回転数を示す。図中左右の共線図を結ぶ点線は、変速機60のクラッチC3がオンの状態で接続される回転要素(32軸と64s軸)を示す。なお、32軸上の2つの太線矢印はモータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクとモータMG2から出力されるトルクTm2とを示し、62r,64c軸上の2つの太線矢印は、32軸に出力されるこれらのトルクが変速機60(その減速比はギヤ比Gr)を介して駆動軸36に出力されるトルクを示す。この3速の状態から2速の状態への変速は、クラッチC3がオンの状態でクラッチC2をオフすると共にブレーキB1をオンすることにより行なわれる。この変速は、実施例では、油圧シーケンスによる時間経過にしたがって、クラッチC2の油圧を序減してクラッチC2により伝達されるトルクを低下させながら駆動軸36にトルクを出力するトルク相と、モータMG2の回転数Nm2である動力軸としてのリングギヤ軸32aの回転数の変化を伴って駆動軸36にトルクを出力するイナーシャ相とにより行なわれ、変速機60のギヤ比Grは変速終了後に変速前のギヤ比から変速後のギヤ比に変更される。
こうして変速機60のダウンシフトを開始すると、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,回転数センサ37からの駆動軸回転数Nd,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する(ステップS110)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*を設定すると共に(ステップS120)、設定した要求トルクTd*に基づいてエンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS130)。要求トルクTd*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTd*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTd*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。図6から解るように、実施例におけるアクセル開度Accの増加による変速機60のダウンシフトは、要求トルクTd*の増加による変速機60のダウンシフトということができる。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTd*に駆動軸36の回転数Ndを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS140)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを計算し(ステップS150)、計算した仮トルクTm1tmpに次に説明するトルクTiと係数αとの積を加えて式(3)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS160)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。図8に、アクセルペダル83の踏み込み即ち要求トルクTd*の増加により変速機60を3速の状態(実線)から2速の状態(破線)にダウンシフトするときの動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す。式(1)は、図5や図8に示す動力分配統合機構30の共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。ここで、式(3)について簡単に説明する。図8に示すように、変速機60をダウンシフトしている最中の前述したイナーシャ相では、動力分配統合機構30よりサンギヤ31側の慣性モーメントIgとサンギヤ31の回転変化量とに基づいてサンギヤ31にイナーシャによるトルクが作用し、このイナーシャによるトルクが動力軸としてのリングギヤ軸32aに作用して、リングギヤ軸32aの回転変化が遅くなる場合がある。これに対し、図中、31軸上の白抜き矢印で示すように、変速中のイナーシャ相ではモータMG1からこのイナーシャによるトルクをキャンセルするトルクTiを出力することにより、32軸に示すようにリングギヤ32にトルク(−Ti/ρ)を作用させることが考えられる。式(3)の右辺第2項は、こうしたイナーシャによるトルクをキャンセルする程度を調整するためのものであり、係数αは値0以上で値1未満の値(実施例では、α=0とした)を用いることができる。このように調整する理由については、説明の都合上、後述する。なお、トルクTiは、モータMG1の回転数Nm1の現在値と前回値との差分を本ルーチンの実行間隔で除して得られる回転変化量ΔNm1と慣性モーメントIgとの積として計算することができる。また、式(2)で計算する仮トルクTm1tmpは、動力軸としてのリングギヤ軸32aに変速に伴う回転数の変化が生じていないとしたときに、エンジン22を目標回転数Ne*で運転すると共に駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*に対応するトルク(Td*/Gr)をリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクということができる。なお、式(3)で計算するトルク指令Tm1*は、リングギヤ軸32aに変速に伴う回転数の変化が生じているときでも、エンジン22を目標回転数Ne*で運転すると共に要求トルクTd*に対応するトルク(Td*/Gr)をリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクということができる。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/ρ (1)
Tm1tmp=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm1*=Tm1tmp +Ti・α (3)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(4)および式(5)により計算すると共に(ステップS170)、要求トルクTd*を変速機60のギヤ比Grで除したものに計算した仮トルクTm1tmpを動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを式(6)により計算し(ステップS180)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS180)。ここで、式(6)は、図8の共線図から容易に導き出すことができる。また、式(6)で計算される仮トルクTm2tmpは、動力軸としてのリングギヤ軸32aに変速に伴う回転数の変化が生じているか否かに拘わらずに、エンジン22を目標回転数Ne*で運転すると共に駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*に対応するトルク(Td*/Gr)をリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG2から出力すべきトルクということができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2tmp=Td*/Gr +Tm1tmp/ρ (6)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS200)、変速機60の変速が終了しているか否かを判定し(ステップS210)、変速が終了していないときにはステップS110の処理に戻り、変速が終了しているときにはダウンシフト時駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。いまは、アクセルペダル83が踏み込まれたときを考えているから、要求トルクTd*の増加に対応する要求パワーPe*の増加によりエンジン22の目標回転数Ne*は現在の回転数Neよりも大きく設定され、こうして設定された目標回転数Ne*に向けてエンジン22の回転数Neが上昇するようエンジンECU24による制御が行なわれる。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ここで、式(3)の右辺第2項でイナーシャによるトルクをキャンセルする程度を調整する理由について説明する。図9に、要求トルクTd*の増加により変速機60を3速の状態から2速の状態にダウンシフトするときのエンジン22の回転数Neとその出力トルクTeと変速機60のクラッチC2およびブレーキB1に作用する油圧とモータMG2の回転数Nm2と駆動軸36に出力されるトルクとモータMG1から出力されるトルクTm1とその回転数Nm1との時間変化の一例を示す。図中、実線は係数αを値0としてモータMG1からトルクTiが出力されないように調整した実施例における時間変化の様子を示し、点線は係数αを値1としてモータMG1からトルクTiが出力されるようにした比較例における時間変化の様子を示す。要求トルクTd*の増加により変速機60のダウンシフトを開始すると(時間t1)、要求パワーPe*の増加に伴ってエンジン22の目標回転数Ne*は現在の回転数Neよりも大きく設定され、その後、変速機60の変速はトルク相からイナーシャ相に移行し(時間t2)、比較例で変速が終了する時間t31より遅くに実施例で変速が終了すると、エンジン22の回転数Neは目標回転数Ne*に向けて更に上昇を開始する(時間t32)。変速中のイナーシャ相では、モータMG1からトルクTiを出力することによりエンジン22からのトルクTeを受け止めるトルクの大きさが大きくなると、エンジン22の回転数Neは上昇しにくくなる。このため、実施例では、リングギヤ軸32aの回転変化が比較的早くなるもののエンジン22の回転数Neの変化が抑制される比較例に対して、トルクTiが出力されないよう調整したトルクをモータMG1から出力することにより、エンジン22の回転数Neを上昇しやくするのである。これにより、変速機60の変速終了後にエンジン22から出力されるパワーを比較的早期に大きくすることができる。こうした理由により、係数αを用いてイナーシャによるトルクをキャンセルする程度を調整するのである。この結果、変速機60をダウンシフトする際の車両の加速性を向上させることができる。また、変速機60の変速が比較的緩やかに行なわれるものとなり、変速機60のクラッチやブレーキの油圧が調整しやすくなるから、変速機60の制御性が向上するということもできる。なお、こうした実施例のダウンシフト時駆動制御は、動力軸としてのリングギヤ軸32aに変速に伴う回転数の変化が生じていないものとしてエンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*に向けて上昇させると共に駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*に対応するトルク(Td*/Gr)をリングギヤ軸32aに出力するための制御と同様の制御ということができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の運転を伴って走行している最中に要求トルクTd*の増加により変速機60をダウンシフトするときには、変速機60をダウンシフトするよう制御し、エンジン22の回転数Neが要求トルクTd*に応じた要求パワーPe*に基づく目標回転数Ne*に向けて上昇するようエンジン22を制御し、動力分配統合機構30よりサンギヤ31側の慣性モーメントIgに基づく変速中のイナーシャによるトルクを考慮して駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*に対応するトルクを動力軸としてのリングギヤ軸32aに出力するためにモータMG1,MG2から出力すべきトルクに比してこのイナーシャによるトルクをキャンセルするトルクTiをモータMG1から出力する程度を係数αを用いて調整してモータMG1,MG2を制御するから、変速機60の変速終了後にエンジン22から出力されるパワーを比較的早期に大きくすることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、トルクTiに乗ずる係数αを値0としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するものとしたが、トルクTiに乗ずる係数αを値0より大きく値1未満の範囲内の値としてトルクTiに乗じてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm1tmpを式(2)により計算してモータMG1のトルク指令Tm1*を式(3)により設定するものとしたが、式(2)により計算される仮トルクTm1tmpと式(3)により計算されるトルク指令Tm1*に相当するトルクとの範囲内で調整したトルクをトルク指令Tm1*として設定するものであれば如何なる計算式を用いるものとしてもよい。例えば、次式(7)に示すように式(2)の右辺にトルクTiを加えたものを仮トルクTm1tmp1として一旦計算してこの仮トルクTm1tmp1と係数αとを用いて式(8)によりトルク指令Tm1*を設定するなどとしてもよい。
Tm1tmp1=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt +Ti (7)
Tm1tmp=Tm1tmp1-Ti・(1-α) (8)
実施例のハイブリッド自動車20では、トルクTiの計算を、モータMG1の回転数Nm1の現在値と前回値との差分をダウンシフト時駆動制御ルーチンの実行間隔で除して得られる回転変化量ΔNm1と動力分配統合機構30よりサンギヤ31側の慣性モーメントIgとの積(Ig・ΔNm1)として計算するものと例示したが、モータMG2の回転数Nm2の現在値と前回値との差分をダウンシフト時駆動制御ルーチンの実行間隔で除して得られる回転変化量ΔNm2に値−1を乗じてギヤ比ρで割ったものと慣性モーメントIgとの積(Ig・(−ΔNm2)/ρ)として計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、サンギヤ31,リングギヤ32,キャリア34の順でそれぞれモータMG1,エンジン22のクランクシャフト26,モータMG2が接続されたリングギヤ軸32aが連結された遊星歯車機構としての動力分配統合機構30を備えるものにおいて、エンジン22からのトルクTeを受けとめるトルクの大きさが小さくなる方向としてモータMG1から出力すべき仮トルクTm1tmpを大きくする方向に調整するものとしたが、実施例の動力分配統合機構30とは異なる機構またはその機構に対するエンジン22やモータMG1,MG2の接続関係によりエンジン22の回転数Neを上昇しやすくする方向がモータMG1からのトルクが小さくなる方向となるものにおいては、モータMG1から出力すべきトルクが小さくなる方向に調整するものとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセルペダル83の踏み込みにより変速機60をダウンシフトするいわゆるキックダウンするときにはモータMG1から出力すべきトルクをエンジン22の回転数Neが上昇しやすいように調整するものとして説明したが、こうしたキックダウンするときとは異なる変速時にはモータMG1からのトルクを調整しても調整しないものとしても構わない。例えば、アクセルペダル83の踏み戻しにより変速機60をアップシフトするときにはモータMG1から出力すべきトルクをエンジン22の回転数Neが下降しやすいように調整するものとしてもよいし、車速Vの増加,減少により変速機60をアップシフト,ダウンシフトするときにはエンジン22の回転数Neの変化が抑制されるようイナーシャによるトルクをキャンセルするトルクTiがモータMG1から出力されるようにするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセルペダル83の踏み込みによりダウンシフトするときの一例として3速の状態から2速の状態へのダウンシフトを用いて説明したが、アクセルペダル83の踏み込みにより駆動軸36に出力すべき要求トルクTd*が大きくなると共に変速機60をダウンシフトするものであれば、4速の状態から3速の状態へのダウンシフトや2速の状態から1速の状態へのダウンシフト,4速の状態から2速の状態へのダウンシフトなどにも同様に適用することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、4段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、変速段は4段に限られるものではなく、2段以上の変速段をもって変速可能な有段変速機であればよい。
実施例では、ハイブリッド自動車20に適用して説明したが、自動車以外の列車などの車両の形態やこうした車両に内燃機関および蓄電装置と共に搭載される駆動装置の形態としてもよい。さらに、こうした車両の制御方法の形態としても構わない。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、変速機60が「有段変速手段」に相当し、モータMG1が「第1電動機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「第2電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTd*を設定する図3のダウンシフト時駆動制御ルーチンのステップS120の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、要求トルクTd*に応じた要求パワーPe*を設定してエンジン22の目標回転数Ne*を設定する図3のダウンシフト時駆動制御ルーチンのステップS130,S140の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標回転数設定手段」に相当し、エンジン22の運転を伴って走行している最中にアクセル開度Accの増加すなわち要求トルクTd*の増加により変速機60の変速段をダウンシフトするときに、変速終了まで変速機60をダウンシフトするよう制御し、エンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*に向けて上昇させると共に動力軸としてのリングギヤ軸32aが回転変化していないものとして駆動軸36への要求トルクTd*に対応するトルクをリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクである仮トルクTm1tmpとリングギヤ軸32aが回転変化しているときでも駆動軸36への要求トルクTd*に対応するトルクをリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクとして仮トルクTm1tmpにトルクTiを加えたトルクとの範囲内で係数αを用いて調整したトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に要求トルクTd*を出力するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定したエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とをそれぞれエンジンECU24とモータECU40とに送信する図3のダウンシフト時駆動制御ルーチンのステップS150〜S200の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と、目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「有段変速手段」としては、4段変速の変速機60に限定されるものではなく、入力軸を有し入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達するものであれば如何なるものとしても構わない。「第1電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、入力軸と内燃機関の出力軸と第1電動機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「第2電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、入力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、第1電動機および第2電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTd*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものなど、駆動軸に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「目標回転数設定手段」としては、要求トルクTd*に応じた要求パワーPe*を設定してエンジン22の目標回転数Ne*を設定するものに限定されるものではなく、設定された要求駆動力に基づいて内燃機関の目標回転数を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、エンジン22の運転を伴って走行している最中にアクセル開度Accの増加すなわち要求トルクTd*の増加により変速機60の変速段をダウンシフトするときに、変速終了まで変速機60をダウンシフトするよう制御し、エンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*に向けて上昇させると共に動力軸としてのリングギヤ軸32aが回転変化していないものとして駆動軸36への要求トルクTd*に対応するトルクをリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクである仮トルクTm1tmpとリングギヤ軸32aが回転変化しているときでも駆動軸36への要求トルクTd*に対応するトルクをリングギヤ軸32aに出力するのにモータMG1から出力すべきトルクとして仮トルクTm1tmpにトルクTiを加えたトルクとの範囲内で係数αを用いて調整したトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸36に要求トルクTd*を出力するようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG1,MG2を制御し、設定したエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*でエンジン22を制御するものに限定されるものではなく、内燃機関の運転を伴って走行している最中に要求駆動力の増加により有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、変速段がダウンシフトされるよう有段変速手段を制御し、内燃機関の回転数が設定された目標回転数に向けて上昇すると共に変速段のダウンシフトに伴って入力軸の回転数が変化しているときでも設定された要求駆動力に対応する駆動力が入力軸に出力されるよう内燃機関と第1電動機と第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に第1電動機から出力すべきトルクに比して内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが第1電動機から出力されるよう第1電動機を制御し、要求駆動力出力制御の際に第2電動機から出力すべきトルクが第2電動機から出力されるよう第2電動機を制御し、内燃機関の回転数が設定された目標回転数に向けて上昇するよう内燃機関を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両や駆動装置の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるダウンシフト時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変速マップの一例を示す説明図である。 アクセルペダル83の踏み込みにより変速機60を3速の状態から2速の状態にダウンシフトするときの動力分配統合機構30および変速機60の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 要求トルクTd*の増加により変速機60を3速の状態から2速の状態にダウンシフトするときの動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 要求トルクTd*の増加により変速機60を3速の状態から2速の状態にダウンシフトするときのエンジン22の回転数Neとその出力トルクTeと変速機60のクラッチC2およびブレーキB1に作用する油圧とモータMG2の回転数Nm2と駆動軸36に出力されるトルクとモータMG1から出力されるトルクTm1とその回転数Nm1との時間変化の一例を示す説明図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 駆動軸、37 回転数センサ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、40a CPU、40b ROM、40c RAM、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、62,64 遊星歯車機構、62s,64s サンギヤ、62r,64r リングギヤ、62p,64p ピニオンギヤ、62c,64c キャリア、63 回転軸、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 内燃機関と、
    入力軸を有し、該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、
    動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、
    アクセル操作に基づいて前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、
    前記内燃機関の運転を伴って走行している最中に前記要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する制御手段と、 を備える車両。
  2. 前記制御手段は、前記入力軸の回転数が変化していないとして前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する入力軸回転無変化時制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクと前記要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクとの範囲内で調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段である請求項1記載の車両。
  3. 前記制御手段は、前記入力軸回転無変化時制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段である請求項2記載の車両。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の車両であって、
    前記3軸式動力入出力手段は、共線図において前記回転軸,前記出力軸,前記入力軸の順に並ぶよう該回転軸,該出力軸,該入力駆に接続されてなり、
    前記制御手段は、前記要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記出力軸からのトルクを受けとめるトルクの大きさが小さくなる方向に調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御する手段である、
    車両。
  5. 内燃機関および蓄電手段と共に車両に搭載される駆動装置であって、
    入力軸を有し、該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、
    前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で、動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記蓄電手段と電力のやり取りが可能で、前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
    アクセル操作に基づいて前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関の目標回転数を設定する目標回転数設定手段と、
    前記内燃機関の運転を伴って走行している最中に前記要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記設定された要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記設定された目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する制御手段と、
    を備える駆動装置。
  6. 内燃機関と、入力軸を有し該入力軸と車軸に連結された駆動軸との間で変速段の変更を伴って動力を変速して伝達する有段変速手段と、動力を入出力可能な第1電動機と、前記入力軸と前記内燃機関の出力軸と前記第1電動機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記入力軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1電動機および前記第2電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備える車両の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転を伴って走行している最中にアクセル操作に基づく前記駆動軸に要求される要求駆動力の増加により前記有段変速手段の変速段をダウンシフトするときには、前記変速段がダウンシフトされるよう前記有段変速手段を制御し、前記内燃機関の回転数が前記要求駆動力に基づく前記内燃機関の目標回転数に向けて上昇すると共に前記変速段のダウンシフトに伴って前記入力軸の回転数が変化しているときでも前記要求駆動力に対応する駆動力が前記入力軸に出力されるよう前記内燃機関と前記第1電動機と前記第2電動機とを制御する要求駆動力出力制御の際に前記第1電動機から出力すべきトルクに比して前記内燃機関の回転数が上昇しやすいよう調整したトルクが前記第1電動機から出力されるよう前記第1電動機を制御し、前記要求駆動力出力制御の際に前記第2電動機から出力すべきトルクが前記第2電動機から出力されるよう前記第2電動機を制御し、前記内燃機関の回転数が前記目標回転数に向けて上昇するよう前記内燃機関を制御する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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