JP4599821B2 - 微細なパターンが印刷可能なインキおよび印刷物 - Google Patents

微細なパターンが印刷可能なインキおよび印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して得られる硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角を15°以上にすることができるインキに関し、特に、微細なパターンを有する硬化した塗膜を簡便で環境により適合した工程で経済的に形成することができるインキ、そのインキをスクリーン印刷法により印刷し次いで加熱処理して硬化した塗膜からなる印刷物を製造する方法、及びそのインキをスクリーン印刷法により印刷し次いで加熱処理して得られた硬化した塗膜からなる印刷物に関する。
従来、基材表面に微細なパターンを持った薄い絶縁層などの塗膜を形成する方法として、感光性樹脂からなるインキを用いる方法がある。
光硬化性樹脂からなるインキを用いる方法は、例えばインキを塗布後パターンを形成する部分に紫外線などの光を照射して樹脂を硬化させ、不要部分を現像や有機溶剤による洗浄などの工程によって除去する。この方法は、光の照射によって所定パターンが形成されるので、その硬化した塗膜のエッジ部は塗布面に対してほぼ垂直になり、微細で高精細なパターンの硬化した塗膜を容易に得ることができる。このため、微細化及び高精度が要求されている分野において、例えば、半導体装置の製造工程やIC実装部品の絶縁層及び液晶などの表示装置のカラーフィルターのブラックマトリックス層を形成するために多用されている。
しかしながら、この方法は塗布工程、露光工程、現像工程、洗浄工程、及び乾燥又は加熱処理工程などの複雑でコストが掛かる工程が必要であり、更に現像や洗浄に伴ってアルカリ液などを含む大量の環境に負荷を与える廃液が生じるなどの問題があった。
熱硬化性樹脂からなるインキを用いても基材表面に絶縁層などの塗膜を形成することはできる。しかし、通常の熱硬化性樹脂組成物はスクリーン印刷法によって微細なパターンに印刷することが容易ではない。また、印刷できた場合も次の加熱処理段階で塗膜が流動化して、加熱処理後の硬化した塗膜のエッジ部は印刷面に対して10°未満の極めて小さな傾斜角を持ったなだらかな傾斜面を形成する。このため、例えば、厚さが数μm〜数十μm程度の硬化した塗膜を形成する場合に、幅が80μm程度〜5μm程度のライン状の硬化した塗膜、径が80μm程度〜5μm程度の円形の硬化した塗膜、幅が80μm程度〜5μm程度のライン状のスペースを持った硬化した塗膜、或は、径が80μm程度〜5μm程度の円形のスペースをもった硬化した塗膜などからなる微細なパターンを持った印刷物を得るのは困難であった。
熱硬化性樹脂からなるインキを用いて基材表面に電気電子部品の絶縁層として好適な硬化した塗膜を形成することは既に検討されている。このような絶縁層として好適な硬化した塗膜を形成することができるインキとして、樹脂成分と微細な充填材とを含んで構成された組成物は既に種々知られている。これらはスクリーン印刷法によって印刷可能である。(例えば、特許文献1参照。)しかしながら、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理することによって硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角を15°以上にすることができ、前記のような微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を製造することが可能なインキについて具体的に示したものはなかった。
特開平9−118807号公報(第2−10頁)
本発明は、感光性樹脂からなるインキを用いた場合のような複雑でコストが掛かる工程が不必要で、且つ、大量の廃液が生じることなしに、スクリーン印刷法による印刷および加熱処理によって容易にラインアンドスペースが80μm以下好ましくは50μm以下特に30μm以下更に20μ以下、5μm以上の微細なパターンをもった硬化した塗膜からなる印刷物を製造することができるインキを提供することを目的とする。また、本発明は、前記インキをスクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理することによって前記のような微細なパターンの硬化した塗膜からなる印刷物を製造する方法、及び前記インキを基材表面にスクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して得られた前記のような微細なパターンの硬化した塗膜からなる印刷物を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成すべく検討を重ねた結果得られたものであって、樹脂成分と微細な充填材とを含んで構成され、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して得られる硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角が15°以上であるインキに関する。
特に、印刷時の温度において周波数が1rad/secのときの複素粘性率(η)が10000〜300000ポイズであり且つ周波数10rad/secのときの複素粘性率(η)が1000〜30000ポイズであるインキ、印刷時の温度において周波数が1rad/secのときの複素粘性率(η)が周波数10rad/secのときの複素粘性率(η)の4〜16倍であるインキ、樹脂成分が100〜210℃の温度範囲において実質的に熱硬化反応をおこすインキ、樹脂成分の硬化反応が芳香族ジカルボン酸無水物基又は芳香族ジカルボン酸モノエステル基(ハーフエステル化物)とエポキシ基又はブロックされたイソシアネート基との反応、ブロックされたイソシアネート基と水酸基又はカルボキシル基との反応、エポキシ基と水酸基又はカルボキシル基との反応、または、前記反応のいずれかの組合せによって実質的に起るインキ、更に、樹脂成分100重量部に対して平均粒子径が1.0μm未満の微細な充填材を20〜300重量部含むインキに関する。
また、樹脂成分が、(a)テトラカルボン酸成分と、一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサンを含むジアミン成分とからなるポリイミドシロキサン、(b)エポキシ化合物及び/又はブロック多価イソシアネートとを含んでいるインキ、
Figure 0004599821
(式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rはそれぞれが独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜30の整数を示す。)
および、ポリイミドシロキサンのジアミン成分として側鎖に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する芳香族系ジアミンを含むインキに関する。
更に、前記のいずれかのインキをスクリーン印刷法により印刷し次いで60〜210℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする硬化した塗膜からなる印刷物の製造方法、特にラインアンドスペースが80μm以下の微細なパターンの硬化した塗膜を形成することを特徴とする硬化した塗膜からなる印刷物の製造方法、および、前記のいずれかのインキをスクリーン印刷法により印刷し次いで加熱処理して得られた硬化した塗膜からなる印刷物に関する。
本発明のインキを用いれば、感光性樹脂組成物を用いた場合のような塗布工程、露光工程、現像工程、洗浄工程、及び、乾燥又は加熱処理工程などの複雑でコストが掛かる工程が不要であり、更に、現像や洗浄に伴ってアルカリ液などを含む大量の環境の負荷になる廃液を生じないで、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理する簡便な方法によって、基材上にラインアンドスペースが80μm以下の微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を製造することが可能になる。
本発明は、樹脂成分と微細な充填材とを含んで構成され、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して得られる硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角が15°以上、好ましくは20°、特に30°以上であるインキである。
本発明において、硬化した塗膜のエッジ部の傾斜角度は、図1の概略の断面図で示すように、硬化した塗膜の厚さが5〜10μm程度のときの印刷面(基材表面)と硬化した塗膜の傾斜面とがなす角度であって、厚みの上部30%と下部20%とを除いた中央部50%部分の範囲での平均角度とする。また、本発明では、ガラス基板にスクリーン印刷法によって印刷し加熱処理した硬化した塗膜のエッジ部をエッジ部に対して直角方向に切断したときの断面を走査型電子顕微鏡で観察して測定した。
従来の熱硬化性樹脂からなるインキでは、スクリーン印刷法などによって微細なパターンに印刷することは可能であるが、乾燥や硬化反応をおこなうために加熱処理をすると、塗膜は流動化して印刷時の形態を保持できず、硬化した塗膜のエッジ部は印刷面に対して極めて小さな傾斜角を持ったなだらかな傾斜面になる。すなわち、印刷時の塗膜は広がりスペースは埋まってしまうから、微細なパターンや高精度のパターンをもった硬化した塗膜からなる印刷物を得ることはできない。
本発明のインキをスクリーン印刷法で印刷し次いで加熱処理して得られる硬化した塗膜は、加熱処理によっても印刷時の形態を保持し易く、エッジ部の印刷面に対する傾斜角度は15°以上、好ましくは20°以上、特に30°以上を保持するので、微細なパターンを高精度で形成することができる。このため、例えば、厚さが数μm〜数十μm程度の硬化した塗膜を形成する場合に、ラインアンドスペースが80μm〜5μmの微細なパターン、より具体的には、幅が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上のライン状の硬化した塗膜、径が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上の円形の硬化した塗膜、幅が80μm以下特に50μm以下更に30μm程度以下好ましくは20μm以下で5μm以上のライン状のスペースを持った硬化した塗膜、或は、径が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上の円形のスペースをもった硬化した塗膜などからなる、微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を得ることができる。
また、本発明のインキは、印刷時の温度において、周波数が1rad/secのときの複素粘性率(η)が10000〜300000ポイズ、好ましくは20000〜200000ポイズの範囲であり、且つ、周波数10rad/secのときの複素粘性率(η)が1000〜30000ポイズ、好ましくは2000〜20000ポイズの範囲であることが好適である。
印刷時の温度において、周波数10rad/secのときの複素粘性率(η)が30000ポイズ以下であれば、常温でスクリーン印刷法によって微細なパターンに印刷することができるが、複素粘性率(η)が30000ポイズを越えると版離れが悪くなったり、スキージで印刷面全体にインクを均一に押し広げるのが容易ではなくなったり、また、得られた硬化した塗膜表面の凹凸が激しくなるなどの問題が生じるので、スクリーン印刷法で印刷することが困難になる。一方、複素粘性率(η)が1000ポイズ未満のものは、粘度が低過ぎて、印刷後の加熱処理工程において塗膜が容易に流動化するので微細なパターンを持った硬化した塗膜を得ることが難しい。
印刷時の温度において、周波数1rad/secのときの複素粘性率(η)が10000以上であれば、印刷後の加熱処理工程において塗膜の流動化が抑制されるので、硬化した塗膜のエッジ部は印刷面に対する傾斜角度が15°以上、好ましくは20°以上、特に30°以上にすることが容易になる。複素粘性率(η)が10000ポイズ未満では、印刷後の加熱処理工程における塗膜の流動化を抑制できないので、硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角度が極めて小さくなって微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を得ることは難しい。一方、複素粘性率(η)が300000ポイズを越えると、充填材やその他の添加剤などを均一に混合することが困難になるなどの製造上の問題が生じるので好ましくない。
本発明において、印刷時の温度とは、本発明のインキがスクリーン印刷法によって印刷されるときの温度であって、通常、0℃〜60℃の温度範囲のいずれかの温度であり、好ましくは10℃〜40℃の温度範囲のいずれかの温度であり、特に20℃〜30℃の温度範囲のいずれかの温度、更に25℃である。
更に、本発明のインキは、周波数が1rad/secの複素粘性率(η)が、周波数が10rad/secの複素粘性率(η)に対して4〜16倍程度好ましくは4.5〜14倍程度特に5〜11倍程度であることが好適である。この複素粘性率(η)の比が4倍未満では、スクリーン印刷法によって微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を得るのは難しくなる。また、16倍を越えるインキを得ることは容易ではない。すなわち、本発明のインキは、印刷時のようにある程度のずり応力が加えられたときには比較的低粘性を示し、一方、静置時のようにずり応力がほとんど加えられないときにはその数倍以上の比較的大きな粘性を持つことが好適である。尚、本発明のような多量の微細な充填材を含有する組成物は、周波数の対数値に対して複素粘弾性の対数値(logη)がほぼ直線関係で減少する傾向がある。
本発明のインキを構成する樹脂成分は、熱硬化反応性を有する樹脂を含んで構成されることが好ましく、更に前記熱硬化反応性を有する樹脂が100〜210℃特に100〜200℃更に120〜190℃の温度範囲において実質的に熱硬化反応をおこすように構成されていることが好適である。
100℃未満で実質的な硬化反応が起る場合は、そのインキを長期間保持するとゲル化や高粘度化し易くなるし、更に、印刷工程中にゲル化や高粘性化してスクリーン印刷法による印刷を安定しておこなうことが難しくなる。また、210℃を越える温度で実質的な硬化反応が起る場合は、加熱処理時に塗膜が流動して微細なパターンを持った硬化した塗膜を得ることができない。更に、210℃を越える温度まで加熱するための加熱装置が必要になるので設備上及び作業上好ましくないし、加熱処理時に塗膜以外の材料や部品に高温度の熱による問題を生じる可能性があるので好ましくない。
本発明のインキを構成する樹脂成分として好適な熱硬化性樹脂は、具体的には、芳香族ジカルボン酸無水物基又は芳香族ジカルボン酸モノエステル基(ハーフエステル化物)とエポキシ基又はブロックされたイソシアネート基との反応、ブロックされたイソシアネート基と水酸基又はカルボキシル基との反応、エポキシ基と水酸基、カルボキシル基又はアミド基との反応、または、前記反応のいずれかの組合せによって実質的に熱硬化反応が起るような樹脂成分で構成されることが好適である。
これらの組合せは、いずれも100℃未満の温度では実質的な熱硬化反応が起らず、100〜210℃の温度範囲において容易に熱硬化反応がおこる。
本発明のインキは、樹脂成分と微細な充填材とを含んで構成され、前記樹脂成分は、具体的には、例えば、(a)テトラカルボン酸成分と、一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサンを含むジアミン成分とからなるポリイミドシロキサン、(b)エポキシ化合物及び/又はブロック多価イソシアネート、及び、必要に応じて(c)有機溶媒とを含んで構成されたものを好適に用いることができる。尚、ここで(a)100重量部に対して(b)は0.5〜50重量部、特に2〜40重量部更に2〜30重量部が好適である。
この樹脂成分からなるインキは、得られる硬化した塗膜が、電気絶縁性などの電気特性、他の材料に対する密着性、耐熱性、耐ハンダ性、耐屈曲性、非カール性、及び、耐湿性などの特性において優れているので、半導体装置の製造工程やIC実装部品の絶縁層及び液晶など表示装置のカラーフィルターのブラックマトリックス層を形成するため特に好適に用いることができる。
以下、限定するものでないが、この樹脂成分からなるインキに基づいて本発明を更に説明する。
前記ポリイミドシロキサンは、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル、好適にはジアミン成分1モルに対してテトラカルボン酸成分が1.0〜1.2モル程度のモル比の割合で用いて、有機溶媒中で反応して得ることができる。テトラカルボン酸成分のモル比の割合が前記よりも多くなるとポリイミドシロキサンの粘度が小さくなり過ぎて、得られたポリイミドシロキサンからなるインキの印刷性が低下するので好ましくない。
ポリイミドシロキサンとしては、対数粘度(0.5g/100ml)が0.05〜3、特に、0.1〜1のものが好ましい。
前記ポリイミドシロキサンは、テトラカルボン酸成分と一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサンを含むジアミン成分とを、例えば10℃〜80℃程度の比較的低温で反応させてポリアミック酸とし、次いで、前記ポリアミック酸を熱イミド化又は化学イミド化して得ることができる。あるいは、ポリアミック酸とする工程を省略して、有機溶媒中例えば130℃〜250℃程度の比較的高温で重合且つイミド化する一段反応によって得ることができる。
前記テトラカルボン酸成分とジアミン成分との反応は、ランダム反応およびブロック反応のいずれでも構わない。例えば、ジアミン種ごとに別々に反応したホモ反応物を混合(場合により再結合反応を伴う。)しても構わない。また、予めテトラカルボン酸過剰で調製した酸末端オリゴマーとジアミン過剰で調整したアミン末端オリゴマーとを酸成分とジアミン成分とが略等モルになるように混合して更に反応しても構わない。
生成したポリイミドシロキサンは溶液から単離することなくそのまま用いることができる。
前記ポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2−ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンなどの芳香族テトラカルボン酸、その酸二無水物あるいはそのエステル誘導体や、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸などの脂環族系テトラカルボン酸、その酸二無水物あるいはそのエステル誘導体を好適に挙げることができる。
前記テトラカルボン酸成分は、1種を単独で使用してもよく、あるいは、2種以上を組合せて使用しても構わない。
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3,4,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、及び、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、それらの酸二無水物あるいはそれらのエステル誘導体を用いると、溶媒への高い溶解性によって高濃度のポリイミドシロキサン溶液を得ることができ、また、耐熱性が高い絶縁膜を得ることができるので特に好適である。
前記テトラカルボン酸成分は、ジアミンと反応させることが容易なテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
また、テトラカルボン酸二無水物の使用量がジアミンに対して1.05倍モル以上で、未反応無水環が残存するような場合には、そのまま使用しても構わないが、エステル化剤で開環ハーフエステル化してもよい。エステル化剤であるアルコール類の使用量は、過剰なテトラカルボン酸二無水物の1.1〜20倍当量、特に、1.5〜5倍当量であることが好ましい。アルコール類の割合が少ないと、未反応の無水環が多量に残って、インキとしたときに貯蔵安定性が劣るものとなり、過剰のアルコール類は貧溶媒となって固形分濃度を低くすることになってスクリーン印刷法による塗膜の形成が容易でなくなるので好ましくない。
エステル化剤を用いた場合は、反応溶液をそのまま用いても構わないが、過剰のアルコール類を加熱や減圧留去して使用することもできる。
前記ポリイミドシロキサンのジアミン成分は、前記ジアミノポリシロキサン30〜95モル%特に55〜95モル%更に65〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜50モル%とからなることが特に好適である。いずれかの成分が多過ぎたり少な過ぎたりしてこの範囲から外れると、例えば、得られるポリイミドシロキサンの有機溶媒に対する溶解性が低下したり、他の有機成分との相溶性が悪くなったり、更に、該ポリイミドシロキサンを用いたインキを印刷後加熱処理して得られる硬化した塗膜が、曲率半径が小さくなってカールを生じやすくなったり、耐屈曲性、密着性、耐熱性、又は、耐湿性が低下する。
前記ポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成するジアミノポリシロキサンは、下記一般式(1)で示される化合物であるが、好ましくは、前記式中Rは炭素数1〜5の2価の炭化水素基又はフェニル基、特にプロピレン基であり、前記式中R2は炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、前記式中n1は4〜30、特に4〜20である。尚、ジアミノポリシロキサンが2種以上の混合物からなる場合は、n1はアミノ当量から計算される。
Figure 0004599821
(式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rはそれぞれが独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜30の整数を示す。)
前記ジアミノポリシロキサンの具体的化合物の例としては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサンなどを挙げることができる。
前記ポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する極性基を有する芳香族ジアミンは、好ましくは一般式(2)で示される化合物である。
Figure 0004599821
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2、好ましくは0又は1であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
前記極性基を有する芳香族ジアミン化合物としては、2,4−ジアミノフェノ−ルなどのジアミノフェノ−ル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルエ−テルなどのヒドロキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルスルホンなどのヒドロキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(ハイドロキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ハイドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(ハイドロキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
更に、前記極性基を有する芳香族ジアミン化合物としては、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸などのベンゼンカルボン酸類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4,−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエ−テルなどのカルボキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのカルボキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのCOOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
前記ポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミンとしては、芳香族ジアミン特に複数のベンゼン環を有する芳香族ジアミンが好ましい。複数のベンゼン環を有する芳香族ジアミンとしては、好ましくは一般式(3)で示される化合物である。
Figure 0004599821
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、n5は1又は2である。)
前記複数のベンゼン環を有する芳香族ジアミン化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、o−トリジンなどのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼンなどのベンゼン環を3個有する芳香族ジアミン、あるいはビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ビフェニルなどのベンゼン環を4個有する芳香族ジアミンなどが挙げられる。
前記ポリイミドシロキサンを調製する反応に用いられる有機溶媒としては、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、アセトン、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。好適には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。また必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒やソルベントナフサ、ベンゾニトリルなど他の有機溶媒を併用してもよい。
前記樹脂成分として使用する多価イソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するものであり、イソシアネ−ト基をブロック剤でブロックしたブロック多価イソシアネ−ト化合物が好適に使用される。
前記多価イソシアネ−ト化合物として、脂肪族、脂環族または芳香族のジイソシアネ−ト等があり、具体的には、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,5−ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−へキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(イソホロンジイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることが出来る。
更に、多価イソシアネ−ト化合物は、脂肪族、脂環族または芳香族の多価イソシアネ−ト化合物から誘導されるもの、具体的には、例えば、イソシアヌレ−ト変性多価イソシアネ−ト、ビュレット変性多価イソシアネ−ト、ウレタン変性多価イソシアネ−ト等であってもよい。
前記のブロック化剤としては例えば、アルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピリジン系化合物等があり、これらを単独あるいは、混合して使用してもよい。
具体的なブロック化剤としては、アルコ−ル系としてメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルピト−ル、ベンジルアルコ−ル、シクロヘキサノ−ル等、フェノ−ル系として、フェノ−ル、クレゾ−ル、エチルフェノ−ル、ブチルフェノ−ル、ノニルフェノ−ル、ジノニルフェノ−ル、スチレン化フェノ−ル、ヒドロキシ安息香酸エステル等、活性メチレン系として、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等、メルカプタン系として、ブチルメルカプタン、 ドデシルメルカプタン等、酸アミド系として、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−プチロラクタム等、酸イミド系として、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、イミダゾ−ル系として、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、尿素系として、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、オキシム系として、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等、アミン系として、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等、イミン系として、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、重亜硫酸塩として、重亜硫酸ソ−ダ等、ピリジン系として、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
前記樹脂成分として使用する多価イソシアネート化合物は、特に、BURNOCK D−550(大日本インキ社製)、エラストロンBN−P17(第一工業製薬社製、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−トブロック化体、ブロック化剤:オキシム系)、及び、エラストロンBN−04、BN−08、BN−44、BN−45(いずれも第一工業製薬社製、ウレタン変性多価イソシアネートブッロク化体1分子当たり3〜5官能、水エマルジョン品で乾燥単離後使用可能)が好適である。
また、前記樹脂成分がブロック化したイソシアネートを含んで構成された場合には、ブロック多価イソシアネ−ト化合物のブロック化剤を解離して外すための解離触媒として、例えばジブチル錫ジラウレ−トなどを添加するのが好適である。解離触媒の量は多価イソシアネ−トブロック化体100重量部に対して0〜25重量部程度が好ましい。
前記樹脂成分として使用するエポキシ化合物は、エポキシ当量が100〜1000程度であって、分子量が300〜5000程度である液状又は固体状のエポキシ樹脂が好ましい。例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型のエポキシ樹脂、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート806やエピコート825など、3官能以上のエポキシ樹脂、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のエピコート152、エピコート154、エピコート180シリーズ、エピコート157シリーズ、エピコート1032シリーズ、チバガイギー社製のMTO163などを好適に挙げることができる。
本発明において、エポキシ樹脂とともに、ヒドラジド類、イミダゾール類などのエポキシ樹脂の硬化を促進する触媒成分を、触媒量が例えばエポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量部好ましくは0.01重量部以上且つ10重量部以下好ましくは5重量部以下の程度用いてもよい。
本発明のインキは微細な充填材を含んで構成される。好ましくは、平均粒径(メジアン径)が1.0μm以下のもの特に平均粒径が0.0001〜0.4μmの充填材を、樹脂成分100重量部に対して20重量部以上好ましくは30重量部以上特に好ましくは40重量部以上、且つ300重量部以下好ましくは200重量部以下含むことが好適である。
更に、本発明のインキにおいては、平均粒径が0.3μm未満特に0.1μm未満更に50nm未満の充填材を、少なくとも20重量部以上特に30重量部以上且つ300重量部以下特に200重量部以下含むことが、インキの複素粘性率(η)を本特許の所定のものにするうえで特に重要である。
前記充填材は、有機系のものでも無機系のものでも構わないが、例えば、アエロジル、硫酸バリウム、球状シリカなどの無機充填剤、あるいは、有機化した粘土鉱物を好適に挙げることができる。充填材の形態は、特に限定はなく、球状、板状、層状などいずれでも構わない。
前記無機充填材の具体例としては、日本アエロジル社製のアエロジル 130(微粉末シリカ、平均粒径:16nm)やアエロジル 50(微粉末シリカ、平均粒径:30nm)、堺化学工業社製の硫酸バリウム B−30(硫酸バリウム、平均粒径:0.3μm)、信越石英社製のアドマファイン SO−C2(球状シリカ、平均粒径:0.5μm)などを好適に挙げることができる。
前記有機化した粘土鉱物は、層状粘土鉱物の層間に有機化合物及び/又は有機イオンを取り込んだ粘土−有機複合体であって、例えば、層状粘土鉱物の層間の交換性無機イオンを有機イオンによって置換することによって生成される。このような有機化された粘土鉱物は、結晶の層間隔が広がっていて一層又は数層の結晶単位でバラけ易くなっている。従って、樹脂組成物中では、平均粒径が0.1μm以下の微細な充填材になって分散する。
有機化した粘土鉱物の具体例としては、モンモリロナイトのアミノドデカン酸処理品、例えば、ナノコア(Nanocor)社製のNANOMER I.24Tやコープケミカル社製のソマシフME−100を好適に挙げることができる。
本発明のインキは、必要に応じて有機溶媒を含有することができる。有機溶媒としては、前記ポリイミドシロキサンを調製する際に用いた有機溶媒を使用することができるが、好適には、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、アセトン、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。
本発明のインキは、(a)ポリイミドシロキサン100重量部に対して、(b)多価イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物0.5〜50重量部、好ましくは2〜40重量部特に2〜30重量部、(c)微細な充填剤30〜300重量部からなり、必要に応じて(d)有機溶媒を含んで構成されることが好ましい。
多価イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物の使用量が前記の範囲より多過ぎたり少な過ぎたりすると、硬化が不十分になったり、樹脂組成物がゲル化し易くなって貯蔵安定性に問題が生じたり、加熱処理後の塗膜の耐熱性や他の部材との接着性が低下する。従って、多価イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物の使用量は前記範囲内が好ましい。
多価イソシアネート化合物とエポキシ化合物は、それぞれ単独で使用しても、併用しても構わない。併用する場合は、両者の使用量の合計が前記範囲内であることが好適である。
微細な充填剤の使用量が前記の範囲より少ないと、得られる樹脂組成物の粘度特性を所定のものに調整することが難しくなる。前記の範囲を越えると、均一な分散物を調製することが難しくなるし、得られた樹脂組成物は高粘度になり過ぎて印刷性が悪くなる。
また、有機溶媒の使用量はポリイミドシロキサン100重量部に対して有機溶媒50〜200重量部とすることが、インキとしての作業性や溶液物性、印刷及び加熱処理工程において塗膜形態を制御するうえから適当である。
本発明のインキは、前記の微細な充填材以外の充填材、顔料、染料、及び、消泡剤などを必要に応じて添加してもよい。微細な充填材以外の充填材としては、種類や形態には特に限定はないがスクリーン印刷法により印刷をおこなうことができる程度に粒径が小さいものがよい。
本発明のインキは、例えば、ポリイミドシロキサン、多価イソシアネート化合物及び/又はエポキシ化合物、微細な充填剤、および、必要に応じて有機溶媒の所定量を、均一分散するように十分に混合することによって得ることができる。
これらの混合方法は、各成分が十分均一に分散混合したインキを得ることができれば特に限定はないが、例えば、通常の方法で粗混合物としたあとで、常温において三本ロールなどによって十分に混練し、更に混練時に混入した気泡を十分脱泡する方法によって好適におこなうことができる。
ポリイミドシロキサンの溶液組成物を用いる場合は、ポリイミドシロキサンを調整した反応溶液をそのまま用いてもよいし、その反応溶液を適当な有機溶媒で希釈したものを用いてもよい。尚、有機溶媒としては、沸点が140℃以上で210℃以下、特に沸点が180℃以上の有機溶媒が、蒸発による有機溶媒の散逸が極めて減少するので好適である。また、このような有機溶媒は、スクリーン印刷法で印刷を支障なく好適におこなううえで最適である。
本発明のインキは、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して硬化した塗膜を得ることができる。加熱処理方法は、好ましくは、基材表面にスクリーン印刷して所定パターンに塗布した後、60〜120℃好ましくは70〜120℃程度の温度で5〜60分間程度、次いで120〜210℃好ましくは120〜190℃程度の温度で5〜120分間の2段階で加熱処理することによって好適に、微細なパターンの硬化した塗膜を得ることができる。
本発明のインキは、スクリーン印刷法によって印刷し次いで加熱処理して得られる硬化した塗膜のエッジ部の印刷面(基材表面)に対する傾斜角を15°以上、好ましくは20°以上、特に30°以上にすることができるから、例えば、厚さが数μm〜数十μm程度の硬化した塗膜を形成する場合に、ラインアンドスペースが80μm〜5μmの微細なパターン、より具体的には、幅が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上のライン状の硬化した塗膜、径が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上の円形の硬化した塗膜、幅が80μm以下特に50μm以下更に30μm程度以下好ましくは20μm以下で5μm以上のライン状のスペースを持った硬化した塗膜、或は、径が80μm以下特に50μm以下更に30μm以下好ましくは20μm以下で5μm以上の円形のスペースをもった硬化した塗膜などからなる、微細なパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を製造することが可能になる。このために、本発明のインキは、微細化及び高精度な塗膜が要求されている分野において、例えば、半導体装置の製造工程やIC実装部品の絶縁層及び液晶など表示装置のカラーフィルターのブラックマトリックス層を形成するために好適に用いることができる。
尚、本発明において、印刷される基材は、その目的とする用途によっていずれの材料を用いても構わない。例えば、ガラス板などの透明基材、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ積層基板などの絶縁基材、及び固体電子素子などを好適に挙げることができる。
次に本発明を実施例によって更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
測定方法や評価方法は次の方法でおこなった。
〔複素粘性率(η)の測定〕
ダイナミックスペクトロメーター RDSII(レオメトリック社製)を用いて、パラレルプレート25mmφ、プレート間隔2mm、歪10%、温度25℃、窒素ガス気流中、周波数スイープモードにて測定し、周波数が1rad/sec及び10rad/secでの複素粘性率(η)を求めた。
〔溶液粘度の測定〕
E型粘度計(東京計器社製)、STローターを使用し、回転数10rpm、温度25℃でおこなった。
〔印刷操作性の評価〕
高精度印刷機(マイクロテック社製)にて高精細スクリーン板を用いて、スキージスピート15mm/secにてスクリーン印刷をおこなった。通常の印刷操作によって印刷が可能な場合を○、スキージによってインキをスクリーン上に均一に広げることができなかったり、版離れが悪い(基材の印刷面とスクリーンとがくっついて容易に剥がれない)場合は×とした。
〔微細なパターンの印刷性評価〕
高精度印刷機(マイクロテック社製)にて高精細スクリーン板を用いて、ガラス基材上に、厚さ5〜10μm程度で幅20μm程度のラインと幅20μm程度のスペースとからなるパターンの塗膜が得られるように、スクリーン印刷法で印刷し、これをオーブン中80℃で30分間次いで180℃で30分間加熱処理した。得られた塗膜のパターンを光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で観察して、目的のパターンが得られた場合を○、スペースが埋まったり明確なパターンが得られなかった場合を×とした。
〔塗膜エッジ部の印刷面に対する傾斜角の測定〕
高精度印刷機(マイクロテック社製)にて高精細スクリーン板を用いて、ガラス基材上に、厚さ5〜10μm程度のライン状の硬化した塗膜が得られるように、スクリーン印刷法によって印刷し次いでオーブン中80℃で30分間更に180℃で30分間加熱処理した。この硬化した塗膜全体を覆うようにこの試料表面にエポキシ樹脂を塗布して硬化させた。次いで、この塗膜をライン方向に対して直角の断面が得られるように切削し、その断面を走査型電子顕微鏡によって観察して、基材表面と塗膜のエッジ部の傾斜面がなす傾斜角を測定した。尚、前記傾斜角は硬化した塗膜のエッジ部の最も厚みの厚い部分の厚みに対して上部30%と下部20%とを除いた中央部50%部分の範囲での平均角度として求めた。
〔電気絶縁性の測定〕
表面抵抗:JIS C−2103によって測定した。
体積抵抗:JIS C−2103によって測定した。
絶縁破壊電圧:JIS C−2318によって測定した。
以下の各例で使用した化合物等の略号を示す。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DAPSi:α、ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(アミノ当量:460又は455、n1=約10)
MBAA:ビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)メタン
BAPP:2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
DABA:3,5−ジアミノ安息香酸
TG:トリグライム
また、以下の各例で使用した充填材について説明する。
アエロジル 130:日本アエロジル社製、平均粒径は16nmの微粉状シリカ
アエロジル 50:日本アエロジル社製、平均粒径は30nmの微粉状シリカ
硫酸バリウム B−30:堺化学工業社製、平均粒径は0.3μm
球状シリカ アドマファインSO−C2:信越石英社製、平均粒径は0.5μm
〔参考例1〕
容量500mlのガラス製フラスコに、a−BPDA58.84g(0.2モル)、TG116gを秤取し、窒素雰囲気下、185℃で加熱攪拌した。これにDAPSi(アミノ当量:460)156.4g(0.17モル)とTG50gとを加え、185℃で2時間加熱攪拌した。更に、この反応溶液にMBAA8.59g(0.03モル)及びTG50gとを加え、185℃で5時間加熱攪拌した。
この反応溶液を25℃まで冷却した。得られたポリイミドシロキサン溶液の固形分(ポリイミドシロキサン)濃度は50.3重量%、対数粘度(0.5g/100ml)は0.173、溶液粘度は35ポイズであった。イミド化率は実質的に100%であった。
次いで、ガラス製容器にて、前記ポリイミドシロキサン溶液にTGを添加してポリイミドシロキサン濃度を50重量%に調整した溶液35gへ、エポキシ樹脂のエピコート157S07(ジャパンエポキシレジン社製)2.14g、及び、イミダゾール系触媒のキュアゾール 2E4MZ(四国化成工業社製)0.06gを加え2時間攪拌した。この溶液の溶液粘度は40ポイズであった。
〔参考例2〕
容器500mlのガラス製プラスコに、a−BPDA58.84g(0.2モル)、TG170gを仕込み、窒素雰囲気下、180℃で加熱撹拌した。100℃付近まで冷却し、DAPSi(アミノ当量:455)127.4g(0・14モル)、TG50gを加え、180℃で60分間加熱撹拌した。更に、室温付近まで冷却後、この反応液にBAPP13.52g(0.03モル)、DABA4.56g(0.03モル)、及びTG79gとを加え、180℃で5時間加熱撹拌した。得られたポリイミドシロキサン反応溶液は、ポリマー固形分濃度が40重量%、対数粘度(0.5g/100ml)が0.20、溶液粘度が28ポイズの溶液であった。イミド化率は実質的に100%であった。
次いで、ガラス製容器にて、前記ポリイミドシロキサン溶液40gへ、エポキシ樹脂のエピコート157S07(ジャパンエポキシレジン社製)2.88g、及び、イミダゾール系触媒のキュアゾール 2E4MZ(四国化成工業社製)0.03gを加え2時間攪拌した。この溶液の溶液粘度は41ポイズであった。
〔実施例1〜4〕
参考例1で得られた溶液に、表1に示した樹脂組成になるように充填材を加えて混合した。次いで、この組成物を三本ロールで2回処理し更に泡取り練太郎(株式会社シンキー製)を用いて公転2000rpm、自転600rpmで処理して混練及び脱泡をおこなってインキを得た。
得られたインキの複素粘性率(η)を測定した結果を表1に示す。
これらのインキを用いてガラス基材表面にスクリーン印刷法によって印刷をおこない次いで加熱処理をおこなって所定のパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を得た。この結果から、印刷作業性、微細なパターンの印刷性、塗膜エッジ部の印刷面に対する傾斜角を評価又は測定した。その結果を表1に示す。
実施例3のインキを用いて微細なパターンの印刷性評価をおこなった試料について、硬化した塗膜のライン方向に直角な断面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を図2に示した。(この写真では、試料断面を得る時の切削によってガラス基材が破砕している。)この硬化した塗膜は厚さ約6μm、幅約20μmで形成されていることがわかる。
〔比較例1、2〕
充填材の添加量を表1のようにしたこと以外は、実施例1〜4と同様の操作をおこなった。結果は表1のとおりであった。
Figure 0004599821
実施例1のインキを用いて、スクリーン印刷法で銅箔上にこのインキを印刷し80℃30分間、更に、180℃で30分間加熱処理して、厚みが30μmの硬化した塗膜を作成し、その硬化した塗膜の電気特性を測定したところ、体積抵抗は0.04×1016Ω・cm、表面抵抗は18.8×1016Ω以上、絶縁破壊電圧は75kV/mmと優れた絶縁特性を示した。
〔実施例5〕
実施例4のインキを用いて、スクリーン印刷法でガラス基材に印刷し次いで80℃30分間、更に、180℃で30分間加熱処理をおこない、厚みが20μm程度の硬化した塗膜を得た。この硬化した塗膜全体を覆うようにこの試料表面にエポキシ樹脂を塗布して硬化させた。次いで、この硬化した塗膜をライン方向に対して直角の断面が得られるように切削し、硬化した塗膜の断面を走査型電子顕微鏡によって観察した。その断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。(この写真では、試料断面を得る時の切削によってガラス基材が破砕している。)この硬化した塗膜のエッジ部は印刷面(基材表面)に対する傾斜角度が30°以上であった。この結果から、このインキを用いてスクリーン印刷法で印刷し次いで所定の加熱処理することによって、厚みが20μm程度でも、例えば、幅又は径が30μm程度以下好ましくは20μm〜5μm程度のライン状又は円形のスペースを持った硬化した塗膜を得るのが可能であることがわかる。
〔実施例6〕
参考例2で得られた溶液に、表1に示した樹脂組成になるように充填材を加えて混合した。次いで、この組成物を三本ロールで2回処理し更に泡取り練太郎(株式会社シンキー製)を用いて公転2000rpm、自転600rpmで処理して混練及び脱泡をおこなってインキを得た。
得られたインキの複素粘性率(η)を測定した結果を表1に示す。
これらのインキを用いてガラス基材表面にスクリーン印刷法によって印刷をおこない次いで加熱処理をおこなって所定のパターンを持った硬化した塗膜からなる印刷物を得た。この結果から、印刷作業性、微細なパターンの印刷性、塗膜エッジ部の印刷面に対する傾斜角を評価又は測定した。その結果を表1に示す。
本発明の硬化した塗膜のエッジ部の印刷面に対する傾斜角の測定方法を説明するための概略図である。 本発明の実施例3の硬化した塗膜のエッジ部の印刷面(基材表面)に対する傾斜角を測定のための硬化した塗膜の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例5の硬化した塗膜の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1:塗膜
2:印刷面(基材表面)

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂成分を含むインキに、
    25℃の温度において、周波数が1rad/secのときの複素粘性率(η )が10000〜300000ポイズであり且つ周波数10rad/secのときの複素粘性率(η )が1000〜30000ポイズであり
    25℃の温度において、周波数が1rad/secのときの複素粘性率(η )が、周波数10rad/secのときの複素粘性率(η )の4〜16倍となるように、
    樹脂成分100重量部に対して20〜300重量部の平均粒子径が50nm未満の微細な充填材を含む充填材を加えて混合することを特徴とする、インキの製造方法
  2. 樹脂成分が、100〜210℃の温度範囲において実質的に熱硬化反応をおこすように構成されている前記請求項1のインキの製造方法
  3. 樹脂成分の硬化反応が、芳香族ジカルボン酸無水物基又は芳香族ジカルボン酸モノエステル基とエポキシ基又はブロックされたイソシアネート基との反応、ブロックされたイソシアネート基と水酸基又はカルボキシル基との反応、エポキシ基と水酸基又はカルボキシル基との反応、または、前記反応のいずれかの組合せによって実質的に起るように構成されたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のインキの製造方法
  4. 樹脂成分が、(a)テトラカルボン酸成分と、一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサンを含むジアミン成分とからなるポリイミドシロキサン、(b)エポキシ化合物及び/又はブロック多価イソシアネートとを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインキの製造方法
    Figure 0004599821
    (式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rはそれぞれが独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜30の整数を示す。)
  5. ポリイミドシロキサンのジアミン成分として、側鎖に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する芳香族系ジアミンを含むことを特徴とする請求項4に記載のインキの製造方法
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のインキの製造方法によって得られたインキをスクリーン印刷法により印刷し次いで60〜210℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とする硬化した塗膜からなる印刷物の製造方法。
  7. ラインアンドスペースが80μm以下の微細なパターンの硬化した塗膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の硬化した塗膜からなる印刷物の製造方法。
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