JP4599751B2 - セラミックハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

セラミックハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,一部のセル端部を閉塞したセラミックハニカム構造体の製造方法およびその製造過程において使用する貫通穴形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば自動車の排ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタ構造体としては,図11(a)(b)に示すごとく,多数のセル88を隔壁81により設けてなり,さらに一部のセル88のセル端部を交互に閉塞材830によって閉塞した閉塞部83を設けたセラミックハニカム構造体8がある。
この特殊な形状のセラミックハニカム構造体8を製造するにあたっては,図12に示すごとく,セル88の両端のセル端部を開口させた貫通状態のハニカム構造体本体86を作製し,その端面に開口したセル端部に閉塞材830(図11)を詰めて閉塞する。
【0003】
従来,ハニカム構造体本体86のセル端部の閉塞工程は,次のように行っていた。
図12(a)(b)に示すごとく,ハニカム構造体本体86の端面にワックスシート91を被せ,これを押圧することにより,ワックス90を各セル88のセル端部に詰め込む。次いで,図12(c)に示すごとく,閉塞すべきセル端部に詰められたワックス90を治具等を用いて手作業にて外部へ穿り出し,開口したセル端部880を設ける。
【0004】
次いで,ワックス90を詰めた端面を下方に向けて,端面閉塞材を含有するスラリー60に浸漬させ,該スラリー60をワックス90を除去したセル端部880に浸入させる。そしてスラリー60を乾燥又は焼成させると共にワックス90を除去する。なお,ハニカム構造体の両端面において閉塞部83を設ける場合には,上記スラリー浸漬までの工程を他方の端面において繰り返す。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のハニカム構造体の製造方法においては,次の問題がある。
即ち,上記のごとく,セル端部を閉塞する工程は,詰め込んだワックス90の除去工程が煩雑であり,多大の工数を必要とした。また,ハニカム構造体の薄肉化,セルの縮小化に伴って,ワックス90の手作業による除去が困難となり,さらに工数の増加を招いていた。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ハニカム構造体の端面における一部のセル端部を閉塞する工程を合理化することができるハニカム構造体の製造方法及びその製造過程で用いる貫通穴形成装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
参考発明として,セラミック製のハニカム構造体の端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体を製造する方法において,セル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体を作製した後,該ハニカム構造体本体の上記端面における一部のセル端部を閉塞するにあたり,上記セル端部の少なくとも一部を覆うように上記ハニカム構造体本体の上記端面にフィルムを貼り付け,次いで,閉塞すべきセル端部に位置する上記フィルムを熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成し,次いで,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,その後,上記スラリーを硬化させると共に上記フィルムを除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法ある。
【0008】
本発明において最も注目すべき点は,上記端面に貼り付けた上記フィルムを熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成することである。
上記フィルムとしては,熱により溶融あるいは焼却可能な樹脂よりなるフィルムを用いる。たとえば,熱可塑性合成樹脂よりなるフィルムを用いることができる。また,フィルムの貼り付け方法としては,予めフィルムに接着剤を塗布した粘着フィルムを用いる方法,貼り付け工程時にハニカム構造体本体またはフィルムに接着剤を塗布する方法,あるいは接着剤を用いずにフィルムを溶着させる方法等,種々の方法がある。
【0009】
また,上記端面閉塞材を含有するスラリーは,乾燥又は焼成により硬化させる方法のほか,その他の種々の硬化処理により硬化させることができる。
また,上記スラリーをセル端部へ浸入させる工程は,上記ハニカム構造体本体を焼成する前に行うこともできるし,焼成後に行うこともできる。そしてこの工程順序の選択によって,上記スラリーの成分,硬化方法等を変更することが好ましい。
【0010】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,上記ハニカム構造体本体の端面に上記フィルムを貼り付けた後,これの所望部分を熱により溶融又は焼却除去して貫通穴を形成する。そのため,従来の詰め込んだワックスを外部へ穿り出すという作業が不要となる。即ち,上記フィルムに貫通穴を形成すべき部分に対して熱を加えるだけで貫通穴を形成できるので,除去すべきものがなく,作業が非常に簡単である。
それ故,従来と同様に人手によって行った場合においても,セル端部に詰めたワックスを穿り出す作業を行う従来の場合と比べて大幅に能率を向上させることができる。さらに,機械を用いた自動化を容易化することができる。
【0011】
また,上記貫通穴を形成した後には,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,その後,上記スラリーを硬化させることにより閉塞部を形成し,容易にセル端部の閉塞を行うことができる。
【0012】
また,上記フィルムの最終的な除去は,例えば熱により焼却除去することができる。この場合には除去作業が非常に容易である。なお,このフィルム除去のための熱の付与は,上記スラリーを乾燥又は焼成する場合にはこれと同時に行ってもよいし,別工程において行ってもよい。
なお,上記フィルムを焼却除去せずに,機械的に剥がして除去する方法をとることも可能である。
【0013】
このように,本発明の製造方法によれば,ハニカム構造体の端面における一部のセル端部を閉塞する工程を合理化することができ,一部のセル端部を閉塞させたハニカム構造体の生産性を従来よりも大幅に向上させることができる。
尚,本発明に用いるフィルムは,例えば,セロハン等のような天然素材や,PET(ポリエチレンテレフタレート),PP(ポリプロピレン),ポリエステル等のような合成素材であってもよい。
【0014】
次に上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,高密度エネルギービームを上記フィルムに照射して該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うことが好ましい。この場合には,上記高密度エネルギービームから伝えられる熱によって瞬時に上記フィルムを溶融あるいは焼却除去することができ,容易に上記貫通穴を形成することができる。さらに,高密度エネルギービームの照射位置は非常に精度よく制御できるので,上記貫通穴の形成位置を精度よく制御できると共に自動化を図ることが比較的容易となる。
なお,上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,加熱した治具を上記フィルムに接触させて該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うことももちろん可能である。
【0015】
また上記フィルムとして透明または半透明のフィルムを用い,上記高密度エネルギービームを照射すべき位置を決定するにあたっては,上記端面に貼り付けた上記フィルムを透過して視覚的にセル端部の位置を認識する画像処理手段を用いて上記セル端部の位置情報を求め,該位置情報に基づいて上記高密度エネルギービームの照射位置を決定することが好ましい。この場合には,セラミック製のハニカム構造体本体に製造上不可避な変形等が生じている場合においても,上記画像処理手段によって正確にセル端部の位置を把握し,これを基に高密度エネルギービームの照射位置を決定することができるので,上記貫通穴形成工程の精度向上及び自動化の促進を図ることができる。
【0016】
また上記高密度エネルギービームは,レーザ光であることが好ましい。この場合には,上記フィルムの溶融あるいは焼却除去に必要な熱量を有する光を容易に精度よく得ることができ,また,微調整も容易である。レーザ光としては,CO2レーザ,YAGレーザ等種々のレーザ発射手段より発せられるレーザ光を用いることができる。
【0017】
次にハニカム構造体の端面に開口したセル端部の少なくとも一部を覆うように貼り付けた透明又は半透明のフィルムに対して,所望のセル端部の位置に貫通穴を設けるための貫通穴形成装置であって,上記端面に貼り付けた上記フィルムを透過して視覚的にセル端部の位置を認識して位置情報を得る画像処理手段と,上記フィルムに高密度エネルギービームを照射する熱照射手段と,上記画像処理手段からの位置情報に基づいて上記高密度エネルギービームの照射位置を決定して上記熱照射手段を操作する制御手段とを有することを特徴とする貫通穴形成装置ある。
【0018】
上記貫通穴形成装置においては,上記画像処理手段により求めたセル端部の位置情報によって,上記高密度エネルギービームの照射を精度よく行うことができる。そのため,この貫通穴形成装置を用いれば,上記の一部のセル端部を閉塞してなるハニカム構造体を製造する場合のセル端部の閉塞工程を従来よりも大幅に合理化することができる。
また上記高密度エネルギービームは,上記と同様に,レーザ光であることが好ましい。
【0019】
請求項1の発明は,セラミック製のハニカム構造体の端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体を製造する方法において,
セル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体を作製した後,該ハニカム構造体本体の上記端面における一部のセル端部を閉塞するにあたり,
上記セル端部の位置を認識する画像処理手段を用いて上記セル端部の位置情報を求め,
次いで,上記セル端部の少なくとも一部を覆うように上記ハニカム構造体本体の上記端面にフィルムを貼り付け,
次いで,上記位置情報に基づいて閉塞すべきセル端部に位置する上記フィルムを熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成し,
次いで,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,
その後,上記スラリーを硬化させると共に上記フィルムを除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法がある。
【0020】
本発明の方法では,上記フィルムを端面に貼り付ける前に,該端面におけるセル端部の位置情報を採取する。そして,その後,端面に上記フィルムを貼設した後,予め求めた位置情報にしたがって,フィルムへの貫通穴の形成を行う。そのため,上記セル端部の位置情報を採取する際には,セル端部を覆うフィルムが存在していない状態であるので,非常に鮮明な画像データを得ることができ,非常に正確な位置情報を把握することができる。又,その後にフィルムを貼り付ければよいので,フィルムの透過性は必要なく,透明でないものも用いることができる。
【0021】
次に,請求項2の発明は,セラミック製のハニカム構造体の端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体を製造する方法において,セル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体を作製した後,該ハニカム構造体本体の上記端面における一部のセル端部を閉塞するにあたり,上記セル端部の位置を認識する画像処理手段を用いて上記セル端部の位置情報を求め,次いで,上記セル端部の少なくとも一部を覆うために準備したフィルムに対し,上記位置情報に基づいて閉塞すべきセル端部に位置する予定の部分を熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成し,次いで,上記ハニカム構造体本体の上記端面にフィルムを貼り付けて,閉塞すべきセル端部に上記貫通穴を位置させ,次いで,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,その後,上記スラリーを硬化させると共に上記フィルムを除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法にある。
【0022】
本発明の方法では,上記フィルムを端面に貼り付ける前に,該端面におけるセル端部の位置情報を採取する。そして,更に,フィルムを端面に貼り付ける前に,上記位置情報に基づいてフィルムに対して上記貫通穴を設ける。そのため,この場合には,フィルムへの貫通穴の形成を行う処理をフィルム単独で行うことができる。それ故,貫通穴形成時においてハニカム構造体本体あるいはその他端に影響を及ぼすようなことも考慮する必要がなくなり,貫通穴形成作業の作業性を向上させることができる。
【0023】
次に,請求項3の発明のように,この場合にも,上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,高密度エネルギービームを上記フィルムに照射して該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うことが好ましい。これにより,上記と同様に,貫通穴の形成位置を精度よく制御できる。また,貫通穴の形成工程の自動化が比較的容易となる。
【0024】
また,請求項4の発明のように,上記高密度エネルギービームは,レーザ光であることが好ましい。この場合には,上記照射する位置,熱量などを高精度で制御することができ,上記貫通穴の形成精度を向上させることができる。
【0025】
また,請求項5の発明のように,上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,加熱した治具を上記フィルムに接触させて該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うこともできる。この場合には,高密度エネルギービーム照射装置を備える場合よりも比較的簡単な装置,例えば半田ごてと同様の機能を有する治具を用いることができ,装置の構成を簡素化することができると共に設備コストを低減することができる。
【0026】
また,請求項6の発明のように,上記セル端部に貼り付けられた上記フィルムに設ける上記貫通穴の大きさは,各セル端部の開口面積に応じて変化させることが好ましい。即ち,上記ハニカム構造体本体の端面に開口したセル端部の開口面積は必ずしもすべて同じではなく,多少のばらつきを有している。特に,端面の外周端に接するセル端部は開口面積が狭くなっている場合が多い。このように開口面積にばらつきがある場合に,その開口面積に応じて貫通穴の大きさを変化させる,即ち,開口面積が大きい場合には大きな貫通穴を,開口面積が小さい場合には小さい貫通穴を形成する。これにより,その後の工程において,開口面積に応じて適切な量のスラリーを浸入させることができ,閉塞部の厚みのばらつきを低減させることができる。
【0027】
なお,上記開口面積と貫通穴の径との関係は,比例関係を持たせて求めることができる。また,上記開口面積の値を所定の範囲ごとに区切ってグループを作り,各グループごとに一定の値を定めて貫通穴の径とすることもできる。また,その他の方法を用いることも可能である。
【0028】
また,請求項7の発明のように,上記貫通穴は,上記セル端部の開口面積の重心に基づいて設けられることが好ましい。ここで,上記重心に基づいて設けるとは,少なくとも上記重心に穴をあけ,その周囲に広げるように穴の面積を広げることを意味する。この場合には,穴の形成をスムーズに行うことができる。
【0029】
また,請求項8の発明のように,上記貫通穴は,上記セル端部の開口面積の重心を中心とした形状であることが好ましい。これにより,さらにスムーズな穴の形成を行うことができる。
特に,請求項9の発明のように,上記セル端部の開口面積の重心を中心とした形状は,略円形形状,略四角形状,略六角形状及び略三角形状のいずれかであることが好ましい。これらの形状であれば,その後の工程において貫通穴を介して浸入させるスラリーの偏った配置を抑制することができる。
【0030】
また,請求項10の発明のように,上記フィルムは,樹脂製フィルムあるいはワックスシートを用いることができる。樹脂製フィルムとしては,上記のごとく,例えば熱可塑性合成樹脂を用いることができる。また,上記ワックスシートとしては,例えば,パラフィン系ワックスを用いることができる。
【0031】
また,請求項11の発明のように,上記高密度エネルギービームを用いて上記貫通穴を形成するに当たっては,形成しようとする貫通穴の中心に対して最初に上記高密度エネルギービームを照射し,次いで,徐々に径が大きくなるように螺旋状に照射位置を相対的にずらしながら上記貫通穴の径を所望の大きさまで広げることが好ましい。
【0032】
この場合には,除去したフィルムの残骸を残すことなく,きれいに貫通穴を形成することができる。また,この場合には,所望の貫通穴の径よりも小さい径のエネルギービーム径を用いて,比較的低いエネルギー密度の高密度エネルギービームを照射する。そのため,高密度エネルギービームがセルを通過して他端まで到達することを防止することができる。それ故,他端にすでにフィルムを貼っていた場合においても,これを損傷させることを防止することができる。
【0033】
また,請求項12の発明のように,上記貫通穴を形成するに当たっては,上記高密度エネルギービームの照射装置は固定し,上記ハニカム構造体本体を移動させて所望の位置に上記高密度エネルギービームを照射させることが好ましい。上記高密度エネルギービームを照射する場合には,その高密度エネルギービーム照射装置とハニカム構造体本体のいずれか,あるいは両者を移動させて相対的に位置をずらしながら処理をする必要がある。
【0034】
この場合,高密度エネルギービームを照射する装置は,非常に精密な装置であってハニカム構造体本体よりも確実に重量が重い。そのため,高密度エネルギービーム照射装置を移動する装置を導入するよりも,上記ハニカム構造体本体を移動する装置を導入する方が,設備コストの低減,装置の安定性の向上を図ることができる。
【0035】
また,請求項13の発明のように,上記画像処理手段においては,上記セル端部の位置情報を作成するに当たり,上記ハニカム構造体本体の上記端面を複数のブロックに分割し,該ブロックごとに,当該ブロックとこれに隣接するブロックの少なくとも一部と重なる重複部を含む領域の画像データを採取し,次いで,上記各ブロックごとの画像データを上記重複部を重なり合わせることによって連結し,上記端面全体における上記セル端部の位置情報を作成することが好ましい。
【0036】
この場合には,上記画像処理手段によって採取する画像データの単位を上記ブロックの単位に分割して小さくすることができる。これにより,各画像データの精度を向上させることができる。また,各画像データは上記のごとく隣り合うブロックとの上記重複部を有するように採取する。そのため,上記各画像データは,互いの重複部を重ね合わせることによって上記ハニカム構造体本体の端面全体の画像データを精度よく形成することができ,各セル端部の位置情報を正確なものとすることができる。
【0037】
また,請求項14の発明のように,上記画像処理手段は,画像データの採取を1組のカメラを用いて行い,かつ,該カメラの位置は固定しておき,上記ハニカム構造体本体を移動させて順次上記カメラの視野範囲内に上記各ブロックを位置させて上記画像データを採取することが好ましい。
【0038】
上記各ブロックの画像データを採取する場合には,カメラとハニカム構造体本体とを相対的に移動させる必要がある。この場合に,上記のごとくカメラ位置を固定する場合には,非常に精密なカメラを含む装置を移動する必要がないので,設備コストの低減,装置の安定性の向上を図ることができる。また,上記高密度エネルギービームを発射する装置とカメラを含む装置とを固定して,両者の間において上記ハニカム構造体本体を移動するように装置を組むこともできる。この場合には,複数の工程の自動化を容易に図ることができる。
【0039】
また,請求項15の発明のように,上記画像処理手段は,画像データの採取を1組のカメラを用いて行い,かつ,上記ハニカム構造体本体は固定しておき,上記カメラの位置を移動させて順次上記カメラの視野範囲内に上記各ブロックを位置させて上記画像データを採取することも勿論可能である。
この場合にも,上記優れた方法を実施することができる。
【0040】
また,請求項16の発明のように,上記貫通穴の形成は,上記各ブロック単位ごとに行い,1のブロックにおける貫通穴の形成が完了した直後には,該ブロックに隣接したブロック以外の離れたブロックが存在する場合には,該離れたブロックにおける貫通穴の形成を行うことが好ましい。これにより,隣り合ったブロックを連続的に処理する場合に比べて,フィルムの熱歪みによる変形を抑制することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
参考例1
本発明の参考例にかかるセラミックハニカム構造体の製造方法につき,図1〜図4を用いて説明する。
本例では,前述した図11に示すごとく,自動車の排ガス浄化装置の担体用のセラミック製のハニカム構造体であって,その端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体8を製造する方法である。
【0042】
図1に示すごとく,すべてのセル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体86を作製した後,該ハニカム構造体本体86の上記端面における一部のセル端部82を閉塞するにあたり,上記セル端部82を覆うように上記ハニカム構造体本体86の上記端面861に透明又は半透明の樹脂フィルム2を貼り付ける。次いで,図2に示すごとく,閉塞すべきセル端部82に位置する上記樹脂フィルム2を熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴20を形成する。次いで,図4に示すごとく,上記端面861を端面閉塞材を含有するスラリー60に浸漬させ,該スラリー60を上記貫通穴20を通じてセル端部82に浸入させ,その後,上記スラリー60を硬化させると共に樹脂フィルム2を除去する。
以下,これを詳説する。
【0043】
本例では,上記ハニカム構造体本体86を押出し成形により作製した。具体的には,コーディエライトを形成するセラミック材料を用いて,四角い多数のセルを有する筒状の長尺のハニカム構造体を作製し,それを所定長さに切断することにより上記ハニカム構造体本体86を形成した。このハニカム構造体本体86のセル端部82はその両方の端面861,862においてすべて開口している。
【0044】
次に,図1に示すごとく,一方の端面861の全面に樹脂フィルム2を貼り付ける。本例では,一方の面に接着剤を塗布した総厚み110μmの熱可塑性樹脂製フィルムを用いた。
次に,本例では,図2に示すごとく,貫通穴形成装置5を用いて,閉塞すべきセル端部82に位置する上記樹脂フィルム2を熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴20を形成した。
【0045】
同図に示すごとく,貫通穴形成装置5は,上記端面861に貼り付けた上記樹脂フィルム2を透過して視覚的にセル端部82の位置を認識して位置情報を得る画像処理手段51と,上記樹脂フィルム2に高密度エネルギービーム(レーザ光)520を照射する熱照射手段52と,上記画像処理手段51からの位置情報に基づいて上記高密度エネルギービーム520の照射位置を決定して上記熱照射手段52を操作する制御手段53とを有する。
【0046】
上記画像処理手段51は,上記端面の画像を取り込むカメラ部511と,画像データを形成する画像処理部512とを有する。カメラ部511は,端面の広さに応じて複数設置することが好ましいが,本例では1つのカメラ部511を適宜移動させて複数の領域を順次撮影するよう構成してある。
上記熱照射手段52は,CO2レーザ発射装置521とそのその制御部を内蔵した移動装置522とを有している。CO2レーザ発射装置521としては,複数設置した方が効率が向上するが,本例では設備コストの関係上1組のCO2レーザ装置521を用いた。
【0047】
また上記制御手段53は,上記画像処理手段51から受け取った画像データを基に各セル端部82の位置及び開口面積を演算し,閉塞すべきセル端部82の位置を求めて貫通穴20の形成位置を決定する。また,不要な周囲の樹脂フィルム2を切除するための輪郭位置22(図3)を決定する。そして,この貫通穴形成位置及び輪郭位置の情報を上記熱照射手段52に指示してCO2レーザ発射手段521の移動及び照射制御を行わせるよう構成されている。
【0048】
このような構成の貫通穴形成装置5を用いることにより,図2に示すごとく,まず,ハニカム構造体本体86の端面861を上記カメラ部511により撮影して画像データを作成する。次いで,制御手段53において上記貫通穴形成位置及び輪郭位置を算出する。本例では,貫通穴形成位置は隣接するセルが交互に開口と閉塞を繰り返す市松模様状に閉塞部を形成するよう貫通穴形成位置を決定した。
【0049】
次に,ハニカム構造体をレーザ発射主段下まで移動させ又は発射手段を移動させると共にカメラ部直下に位置するときの座標上の原点を合わす。そして,上記制御手段53の指示に基づいて,上記CO2レーザ発射手段521からレーザ光520を順次照射して樹脂フィルム2を溶融または焼却除去して,貫通穴20及び輪郭位置22を形成する。
【0050】
これにより,図3に示すごとく,ハニカム構造体本体86の端面には,輪郭位置22よりも外周の不要部分29を切除し,かつ,閉塞予定位置のセル端部に位置する部分に貫通穴20を設けた樹脂フィルム2が配設された状態となる。
このような樹脂フィルム2の貼り付けから貫通穴形成までの作業を,ハニカム構造体本体86の他方の端面に対しても同様に行う。このとき,各セルは,一方のセル端部が上記樹脂フィルム2により閉止され,他方のセル端部に上記貫通穴20を形成した状態とする。
尚,周辺の一部が欠けた正方形に対しては,市松模様状とせず,閉塞部材をすべて詰めるようにしている。
【0051】
次に,一方の端面861を端面閉塞材を含有するスラリー60に浸漬させ,該スラリー60を上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させる。本例では,図4に示すごとく,ディップ装置6を用いて行った。ディップ装置6は,同図に示すごとく,ワークであるハニカム構造体本体86を把持して移動させるハンドリング部61と,焼成後コーディエライトとなる材料を主体とする端面閉塞材を含有するスラリー60を入れた液槽62と,上記ハンドリング部6を制御する制御部63とを有する。また,制御部63には,上記スラリー60の液面位置を検知する液面センサー631を接続してある。
【0052】
このディップ装置6を用いて作業を行うにあたっては,まず図4に示すごとく,上記ハニカム構造体本体86を,処理すべき端面を下端にして基準台64上に載置する。ついで,上記ハンドリング部6のクランプ部611によってハニカム構造体本体86を掴んで所定量持ち上げる。次いでハンドリング部6を移動して上記スラリー60の上方にハニカム構造体本体86を移動する。次いで,ハンドリング部6を下降させて,ハニカム構造体本体86の端面をスラリー60内に浸漬する。
【0053】
このとき,制御装置63は,上記液面センサー631のデータと,ハンドリング部6の上下方向の移動量からディップ深さを算出し,所望の浸漬深さとなるようにハンドリング部6を制御する。
これにより,ハニカム構造体本体86の端面においては,上記貫通穴20を設けたセル端部82においては,貫通穴20からからスラリー60がセル端部に浸入する。
次に,同様のディップ装置6を用いた作業を,ハニカム構造体本体86の他方の端面に対しても同様に行う。
【0054】
次に,上記スラリー60をセル端部82に浸入させたハニカム構造体本体86を乾燥させた後,焼成する。
これにより,上記スラリー60が焼成して固化して閉塞材830となって閉塞部83を形成すると共に,端面に貼り付けられていた樹脂フィルム2が焼却除去される。これにより,一部のセル端部82を閉塞したハニカム構造体8が得られる。
【0055】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例では,上記のごとく,ハニカム構造体本体86の端面に樹脂フィルム2を貼り付けた後,これの所望部分を熱により溶融又は焼却除去して貫通穴を形成する。そのため,貫通穴を形成する作業が従来よりも非常に簡単である。特に,本例では,高密度エネルギービームとしてのレーザ光520を樹脂フィルム2に照射して上記貫通穴20を設ける。これにより,非常に容易にかつ精度よく貫通穴20を形成することができる。
【0056】
さらに,本例では,上記画像処理手段51を備えた貫通穴形成装置5を用いる。そのため,製造上不可避な微妙な変形が生じることを避けがたいセラミック製のハニカム構造体であっても,その端面のセル端部の位置を正確に把握することができる。特に本例では,樹脂フィルムとして透明または半透明のものを用いるので,上記画像処理手段を有効に利用することができる。
それ故,上記貫通穴形成装置5を用いることによって,貫通穴形成作業を自動化することにより,従来の手作業の場合と比べて大幅な能率向上を図ることができる。
【0057】
このように,本例では,ハニカム構造体の端面における一部のセル端部を閉塞する工程を合理化することができ,一部のセル端部を閉塞させたハニカム構造体8の生産性を従来よりも大幅に向上させることができる。
【0058】
参考例2
上記参考例1においては,上記のごとく,スラリー60の硬化を,ハニカム構造体本体86の焼成と同時にスラリー60を焼成することにより行った。これに対し,本例では,スラリー60をハニカム構造体本体86のセル端部に浸入させる前に,ハニカム構造体本体86を焼成した。また,スラリー60としては,充填後,室温で15〜20分風乾をした後,110〜120℃で1時間保持するという手順の硬化処理により硬化する特性を有するセラミックを含有する封止材(例えばスミセラム(商品名))を用いる。
この場合にも,参考例1と同様の作用効果が得られる。
【0059】
参考例3
本例は,参考例1におけるハニカム構造体本体86のセル形状を変更した例である。すなわち,本例は,図5に示すごとく,ハニカム構造体本体86が有するセル形状を三角形とした例であって,すべてのセル端部82が三角形の形状を有している。
この場合にも,参考例1,2と同様の方法により,セル端部82の一部に閉塞材830を配置して閉塞部83を形成することができ,参考例1,2と同様の作用効果が得られる。
【0060】
さらに,注目すべきことは,本例の場合にも,参考例1と同じ貫通穴形成装置5を用いることができる点である。貫通穴形成装置5は,上記のごとく,画像処理によって非接触で高密度エネルギービーム照射位置を決定することができ,照射対象の形状,大きさの変化にきわめて容易に対応できる。それ故,上記貫通穴形成装置5を用いれば,1種類だけでなく複数種類のハニカム構造体を同一ラインで作製することができ,大幅な工程合理化を図ることができる。
【0061】
実施形態例1
本例は,図6に示すごとく,参考例1と異なり,ハニカム構造体端面861に樹脂フィルム2を貼り付ける前に,端面861におけるセル端部82の位置を認識してその位置情報を作成し,その後,樹脂フィルム2を貼り付けた端面861にレーザ光520を照射して貫通穴20を設ける例である。
【0062】
本例では,図6に示すごとく,参考例1で示した貫通穴形成装置5とほぼ同様の構成の装置を用いた。なお,同機能部は同じ符号を用いた。
そして,本例では,まず貫通穴形成装置5を用いて,ハニカム構造体86(a)の端面861を上方からカメラ部511を用いて画像データを採取した。
【0063】
このとき,カメラ部511による撮影は,端面861を複数のブロックに分け,それぞれ行った。そして,各ブロックごとに得られた画像データを連結して端面861全体におけるセル端部82の位置情報を画像処理部512において形成する。
なお,上記カメラ部511により複数のブロックを撮影する際には,カメラ部511の位置を固定しておき,図示しない移行装置に載置された上記ハニカム構造体本体86(a)を移動させて行う。
【0064】
次に,上記移行装置によってハニカム構造体本体86(a)を図6中の86(b)の位置に移動させる。そして,セル端部82のすべてを覆うようにハニカム構造体本体86(b)の端面861に樹脂フィルム2を貼り付ける。本例では,参考例1と同様のフィルムを用いた。なお,このフィルムとしては,透明である必要はなく,また,他の材質のものに変更することも可能である。
また,1枚のフィルムで端面861全体を覆う必要は必ずしもなく,複数枚を組み合わせてもよい。また,得ようとするハニカム構造体の仕様によっては,端面861の全体を覆わず,部分的にのみ覆うようにしてもよい。
【0065】
次に,ハニカム構造体本体86(b)を86(c)の位置に上記移行装置によって移動させる。ハニカム構造体86を移動させるに当たり,上記カメラ部511の直下に位置するときの位置座標における原点と,熱照射手段52におけるCO2レーザ発射装置521の直下に位置するときの位置座標における原点とが一致するように設定してある。
【0066】
次に,上記貫通穴20を形成するに当たっては,参考例1と同様に,上記制御手段53が画像処理手段51から受け取った画像データを基にしてレーザ光520の照射位置及び各貫通穴20の大きさを演算により求める。
ここで,本例では,閉塞すべきセル端部の開口面積に応じて貫通穴20の大きさを変化させた。
具体的には,表1に示すごとく,セル端部の開口面積と貫通穴の大きさのマトリックスを作成し,これに対応させて貫通穴の径を決定した。
【0067】
【表1】
Figure 0004599751
【0068】
次に,レーザ光520を照射して,順次1つずつ貫通穴20を設けた。
このとき,貫通穴20を形成するに当たっては,形成しようとする貫通穴20の中心に対して最初にレーザ光520を照射し,次いで,徐々に径が大きくなるように螺旋状に照射位置を相対的にずらしながら貫通穴20の径を所望の大きさまで広げた。そして,セル端部の開口面積の重心を中心とした略円形状の貫通穴20を設けた。
【0069】
このような手順で貫通穴20をあけるため,レーザ光520の光径は小さい方が好ましく,本例では0.1mmφの光径とした。また,レーザ光520の強度も樹脂フィルム2を焼却できる最低限の弱いものとすることが好ましい。本例では,3〜5Wの出力に設定した。
また,このとき,高密度エネルギービームの照射装置は固定し,照射装置に設けられた照射可能範囲内の貫通穴位置を順次照射し,更にその範囲外にある貫通穴位置については,ハニカム構造体本体86(c)を上記移行装置によって移動させて所望の位置にレーザ光520を照射させた。
【0070】
次に,ハニカム構造体本体86の他方の端部にも上記と同様にして貫通穴20を形成した。
その後は,参考例1と同様にスラリーのセル端部への浸入の処理,乾燥,焼成工程を行った。
【0071】
本例の場合には,上記画像処理によってセル端部86の位置情報を得る際に,セル端部を直接見るすることができる。そのため,参考例1の場合のように,樹脂フィルム2を透視して撮影する場合よりも,正確な画像データを得ることができる。それ故,貫通穴20の形成位置の演算精度を向上させることができる。
【0072】
また,本例では,上記のごとく,貫通穴20の大きさを,各セル端部82の開口面積に応じて変化させた。これにより,セル端部82開口面積に応じて適切な量のスラリーを浸入させることができ,閉塞部83の厚みのばらつきを低減させることができる。
【0073】
更に,本例では,貫通穴20の形状を,セル端部の開口面積の重心を中心として略円形に設けたので,スラリーを浸入させる際に,スムーズに偏り無く実施することができた。
また,貫通穴20を形成する際に,形成しようとする貫通穴20の中心に対して最初にレーザ光520を照射し,次いで,徐々に径が大きくなるように螺旋状に照射位置を相対的にずらしながら貫通穴20の径を所望の大きさまで広げた。この処理を行うことによって,貫通穴20部分に存在していた樹脂フィルム2は,確実に焼却除去され,残骸が残留することを防止することができた。
【0074】
更に,本例では,上記カメラ部511及びCO2レーザ発射装置521の位置は固定し,ハニカム構造体本体86を図示しない移行装置により相対的に移動させるようにした。これにより,装置全体の設備コストの低減及び安定性の向上を図ることができた。
その他は,参考例1と同様の作用効果が得られる。
【0075】
実施形態例2
本例は,図7に示すごとく,参考例1と異なり,ハニカム構造体端面861に樹脂フィルム2を貼り付ける前に,端面861におけるセル端部82の位置を認識してその位置情報を作成し,その後,樹脂フィルムに貫通穴20を形成した後,これをハニカム構造体端面861に貼り付けた例である。
【0076】
本例でも,図7に示すごとく,参考例1で示した貫通穴形成装置5とほぼ同様の構成の装置を用いた。なお,同機能部は同じ符号を用いた。
そして,本例では,実施形態例1と同様に,まず貫通穴形成装置5の画像処理手段51を用いて,すべてのセル端部の位置情報を求めた。
【0077】
次いで,本例では,同図に示すごとく,ロール状に巻回された樹脂フィルム2を水平に張り,これに対して上記CO2レーザ発射装置521から発射したレーザ光520を照射して貫通穴20を形成した。このとき,CO2レーザ発射装置521と樹脂フィルム2との相対的な移動は,樹脂フィルム2を固定しておいて,CO2レーザ発射装置521を移動させる方法で行った。
また,ハニカム構造体86がカメラ部511の直下に位置するときの位置座標における原点と,樹脂フィルム2を水平に張った状態における位置座標の原点は最適な位置で一致するように設定されている。
【0078】
次に,本例では,上記貫通穴20を設けた樹脂フィルム2を所定長さに切って,作業者の手によってハニカム構造体本体86の端面861に貼り付けた。
そして,その後,樹脂フィルム2の余分な部分を切除した。
このような作業を,ハニカム構造体本体86の他方の端面においても実施した。その他は実施形態例1と同様である。
【0079】
本例の場合には,上記樹脂フィルム2が単独で存在している状態でこれに貫通穴20を形成する。そのため,ハニカム構造体本体86に対してレーザ光520が照射されたり,他端側に既に配設された樹脂フィルム2を焼却してしまったりという不具合が生じる心配が無く,容易に貫通穴20の形成作業を行うことができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果が得られる。
【0080】
実施形態例3
本例は,参考例1,実施形態例2,3における,画像処理手段52の画像データの処理方法の一例を示す。
本例では,図8に示すごとく,画像処理手段51においてセル端部82の位置情報を作成するに当たり,ハニカム構造体本体86の端面861を含む領域を9つのブロックS1〜S9に分割した。そして,図9,図10に示すごとく,各ブロックごとに,当該ブロックとこれに隣接するブロックの少なくとも一部と重なる重複部を含む領域の画像データを採取した。
【0081】
具体的には,図9に示すごとく,ブロックS1の輪郭は,R11〜R14の境界線に囲まれた四角形状をしている。また,ブロックS2の輪郭はR21〜R24の境界線に囲まれた四角形状をしている。同様に,ブロックSnの輪郭は,すべてRn1〜Rn4の境界線に囲まれた四角形をしている。
【0082】
そのため,隣接するブロックの境界部分には必ず両者に属する重複部が存在する。例えば,ブロックS1とS2の境界部分には,両者の重複部S12が存在する。さらにブロックS1とブロックS6との境界部分には両者の重複部S16が存在する。そのため,図9に示すごとく,ブロックS1の画像データを採取する際には,この重複部S12とS16を含めた画像データを採取する。
【0083】
また,図10に示すごとく,ブロックS2の画像データを採取する際には,ブロックS1とS5との重複部S12,S25及び,図示しないブロックS3との重複部をも含めて画像データを採取する。
そして,他のブロックS3〜S9の画像データを採取する際にも,同様に,隣接するブロックとの重複部を含めて画像データを採取する。
【0084】
次に,画像処理部512においては,各ブロックS1〜S9の画像データを上記重複部を重なり合わせることによって連結し,上記端面全体における上記セル端部の位置情報を作成する。このとき,各画像データの位置あわせは,上記重複部に存在する同一のセル端部82の画像を精度よく重ね合わせることにより行う。具体的な制御アルゴリズムとしては,様々な方法がある。
【0085】
このような画像データの採取方法を採用することによって,非常に精度の高い位置情報を得ることができる。
即ち,1台のカメラから得られる画像データは,中心から離れた部分が斜めから見た状態となるため,視野を狭くするほど正確な情報となる。また,上記ハニカム構造体のセルの大きさは非常に小さい上,その面積の把握は非常に重要であるので,非常に高精度の画像データが要求される。
そのため,比較的小さな視野に絞って採取した画像データを複数組み合わせることが有効である。
【0086】
そして,本例では,特に,上記重複部を含んだ画像データを作成することにより,各画像データの結合精度をも向上させることができる。それ故,ハニカム構造体本体の端面全体におけるセル端部82の位置情報を非情に性格に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1における,ハニカム構造体本体に樹脂フィルムを貼り付ける工程を示す説明図。
【図2】 参考例1における,貫通穴形成工程を示す説明図。
【図3】 参考例1における,貫通穴及び輪郭位置を形成した状態を示す説明図。
【図4】 参考例1における,スラリーへの浸漬工程を示す説明図。
【図5】 参考例3における,ハニカム構造体のセル形状を示す説明図。
【図6】 実施形態例1における,貫通穴形成工程までの工程を示す説明図。
【図7】 実施形態例2における,貫通穴形成工程までの工程を示す説明図。
【図8】 実施形態例3における,ブロックの分割状態を示す説明図。
【図9】 実施形態例3における,ブロックS1の領域を示す説明図。
【図10】 実施形態例3における,ブロックS2の領域を示す説明図。
【図11】 従来例における,ハニカム構造体の(a)断面,(b)正面からみた説明図。
【図12】 従来例における,セル端部の閉塞工程を示す説明図。
【符号の説明】
2...樹脂フィルム,
20...貫通穴,
22...輪郭位置,
5...貫通穴形成装置,
51...画像処理手段,
511...カメラ部,
512...画像処理部,
52...熱照射手段,
520...レーザ光(高密度エネルギービーム),
521...CO2レーザ発射手段,
522...移動装置,
53...制御手段,
6...ディップ装置,
60...スラリー,
61...ハンドリング部,
611...クランプ部,
62...液槽,
8...ハニカム構造体,
81...隔壁,
82...セル端部,
83...閉塞部,
830...閉塞材,
86...ハニカム構造体本体,
861,862...端面,

Claims (16)

  1. セラミック製のハニカム構造体の端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体を製造する方法において,
    セル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体を作製した後,該ハニカム構造体本体の上記端面における一部のセル端部を閉塞するにあたり,
    上記セル端部の位置を認識する画像処理手段を用いて上記セル端部の位置情報を求め,
    次いで,上記セル端部の少なくとも一部を覆うように上記ハニカム構造体本体の上記端面にフィルムを貼り付け,
    次いで,上記位置情報に基づいて閉塞すべきセル端部に位置する上記フィルムを熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成し,
    次いで,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,
    その後,上記スラリーを硬化させると共に上記フィルムを除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  2. セラミック製のハニカム構造体の端面に位置するセル端部の一部を閉塞してなるセラミックハニカム構造体を製造する方法において,
    セル端部を端面において開口させたハニカム構造体本体を作製した後,該ハニカム構造体本体の上記端面における一部のセル端部を閉塞するにあたり,
    上記セル端部の位置を認識する画像処理手段を用いて上記セル端部の位置情報を求め,
    次いで,上記セル端部の少なくとも一部を覆うために準備したフィルムに対し,上記位置情報に基づいて閉塞すべきセル端部に位置する予定の部分を熱により溶融あるいは焼却除去して貫通穴を形成し,
    次いで,上記ハニカム構造体本体の上記端面にフィルムを貼り付けて,閉塞すべきセル端部に上記貫通穴を位置させ,
    次いで,上記端面を端面閉塞材を含有するスラリーに浸漬させ,該スラリーを上記貫通穴を通じてセル端部に浸入させ,
    その後,上記スラリーを硬化させると共に上記フィルムを除去することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は2において,上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,高密度エネルギービームを上記フィルムに照射して該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うことを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  4. 請求項3において,上記高密度エネルギービームは,レーザ光であることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  5. 請求項1又は2において,上記フィルムへの上記貫通穴の形成は,加熱した治具を上記フィルムに接触させて該フィルムを溶融あるいは焼却除去することにより行うことを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において,上記セル端部に貼り付けられた上記フィルムに設ける上記貫通穴の大きさは,各セル端部の開口面積に応じて変化させることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において,上記貫通穴は,上記セル端部の開口面積の重心に基づいて設けられることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  8. 請求項7において,上記貫通穴は,上記セル端部の開口面積の重心を中心とした形状であることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  9. 請求項7において,上記セル端部の開口面積の重心を中心とした形状は,略円形形状,略四角形状,略六角形状及び略三角形状のいずれかであることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において,上記フィルムは,樹脂製フィルムあるいはワックスシートよりなることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  11. 請求項3又は4において,上記高密度エネルギービームを用いて上記貫通穴を形成するに当たっては,形成しようとする貫通穴の中心に対して最初に上記高密度エネルギービームを照射し,次いで,徐々に径が大きくなるように螺旋状に照射位置を相対的にずらしながら上記貫通穴の径を所望の大きさまで広げることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  12. 請求項3又は4において,上記貫通穴を形成するに当たっては,上記高密度エネルギービームの照射装置は固定し,上記ハニカム構造体本体を移動させて所望の位置に上記高密度エネルギービームを照射させることを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において,上記画像処理手段においては,上記セル端部の位置情報を作成するに当たり,上記ハニカム構造体本体の上記端面を複数のブロックに分割し,該ブロックごとに,当該ブロックとこれに隣接するブロックの少なくとも一部と重なる重複部を含む領域の画像データを採取し,次いで,上記各ブロックごとの画像データを上記重複部を重なり合わせることによって連結し,上記端面全体における上記セル端部の位置情報を作成することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  14. 請求項13において,上記画像処理手段は,画像データの採取を1組のカメラを用いて行い,かつ,該カメラの位置は固定しておき,上記ハニカム構造体本体を移動させて順次上記カメラの視野範囲内に上記各ブロックを位置させて上記画像データを採取することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  15. 請求項13において,上記画像処理手段は,画像データの採取を1組のカメラを用いて行い,かつ,上記ハニカム構造体本体は固定しておき,上記カメラの位置を移動させて順次上記カメラの視野範囲内に上記各ブロックを位置させて上記画像データを採取することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか1項において,上記貫通穴の形成は,上記各ブロック単位ごとに行い,1のブロックにおける貫通穴の形成が完了した直後には,該ブロックに隣接したブロック以外の離れたブロックが存在する場合には,該離れたブロックにおける貫通穴の形成を行うことを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。
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