JP6219756B2 - 目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置 - Google Patents

目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置に関する。更に詳しくは、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数が少なく、また、製造コストを削減することが可能な目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置に関する。
内燃機関、ボイラー等の排気ガス中の微粒子や有害物質は、環境への影響を考慮して排気ガス中から除去する必要性が高まっている。特に、ディーゼルエンジンから排出される微粒子(以下、PMということがある)の除去に関する規制は欧米、日本国内ともに強化される方向にあり、PMを除去するための捕集フィルタにハニカム構造体が用いられている。
このような目的で使用されるフィルタとしては、隔壁によって流体の流路となる複数のセルが区画形成され、複数のセルの一方の開口端部及び他方の開口端部を互い違いに目封止する目封止部を備えた目封止ハニカム構造体を利用したハニカムフィルタが挙げられる。このようなハニカムフィルタによれば、排ガス流入側端面からセル内に排ガスを流入させることにより、この排ガスが隔壁を通過する際に排ガス中のパティキュレートが隔壁に捕集される。そのため、このハニカムフィルタは、パティキュレートが除去された浄化ガスを浄化ガス流出側端面から流出させることが可能となる。
そして、上記のような目封止ハニカム構造体の製造方法としては、例えば、以下のような方法が提案されている。即ち、まず、ハニカム構造体(または未焼成のセラミック乾燥体)の一方の端面に、粘着シートを貼着する。その後、画像処理を利用したレーザー加工等によりその粘着シートの目封止部が形成されるセル(目封止部セル)に対応する部分のみに孔開けをしてマスクとし、そのマスクが貼着されたハニカム構造体の端面をスラリー(セラミックスラリー)中に浸漬する。その後、ハニカム構造体の目封止部セルにスラリーを充填して目封止部を形成する。そして、これと同様の工程をハニカム構造体の他方の端面についても行った後、乾燥し、焼成する。このようにして目封止ハニカム構造体を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2009/119251号
しかしながら、上記のように粘着シートに孔開けを行い、この粘着シートをマスクとしてスラリー中にハニカム構造体を浸漬する方法では、浸漬させたハニカム構造体の端部をスラリーで汚さないために粘着シートをハニカム構造体側に折り曲げる必要があるが、適切に粘着シートを折り曲げるのは容易ではない。また、目封止部を形成した後に、ハニカム構造体から粘着シートを剥がす必要があるが、粘着シートはハニカム構造体の側面にも貼り付けられていることに加え、スラリーが乾燥して固まっているため、粘着シートを剥がすことは容易ではない。そして、このように粘着シートを剥がすことは容易ではないので、粘着シートを剥がす作業を自動化することは困難である。また、スラリー中にハニカム構造体を浸漬する方法では、スラリーを容器に溜めて行うが、この容器には、目封止部セルに充填するスラリーよりも多くの量のスラリーを用意する必要があり、無駄になるスラリーがあるので製造コストが大きくなる。加えて、目封止部の深さを均一にすることが難しく、必要以上の深さの目封止部が存在することがある。更に、粘着シートは、粘着層を有さないシートに比べて費用が高く、粘着シートを用いると、製造コストが大きい。
このようなことから、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数が少なく、また、製造コストを削減することが可能な目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置が切望されていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。その課題とするところは、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数が少なく、また、製造コストを削減することが可能な目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す、目封止ハニカム構造体の製造方法、及び目封止部形成装置が提供される。
[1] 流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体を作製するハニカム構造体作製工程と、作製した前記ハニカム構造体の前記セルの開口部に目封止部を形成して目封止ハニカム構造体を作製する目封止部形成工程と、を有し、前記目封止部形成工程が、前記ハニカム構造体の一方の端面を撮像して画像データを取得し、取得した前記画像データから前記目封止部が形成されるセルである目封止部セルの位置座標を認識する座標認識工程と、前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シートに、前記目封止部セルの前記位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成して孔開きシートを得る孔開きシート作製工程と、前記孔開きシートの前記貫通孔と前記ハニカム構造体の前記目封止部セルとが合致するように、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に配置し、前記孔開きシートによって前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するとともに、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けるシート被覆工程と、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けた状態で、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填して前記目封止部を形成する目封止材充填工程と、を有する目封止ハニカム構造体の製造方法。
[2] 前記孔開きシート作製工程において、前記被覆シートを把持可能な把持枠を用いて前記被覆シートに張力を加えた状態で、前記貫通孔を形成して前記孔開きシートを得る前記[1]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
[3] 前記シート被覆工程において、前記被覆シートを把持可能な把持枠を用いて平らな状態の前記被覆シートを把持し、前記被覆シートの平らな状態を維持して前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に前記平らな状態の前記被覆シートを配置する把持・配置工程を更に有する前記[1]または[2]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
[4] 前記目封止材充填工程において、目封止材充填手段を用いて前記目封止部形成用スラリーを押し出し、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに前記目封止部形成用スラリーを充填する前記[1]〜[3]に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
[5] 流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体の一方の端面を撮像して画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段で取得した前記画像データから前記目封止部が形成されるセルである目封止部セルの位置座標を認識する座標認識手段と、前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シートに、前記目封止部セルの前記位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成し、孔開きシートを作製する孔開きシート作製手段と、前記孔開きシートの前記貫通孔と前記ハニカム構造体の前記目封止部セルとが合致するように、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に配置し、前記孔開きシートによって前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆する被覆手段と、前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆した前記孔開きシートを、前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付ける押付手段と、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けた状態で、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填し、前記ハニカム構造体の前記セルの開口部に目封止部を形成する目封止材充填手段と、を備えるハニカム構造体の目封止部形成装置。
[6] 前記被覆シートが長尺状のシートであり、長尺状の前記被覆シートを供給する供給ロールと、前記貫通孔が形成された後の長尺状の前記被覆シートを巻き取る巻き取りロールと、を有するロール部を更に備え、前記ロール部の前記供給ロールと前記巻き取りロールとの回転速度を調節することにより長尺状の前記被覆シートに張力を加える前記[5]に記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
[7] 平らな状態の前記被覆シートを把持し、前記被覆シートの平らな状態を維持し、前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に配置する把持枠を更に備える前記[5]または[6]に記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
[8] 前記目封止材充填手段が、モーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、及び空圧による圧送装置を含む群から選択されるスラリー定量供給装置である前記[5]〜[7]のいずれかに記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、目封止部形成工程が、座標認識工程、孔開きシート作製工程、シート被覆工程、及び目封止材充填工程の各工程を有している。このような各工程を有することにより、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数が少なく、また、製造コストを削減することができる。
本発明の目封止部形成装置は、目封止ハニカム構造体の製造工程に用いることで、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数を少なくすることができ、また、目封止ハニカム構造体の製造コストを削減することができる。
本発明の目封止部形成装置の一の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における座標認識工程を模式的に示す平面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における孔開きシート作製工程を模式的に示す平面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における孔開きシート作製工程を模式的に示す平面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における把持・配置工程で孔開きシートを把持した状態を模式的に示す平面図である。 図5における矢印の方向から被覆シートを見たときの状態を模式的に示す平面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態におけるシート被覆工程で孔開きシートをハニカム構造体に被覆して押し付けた状態を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)目封止ハニカム構造体の製造方法:
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、柱状のハニカム構造体を作製するハニカム構造体作製工程と、作製したハニカム構造体のセルの開口部に目封止部を形成して目封止ハニカム構造体を作製する目封止部形成工程と、を有している。ハニカム構造体作製工程における柱状のハニカム構造体は、流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えている。
そして、目封止部形成工程は、ハニカム構造体の一方の端面を撮像して画像データを取得し、取得した画像データから目封止部が形成されるセルである目封止部セルの位置座標を認識する座標認識工程を有している。また、目封止部形成工程は、「ハニカム構造体の一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シート」に、目封止部セルの位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成して孔開きシートを得る孔開きシート作製工程を有している。また、目封止部形成工程は、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面上に配置し、孔開きシートによってハニカム構造体の一方の端面を被覆するとともに、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けるシート被覆工程を有している。このシート被覆工程において、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面上に配置する際には、孔開きシートの貫通孔とハニカム構造体の目封止部セルとが合致するように、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面上に配置する。また、目封止部形成工程は、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けた状態で、ハニカム構造体の目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填して目封止部を形成する目封止材充填工程を有している。
上述した「スラリー中にハニカム構造体を浸漬する方法」では、浸漬させたハニカム構造体の端部をスラリーで汚さないために、浸漬前に粘着シートをハニカム構造体側に折り曲げる工程、及び浸漬後に粘着シートを剥がす工程が必要になる。一方、本発明ではこれらの工程を必要としない。また、上述した「スラリー中にハニカム構造体を浸漬する方法」では、目封止部セルに充填するスラリーよりも多くの量のスラリーを用意する必要があるが、本発明ではその必要がなく、無駄になるスラリーを低減することができる。つまり、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、上記各工程を有することにより、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数が少なく、また、製造コストを削減することができる。
(1−1)ハニカム構造体作製工程:
ハニカム構造体作製工程は、流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体を作製するための従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、ハニカム構造体作製工程としては、ハニカム構造体を作製するための坏土を調製し、この坏土を押出成形などにより成形して、ハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体を焼成して上記ハニカム構造体を得る工程を挙げることができる。
ハニカム構造体は、隔壁の厚さが0.1〜1mmであるものを用いることができる。
ハニカム構造体は、セル密度が5〜40個/cmであるものを用いることができる。
ハニカム構造体は、全体形状が、円柱状、多角柱状のものを適宜用いることができる。
円柱状のハニカム構造体の場合、端面の直径が20〜60mmであるものを用いることができる。
ハニカム構造体は、セル形状(セルの延びる方向に直交する断面におけるセルの形状)について特に制限はなく、正方形などの四角形、円形などとすることができる。
(1−2)目封止部形成工程:
目封止部形成工程は、上述したように、座標認識工程、孔開きシート作製工程、シート被覆工程、及び目封止材充填工程の各工程を有している。図1は、この目封止部形成工程に用いることができる目封止部形成装置100を示している。なお、図1は、目封止部形成装置100を、目封止部形成装置100の上方から見た平面図である。図2〜5、図7においても同様である。
図1に示す目封止部形成装置100は、流体の流入端面11から流出端面12まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体10の一方の端面15を撮像して画像データを取得する撮像手段20を備えている。なお、「一方の端面15」は、流入端面11または流出端面12のいずれの端面であってもよい。また、目封止部形成装置100は、撮像手段20で取得した画像データから「目封止部が形成されるセル」である目封止部セルの位置座標を認識する座標認識手段22を備えている。また、目封止部形成装置100は、被覆シート25に、目封止部セルの位置座標と同じ位置座標の貫通孔(図6参照)を形成し、孔開きシートを作製する孔開きシート作製手段24を備えている。被覆シート25は、ハニカム構造体10の一方の端面15を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さないものである。また、目封止部形成装置100は、孔開きシートの貫通孔とハニカム構造体10の目封止部セルとが合致するように、孔開きシートをハニカム構造体10の一方の端面15上に配置し、孔開きシートによってハニカム構造体10の一方の端面15を被覆する被覆手段26を備えている。また、目封止部形成装置100は、ハニカム構造体10の一方の端面15を被覆した孔開きシートを、ハニカム構造体10の一方の端面15に押し付ける押付手段28を備えている。また、目封止部形成装置100は、孔開きシートをハニカム構造体10の一方の端面15に押し付けた状態で、ハニカム構造体10の目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填し、ハニカム構造体10のセルの開口部に目封止部を形成する目封止材充填手段30を備えている。
(1−2−1)座標認識工程:
本工程においては、このような撮像手段を用いて画像データを取得し、取得した画像データから目封止部セルの位置座標を認識する。具体的には、画像データを二値化処理することにより、目封止部セルと目封止部セル以外のセルとの位置を特定する。即ち、このような二値化処理などを行い、目封止部セルの位置座標を認識する。
なお、本明細書にいう「二値化処理」とは、画像データを256階調に色分けし、閾値を境界として、これより輝度の高い部分を白、低い部分を黒とする白黒のみの二値画像に変換する処理を意味する。これにより、ハニカム構造体の隔壁部分(黒)とセル部分(白)とを識別することができる。
ハニカム構造体の一方の端面を撮像するための撮像手段としては、特に限定はなく、例えば、CCD(charge−coupled device)カメラ、X線CT(computed tomography)スキャナー等を用いることができる。
図2は、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における座標認識工程を模式的に示す平面図である。図2に示すように、撮像手段20によってハニカム構造体10の一方の端面15を撮像して画像データを取得する。撮像手段20で取得した画像データは、撮像手段20に連結された座標認識手段22によって画像処理され、座標認識手段22において「目封止部が形成されるセル」である目封止部セルの位置座標が認識される。
(1−2−2)孔開きシート作製工程:
本工程に用いる被覆シートは、ハニカム構造体の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さないシートである。このように、「粘着層を有さないシート」を用いることにより、目封止部形成用スラリーを充填した後に被覆シートをハニカム構造体から剥がす作業が不要になる。また、「粘着層を有さないシート」は、粘着層を有するシート(粘着シート)に比べて安価であり、「粘着層を有さないシート」を用いることにより製造コストを削減することができる。
被覆シートの材質は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、アラミドなどを挙げることができる。
また、被覆シートは、例えば、10〜200μmの厚さのものを用いることができる。このような厚さのシートを用いることにより、容易に貫通孔を形成することができる。
また、被覆シートは、その破断伸び率が120〜200%であることが好ましい。
被覆シートは、ハニカム構造体の一方の端面の面積よりも大きな面積のシートである限り特に制限はないが、長尺状のシートであることが好ましい。より具体的には、ロール状に巻かれた長尺状のシート(図3に示す「被覆シート25」を参照)であることが好ましい。このような長尺状のシートとすることにより、シートを切断する工程等が不要となり、連続的に目封止部形成工程を行うことができる。
被覆シートが長尺状のシートである場合、長尺状の被覆シートを供給する供給ロールと、貫通孔が形成された後の長尺状の被覆シート(孔開きシート)を巻き取る巻き取りロールと、を有する長尺状シート供給巻取手段(ロール部)を用いることが好ましい。このような長尺状シート供給巻取手段を用いることにより、被覆シートの張力を巻取モーターのトルクなどにより制御しながら、連続的に目封止部形成工程を行うことができる。図3は、長尺状の被覆シート25を供給する供給ロール32と、貫通孔が形成された後の長尺状の被覆シート25(孔開きシート27)を巻き取る巻き取りロール34と、を有する長尺状シート供給巻取手段36(ロール部37)を用いた例を示している。なお、図3において、供給ロール32と巻き取りロール34とは左右に配置され、被覆ロール25が左から右に流れているが、逆に流れてもよい。また、供給ロール32と巻き取りロール34とが上下に配置されていてもよい。即ち、供給ロール32が巻き取りロール34の上方に位置するように配置され、被覆シート25が鉛直方向に流れるようにしてもよい。また、その逆の位置関係であってもよい。
長尺状シート供給巻取手段を用いる場合、長尺状の被覆シートを把持枠で把持しつつ、この被覆シートの、供給ロール側の部分において貫通孔を形成し、その後、孔開きシートの貫通孔とハニカム構造体の目封止部セルとが合致するように孔開きシートを移動させることが好ましい。このように、本発明においては、被覆シートをハニカム構造体の端面に被覆する前に被覆シートに貫通孔を形成する。このようにすることで、被覆シートの供給方向とハニカム構造体の搬送方向とを一致させる必要がなくなり、非粘着性フィルム(粘着層を有さない被覆シート)の取り扱いが容易になり、設備が簡素化できる。更に、装置の配置の自由度が向上する。図3は、長尺状の被覆シート25を把持枠42で把持しつつ、この被覆シート25の、供給ロール32側の部分において貫通孔を形成している状態を示している。図4は、長尺状の被覆シート25の、供給ロール32側の部分において貫通孔40を形成した状態を示している。図3、図4は、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における孔開きシート作製工程を模式的に示す平面図である。なお、図4においては、把持枠42は省略している。
被覆シートの貫通孔は、目封止部セルの位置座標と同じ位置座標で形成される。具体的には、目封止部セルの位置座標のうちの任意のセルの位置座標を基準とし、この基準となる位置座標を中心点とした貫通孔が形成されることになる。
被覆シートに貫通孔を形成する方法としては、レーザーを照射する方法などを挙げることができる。レーザー照射に使用するレーザーの種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザーなどを挙げることができる。
被覆シートに貫通孔を形成する際には、被覆シートに張力を加えていることが好ましい。つまり、被覆シートに張力を加えた状態で、上記貫通孔を形成して孔開きシートを得ることが好ましい。このように被覆シートに張力を加えた状態で貫通孔を形成することにより、より正確に目封止部セルの位置座標を反映した形で貫通孔を形成することができる。
(1−2−3)把持・配置工程:
本発明においては、被覆シートを把持可能な把持枠を用いて平らな状態の被覆シートを把持し、この被覆シートの平らな状態を維持してハニカム構造体の一方の端面上に平らな状態の被覆シートを配置する把持・配置工程を更に有することが好ましい。この把持・配置工程は、孔開きシート作製工程の前に行うことが好ましい。この把持・配置工程を更に有することにより、より正確に目封止部セルの位置座標を反映した形で貫通孔を形成することができ、更に、孔開きシートを、ハニカム構造体の一方の端面上により正確に且つ容易に配置することができる。
把持枠は、平らな状態の被覆シートを把持し、この被覆シートの平らな状態を維持するものである限り特に制限はない。把持枠としては、例えば、一対の多角形状の枠などを挙げることができる。この一対の多角形状の枠は、一方の枠と他方の枠との間に被覆シートを配置し、一方の枠と他方の枠とによって被覆シートを挟むことで被覆シートを把持し、被覆シートの平らな状態を維持することができる。
図5は、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態における把持・配置工程で孔開きシートを把持した状態を模式的に示す平面図である。即ち、図5は、一対の四角形状の枠(把持枠)42を用いて平らな状態の孔開きシート27(被覆シート25)を把持し、この孔開きシート27の平らな状態を維持している状態を示している。図6は、図5における矢印の方向から孔開きシート27を見たときの状態を模式的に示す平面図である。図6に示すように、孔開きシート27(被覆シート25)には目封止部セル50の位置座標と同じ位置座標で貫通孔40が形成され、この孔開きシート27の平らな状態を維持するように一対の四角形状の枠42が孔開きシート27を把持している。なお、図6では、後述するシート被覆工程において、孔開きシートによってハニカム構造体の一方の端面を被覆したときにおける目封止部セルを「破線」で示している。また、図6では、後述するシート被覆工程において、孔開きシートによってハニカム構造体の一方の端面を被覆したときにおける「ハニカム構造体の一方の端面の外縁」を「一点鎖線」で示している。なお、把持枠の大きさは特に制限はなく適宜設定することができる。
把持枠は、その材質について特に制限はなく、例えば、金属、樹脂などを採用することができる。
(1−2−4)シート被覆工程:
「孔開きシートの貫通孔とハニカム構造体の目封止部セルとが合致する」とは、孔開きシートの全ての貫通孔とハニカム構造体の目封止部セルとが連通することを意味する。
「孔開きシートによってハニカム構造体の一方の端面を被覆する」とは、孔開きシートによってハニカム構造体の一方の端面の全部を被覆することを意味する。
「孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付ける」とは、ハニカム構造体の一方の端面の面積よりも大きな面積の孔開きシートに、柱状のハニカム構造体の端面を押し付けた状態にすることを意味する。この押し付ける際、ハニカム構造体に外力を加えてハニカム構造体を孔開きシートに押し付けてもよい。また、孔開きシートまたは孔開きシートを把持している把持枠に外力を加えて孔開きシートまたは孔開きシートをハニカム構造体に押し付けてもよい。なお、把持枠を用いる場合には、この把持枠の内側にハニカム構造体の端面が位置することになる。
図7は、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形態におけるシート被覆工程で孔開きシートをハニカム構造体に被覆して押し付けた状態を模式的に示す平面図である。図7では、一対の四角形状の枠42によって、孔開きシート27がハニカム構造体10の一方の端面に押し付けられている状態を示している。なお、孔開きシート27がハニカム構造体10の一方の端面に押し付けられる際には、長尺状シート供給巻取手段36(ロール部37)ごとハニカム構造体10側に移動する。また、長尺状シート供給巻取手段36(ロール部37)は移動しなくてもよい。
(1−2−5)目封止材充填工程:
「孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けた状態」とは、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付け、孔開きシートがずれないようにした状態を意味する。
目封止部形成用スラリーは、ハニカム構造体を作製するための坏土と同じ組成のスラリーを用いることができる。
本工程では、目封止材充填手段として、目封止部形成用スラリーを定量で供給可能な装置であるスラリー定量供給装置を用いて目封止部形成用スラリーを押し出し、ハニカム構造体の目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填することが好ましい。
本工程では、ハニカム構造体の一方の端面が直接接触している孔開きシート側にリーク防止枠を配置し、その後、目封止材充填手段によって外力を加えるか、或いは、リーク防止枠に外力を加えることが好ましい。このようにすることにより、目封止部形成用スラリーが孔開きシートと目封止材充填手段の充填ノズルとの隙間から漏れ出てしまうことを防止することができる。なお、ハニカム構造体の破損を避けるという観点から、ハニカム構造体には外力が加わらないようにすることが好ましい。リーク防止枠は、孔開きシートの、ハニカム構造体が配置される側の面に配置され、目封止材充填手段の充填ノズルとリーク防止枠とによって孔開きシートを挟むように外力が加えられる。図6に示すように、リーク防止枠43(図6中、ドットで示す領域)は、把持枠42の内側に配置される。図6は、図5における矢印の方向から被覆シート25を見たときの状態を模式的に示す平面図である。なお、目封止材充填手段(目封止材充填手段の充填ノズル)は、目封止部形成工程中、被覆シート(孔開きシート)と接触するように配置することができる。
(1−2−6)その他の工程:
上述した座標認識工程、孔開きシート作製工程、シート被覆工程、及び目封止材充填工程は、ハニカム構造体の一方の端面側の目封止部セルに目封止部を形成する工程(一方の端面側目封止工程)である。本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、目封止部形成工程が、ハニカム構造体の他方の端面側の目封止部セルに目封止部を形成する工程(他方の端面側目封止工程)を有することができる。つまり、上記「一方の端面側目封止工程」の後に、即ち、上記「一方の端面側目封止工程」の目封止材充填工程を行った後に、更に、「他方の端面側目封止工程」を行うことができる。「他方の端面側目封止工程」は、「一方の端面側目封止工程」と同様の、座標認識工程、孔開きシート作製工程、シート被覆工程、及び目封止材充填工程の各工程を有するものである。
(2)目封止部形成装置:
本発明の目封止部形成装置の一実施形態は、図1に示す目封止部形成装置100である。
このような目封止部形成装置100は、目封止ハニカム構造体の製造工程に用いることで、目封止ハニカム構造体の製造時の工程数を少なくすることができ、また、目封止ハニカム構造体の製造コストを削減することができる。
図1は、本発明の目封止部形成装置の一の実施形態を模式的に示す平面図である。
(2−1)撮像手段:
撮像手段20としては、上述したように、例えば、CCD(charge−coupled device)カメラ、X線CT(computed tomography)スキャナー等を用いることができる。
(2−2)座標認識手段:
座標認識手段22は、撮像手段で取得した画像データから「目封止部が形成されるセル」である目封止部セルの位置座標を認識することができるものであれば特に制限はない。例えば、画像解析ソフトを用いることができる。
(2−3)孔開きシート作製手段:
孔開きシート作製手段24としては、例えば、レーザー照射装置などを用いることができる。レーザー照射装置の中でも、炭酸ガスレーザーを照射可能なレーザー照射装置であることが好ましい。
(2−4)被覆手段:
被覆手段26は、例えば、孔開きシートを把持してハニカム構造体の一方の端面を被覆する把持枠などを挙げることができる。被覆シートが長尺状のシートである場合には、上述した長尺状シート供給巻取手段(後述するロール部)を被覆手段として採用することができる。
(2−5)押付手段:
押付手段28は、孔開きシートを、ハニカム構造体の一方の端面に押し付けることができる限り特に制限はない。押付手段としては、例えば、ハニカム構造体を孔開きシートに向かって前進させ、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付ける機構を備える装置であってもよい。また、被覆シートが長尺状のシートである場合に、上述した長尺状シート供給巻取手段(後述するロール部)が、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付ける機構を備えていてもよい。つまり、上述した長尺状シート供給巻取手段が移動して、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けてもよい。また、被覆手段として上記把持枠を備える場合、この把持枠が、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付ける機能を備えていてもよい。
(2−6)目封止材充填手段:
目封止材充填手段30としては、例えば、モーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、空圧による圧送装置などの、スラリー定量供給装置を挙げることができる。
(2−7)ロール部:
本発明の目封止部形成装置は、被覆シートとして長尺状のシートを用いる場合、長尺状の被覆シートを供給する供給ロールと、貫通孔が形成された後の長尺状の被覆シートを巻き取る巻き取りロールと、を有するロール部を更に備えることが好ましい。このようなロール部を用いることにより、被覆シートの張力を巻取モーターのトルクなどにより制御しながら、連続的に目封止部形成工程を行うことができる。
(2−8)把持枠:
本発明の目封止部形成装置は、平らな状態の被覆シートを把持し、この被覆シートの平らな状態を維持し、ハニカム構造体の一方の端面上に配置する把持枠を更に備えることが好ましい。このような把持枠を備えることにより、より正確に目封止部セルの位置座標を反映した形で貫通孔を形成することができ、更に、孔開きシートを、ハニカム構造体の一方の端面上により正確に且つ容易に配置することができる。
把持枠としては、例えば、一対の多角形状の枠などを挙げることができる。この一対の多角形状の枠は、一方の枠と他方の枠との間に被覆シートを配置し、一方の枠と他方の枠とによって被覆シートを挟むことで被覆シートを把持し、被覆シートの平らな状態を維持することができる。
(2−9)その他の部材:
上述した各手段(部材)は、上記「一方の端面側目封止工程」を行うためのものであり、本発明の目封止部形成装置は、上述した「他方の端面側目封止工程」を更に行うための各手段(部材)を備えていてもよい。「他方の端面側目封止工程」を更に行うための各手段(部材)は、上述した各手段(部材)と同様の各手段(部材)を採用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ハニカム構造体作製工程を行って、ハニカム構造体を作製した。具体的には、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを混合してセラミック原料を得た。得られたセラミック原料に、バインダ、造孔材を添加して成形原料とし、成形原料を真空土練機により混練して坏土を作製した。
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、ハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を乾燥した後、両端面を所定量切断した。このようにしてハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体は、セルの延びる方向に直交する断面が一辺50mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが100mmであった。また、ハニカム構造体は、隔壁の厚さが200μmであり、セル密度が25個/cmであった。
次に、目封止部形成工程を行って、目封止ハニカム構造体を作製した。具体的には、座標認識工程、孔開きシート作製工程、シート被覆工程、目封止材充填工程の順に操作を行った。
まず、座標認識工程を行った。具体的には、撮像手段であるCCDカメラによってハニカム乾燥体(ハニカム構造体)の一方の端面を撮像して画像データを取得した。その後、座標認識手段である画像解析ソフトによって、取得した画像データから「目封止部が形成されるセルである目封止部セル」の位置座標を認識させた。この画像解析ソフトでは、「目封止部が形成されるセルである目封止部セル」を2値化、収縮、膨張した後、セルを構成する画像のピクセルの重心を計算する。
次に、孔開きシート作製工程を行った。具体的には、「ハニカム構造体の一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シート」を用意した。そして、この被覆シートに、孔開きシート作製手段である炭酸ガスレーザーによって、目封止部セルの位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成して孔開きシートを得た。
被覆シートは、ロール状に巻き取られた長尺状のシートを用いた。この長尺状の被覆シートは、厚さ38μm、PET製のシート(破断伸び率185%)であった。
なお、孔開きシート作製工程の前に把持枠によって長尺状のシートを把持し、この把持枠によって長尺状のシートを把持した状態で貫通孔を形成させた。把持枠として、一対の四角形状の枠を用いた。この一対の四角形状の枠の「一方の四角形状の枠」と「他方の四角形状の枠」との間に被覆シートを配置し、これらの枠とによって被覆シートを挟むことで被覆シートを把持させた。
次に、シート被覆工程を行った。具体的には、被覆手段を用いて、得られた孔開きシートの貫通孔とハニカム構造体の目封止部セルとが合致するように、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面上に配置した。被覆手段としては、長尺状の被覆シートを供給する供給ロールと、貫通孔が形成された後の長尺状の被覆シートを巻き取る巻き取りロールと、を有するロール部(長尺状シート供給巻取手段)を用いた。その後、押付手段により、孔開きシートでハニカム構造体の一方の端面を被覆させるとともに、上記一方の端面を被覆した状態の孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けた。
押付手段として、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付ける機能を備える把持枠を用いた。つまり、把持枠によって長尺状のシートを把持した状態を維持しつつ、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けた。
次に、目封止材充填工程を行った。具体的には、孔開きシートをハニカム構造体の一方の端面に押し付けた状態で、目封止材充填手段によって、ハニカム構造体の目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填した。
目封止材充填手段として、モーノポンプを用いた。そして、モーノポンプの充填ノズルとリーク防止枠とによって孔開きシートを挟むように外力を加えた。
目封止部形成用スラリーは、ハニカム構造体を作製するための坏土と同じ組成のスラリーを用いた。
目封止部形成用スラリーを充填した後、ハニカム構造体の一方の端面に押し付けていた孔開きシートを、ハニカム構造体の一方の端面から離した。その後、目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填したハニカム構造体を乾燥し焼成した。
このようにして作製した目封止ハニカム構造体について、製品評価を行った。まず、ピンゲージを用いて目封止部の深さの測定を行った。測定の結果、目封止部の深さのσを従来の方法と同等の2mmに抑えることができた(サンプル数20)。次に、ハニカム構造体に破損が無いことを目視検査で確認した。
本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタとして使用される目封止ハニカム構造体を製造することができる。本発明の目封止部形成装置は、自動車等から排出される排ガスを浄化するフィルタとして使用される目封止ハニカム構造体を製造する装置として用いることができる。
10:ハニカム構造体、11:流入端面、12:流出端面、15:一方の端面、20:撮像手段、22:座標認識手段、24:孔開きシート作製手段、25:被覆シート、26:被覆手段、27:孔開きシート、28:押付手段、30:目封止材充填手段、31:充填ノズル、32:供給ロール、34:巻き取りロール、36:長尺状シート供給巻取手段、37:ロール部、40:貫通孔、42:把持枠、43:リーク防止枠、50:目封止部セル、100:目封止部形成装置。

Claims (8)

  1. 流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体を作製するハニカム構造体作製工程と、
    作製した前記ハニカム構造体の前記セルの開口部に目封止部を形成して目封止ハニカム構造体を作製する目封止部形成工程と、を有し、
    前記目封止部形成工程が、
    前記ハニカム構造体の一方の端面を撮像して画像データを取得し、取得した前記画像データから前記目封止部が形成されるセルである目封止部セルの位置座標を認識する座標認識工程と、
    前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シートに、前記目封止部セルの前記位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成して孔開きシートを得る孔開きシート作製工程と、
    前記孔開きシートの前記貫通孔と前記ハニカム構造体の前記目封止部セルとが合致するように、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に配置し、前記孔開きシートによって前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するとともに、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けるシート被覆工程と、
    前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けた状態で、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填して前記目封止部を形成する目封止材充填工程と、を有する目封止ハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記孔開きシート作製工程において、前記被覆シートを把持可能な把持枠を用いて前記被覆シートに張力を加えた状態で、前記貫通孔を形成して前記孔開きシートを得る請求項1に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記シート被覆工程において、前記被覆シートを把持可能な把持枠を用いて平らな状態の前記被覆シートを把持し、前記被覆シートの平らな状態を維持して前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に前記平らな状態の前記被覆シートを配置する把持・配置工程を更に有する請求項1または2に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記目封止材充填工程において、目封止材充填手段を用いて前記目封止部形成用スラリーを押し出し、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに前記目封止部形成用スラリーを充填する請求項1〜3のいずれか一項に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
  5. 流体の流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備える柱状のハニカム構造体の一方の端面を撮像して画像データを取得する撮像手段と、
    前記撮像手段で取得した前記画像データから前記目封止部が形成されるセルである目封止部セルの位置座標を認識する座標認識手段と、
    前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆するためのものであり且つ粘着層を有さない被覆シートに、前記目封止部セルの前記位置座標と同じ位置座標の貫通孔を形成し、孔開きシートを作製する孔開きシート作製手段と、
    前記孔開きシートの前記貫通孔と前記ハニカム構造体の前記目封止部セルとが合致するように、前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面上に配置し、前記孔開きシートによって前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆する被覆手段と、
    前記ハニカム構造体の前記一方の端面を被覆した前記孔開きシートを、前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付ける押付手段と、
    前記孔開きシートを前記ハニカム構造体の前記一方の端面に押し付けた状態で、前記ハニカム構造体の前記目封止部セルに目封止部形成用スラリーを充填し、前記ハニカム構造体の前記セルの開口部に目封止部を形成する目封止材充填手段と、を備えるハニカム構造体の目封止部形成装置。
  6. 前記被覆シートが長尺状のシートであり、
    長尺状の前記被覆シートを供給する供給ロールと、前記貫通孔が形成された後の長尺状の前記被覆シートを巻き取る巻き取りロールと、を有するロール部を更に備え、
    前記ロール部の前記供給ロールと前記巻き取りロールとの回転速度を調節することにより長尺状の前記被覆シートに張力を加える請求項5に記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
  7. 平らな状態の前記被覆シートを把持し、前記被覆シートの平らな状態を維持して前記ハニカム構造体の一方の端面上に配置する把持枠を更に備える請求項5または6に記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
  8. 前記目封止材充填手段が、モーノポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、及び空圧による圧送装置を含む群から選択されるスラリー定量供給装置である請求項5〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体の目封止部形成装置。
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