JP4155758B2 - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルター(以下DPFという)等のフィルターに好適に用いることができる、目封じされたハニカム構造体の製造方法に関し、特に目封じに起因するハニカム成形体又はハニカム構造体の破損を抑制することができるハニカム構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関、ボイラー等の排ガス中の微粒子を除去するためのフィルター、特にDPF等に用いられるハニカム構造体は、一般に図6(a)、(b)に示すように、隔壁2により仕切られ、一の端面41から他の端面43まで貫通するセル3を複数有し、隣接するセルが互いに反対側となる端面において目封じされた構造を有する。
【0003】
この様なハニカム構造体を製造する方法として、本出願人は特開2001−300922公報に、ハニカム成形体の端面に貼り付けたシートの所定のセルに対応した位置に穴を開けてハニカム成形体毎に対応したマスクを作成し、マスクを貼り付けた面を封止用スラリーに浸漬し、マスクに開けられた穴から封止用スラリーをセル中に充填する方法を発明し開示した。また、特開2002−37672公報にも同様の方法が開示されている。同公報の実施例には、総厚110μmのフィルムを用い、光径0.1mmφ、出力3〜5Wに設定したCO2レーザーを用いてフィルムの所定位置に穴を開けたことが開示されている。
【0004】
この様な方法は、自動化が可能である上、正確に目的とするセルを目封じできることから有望な方法である。しかし、フィルムを用いた場合には最終的にフィルムを除去する必要があり、フィルムを剥がすことにより除去する場合に、成形体表面部分も一緒に剥離してしまう場合があった。また、焼成工程において、加熱することによりフィルムを除去する方法もあるが、この場合にもフィルムを貼り付けていた部分に破損が生じる場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は目封じに起因するハニカム成形体又はハニカム構造体の破損が抑制され、かつ確実に目封じしやすいハニカム構造体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記方法を用いる際のフィルムに着目して検討を行った結果、特定の範囲の粘着力を有するフィルムを用いることにより、目封じ材を詰める際にフィルムのずれ等が生じず、かつフィルムを除去する際にはハニカム成形体又はハニカム構造体の破損が抑制されうることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、2つの端面と、一の端面から他の端面まで貫通するセルを複数有するハニカム成形体を成形する成形工程と、前記成形体の何れかの端面において前記セルを目封じする目封じ工程と、前記目封じされた成形体を焼成する焼成工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、前記目封じ工程が、前記何れかの端面にフィルムを貼り付ける第1副工程と、目封じすべきセルに対応する前記フィルムの所定位置に高密度エネルギービームにより穴を開ける第2副工程と、前記目封じすべきセルに目封じ材を詰める第3副工程とを含み、前記第1副工程において用いるフィルムが、基材層と粘着層を含み、かつ粘着力が3〜15N/25mmで、基材層の厚みが5〜40μmであることを特徴とするハニカム構造体の製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明において、前記フィルムの厚みが10〜70μmであることが好ましい。また、粘着層の厚みが5〜40μmであることが好ましく、基材層が、ポリエステル又はポリオレフィンを主成分とすることが好ましい。また、粘着層がアクリル系粘着材を主成分とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明のハニカム構造体の製造方法は、成形工程と、目封じ工程と、焼成工程とを含む。ここで目封じ工程は、図1に示すように、ハニカム成形体1の何れかの端面、例えば端面41にフィルム9を貼り付ける第1副工程と、図2(a)、(b)に示すように目封じすべきセル31に対応するフィルム9の所定位置91に高密度エネルギービームにより穴を開ける第2副工程と、図3に示すように目封じすべきセル31に目封じ材15を詰める第3副工程とを含む。
【0011】
本発明における重要な特徴は、上記第1副工程において用いるフィルムが、基材層と粘着層を含み、かつフィルムの粘着力が、3〜15N/25mmの範囲にあることである。上述のようにフィルムは最終的に除去する必要があるが、フィルムの除去方法として、▲1▼目封じ工程の後ハニカム成形体からフィルムを剥がすことにより除去する方法、及び▲2▼焼成工程において、フィルムを分解及び/又は燃焼させることにより除去する方法がある。▲1▼フィルムを剥がすことにより除去する場合、フィルムの粘着力が強すぎるとフィルムと共に成形体の一部が剥離し、破損する場合がある一方、フィルムの粘着力が弱すぎると目封じ材を詰める第3副工程において、フィルムのずれや剥離が起こりやすくなり、確実に目封じできない場合が生じる。従って、フィルムの粘着力が、3〜15N/25mm、好ましくは5〜14N/25mm、更に好ましくは7〜13N/25mmであるフィルムを用いることにより、フィルムを剥がす際のハニカム成形体の破損も起こらず、目封じ材を詰める際にもフィルムのずれや剥離が起こらずにハニカム構造体を製造することができる。
【0012】
一方、▲2▼焼成工程においてフィルムを分解及び/又は燃焼させることによりフィルムを除去する場合にも、焼成後のハニカム構造体における、フィルムが貼り付けられていた部位に破損が生じる場合がある。この現象を詳細に検討した結果、焼成工程においてフィルムが加熱される際にフィルムが収縮しようとし、これが破損に関係することが見出された。例えば図4(a)に示す矢印p方向へフィルムが収縮しようとすると、この収縮にともなう応力が発生し、図4(b)に示すようにフィルムが剥離する。この剥離の際にフィルムが粘着していた部分、特に端面近傍の外周壁72の部分がフィルムと共に剥離する場合があることが見出された。そして、フィルムを分解及び/又は燃焼させることにより除去する場合においても、フィルムの粘着力が強すぎると焼成中にハニカム成形体又は構造体の破損が生じることが見出された。一方、フィルムの粘着力が弱すぎる場合には、上述の▲1▼の場合と同様、確実に目封じができない場合が起こる。従って、▲2▼焼成工程においてフィルムを除去する場合には、フィルムの粘着力が、3〜12N/25mm、好ましくは5〜11N/25mm、更に好ましくは7〜10N/25mmであるフィルムを用いることにより、フィルムを除去する際のハニカム成形体の剥離も起こらず、目封じ材を詰める際にもフィルムのずれが起こらずにハニカム構造体を製造することができる。なお、本発明において、フィルムの粘着力はJISZ0237に準拠した方法で測定した値を意味する。
【0013】
本発明において、フィルムの厚みは、フィルムを剥がす際の除去しやすさに影響を与える要因となりうる。即ち、フィルムが厚すぎると、剛性が大きくなりすぎ、除去しにくくなる。一方、フィルムが薄すぎると強度が不足し除去しにくくなる。更に、フィルムの厚みは、フィルムに穴を開ける際、及び目封じ材を詰める際にも影響を与えうる。即ち、フィルムが厚すぎると、高密度エネルギービームによりフィルムの所定位置に穴を開ける第2副工程において、充分な穴を開けることができず、その結果確実な目封じができない場合があり好ましくない。この場合に、高密度エネルギービームの出力を上げることや照射時間を増やすことにより充分な穴を開けることは可能であるが、高密度エネルギービームの出力を上げることは高密度エネルギービーム発生装置の大型化やコストの増加につながり、照射時間を増やすことは製造時間の増加につながり、いずれも好ましくない。一方、フィルムの厚みが薄すぎると、目封じ材を詰める第3副工程において、充分なフィルム強度が得られないため、フィルムが破れ、目封じすべきでないセルに目封じ材が入ってしまう場合があり、好ましくない。従って、上記の種々の観点から、好ましいフィルムの厚みは、10〜70μmであり、更に好ましくは15〜60μm、特に好ましくは20〜50μmである。
【0014】
本発明において、ハニカム成形体の端面にフィルムを貼り付ける第1副工程の後にフィルムに穴を開ける第2副工程を行う場合には、穴を開ける位置の決定を容易にするために、フィルムは透明又は半透明、即ちフィルムを端面に貼り付けた後に、カメラなどの撮像装置などの画像認識手段により、セルの位置を認識できる程度の透明性を有していることが好ましい。
【0015】
フィルムの基材層の厚みはフィルムの剛性、強度及び、高密度エネルギービームによる穴の開けやすさの大きな要因となりうる。従って、基材層の厚みは5〜40μmであることが好ましく、7〜30μmであることが更に好ましく、10〜25μmであることが特に好ましい。
【0016】
粘着層の厚みは、粘着力及びフィルムを除去する際の除去しやすさに影響を与える要因となりうる。従って、粘着層の厚みが、5〜40μmであることが好ましく、7〜30μmであることが更に好ましく、10〜25μmであることが特に好ましい。
【0017】
基材層に用いられる材料は、ある程度の強度を有し、高密度エネルギービームにより穴を開けることができるものであることが必要であり、また、透明又は半透明であることが好ましい。従って、PETのホモポリマーやコポリマー等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、塩化ビニル等のハロゲン化ポリオレフィン等のポリマー材料が好ましく、基材層は、これらのポリマー材料を主成分とすること、即ち基材層の50質量%以上がこれらのポリマー材料であることが好ましい。ポリマー材料の中でもポリエステル、ポリオレフィンが好ましく、ポリエステルが特に好ましい。
【0018】
粘着層に用いられる材料は、粘着力が3〜15N/25mmの範囲にはいるものであれば特に制限はないが、アクリル系材料、ゴム系材料を含む粘着剤等が好ましく、特にアクリル系材料を含むアクリル系粘着剤が、フィルムを除去する際に、粘着剤がハニカム成形体に残留しにくいという観点から好ましい。
【0019】
次に、本発明の一連の工程について説明する。本発明における成形工程は、例えば次のようにして行うことができる。原料粉末として、種々のセラミックス、例えばコージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素、炭化珪素−コージェライト系複合材料、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、及び金属、例えばFe−Cr−Al系金属、並びにびこれらの組合せよりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料の粉末を使用し、これにバインダー、例えばメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロースを添加し、更に界面活性剤及び水を添加し、可塑性の坏土を作製する。この坏土を押出成形することにより、図1に示すような一の端面41から他の端面43まで貫通するセル3を複数有するハニカム成形体1を得ることができる。
【0020】
本発明の目封じ工程における、第1副工程、即ち何れかの端面にフィルムを貼り付ける工程は、例えば図1に示すように、フィルム9を端面41に貼り付けることによって行うことができる。この際、フィルム9は、端面41のみに貼り付けてもよいが、端面近傍の外周壁72まで覆うように貼り付けることが好ましい。これは、ハニカム成形体の最外周におけるフィルムとハニカム成形体との粘着部分が、図1に示す外周壁7の端部71のみだけでなく端面近傍の外周壁72も粘着部分に含めることにより、後工程において、目封じ材を詰める際に、最外周及びその近傍においてフィルムのずれや剥離を生じにくくするために効果的だからである。
【0021】
第2副工程、即ち目封じすべきセルに対応するフィルムの所定位置に高密度エネルギービームにより穴を開ける工程は、次のようにして行うことができる。例えば図5に示すように、第1副工程においてフィルム9が貼り付けられた端面41をカメラ12などの撮像手段により撮像し、撮像した画像を画像処理することにより、目封じすべきセル上のフィルムの位置を決定し、決定された位置データに基づいて、高密度エネルギービーム発生装置によって、フィルム上の決定された位置に高密度エネルギービームを照射し、フィルムに穴を開ける。高密度エネルギービームとしては、例えばレーザー光等が上げられる。レーザー光を用いる場合のレーザー光発生装置に特に制限はないが、例えばCO2レーザーやYAGレーザーなどの発生装置が好ましい。また出力は、例えば5〜15W程度の出力が好ましい。フィルムの穴の形状は、セルの断面形状と同一形状である必要はなく特に制限はない。例えばセルの断面形状が四角形で穴の形状が円形であってもよいが、穴の大きさがセルの断面に対して小さすぎると後の工程で充分な目封じが出来なくなる。従って、セルの断面積の50%以上の面積の穴を開けることが好ましい。
【0022】
第2副工程は、第1副工程の前に、即ちフィルムをハニカム成形体の端面に貼り付ける前に、フィルムに穴を開けることにより行うこともできる。この場合には、例えばハニカム成形体の端面をカメラなどの撮像手段により撮像し、これを画像処理した位置データに基づきフィルムの所定位置に高密度エネルギービームで穴を開け後、このフィルムを位置データに基づきハニカム成形体の端面に貼り付けることができる。即ち第2副工程を行った後第1副工程を行うこともできる。
【0023】
第3副工程は、例えば次のように行うことができる。目封じ材として、例えば上述のハニカム成形体の好ましい原料粉末として挙げたセラミックス等から選ばれた少なくとも1種の材料を主成分とし、これにバインダー、水やグリセリンなどの液体、任意的に界面活性剤などを加えて、スラリー状として目封じ材を作製することができる。この目封じ材15を、例えば図3に示すような容器10に入れる。次に、ハニカム成形体1のフィルム9が貼り付けられた端面を、この容器10中の目封じ材15中に浸漬させ、更に上から押圧することにより、目封じ材を所定のセル、即ちフィルム9の穴の開いた場所に位置するセル31中に詰めることができる。
【0024】
以上のようにして、目封じ工程を行うことができるが、目封じ工程は、他の端面に対しても行うことが好ましい。また、目封じ工程は、隣接するセルを互いに反対側となる端面において目封じし、いずれの端面においても、目封じされたセルと目封じされず開口しているセルが市松模様状を呈するように配置することが好ましい。
【0025】
焼成工程は、目封じされた成形体を原料粉末に対応した所定温度及び雰囲気、例えば炭化珪素を原料粉末として用いた場合は、1800〜2200℃及びAr等の不活性雰囲気で焼成することにより、コージェライト又は焼成によりコージェライトとなるコージェライト化原料の場合には、1400〜1440℃程度の温度で焼成することにより、ハニカム構造体を得ることができる。この焼成工程は、任意的に、バインダー等の有機物を除去する脱脂副工程を含んでも良く、この場合には、例えば、150〜600℃程度でハニカム成形体を加熱することにより有機物を脱脂することができる。また、焼成工程の前にハニカム成形体を乾燥することが好ましい。
【0026】
本発明において、目封じ工程で用いるフィルムは、最終的に不要となるため除去する必要がある。除去の方法は、例えば目封じ工程の後にフィルムを剥がすことにより除去することができる。この場合には、ハニカム成形体を乾燥した後フィルムを剥がすことが好ましい。また、特にフィルムを剥がさずに、前述の焼成工程において、フィルムを分解及び/又は燃焼させることにより除去することもできる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1〜3及び比較例1)
原料として、80質量部のSiC粉及び20質量部の金属Si粉を混合し、これにメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添加して、可塑性の坏土を作製した。この坏土を押出成形して隔壁の厚みが約300μm(12mil)、セル密度が約46.5セル/cm2(300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正方形、長さが152mmのハニカム成形体を得た。
【0029】
このハニカム成形体をマイクロ波及び熱風で乾燥した後、この端面に、表1に示す、材質、厚み、粘着力のフィルムを貼り付けた。この端面を図6に示すように、カメラ12により撮像し、撮像した画像を画像処理することにより、目封じすべきセル上のフィルムの位置を決定し、出力10〜12W、光径180μmφのCO2レーザー光を照射し、所定位置のフィルムに穴を開けた。ここで、フィルムに開けられた穴を再度カメラにより撮像し、穴の径を測定した。
【0030】
次に、80質量部の炭化珪素(SiC)及び20質量部の金属珪素の合計100質量部に対して、30質量部の水、10質量部の有機助剤を加えてスラリーとし、目封じ材を得た。この目封じ材を、図3に示すような、ハニカム成形体の外形と略同寸法の開口部がある容器内に入れ、目封じ材を容器内で平坦化させた。次にハニカム成形体のフィルムが貼り付けられた端面が目封じ材と接触するようにハニカム成形体を容器内に配置して、ハニカム成形体を上方から下方へ押圧することにより目封じ材を所定のセル内に詰めた。そしてハニカム成形体を100℃で乾燥させた後、フィルムを剥がすことにより除去した。この際の剥がしやすさ及びハニカム成形体の破損の有無を観察し評価した。フィルムの除去は、乾燥直後、即ちハニカム成形体が乾燥温度に近い状態の場合、及び放置後、即ちハニカム成形体が室温の状態の場合の2つの場合に分けて行った。これらの結果を表1に示す。
【0031】
実施例1及び2のサンプルについては、目封じした後、フィルムを剥がさずに、焼成工程においてフィルムを除去する試験も行い、焼成後のハニカム構造体の破損の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0032】
(比較例2)
フィルム総厚み185μm、基材層厚み100μm、基材層の材質がポリエステルのフィルムを用いたことを除いて、実施例1と同様にしてレーザーによる穴開けまで行った。その結果穴を開けることができなかった。
【0033】
【表1】
【0034】
表1より、実施例1〜3のサンプルは、フィルムを剥離させることによるハニカム成形体の破損がなかった。また、実施例1、2のサンプルは、良好に目封じ材を詰めることができる穴を開けることができ、ハニカム成形体を放置後にフィルムを剥がした場合にも良好にフィルムを剥がすことができた。更に実施例1のサンプルは、焼成によってフィルムを除去した場合にもハニカム構造体の破損がなく、良好な結果が得られた。これに対して、比較例1のサンプルは、フィルムの粘着力が強すぎたためにフィルムを剥離させる際にハニカム成形体の破損が起こった。また、フィルムの厚みが厚すぎたために、フィルムに充分な穴を開けることができなかった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたとおり、本発明のハニカム構造体の製造方法は、目封じ工程に起因するハニカム成形体又はハニカム構造体の破損が抑制され、目封じされたハニカム構造体を好適に製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の目封じ工程におけるフィルムの貼り付け方法の一例を示す模式的な斜視図である。
【図2】 (a)は、本発明に係るハニカム成形体にフィルムを貼り付けた状態の一例を示す模式的な平面一部拡大図であり、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図3】 本発明の目封じ工程における目封じ材を所定セルに詰める方法の一例を示す模式的な断面図である。
【図4】 (a)、(b)は本発明の焼成工程におけるフィルムの動きを示す模式的な断面図である。
【図5】 本発明の目封じ工程における、穴開け位置を決定する方法の一例を示す模式的な断面図である。
【図6】 (a)は、本発明によって製造することができるハニカム構造体の一例を示す模式的な斜視図であり、(b)は(a)におけるbで示された部分の一部拡大図である。
【符号の説明】
1…ハニカム成形体、2…隔壁、3…セル、31…目封じすべきセル、4…ハニカム構造体、7…外周壁、71…外周壁の端部、72…端面近傍の外周壁、9…フィルム、91…穴を開けるフィルムの所定位置、10…容器、12…カメラ、15…目封じ材、41、43…端面。
Claims (5)
- 2つの端面と、一の端面から他の端面まで貫通するセルを複数有するハニカム成形体を成形する成形工程と、前記成形体の何れかの端面において前記セルを目封じする目封じ工程と、前記目封じされた成形体を焼成する焼成工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、
前記目封じ工程が、前記何れかの端面にフィルムを貼り付ける第1副工程と、目封じすべきセルに対応する前記フィルムの所定位置に高密度エネルギービームにより穴を開ける第2副工程と、前記目封じすべきセルに目封じ材を詰める第3副工程とを含み、
前記第1副工程において用いるフィルムが、基材層と粘着層を含み、かつ粘着力が3〜15N/25mmで、基材層の厚みが5〜40μmであることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。 - 前記フィルムの厚みが10〜70μmである請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 粘着層の厚みが5〜40μmである請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 基材層が、ポリエステル又はポリオレフィンを主成分とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
- 粘着層がアクリル系粘着材を主成分とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
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