JP2006087985A - セラミックハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

セラミックハニカムフィルタの製造方法 Download PDF

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Shinya Tokumaru
慎弥 徳丸
Yasuhiko Otsubo
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Abstract

【課題】 セラミックハニカム構造体の端面とこれに貼着する粘着フィルムとの間に隙間をできにくくし、封止用のスラリー充填工程において、スラリーが封止を必要としない流路にはみ出すことを防止し、結果として、セラミックハニカムフィルタの圧力損失の低下を最小限に抑える、セラミックハニカムフィルタの製造方法を得る。
【解決手段】 セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムが貼着され、該粘着フィルムに所定の貫通孔が形成された後、該貫通孔にスラリーが導入されて封止部が形成される、セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムを貼り付け時、または、貼り付け後において、0.01〜2.0MPaの押圧力を付加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックハニカムフィルタの製造方法に関し、詳しくは、圧力損失の上昇を防ぐことができるセラミックハニカムフィルタの製造方法に関する。
地域環境や地球環境の保全面から、自動車などのエンジンから排出される排気ガスに含まれる有害物質の削減が求められ、特に最近は、デイーゼルエンジンからの排気ガス中に含まれる微粒子を除去するために、セラミックハニカムフィルタが使用されている。図3は、セラミックハニカムフィルタ30の一例を示し、(a)は模式平面図、(b)は一部断面を含む模式側面図である。図3で、セラミックハニカムフィルタ30は、多孔質セラミックからなり、外周壁32と、この外周壁32内側に各々直交するセル壁33で形成された複数の流路34を有するセラミックハニカム構造体31の、排気ガスが流入する端面35a側と、排気ガスが流出する端面35b側とが、各封止材36a、36bで交互に封止されている。図示しないが、セラミックハニカムフィルタ30は、その外周壁32が金属メッシュあるいはセラミックス製のマットなどで形成した把持部材と、端面35a、35bの外周近傍で把持され、金属製の収納容器内で使用中に動かないように配置されている。
従来から、セラミックハニカム構造体31の端面35a側と、端面35b側への各封止材36a、36aによる封止は、以下のような工程で行われている。図4(a)〜(d)は、セラミックハニカム構造体31の封止工程を示す模式図である。図4で、先ず(a)セラミックハニカム構造体31の片方の端面35aに、粘着材が塗布された粘着フィルム41を貼着する。次に、(b)粘着フィルム41に所定の貫通孔41aを、例えばレーザー51などで形成する。次に、(c)セラミックハニカム構造体31を反転して、封止材を含有するスラリー42に浸漬し、このスラリー42を貫通孔41aから流路34内の所定深さに浸入、充填させる。次に、(d)スラリー42を硬化、乾燥させ、端面35a側の流路34が封止材36aで交互に封止されたセラミックハニカム構造体31とする。さらに、残りの端面35bについても(a)〜(d)を行い、さらに粘着フィルム41を除去して、図3に示すセラミックハニカムフィルタ30としている。
このようなセラミックハニカムフィルタの製造方法に関し、特許文献1には、焼成前のセラミックハニカム成形体の端面に貼着される粘着フィルムとして、基材層と粘着層を含み、かつ粘着力が3〜15N/25mmであるフィルムを使用する製造方法の開示がある。この特許文献1によれば、封止に起因するセラミックハニカム構造体の破損が抑制されるとしている。なお、特許文献1には、粘着フィルムをセラミックハニカム成形体に貼着する時の押圧や温度に関する記載は見当たらない。
特開2003−320517号公報
しかしながら、特許文献1に開示される粘着力を有する粘着フィルム41を用い、実際に、図4(a)のようにして、セラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)に貼着してみると、粘着フィルム41がセラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)にしっかりと貼着されずに、粘着フィルム41と端面35a(35b)との間に隙間(図示せず)ができることがあった。このような隙間ができると、図4(c)に示すスラリー充填を行う際に、スラリー42が端面35aにおいて封止を必要としない流路34aにまではみ出してしまうことがある。封止を必要としない流路34aにスラリー42がはみ出したまま、乾燥、焼成して、図3に示すセラミックハニカムフィルタ30とした場合に、封止を必要としない流路34aが封止材で狭められるため開口面積が確保されず、圧力損失が上昇することがあった。
本発明の課題は、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムが貼着され、この粘着フィルムに所定の貫通孔が形成された後、貫通孔にスラリーが導入されて封止部が形成される、セラミックハニカムフィルタの製造方法において、セラミックハニカム構造体の端面とこれに貼着する粘着フィルムとの間に隙間をできにくくし、封止用のスラリー充填工程において、スラリーが封止を必要としない流路にはみ出すことを防止し、結果として、セラミックハニカムフィルタの圧力損失の上昇を防ぐことができるセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ることにある。
上記課題を解決するため、具体的に本発明は、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムが貼着され、該粘着フィルムに所定の貫通孔が形成された後、該貫通孔にスラリーが導入されて封止部が形成される、セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記セラミックハニカム構造体の端面に前記粘着フィルムを貼り付け時、または、貼り付け後において、前記セラミックハニカム構造体の端面に貼り付けられた前記粘着フィルムに0.01〜2.0MPaの押圧力を付加することを特徴とする。
セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムを貼り付け時、または、貼り付け後において、セラミックハニカム構造体の端面に貼り付けられた粘着フィルムに0.01〜2.0MPaの押圧力を付加することにより、多孔質であるセル壁に形成されている細孔に、少なくとも基材層と粘着材層からなる粘着フィルムの粘着材がくい込むことで粘着力が増し、粘着フィルムとセラミックハニカム構造体の端面がしっかりと貼着されるのである。
本発明において、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムを貼り付け時、または、貼り付け後に、粘着フィルムに0.01MPa以上の押圧力を付加して行うのは、0.01MPa未満の押圧力では、多孔質であるセル壁に形成されている細孔への、粘着フィルムの粘着材のくい込みが少なくなるため粘着力が増加せず、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムがしっかりと貼着されなくなり、セラミックハニカム構造体の端面との間に隙間を生じることがあるからである。そして、隙間が生じると、スラリーの充填工程において、封止を必要としない流路にスラリーがはみ出てしまい、この流路の開口部が狭くなり、その後、乾燥、焼成して、セラミックハニカムフィルタとした場合に、流路の開口面積が確保されずに圧力損失が大きくなるおそれがあるからである。一方、2.0MPaを超える押圧力では、セラミックハニカム構造体が破損するおそれがあるからである。セラミックハニカム構造体の端面に貼り付けられた粘着フィルムに付加する好ましい押圧力は、0.1〜1.0MPaであり、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。
ここで、粘着フィルムを押圧する手段としては、例えば、図1に示すように、所望の大きさの板状の金属製の工具11に荷重をかけながら粘着フィルム上を移動させて押圧力を負荷する方法や、図2に示すように、ローラ状の工具21に荷重をかけながら回転させて押圧力を負荷する方法等を適宜用いることができる。また、粘着フィルムへの押圧力の付加は、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルム貼り付ける時、または貼り付けた後の何れにおいてでも良い。
また、セラミックハニカム構造体の端面に貼り付けられた粘着フィルムに付加する押圧力は、貼り付けられた粘着フィルム全面に付加することが好ましいが、外周壁近傍を除いた粘着フィルム面にのみ付加されれば良い。この場合、外周壁近傍とは、セラミックハニカム構造体の端面において、外周壁から内周側へ向かい、端面半径の20%以下の長さの領域を表す。これは、セラミックハニカムフィルタが収納容器内に配置されると、外周近傍は把持部材が当接することにより、排気ガスが流入しないので、圧力損失の上昇には影響しないからである。
尚、本発明における押圧力とは、押圧工具により、セラミックハニカム構造体の略流路方向に付加する押圧荷重を、押圧工具と接するセラミックハニカム構造体端面の面積で除して算出する。ここで言うセラミックハニカム構造体端面の面積とは、セル壁端面の面積と流路端面の面積の合計のことである。
本発明において、セラミックハニカム構造体の端面への粘着フィルムの貼着は、粘着フィルムの温度が20〜100℃であることが好ましい。セラミックハニカム構造体のセル壁は多孔質であるので、粘着フィルムの温度を20〜100℃とすることにより、粘着フィルムの粘着材が軟化し、この軟化した粘着材が、セラミックハニカム構造体の端面において、多孔質であるセル壁に形成された細孔にくい込み易くなり、よりしっかりとセラミックハニカム構造体の端面に貼着されるので好ましい。粘着フィルムの温度が20℃未満では、粘着フィルムの粘着材が軟化していないため、粘着材が多孔質であるセル壁に形成された細孔にくい込み難くなり、セラミックハニカム構造体の端面にしっかりと貼着されなくなり、セラミックハニカム構造体の端面との間に隙間を生じることがあるからである。そして、隙間が生じると、スラリーの充填工程において、封止を必要としない流路にまでスラリーがはみ出てしまい、この流路の開口部が狭くなり、その後、乾燥、焼成して、セラミックハニカムフィルタとした場合に、流路の開口面積が確保されずに圧力損失が上昇するおそれがあるからである。一方、100℃を超えると、粘着フィルムの粘着材の粘着力が低化し、粘着フィルムがハニカム構造体の端面にしっかりと貼着されなくなり、セラミックハニカム構造体の端面との間に隙間を生じることがあるからである。そして、隙間が生じると、スラリーの充填工程において、封止を必要としない流路にまでスラリーがはみ出てしまい、この流路の開口部が狭くなり、その後、乾燥、焼成して、セラミックハニカムフィルタとした場合に、流路の開口面積が確保されずに圧力損失が上昇するおそれがあるからである。粘着フィルムの温度は、好ましくは30〜70℃である。
なお、粘着フィルムの温度を20〜100℃とする手段としては、例えば、図1に示すように、所望の大きさの板状の金属製の工具11に加熱ヒーター11aを内蔵させることで、押圧時に粘着フィルムの温度を上昇させる方法、図2に示すように、ローラー状の工具21に加熱ヒーター21aを内蔵させることで、押圧時に粘着フィルムの温度を上昇させる方法、熱風を発生するドライヤーで粘着フィルムを加熱させる方法、電熱プレートで粘着フィルムを加熱させるなど、適宜用いることができる。また、粘着フィルムの温度を20〜100℃とするのは、セラミックハニカム構造体の端面に貼り付ける前、もしくは、貼り付ける時の何れでも良い。
本発明において、セラミックハニカム構造体の端面が、粘着フィルムの貼着前に、粒度#40〜#500の砥石で研削加工されていることが好ましい。研削加工により、端面の面粗さが小さくなり、粘着フィルムの粘着力がより大きくなり、セラミックハニカム構造体の端面により緊密に貼着される。このとき、粒度#40未満の砥石での研削加工では、端面の面粗さが大きくなり、粘着フィルムに押圧力を付加したときに、セル壁が欠けたり、セラミックハニカム構造体が破損するおそれがあるからである。一方、粒度#500を超える砥石の研削加工では、砥石が目詰まりしやすくなり、砥石の寿命が短くなるので好ましくない。
本発明において使用する粘着フィルムは、少なくとも基材層と粘着材層からなり、基材層の形成材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、オレフィン等を使用することが好ましい。これは、押圧力を付加するために、粘着フィルムとしてある程度の強度が必要であることと、粘着フィルムを貼着した後に貫通孔を形成するが、その際に、レーザー等の溶融手段や穿孔により容易に貫通孔を形成することができるからである。
また、粘着材層の形成材料は、ゴム系、アクリル系、シリコン系、ウレタン系等を使用することができるが、中でも、ゴム系、アクリル系が好ましい。これは、押圧力を付加した際に、粘着材がセル壁に形成されている細孔にくい込み易くなるとともに、粘着フィルムの温度を20〜100℃とした際に、粘着材が細孔によりくい込み易くなり、粘着力が増す効果があるからである。そして、粘着フィルムの厚さは、0.03〜0.2mmであり、基材層の厚さが0.01〜0.15mm、粘着材層の厚さが0.01〜0.15mmであり、粘着力が2〜20N/25mmであることで、貫通孔の形成や、粘着力の向上がより好ましく行われるのである。
本発明によれば、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムが貼着され、この粘着フィルムに所定の貫通孔が形成された後、貫通孔にスラリーが導入されて封止部が形成される、セラミックハニカムフィルタの製造方法において、セラミックハニカム構造体の端面とこれに貼着する粘着フィルムとの間に隙間をできにくくし、封止用のスラリー充填工程において、スラリーが封止を必要としない流路にはみ出すことを防止し、結果として、セラミックハニカムフィルタの圧力損失の上昇を防ぐことができる。
(実施の形態)
コージェライト生成原料粉末に、成形助剤、造孔剤を適量添加し、混合、混練してセラミック坏土を生成する。次に、坏土を押出し成形用金型を用いて押出し成形し、切断して、直径270mm×長さ300mmの成形体とし、続いて、乾燥、焼成してセラミックハニカム構造体31とする。
次に、このハニカム構造体31の一方の端面35aに粘着フィルム41を載置して仮付けする。この粘着フィルム41は、基材層がポリプロピレン、粘着材層がゴム系、粘着フィルム厚さ0.09mmで粘着力7.22N/25mmの特性を有している。
次いで、図1に示すように、30mm×50mm、厚さ15mmのステンレス製の板状の工具11に荷重をかけながら、粘着フィルムを押圧力が0.01〜2.0MPaとなるよう板状の工具11により押圧して、粘着フィルム41をハニカム構造体31の端面35aに貼着させる。
ここで、押圧の方法は、図2に示すように、軸23で取り付けられた直径20mm、長さ50mmのステンレス製のローラー状の工具21を、回転自在に支承するアーム22に、荷重をかけながら粘着フィルム上を移動させて、押圧力が0.01〜2.0MPaとなるよう押圧して、粘着フィルム41をハニカム構造体31の端面35aに貼着させることもできる。また、図2に示すローラー状の工具21の長さが、ハニカム構造体の直径と同じかそれよりも長いものを用いることもできる。この場合、ローラー状の工具を回転させて粘着フィルム上を移動させると、ローラー状の工具とセラミックハニカム構造体の端面とが接する面積が変動するので、押圧荷重Pを調整しながら、押圧力が0.01〜2.0MPaとなるように押圧する。
次に、図4(b)(c)(d)に示すように、粘着フィルム41に交互に貫通孔41aをレーザー51を用いて形成し、封止材を含有するスラリー42に浸漬して、スラリー42を貫通孔41aから流路34内の所定深さに浸入、充填させる。そして、スラリー42を硬化、乾燥させ、粘着フィルム41を除去し、片方の端面35aが交互に封止材36aで封止されたセラミックハニカム構造体31とする。
次いで、セラミックハニカム構造体31の他方の端面35bについても、端面35aと同様にして、端面35bが交互に封止材36bで封止されたセラミックハニカム構造体31とする。
そして、このセラミックハニカム構造体31の封止材を焼成させて、図3に示すセラミックハニカムフィルタ30が得られる。
本発明の実施の形態において、粘着フィルムをセラミックハニカム構造体の端面に貼り付ける前、もしくは、貼り付ける時に、次のような方法で粘着フィルムの温度を20〜100℃として実施することができる。
熱風を発生するドライヤーで粘着フィルムを20〜100℃に加熱して、加熱した粘着フィルム41をセラミックハニカム構造体の端面35a、35bに載置して、上述したように、図1に示す、板状の工具11、若しくは、図2に示すローラー状の工具21で押圧して、粘着フィルム41をセラミックハニカム構造体31の端面35a、35bに貼着させる。
また、電熱プレートで粘着フィルムを20〜100℃に加熱して、加熱した粘着フィルム41をセラミックハニカム構造体の端面35a、35bに載置して、上述したように、図1に示す板状の工具11、若しくは、図2に示すローラー状の工具21で押圧して、粘着フィルム41をセラミックハニカム構造体31の端面35a、35bに貼着させる。
一方、図1に示すように、板状の工具11に発熱コイル11aを内蔵させることで、板状の工具11の温度を20〜100℃とし、この加熱された板状の工具11で押圧することで粘着フィルムの温度を20〜100℃とすることができる。
また、図2に示すように、ローラー状の工具21に加熱ヒーター21aを内蔵させることで、工具21の温度を20〜100℃とし、この加熱された工具で押圧することで粘着フィルムの温度を20〜100℃とすることができ、押圧時に粘着フィルムの温度を上昇させることができる。
さらに、本発明の実施の形態において、セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムを貼り付ける前に、セラミックハニカム構造体を平面研削盤のテーブル上のソフトチャックで把持し、ダイヤモンド砥粒が電着された粒度#40〜#500の砥石で研削加工することができる。
以下、具体的な実施例について説明する。
カオリン、タルク、シリカ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2:48〜52%、Al23:33〜37%、MgO:12〜15%を含むようなコージェライト生成原料粉末とし、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダー、潤滑剤、造孔材としてグラファイトを添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック杯土を作成した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、切断して、直径270mm×長さ300mmの成形体とした。次に、成形体を、乾燥、焼成させ、セル壁33が、厚さ0.3mm、気孔率65%、平均細孔径20μm、ピッチ1.5mmで、外径が280mm、全長が300mmのコージェライト質セラミックハニカム構造体31を得た。
そして、ダイヤモンド砥粒が電着された砥石の粒度(#)を変えて端面35a、35bを研削加工したものと、研削加工をしないものを準備した。
次に、セラミックハニカム構造体31の一方の端面35aに、基材層がポリプロピレン、粘着材層がゴム系、粘着フィルム厚さ0.09mmで粘着力7.22N/25mmの特性を有する粘着フィルム41を載置して仮付けする。そして、図1に示すように、30mm×50mm、厚さ15mmのステンレス製の板状の工具11を用い、この工具11にかける荷重Pを変更させながら、粘着フィルムに付加する押圧力(MPa)を表1に示すように変化させて、粘着フィルム41をセラミックハニカム構造体31の端面35aに貼着させた。さらに、板状の工具11に内蔵された発熱コイル11aで板状の工具の温度を上げて、粘着フィルムの温度(℃)を表1に示すように変更させて、ハニカム構造体31に粘着フィルム41を貼着した。尚、粘着フィルムに押圧力を付加しなかったものを従来例とした。
次に、図4(b)(c)(d)のように、粘着フィルム41に所定の貫通孔41aをレーザー51で形成し、封止材を含有するスラリー42に浸漬して、スラリー42を貫通孔41aから流路34内の所定深さに浸入、充填させ、スラリー42を硬化、乾燥させて、一方の端面35aが交互に封止材36aで封止されたセラミックハニカム構造体31とした。他方の端面35bについても、同様にして、端面35bが交互に封止材36bで封止されたセラミックハニカム構造体31とした。そして、このセラミックハニカム構造体31の封止材を焼成させて、図3に示すセラミックハニカムフィルタ30を得た。
次いで、圧力損失試験装置を用い、セラミックハニカムフィルタ30に流量7.5Nm3 /minとして空気を流し、流入側と流出側の差圧を測定することで、圧力損失を評価した。なお、圧力損失の評価は、差圧が230mmAq以下を優(◎)、230mmAqを超え250mmAq以下を良(○)、250mmAqを超え280mmAq以下を可(△)、280mmAqを超えるものをNG(×)として行った。その評価結果を表1に示す。
Figure 2006087985
表1で、実施例1〜36は、セラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)への粘着フィルム41の貼着を、0.01〜2.0MPaの押圧力を付加して行ったので、粘着フィルムがセラミックハニカム構造体の端面にしっかりと貼着することができた。従って、スラリーの充填時に、封止を必要としない流路にスラリーがはみ出すことがなかったので、圧力損失の上昇を防ぐことができた。特に、実施例10〜22、29〜36は、0.01〜2.0MPaの押圧力の付加に加え、粘着フィルムの温度を20〜100℃として行ったので、フィルムがハニカム構造体の端面に、よりしっかりと貼着することができた。従って、圧力損失の上昇を防ぐことができた。さらに、実施例23〜36は、セラミックハニカム構造体の端面を砥石で研削したので、端面の面粗さが小さくなり、粘着フィルムと端面との粘着力がより大きくなり、よりしっかりと貼着することができた。従って、圧力損失の上昇を防ぐことができた。
一方、比較例1〜3は、押圧力を本発明の範囲を外れる0.01MPa未満としたので、粘着フィルム41がセラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)に緊密に貼着せず、セラミックハニカム構造体の端面と粘着フィルムの間に隙間を生じ、スラリーの充填時に、封止を必要としない流路にスラリーがはみ出てしまい、流路の開口面積が確保されずに結果として、圧力損失が大きくなっていた。また、比較例4〜6は、押圧力を本発明の範囲を外れる2.5MPaとしたので、セル壁33の一部が破損してしまい、封止することができず、セラミックハニカムフィルタとして使用することができなかった。さらに、従来例1では、押圧力を付加しなかったので、粘着フィルム41がセラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)にしっかりと貼着せず、セラミックハニカム構造体の端面と粘着フィルムの間に隙間が生じ、スラリーの充填時に、封止を必要としない流路にスラリーがはみ出てしまい、流路の開口面積が確保されずに結果として、圧力損失が大きくなった。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法の一例で、セラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)に粘着フィルム41を貼着している状況を示す斜視図である。 本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法の他の例で、セラミックハニカム構造体31の端面35a(35b)に粘着フィルム41を貼着している状況を示す斜視図である。 セラミックハニカムフィルタ30の一例を示し、(a)は模式平面図、(b)は一部断面を含む模式側面図である。 (a)〜(d)は、セラミックハニカム構造体31の封止工程を示す模式図である。
符号の説明
11:板状の工具
11a発熱コイル
21:ローラー状の工具
21a:加熱ヒータ
22:アーム
23:軸
30:セラミックハニカムフィルタ
31:セラミックハニカム構造体
32:外周壁
33:セル壁
34:流路
34a:封止を必要としない流路
35a:端面(排気ガスが流入する端面)
35b:端面(排気ガスが流出する端面)
36a、36b:封止材
41:粘着フィルム
41a:貫通孔
42:スラリー
51:レーザー
P:荷重

Claims (3)

  1. セラミックハニカム構造体の端面に粘着フィルムが貼着され、該粘着フィルムに所定の貫通孔が形成された後、該貫通孔にスラリーが導入されて封止部が形成される、セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記セラミックハニカム構造体の端面に前記粘着フィルムを貼り付け時、または、貼り付け後において、前記セラミックハニカム構造体の端面に貼り付けられた前記粘着フィルムに0.01〜2.0MPaの押圧力を付加することを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記押圧力を付加するときの前記粘着フィルムの温度が20〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記セラミックハニカム構造体の端面が、前記粘着フィルムの貼着前に、粒度#40〜#500の砥石で研削加工されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2何れかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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