JP4599620B2

JP4599620B2 - 止水用発泡複合シール材

Info

Publication number: JP4599620B2
Application number: JP2000283149A
Authority: JP
Inventors: 靖阿部; 健二蛭川; 昭夫渾川
Original assignee: Denki Kagaku Kogyo KK
Current assignee: Denka Co Ltd
Priority date: 2000-09-19
Filing date: 2000-09-19
Publication date: 2010-12-15
Anticipated expiration: 2020-09-19
Also published as: JP2002089714A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木、建築等に使用される管パイプ等及びコンクリート２次製品、金属製品に適用される止水用発泡複合シール材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、土木、建築分野において、塩化ビニル、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂管、鉄、銅、アルミ等の金属管等、スレート、コンクリート等の無機製管（以下管パイプ等と称する）及びボックスカルバート、Ｕ字溝、フリューム等の工場生産によるコンクリート２次製品、金属製品（以下コンクリート製品等と称する）が多用されている。
これらコンクリート製品等の設置、接続部分には、従来漏水防止、止水性の向上の目的で、粘着テープ・シート、ゴムスポンジ等のテープ・シート、水膨張ゴムテープ・シート（以下テープ・シート類と称する）及びウレタン、ブチルゴム等のコーキング材料（以下コーキング等と称する）が用いられている。
【０００３】
しかしながら、従来のテープ・シート類は設置すべき管パイプ等及びコンクリート製品等が平滑な場合には比較的良好な止水性を示すが、設置すべき部分が凹凸等が多く平滑性に劣る場合は止水性が大幅に低下する。一方、コーキング等は、設置すべき部分の凹凸、亀裂等への対応性は優れるが不等沈下等のずれ、耐震性に必ずしも満足すべきものではない。
【０００４】
また、従来の該テープ・シート類及びコーキング等は、取扱も比較的容易なものもあるが、止水性、価格面から必ずしも満足すべきものが得られていない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、管パイプ等及びコンクリート製品等に、設置が容易で、且つ止水性が極めて優れた発泡複合シール材を安価に提供するものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討の結果、（１）密度が０．１〜０．７ｇ／ｃｍ³である水膨張ゴム発泡体と（２）密度が０．０５〜０．７ｇ／ｃｍ³である熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体よりなる発泡複合シール材を用いることによりこれらの課題が解決されることを見出し本発明を完成させるに到った。
本発明に用いる（２）熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体は比較的安価であり、本発明の発泡複合シール材により、止水性、施工性に優れ、且つ経済的に有用な発泡複合シール材（以下本発泡複合シール材と称する）が提供される。
【０００７】
更に、本発泡複合シール材を管パイプ等及びコンクリート製品等に使用することにより、凹凸部分の多い接続面及び不等沈下等のずれへの対応性及び耐震性、止水性に優れた管パイプ等及びコンクリート製品等の土木、建築等の構築物の設置、完成が可能となる。特に近年多用されているコルゲートパイプ、リブパイプ等の止水に極めて有用である。
【０００８】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発泡複合シール材は、（１）密度が０．１〜０．７ｇ／ｃｍ³である水膨張ゴム発泡体と（２）密度が０．０５〜０．７ｇ／ｃｍ³である熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体を２層または３層以上の複層に接合したひも状もしくはシート状の発泡複合シール材である。
本発泡複合シール材に用いられる（１）水膨張ゴム発泡体は、密度が０．１〜０．７ｇ／ｃｍ³の弾力性、反発力を有する発泡体、柔軟なスポンジであれば特に使用材料は規定されないが、一般に天然ゴム、クロロプレンゴム（ＣＲ）、ウレタンゴム等合成ゴムをベースに水膨張性を有することが必要である。
本発明の、（１）密度が０．１〜０．７ｇ／ｃｍ³である水膨張ゴム発泡体と（２）密度が０．０５〜０．７ｇ／ｃｍ³である熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体を接合して発泡複合シール材とする方法は特に限定されないが、通常使用される溶剤系や水系の接着剤を用いて接合したものが使用できる。
【０００９】
本発泡複合シール材に用いられる水膨張ゴム発泡体の密度は、０．１〜０．７ｇ／ｃｍ³の範囲にあることが必要だが、密度が０．１ｇ／ｃｍ³に満たない場合、管パイプ等及びコンクリート製品等に適用された場合、該発泡体の反発力が充分発揮されず、設置初期止水性の低下を来し、０．７ｇ／ｃｍ³を超えた場合、本発泡複合シール材の柔軟性低下、重量増加となり、曲線部分への巻き付け、取付施工性不良、シール材の剥がれ等により、止水性能の低下につながり望ましくない。
該水膨張発泡体の水膨張倍率は、体積膨張倍率で１．５〜５倍であることが望ましい。体積膨張倍率が、１．５倍に満たない場合、本発泡複合シール材の止水性能が充分発揮出来ず、５倍を超えた水膨張倍率の発泡体は、止水性能に優れるが、製造時に価格面の上昇を免れず経済的に有用なシール材を提供せんとする本発明の主旨に適さなくなる。
【００１０】
該水膨張ゴム発泡体と複合すべき（２）熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体は、水膨張ゴム発泡体に対し、比較的安価で広般に適用されるが、ポリエチレン及びポリウレタン発泡体及び天然ゴム、クロロプレンゴム、ＥＰＤＭ、ＳＢＲ発泡体が一般的であるが、密度は０．０５〜０．７ｇ／ｃｍ³であることが必要である。該密度が０．０５ｇ／ｃｍ³に満たない場合、管パイプ等及びコンクリート製品等に適用された場合、該発泡体の反発力が充分発揮されず、設置初期止水性の低下を来し、０．７ｇ／ｃｍ³を超えた場合、本発泡複合シール材の柔軟性低下、重量増加となり、曲線部分への巻き付け、取付施工性不良、シール材の剥がれ等により、止水性能の低下につながり望ましくない。
【００１１】
更に本発泡複合シール材の形状については特に規定されないが、通常の管パイプ等及びコンクリート製品等に適用する場合、厚さは３ｍｍ〜２０ｍｍ程度であることが望ましく、また、本発泡複合シール材の巾は５ｍｍ〜１ｍ程度であることが望ましい。
【００１２】
【実施例】
以下本発明を実施例をもって更に詳細に説明する。
（実施例１〜６、比較例１〜３）
表１及び図１に示す発泡複合シール材について、厚さ３ｍｍの水膨張ゴム発泡体及び厚さ５ｍｍの熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体よりなる発泡複合シールを、図２に示す外径５０ｃｍの鋼製止水試験機に設置し、発泡複合シール材の高さの１／２迄圧縮（５０％圧縮）し、水圧０．１ＭＰａ及び０．３ＭＰａでそれぞれ３日間加圧し、漏水の有無、圧力変化を測定した。
【００１３】
【表１】

【００１４】
【発明の効果】
表１の実施例に示すごとく、本発明の発泡複合シール材は、高水圧下においても、止水性能の極めて優れたシール材である。
【図面の簡単な説明】
【図１】発泡複合シール材の断面図例を示す。
【図２】止水性能評価に用いた鋼製止水試験機の概要図を示す。
【符号の説明】
１水膨張ゴム発泡体
２熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体
３シール材
４５０％圧縮時使用のスペーサー
５ボルト

Claims

（１）密度が０．１〜０．７ｇ／ｃｍ^３である水膨張ゴム発泡体と、（２）密度が０．０５〜０．７ｇ／ｃｍ^３である熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体とを、接着剤を用いて２層または３層以上の複層に接合したひも状もしくはシート状の止水用発泡複合シール材。
（１）水膨張ゴム発泡体の水膨張倍率が体積倍率で１．５〜５倍であることを特徴とする請求項１記載の止水用発泡複合シール材。
（２）熱可塑性樹脂またはゴムの発泡体が、ポリエチレン、ポリウレタン、天然ゴム、クロロプレンゴム、ＥＰＤＭ及びＳＢＲからなる群から選ばれた１種または２種以上の発泡体であることを特徴とする請求項１又は２記載の止水用発泡複合シール材。