JP4598021B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録層を2層以上有し、上記複数の情報記録層の中に他の層と異なる記録特性をもつ情報記録層が存在する多層光情報記録媒体に関するものである。
近年、光情報記録媒体は、更なる大容量化が求められ、大容量化のため複数の情報記録層を設ける技術が提案され、すでに、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc)において、実施されている。上記状況にあって、OS等のコンテンツが記録された再生のみ可能な情報記録層と、情報の書き換えが可能な情報記録層(以降RE(REwritable)層)を併せ持つ光情報記録媒体(以降ハイブリッド光情報記録媒体と呼ぶ)が求められ、その一例が特許文献1に開示されている。
ハイブリッド光情報記録媒体は、OS等の予め用意された再生専用コンテンツを提供する情報記録層と、ユーザが所望の情報を書き換え可能な情報記録層を有するため、ハイブリッド光情報記録媒体を記録再生装置から抜き差しすることなく、再生専用コンテンツの利用とユーザ情報の任意保存を可能とし、ユーザの利便性を向上させるものである。
ここで、上記コンテンツが記録された再生のみ可能な情報記録層は、再生専用層(以降ROM(Read Only Memory)層)のみではなく、追記録可能な層(以降R(Recordable)層)も考えられる。何故なら、追記型層は、出荷前にOS等を記録することにより、実質的には再生のみ可能な層となるためである。また、ROM層は、情報に応じて設けられた凹凸からなるプリピット上に反射膜が成膜されることで反射膜の形状が固定されている。よって反射膜(形状を含む)自体に情報が記録されていることになるので、反射膜であっても情報記録層と呼ぶ。
ところで、上記OS等のコンテンツが記録されたROM層またはR層と、RE層を併せ持つ光情報記録媒体を生産する際、反射率や記録感度などより厳密に調整する必要がある。しかしながら、RE層は複数の膜からなるため作製時にバラツキが生じやすく歩留まりを向上させることが困難である。したがって、RE層は、光情報記録媒体生産工程において、より作製が容易なROM層やR層より工程前半で作製する方が、歩留まりが向上し、生産時の損失を防ぐことができる。
特開平9−180248号公報
しかしながら、RE層は湿度耐久性が低く、従来のROM層やR層に使用されていた材料では、ディスク基板より最も遠い位置に設けられる透光層からの水分の浸入を十分に防ぐことはできないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、湿度耐久性に優れたハイブリッド光情報記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の光情報記録媒体は、基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有し、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層が、情報を読み出すことのみ可能な層であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層である光情報記録媒体であって、上記第1情報記録層は、再生光の波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体からなること特徴としている。
第1情報記録層を低コストで生産可能なROM層とするハイブリッド光情報記録媒体において、従来、材料的に反射率が低いRE層(波長略405nmで15%程度)で形成されている第2以降の情報記録層からの反射光を透過させるために、ROM層に用いられていたAg,Al,Auなどの金属を薄く形成することで透過率を高めていたが、薄く形成するが故、透光層からRE層への水分の浸入を十分に防ぐことができなかった。
これに対して本発明では、金属に比べて再生波長における透過率に優れる誘電体を第1情報記録層に用いているため、十分に厚く形成することができ、透光層からRE層への水分の浸入を防ぐことができる。なお、再生光の波長において透光性を有するとは、再生光の波長において80%以上の透過率を有することを言う。
また、現在普及しつつあるより大容量に適した青色可視光領域である青紫色レーザ(波長略405nm)を再生光とする光情報記録媒体の場合、上記のようにROM層に薄く形成されたAg,Al,Au等の金属反射膜は、青色可視光領域において光吸収率が大きいため、従来の赤色可視光領域である赤色レーザ(波長略650nm)に比較して再生光照射による膜の劣化が激しく、十分な再生耐久性が得られない。
これに対しても本発明では、一般に金属に比較して、誘電体は再生光の波長において透光性があるため光吸収率が小さく、さらに上述したように十分厚く形成することができるので、再生耐久性を向上させることができる。
さらに、3層構造以上のハイブリッド媒体の場合、青紫色レーザ波長においては、上記従来ROM層材料の中で最も透過率が得られるAgにおいて膜厚を均一に成膜できる限界程度まで薄く形成しても、透過率は80%程度であり、その時の反射率は約10%となる。
しかしながら、3層構造の場合では第3情報記録層のRE層の透過率が通常60%程度であるため、単独での反射率が15%程度でしかないRE層からなる再生光から最も遠い第2情報記録層の反射率は、3.5%(=0.82×0.62×15:光路よりの概算)程度となり、再生光から最も近い第1情報記録層との反射率差が非常に大きくなるという問題が生じる。この問題は情報記録層が増加することでより深刻になる。
これに対して本発明は、第1情報記録層が、再生光の波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で形成されている。よって、第1情報記録層の高い透過率を保持し、反射率を低く抑えることができるので上記のような問題が生じない。
なお、再生光の波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体の材料としては、窒化シリコンや窒化シリコンを主成分とする化合物、また酸化タンタルや酸化タンタルを主成分とする化合物が挙げられるが、これに限るものではない。
また、本発明の光情報記録媒体は、基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有し、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層が、情報記録については追記録のみが可能な層であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層である光情報記録媒体であって、上記第1情報記録層に含まれる情報が記録される記録層が再生光の波長における屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体からなること特徴としている。
第1情報記録層を低コストで生産可能なR層とするハイブリッド光情報記録媒体において、従来、材料的に反射率が低くなるRE層(波長略405nmで15%程度)で形成されている第2以降の情報記録層からの反射光を透過させるために、R層反射膜として用いられていた有機色素とAg,Al,Au等の金属の積層構造である金属半透明膜を薄く形成することで、第2以降の情報記録層からの反射光に対する透過率を高めていたが、薄く形成するが故、透光層からRE層への水分の浸入を十分に防ぐことができなかった。
これに対して本発明では、金属に比べて再生波長における透過率に優れる誘電体を第1情報記録層に用いているため、十分に厚く形成することができ、透光層からRE層への水分の浸入を防ぐことができる。
また、現在普及しつつあるより大容量に適した青色可視光領域である青紫色レーザ(波長略405nm)を再生光とする光情報記録媒体の場合、上記のようにR層に薄く形成されたAg,Al,Au等の金属半透明膜は、青色可視光領域において光吸収率が大きいため、従来の赤色可視光領域である赤色レーザ(波長略650nm)に比較して再生光照射による膜の劣化が激しく、十分な再生耐久性が得られない。
これに対しても本発明では、金属半透明膜に比較して、誘電体は再生光の波長において透光性があるため光吸収率が小さく、さらに上述したように十分厚く形成することができるので、再生光の再生耐久性を向上させることができる。また、第1情報記録層は情報を記録することができる程度の光吸収率は有している。
さらに、3層構造以上のハイブリッド媒体の場合、青紫色レーザ波長においては、上記従来R層材料の中でも透過率が得やすいSiとCu合金の積層において、膜厚を均一に成膜できる限界程度まで薄く形成しても、透過率は60%程度であり、その時の反射率は約10%となる。
しかしながら、3層構造の場合では第3情報記録層のRE層の透過率が通常60%程度であるため、単独での反射率が15%程度でしかないRE層からなる再生光から最も遠い第2情報記録層の反射率は、1.9%(=0.62×0.62×15:光路よりの概算)程度となり、再生光から最も近い第1情報記録層との反射率差が非常に大きくなるという問題が生じる。この問題は情報記録層が増加することでより深刻になる。
これに対して本発明は、第1情報記録層における記録層が、再生光の波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で形成されている。よって、第1情報記録層の高い透過率を保持し、反射率を低く抑えることができるので上記のような問題が生じない。
なお、上記第1情報記録層における記録層の具体的な構造としては、酸窒化シリコン、又は酸窒化シリコンを主成分とする誘電体と、酸窒化アルミ、又は酸窒化アルミを主成分とする誘電体の積層構造が挙げられるが、これに限るものではない。
また、本発明の光情報記録媒体は、基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有する光情報記録媒体であって、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層は、再生装置が有する光学系の回折限界以下の長さの凹又は/及び凸を含んで、凹又は/及び凸で表された情報を再生可能とする超解像再生膜であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層であることを特徴としている。
超解像再生技術を用いる場合、回折限界以下の長さの凹又は/及び凸を含んで、凹又は/及び凸で表された情報が再生可能となるため、実質的に情報記録容量を増大させることができる。しかしながら、超解像現象を生じさせるためには、超解像再生を行わないときに比較して再生レーザパワーを高くし、超解像再生膜の温度を上昇させる必要があった。
これに対して、本発明では、再生光から最も近い第1情報記録層に超解像再生膜を設けているので、他の情報記録層を透過する必要がなく、再生光入射面から遠くなる他の情報記録層に超解像再生膜を設ける場合に比較して、再生レーザパワーを低く抑えることができる。また、超解像再生を行う際、超解像再生膜の温度を上昇させるために、再生光を超解像再生膜に吸収させる必要があるが、第1情報記録層の反射率を低くすることでこれを実現でき、各情報記録層の反射率差が生じない構成とできる。
本発明の光情報記録媒体は、以上のように、基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有し、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層が、情報を読み出すことのみ可能な層であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層である光情報記録媒体であって、上記第1情報記録層に含まれる情報が記録される記録層が再生光の波長における屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体からなるものである。
また、本発明の光情報記録媒体は、以上のように、基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有し、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層が、情報記録については追記録のみが可能な層であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層である光情報記録媒体であって、上記第1情報記録層に含まれる情報が記録される記録層が再生光の波長における屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体からなるものである。
それゆえ、湿度耐久性に優れたハイブリッド光情報記録媒体を提供するという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態1について、図1、2を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態1の一例である光情報記録媒体200は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層20と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。
上記透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていても良いし、表面に表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに再生装置が有する光学系に応じて厚さを変更しても良く、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板でも良い。
第1情報記録層20は、ROM層となっており、例えば、厚さ10nmの窒化シリコンからなる。第1情報記録層20の厚さや材料はこれに限られるものではなく、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で、RE層への水分の浸入を防止できる厚さであれば良いし、例えば酸化タンタルなどでも良い。さらに多層構造であっても良い。
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。また、第1情報記録層側面には、第1情報記録層に記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。中間層30は、再生光の波長において透過率が高い材料であればよく、特に材料が限られるものではない。また、厚さも各情報記録層を分離でき、層間クロストーク(再生中の情報記録層以外の他の情報記録層からのノイズの意)が問題にならない適度な厚さがあれば良い。さらに多層構造であっても良い。
第2情報記録層40は、RE層となっており、例えば、7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されてなる。第2情報記録層40の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料や厚さはこれに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられ所定の強度があれば良い。例えば、ポリオレフィン樹脂や、金属等でも良い。さらに多層構造であっても良い。
また、図2に示すように、本実施形態1の別の一例である光情報記録媒体201は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層20と中間層30と第3情報記録層60と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。
上記透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていても良いし、表面に表面保護のためのハードコート等が設けられていても良い。さらに再生装置が有する光学系に応じて厚さを変更しても良く、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板でも良い。
第1情報記録層20は、ROM層となっており、例えば、厚さ10nmの窒化シリコンからなる。第1情報記録層20の厚さや、材料はこれに限られるものではなく、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で湿度のRE層への水分の浸入を防止できる厚さであれば良いし、例えば酸化タンタルなどでも良い。さらに多層構造であっても良い。
中間層30は、例えば、厚さ12.5μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。また、第1情報記録層側面には、第1情報記録層に記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。中間層30は、再生光の波長において透過率が高い材料であればよく、特に材料が限られるものではない。また、厚さも各情報記録層を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度な厚さがあれば良い。さらに多層構造であっても良い。
第2情報記録層40は、RE層となっており、例えば、7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として厚さ20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されてなる。第2情報記録層40の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
第3情報記録層60は、RE層となっており、例えば、6層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜61として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜62として厚さ5nmのZrO、記録層63として厚さ6nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜64として厚さ5nmのZrO、半透明膜65として20nmのAPC(AgPdCu)、及び透過率調整膜66として厚さ19nmのTiO2が順に積層されてなる。第3情報記録層60の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、再生光の波長において透過率60%程度を有するRE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料はこれに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられ所定の強度があれば良い。例えば、ポリオレフィン樹脂や、金属等でも良い。さらに多層構造であっても良い。
なお、本発明の実施の形態1は上記に限られるものではなく、更に情報記録層を加えた光情報記録媒体であっても良い。
〔実施例〕
本発明の図1に示す実施の形態1の実施例1と比較例1を作製した。それぞれの構造を、図1を用いて説明する。
図1に示すように、実施例1である光情報記録媒体200は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層20と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。上記透光層10は、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からできている。第1情報記録層20は、ROM層となっており、厚さ10nmの窒化シリコンが中間層30の表面にスパッタにより成膜されている。中間層30は、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂により形成されている。
また、第1情報記録層側面には、2P法(photo polymarization法:平板と原盤との間に紫外線硬化樹脂を充填し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた後原盤を剥離し、平板上に原盤の凹凸を転写する手法)により第1情報記録層に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。
第2情報記録層40は、RE層となっており、スパッタにより7層の薄膜が積層されている。具体的には、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として厚さ20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されている。
基板50には、直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネートの円盤状基板を使用した。
比較例1は図示しないが、第1情報記録層20として従来より用いられている金属半透明膜APC(AgPdCu)を用い、厚さ5nm成膜した。他の層は全て実施例1と同一にして作製した。なお、第1情報記録層の透過率は、実施例1、比較例1ともに80%であった。
実施例1と比較例1の湿度耐久性を比較するため、初期のRE層のエラーレート(記録した信号に対する再生信号の誤り率の意)と湿度試験(38℃90%RHに設定した恒温恒湿槽内に240h放置)後のエラーレートを比較した結果、実施例1は、従来の第1情報記録層に金属半透明膜を用いた比較例1に比べて湿度耐久性が優れていることがわかった。
次に、本発明の実施の形態1の別の一例である青紫色レーザを再生光とする3層構造光情報記録媒体における各層の反射率と、従来の第1情報記録層にAPCを用いた場合の3層構造光情報記録媒体における各層の反射率とを各層の実測値を用いてシミュレーション比較した結果、屈折率2.2〜2.5においては、各層の反射率を4〜6%の範囲に調整でき、APCを用いた場合の3.5〜10%に比較して格段に狭い範囲となった。
本発明に係る上記3層構造光情報記録媒体のように、各層の反射率が4〜6%となるような各層反射率範囲が狭い場合は、各情報記録層に対するフォーカスサーチ時に問題は生じないが、第1情報記録層に従来のAPCを用いた場合の3層構造光情報記録媒体のように、各層の反射率範囲が3.5〜10%と広くなると、フォーカスサーチ時に問題が生じる場合がある。この問題は、各情報記録層の反射率差が大きくなると深刻になる。理由を以下に説明する。
最初に一般的な多層光情報記録媒体の再生システム100について説明する。例えば、4層の情報記録層を有する光情報記録媒体を再生する再生システムの構成について、図6を用いて以下に説明する。
図6に示すように、本実施の形態の光情報記録媒体駆動装置としての再生システム100では、円盤状の光情報記録媒体400(断面構造は図7参照)は、ディスク駆動モータ101によって、所定の速度で回転駆動される。このディスク駆動モータ101は、モータ制御回路109によって、制御されている。このように回転駆動されている光情報記録媒体400からの、情報の読み取りは、光学ピックアップ102によって行われる。
この光学ピックアップ102はフィードモータ111の駆動力によって、光情報記録媒体400の半径方向に移動されるようになっている。このフィードモータ111はフィードモータ制御回路108によって制御されている。フィードモータ111はその回転速度が速度検出器112によって検出されるようになっている。この速度検出器112から得られる速度信号は、フィードモータ制御回路108に供給される。
上記光学ピックアップ102は、対物レンズ102aを備えている。この対物レンズ102aはフォーカス方向(光軸方向)とトラッキング方向(光情報記録媒体400の半径方向)とに、それぞれ移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ102aは、フォーカス駆動コイル102cに制御信号が供給されることによってフォーカス方向に位置が制御され、トラッキング駆動コイル102bに制御信号が供給されることによってトラッキング方向に位置が制御される。
また、レーザ制御回路103は、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fを駆動し、レーザ光を発生させている。この半導体レーザ発振器102fは、発生されたレーザ光の光量が光量検出器102gによって検出され、その検出結果がレーザ制御回路103に帰還されることにより、一定の光量のレーザ光が発生されるように制御されている。
この半導体レーザ発振器102fから発生されたレーザ光は、コリメータレンズ102eを通過してハーフプリズム102dで直角に折曲された後、対物レンズ102aにより、光情報記録媒体400の何れかの情報記録層(後述する第1情報記録層80、第2情報記録層40、第3情報記録層60及び第4情報記録層90)上に集光されることになる。
また、光情報記録媒体400からの反射光は、対物レンズ102aを逆行し、ハーフプリズム102dを直進した後、集光レンズ102h及びシリンドリカルレンズ102iを介して、光電変換器102jに受光される。この光電変換器102jは、受光量に応じた電気信号を発生する4つのフォトディテクタ102j1〜102j4によって構成されている。
この場合、フォトディテクタ102j1・102j2の並び方向及びフォトディテクタ102j3・102j4の並び方向が、光情報記録媒体10のトラッキング方向に対応し、フォトディテクタ102j1・102j4の並び方向及びフォトディテクタ102j2・102j3の並び方向が、光情報記録媒体400の接線方向に対応している。
この光電変換器102jのフォトディテクタ102j1から出力された電気信号は、増幅回路114aを介して加算回路113a・113dの各1端に供給され、フォトディテクタ102j2から出力された電気信号は、増幅回路114bを介して加算回路113b・113cの各1端に供給され、フォトディテクタ102j3から出力された電気信号は、増幅回路114cを介して加算回路113a・113cの各他端に供給され、フォトディテクタ102j4から出力された電気信号は、増幅回路114dを介して加算回路113b・113dの各他端に供給されている。
上記加算回路113aの出力信号は、差動増幅回路104の反転入力端−に供給され、上記加算回路113bの出力信号は、差動増幅回路104の反転入力端+に供給されている。この差動増幅回路104は、両加算回路113a・113bの出力信号の差を算出してフォーカスエラー信号を生成し、フォーカス制御回路105に供給している。このフォーカス制御回路105は、入力されたフォーカスエラー信号が0レベルとなるようにフォーカス駆動コイル102cに与える制御信号を生成し、対物レンズ102aに対するフォーカスサーボが行われる。
ここで、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号は、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、その初期位置(光情報記録媒体400から光軸方向に最も離れた位置)からフォーカス方向に順次移動させてフォーカスサーチ処理を行った場合、対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置が、図7に示す各情報記録層(第1情報記録層80、第4情報記録層90、第3情報記録層60及び第2情報記録層40)を通過する毎に、図8に示すように、S字特性を描く。
例えば、再生開始時には、最初に、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fにて、単層光情報記録媒体に対応した再生光を発生させる。
次に、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、上記初期位置から図6においては上方に駆動上限位置まで移動させる。そして、フォーカスエラー信号が、所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントすることにより、光情報記録媒体の情報記録層数を認識することができる。
次に、光情報記録媒体が有する情報記録層数に基づいて定められた再生光パワーを変更する。そして、変更された再生光パワーにて、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を駆動上限位置から図6においては下方に初期位置まで移動させる。そのときに、最初にフォーカスサーチ処理される情報記録層から検出されるフォーカスエラー信号の電圧値が、適切な値となるようフォーカス制御回路105等に含まれる増幅器のゲインを変更する。
例えば、第2情報記録層40にフォーカスサーチ処理する場合、フォーカスエラー信号が、所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、4回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とすることにより、第2情報記録層40に対するフォーカスサーチ処理が終了される。
なお、図9(A)(B)は上記のような、フォーカスサーチが行われたときの対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置(図9(A))とフォーカスエラー信号(図9(B))とを表している。
また、例えば、第4情報記録層90から第2情報記録層40にレイヤージャンプする場合は、フォーカスサーボを一旦OFF状態にし、第4情報記録層90から第2情報記録層40に対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置を順次移動させ、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号が、所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、2回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とすることにより、レイヤージャンプ処理が終了する(フォーカスサーチ処理とほぼ同じ処理のため、図示せず)。
また、これらのフォーカスサーチ処理が行われた状態で、位相差検出回路107により、光電変換器102jのフォトディテクタ102j1・102j4の出力信号の和と、フォトディテクタ102j2・102j3の出力信号の和との位相差が検出され、その検出結果がトラッキングエラー信号としてトラッキング制御回路106に供給される。
このトラッキング制御回路106は入力されたトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング駆動コイル102bに与える制御信号を生成し、対物レンズ102aに対するトラッキングサーボが施される。そして、このトラッキングサーボが行われている状態で光情報記録媒体400からの情報再生として、加算回路113c,113dから出力された電気信号が加算回路113eで合計され、データ再生回路110でデジタル信号に変換される。
図10は、上記多層光情報記録媒体再生工程を表すフローチャートである。すなわち、まず、光情報記録媒体装填後、ディスク駆動モータ101により、光情報記録媒体を所定回転数で回転させる(S1)。次いで、光情報記録媒体の例えば内周側領域であるリードインエリアに対向する位置に、光学ピックアップ102を移動し、所望のレイヤーにフォーカスサーチ処理する(S2)。次いで、トラッキング処理を行い(S3)、情報再生処理を行う(S4)。
ここで、多層光情報記録媒体の再生システムにおいて、各情報記録層の反射率が異なる光情報記録媒体を再生する場合の問題点について説明する。
上記の多層光情報記録媒体の再生システムにおいて、各情報記録層の反射率が異なる光情報記録媒体を再生する場合、フォーカスエラー信号の電圧値は反射率に依存するので、光情報記録媒体の各情報記録層のフォーカスエラー信号の電圧値も異なることになる。
したがって、その結果、上述したように、情報記録層から検出されるフォーカスエラー信号の電圧値を、適切な値とするゲインが各層毎に異なり、フォーカスサーチ処理は各層でゲイン変更しなければならず、フォーカスサーチに時間がかかる。さらに、各層毎にゲインを調整する回路を設けなければならない等の問題が生じる。
したがって、各層間の反射率の差が小さくなる本発明に係る光情報記録媒体は、金属半透明膜を設ける従来の光情報記録媒体に比べて、容易にフォーカスサーチが実現でき、安価な再生装置に対応できる光情報記録媒体であるといえる。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の形態2について、図3、4、5を用いて説明する。図3に示すように、本実施の形態2の一例である光情報記録媒体300は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層70と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。
上記透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていても良いし、表面に表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに再生装置が有する光学系に応じて厚さを変更しても良く、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板でも良い。
第1情報記録層70は、R層となっており、例えば、4層の薄膜からなり、第1保護膜と記録層と第2保護膜が積層されてなる。なお、記録層は第1記録層と第2記録層が積層されてなる。具体的には、再生光入射側より、第1保護膜71として厚さ25nmのZnS−SiO2、第1記録層72として厚さ10nmの酸窒化シリコン、第2記録層73として厚さ10nmの酸窒化アルミ、及び第2保護膜74として厚さ25nmのZnS−SiO2が順に積層されてなる。
第1情報記録層70の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で記録層が形成されており、R層として機能する構造あれば良い。例えば、記録層が単層、または3層以上で形成されていてもよく、保護膜がなくともよい。
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。中間層30も、再生光の波長において透過率が高ければよく、特に材料が限られるものではない。また、厚さも各情報記録層を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度な厚さがあれば良い。さらに多層構造であっても良い。
第2情報記録層40は、RE層となっており、例えば、7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として厚さ20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されてなる。第2情報記録層40の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料や厚さはこれに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられ所定の強度があれば良い。例えば、ポリオレフィン樹脂や、金属等でも良い。さらに多層構造であっても良い。
また、図4に示すように、本実施形態1の別の一例である光情報記録媒体301は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層70と中間層30と第3情報記録層60と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。
上記透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていても良いし、表面に表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。
第1情報記録層70は、R層となっており、例えば、4層の薄膜からなり、第1保護膜と記録層と第2保護膜が積層されてなる。なお、記録層は第1記録層と第2記録層が積層されてなる。具体的には、再生光入射側より、第1保護膜71として厚さ25nmのZnS−SiO2、第1記録層72として厚さ10nmの酸窒化シリコン、第2記録層73として厚さ10nmの酸窒化アルミ、及び第2保護膜74として厚さ25nmのZnS−SiO2が順に積層されてなる。
第1情報記録層70の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体で記録層が形成されており、R層として機能する構造あれば良い。例えば、記録層が単層、または3層以上で形成されていてもよく、保護層がなくともよい。
中間層30は、例えば、厚さ12.5μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。中間層30も、再生光の波長において透過率が高ければよく、特に材料が限られるものではない。また、厚さも各情報記録層を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度な厚さがあれば良い。さらに多層構造であっても良い。
第2情報記録層40は、RE層となっており、例えば、7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として厚さ20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されてなる。第2情報記録層40の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
第3情報記録層60は、RE層となっており、例えば、6層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜61として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜62として厚さ5nmのZrO、記録層63として厚さ6nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜64として厚さ5nmのZrO、半透明膜65として20nmのAPC(AgPdCu)、及び透過率調整膜66として厚さ19nmのTiO2が順に積層されてなる。第3情報記録層60の材料や厚さや層数は、これらに限られるものではなく、再生光の波長において透過率60%程度を有するRE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料はこれに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられ所定の強度があれば良い。例えば、ポリオレフィン樹脂や、金属等でも良い。さらに多層構造であっても良い。
なお、本発明の実施の形態2は上記に限られるものではなく、更に情報記録層を加えた光情報記録媒体であっても良い。
上記のように本発明の実施の形態2に係る光情報記録媒体は、第1情報記録層70に、再生光波長において屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体が含まれているので、実施例1の結果より、第1情報記録層70が有機材料と金属半透明膜との積層からなる従来光情報記録媒体に比べ、RE層への水分浸入が少なく湿度耐久性が高いことは明らかである。
また、各層反射率の調整に関しても、実施の形態1と同様のことが言えるため、本発明の実施の形態2に係る光情報記録媒体は、従来光情報記録媒体に比べて容易にフォーカスサーチが実現でき、安価な再生装置に対応できる光情報記録媒体であるといえる。
図5は、本実施の形態2の別の一例を示す光情報記録媒体の構造図である。光情報記録媒体302は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層70と中間層30と第3情報記録層60と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。そして、中間層30の第1情報記録層側の表面外周領域には、2P法により第1情報記録層に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。
したがって、第1情報記録層の外周部70_OUTが、ROM領域となっている。これにより、第1情報記録層70には、R領域とROM領域が混在する層となる。したがって、例えば、OS等のコンテンツを記録する領域としては、ディスク製造時にプリピットが形成可能なため、容易に大量の情報が記録されたROM領域として用いることができる。
一方、上記コンテンツを記録した光情報記録媒体を個別に管理するための情報は、光情報記録媒体毎に、個別に記録する必要があるためR領域に記録することで、コンテンツと個別情報をそれぞれ効率的に記録することができ、さらに、ROM領域に記録された情報の一部修正や追加を含めた更新情報(OSのパッチ情報等)をR領域に記録することで、パッチ対応を迅速かつ低コストで行えると共に、記録された情報の改竄を不可能とする再生専用情報としての記録が実現できる。
なお、上記ではROM領域を外周に設けたが、これに限られるものではなく、内周部に設けてもよいし、他の場所でもよいし、さらには、2箇所以上設けてもよい。
また、光情報記録媒体302は、3層構造の光情報記録媒体であったが、これに限るものではなく、2層構造であってもよく、4層以上の構造であってもよい。
また、図5に示すように、情報記録媒体302の基板50には、凹みが設けられており、上記凹みに、上記光情報記録媒体302に関する情報を認識可能に記録する認識手段500が設けられていてもよい。上記の構成によれば、上記認識手段に、光情報記録媒体302に関する情報を記録することができる。
従って、基板50に設けられた上記認識手段によって、上記光情報記録媒体302を再生装置に挿入することなく、上記情報を確認することができる。
また、上記認識手段500は、基板50に設けられた凹みに設けられている。上記の構成によれば、光情報記録媒体の表面から上記認識手段500が突出することはない。
従って、光情報記録媒体302の再生装置への挿入・取り出しに際して、上記認識手段500が、再生装置に接触して剥離することや、再生装置や認識手段が破損することを防止することができる。なお、上記認識手段としては、特に限定されるものではないが、アンテナ付きのI C チップであるR F I D タグ(Radio Frequency−Identification タグ) や、サーマルラベル等の感熱記録素子等を挙げることができる。
また、上記認識手段500としてサーマルラベルを用い、サーマルラベル上へ熱転写による記録を行い得る記録再生装置を用いれば、再生装置への挿入・取り出しの際、サーマルラベル上に、日付や時刻などの日時、媒体への記録回数または各情報記録層への記録回数など様々なデータを記録することができ、視認可能となる。
これにより、光情報記録媒体302を、再生装置に挿入することなく、光情報記録媒体302に情報の記録再生が行われた日付や時刻、また累積記録回数などを確認することができるので、光情報記録媒体302の利便性を向上することができる。
なお、上記では、認識手段500上に記録されるデータとして日時、記録回数データを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、光情報記録媒体302に記録された情報のタイトルや、ファイル形式、情報サイズ、記録可能残量等の光情報記録媒体302に関する情報であってもよい。
また、上記認識手段500は、本発明に係る実施の形態2の一例としてあげたが、これに限るものではなく、本発明に係る実施の形態であれば、全てに適応可能である。
〔実施の形態3〕
本発明の実施の形態3について、実施の形態1の説明で利用した図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態3の一例である光情報記録媒体200は、再生光入射面側から順に、透光層10と第1情報記録層20と中間層30と第2情報記録層40と基板50とが積層された構造となっている。
上記透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高ければよく、ポリカーボネートフィルムと透明粘着剤で形成されていても良いし、表面に表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。
第1情報記録層20は、超解像再生可能なROM層となっており、例えば、厚さ10nmのシリコンからなる。第1情報記録層20の材料はこれに限られるものではなく、超解像再生が可能となる膜であれば、複数の膜から形成されていても良い。
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなっている。また、第1情報記録層側面には、第1情報記録層に形状として記録される情報に応じた再生装置が有する光学系の回折限界以下の長さを含む凹凸からなるプリピットが設けられている。中間層30も、再生光の波長において透過率が高ければよく、特に材料が限られるものではない。
第2情報記録層40は、RE層となっており、例えば、7層の薄膜からなり、再生光入射側より、第1保護膜41として厚さ35nmのZnS−SiO2、第2保護膜42として厚さ5nmのZrO、記録層43として厚さ10nmのGeTeSb2Te3、第3保護膜44として厚さ5nmのZrO、第4保護膜45として厚さ35nmのZnS−SiO2、第5保護膜46として厚さ5nmのZrO、及び反射膜47として厚さ20nmのAPC(AgPdCu)が順に積層されてなる。第2情報記録層40の材料はこれらに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料はこれに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられ所定の強度があれば良い。例えば、ポリオレフィン樹脂や、金属等でも良い。
上記本発明の実施の形態3に係る光情報記録媒体では、本発明の他の形態や、従来の光情報記録媒体に比べて第1情報記録層の記録容量を増加させることができる。
また、本発明では、第1情報記録層に超解像再生膜を設けているので、他の情報記録層を透過する必要がなく、再生光入射面から遠くなる他の情報記録層に超解像再生膜を設ける場合に比較して、再生レーザパワーを低く抑えることができる。また、超解像再生する際、超解像再生膜の温度を上昇させるために、超解像再生膜に再生光を吸収させる必要があるが、第1情報記録層の反射率は低くすることでこれを実現でき、各情報記録層の反射率差が生じない構成とできる。
本発明は、DVD、BDの他、CD(Compact Disc)、HD DVD(High Definition DVD)等の光学読取式のディスクや、光磁気ディスク、相変化型ディスク等の種々の光情報記録媒体に適用することができる。
本発明の実施の形態1の一例を示す光情報記録媒体の断面構造図である。 本発明の実施の形態1の別の一例を示す光情報記録媒体の断面構造図である。 本発明の実施の形態2の一例を示す光情報記録媒体の断面構造図である。 本発明の実施の形態2の別の一例を示す光情報記録媒体の断面構造図である。 本発明の実施の形態2のさらに別の一例を示す光情報記録媒体の断面構造図である。 従来の多層光情報記録媒体の再生システムについての説明図である。 従来の4層構造光情報記録媒体の断面構造図である。 従来の多層光情報記録媒体の再生システムにおけるS字特性についての説明図である。 従来の多層光情報記録媒体の再生システムにおけるフォーカスサーチ時の対物レンズとフォーカスエラー信号についての説明図である。 従来の多層光情報記録媒体の再生システムにおけるフローチャート図である。
符号の説明
10 透光層
20,70 第1情報記録層
30 中間層
40 第2情報記録層
50 基板
60 第3情報記録層
200,201,300,301,302 光情報記録媒体

Claims (3)

  1. 基板上に、再生光によって情報を読み出すことが可能な複数の情報記録層と、上記複数の情報記録層各々を分離する中間層と、基板より最も遠い位置に設けられる透光層を有し、上記情報記録層のうち再生光入射面に最も近い第1情報記録層が、情報記録については追記録のみが可能な層であり、他の情報記録層は情報の書き換えが可能な層である光情報記録媒体であって、
    上記第1情報記録層の再生光の波長における屈折率が2.2以上2.5以下であり、かつ再生光の波長において透光性を有する誘電体からなることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 上記誘電体が窒化シリコン、又は化シリコンを主成分とする誘電体と酸窒化アルミ、又は酸窒化アルミを主成分とする誘電体からなることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 上記情報の書き換えが可能な層が、2層以上存在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光情報記録媒体。
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