JP4596066B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、デジタル化された画像を部分的に拡大または縮小処理をして表示する画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置に関するものであり、特に空間周波数の高い画像が入力された場合に、出力画像にモアレが発生することを防ぐ画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置に関する。
リアプロジェクションテレビ等の投射型ディスプレイ装置においては、投射する光源とスクリーンの位置関係、あるいは、光学系が持つ収差などに起因する画像歪が発生する。この歪を補正するため、歪と逆特性の変換を施した画像を投射する手法が従来より知られている。
その方法の一つに、電気的な信号処理によって画像を補正する手法があり、たとえばキーストーン歪を補正するために入力画像中の走査線内の画素数を所定走査線数単位で変化させることにより画像歪を補正している液晶プロジェクタ装置が提案されている。画素数を変化させるための方法としては、入力画像中の走査線内のサンプルの隣接サンプル間を補間処理することにより画素数を変換する方法が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平8−102900号公報(段落0012、0014、0027、0040、図3、12、13)
しかしながら、上記の従来の技術では、市松模様などの高周波成分を含む画像が入力された場合、原画像を変換後の画素位置で再サンプリングすることによる折り返し歪によって出力画像にモアレが発生し、極めて見栄えの悪い画像となる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キーストーン歪補正の様にデジタル化された画像を部分的に拡大または縮小した場合においても良好な表示画像が得られる画像信号を生成可能な画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置を得ることを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、入力された入力画像データを領域ごとに拡大または縮小する画像処理装置であって、前記入力画像データの高周波成分を平滑化した高周波成分平滑化画像データを生成するものであって、前記入力画像データの高周波成分を検出して前記入力画像データにおけるどの画素に高周波成分が存在するかを示す高周波成分検出情報を生成する高周波成分検出部、前記入力画像データを平滑化した平滑化画像データを生成する平滑化処理部、前記高周波成分検出情報に基づいて、前記高周波成分が存在する部分では前記平滑化画像データを選択し、前記高周波成分が存在しない部分では前記入力画像データを選択して前記高周波成分平滑化画像データを生成する画像データ選択部を有する高周波成分平滑処理部と、前記入力画像データを領域ごとに拡大または縮小した後の画像データにおける画素位置を指定する部分拡大縮小制御情報を生成する部分拡大縮小制御部と、前記高周波成分平滑化画像データにおける前記部分拡大縮小制御情報によって指定された画素位置の画素データを、該指定された画素位置の周辺の画素データを用いて生成する画素データ生成部と、を備え、前記高周波成分検出部が、前記入力画像データを3値に量子化するための閾値データを注目画素の周辺画素を用いて決定して出力する閾値演算部、前記閾値データに基づいて、前記入力画像データを3値に量子化して3値化された画像データを生成する量子化処理部、3値化された画像データとすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが大きい場合の値とすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが小さい場合の値が1画素ごとに交互にある予め設定された3値のパターンデータとに基づいてパターンマッチング判定を行って、前記高周波成分検出情報を生成するパターンマッチング判定部を有することを特徴とするものである。
この発明によれば、階調値の異なる高周波成分が存在する場合であっても正しく高周波成分として検出することができ、入力画像データの高周波成分を平滑化し、平滑化された画像を領域毎に拡大または縮小して、モアレを抑制した良好な画像を生成することができ、ノイズ成分による不要な平滑化処理を防止できるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置10の概略構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る画像表示装置10は、入力端子1、高周波成分前処理部2、部分拡大縮小制御部3、階調演算部4、および表示部5を備える。
入力端子1には、入力画像データDaが入力され、該入力画像データDaは高周波成分前処理部2に入力される。高周波成分前処理部2は、入力画像データDaの高周波成分が含まれる部分を平滑化して高周波成分平滑化画像データDbを生成し、出力する高周波成分平滑化処理手段である。部分拡大縮小制御部3は、図示しない制御部からの補正量指示信号に基づいて画像データを領域ごとに拡大、縮小した後の画素位置を指定する部分拡大縮小制御情報Saを階調演算部4に出力する。階調演算部4は、高周波成分平滑化画像データDbにおける部分拡大縮小制御情報Saによって指定された位置の画素データを、当該位置の周辺の画素を用いて生成し、部分拡大縮小画像データDcを出力する画素データ生成手段である。表示部5は、部分拡大縮小画像データDcに対応する輝度で表示動作を行う。
ここで、高周波成分前処理部2の内部構成に関して詳細に説明する。図2は、高周波成分前処理部2の内部構成を示すブロック図である。高周波成分前処理部2は、平滑化処理部11、高周波成分検出部12、画像データ選択部13を備える。高周波成分前処理部2においては、入力画像データDaは平滑化処理部11、高周波成分検出部12、画像データ選択部13のそれぞれに入力される。平滑化処理部11は、入力画像データDaを平滑化して平滑化画像データDdを生成し、出力する。
高周波成分検出部12は、所定の基準により入力画像データDaの高周波成分を検出して、入力画像データDaにおけるどの画素に高周波成分が存在するかを示す高周波成分検出情報Sbを生成し、出力する。画像データ選択部13は、高周波成分検出情報Sbに基づいて、入力画像データDaと平滑化画像データDdとを画素毎に選択し、選択した画像データを高周波成分平滑化画像データDbとして出力する。
図3は、平滑化処理部11の処理を説明するための図であり、図3(a)は、入力画像データDaの一例を示しており、図3(b)は、図3(a)の入力画像データDaを平滑化処理部11において平滑化した後の平滑化画像データDdの一例を示している。図3(a)、(b)においては、横軸が画像の水平方向位置、縦軸が階調値を示している。
平滑化処理部11は、例えば、注目画素周辺の画素データの平均値を出力画素データとする平均値フィルタなどで構成される。図4は、平滑化処理部11を、水平方向に近接した画素を用いる平均値フィルタで構成した場合の入力画像データDaと平滑化画像データDdとの各画素の階調値の一例を示しており、四角中に記した値は各画素の階調値、xは各画素の水平方向の座標である。
図4(a)は入力画像データDaを、図4(b)、図4(c)、図4(d)は、それぞれ2画素参照の平均値フィルタ、4画素参照の平均値フィルタ、8画素参照の平均値フィルタを用いた場合の平滑化画像データDdを示している。2画素参照の平均値フィルタは、水平方向に近接した2画素を用いる平均値フィルタであり、4画素参照の平均値フィルタは、水平方向に近接した4画素を用いる平均値フィルタであり、8画素参照の平均値フィルタは、水平方向に近接した8画素を用いる平均値フィルタである。
例えば、図4(b)の座標7の画素は図4(a)の座標7、8の画素の平均値、図4(c)の座標7の画素は図4(a)の座標6、7、8、9の画素の平均値、図4(d)の座標6の画素は図4(a)の座標4、5、6、7、8、9、10、11の画素の平均値である。なお、図4では2画素参照の平均値フィルタ、4画素参照の平均値フィルタ、8画素参照の平均値フィルタを用いた例を示したが、平滑化処理として用いられる手段はこの限りではなく、ガウシアンフィルタなど他の平滑化手段を用いることも可能である。
次に、高周波成分検出部12について詳細に説明する。図5は、高周波成分検出部12の内部構成を示す図である。高周波成分検出部12は、閾値演算部21、量子化処理部22、パターンマッチング判定部23を備える。閾値演算部21は、予め設定された固定値、あるいは入力画像データDaに基づいて入力画像データDaを量子化するための閾値データTaを出力する。量子化処理部22は、閾値演算部21から出力される閾値データTaに基づいて入力画像データDaを量子化し、量子化画像データDeを出力する。
パターンマッチング判定部23は、量子化画像データDeと、入力画像データにおけるどの画素に高周波成分が存在するかを検出するために予め設定された複数値のパターンデータ(ここでは、2値パターンデータ)に基づいてパターンマッチング判定を行い、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbを出力する。
図6は、閾値演算部21と量子化処理部22の処理の一例を示す図である。図6(a)のグラフは、横軸が画像の水平方向位置(画素位置)、縦軸が階調値を表しており、入力画像データDaと閾値データTaとの関係を示している。図6(b)は、入力画像データDaと閾値データTaとが図6(a)に示すような関係の場合の、量子化画像データDeを示している。
図6の例では、閾値演算部21は、予め設定された1つの固定値(階調値)からなる閾値データTaを量子化処理部22に出力する。量子化処理部22は、当該閾値データTaよりも入力画像データDaの階調値の方が小さい画素を0に、閾値データTaよりも入力画像データDaの階調値の方が大きい画素を1になるように、入力画像データDaを2値に量子化する。なお、図6の例では、閾値演算部21が、予め設定された1つの固定値(階調値)からなる閾値データTaを出力し、量子化処理部22が当該閾値データTaに基づいて2値の量子化を行う例を示したが、量子化処理部22、および閾値演算部21の動作はこの限りではなく、後に別の例を説明する。
パターンマッチング判定部23は、量子化画像データDeと、予め設定された2値パターンデータに基づいてパターンマッチングを行う。図7は、パターンマッチングに用いられる2値パターンデータの一例を示している。図7の例では、高周波成分を検出するために、1と0が1画素ごとに交互に並んだ2値パターンデータを用いている。図7(a)、(a)´は2画素参照、図7(b)、(b)´は4画素参照、図7(c)、(c)´は8画素参照によるパターンマッチングを行う場合に用いられる2値パターンデータを示している。
例えば2画素参照のパターンマッチングを行う場合であれば、図7(a)、(a)´のどちらか一方と量子化画像データDeが一致するかどうかの判定を行う。4画素参照、8画素参照についても同様の方法で判定を行い、判定結果をパターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbとして出力する。このように、2値化された画像データと2値パターンデータとを比較することで、入力画像に含まれる高周波成分を検出することができる。
なお、図7に示したパターンマッチングに用いる2値パターンデータはほんの一例であり、高周波成分を検出するための2値パターンデータであれば、どのような2値パターンデータを用いても良く、例えば、図7の例よりも周波数が低い領域の成分を検出する場合は、0と1が2画素ごとに交互に並んだ2値パターンデータを用いるなどしても良い。また、0と1が1画素ごとに交互に並んだ2値パターンデータと、0と1が2画素ごとに交互に並んだ2値パターンデータのいずれかに一致するかどうかの判定を行うなど、複数の異なるパターンを用いて判定を行っても良い。また、参照画素数は、平滑化処理部11で平滑化に用いた参照画素数と同じ画素数でも良いし、異なる画素数でも良い。また、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbは2値データでも良いし、多値データでも良い。
画像データ選択部13は、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbに応じて、入力画像データDaと平滑化画像データDdとを、画素ごとに選択して出力する。パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbが入力画像データDaの注目画素周辺に高周波成分を含むことを示す場合、画像データ選択部13は、平滑化画像データDdを選択して出力する。逆に、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbが入力画像データDaの注目画素周辺に高周波成分を含まないことを示す場合、画像データ選択部13は入力画像データDaを選択して出力する。
このように、高周波成分を含む画素において平滑化画像データDdを出力することによって、入力画像データDa中に含まれる高周波成分を除去した高周波成分平滑化画像データDbを得ることができる。
また、画像データ選択部13は、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbに応じて、入力画像データDaと平滑化画像データDdのどちらか一方を選択して出力するだけでなく、入力画像データDaと平滑化画像データDdとの加重平均を求めて出力しても良い。この場合、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbに応じて加重平均の重み付けを制御して高周波成分平滑化画像データDbを求める。
画像データ選択部13は、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbが入力画像データDaの注目画素周辺に高周波成分を含むことを示す場合は、平滑化画像データDdにかかる重み係数を大きくし、入力画像データDaにかかる重み係数を小さくする。逆に、入力画像データDaの注目画素周辺に高周波成分を含まないことを示す場合は、入力画像データDaにかかる重み係数を大きくし、平滑化画像データDdにかかる重み係数を小さくするように制御する。
図8は、高周波成分平滑化画像データDbを求める際に加重平均を用いた場合の入力画像データDa、平滑化画像データDd、高周波成分平滑化画像データDbの関係を示すグラフである。図8(a)は、入力画像データDaと平滑化画像データDdを、図8(b)は、高周波成分平滑化画像データDbを示している。なお、図8(a)、(b)のグラフにおいては、ともに横軸が画像の水平方向位置、縦軸が階調値を表している。
例えば図8(a)に示す入力画像データDaについて、パターンマッチング判定部23が、区間Zaには高周波成分が含まれており、区間Zbには高周波成分が含まれていないと判定した場合、画像データ選択部13は、区間Zaでは平滑化画像データDdにかかる重み係数を大きくし、区間Zbでは入力画像データDaにかかる重み係数を大きくするように制御して加重平均計算を行う。図8(b)は、区間Zaでの入力画像データDaと平滑化画像データDdの重み係数をそれぞれ、Da:0.25、Dd:0.75、区間Zbでの入力画像データDaと平滑化画像データDdの重み係数をそれぞれ、Da:1.0、Dd:0とした場合の高周波成分平滑化画像データDbを表している。このように荷重平均を出力することにより、高周波成分を平滑化することによる画像のなまり(偏り)を抑制することができる。
なお、図8に示す例では、画像データ選択部13が、パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbに基づいて、重み係数を2通りから選択して加重平均の計算を行う例を示したが、加重平均の計算方法はこの限りではない。
つぎに、パターンマッチング判定部23と画像データ選択部13とにおける、色ごとの処理について説明する。図9は、パターンマッチング判定部23aと画像データ選択部13aとにおける、色ごとの処理を説明する図である。パターンマッチング判定部23aは、赤色(R)成分パターンマッチング判定部23r、緑色(G)成分パターンマッチング判定部23gおよび青色(B)成分パターンマッチング判定部23bを備える。また、画像データ選択部13aは、赤色(R)成分画像データ選択部13r、緑色(G)成分画像データ選択部13gおよび青色(B)成分画像データ選択部13bを備える。
パターンマッチング判定部23aの赤色成分パターンマッチング判定部23r、緑色成分パターンマッチング判定部23gおよび青色成分パターンマッチング判定部23bは、それぞれ赤、緑、青の各色成分ごとにパターンマッチング判定を行う。
そして、赤色成分パターンマッチング判定部23r、緑色成分パターンマッチング判定部23gおよび青色成分パターンマッチング判定部23bは、それぞれの色成分の判定結果を、赤色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbr、緑色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbg、青色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbbとして生成し、画像データ選択部13aの対応する色の選択部に出力する。
画像データ選択部13aの赤色成分画像データ選択部13r、緑色成分画像データ選択部13gおよび青色成分画像データ選択部13bは、対応する色成分のパターンマッチング判定情報に基づいて、それぞれの色成分に関して画像データ選択を行う。これにより、色ごとに入力画像データDa中に含まれる高周波成分を除去した高周波成分平滑化画像データDbを得ることができるとともに、高周波成分平滑化画像データの色の偏りを抑えることができる。
図10は、パターンマッチング判定部23aと画像データ選択部13aとにおける、色ごとの別の処理の一例を示す図である。図10の例では、赤色成分画像データ選択部13r、緑色成分画像データ選択部13gおよび青色成分画像データ選択部13bの全てが、緑色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbgのみに基づいて画像データの選択を行う。図10の例では、緑色成分パターンマッチング判定情報に基づいて、全ての色成分の画像データ選択が行われているが、これに限らず、画像データ選択部13aは、赤色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbrや青色成分パターンマッチング判定情報(高周波成分検出情報)Sbbに基づいて、全ての色成分の画像データ選択を行ってもよい。
このように、特定の色成分のパターンマッチング判定情報に基づいて全ての色成分の画像データ選択を行うことで、入力画像に特定の色成分の高周波成分が含まれる場合に、特定の色成分のみ平滑化されることによる色づきを抑制することができる。
部分拡大縮小制御部3は、画像データを任意の形状に補正するために、画像データを領域ごとに拡大または縮小するための部分拡大縮小制御情報Saを生成、出力する。部分拡大縮小制御情報Saは、画像データを領域ごとに拡大、縮小した後の画素位置を指定するデータによって構成される。
階調演算部4は、部分拡大縮小制御情報Saが示す画素位置における階調値を求める。部分拡大縮小制御情報Saが示す画素位置が、高周波成分平滑化画像データDbの画素が無い位置である場合、階調演算部4は、高周波成分平滑化画像データDbの当該画素位置周辺の画素を用いて、当該画素位置における階調値を求める。
上記のように、部分拡大縮小制御部3が、画像データを領域ごとに拡大または縮小した後の画素位置を指定するデータを出力し、階調演算部4が、当該画素位置における階調値を新たに求めることによって、入力画像を部分的に拡大または縮小し、入力画像を任意の形状に補正する。ここで、階調演算部4に入力される高周波成分平滑化画像データDbは、高周波成分前処理部2において入力画像データDaに含まれる高周波成分が除去された画像であるので、階調演算部4において高周波成分を含む入力画像を変換後の画素位置で再サンプリングすることによる折り返し歪に起因するモアレの発生を抑制することができる。
つぎに、量子化処理部22と閾値演算部21の別の処理例について説明する。図6では、閾値演算部21が、予め設定された1つの固定値からなる閾値データTaを出力し、量子化処理部22が、該閾値データTaに基づいて入力画像データDaを2値に量子化する例を示したが、閾値演算部21は、入力画像データDaにおける注目画素周辺の画素の階調値を平均した値を閾値データTbとして出力しても良い。
図11は、この場合の処理の一例を示す図であり、図11(a)のグラフは、横軸が画像の水平方向位置(画素位置)、縦軸が階調値を表しており、入力画像データDaと閾値データTbの値を示している。閾値データTbは、入力画像データDaにおける注目画素周辺の4画素の階調値を平均した値である。また、図11(b)は、入力画像データDaと閾値データTbが図11(a)に示す場合の量子化画像データDeを示している。図11の例では、量子化処理部22は、閾値データTbに基づいて入力画像データDaを2値化し、量子化画像データDeを出力する。
このように、閾値演算部21が、入力画像データDaにおける注目画素周辺の画素の階調値を平均した値を閾値データTbとして出力することで、階調値の異なる高周波成分が存在する場合であっても、正しく高周波成分として検出することができる。
比較のため、図11(a)に示すような入力画像データDaに対して、閾値演算部21が、図6で説明したような予め設定された1つの固定値からなる閾値データTaを生成し、量子化処理部22が、当該閾値データTaに基づいて入力画像データDaを2値に量子化した場合の処理を図12に示す。図12(a)のグラフは、横軸が画像の水平方向位置(画素位置)、縦軸が階調値を表しており、入力画像データDaと閾値データTaの値を示している。また、図12(b)は、入力画像データDaと閾値データTaが図12(a)に示す場合の量子化画像データDeを示している。
この場合、量子化処理部22が出力する量子化画像データDeは図12(b)のようになり、階調値の異なる高周波成分が存在する場合に正しく高周波成分として検出することができず、高周波成分を検出することができない部分が存在する。
量子化処理部22と閾値演算部21のさらに別の処理例について説明する。図11の例では、閾値演算部21が入力画像データDaにおける注目画素周辺の画素の階調値を平均した値を閾値データTbとして出力する例を示したが、閾値演算部21が、さらに別の閾値データTcを出力し、量子化処理部22は、2つの閾値データTb、Tcに基づいて、入力画像データDaを3値に量子化しても良い。
図13は、この場合の処理の一例を示す図であり、図13(a)のグラフは、横軸が画像の水平方向位置(画素位置)、縦軸が階調値を表しており、入力画像データDaと閾値データTb、Tcの関係を示している。また、図13(b)は、入力画像データDaと2つの閾値データTb、Tcが図13(a)に示す場合の量子化画像データDeを示している。図13の例では、量子化処理部22は、2つの閾値データTb、Tcに基づいて、入力画像データDaが、Da>Tb+Tcの場合は1に、Da<Tb−Tcの場合は0に、Tb+Tc≧Da≧Tb−Tcの場合は2になるように3値に量子化する。
パターンマッチング判定部23は、量子化画像データDeの0と1が1画素ごとに反転するようなパターンを高周波成分として検出するので、2に量子化された部分は高周波成分として検出されない。
図13(a)に示した入力画像データDaのように、例えば、本来階調が平坦な部分にノイズが加わることによって入力画像データDaが微少な高周波成分を持つ場合、閾値データTbのみを用いて2値の量子化を行うと、ノイズ成分を画像本来の高周波成分と誤認識し、不必要な平滑化処理を行ってしまう。一方、図13(a)に示したように、量子化処理部22が、2つの閾値データTb、Tcを用いて3値に量子化することにより、不必要な平滑化処理が行われることを防ぐことができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、高周波成分前処理部2が注目画素の水平方向に近接する画素を用いて前処理を行う場合について説明したが、画像データ選択部13から出力される高周波成分平滑化画像データDbを用いて、水平方向に近接する画素に加え、垂直方向に近接する画素を用いて高周波成分前処理を行っても良い。この場合における垂直方向に近接する画素を用いた前処理は、参照する画素が異なるだけで、その他の処理は上述した画像データ選択部13と同様なので、詳細な説明は省略する。このように、水平方向に近接する画素を参照して前処理を行った後に、垂直方向に近接する画素を参照して前処理を行うことで、水平方向の前処理だけでは検出できない、例えば、水平方向のストライプ状の模様などを検出することができる。
実施の形態2では、このような高周波成分前処理を行う画像データ遅延用メモリを設けた場合について説明する。なお、実施の形態2に係る画像表示装置の高周波成分前処理部以外の構成は、基本的に実施の形態1の場合と同様であるので、実施の形態1の場合と同様の構成については同じ符号を付した。以下、高周波成分前処理部を中心に説明する。
実施の形態2に係る画像表示装置は、実施の形態1における高周波成分前処理部2の代わりに、高周波成分前処理部2aを備える。図14は、実施の形態2に係る画像表示装置が有する高周波成分前処理部2aの内部構成を示すブロック図である。高周波成分前処理部2aは、図14に示すように画像データ遅延用メモリ31と、平滑化処理部11a、高周波成分検出部12、画像データ選択部13を備える。
画像データ遅延用メモリ31は、入力画像データDaの1ライン分の画像データ、あるいは遅延用に複数ライン分の画像データを保持するメモリによって構成され、複数ラインの画像データを複数ライン画像データDfとして出力する。
平滑化処理部11aは、垂直方向および水平方向に近接した画素を参照して平滑化処理を行う。なお、水平方向に近接する画素だけでなく、垂直方向に近接する画素も参照して平滑化処理を行うこと以外は実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。また、高周波成分検出部12および画像データ選択部13の機能についても、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
次に、本実施の形態に係る高周波成分検出部12について説明する。高周波成分検出部12の内部ブロック構成は、図5に示した実施の形態1と同様である。閾値演算部21は、実施の形態1と同様の処理であるので説明を省略する。量子化処理部22は、垂直方向、水平方向に近接した画素を参照して量子化処理を行う。水平方向に近接する画素だけでなく、垂直方向に近接する画素も参照すること以外は実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。
また、本実施の形態では、高周波成分検出部12のパターンマッチング判定部23は、垂直方向および水平方向に近接した画素を参照してパターンマッチング判定を行う。図15に、垂直方向および水平方向において近接する4画素を参照してパターンマッチング判定を行う場合の、2値パターンの一例を示す。図15の例では、周波数の高い市松模様を検出するために、垂直方向、水平方向ともに1と0が1画素ごとに交互に並んだ2値パターンを用いており、パターンマッチング判定部23は、図15(a)、(a)´のどちらか一方と量子化画像データDeが一致するかどうかの判定を行う。なお、図15では、垂直方向および水平方向において近接する4画素を参照する場合の2値パターンを示したが、参照する画素数はこの限りではない。
図16は、パターンマッチング判定部23で用いられる2値パターンの別の例を示している。垂直方向は1と0が1画素ごとに交互に並び、水平方向には全て1、あるいは0が並んでいる。このような2値パターンを用いることで、水平方向のストライプ状の模様を検出することができる。また、図17には、垂直方向のストライプ状の模様を検出するための2値パターンを示す。水平方向は1と0が1画素ごとに交互に並び、垂直方向は全て1、あるいは0が並んでいる。このような2値パターンを用いることで、垂直方向のストライプ状の模様を検出することができる。
また、図15に示した周波数の高い市松模様を検出するための2値パターンと、図16に示した水平方向のストライプ状の模様を検出するための2値パターンと、図17に示した垂直方向のストライプ状の模様を検出するための2値パターンのいずれかに一致するかどうかの判定を行うなど、複数の異なるパターンを用いて判定を行っても良い。
このように、垂直方向および水平方向において近接する画素を参照してパターンマッチングを行うことで、入力画像が文字などの細かく変化する絵柄を含む場合であっても、文字などを除去すべき高周波成分と誤検出せずに、市松模様などのモアレの原因となる高周波成分のみを検出することができる。
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、デジタル化された画像を部分的に拡大または縮小する場合に有用である。
本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置の高周波成分前処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における平滑化処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における平滑化処理の具体的な一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における高周波成分検出部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における量子化処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置においてパターンマッチング判定に用いる2値パターンの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における画像データ選択部の処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置におけるパターンマッチング判定部と画像データ選択部との色ごとの処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置におけるパターンマッチング判定部と画像データ選択部との色ごとの別の処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における量子化処理を説明するための図である。 従来の量子化処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係る画像表示装置における3値の量子化処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る画像表示装置における高周波成分前処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る画像表示装置におけるパターンマッチング判定に用いる2値パターンの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る画像表示装置におけるパターンマッチング判定に用いる2値パターンの別の例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る画像表示装置におけるパターンマッチング判定に用いる2値パターンの別の例を示す図である。
符号の説明
1 入力端子
2 高周波成分前処理部
2a 高周波成分前処理部
3 部分拡大縮小制御部
4 階調演算部
5 表示部
10 画像表示装置
11 平滑化処理部
11a 平滑化処理部
12 高周波成分検出部
13 画像データ選択部
13a 画像データ選択部
13r 赤色(R)成分画像データ選択部
13g 緑色(G)成分画像データ選択部
13b 青色(B)成分画像データ選択部
21 閾値演算部
22 量子化処理部
23 パターンマッチング判定部
23a パターンマッチング判定部
23r 赤色(R)成分パターンマッチング判定部
23g 緑色(G)成分パターンマッチング判定部
23b 青色(B)成分パターンマッチング判定部
31 画像データ遅延用メモリ
Da 入力画像データ
Db 高周波成分平滑化画像データ
Dc 部分拡大縮小画像データ
Dd 平滑化画像データ
De 量子化画像データ
Df 複数ライン画像データ
Sa 部分拡大縮小制御情報
Sb 高周波成分検出情報
Sbb 青色成分パターンマッチング判定情報
Sbg 緑色成分パターンマッチング判定情報
Sbr 赤色成分パターンマッチング判定情報
Ta 閾値データ
Tb 閾値データ
Tc 閾値データ

Claims (5)

  1. 入力された入力画像データを領域ごとに拡大または縮小する画像処理装置であって、
    前記入力画像データの高周波成分を平滑化した高周波成分平滑化画像データを生成するものであって、前記入力画像データの高周波成分を検出して前記入力画像データにおけるどの画素に高周波成分が存在するかを示す高周波成分検出情報を生成する高周波成分検出部、前記入力画像データを平滑化した平滑化画像データを生成する平滑化処理部、前記高周波成分検出情報に基づいて、前記高周波成分が存在する部分では前記平滑化画像データを選択し、前記高周波成分が存在しない部分では前記入力画像データを選択して前記高周波成分平滑化画像データを生成する画像データ選択部を有する高周波成分平滑処理部と、
    前記入力画像データを領域ごとに拡大または縮小した後の画像データにおける画素位置を指定する部分拡大縮小制御情報を生成する部分拡大縮小制御部と、
    前記高周波成分平滑化画像データにおける前記部分拡大縮小制御情報によって指定された画素位置の画素データを、該指定された画素位置の周辺の画素データを用いて生成する画素データ生成部と、
    を備え、
    前記高周波成分検出部が、前記入力画像データを3値に量子化するための閾値データを注目画素の周辺画素を用いて決定して出力する閾値演算部、前記閾値データに基づいて、前記入力画像データを3値に量子化して3値化された画像データを生成する量子化処理部、3値化された画像データとすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが大きい場合の値とすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが小さい場合の値が1画素ごとに交互にある予め設定された3値のパターンデータとに基づいてパターンマッチング判定を行って、前記高周波成分検出情報を生成するパターンマッチング判定部を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記平滑化処理部が、前記入力画像データにおける注目画素の水平方向での周辺画素を用いて前記入力画像データを平滑化した平滑化画像データを生成し、
    前記閾値演算部が、前記水平方向での周辺画素を用いて前記閾値データを決定し、
    前記パターンマッチング判定部が、3値化された画像データにおける注目画素の水平方向での周辺画素と前記3値のパターンデータを用いてパターンマッチング判定を行って、前記高周波成分検出情報を生成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記高周波成分平滑処理部が、前記入力画像データの1ライン分の画像データまたは複数ライン分の画像データを保持する画像データメモリをさらに備え、
    前記平滑化処理部が、前記入力画像データにおける注目画素の水平方向と垂直方向のそれぞれの方向における周辺画素を用いて前記入力画像データを平滑化した平滑化画像データを生成し、
    前記閾値演算部が、前記水平方向と垂直方向のそれぞれの方向における周辺画素を用いて前記閾値データを決定し、
    前記パターンマッチング判定部が、3値化された画像データにおける注目画素の水平方向と垂直方向のそれぞれの方向における周辺画素と前記3値のパターンデータを用いてパターンマッチング判定を行って、前記高周波成分検出情報を生成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  5. 入力画像データの高周波成分を平滑化した高周波成分平滑化画像データを生成する工程であって、前記入力画像データの高周波成分を検出して前記入力画像データにおけるどの画素に高周波成分が存在するかを示す高周波成分検出情報を生成する高周波成分検出工程、前記入力画像データを平滑化した平滑化画像データを生成する平滑化処理工程、前記高周波成分検出情報に基づいて、前記高周波成分が存在する部分では前記平滑化画像データを選択し、前記高周波成分が存在しない部分では前記入力画像データを選択して前記高周波成分平滑化画像データを生成する画像データ選択工程を有する高周波成分平滑処理工程
    と、
    前記入力画像データを領域ごとに拡大または縮小した後の画像データにおける画素位置を指定する部分拡大縮小制御情報を生成する部分拡大縮小制御工程と、
    前記高周波成分平滑化画像データにおける前記部分拡大縮小制御情報によって指定された画素位置の画素データを、該指定された画素位置の周辺の画素データを用いて生成する画素データ生成工程と、
    を含み、
    前記高周波成分検出工程が、前記入力画像データを3値に量子化するための閾値データを注目画素の周辺画素を用いて決定して出力する閾値演算工程、前記閾値データに基づいて、前記入力画像データを3値に量子化して3値化された画像データを生成する量子化処理工程、3値化された画像データとすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが大きい場合の値とすべての前記閾値データよりも前記入力画像データが小さい場合の値が1画素ごとに交互にある予め設定された3値のパターンデータとに基づいてパターンマッチング判定を行って、前記高周波成分検出情報を生成するパターンマッチング判定工程を有することを特徴とする画像処理方法。
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