JP2003179737A - 画像処理装置、画像形成装置、および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、および画像処理方法

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JP2003179737A
JP2003179737A JP2001377124A JP2001377124A JP2003179737A JP 2003179737 A JP2003179737 A JP 2003179737A JP 2001377124 A JP2001377124 A JP 2001377124A JP 2001377124 A JP2001377124 A JP 2001377124A JP 2003179737 A JP2003179737 A JP 2003179737A
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Makoto Otsu
誠 大津
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像入力装置3で入力した写真に添付された
日付等の上書き文字を消去し、ユーザーの所望の画像を
出力、あるいは形成する。 【解決手段】 画像処理装置2は、写真データから、前
記上書き文字に関する文字データを抽出する抽出手段
(領域分離処理部8)と、上書き文字の周辺に位置する
周辺写真データに基づいて上書き文字の下地画像を推測
し、前記文字データを前記下地画像に関する下地画像デ
ータに置き換える置換手段(文字消去部9)を備えてい
る。これにより、画像処理装置2によって、写真データ
に存在する上書き文字を消去し、元の写真画像を復元で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真を読み込むこ
とで作成された写真データに画像処理を施す画像処理装
置、画像形成装置、および画像処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】フィルムスキャナ、スキャナ、デジタル
カメラ等のデジタルカラー画像入力装置では、カラー情
報の出力信号としてデジタル信号を生成するものであ
る。具体的には、一般に3色分解系の固体撮像素子(C
CD)によって得られる3刺激値色情報(R,G,B)
のアナログ画像をデジタル画像に変換し、出力信号とし
ている。
【0003】この画像入力装置によって出力されたデジ
タル画像からユーザーの要求する画像を生成し、生成し
た画像を出力するといった場合がある。例えば、銀塩写
真方式のカメラは、フィルムに被写体を露光する時に、
撮影した日付等を付加情報(上書き文字)として焼き付
ける機能を有しているが、銀塩写真に画像処理を施し
て、その上書き文字を消去したい、という要求がある。
【0004】しかし、一旦原稿内に埋め込まれた上書き
文字を前記画像入力装置で入力した場合は、画像として
扱うことしかできない。つまり、画像の中に存在する文
字は、一般にコンピュータ等で文字データとして扱われ
るキャラクター文字ではなく、画像の一部に過ぎない。
【0005】一方、入力されたデジタル情報を用いてキ
ャラクター文字を得る方法としてOCRが存在する。し
かし、OCRでは白紙の背景上に存在する文字の検出を
想定している。従って、写真に存在する不要な上書き文
字を消去するという要求に対して、単純に利用すること
はできない。したがって、いったんフィルムに直接焼き
付けた上書き文字は、その物理的な制約から、消去する
ことが容易ではない。
【0006】しかし、今日では、いったん銀塩写真方式
で撮影した画像をデジタルデータとして保存し、管理す
るという場合が多く、銀塩写真方式の上書き文字を消去
するという要求は増えている。
【0007】こういった要求に対して、特開平5−68
161号公報では、ユーザーがペン入力のような補助入
力装置で、画像から必要部分だけを取り出して、任意の
位置に配置できるデジタル複写機(画像形成装置)が開
示されている。このデジタル複写機によれば、ユーザー
が前記補助入力装置で原稿画像の一部を取り出して、上
書き文字の部分に配置することにより上書き文字を消去
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、原稿画像ごとにユーザーが原稿画像の一
部および上書き文字の部分を指定しなければならない。
よって、数枚の画像の消去処理を行う場合は時間や手間
もそれほどかからないが、扱う画像の数が増えてきた場
合、指定する時間が長くなり、手間もかかるため、上書
き文字を消去するための操作が煩雑になるという問題が
生ずる。
【0009】また、特にデジタルデータにおいては、画
像のプロパティ内に日付等の付加情報が含まれている場
合が多い。したがって、銀塩写真と異なり、画像内に日
付等の付加情報を埋め込む必要性はなく、むしろ、この
ような付加情報は画像から消去したい、という要求があ
る。
【0010】こういった要求が生じた場合、上記従来技
術では、一且画像内に埋め込まれた付加情報を削除する
ために、前記補助入力装置を用いてユーザーが手動で補
正を行う必要がある。したがって、この補正を行うため
の操作が煩雑となり、多くの画像を補正することは容易
でない。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであって、その目的は、画像入力装置から
出力された写真画像に存在する上書き文字を消去し、ユ
ーザーの所望の画像を出力、あるいは形成できる画像処
理装置および画像形成装置、並びに画像処理方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像処理装
置(本画像処理装置)は、上記の課題を解決するため
に、写真を読み込むことで作成された写真データに画像
処理を施す画像処理装置において、写真データから、写
真に添付された上書き文字に関する文字データを抽出す
る抽出手段と、上書き文字の周辺に位置する周辺写真デ
ータに基づいて上書き文字の下地画像を推測し、前記文
字データを前記下地画像に関する下地画像データに置き
換える置換手段を備えることを特徴とする。
【0013】本画像処理装置は、スキャナ等の画像読取
装置(画像入力装置)から写真を読み込むことで作成さ
れた写真データ(原稿画像データ)に対し、所定の画像
処理を施す画像処理装置である。
【0014】ここで、写真データとは、画像読取装置に
おいて読み込まれる原稿中にある写真に関する画像デー
タであり、例えば、画像読取装置において読み込まれる
銀塩写真に関する画像データである。なお、原稿の全て
が写真である必要はなく、原稿の一部が写真であればよ
い。また、画像データとは、画像読取装置で読み取った
原稿に関するデータであり、例えば、画像読取装置から
出力されるアナログデータまたはデジタルデータであ
る。
【0015】本画像処理装置は、その写真データに添付
された上書き文字に関する文字データを抽出する抽出手
段を備えている。ここで、文字データとは、写真に付加
情報として添付された上書き文字に関する画像データで
ある。上書き文字とは、例えば銀塩写真中に付加される
日付である。
【0016】そして、本画像処理装置は、上書き文字の
周辺に位置する写真データ(周辺写真データ)に基づい
て上書き文字の下地画像を推測し、前記文字データを前
記下地画像に関する下地画像データに置き換える置換手
段を備えている。ここで、下地画像とは、上書き文字に
よって隠されてしまった部分の画像である。
【0017】すなわち、本画像処理装置によれば、入力
された写真データに添付された上書き文字を抽出し、そ
の上書き文字を消去し、上書き文字の周辺の写真データ
に基づいて、元の下地画像を復元できる。これにより、
消去したい上書き文字の指定や、上書き文字の部分に配
置する原稿画像の一部の指定を行う必要がないため、元
の写真画像を復元するための操作の煩雑さを解消でき
る。すなわち、ユーザーがいちいち補正を行う必要がな
く、元の写真画像を復元するための操作の煩雑さを解消
できる。
【0018】例えば、日付等の付加情報(上書き文字)
が付随した銀塩写真の写真データを入力した際に、日付
等の付加情報が必要ではないという場合に本画像処理装
置は有効である。すなわち、本画像処理装置は、写真デ
ータに存在する不要な文字を消去し、元の写真画像を復
元できる。よって、ユーザーがいちいち補正を行う必要
がなく、元の写真画像を復元するための操作の煩雑さを
解消できる。
【0019】また、前記置換手段は、上書き文字を構成
する各画素のそれぞれを中心とする所定範囲内にある周
辺写真データの画素から前記下地画像の各画素を推測
し、上書き文字を構成する各画素を、推測された下地画
像の各画素に置き換えることが好ましい。
【0020】この場合、置換手段は、上書き文字に含ま
れる各画素をそれぞれ中心画素とし、その中心画素の一
定範囲に含まれる写真データの画素の値に基づいて、前
記下地画像を推測し、上書き文字に含まれる各画素の値
を、下地画像として推測した画素の値に置き換える。こ
れにより、下地画像を精度よく推測でき、より正確に元
の下地画像を復元できる。なお、その範囲は本画像処理
装置ごとに便宜設定される。
【0021】また、前記置換手段では、上書き文字の周
辺に位置する周辺写真データに基づいて上書き文字の下
地画像を推測し、この下地画像に関する下地画像データ
に前記文字データを置き換えるために、モフォロジフィ
ルタが用いられていることが好ましい。
【0022】ここで、モフォロジフィルタによる処理と
は、以下の(I)(II)の画像処理のことである。な
お、文字データの画素値が周辺写真データの画素値より
小さい場合には(I)の処理(クロージング処理)を、ま
た、文字データの画素値が周辺写真データの画素値より
大きい場合には(II)の処理(オープニング処理)を行
う。
【0023】(I)まず、文字データを構成する1つの
画素に対して、その画素を中心とする、所定広さの領域
(第1領域)を設定する。そして、この第1領域に、さら
に小さな領域である分割領域を複数設定する。この設定
は、できるだけ多くの画素を分割領域の中心画素とする
ように行われる。従って、各分割領域は、その中心画素
を隣接させるように、互いに重複するように設定され
る。
【0024】その後、各分割領域における最大の画素値
(最大画素値)を、全第1領域に渡って検出してゆく
(下地画像の検出(推測))。そして、各分割領域にお
ける中心画素の値を、検出した最大画素値(その中心画
素の属する分割領域の最大画素値)に置き換える。
【0025】これにより、第1領域の中で比較的小さい
画素値を有する文字データを、最大画素値を有する周辺
写真データの画素(すなわち、下地画像データ)によっ
て置き換えることとなる。なお、ここまでの処理を、文
字データを構成する全画素に対して行う。
【0026】次に、第1領域の画素のうち、上記の中心
画素となることのできた画素の集合からなる領域(第2
領域)を設定する。そして、第1領域に対して行った場
合と同様に、第2領域に対しても分割領域を設定する。
【0027】その後、各分割領域における最小の画素値
(最小画素値)を、全第2領域に渡って検出してゆく。
そして、各分割領域における中心画素の値を、検出した
最小画素値(その中心画素の属する分割領域の最小画素
値)に置き換える。
【0028】これにより、文字データと置き換えられた
下地画像データを、より正確となるように補正すること
が可能となる。
【0029】すなわち、上記のような第1領域を用いた
文字データの置き換えを行うだけでは、下地画像が文字
の写真データ(文字を撮影して得られる写真データ;写
真内文字)の一部であった場合、その写真内文字を歪め
てしまう(例えば細くしてしまう)。そこで、上記のよ
うな第2領域を用いた処理を行うことで、写真内文字に
おける下地画像でない部分(文字データに隠されていな
い部分)の画素を利用して、下地画像部分を補正するこ
とが可能となる。
【0030】(II)まず、文字データを構成する1つの
画素に対して、その画素を中心とする、所定広さの領域
(第1領域)を設定する。そして、この第1領域に、さら
に小さな領域である分割領域を複数設定する。この設定
は、できるだけ多くの画素を分割領域の中心画素とする
ように行われる。従って、各分割領域は、その中心画素
を隣接させるように、互いに重複するように設定され
る。
【0031】その後、各分割領域における最小の画素値
(最小画素値)を、全第1領域に渡って検出してゆく
(下地画像の検出(推測))。そして、各分割領域にお
ける中心画素の値を、検出した最小画素値(その中心画
素の属する分割領域の最小画素値)に置き換える。
【0032】これにより、第1領域の中で比較的大きい
画素値を有する文字データを、最小画素値を有する周辺
写真データの画素(すなわち、下地画像データ)によっ
て置き換えることとなる。なお、ここまでの処理を、文
字データを構成する全画素に対して行う。
【0033】次に、第1領域の画素のうち、上記の中心
画素となることのできた画素の集合からなる領域(第2
領域)を設定する。そして、第1領域に対して行った場
合と同様に、第2領域に対しても分割領域を設定する。
【0034】その後、各分割領域における最大の画素値
(最大画素値)を、全第2領域に渡って検出してゆく。
そして、各分割領域における中心画素の値を、検出した
最大画素値(その中心画素の属する分割領域の最大画素
値)に置き換える。
【0035】これにより、文字データと置き換えられた
下地画像データを、より正確となるように補正すること
が可能となる。
【0036】すなわち、上記のような第1領域を用いた
文字データの置き換えを行うだけでは、下地画像が文字
の写真データ(文字を撮影して得られる写真データ;写
真内文字)の一部であった場合、その写真内文字を歪め
てしまう(例えば細くしてしまう)。そこで、上記のよ
うな第2領域を用いた処理を行うことで、写真内文字に
おける下地画像でない部分(文字データに隠されていな
い部分)の画素を利用して、下地画像部分を補正するこ
とが可能となる。
【0037】これにより、上書き文字の周辺の写真デー
タに基づいて前記下地画像を精度よく推測でき、より正
確に元の下地画像を復元できる。
【0038】また、モフォロジフィルタを用いると、文
字が太く消去が完全に出来ないような画像では、一度最
大値(最小値)で置き換えた画像に対し、再度最小値
(最大値)で置き換えるため、文字が細くなるといった
問題が生じにくくなる。
【0039】すなわち、モフォロジフィルタを用いない
場合、太い文字で完全に消去できないときに、領域(マ
スク)内最大値(最小値)で注目画素を普通に置き換え
ると文字周辺が細くなり明らかに不自然な画像が形成さ
れてしまう。
【0040】これに対して、モフォロジフィルタを用い
ると、消去できないようなサイズの文字に対しては悪影
響を与えることなくマスクサイズに応じた文字のみを消
去することが可能になる。
【0041】また、本画像処理装置は、前記抽出手段に
よって抽出された文字データをキャラクター文字として
変換する変換手段と、変換されたキャラクター文字を前
記写真データの画像内タグに付加する付加手段とを備え
ることが好ましい。
【0042】この場合、前記文字データは、一般にコン
ピュータ等で文字として扱われるキャラクター文字に変
換され、変換されたキャラクター文字をその写真データ
の画像内タグ(プロパティ)に付加する。すなわち、写
真データ内に存在する日付等の付加情報をキャラクター
文字に変換し、その変換したキャラクター文字を、写真
データの画像内タグ(プロパティ)に付加する。
【0043】これにより、キャラクター文字に基づいて
複数の写真データを管理することができ、さらに当該写
真データの検索を容易に行うことができる。
【0044】一方、本発明に係る画像形成装置は、上記
の画像処理装置を備えていることを特徴とする。この場
合、写真上の不要な文字などを消去し、所望の画像を出
力し得る画像形成装置を提供できる。
【0045】また、本発明に係る画像処理方法(本画像
処理方法)は、上記の課題を解決するために、写真を読
み込むことで作成された写真データに画像処理を施す画
像処理方法において、写真データから、写真に添付され
た上書き文字に関する文字データを抽出する抽出ステッ
プと、上書き文字の周辺に位置する周辺写真データに基
づいて上書き文字の下地画像を推測し、この下地画像に
関する下地画像データに前記文字データを置き換える置
換ステップを含むことを特徴とする。
【0046】本画像処理方法は、上記の本画像処理装置
に用いられている画像処理方法である。この場合、入力
された写真データに添付された上書き文字を抽出し、そ
の上書き文字を消去し、上書き文字の周辺に位置する写
真データ(周辺写真データ)に基づいて、元の下地画像
を復元できる。例えば、日付等の付加情報(上書き文
字)が付随した銀塩写真の写真データを入力した際に、
日付等の付加情報が必要ではないという場合に本画像処
理方法は有効である。
【0047】すなわち、消去したい上書き文字の指定
や、上書き文字の部分に配置する原稿画像の一部の指定
を行う必要がないため、元の写真画像を復元するための
操作の煩雑さを解消できる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態につ
いて説明する。
【0049】図1に、本発明の一実施形態に係る画像形
成装置15のブロック図を示す。画像処理装置2はカラ
ー画像処理装置であり、これにカラー画像入力装置3お
よびカラー画像出力装置4が接続され、全体としてデジ
タルカラー複写機である画像形成装置15が構成されて
いる。なお、画像形成装置15は、操作パネル1を備え
ている。
【0050】操作パネル1は、画像形成装置15が備え
た各処理モードをユーザーが設定するためのものであ
る。操作パネル1は、詳細は図示していない、液晶ディ
スプレイ等からなる表示部、設定ボタン、およびテンキ
ー等より構成されている。
【0051】カラー画像入力装置3(画像読取手段)
は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えた
スキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RG
B(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号としてC
CDにて読み取って、画像データとして画像処理装置2
に入力するものである。
【0052】カラー画像出力装置4は、画像データを例
えば紙等の記録媒体上に出力するもので、例えば、電子
写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力
装置等を挙げることができるが特に限定されるものでは
ない。
【0053】図1に示すように、画像処理装置2は、A
/D変換部5、シェーディング補正部6、入力階調補正
部7、領域分離処理部8、文字消去部9、色補正部1
0、黒生成下色除去部11、空間フィルタ処理部12、
出力階調補正部13、及び階調再現処理(中間調生成)
部14から構成されている。
【0054】カラー画像入力装置3にて読み取られたア
ナログ信号の画像データは、画像処理装置2内を、A/
D変換部5、シェーディング補正部6、入力階調補正部
7、領域分離処理部8、文字消去部9、色補正部10、
黒生成下色除去部11、空間フィルタ処理部12、出力
階調補正部13、及び階調再現処理部14の順で送ら
れ、CMYKのデジタルカラー信号として、カラー画像
出力装置4へ出力される。
【0055】A/D(アナログ/デジタル)変換部5
は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するも
ので、シェーディング補正部6は、A/D変換部5より
送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画
像入力装置3の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の
歪みを取り除く処理を施すものである。
【0056】入力階調補正部7は、シェーディング補正
部6にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGB
の反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると同
時に、濃度信号など画像処理装置2に採用されている画
像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施すも
のである。また、RGBの濃度信号は補色反転されて
C’M’Y’信号に変換される。
【0057】領域分離処理部8は、C’M’Y’信号よ
り、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、及び写
真領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部
8は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属している
かを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部11、空間
フィルタ処理部12、及び階調再現処理部14へと出力
すると共に、入力階調補正部7より出力された入力信号
をそのまま後段の色補正部10に出力する。
【0058】文字消去部9は、領域分離処理部8によっ
て、写真領域内の文字(上書き文字)として検出された
文字に対し消去処理を施すものである。なお、領域分離
処理部8、文字消去部9における画像処理の詳細は後述
する。
【0059】色補正部10は、色再現の忠実化実現のた
めに、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マ
ゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁
りを取り除く処理を行うものである。
【0060】黒生成下色除去部11は、色補正後のCM
Yの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元の
CMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たな
CMY信号を生成する処理を行うものであって、CMY
の3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0061】黒生成処理の一例として、スケルトンブラ
ックによる黒生成を行う方法が一般的である。この方法
では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、
入力されるデータをC,M,Y,出力されるデータを
C”,M”,Y”,K’、UCR(Under Color Remova
l)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処
理は以下の式で表わされる。
【0062】K’=f{min(C,M,Y)} C”=C−αK’ M”=M−αK’ Y”=Y−αK’ 空間フィルタ処理部12は、黒生成下色除去部11より
入力されるCMYK信号の画像データに対して、前記領
域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ
処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出
力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するもの
であって、階調再現処理部14も、空間フィルタ処理部
12と同様に、CMYK信号の画像データに対して、前
記領域識別信号を基に所定の処理を施すものである。
【0063】例えば、領域分離処理部8にて文字に分離
された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高め
るために、空間フィルタ処理部12による空間フィルタ
処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きく
される。同時に、階調再現処理部14においては、高域
周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化
または多値化処理が選択される。
【0064】また、領域分離処理部8にて網点に分離さ
れた領域に関しては、空間フィルタ処理部12におい
て、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ
処理が施される。そして、出力階調補正部13では、濃
度信号などの信号をカラー画像出力装置4の特性値であ
る網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、
階調再現処理部14で、最終的に画像を画素に分離して
それぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処
理(中間調生成処理)が施される。領域分離処理部8に
て写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視
したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われ
る。
【0065】前述した各処理が施された画像データは、
一旦記憶手段(図示せず)に記憶され、所定のタイミン
グで読み出されてカラー画像出力装置4に入力される。
【0066】次に領域分離処理部8の構成を説明する。
領域分離処理部8は、図2に示すように、マスク作成部
27、網点領域判定部21、写真領域判定部22、文字
領域判定部23、写真領域内文字検出部24、OCR2
5、および写真領域判定結果記憶部26(以下、記憶部
26と称する。)を備えている。
【0067】マスク作成部27は、入力階調補正部7よ
り入力された画像データによって、7×7の局所マスク
を作成(抽出)するものである。ここで、局所マスクと
は、前記画像データに含まれる各画素を中心として、一
定の範囲に位置する複数の画素からなる画素の集合であ
る。
【0068】記憶部26は、写真領域判定部22におい
て判定された写真領域を記憶するためのものである。写
真領域内文字検出部24は、写真領域内の文字領域を検
出するためのものである。OCR(Optical Character
Reader:文字原稿読み取り認識装置)25は、写真領域
中の文字領域をキャラクター文字に変換するものであ
る。
【0069】網点領域判定部21は、画像データの網点
領域を判定するものである。網点領域判定部21の構成
としては、例えば、「画像電子学会研究会予稿90−0
6−04」に記載されている方法を用いることができ
る。この方法は、注目画素(中心画素)を中心としたM
×N(M、Nは自然数であり、本実施の形態ではM=N
=7)画素のブロック内でブロック内の画素に対して信
号レベルの平均値(Dave)を求め、その平均値を用い
てブロック内の各画素を2値化する。また、最大画素信
号レベル(Dmax)、最小画素信号レベル(Dmin)も同
時に求める。
【0070】網点領域では、小領域における画像信号の
変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高いことを利
用し、網点領域を識別する。2値化されたデータに対し
て主走査、副走査方向でそれぞれ0から1への変化点
数、1から0への変化点数を求めて、それぞれKH、KV
とし、閾値TH、TVと比較して両者が共に閾値を上回っ
たら網点領域とする。また、背景との誤判定を防ぐため
に、先に求めたDmax、Dmin、Daveを閾値B1,B2
比較する。すなわち、 Dmax−Dave>B1、かつ、Dave−Dmin>B2、かつ、 KH>TH、かつ、KV>TV の時、網点領域とする。
【0071】あるいは、網点領域判定部21を新たに設
けるのではなく、文字領域判定部23を用い、網点では
文字よりランレングスが小さくなる特徴を利用して判定
するようにしてもよい。
【0072】写真領域判定部22は、画像データの写真
領域を判定するものであり、マスク内最大値算出部2
8、マスク内最小値算出部29、近傍濃度変化量算出部
30、マスク内最大差算出部31、しきい値処理部3
2、および判定処理部33を備えている。
【0073】マスク内最大値算出部28、マスク内最小
値算出部29、近傍濃度変化量算出部30、およびマス
ク内最大差算出部31では、画像データの写真領域を判
定するためのパラメータである局所マスク領域内の最大
値、最小値、近傍濃度変化量、および最大濃度差をそれ
ぞれ算出する。しきい値処理部32では上記の各部で算
出された値の閾値処理をそれぞれ行い、その値に基づい
て判定処理部33では画像データの写真領域を判定す
る。なお、各値の算出方法については、後述する。
【0074】一方、文字領域判定部23は画像データの
文字領域を判定するものであり、マスク内最大差算出部
34、エッジ量算出部35、2値化処理部36、上昇・
下降エッジ算出部37、ランレングス算出部38、ペア
ー検出部39、しきい値処理部40、および判定処理部
16を備えている。
【0075】マスク内最大差算出部34およびエッジ量
算出部35では、画像データの文字領域を判定するため
のパラメータである局所マスク領域内の最大濃度差およ
びエッジ量を算出する。ランレングス算出部38では、
2値化処理部36にて2値化処理を行った局所マスクに
対して、画像データの文字領域を判定するためのパラメ
ータであるランレングスを算出する。しきい値処理部4
0では上記の各部で算出された値の閾値処理をそれぞれ
行う。ペアー検出部39では、上昇・下降エッジ算出部
37にて算出された上昇エッジおよび下降エッジに基づ
いてペアー検出を行う。そして、判定処理部16では、
各しきい処理部40およびペアー検出部39の算出結果
に基づいて、画像データの文字領域を判定する。なお、
各値の算出方法については、後述する。
【0076】次に、画像処理装置15の動作を説明す
る。画像処理装置15は、写真内に添付された日付等の
上書き文字(写真領域内の文字領域)を消去することが
できる。写真内に添付された上書き文字を消去する場合
は、ユーザーがその処理モードを選択することにより行
う。なお、モードの選択は操作パネル1により行う。
【0077】ここで、前記上書き文字を消去しない処理
モードを選択した場合、以下の工程で画像処理が行われ
る。このモードでは、画像処理装置2によって入力画像
(写真)を1回スキャンする。前記上書き文字を消去し
ない場合のスキャンでは、文字領域判定部23、写真領
域判定部22、および網点領域判定部21を動作させ
る。そして、入力された画像データに対し通常の領域分
離処理が行われる。ここで、文字消去部9での処理はス
ルー、すなわち処理は行われない。
【0078】一方、上書き文字を消去する処理モードを
選択した場合、以下の工程で画像処理が行われる。この
モードでは、画像処理装置2によって入力画像(写真)
を2回スキャン(プレスキャン、本スキャン)する。
【0079】プレスキャンでは画像データ中にある写真
領域を判定し、本スキャンでは文字領域を判定する。そ
して、プレスキャン時に写真領域と判定され、かつ、本
スキャン時に文字領域と判定された領域に対して、文字
領域の消去処理および補正処理を施すものとする。
【0080】具体的には、プレスキャンでは写真領域判
定部22のみを動作させる。マスク作成部27において
作成された各局所マスクごとに、写真領域とその他の領
域とに分離する領域分離処理を行う。処理結果はハード
ディスク等による記憶部26に保持するものとする。
【0081】次に、本スキャンでは、文字領域判定部2
3、写真領域内文字検出部24、およびOCR25を動
作させる。マスク作成部27において作成された各局所
マスクごとに、文字領域とその他の領域とに分離する領
域分離処理を行う。
【0082】そして、最終的に文字領域の消去処理を行
う領域の決定は、写真領域内文字検出部24で行われ
る。具体的には、写真領域内文字検出部24において、
前記のプレスキャン時の領域分離結果および本スキャン
時の領域分離結果を結合し、上書き文字の消去処理を行
う。
【0083】このとき、プレスキャン時の領域分離結果
として写真領域と判定され、かつ、本スキャン時の領域
分離結果として文字領域(文字エッジ)と判定された領
域に対して、文字領域の消去処理および補正処理を施す
ものとする。すなわち、領域分離処理部8において写真
領域内の文字エッジとして検出された領域に対して、文
字消去部9において消去処理および補正処理を施すもの
とする。
【0084】この消去処理および補正処理は、特に限定
されないが、モフォロジフィルタを用いることが好まし
い。具体的には、モフォロジフィルタのオープニング処
理あるいはクロージング処理を用いる。クロージング処
理は、写真領域中の文字領域の画素値が周辺の写真領域
の画素値より小さい場合に用い、オープニング処理は、
文字領域の画素値が周辺の写真領域の画素値より大きい
場合に用いる。
【0085】具体的には、CMYベースの画像データに
おける画像処理では、写真領域中の文字領域は回りに比
べて濃度値が高くなるので、オープニング処理を施す。
一方、RGBベースの画像データにおける画像処理で
は、写真領域中の文字領域が回りに比べて濃度値が低く
なるため、クロージング処理を施す。
【0086】したがって、画像処理装置2では、領域分
離処理部8に入力される画像データはCMYベースのも
のであるからオープニング処理が施される。
【0087】ここで、クロージング処理とは、以下の画
像処理(I)である。
【0088】(I)まず、文字データ(写真領域内の文
字領域)を構成する1つの画素に対して、その画素を中
心とする、所定広さの領域(第1領域)を設定する。そし
て、この第1領域に、さらに小さな領域である分割領域
を複数設定する。この設定は、できるだけ多くの画素を
分割領域の中心画素とするように行われる。従って、各
分割領域は、その中心画素を隣接させるように、互いに
重複するように設定される。
【0089】その後、各分割領域における最大の画素値
(最大画素値)を、全第1領域に渡って検出してゆく
(下地画像の検出(推測))。そして、各分割領域にお
ける中心画素の値を、検出した最大画素値(その中心画
素の属する分割領域の最大画素値)に置き換える。
【0090】これにより、第1領域の中で比較的小さい
画素値を有する文字データを、最大画素値を有する周辺
写真データ(周辺の画像データ)の画素(すなわち、下
地画像データ)によって置き換えることとなる。なお、
ここまでの処理を、文字データを構成する全画素に対し
て行う。
【0091】次に、第1領域の画素のうち、上記の中心
画素となることのできた画素の集合からなる領域(第2
領域)を設定する。そして、第1領域に対して行った場
合と同様に、第2領域に対しても分割領域を設定する。
【0092】その後、各分割領域における最小の画素値
(最小画素値)を、全第2領域に渡って検出してゆく。
そして、各分割領域における中心画素の値を、検出した
最小画素値(その中心画素の属する分割領域の最小画素
値)に置き換える。
【0093】これにより、文字データと置き換えられた
下地画像データを、より正確となるように補正すること
が可能となる。
【0094】すなわち、上記のような第1領域を用いた
文字データの置き換えを行うだけでは、下地画像が文字
の写真データ(文字を撮影して得られる写真データ;写
真内文字)の一部であった場合、その写真内文字を歪め
てしまう(例えば細くしてしまう)。そこで、上記のよ
うな第2領域を用いた処理を行うことで、写真内文字に
おける下地画像でない部分(文字データに隠されていな
い部分)の画素を利用して、下地画像部分を補正するこ
とが可能となる。
【0095】一方、オープニング処理とは、以下の画像
処理(II)である。
【0096】(II)まず、文字データを構成する1つの
画素に対して、その画素を中心とする、所定広さの領域
(第1領域)を設定する。そして、この第1領域に、さら
に小さな領域である分割領域を複数設定する。この設定
は、できるだけ多くの画素を分割領域の中心画素とする
ように行われる。従って、各分割領域は、その中心画素
を隣接させるように、互いに重複するように設定され
る。
【0097】その後、各分割領域における最小の画素値
(最小画素値)を、全第1領域に渡って検出してゆく
(下地画像の検出(推測))。そして、各分割領域にお
ける中心画素の値を、検出した最小画素値(その中心画
素の属する分割領域の最小画素値)に置き換える。
【0098】これにより、第1領域の中で比較的大きい
画素値を有する文字データを、最小画素値を有する周辺
写真データの画素(すなわち、下地画像データ)によっ
て置き換えることとなる。なお、ここまでの処理を、文
字データを構成する全画素に対して行う。
【0099】次に、第1領域の画素のうち、上記の中心
画素となることのできた画素の集合からなる領域(第2
領域)を設定する。そして、第1領域に対して行った場
合と同様に、第2領域に対しても分割領域を設定する。
【0100】その後、各分割領域における最大の画素値
(最大画素値)を、全第2領域に渡って検出してゆく。
そして、各分割領域における中心画素の値を、検出した
最大画素値(その中心画素の属する分割領域の最大画素
値)に置き換える。
【0101】これにより、文字データと置き換えられた
下地画像データを、より正確となるように補正すること
が可能となる。
【0102】すなわち、上記のような第1領域を用いた
文字データの置き換えを行うだけでは、下地画像が文字
の写真データ(文字を撮影して得られる写真データ;写
真内文字)の一部であった場合、その写真内文字を歪め
てしまう(例えば細くしてしまう)。そこで、上記のよ
うな第2領域を用いた処理を行うことで、写真内文字に
おける下地画像でない部分(文字データに隠されていな
い部分)の画素を利用して、下地画像部分を補正するこ
とが可能となる。
【0103】クロージング処理の特徴は、はじめに領域
内最大値で画素値を置き換える処理を行っているため、
周辺の画素値よりも濃度の小さい領域を埋めて処理を行
う。すなわち、周辺の画素値よりも小さい画素値を示す
画素の画素値を消去する。一方、オープニング処理で
は、最初に最小値で置き換えを行うため、周辺よりも濃
度の高い突起部分を消去する作用が存在する。すなわ
ち、周辺の画素値よりも大きい画素値を示す画素の画素
値を消去する。従って、文字領域が周辺背景より濃度が
低い場合にはクロージング処理を、文字領域が周辺背景
より濃度が高い場合にはオープニング処理を施してやれ
ば文字領域を綺麗に消去することが可能である。
【0104】さらに、文字領域がオープニング処理を作
用させる領域よりも大きい場合、一且最小値を取った後
に最大値で置き換える処理(クロージング処理は反対の
過程)を行っているため、文字が大きすぎて削除しきれ
ないときは元の削減前のデータに戻るといった特徴があ
る。従って、文字の消去処理に失敗し、文字が細くなる
だけといった問題を回避することが可能である。
【0105】次に、領域分離処理部8、文字消去部9に
おける画像処理を詳細に説明する。前記消去処理および
補正処理を行うために、画像処理装置2は原稿の読み取
りを2段階に分けて実施する。すなわち、写真領域の検
出を目的とするプレスキャンを実施する第1の段階と、
実際の画像データの入力および局所的な文字領域の検出
を目的とする本スキャンを実施する第2の段階とから原
稿の読み取りが行われる。
【0106】プレスキャン時に行うデータの読み取りは
本スキャン時において行う読み取り解像度に比べ、読み
取り精度を求めるものではないため、プレスキャンにお
けるスキャンスピードは、通常行われるスキャンスピー
ドに対して、N倍速で行われる(N=2、4など)。よ
って、プレスキャンによる、原稿に対する副走査方向で
得られる画素数が1/Nとなり、総画素数も1/Nとな
る。プレスキャン時に行う処理は写真領域の検出のみで
あるためそれほど解像度を必要とせず、読み取り速度を
上げることによってプレスキャン速度の短縮、あるいは
写真領域判定結果の保存量を削減できる。
【0107】次に、注目画素(中心画素)を中心とした
マスクを形成するわけであるが、入力画像データは原稿
全体をハードディスク装置等の画像記憶装置に記憶して
もよいが、メモリの容量、コスト、処理速度の観点から
原稿主走査方向サイズを記憶することが可能な複数のラ
インメモリを装備することによってリアルタイムに処理
を行うことが可能になる。このときのラインメモリの構
成を図3に示す。ラインメモリはFirst In First Out
(FIFO:先入れ先出し型メモリ)を想定しており、
カラー画像入力装置3から入力されたデータが入った順
番に出力されるメモリを利用する。現実的な観点から、
このラインメモリを各色6ラインメモリ(計3刺激値×
6ライン)保持するものとする。従って、副走査方向に
7ライン分画像を保持することができ、注目画素51を
中心として7×7のマスク52を形成するものとする。
注目画素51を中心とした7×7のマスク52は以下の
式によって与えられる。 Maski,j={p|p(m,n)∈(m=i−3,…,i+
3,n=j−3,…,j+3)} ただし、ここでは7×7のマスクサイズ例を示すが、必
ずしもマスクサイズを限定するものではなく、FIFO
の数が許せる限りどのようなマスクサイズを用いてもよ
い。また、このリアルタイム処理用に一時データを記憶
するステップは本スキャン時の領域分離処理において併
用するものとする。従って、プレスキャン時では本スキ
ャンに比べてN倍読み取り速度を上げるため、同じ数の
ラインメモリを有する一時データ記憶ステップにより、
解像度は低いがN倍広範囲の領域を利用できる。
【0108】形成されたマスク(7×7の画素)に対し
領域分離処理を施し、図7に示すフローチャートに基づ
いて写真領域を検出する。写真領域の検出には、局所マ
スク領域内の最大濃度差、最大値、最小値、近傍濃度変
化量を検出用パラメータとし、さらに、このパラメータ
を閾値処理することによって所望する写真領域を検出す
る。すなわち、注目画素(i,j)を中心とする7×7
(M×N)の局所マスクを算出(抽出)し(S1)、注
目画素(i,j)を中心とする局所マスク内の最大濃度
差をMaxDiffi,j、最大値をMaxi,j、最小値をMini,j、近
傍濃度変化量をDiffi,j、マスク内の座標位置(p,
q)の画素の濃度値をIn(p,q)とすると、それぞれ以下
の式を用いてMaxi,j、Mini,j、およびMaxDiffi,jを検出
し(S2、S3)、Diffi,jを算出する(S4)。
【0109】
【数1】
【0110】ここで、In(p,q)は3刺激値C、M、Yの
いずれかの入力値に対応するものとする。従って以上の
算出パラメータは、C、M、Yそれぞれにおいて算出す
るものとする。なお、入力階調補正部7において入力画
像データとしてのRGB信号をCMY信号に補色反転し
ている。したがって、本実施の形態ではCMY信号を用
いて前記の各値を算出しているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、無論、RGB信号を用いても構わ
ない。
【0111】算出されたパラメータに対し、予め設定す
る閾値THA、THB、THC、THD、THEを用いて、閾値処理を
行うことで写真領域を検出する。閾値処理は以下の式で
与えられる。
【0112】MaxDiffi,j<THA Maxi,j<THB Mini,j>THC THD<Diffi,j<THE 以上の条件を全て満足した場合に写真領域であると判定
し(S5〜S9)、写真判定結果保存用のハードディス
ク(記憶部26)に保持しておくものとする(S1
1)。写真領域であるか否かの結果のみを保存すれば十
分であるため、1ビット信号を保持しておくこととす
る。最終的な写真領域内の文字領域を判定する際には、
このプレスキャン時の写真判定結果を保存したハードデ
ィスクから読み出して利用するものとする。なお、以上
の条件を1つでも満足しない画像データは写真領域でな
いその他の領域として判定され(S10)、記憶部26
に保持される(S11)。以上のS1〜S11までの工
程が画像データ全体の処理が終了するまで行われる(S
12)。
【0113】次に、プレスキャン時の写真領域判定処
理、写真判定結果保存処理の終了後、本スキャンを行う
が、その時の本スキャンは実際にデータを入力する処理
を含むためスキャン速度は等倍速の通常読み取り速度で
行うものとする。前記リアルタイム処理用の一時データ
記憶装置(ラインメモリ)を本スキャン処理時にも流用
し、7×7の注目画素を中心とする局所マスクを形成さ
せる。
【0114】このとき、マスクサイズは7×7に限定す
るものではないが、前記プレスキャンで用いたサイズと
同じにする必要がある。また、前述したように、スキャ
ン速度がプレスキャンと本スキャンで変更しているた
め、画素数が同じであっても実質の原稿に対する範囲は
1/Nのサイズになっている。つまり、プレスキャン時
の方が、スキャン速度が速いため、より広範囲のデータ
を見ることが可能になる。
【0115】前記プレスキャン時と同様に、注目画素を
中心とした7×7のマスクは以下の式によって与えられ
る。 Maski,j={p|p(m,n)∈(m=i−3,…,i+
3,n=j−3,…,j+3)} 図8に示すフローチャートに基づいて、形成されたマス
クに対し領域分離処理を施し文字領域を検出する。文字
領域の検出には、局所マスク領域(7×7)内の最大濃
度差、エッジ量算出、2値化処理後ランレングス算出、
エッジの立ち上がり・立ち下りペアー検出からなる。さ
らに、このパラメータを閾値処理することによって所望
する文字領域を検出する。すなわち、注目画素(i,
j)を中心とする7×7(M×N)の局所マスクを算出
(抽出)し(S21)、注目画素(i,j)を中心とす
る局所マスク内の最大濃度差MaxDiffi,jおよびエッジ量
Edgei, jが、以下の式を用いて、検出(S22)および
算出(S23)される。
【0116】
【数2】
【0117】式中の(X)*は畳み込み演算を示してい
る。このときエッジ量についてはゾーベルフィルタを用
いたが、いかなるエッジ量算出手段を用いてもよい。ま
た、In(p,q)は3刺激値C、M、Yのいずれかの入力値
に対応するものとする。以下同様に扱うものとする。
【0118】次に、2値化処理を前記算出局所マスクに
対して行う。入力濃度値In(p,q)に対してある閾値THin
(例えば、マスク内の平均値)で閾値処理を行い、2値
データを得るものとする。
【0119】
【数3】
【0120】2値化の手法はこの方法に限定するもので
はなく、既存のいかなる手法を用いてもよい。
【0121】次に、ランレングス(runlength)の算出
を行う(S24)。ランレングスの算出方法は、前記算
出された2値データBinaryi,jの各行(主走査方向)、
あるいは各列(副走査方向)に対し、連続する1もしく
は0(予め設定)の最大数をそれぞれ各行のランレング
ス、各列のランレングスとする。次に、各行、各列のラ
ンレングスの中での最大値を、注目画素のランレングス
とする。従って、各行に対するランレングスをrun#row
(q)、各列に対応するランレングスをrun#col(p)とする
とランレングスrunlengthi,jは、下式で求めることがで
きる。
【0122】
【数4】
【0123】エッジの立ち上がり・立下りペアー検出は
局所マスク内で隣り合う画素間の濃度差を閾値処理する
ことによってエッジを検出した後、隣り合う画素間の濃
度差が正の場合が上昇エッジと、負の場合が下降エッジ
と仮定し、その組み合わせが水平方向もしくは垂直方向
に対し、ペアーが存在する場合をペアーありと定義す
る。エッジ検出は以下の式を用いて算出を行う(S2
5)。
【0124】
【数5】
【0125】以上の水平方向と、垂直方向の立ち上がり
・立下り結果により同一行内、あるいは同一列内、ある
いは斜め方向に上昇エッジ・下降エッジの両方が存在す
る場合にペアーありと判定する。
【0126】以上のパラメータを元に注目画素点での文
字判定を行う。
【0127】MaxDiffi,j>THG Edgei,j>THH runlengthi,j>THI エッジペアあり 以上の条件を全て満たした注目画素点を文字領域である
と判定する(S26〜S30)。なお、以上の条件を1
つでも満足しない画像データは文字領域でないその他の
領域として判定される(S31)。
【0128】前記プレスキャン時の写真領域判定結果、
すなわち図7のS11において記憶部26に一時保持さ
れた写真領域判定結果(S32)と、前記文字領域判定
結果(S30)とを結合し、両者を満たしている場合
に、注目画素点を写真領域内の文字領域であると判定す
る(S33)。この判定結果を元に、後述するモフォロ
ジフィルタリング処理(モフォロジフィルタ)によっ
て、写真領域内の文字領域を消去し、消去した領域の周
辺領域の情報に基づいて消去した領域の補正処理を行う
(S34)。以上のS21〜S34までの工程が画像デ
ータ全体の処理が終了するまで行われる(S35)。
【0129】次に、S34のモフォロジフィルタリング
処理の詳細について説明する。S33の判定結果を元
に、注目画素点が写真領域内文字と判定された場合、次
に、前記マスク内において、さらに小さな局所マスクを
設定する。本実施の形態では計算量の関係と前記確保し
てある7×7のマスクサイズに応じて3×3の局所マス
クを形成させる。従って、この小マスクは、 MaskBp,q={l|l(m,n)∈(m=p−1,…,p
+1,n=q−1,…,q+1)} で与えるものとする。つまり、前記算出の注目画素点を
中心とした局所マスクMaski,jに属す各画素点(p,
q)の周りに形成する3×3のマスクである。前記局所
マスクと同様に、本小マスクもサイズを限定するもので
はなく、前記局所マスクのサイズに応じていかなるサイ
ズでも対応できる。
【0130】文字を消去する方法はモフォロジフィルタ
の前述したオープニング処理、もしくはクロージング処
理の何れかを用いることで達成することが可能である。
例えば、CMYべースの画像処理方法では、文字領域が
回りに比べて濃度値が高くなるため、オープニング処理
を施すことによって文字領域を精度良く消去することが
可能になる。一方、RGBベースの画像処理方法では、
文字領域が回りに比べて濃度値が低くなるため、クロー
ジング処理を施すことによって文字領域を精度良く消去
することが可能になる。画像処理装置2では、前述した
ように領域分離処理部8に入力される画像データはCM
Yベースのものであるからオープニング処理が施され
る。
【0131】始めに、C、M、Y入力を前提としたオー
プニング処理による文字消去および補正処理について、
図4(a)、図5および図9にて説明を行う。
【0132】注目画素(i,j)を中心とする7×7
(M×N)の局所マスク41を算出(抽出)する(図9
のS41)。算出された7×7の局所マスク41内に形
成する3×3の最小値算出用の小マスク42は、局所マ
スク41の内周辺部において形成することのできない部
分を除いて5×5個(最小値算出後のマスク43)存在
する。
【0133】従って、3×3マスクによって求まる最小
値は5×5個存在する(S42〜S45)。そして、小
マスク42内の中心に位置する画素を各小マスク42内
の最小値と置き換える(S46)。これにより、周辺の
画素値よりも大きい画素値を示す画素の画素値を消去す
ることができる。
【0134】なお、局所マスク41内において「○」印
の付された画素は、各小マスク42の中心に位置できる
画素を示している。最終的には、図5(a)に示すよう
に、7×7のマスク(局所マスク41)において「○」
印の付された5×5個の画素に、S42〜S46におけ
る3×3のマスク処理が施される。
【0135】次に、求められた5×5の最小値からなる
マスク43に対し、さらに3×3の最大値算出用のマス
ク44を形成する。この場合、5×5のマスク43の内
周辺部を除いて、3×3の小マスク44は3×3個存在
する(最小値算出後の最大値マスク45)。従って、5
×5の最小値からなるマスク43に対し3×3のマスク
内最大値は3×3個存在する(S47〜S50)。そし
て、最大値マスク45内の中心に位置する画素を各小マ
スク44内の最大値と置き換える(S51)。これによ
り、消去した領域の周辺領域の情報に基づいて消去した
領域の補正処理を行える。
【0136】なお、最大値マスク45内において「○」
印の付された画素は、マスク43において各小マスク4
4の中心に位置できる画素を示している。最終的には、
図5(b)に示すように、5×5のマスク(マスク4
3)において「○」印の付された3×3個の画素に、S
47〜S51における3×3のマスク処理が施される。
【0137】以上の図9で説明した工程により、最終的
に3×3の最小値・最大値(これは、最小値算出後最大
値で置き換える処理)マスクを形成することができ、こ
の中心の値で注目画素の値を置き換えるとモフォロジフ
ィルタを掛けた結果を得ることができる。
【0138】一方、R、G、B入力を前提としたクロー
ジング処理による文字消去および補正修理の場合も基本
的な流れは図9のフローチャートと同じである。ただ
し、S44にて最大値を算出し、S49で最小値を算出
する。
【0139】すなわち、図4(b)に示すように、注目
画素(i,j)を中心とする7×7(M×N)の画素を
算出する。算出された7×7の局所マスク46内に形成
する3×3の最大値算出用の小マスク47は、局所マス
ク46の内周辺部において形成することのできない部分
を除いて5×5個(最大値算出後のマスク48)存在す
る。従って、3×3マスクによって求まる最大値は5×
5個存在する。そして、小マスク47内の中心に位置す
る画素を各小マスク47内の最大値と置き換える3×3
のマスク処理が行われる。これにより、周辺の画素値よ
りも小さい画素値を示す画素の画素値を消去することが
できる。
【0140】なお、局所マスク46内において「○」印
の付された画素は、各小マスク47の中心に位置できる
画素を示している。最終的には、図5(a)に示すよう
に、7×7のマスク(局所マスク46)において「○」
印の付された5×5個の画素に、上記マスク処理が施さ
れる。
【0141】次に、求められた5×5の最大値からなる
マスク48に対し、さらに3×3の最小値算出用のマス
ク49を形成する。この場合、5×5のマスク48の内
周辺部を除いて、3×3のマスク49は3×3個存在す
る(最大値算出後の最小値マスク50)。従って、5×
5の最大値からなるマスク48に対し3×3のマスク内
最小値は3×3個存在する。そして、最小値マスク50
内の中心に位置する画素を各小マスク49内の最小値と
置き換える3×3のマスク処理が行われる。これによ
り、消去した領域の周辺領域の情報に基づいて消去した
領域の補正処理を行える。
【0142】なお、最小値マスク50内において「○」
印の付された画素は、マスク48において、各小マスク
49の中心に位置できる画素を示している。最終的に
は、図5(b)に示すように、5×5のマスク(マスク
48)において「○」印の付された3×3個の画素に、
上記マスク処理が施される。
【0143】以上の工程により、最終的に3×3の最大
値・最小値(これは、最大値算出後最小値で置き換える
処理)マスクを形成することができ、この中心の値で注
目画素の値を置き換えるとモフォロジフィルタを掛けた
結果を得ることができる。
【0144】以上で説明した画像処理装置2は、以下の
ように表現することができる。
【0145】すなわち、画像処理装置2は、写真を読み
込むことで作成された写真データ(写真領域)に画像処
理を施すものであって、写真データから、写真に添付さ
れた上書き文字に関する文字データ(写真領域内の文字
領域)を抽出する抽出手段(領域分離処理部8)と、上
書き文字の周辺に位置する周辺写真データ(周辺の画像
データ)に基づいて上書き文字の下地画像を推測し、前
記文字データを前記下地画像に関する下地画像データに
置き換える置換手段(文字消去部9)を備える画像処理
装置である。
【0146】ここで、写真データとは、カラー画像入力
装置3(画像読取装置)において読み込まれる原稿中に
ある写真に関する画像データであり、例えば、カラー画
像入力装置3において読み込まれる銀塩写真に関する画
像データである。なお、原稿の全てが写真である必要は
なく、原稿の一部が写真であればよい。また、画像デー
タとは、画像読取装置で読み取った原稿に関するデータ
であり、例えば、画像読取装置から出力されるアナログ
データまたはデジタルデータである。
【0147】画像処理装置2は、その写真データに添付
された上書き文字に関する文字データを抽出する抽出手
段を備えている。ここで、文字データとは、写真に付加
情報として添付された上書き文字に関する画像データで
ある。上書き文字とは、例えば銀塩写真中に付加される
日付である。
【0148】そして、画像処理装置2は、上書き文字の
周辺に位置する写真データ(周辺写真データ)に基づい
て上書き文字の下地画像を推測し、前記文字データを前
記下地画像に関する下地画像データに置き換える置換手
段を備えている。ここで、下地画像とは、上書き文字に
よって隠されてしまった部分の画像である。
【0149】すなわち、画像処理装置2によれば、入力
された写真データに添付された上書き文字を抽出し、そ
の上書き文字を消去し、上書き文字の周辺の写真データ
に基づいて、元の下地画像を復元できる。これにより、
消去したい上書き文字の指定や、上書き文字の部分に配
置する原稿画像の一部の指定を行う必要がないため、元
の写真画像を復元するための操作の煩雑さを解消でき
る。すなわち、ユーザーがいちいち補正を行う必要がな
く、元の写真画像を復元するための操作の煩雑さを解消
できる。
【0150】例えば、日付等の付加情報(上書き文字)
が付随した銀塩写真の写真データを入力した際に、日付
等の付加情報が必要ではないという場合に画像処理装置
2は有効である。すなわち、画像処理装置2は、写真デ
ータに存在する不要な文字を消去し、元の写真画像を復
元できる。よって、ユーザーがいちいち補正を行う必要
がなく、元の写真画像を復元するための操作の煩雑さを
解消できる。
【0151】また、前記置換手段は、上書き文字を構成
する各画素のそれぞれを中心とする所定範囲内にある周
辺写真データの画素から前記下地画像の各画素を推測
し、上書き文字を構成する各画素を、推測された下地画
像の各画素に置き換えることが好ましい。
【0152】この場合、置換手段は、上書き文字に含ま
れる各画素をそれぞれ中心画素とし、その中心画素の一
定範囲に含まれる写真データの画素の値に基づいて、前
記下地画像を推測し、上書き文字に含まれる各画素の値
を、下地画像として推測した画素の値に置き換える。こ
れにより、下地画像を精度よく推測でき、より正確に元
の下地画像を復元できる。なお、その範囲は画像処理装
置2ごとに便宜設定される。
【0153】また、前記置換手段では、上書き文字の周
辺に位置する周辺写真データに基づいて上書き文字の下
地画像を推測し、この下地画像に関する下地画像データ
に前記文字データを置き換えるために、モフォロジフィ
ルタが用いられているが好ましい。
【0154】ここで、文字データの画素値が周辺写真デ
ータの画素値より大きい画像処理装置2では、以下のモ
フォロジフィルタのオープニング処理(II)が施される
(II)まず、文字データを構成する1つの画素に対し
て、その画素を中心とする、所定広さの領域(第1領域)
を設定する(図9のS41)。そして、この第1領域
に、さらに小さな領域である分割領域を複数設定する
(S42、S43、S45)。この設定は、できるだけ
多くの画素を分割領域の中心画素とするように行われ
る。従って、各分割領域は、その中心画素を隣接させる
ように、互いに重複するように設定される。
【0155】その後、各分割領域における最小の画素値
(最小画素値)を、全第1領域に渡って検出してゆく
(下地画像の検出(推測))(S44)。そして、各分
割領域における中心画素の値を、検出した最小画素値
(その中心画素の属する分割領域の最小画素値)に置き
換える(S46)。
【0156】これにより、第1領域の中で比較的大きい
画素値を有する文字データを、最小画素値を有する周辺
写真データの画素(すなわち、下地画像データ)によっ
て置き換えることとなる。なお、ここまでの処理を、文
字データを構成する全画素に対して行う。
【0157】次に、第1領域の画素のうち、上記の中心
画素となることのできた画素の集合からなる領域(第2
領域)を設定する。そして、第1領域に対して行った場
合と同様に、第2領域に対しても分割領域を設定する
(S48)。
【0158】その後、各分割領域における最大の画素値
(最大画素値)を、全第2領域に渡って検出してゆく
(S47、S49、S50)。そして、各分割領域にお
ける中心画素の値を、検出した最大画素値(その中心画
素の属する分割領域の最大画素値)に置き換える(S5
1)。
【0159】これにより、文字データと置き換えられた
下地画像データを、より正確となるように補正すること
が可能となる。
【0160】すなわち、上記のような第1領域を用いた
文字データの置き換えを行うだけでは、下地画像が文字
の写真データ(文字を撮影して得られる写真データ;写
真内文字)の一部であった場合、その写真内文字を歪め
てしまう(例えば細くしてしまう)。そこで、上記のよ
うな第2領域を用いた処理を行うことで、写真内文字に
おける下地画像でない部分(文字データに隠されていな
い部分)の画素を利用して、下地画像部分を補正するこ
とが可能となる。
【0161】これにより、上書き文字の周辺の写真デー
タに基づいて前記下地画像を精度よく推測でき、より正
確に元の下地画像を復元できる。
【0162】また、モフォロジフィルタを用いると、文
字が太く消去が完全に出来ないような画像では、一度最
小値で置き換えた画像に対し、再度最大値で置き換える
ため、文字が細くなるといった問題が生じにくくなる。
【0163】すなわち、モフォロジフィルタを用いない
場合、太い文字で完全に消去できないときに、マスク内
最小値で注目画素を普通に置き換えると文字周辺が細く
なり明らかに不自然な画像が形成されてしまう。
【0164】これに対して、モフォロジフィルタを用い
ると、消去できないようなサイズの文字に対しては悪影
響を与えることなくマスクサイズに応じた文字のみを消
去することが可能になる。
【0165】すなわち、図6(b)に示すように、細文
字のオリジナル信号61を有する画像データにおいてオ
ープニング処理を行う場合は、各マスク60内の最小値
で一度置き換えられ、置き換えられた信号62を有する
画像データに対し、再度マスク60内の最大値で置き換
える(フィルタリング信号63)。これにより、オリジナ
ル信号61に示される不要な上書き文字は消去され補正
処理が行われる。すなわち、マスクサイズに応じて不要
な上書き文字と判断されたオリジナル信号61に対して
は、消去処理および補正処理が行われる。
【0166】これに対して、図6(a)に示すように、
文字が太く消去が完全にできないようなオリジナル信号
65を有する画像データにおいてオープニング処理を行
う場合は、各マスク64内の最小値で一度置き換えら
れ、置き換えられた信号66を有する画像データに対
し、再度マスク64内の最大値で置き換える(フィルタ
リング信号67)。これにより、オリジナル信号65と
フィルタリング信号67とはほぼ同一信号となる。した
がって、マスクサイズに応じて消去する必要のない文字
領域と判断されたオリジナル信号65に対しては、文字
周辺が細くなるというような悪影響を与えることがな
い。
【0167】なお、以上の説明では、プレスキャン・本
スキャンを行うことにより写真領域中の文字領域を認識
し、文字を消去する方法について説明したが、必ずしも
プレスキャンを行う必要は無く、入力階調補正後の画像
データを画像メモリに格納し、前記の処理を行うように
してもよい。
【0168】すなわち、画像データの全ての領域が写真
である場合は、図7の各フローチャートに示す各ステッ
プを実行する必要はなく、図8のフローチャートを実行
すればよい。この場合は、S32およびS33のステッ
プは不要となり、S26からS29の各ステップが、入
力された画像データに存在する文字領域を判定するステ
ップとなる。
【0169】また、画像処理装置2は、前記抽出手段に
よって抽出された文字データをキャラクター文字として
変換する変換手段と、変換されたキャラクター文字を前
記写真データの画像内タグに付加する付加手段とを備え
ることが好ましい。
【0170】この場合、前記文字データは、一般にコン
ピュータ等で文字として扱われるキャラクター文字に変
換され、変換されたキャラクター文字をその写真データ
の画像内タグ(プロパティ)に付加する。すなわち、写
真データ内に存在する日付等の付加情報をキャラクター
文字に変換し、その変換したキャラクター文字を、写真
データの画像内タグ(プロパティ)に付加する。これに
より、キャラクター文字に基づいて複数の写真データを
管理することができ、さらに当該写真データの検索を容
易に行うことができる。
【0171】これは、例えば、画像処理装置2において
一般的に用いられるOCR25(図2参照)によって、
達成することができる。すなわちOCR25が前記変換
手段と付加手段とを兼ねた構成であってもよい。OCR
は、例えばソフトウェアで処理するといった既存の方法
を活用するものとする。OCRは通常文字原稿に対して
のみ有効な識別方法であるが、写真領域内文字検出部2
4で検出した写真領域内の文字領域に適用するものとす
る。このOCR処理により、写真原稿内の文字画像信号
を精度良くキャラクター文字に変換できる。
【0172】そして、その変換したキャラクター文字
を、写真データの画像内タグ(プロパティ)に付加す
る。つまり、OCRに読み取ったキャラクター文字を、
前述した本スキャン時に読み取る実際の画像データにT
ag情報として付加しておく。これにより、写真領域内
の文字領域を消去した画像データをいつでも取り出すこ
とが可能になる。すなわち、写真領域の画像データは、
一般的に公知であるJpeg(Joint Picture Experts
Group)やTiff(Tagged Image File Format)によ
り圧縮される。なお、画像データに写真領域とは別に文
字領域が含まれる場合は、例えば、ハフマン符号化法を
用いて圧縮される。
【0173】前記Tag情報は、Jpegや、Tiff
フォーマット内のユーザーTagとして埋め込まれる。
このようにして生成された画像データは、ハードディス
ク等の記憶装置に格納される。前述したように、写真領
域の画像データに消去した文字領域の画像データをTa
g情報として付加することにより、このデータを画像保
存サーバなどに格納する場合、画像データを検索する際
にTag情報をキーワードとして用いることができる。
【0174】また、画像処理装置2が画像保存サーバを
兼ねていてもよい。あるいは、画像処理が施された画像
データをネットワークなどを介して送信するようにして
もよい。これにより、記憶装置に原稿を蓄積させながら
原稿に前記付加情報を追加することによって、画像保存
サーバとしての役割を保持するシステムにおいて、間を
空けて再度原稿を出力する際に検索が容易になる。ま
た、例えば写真とは別に説明を付加する場合のように、
画像を合成する際に、このTag情報を用いることも可
能である。
【0175】また、画像処理装置2では、写真に文字が
含まれる場合、文字を消去し補正して画像を出力しても
良く、画像データを圧縮し消去される文字領域をキャラ
クター文字として前記画像データに付加して格納してお
くようにしてもよい。
【0176】また、以上で説明した画像処理装置2を備
えた画像形成装置15では、写真上の不要な文字などを
消去し、所望の画像を出力できる。
【0177】また、以上で説明した画像処理装置2の画
像処理方法は、以下のように表現できる。
【0178】すなわち、前記画像処理方法は、写真を読
み込むことで作成された写真データに画像処理を施す画
像処理方法であって、写真データから、写真に添付され
た上書き文字に関する文字データを抽出する抽出ステッ
プ(S33)と、上書き文字の周辺の周辺写真データに
基づいて上書き文字の下地画像を推測し、この下地画像
に関する下地画像データに前記文字データを置き換える
置換ステップ(S34)を含む方法である。
【0179】この場合、入力された写真データに添付さ
れた上書き文字を抽出し、その上書き文字を消去し、上
書き文字の周辺に位置する写真データ(周辺写真デー
タ)に基づいて、元の下地画像を復元できる。例えば、
日付等の付加情報(上書き文字)が付随した銀塩写真の
写真データを入力した際に、日付等の付加情報が必要で
はないという場合に画像処理装置2の画像処理方法は有
効である。すなわち、消去したい上書き文字の指定や、
上書き文字の部分に配置する原稿画像の一部の指定を行
う必要がないため、元の写真画像を復元するための操作
の煩雑さを解消できる。
【0180】なお、画像処理装置2は、前記画像処理方
法をASIC等の回路で構成し、本装置の内部に実装す
ることによって、以上で説明した画像処理方法を実現で
きる。
【0181】また、画像処理装置2を、DSP(Digita
l Signal Processor)から構成するようにしてもよい。
この場合には、後述するようなソフトウェアをDSPに
読み込ませることで、図7〜図9に示すような処理を行
うことが可能となる。
【0182】すなわち、本実施の形態では、画像形成装
置15における画像処理を画像処理装置2の各処理部5
〜14によって行うとしている。しかしながら、これに
限らず、画像処理を行うためのプログラムを記録媒体に
記録し、このプログラムを読み出すことができる情報処
理装置を、画像処理装置2に代えて用いるようにしても
よい。
【0183】この構成では、情報処理装置の演算装置
(DSP、CPU、MPUなど)が記録媒体に記録され
ているプログラムを読み出し、画像処理を実行する。従
って、このプログラム自体が、本発明の画像処理を実現
するといえる。
【0184】ここで、上記の情報処理装置としては、一
般的なコンピュータ(ワークステーションやパーソナル
コンピュータ)の他に、コンピュータに装着される、機
能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができ
る。
【0185】また、上記のプログラムとは、画像処理を
実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プ
ログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム
等)のことである。このプログラムは、単体で使用され
るものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて
用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記
録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM
等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行
されるようなものでもよい。
【0186】また、プログラムを記録させる記録媒体
は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、
装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部
記憶機器として装置に接続するものでもよい。
【0187】このような記録媒体としては、ビデオテー
プやカセットテープなどの磁気テープ、フロッピー(登
録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、
CD−ROM、MO、MD、DVD、CD−R等の光デ
ィスク(光磁気ディスク)、ICカード、光カード等の
メモリカード、マスクROM、EPROM、EEPRO
M、フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用でき
る。
【0188】また、ネットワーク(イントラネット・イ
ンターネット等)を介して情報処理装置と接続されてい
る記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は
ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを
取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワー
ク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の
伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介し
て取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行
うためのプログラムは、装置内にあらかじめ記憶されて
いることが好ましい。
【0189】さらに、本発明を、以下の第1〜3の画像
処理方法、第1の画像処理装置、および、第1の画像形
成装置として表現することもできる。
【0190】第1の画像処理方法は、写真領域内の文字
部分を消去し、不要な情報(銀塩写真の日付入りの写真
をフィルムスキャナで読み取った際にすでに必要のなく
なった日付等の文字情報)を消去し所望の写真原稿を生
成する画像処理方法である。
【0191】具体的には、第1の画像処理方法は、複数
の色成分を含む入力画像データを読み取って入力画像デ
ータに存在する不要部分を消去し、出力画像データを生
成する画像処理方法において、入力画像データを文字領
域・網点領域・写真領域を含む複数の領域に分離する領
域分離処理が備えられており、前記入力画像データに少
なくとも写真領域が含まれているか否かを判断する工程
と、写真領域が含まれると判断された時、写真領域検出
結果を保存しておく工程と、さらに前記写真領域に文字
領域が含まれるか否かを判定し、文字領域が含まれてい
ると判断された場合、文字領域を消去し、消去した領域
に対して周辺領域の情報に基づいて補正処理を行う方法
である。
【0192】日付等の付加情報が付随した画像データを
入力した際に、日付等の付加情報が必要ではないという
場合がある。特にデジタルデータにおいては、画像のプ
ロパティ内に情報が含まれている場合が多く、銀塩写真
に比べて画像内に埋め込む必要性がない場合が存在す
る。こういった要望が生じた場合、一且画像内に埋め込
まれた文字情報を削除するためには画像編集ソフトを用
いてユーザーが手動で補正を行う必要があった。しか
し、多くの画像を補正することは容易ではないため、上
記の方法で補正処理を行うことは有効である。
【0193】また、第2の画像処理方法は、第1の画像
処理方法において、写真領域に文字領域が含まれている
と判断された場合、文字領域を消去し、消去した領域に
対して周辺領域の情報に基づいて行う補正処理として、
モフォロジフィルタを用いる構成である。
【0194】この構成によれば、第1の画像処理方法の
効果を実現するためにモフォロジフィルタを利用し、精
度よく計算量を抑えたかたちで処理を行える。
【0195】また、第3の画像処理方法は、前記第1ま
たは第2の画像処理方法において、前記写真領域に対し
て圧縮処理を行うと共に前記文字領域として検出された
領域の画像データをキャラクターデータに変換し、前記
圧縮された画像データに前記変換されたキャラクターデ
ータを付加する構成である。
【0196】この第3の画像処理方法における一連の処
理を施すことによって、フィルムスキャナなどから読み
込んだ画像内に存在する日付などの付加情報を消去さ
せ、さらに付加情報を画像内タグに埋め込むことが可能
な画像処理方法を提供することが可能になる。これによ
って、記憶装置に原稿を蓄積させながら原稿に前記付加
情報を追加することによって、画像保存サーバとしての
役割を保持するシステムにおいて、間を空けて再度原稿
を出力する際に検索を容易にする(記憶装置に蓄積され
ている画像データの検索を容易に行うことができる)。
【0197】また、第1の画像処理装置は、写真領域内
の文字部分を消去し、銀塩写真の日付入りの写真をフィ
ルムスキャナで読み取った際にすでに必要のなくなった
日付等の文字情報などの不要な情報を消去し、所望の写
真原稿を生成する画像処理装置である。
【0198】具体的には、第1の画像処理装置は、複数
の色成分を含む入力画像データを読み取って、予め定め
られる処理を施して出力画像データとする画像処理装置
において、入力画像データを文字領域・網点領域・写真
領域を含む複数の領域に分離する領域分離手段(領域分
離処理部)が備えられており、領域分離手段は、前記入
力画像データに少なくとも写真領域が含まれているか否
かを判断し、写真領域が含まれると判断された時、検出
結果を保存して、前記写真領域に文字領域が含まれるか
否かを判定し、前記領域分離手段により、写真領域に文
字領域が含まれていると判断された場合、文字領域を消
去し、消去した領域に対して周辺領域の情報に基づいて
補正処理を行う文字領域消去手段(文字消去部)が備え
られている構成である。
【0199】日付等の付加情報が付随した画像データを
入力した際に、日付等の付加情報が必要ではないという
場合がある。特にデジタルデータにおいては、画像のプ
ロパティ内に情報が含まれている場合が多く、銀塩写真
に比べて画像内に埋め込む必要性がない場合が存在す
る。こういった要望が生じた場合、一且画像内に埋め込
まれた文字情報を削除するためには画像編集ソフトを用
いてユーザーが手動で補正を行う必要があった。しか
し、多くの画像を補正することは容易ではないため、上
記の構成で補正処理を行うことは有効である。
【0200】また、第1の画像形成装置は、上記第1の
画像処理装置を備えた構成である。これにより、写真上
の不要な文字などを消去して、高速に所望の画像を出力
し得る画像形成装置を提供できる。
【0201】
【発明の効果】本発明に係る画像処理装置(本画像処理
装置)は、以上のように、写真を読み込むことで作成さ
れた写真データに画像処理を施す画像処理装置におい
て、写真データから、写真に添付された上書き文字に関
する文字データを抽出する抽出手段と、上書き文字の周
辺に位置する周辺写真データに基づいて上書き文字の下
地画像を推測し、前記文字データを前記下地画像に関す
る下地画像データに置き換える置換手段を備える構成で
ある。
【0202】それゆえ、入力された写真データに添付さ
れた上書き文字を抽出し、その上書き文字を消去し、周
辺写真データに基づいて、元の下地画像を復元できる。
これにより、消去したい上書き文字の指定や、上書き文
字の部分に配置する原稿画像の一部の指定を行う必要が
ないため、元の写真画像を復元するための操作の煩雑さ
を解消できるという効果を奏する。
【0203】また、前記置換手段は、上書き文字を構成
する各画素のそれぞれを中心とする所定範囲内にある周
辺写真データの画素から前記下地画像の各画素を推測
し、上書き文字を構成する各画素を、推測された下地画
像の各画素に置き換えることが好ましい。
【0204】それゆえ、置換手段は、上書き文字に含ま
れる各画素をそれぞれ中心画素とし、その中心画素の一
定範囲に含まれる写真データの画素の値に基づいて、前
記下地画像を推測し、上書き文字に含まれる各画素の値
を、下地画像として推測した画素の値に置き換える。こ
れにより、下地画像を精度よく推測でき、より正確に元
の下地画像を復元できるという効果を奏する。
【0205】また、前記置換手段では、上書き文字の周
辺に位置する周辺写真データに基づいて上書き文字の下
地画像を推測し、この下地画像に関する下地画像データ
に前記文字データを置き換えるために、モフォロジフィ
ルタが用いられていることが好ましい。
【0206】それゆえ、前記置換手段では、上書き文字
の周辺の写真データに基づいて前記下地画像を精度よく
推測でき、より正確に元の下地画像を復元できるという
効果を奏する。
【0207】また、モフォロジフィルタを用いると、消
去できないようなサイズの文字に対しては悪影響を与え
ることなくマスクサイズに応じた文字のみを消去できる
という効果を奏する。
【0208】本画像処理装置は、前記抽出手段によって
抽出された文字データをキャラクター文字として変換す
る変換手段と、変換されたキャラクター文字を前記写真
データの画像内タグに付加する付加手段とを備えること
が好ましい。
【0209】それゆえ、前記文字データは、一般にコン
ピュータ等で文字として扱われるキャラクター文字に変
換され、変換されたキャラクター文字をその写真データ
の画像内タグ(プロパティ)に付加する。これにより、
キャラクター文字に基づいて複数の写真データを管理で
きる。さらに、当該写真データの検索を容易にできると
いう効果を併せて奏する。
【0210】一方、本発明に係る画像形成装置は、上記
の画像処理装置を備えている構成である。それゆえ、写
真上の不要な文字などを消去し、所望の画像を出力でき
るという効果を奏する。
【0211】また、本発明に係る画像処理方法(本画像
処理方法)は、以上のように、写真を読み込むことで作
成された写真データに画像処理を施す画像処理方法にお
いて、写真データから、写真に添付された上書き文字に
関する文字データを抽出する抽出ステップと、上書き文
字の周辺に位置する周辺写真データに基づいて上書き文
字の下地画像を推測し、この下地画像に関する下地画像
データに前記文字データを置き換える置換ステップを含
む方法である。
【0212】本画像処理方法は、上記の本画像処理装置
に用いられている画像処理方法である。それゆえ、入力
された写真データに添付された上書き文字を抽出し、そ
の上書き文字を消去し、上書き文字の周辺に位置する写
真データ(周辺写真データ)に基づいて、元の下地画像
を復元できる。これにより、消去したい上書き文字の指
定や、上書き文字の部分に配置する原稿画像の一部の指
定を行う必要がないため、元の写真画像を復元するため
の操作の煩雑さを解消できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の画像
処理工程を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の領域分離処理部の構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像処理方法のライ
ンメモリの構成を説明するための図である。
【図4】図4(a)および図4(b)は上記画像処理方
法における文字領域の消去処理および補正処理を説明す
るための図であって、図4(a)はモフォロジフィルタ
のオープニング処理を用いて両処理がなされた場合を示
し、図4(b)はモフォロジフィルタのクロージング処
理を用いて両処理がなされた場合を示すものである。
【図5】図5(a)は7×7のマスク内において3×3
のマスクの中心に位置できる画素を示し、図5(b)は
5×5のマスク内において3×3のマスクの中心に位置
できる画素を示す図である。
【図6】図6(a)および図6(b)は上記画像処理方
法における文字領域の消去処理および補正処理を説明す
るための図であって、図6(a)は上記オープニング処
理を用いて太い文字領域に両処理がなされた場合を示
し、図6(b)は上記オープニング処理を用いて細い文
字領域に両処理がなされた場合を示すものである。
【図7】上記画像処理方法のプレスキャン時の領域分離
処理工程を示すフローチャートである。
【図8】上記画像処理方法の本スキャン時の領域分離処
理工程を示すフローチャートである。
【図9】上記画像処理方法のモフォロジフィルタの画像
処理工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 操作パネル 2 画像処理装置 3 カラー画像入力装置(画像読取装置) 4 カラー画像出力装置 5 A/D変換部 6 シェーディング補正部 7 入力階調補正部 8 領域分離処理部(抽出手段) 9 文字消去部(置換手段) 10 色補正部 11 黒生成下色除去部 12 空間フィルタ処理部 13 出力階調補正部 14 階調再現処理部 15 画像形成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B050 AA09 BA06 BA15 BA20 DA02 DA04 DA06 EA03 EA06 EA15 EA19 5B057 AA11 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC02 CE04 CE06 CE09 DA08 DB02 DB09 DC16 5C076 AA03 AA13 BA06 CA10 5L096 AA06 BA17 EA35 FA06 FA44 GA55 MA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真を読み込むことで作成された写真デー
    タに画像処理を施す画像処理装置において、 写真データから、写真に添付された上書き文字に関する
    文字データを抽出する抽出手段と、 上書き文字の周辺に位置する周辺写真データに基づいて
    上書き文字の下地画像を推測し、前記文字データを前記
    下地画像に関する下地画像データに置き換える置換手段
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】前記置換手段は、上書き文字を構成する各
    画素のそれぞれを中心とする所定範囲内にある周辺写真
    データの画素から前記下地画像の各画素を推測し、上書
    き文字を構成する各画素を、推測された下地画像の各画
    素に置き換えることを特徴とする請求項1に記載の画像
    処理装置。
  3. 【請求項3】前記置換手段では、上書き文字の周辺に位
    置する周辺写真データに基づいて上書き文字の下地画像
    を推測し、この下地画像に関する下地画像データに前記
    文字データを置き換えるために、モフォロジフィルタが
    用いられていることを特徴とする請求項2に記載の画像
    処理装置。
  4. 【請求項4】前記抽出手段によって抽出された文字デー
    タをキャラクター文字として変換する変換手段と、 変換されたキャラクター文字を前記写真データの画像内
    タグに付加する付加手段とを備えることを特徴とする請
    求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1から4の何れか1項に記載の画像
    処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】写真を読み込むことで作成された写真デー
    タに画像処理を施す画像処理方法において、 写真データから、写真に添付された上書き文字に関する
    文字データを抽出する抽出ステップと、 上書き文字の周辺に位置する周辺写真データに基づいて
    上書き文字の下地画像を推測し、前記文字データを前記
    下地画像に関する下地画像データに置き換える置換ステ
    ップを含むことを特徴とする画像処理方法。
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