JP2004328534A - 画像形成方法、画像処理装置及び画像記録装置 - Google Patents

画像形成方法、画像処理装置及び画像記録装置 Download PDF

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Hiroaki Takano
博明 高野
Tsukasa Ito
司 伊藤
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Konica Minolta Photo Imaging Inc
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Abstract

【課題】撮像装置により得られたデジタル画像データに対し、ディスプレイモニタ、或いは出力デバイスの色再現空間への最適化処理を施す際に、アーティファクトの発生が少なく、効率的な画質向上処理を行う。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置117によれば、撮像装置21により記録された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施され、シーン参照画像データ処理部104により合成標準化処理が施され、シーン参照画像データd4が生成される。そして、シーン参照画像データd4に対して鮮鋭化処理部114により鮮鋭化処理が施され、鑑賞画像参照データ処理部107により最適化処理が施され、鑑賞画像参照データd5が生成され設定入力部109により設定されたデバイスに出力される。
【選択図】 図16

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置により得られたデジタル画像データに対し、出力媒体上に形成される鑑賞画像の画質を最適化なものとするための最適化処理を施す画像処理方法、画像処理装置及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、撮像装置で撮影されたデジタル画像データは、CD−R(Compact Disc Recordable)、フロッピー(登録商標)ディスク、メモリカードなどの記憶デバイスやインターネット経由で配信され、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶、プラズマ等のディスプレイモニタや携帯電話の小型液晶モニタの表示デバイスに表示されたり、デジタルプリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等の出力デバイスを用いてハードコピー画像としてプリントされるなど、その表示・プリント方法は多種多様化してきている。
【0003】
また、デジタル画像データを鑑賞用途で表示・出力する際には、鑑賞に使用するディスプレイモニタ上、或いはハードコピー上において所望の画質が得られるように階調調整、輝度調整、カラーバランス調整、鮮鋭性強調に代表される種々の画像処理を施す事が一般に行われている。
【0004】
こうした多様な表示・プリント方法に対応して、撮像装置で撮影されたデジタル画像データの汎用性を高める努力がなされてきた。その一環として、デジタルRGB(Red, Green, Blue)信号が表現する色空間を撮像装置特性に依存しない色空間に標準化する試みがあり、現在では多くのデジタル画像データが標準化された色空間として「sRGB」を採用している(「Multimedia Systems and Equipment−Colour Measurement and Management−Part2−1:Colour Management−Default RGB Colour Space−sRGB」IEEC”61966−2−1を参照)。このsRGBの色空間は、標準的なCRTディスプレイモニタの色再現領域に対応して設定されている。
【0005】
一般的に、デジタルカメラは、CCD(電荷結合素子(charge coupled device))と、電荷転送機構と、市松模様のカラーフィルタとを組み合わせて感色性を付与した、光電変換機能を有する撮像素子(CCD型撮像素子、以下単にCCDと称する)を備えている。デジタルカメラにより出力されるデジタル画像データは、このCCDを介して変換された電気的な元信号に、撮像素子の光電変換機能の補正(例えば、階調補正、分光感度のクロストーク補正、暗電流ノイズ抑制、鮮鋭化、ホワイトバランス調整、彩度調整等の画像処理)が施され、画像編集ソフトでの読み取り・表示が可能なように規格化された所定形式のデータフォーマットへのファイル変換・圧縮処理等を経たものである。
【0006】
撮像素子の光電変換機能の補正としては、例えば、階調補正、分光感度のクロストーク補正、暗電流ノイズ抑制、鮮鋭化、ホワイトバランス調整、彩度調整等がある。また、規格化された所定形式のデータフォーマットとしては、例えばExif(Exchangeable Image File Format)ファイルの非圧縮ファイルとして採用されている「Baseline TIFF Rev.6.0RGB Full Color Image」、JPEGフォーマットに準拠した圧縮データファイル形式が知られている。
【0007】
Exifファイルは、sRGBに準拠したものであり、撮像素子の光電変換機能の補正は、sRGBに準拠するディスプレイモニタ上で最も好適な画質となるよう設定されている。
【0008】
例えば、どのようなデジタルカメラであっても、Exif形式のように、sRGB信号に準拠したディスプレイモニタの標準色空間(以下、「モニタプロファイル」と称す)で表示する事を示すタグ情報や、画素数、画素配列、及び1画素当たりのビット数などの機種依存情報を示す付加情報をデジタル画像データのファイルヘッダにメタデータとして書き込む機能及びそのようなデータフォーマット形式を採用してさえいれば、デジタル画像データをディスプレイモニタに表示する画像編集ソフト(例えば、Adobe社製Photoshop)によりタグ情報を解析して、モニタプロファイルのsRGBへの変更を促したり、自動的に変更処理を施したりすることが出来る。そのため、異なるディスプレイ間の装置特性の差異を低減したり、デジタルカメラで撮影されたデジタル画像データをディスプレイモニタ上で好適な状態で鑑賞することが可能になっている。
【0009】
また、デジタル画像データのファイルヘッダに書き込まれる付加情報としては、上述した機種依存情報以外にも、例えばカメラ名称やコード番号など、カメラ種別(機種)に直接関係する情報、或いは露出時間、シャッタースピード、絞り値(Fナンバー)、ISO感度、輝度値、被写体距離範囲、光源、ストロボ発光の有無、被写体領域、ホワイトバランス、ズーム倍率、被写体構成、撮影シーンタイプ、ストロボ光源の反射光の量、撮影彩度などの撮影条件設定や、被写体の種類に関する情報などを示すタグ(コード)が用いられている。画像編集ソフトや出力デバイスは、これらの付加情報を読み取り、ハードコピー画像の画質をより好適なものとする機能を備えている。
【0010】
ところで、CRTディスプレイモニタ等の表示デバイスで表示される画像や、各種プリントデバイスによりプリントされたハードコピー画像は、用いられている蛍光体又は色材の構成によって色再現域が異なる。例えば、sRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタの色再現領域は明るい緑や青の領域が広く銀塩写真プリント・インクジェットプリンタ・印刷等のハードコピーでは再現できない領域があり、逆に印刷・インクジェットのシアン領域や銀塩写真の黄色領域にはsRGB標準色空間に対応するCRTディスプレイモニタでは再現できない領域が存在する(例えばコロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編444頁参照)。一方、撮影対象となる被写体シーンの中には、これらのいずれの色再現領域でも再現できない領域色を呈しているものが存在する可能性がある。
【0011】
このように、特定デバイスによる表示・プリントを前提として最適化された色空間(sRGBを含む)には記録可能な色域に制限があるため、撮像装置が取得した情報を記録する際には、記録可能な色域に圧縮してマッピングする調整が必要になる。マッピングの方法としては、記録可能な色域の外にある色度点を最寄の色域境界上へマッピングしてしまうクリッピングが最も簡単であるが、これでは色域外のグラデーションが潰れてしまい、鑑賞時に違和感を覚える画像になってしまう。このため現在では、適当な閾値以上にクロマが高い領域の色度点をクロマの大きさに従って滑らかに圧縮する非線形圧縮が一般に採用されている。この結果、記録可能な色域内部の色度点においてもクロマが圧縮されて記録される事になる。(色域のマッピング方法についての詳細は、例えばコロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編447頁に記載されている。)
【0012】
ところが、上記のような色域・輝度域の圧縮操作をおこなった場合、離散的数値で記録されるデジタル画像の原理に起因して、圧縮前のグラデーション情報やクリッピング前の情報はその時点で失われてしまい、再び元の状態に戻すことができない。この事が高画質デジタル画像データの汎用性において大きな制約になる。
【0013】
例えば、sRGBの標準色空間において記録された画像をプリントデバイスによりプリントする場合は、sRGBの標準色空間とプリントデバイスの色再現域の相違に基づいて再度マッピングが必要になる。しかし、sRGBの標準色空間において記録された画像は、記録時に一旦圧縮された領域のグラデーション情報が失われているので、撮像装置が取得した情報を直接プリントデバイスの色再現域にマッピングする場合に比べてグラデーションの滑らかさが悪化する。また記録時の階調圧縮条件が不適切で、絵が白っぽい、顔が暗い、シャドーの潰れやハイライト領域の白飛びが目立つという問題があった場合、階調設定を変更して画像を改善しようとしても、圧縮前のグラデーション情報、潰れや白飛び部分の情報は既に失われているために、撮像デバイスが取得した情報から新たに画像を作り直す場合と比べて、著しく不十分な改善しか行うことができない。
【0014】
以上に述べてきた問題は、撮像装置が取得した広い色域・輝度域の情報を、鑑賞画像を想定して最適化した状態の鑑賞画像参照データに圧縮して記録する事に起因する。これに対して、撮像装置が取得した広い色域・輝度域の情報を圧縮しないシーン参照画像データとして記録すれば不用意な情報の損失を防止する事ができる。このようなシーン参照画像データを記録するのに適した標準色空間としては例えば「RIMM RGB」(Reference Input Medium Metric RGB)や「ERIMM RGB」(Extended Reference Input Medium Metric RGB)が提案されている(Journal of Imaging Science and Technology 45巻 418〜426頁(2001年)参照)。
【0015】
しかしながら、このような標準色空間で表現されたデータは、直接ディスプレイモニタで表示して鑑賞するには適さない。一般にデジタルカメラにはユーザが撮影前に画角を確認したり撮影後に撮影内容を確認したりするために、ディスプレイモニタが組み込まれているか接続されている。撮影されたデジタル画像データがsRGBのような鑑賞画像参照データとして記録されている場合は、そのデータを変換せずに直接ディスプレイモニタに表示できる利点があったが、撮影されたデジタル画像データがシーン参照画像データとして記録されている場合には、そのデータを表示する為に鑑賞画像参照データとして再変換する処理が必須になる。また、シーン参照画像データから鑑賞画像データとして再変換する際、平滑化処理、鮮鋭化処理等の画質向上処理も併せて施す必要がある。このようなカメラ内における二重の変換処理や画質向上処理は、処理負荷や消費電力を増大させ、連写性の低下や、バッテリー撮影時の撮影枚数制限を招く。
【0016】
平滑化処理、鮮鋭化処理等の画質向上処理は夫々弊害もある。
以下、平滑化処理、鮮鋭化処理に伴う弊害について述べる。
平滑化処理としては、メディアンフィルタや、ノイズの多い周波数帯域のデータを削除することによる圧縮処理などが知られているが、ノイズを抑制し過ぎると視覚的に不自然で違和感のあるアーティファクト(偽画像)が生じたり、本来は抑制してはならない被写体情報を表す画像の微細構造をノイズと共に抑制してしまう等の望ましくない欠点を有している。
また、処理の対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数など)が少ない、ノイズ発生の要因が特定出来ていない、或いは平滑化処理手段が適切でないような場合には、アーティファクトの抑制がより困難なものとなる。
【0017】
一方、鮮鋭化処理としては、アンシャープマスクや、エッジ成分の多い周波数帯域のデータを強調することによる増幅処理などが知られているが、シャープネスを向上させると、逆に画像に含まれているノイズ成分が強調され画質を劣化するといった問題が生じる。
【0018】
このように、平滑化処理と鮮鋭化処理は、夫々の処理による弊害を有するため、出力デバイスにより作成されるハードコピーのサイズや観察距離などによって、平滑化処理と鮮鋭化処理の適用量(適用の度合い)を考慮して最適な組み合わせが決定されるべきである。しかしながら、最適値を求める演算には、経験による処理条件表の作成や、処理条件表参照にかかる時間が必要であったり、アーティファクトの発生量の推定が困難なため、これを抑制するための適切な手段を取りにくいといった問題があった。
【0019】
撮影には銀塩写真感光材料やCCD(charge coupled device)等の固体撮像素子やフォトマルチプライヤ等の撮像管等が用いられるが、これらの手段によって撮影された画像には、いずれにも一定のノイズが含まれており、画質を低下させる要因となっている。
また、デジタルカメラの画像データからハードコピーを作成する際には、その大きさに応じてノイズよりもシャープネスを最適化する方がより効果的であるという実験結果も得ている。
【0020】
ここまで一般的なデジタルカメラについて述べてきたが、撮像デバイス自体がさらに従来のものに比べ、広い色域・輝度域情報を得られるよう改良されることが望ましいことは言うまでもない。固体撮像素子は、入射強度に対するダイナミックレンジが狭いため、特許文献1には、低感度撮像素子部と高感度素子部を備え、それぞれの出力をレベル変換した値を基準電圧と比較していずれかのレベル値の出力を瞬時に切り換えることにより、入射光強度を光電変換して得られる信号のダイナミックレンジを拡大する方法が記載されている。
【0021】
また、特許文献2には、撮像素子の第1の受光素子(高感度撮像素子)と第2の受光素子(低感度撮像素子)とを、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの半分、すなわち1/2ピッチずらしてハニカム状に配置し、第1の受光素子の信号飽和レベルを調整して、第2の信号と合成する方法が記載されている。
【0022】
特許文献3には、撮像素子が高感度映像信号と低感度映像信号とを生成し、高感度映像信号を高量子化分解能、低感度映像信号を低量子化分解能で量子化後、高量子化データが飽和している場合は感度比で合算し、それ以外は高量子化データを選択することにより広ダイナミックレンジ画像を形成する方法が記載されている。
【0023】
他にも特許文献4に記載の、露光域によって低感度撮像素子と、高感度撮像素子の出力値を選択する方法や、特許文献5に記載の、低感度撮像素子と、高感度撮像素子でモアレのない出力値を選択する方法などが記載されている。
【0024】
このような特性の異なる撮像素子を高集積化した撮像部を有するデジタルカメラにおいて、撮像デバイスが取得した広い色域・輝度域の情報を圧縮しないシーン参照画像データ(例えば「RIMM RGB」や「ERIMM RGB」)として記録すれば情報の損失を防止する事ができる。
【0025】
【特許文献1】
特公平8−34558号公報
【特許文献2】
特開2000−125209号公報
【特許文献3】
特開2001−8104号公報
【特許文献4】
特開2003−18445号公報
【特許文献5】
特開2003−18479号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなカメラ内におけるに変換処理や画質向上処理は、処理負荷や消費電力を一層増大させ、連写性の低下や、バッテリー撮影時の撮影枚数制限を招くばかりか、低感度撮像素子と高感度撮像素子を複合して用いるメリットを画質向上に活かす事が難しいといった新たな課題が生じる。
【0027】
本発明の課題は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する広ダイナミックレンジ撮像装置により得られたデジタル画像データに対し、ディスプレイモニタ、或いは出力デバイスの色再現空間への最適化処理を、被写体情報の破棄や圧縮等の情報損失を伴うことなく、何度でも繰り返し実行することが出来、かつ、アーティファクトの発生が少なく、効率的な画質向上処理を行うことが出来る画像形成方法、及びそれを用いる画像処理装置、並びに画像記録装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、前記シーン参照画像データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程において鮮鋭化処理を施すことを特徴としている。
【0029】
請求項2に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、前記シーン参照画像データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程において鑑賞画像参照データを生成した後、鮮鋭化処理を施すことを特徴としている。
【0030】
請求項3に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、前記鑑賞画像参照データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、次に鮮鋭化処理を施すことを特徴としている。
【0031】
請求項4に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、前記シーン参照画像データ生成過程で生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程で鮮鋭化処理を施すことを特徴としている。
【0032】
請求項5に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、前記シーン参照画像データ生成過程で生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程で生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施すことを特徴としている。
【0033】
請求項6に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を行う平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記シーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0034】
請求項7に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0035】
請求項8に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段を備え、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、当該鑑賞画像参照データ生成手段における鑑賞画像参照データの生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段と、鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有することを特徴としている。
【0036】
請求項9に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記平滑化処理されたシーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0037】
請求項10に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0038】
請求項11に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を行う平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記シーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0039】
請求項12に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0040】
請求項13に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段を備え、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、当該鑑賞画像参照データ生成手段における鑑賞画像参照データの生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段と、鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有することを特徴としている。
【0041】
請求項14に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記平滑化処理されたシーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0042】
請求項15に記載の発明は、感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有することを特徴としている。
【0043】
請求項16に記載の発明は、請求項1〜5に記載の発明において、前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴としている。
【0044】
請求項17に記載の発明は、請求項6〜10に記載の発明において、前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴としている。
【0045】
請求項18に記載の発明は、請求項11〜15に記載の発明において、前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴としている。
【0046】
請求項19に記載の発明は、請求項1〜5、16に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴としている。
【0047】
請求項20に記載の発明は、請求項6〜10、17に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴としている。
【0048】
請求項21に記載の発明は、請求項11〜15、18に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴としている。
【0049】
請求項22に記載の発明は、請求項1〜15、16、19に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0050】
請求項23に記載の発明は、請求項6〜10、17、20に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0051】
請求項24に記載の発明は、請求項11〜15、18、21に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0052】
請求項25に記載の発明は、請求項1〜5、16、19、22に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0053】
請求項26に記載の発明は、請求項6〜10、17、20、23に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0054】
請求項27に記載の発明は、請求項11〜15、18、21、24に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴としている。
【0055】
請求項28に記載の発明は、請求項1〜5、16、19、22、25に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴としている。
【0056】
請求項29に記載の発明は、請求項6〜10、17、20、23、26に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴としている。
【0057】
請求項30に記載の発明は、請求項11〜15、18、21、24、27に記載の発明において、前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴としている。
【0058】
請求項31に記載の発明は、請求項1〜5、16、19、22、25、28に記載の発明において、前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴としている。
【0059】
請求項32に記載の発明は、請求項6〜10、17、20、23、26、29に記載の発明において、前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴としている。
【0060】
請求項33に記載の発明は、請求項11〜15、18、21、24、27、30に記載の発明において、前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴としている。
【0061】
請求項34に記載の発明は、請求項1〜5、16、19、22、25、28、31に記載の発明において、前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴としている。
【0062】
請求項35に記載の発明は、請求項6〜10、17、20、23、26、29、32に記載の発明において、前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴としている。
【0063】
請求項36に記載の発明は、請求項11〜15、18、21、24、27、30、33に記載の発明において、前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴としている。
【0064】
請求項37に記載の発明は、請求項1〜5、16、19、22、25、28、31、34に記載の発明において、前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴としている。
【0065】
請求項38に記載の発明は、請求項6〜10、17、20、23、26、29、32、35に記載の発明において、前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴としている。
【0066】
請求項39に記載の発明は、請求項11〜15、18、21、24、27、30、33、36に記載の発明において、前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴としている。
【0067】
次に、上記請求項に記載した本発明の構成について詳しく説明する。
【0068】
本願明細書の記載において「生成」とは、本発明に係る撮像装置、画像処理装置及び画像記録装置内において作用するプログラムや処理回路が、画像信号やデータを新たに作り出すことである。「作成」を同義語として用いることがある。
【0069】
また、「出力媒体」とは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスや、銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等のハードコピー画像生成用の用紙である。
【0070】
また、「鑑賞画像参照データ」とは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスに用いたり、出力デバイスが、銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等の出力媒体上のハードコピー画像生成に用いるデジタル画像データを意味し、出力媒体上において、最適な画像が得られるよう「最適化処理」が施されている状態の画像データを意味する。
【0071】
また、「最適化する画像処理」とは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及び銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等の出力媒体上において、最適な画像を得る為の処理であり、例えばsRGB規格に準拠したCRTディスプレイモニタに表示することを前提とした場合、sRGB規格の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。銀塩印画紙への出力を前提とした場合、銀塩印画紙の色域内で最適な色再現が得られるように処理される。また前記色域の圧縮の以外にも、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減及び出力デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等も含まれる。さらにノイズ抑制、鮮鋭化、カラーバランス調整、彩度調整、或いは覆い焼き処理等の画像処理が行われることは言うまでもない。
【0072】
「感度」とは、被写体の明るさ(輝度)に対する応答特性を表す指標であり、より高感度な撮像素子程、より暗い被写体に対して応答することが出来ることを意味する。一般に撮像素子の感度は、撮像素子の受光面積に比例して増大する。また撮像素子は、光の完全に遮断された状態でも微弱なノイズ信号(暗電流ノイズ、或いはホワイトノイズと称される)を発し、このノイズ信号は撮像素子の感度利得を調整するゲイン値に比例して増大する。前記撮像素子が光の遮断された状態に発するノイズ信号の強度は、受光面積に反比例する特性を有する。
従って、低感度と高感度の2種類の撮像素子で構成する場合、高感度の撮像素子は、低感度の撮像素子に比べ受光面積が大きい、或いは単位面積当りに配置される数が多いことが望ましい。また、高感度の撮像素子は感色性(色弁別能)を有さず、被写体の輝度にのみ応答するモノクロの素子であることが望ましい。
【0073】
「ダイナミックレンジ」とは、被写体の明るさ(輝度)の範囲に対する応答特性を表す指標であり、より広ダイナミックレンジな撮像素子程、より暗い被写体からより明るい被写体に対して応答することが出来ることを意味する。一般に撮像素子のダイナミックレンジは、撮像素子の受光部の材質や構造に依存し、フォトダイオード等の半導体を用いた素子では十分なダイナミックレンジを得ることが出来ない。
また、図2に示すように高感度撮像素子3bは、暗い被写体に対して応答することが出来るが、明るい被写体に対してはダイナミックレンジが不足し、信号が飽和し易い。一方低感度撮像素子3aは、明るい被写体に対しても信号が飽和し難く応答することが出来るが、暗い被写体に対して感度が不足する。従って、低感度撮像素子3aと高感度撮像素子3bの2種類の撮像素子で構成し、よりダイナミックレンジを拡大する場合、夫々のダイナミックレンジの重なりを常に最小にすることが望ましい。
【0074】
例えば、高感度撮像素子3bは、輝度情報のみに対して応答する画素であり、低感度撮像素子3aは、カラー情報のみに対して応答する画素によって構成することができる。
【0075】
本願明細書の記載において、「撮像装置」とは、光電変換機能を有する撮像素子(イメージセンサ)を備えた装置であって、所謂デジタルカメラやスキャナがこれに含まれる。前記撮像素子の一例としては、CCD(電荷結合素子(charge coupled device))と、電荷転送機構と、市松模様のカラーフィルタとを組み合わせ感色性を付与したCCD型撮像素子や、CMOS型撮像素子が挙げられるが、本発明では感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を組み合わせられた撮像装置を用いることが特徴である。
【0076】
例えば、前述した特許文献2に感度の異なる撮像素子を組み合わせた撮像素子の例として、低感度撮像素子と、高感度撮像素子とを、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの半分、すなわち1/2ピッチずらしてハニカム状に配置する固体差撮像素子が記載されている。本発明で用いられる撮像素子は、図1に示すように画素の面積が高感度撮像素子3bより小さくダイナミックレンジが広い低感度撮像素子3aと、画素の面積が低感度撮像素子3aより大きく感度が高い高感度撮像素子3bとを組み合わせてハニカム状に配置されていることが望ましい。
これらの撮像素子の出力電流はA/D変換器によりデジタル化される。この段階での各色チャンネルの内容は、撮像素子固有の分光感度に基づいた信号強度となっている。
【0077】
本発明の実施に際し、用いられる「撮像装置」の種類には次の3つのタイプがあり、夫々に異なる「撮像画像データ」が出力される。1つは請求項3、8、13に記載のように撮像によって「シーン参照画像データ」を生成するタイプ、2つ目は請求項1、2、4〜7、9〜12、14、15に記載のように「シーン参照画像データ」の生成に用いられる、撮像素子(以下、「撮像装置」とも称す。)特性に依存した「シーン参照生データ」である「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」を出力するタイプ、そして3つ目は「鑑賞画像参照データ」を生成するタイプである。
【0078】
「シーン参照生データ」とは、撮像装置から直接出力される生出力データであって、被写体に忠実な情報であり、前記A/D変換器によりデジタル化されたデータそのものや、該データに固定パターンノイズ・暗電流ノイズ等のノイズ補正を行ったデータを意味し、RAWデータがこれに含まれる。このシーン参照生データは、階調変換・鮮鋭性強調・彩度強調のような画像鑑賞時の効果を向上する為にデータ内容を改変する画像処理や、撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を前述のRIMM RGBやsRGB等の標準化された色空間にマッピングする処理が省略されている。
【0079】
本発明に用いられる撮像装置が、複数の前記「シーン参照生データ」を生成するタイプであるとき、撮像素子の感度毎に「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」が生成されることになる。
【0080】
また、撮像素子の感度毎に「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」が生成されるとともに、「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」を合成標準化してシーン参照画像データを生成するための「合成補助データ」も生成される。
【0081】
前記「合成補助データ」とは、少なくとも撮像素子の感度毎に生成された複数のシーン参照生データの識別手段と、撮像素子自体の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を前述のRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピングする事が可能になる情報、すなわち撮像素子固有の分光感度特性かRIMM RGBのような特定の標準色空間に換算する時に使用すべきマトリックス係数が記載されている必要がある。例えば、撮像装置の機種名だけが記載されている場合は、本処理を実施する画像処理装置が機種名と前記マトリックス係数の対応表を保有していない可能性があるので十分なデータとは言えない。また例えば、本処理を実施する際に十分な情報が直接記載されていなくても、該情報のインターネット上での所在個所を示すURLが記載されている場合は、本処理を行うのに十分なデータとみなすことができる。
【0082】
この合成標準化するための「合成補助データ」生成することによって、複数の「シーン参照生データ」が存在しても、異なる「画像処理装置]及び「画像記録装置」での信号値の差異が補正された単一の「合成標準化されたシーン参照画像データ」を生成することができる。
【0083】
本発明において、撮像素子の感度毎に生成される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データの量子化分解能階調数(以下、単に「階調数」と称す。)は、同一であっても良いが、高感度の撮像素子は低感度の撮像素子に比べより階調数が多いことが望ましい。また、撮像素子の被写体輝度に対する応答特性は図2に示すように直線的であることが望ましいが、感度の大きさ毎に異なっていても良い。さらに低感度の撮像素子は、感色性(色弁別能)の異なる少なくとも3種類で構成されていることが望ましい。
【0084】
「シーン参照画像データ」とは、撮像素子の感度毎に生成された複数のシーン参照生データを、主要被写体の明るさ(輝度)、ダイナミックレンジ等に基づき、単一の画像データをして保有し得る情報容量の範囲内に最適化する合成処理、ならびに少なくとも撮像素子自体の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を従来技術で述べたRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピング済みであり、階調変換・鮮鋭性強調・彩度強調のような画像鑑賞時の効果を向上する為にデータ内容を改変する画像処理が省略された状態の画像データを意味する。またシーン参照画像データは、撮像装置の光電変換特性(ISO1452が定義するopto−Electronic conversion function, 例えばコロナ社「ファインイメージングとディジタル写真」(社)日本写真学会出版委員会編449頁参照)の補正を行ったものである事が好ましい。
【0085】
本発明に用いられる撮像装置が、「シーン参照画像データ」を生成するタイプであるとき、シーン参照画像データは撮像装置内において、低感度撮像素子により生成された「低感度シーン参照生データ」と高感度撮像素子により生成された「高感度シーン参照生データ」との合成によって生成される。生成された「シーン参照画像データ」の各画素が、前記「高感度シーン参照生データ」由来か、「低感度シーン参照生データ」由来かを識別する手段を備えなくてはならない。
【0086】
例えば、識別手段としては、「シーン参照画像データ」の画素毎において、「高感度シーン参照生データ」又は「低感度シーン参照生データ」のどちらか一方を選択したかを記録した「合成情報データ」を用いる手段が挙げられる。
【0087】
前記「合成情報データ」とは、前記「合成補助データ」の情報に加え、合成された「シーン参照画像データ」の画素毎に複数の「シーン参照生データ」のどの「シーン参照生データ」由来か、即ち「高感度シーン参照生データ」由来か、もしくは「低感度シーン参照生データ」由来かを識別する情報を有し、「シーン参照画像データ」に対して、複数の「シーン参照生データ」、即ち「低感度シーン参照生データ」と「高感度シーン参照生データ」とに分離することが可能なデータである。また、この「合成情報データ」は、画像ファイル内のヘッダ部に書き込まれるタグ情報として記録されるのが好ましい。
【0088】
従って、複数の「シーン参照生データ」が分割して保有する情報量を保持しつつも、異なる「撮像装置」間での信号値の差異が補正された単一の合成標準化された「シーン参照画像データ」が得られる。
【0089】
合成標準化されたシーン参照画像データの情報量(例えば階調数)は前記A/D変換器の性能に準じ、鑑賞画像参照データで必要とされる情報量(例えば階調数)と同等以上であることが好ましい。例えば、鑑賞画像参照データの階調数が1チャンネルあたり8bitである場合、シーン参照生データの階調数は12bit以上が好ましく、14bit以上がより好ましく、また16bit以上がさらに好ましい。
【0090】
「シーン参照画像データ」は、撮像装置であるデジタルカメラにより取得されるデジタル画像データ以外に、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム、白黒リバーサルフィルム等、アナログカメラにより記録された写真感光材料の駒画像情報を入力するフィルムスキャナ、銀塩印画紙であるカラーペーパー上に再現された画像情報を入力するフラットヘッドスキャナを用いて作成された画像データを用いることもできる。
【0091】
本発明の画像形成方法、画像処理装置及び画像記録装置に用いられる入力データとしては、前述の「シーン参照画像データ」を生成する「撮像装置」を用いて得られる「シーン参照画像データ」が好ましい。しかしながら、撮像装置内における処理負荷や、消費電力を軽減する観点から、前述の「シーン参照画像データ」の生成に用いられる、撮像装置特性に依存した「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」及び「合成補助データ」を出力するタイプの「撮像装置」を用いて得られる「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」がより好ましい。
【0092】
しかし、前述の「鑑賞画像参照データ」を生成するタイプの「撮像装置」を用いる場合、「鑑賞画像参照データ」から「シーン参照画像データ」へと変換する処理を要する。シーン参照画像データへ変換するためには、撮像装置がシーン参照画像データと鑑賞画像参照データとの差分データを求め、鑑賞画像参照データと共にメディアに記録する機能を備える必要があり好ましくない。
【0093】
請求項1、2、4、5記載の本発明の画像処理方法、請求項6、7、9、10記載の本発明の画像処理装置及び請求項11、12、14、15記載の本発明の画像記録装置に用いられる入力データは、「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」と「合成補助データ」を出力するタイプの撮像装置を用いる。また、請求項3記載の本発明の画像処理方法、請求項8記載の本発明の画像処理装置及び請求項13記載の本発明の画像記録装置に用いられる入力データは、「シーン参照画像データ」と「合成情報データ」を出力するタイプの画像装置である。
【0094】
撮像装置内における処理負荷の軽減、シーン参照画像データから高感度シーン参照生データと低感度シーン参照生データに分離に要する手間、或いは高感度シーン参照生データと低感度シーン参照生データ夫々に対する画像処理の精度向上といった観点から、撮像装置としては上記「高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データ」と「合成補助データ」を出力するタイプの撮像装置を用いることが好ましい。
【0095】
画像処理装置及び画像記録装置においては、撮像装置により取得されたデジタル画像データは、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、スマートメディア、マルチメディアカード、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気記憶媒体(MO)、或いはCD−Rなど、公知のあらゆる可搬式の「メディア」に保存されたものを読取手段により読み取ることにより取得することができる。或いはネットワークなどの通信手段を介してデジタル画像データを遠隔地より取得することもできる。
【0096】
「平滑化処理」とは、例えばDCT(Discrete Cosine Transform) などの直交変換やフーリエ変換、或いは直交ウェーブレット変換等の多重解像度変換によって画像データを各周波数領域に分割し、画像の平滑化を周波数領域の低域フィルタを用いて行うものである。具体的には、直交変換による基底画像において、原点を中心とする半径R以内の成分を完全に保存するとともに、その他の成分を除去することによって、或いは、多重解像度変換によって得た特定の解像度に対し、所定の閾値以下を、例えばゼロにするコアリング処理を行って、画像の平滑化を行う。
【0097】
請求項16、17、及び18に記載の「画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタ」とは、画像入力媒体のノイズに基づいて、処理に用いる周辺画素を特定するステップと、特定された周辺画素のピクセル値に基づき、前記注目画素のピクセル値を決定するステップとを有することを特徴とする平滑化フィルタである。たとえばノイズの特性に合わせてマスクの大きさを変更することにより、あるいは注目画素と周辺画素のピクセル値の差分と比較する閾値を変更することにより、処理に用いる周辺画素の範囲を変更し、それにより画質の低下を防止すると共に処理の高速化を図ることができる。
【0098】
また、本発明の平滑化処理はデジタル画像データを輝度情報と色情報に分離し、色情報にのみ平滑化処理を施す方法を用いることができる。この方法により、画像のシャープネスの低下を伴わずに、画像の色ムラを低減することが出来る。
【0099】
本発明では、前記「ノイズ信号」を低減する又は除去するための画像処理であるため、平滑化処理を高感度の撮像素子により取得された画像データ(高感度シーン参照生データ)に対し、低感度の撮像素子により取得された画像データ(低感度シーン参照生データ)に比べ、より強く施すことが特徴である。
【0100】
「鮮鋭化処理」とは、ぼけによる画像の劣化を復元させたり、あるいは目的に応じて画像を見やすくするために、画像におけるエッジを強調する処理のことである。鮮鋭化処理の具体的な方法としては、1次微分演算による強調や2次微分演算(ラプラシアン)による強調などがあるが、比較的自然な強調処理を行うことができることから、ラプラシアンによる強調、或いはアンシャープマスクによる処理が広く用いられている。
【0101】
ラプラシアンによる処理は、原画像の画像データにおける各画素値から、その画像データの各画素におけるラプラシアンをマイナスすることによってエッジの強調が行われる。原画像の画像データにおける各画素値、すなわち原信号をf(i,j)(i,j は座標を表す)、ラプラシアンによる処理が施された後の各画素値、すなわち処理済信号をF(i,j)とすると、上記の処理は、次の式で表される。
【0102】
【数1】
F(i,j)=f(i,j)−∇f(i,j)
【0103】
請求項19、20、21に記載の「鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整される」とは、出力媒体であるCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及び銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等のハードコピー画像生成用の用紙の各種類毎に、前記、例えばアンシャープマスクによるエッジ強調量を調整することである。
出力媒体は勿論、出力デバイスを含めた出力システムの特性により、シャープネスの特性が同じデジタル画像データを出力する場合でも異なる為、本発明によってより主観的に好ましい画質を得られる。
【0104】
請求項22、23、24に記載の「鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整される」とは、出力媒体であるCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及び銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等のハードコピー画像生成用の用紙のサイズ、より好ましくは各種類毎のサイズに応じて、例えばアンシャープマスクによるエッジ強調量を調整することである。出力媒体は勿論、出力デバイスを含めた出力システムの特性により、シャープネスの特性が同じデジタル画像データを出力する場合でも、その出力サイズ(出力媒体と観察者の観察距離との関係も同様である)によりシャープネスの特性が異なる為、本発明によってより主観的に好ましい画質を得られる。
【0105】
請求項25、26、27に記載の「鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整される」とは、主要被写体、例えば人物の顔の大きさに応じて、例えばアンシャープマスクによるエッジ強調量を調整することである。
同じ人物の顔であっても、大きいサイズで出力媒体上に再現した場合、しわなどが目立ち易くなる為、シャープネス強調の度合いは、弱く設定した方が、より主観的に好ましい画質を得ることが出来る。
【0106】
上記「主要被写体のサイズに応じて調整される」とは、「出力媒体のサイズ」、並びに「出力画像の大きさ」と、「出力画像における主要被写体の大きさ」とに基づいて出力媒体上で画像を観察する際により好ましい印象を与えるように、撮影画像を表す画像信号に適用する画像処理の内容、特に鮮鋭化処理の適用量を設定する事である。
【0107】
上記「主要被写体」とは、撮影者が撮影画像の構図を設定する際に、表現の中心的役割を意図して着目した被写体であり、多くの場合には人物、特に顔領域であることが多い。人物の含まれない風景写真の場合も漠然と構図が設定されることは稀であり、ある場合には近景の花・動物・静物が主要被写体であり、別の場合には背景の山・空・雲が主要被写体であったりする。
【0108】
上記「出力画像の大きさ」とは出力媒体上にプリント又は表示された時の撮影画像全域の実寸を意味し、たとえばA4サイズの用紙に印刷された場合には、縁取りの余白を除く190mm×280mm程度の領域が出力画像の大きさとなる。従って、本発明においては「出力画像の大きさ」と、「出力画像における主要被写体の大きさ」の他、請求項22〜24に記載の「出力媒体のサイズ」もまた調整因子となっている。
【0109】
上記「出力画像における主要被写体の大きさ」とは、出力媒体上にプリント又は表示された時の主要被写体領域の実寸を意味し、たとえば同じA4サイズの用紙に印刷された場合でも、人物のクローズアップ写真では50mm〜100mm角の大きさになることが多いし、集合写真や建造物を背景にした人物の記念撮影では10mm〜30mm角程度の大きさになる事が多い。このように、出力画像の大きさが一定である場合でも、出力画像における主要被写体の大きさは撮影者の意図した構図に依存して1画像毎にサイズが異なるものである。
【0110】
上記「出力画像の大きさ」を取得する方法は、本発明の態様が画像記録装置又はプリンタに接続された画像処理装置である場合には、印刷命令の内容から容易に出力画像の大きさを取得する事ができるし、本発明の態様が直接プリンタに接続されずに画像データをファイル又は通信手段に出力する画像処理方法・画像処理装置であった場合でも、想定する出力画像の大きさをユーザが指定することにより、本発明の態様が出力画像の大きさを取得する事が可能になる。
【0111】
また、出力画像の大きさを取得する事ができない状況にあっても「出力画像の大きさを推定する」事により、本発明を実施することが可能である。たとえば出力画像の画素数はユーザが意図する出力メディア上のサイズと強く相関する。1万画素程度の画像はサムネイル・インデックス用途であり出力画像の大きさは数センチ角程度を意図していると推定されるし、200万画素程度の画像はL〜2L版のプリントを意図していると推定される。最も簡単な出力画像の大きさの推定方法は、一般的なカラー画像の印刷条件(例えば300DPI)を仮定して、画像の画素数を出力画像の大きさに換算することにより達成される。
【0112】
上記「出力画像における主要被写体の大きさ」を取得する方法は、ユーザが本発明の態様に命令を与える際に指定を受けたり、撮影画像を表す画像信号に添付された付加情報(所謂タグ情報など)を参照したりする事で達成される。こうした付加情報の添付方法は、独自の情報フォーマットや独立の情報ファイル・信号として与えられてもよいが、より好ましい態様としては、JPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フォーマットに規定されている既存のタグ情報を利用したり、メーカーノートやユーザノートといった自由に使用できる領域を利用することが挙げられる。
【0113】
主要被写体の大きさは、必ずしも出力画像上の実寸で指定される必要はなく、上記「画像内で主要被写体の占める割合」を算出可能にする情報を上記と同様の手段で与えることにしてもよい。たとえば主要被写体の大きさが一辺又は半径の画素数で与えられた場合には、画像全体の画素数と比較することで画像において主要被写体の占める割合が容易に算出され、本発明が前述の方法で取得又は推定した出力画像の大きさを乗じることで出力画像における主要被写体の大きさを容易に算出することができる。
【0114】
また主要被写体の大きさが直接的に指定されない状況でも、「出力画像における主要被写体の大きさ」を推定することにより本発明を実施する事ができる。具体的には画像信号から肌色部分を抽出したり、画像中央部で色相・明度が一定の範囲におさまる範囲を抽出する方法があげられるが、より好ましい方法としては、撮影条件に関する情報を取得し、該情報から主要被写体の占める割合を推定する方法が挙げられる。撮影条件に関する情報の具体例としては、被写体領域・撮影シーンタイプ・被写体距離・ストロボ反射光検出等が挙げられ、これらの情報は独自の情報フォーマットや独立の情報ファイル・信号として与えられてもよいが、より好ましい態様としては、JPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フオーマットに規定されている既存のタグ情報を参照したり、メーカーノートやユーザノートといった自由に使用できる領域を利用することが挙げられる。
【0115】
撮影条件に関する情報から主要被写体の占める割合を推定する方法について、例を挙げて説明する。
たとえば被写体領域の情報が与えられた場合については、この情報が円形領域の中心座標と半径の画素数、あるいは矩形領域の中心座標と縦・横の画素数のように、領域内の画素数を算出可能な形で提供されていれば画像全体の画素数と比較することで画像において主要被写体の占める割合が容易に算出され、本発明が前述の方法で取得又は推定した出力画像の大きさを乗じることで出力画像における主要被写体の大きさを容易に算出することができる。また被写体領域の情報が領域の中心座標の1点のみで与えられた場合には、指定された座標周辺の数画素の平均色相・平均明度を算出して、指定された中心の座標の周辺で色相・明度が該平均値から一定の範囲(例えば色相角の差が10度以内で、明度の差がダイナミックレンジの10%以内)におさまる画素領域を探索することで主要被写体領域の画素数を確定することができる。
【0116】
また、撮影シーンタイプの情報が与えられた場合は、たとえば人物や、ポートレートの撮影であれば主要被写体は人物の顔であり、その直径は画像短辺の1/4〜1/2程度であると推定される。概略値として一律画像短辺画素数の1/3程度の直径円の面積相当の画素数を用いて主要被写体の占める割合と推定できるし、画像短辺の1/4〜1/2程度の肌色領域を画像内から探索することで推定精度を向上させることもできる。また撮影シーンタイプが風景である場合は、画像面積の10%程度を占める主要被写体が存在する場合が多い。また撮影シーンタイプが夜景である場合は、画像全体と比較して明度が高い領域が主要被写体であると推定できる。また、被写体距離の情報が与えられた場合には、主要被写体は人間の顔であると仮定して、一般的なコンパクトカメラのレンズ特性から被写体距離に応じた顔の大きさを算出することによって画像中で主要被写体の占める割合を推定できる。また、ストロボ反射光の情報が与えられた場合は、反射光の有無・強度の情報でおよその被写体距離が推定でき、上記と同様の方法で画像中で主要被写体の占める割合を推定できる。こうした撮影情報が複数与えられた場合には、その組み合わせ判断で推定の精度を向上できることは言うまでもない。
【0117】
本発明は上記の方法で取得又は推定した「出力画像の大きさ」と「出力画像における主要被写体の大きさ」とに基づいて、出力メディア上で画像を観察する際により好ましい印象を与えるように、撮影画像を表す画像信号に適用する画像処理の内容を決定する事を特徴としている。この具体的な画像処理の態様について説明する。
【0118】
所定の大きさの出力媒体にプリント又は表示された撮影画像を人間が鑑賞するとき、その一般的な鑑賞距離は「出力媒体のサイズ」、及び「出力画像の大きさ」により変化する。画像の大きさが写真のL版(86mm×128mm)〜2L版(128mm×172mm)の場合の鑑賞距離は30cm程度であり、画像がこれよりも大きくなる場合には視野内に画像全体を収めるために鑑賞距離が遠くなる。この距離は画像の長辺が視野角約30°におさまる距離になることが多い。逆に画像が小さい場合でも、鑑賞距離が30cmから大きく近づくことはない。この関係を図3に示す。なおここで言う撮影画像とはフィルムカメラやデジタルカメラなどの手段で撮影されたいわゆる写真画像のことを意味する。たとえば出力媒体に額縁のイラストが書かれており、このイラストをテンプレートとしてその内側に撮影画像がはめ込まれている場合は、一般に鑑賞距離は額縁のイラストの大きさでなく、内側の撮影画像の大きさに支配される。従って本発明における「出力画像の大きさ」とは、テンプレートの内側にある鑑賞対象の撮影画像の大きさを意味する。また、ひとつのテンプレート内に大きさの異なる複数の撮影画像がはめ込まれている場合は、各々の撮影画像について個別に出力画像の大きさが定義される。
【0119】
一方、鑑賞者が画像から受ける印象は上記の観察距離における主要被写体の見え方に依存する。一般に人間の視覚において解像度が高いのは視野角10°の範囲と言われており、例えば鑑賞距離が30cmの場合には直径約5cmの範囲が視野角10°の範囲に相当する。視野角は次式で定義される。
【0120】
【数2】
θ=2・tan−1(d/r)
(θ:視野角 d:主要被写体の半径 r:観察距離)
【0121】
画像上の主要被写体の大きさが視野角10°の範囲より小さい場合は、一般にコントラストが強めで、輪郭がくっきりとしたシャープな絵が好まれる。例えば顔が主要被写体で、その直径が5cm以下で小さければ、目鼻立ちがくっきりした写真が好まれる。特に集合写真のように顔の直径が1cm〜2cm程度であれば、人物が見分け易いハイコントラストの絵が好まれる。逆に主要被写体が視野角10°の範囲より大きい場合は、一般にコントラストが軟調でソフトな印象を与える絵が好まれる。例えば顔が主要被写体でその直径が10cmあった場合は、顔の一部の肌が視野角10°の範囲に入ることになる。この状況でコントラストが強すぎたりシャープネスが強すぎたりすると、肌がざらざらした印象を与えたり、目鼻の陰影が強すぎる印象を与えたり、微小部位の彩度変化に違和感を与えたりする。この場合に、コントラストが軟調で鮮鋭度と彩度変化を控えめにすると、肌がなめらかでみずみずしい印象を与える。
【0122】
上記経験則に基づき、「出力媒体のサイズ」、並びに「出力画像の大きさ」から鑑賞距離を推定し、この鑑賞距離と「出力画像における主要被写体の大きさ」とから主要被写体全体の視野角を推定し、この主要被写体全体の視野角に応じて、画像のコントラスト設定・鮮鋭性強調度・粒状ノイズ抑制度・彩度強調度を制御するのが、撮影画像を表す画像信号に適用する画像処理の内容を決定する方法の好ましい態様であり、結果として、出力媒体上で画像を観察する際により好ましい印象を与えることが可能となる。なお、平滑化処理の対象として粒状ノイズを例に挙げ、粒状ノイズ抑制と称し、また、その程度を粒状ノイズ抑制度と称す。また、鮮鋭化処理の程度を鮮鋭性強調度と称す。一例を図4〜図7に示す。また鮮鋭性強調及び粒状ノイズ抑制の方法として中周波数成分の抑制と高周波数成分の強調を併用する技術を用いる場合には、前記主要被写体全体の視野角に応じて、中周波数成分の抑制と高周波数成分の強調の設定を制御することが好ましい。一例を図8、図9に示す。中周波数成分は、カラー画像における粒状を含む空間周波数帯域の成分であり、高周波数成分は、カラー画像におけるエッジ又はテクスチャを含む空間周波数帯域の成分である。
【0123】
なお、ここでは説明のために、「出力媒体のサイズ」、「出力画像の大きさ」と「出力画像における主要被写体の大きさ」とから、鑑賞距離と主要被写体全体の視野角を算出して画像処理条件を決定したが、実際の態様では、撮影画像を表す画像信号を受け取るたびに上記の計算をする必要はなく、「出力媒体のサイズ」、「出力画像の大きさ」と「出力画像における主要被写体の大きさ」とに応じた画像処理条件が予め記載されたルックアップテーブルや、簡単な近似計算式を参照して画像処理条件を決定するのが好ましい。
【0124】
また、本発明においては、上記視野角を算出して画像処理条件を決定すること、並びに画像処理条件が予め記載されたルックアップテーブルや、簡単な近似計算式を参照して画像処理条件を決定する方法は、請求項19〜21に記載のように、出力媒体の種類毎に行われることが望ましい。
【0125】
さらに、本発明においては、撮影画像を表す画像信号が生成されたときに施された画像処理の傾向を取得し、その情報に基づいて前記画像処理の程度を修正する事が好ましい。具体的には、例えば、撮影画像を表す画像信号が生成されたときに施された、コントラスト処理、鮮鋭化処理、彩度処理等の画像処理傾向を取得し、その情報に基づいて前記画像処理の程度を修正する事が好ましい。こうした画像処理傾向に関する情報の取得方法としては、独自の情報フォーマットや独立の情報ファイル・信号として情報を得るようにしても良いが、より好ましい態様としては、JPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フオーマットに規定されている既存のタグ情報を参照したり、メーカーノートやユーザノートといった自由に使用できる領域を利用することがある。こうした情報をもとに、たとえば撮影時に既にコントラストが硬調に設定されているのであれば、画像上の主要被写体の大きさが視野角10°の範囲より小さい場合のコントラスト強調を抑制又は廃止し、画像上の主要被写体の大きさが視野角10°の範囲より大きい場合のコントラスト軟調化の程度を大きくする等、撮影時の画像処理との重複・相反を考慮した形で本発明における画像処理の程度を修正することで、出力画像の画像特性を適正な範囲に収めることができる。
【0126】
請求項28、29、30に記載の「鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整される」とは、撮影シーン判別の結果、例えば主要被写体の種類や撮影シーンの構図に応じて、例えばアンシャープマスクによるエッジ強調量を調整することである。建物のように多くの直線で構成され、空との境界が生じ易い人工的な被写体では、よりシャープ感が求められるが、逆に人物や、花などの生物では、シャープネスは弱めの設定が好まれる。撮影シーンに応じて、より好ましくは部分的にシャープネスの適用量を調整することにより、より主観的に好ましい画質を得ることが出来る。
【0127】
本発明の実施に際しては、請求項19〜21、22〜24、25〜27、28〜30の夫々の処理を複合的に組み合わせて用いることがさらに好ましい。
【0128】
また、本発明の鮮鋭化処理はデジタル画像データを輝度情報と色情報に分離し、輝度情報にのみ鮮鋭化処理を施す方法を用いることができる。この方法により、輝度情報にのみ鮮鋭化処理を施すことにより、色情報の劣化を伴わずに、画像のシャープネスを高めることが出来る。
【0129】
本発明に係る「画像処理装置」は、撮像装置の出力する、撮像装置の撮像装置特性に依存したシーン参照生データを標準化されたシーン参照画像データ及び鑑賞画像参照データに変換する手段を備えている。
【0130】
本発明に係る「画像記録装置」は、画像処理装置が、出力媒体上に鑑賞画像を形成する手段を備えている。
【0131】
本発明の画像処理装置及び画像記録装置は、本発明に係る撮像装置により取得されるデジタル画像データに対し、本発明の画像処理を施す機構以外にも、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム、白黒リバーサルフィルム等、アナログカメラにより記録された写真感光材料の駒画像情報を入力するフィルムスキャナ、銀塩印画紙であるカラーペーパー上に再現された画像情報を入力するフラットヘッドスキャナを備えていても良い。また、本発明の撮像装置以外のデジタルカメラによりより取得され、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、スマートメディア、マルチメディアカード、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気記憶媒体(MO)、或いはCD−Rなど、公知のあらゆる可搬式の「メディア」に保存されたデジタル画像データを読み取る手段、或いはネットワークなどの通信手段を介してデジタル画像データを遠隔地より取得し、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス及び銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等のハードコピー画像生成用の用紙など、公知のあらゆる「記憶媒体」に鑑賞画像を形成する処理手段とを備えていても良い。
【0132】
図10〜13に、本発明に用いられるデジタル画像データのファイル構造を示す。
図10、11に示すように、低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データには合成補助データが添付されている。
図12、13に示すように、シーン参照画像データには合成情報データが添付されている。
また、図11、13に示すように、低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ、シーン参照画像データにはさらに撮影情報データが添付されることが好ましい。
【0133】
「撮影情報データ」とは、撮影時の撮影条件設定の記録であり、Exifファイルのヘッダ部に書き込まれるタグ情報と同じものを含んでも良い。具体的には露出時間、シャッタースピード、絞り値(Fナンバー)、ISO感度、輝度値、被写体距離範囲、光源、ストロボ発光の有無、被写体領域、ホワイトバランス、ズーム倍率、被写体構成、撮影シーンタイプ、ストロボ光源の反射光の量、撮影彩度、被写体の種類に関する情報などを示すタグ(コード)などである。「撮影情報データ」は独立してメディアに保存する態様をとっても良いが、ヘッダ部に書き込まれるタグ情報のような形で画像ファイル内に記録される事が特に好ましい。
【0134】
前記「撮影情報データ」は、撮像装置の露出設定や焦点機能の自動化の為に、カメラに備えられたセンサの撮影時に得た値、前記センサの値から加工されたデータ、或いは前記センサの値に基づいて設定されたカメラの撮影条件に分類されるが、これ以外にも撮像装置に備えられた、撮影モードダイヤル(例えばポートレート、スポーツ、マクロ撮影モード等)や、ストロボ強制発光の設定スイッチ等を撮影者がマニュアルで設定した情報も含まれる。
【0135】
上記「撮影情報データ」を用いた鑑賞画像参照データの最適化の例を下記に示す。
「被写体構成」情報により、例えば部分的に彩度強調処理を施したり、ダイナミックレンジの広いシーンでは、覆い焼き処理を施すことが可能となる。「撮影シーンタイプ」情報により、例えば夜景撮影では、ホワイトバランス調整の度合いを緩め、カラーバランスを特別に調整することが可能となる。「ストロボ光源の反射光の量」情報によって、撮影者と被写体との距離が推定され、例えば肌の白飛びを抑制する画像処理の条件設定に反映させることが出来る。「被写体の種類」情報により、例えば人物撮影では、シャープネスの度合いを緩め、平滑化処理を強めることにより、肌のしわを目立たないようにすることが出来る。
【0136】
また、「撮影情報データ」、「被写体構成」、「撮影シーンタイプ」、「ストロボ光源の反射光の量」、「被写体の種類」情報を補う目的で、「露出時間」、「シャッタースピード」、「絞り値(Fナンバー)」、「ISO感度」、「輝度値」、「被写体距離範囲」、「光源」、「ストロボ発光の有無」、「被写体領域」、「ホワイトバランス」、「ズーム倍率」等の情報を、補助的に用いることが出来る。さらに、「ISO感度」情報からノイズ抑制処理の適用量を調整したり、「光源」情報をホワイトバランスの再調整に用いたりすることが出来る。
【0137】
前記「撮影情報データ」が、「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」又は「シーン参照画像データ」とは独立してメディアに保存する態様である場合には、「撮影情報データ」又は「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」又は「シーン参照画像データ」の何れか一方、又は両方に対し、両者を関連付ける為の情報を付与するか、又は別途関連情報の記載されたステータス情報ファイルを添付する必要がある。
【0138】
本発明の画像形成方法、画像処理装置及び画像記録装置において、「階調特性」、「色再現特性」、或いは「周波数特性」の少なくとも一つを補正し、撮像装置毎の差異のない状態を再現し、撮像装置固有の変換特性を補正する第1のステップ、露出制御処理とグレーバランス調整処理とを施す第2のステップ、及び階調変更処理を施す第3のステップの少なくとも3つのステップより構成されることが望ましい。
【0139】
前記「ステップ」とは、本発明の画像形成方法の処理フロー(流れ)を規定するものであり、第1ステップから第2ステップへと、順番に処理が進行する。このようにステップに分離したことで、より精度向上と効率化が達せられる。
また前記第3のステップにおける階調変更処理は、非線形補正処理を含むことが望ましく、さらに前記第3のステップは、γを補正するステップと、非線形補正処理を施すステップの2つより構成され、先にγを補正する構成であることが好ましい。
【0140】
前記第1のステップは、「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」から「シーン参照画像データ」へと変換するプロセスであり、第2のステップは、より撮像装置固有の差異を無くし画像データの共通化を図るシーン参照画像データへの変換プロセスと、出力媒体上でより主観的に好ましい画質とする鑑賞画像参照データへの変換プロセスの両面を併せ持っており、第1と、第3ステップとの橋渡しを行っている。第3のステップは、出力媒体上でより主観的に好ましい画質とする鑑賞画像参照データへの変換プロセスである。
【0141】
「露出制御処理」とは、撮像画像データ全体の明るさを補正することである。撮像画像データは、前記第1のステップにより、撮像装置固有の被写体情報の表し方は補正され共通化されているものの、撮像装置の露出制御は、撮像装置の自動露出制御(以下、「AE」とも称す。)の性能によりバラツキや、撮影者によるマニュアル設定の違いにより明るさが異なっている。
【0142】
「グレーバランス調整処理」とは、撮影画像データ全体の色の偏りを補正することである。撮像画像データは、前記第1のステップにより、撮像装置固有の被写体情報の表し方は補正され共通化されているものの、撮像装置のグレーバランス制御(例えば、鑑賞光源の色温度補正。)は、撮像装置の自動グレーバランス制御(以下、「AWB」とも称す。)の性能によりバラツキや、撮影者によるマニュアル設定の違いにより色の偏りが異なっている。
【0143】
前記第2のステップにおける露出制御(AE)処理とグレーバランス調整(AWB)処理は、BGR各色毎に設定された入出力変換テーブル(ルックアップテーブル(以下、「LUT」とも称す。))により、同時に調整される態様とすることが望ましい。具体的には、BGR各色のLUTを個々に平行移動させることによりグレーバランスが調整され、同時に平行移動させることにより明るさが調整されるようにする。
【0144】
「階調変更処理」とは、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイス、及び銀塩印画紙、インクジェットペーパー、サーマルプリンタ用紙等のハードコピー画像生成用の用紙等の出力媒体上で、より主観的に好ましく階調を調整することである。具体的には、下記、「非線型補正処理」、「γ補正処理」が含まれる。
【0145】
「非線形補正処理」とは、画像のハイライト部とシャドー部を非線形に修正することにより、出力媒体の濃度の再現域が狭いことに起因する、画像のハイライト部の白飛び、シャドー部に潰れを抑制することである。前記第2のステップ(AE/AWB処理)によりプリントの濃度が上がるような場合には、ハイライト側の階調を硬調化させると共にシャドー側の階調を軟調化させ、逆にプリントの濃度が下がるような場合には、ハイライト側の濃度を軟調化させると共にシャドー側の階調を硬調化させるように修正量を求め、修正曲線に反映させる。
【0146】
「γを補正する」とは、出力媒体上毎に設定された基準階調曲線に修正することである。ここでは、例えば出力媒体が銀塩印画紙の場合、基準階調曲線はS字状の曲線となっており、中間部はγ=1.6に設定されている。階調を硬調化させて、プリンタの出力の見えを良くすること目的とする処理を「γ補正処理」と称する。
【0147】
以下、本発明の平滑化処理を施す工程について詳述する。
請求項1、2の記載において「シーン参照画像データ生成過程」とは、前記「第1のステップ」を意味する。また、請求項6、7、11、12の記載において「シーン参照画像データ生成手段は、前記撮像画像データに対して平滑化処理を施す」とは、前記「第1のステップ」で平滑化処理を施すことを意味する。
本発明では、「第1のステップ」、すなわち「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」から「シーン参照画像データ」へと変換するプロセスにおいて、平滑化処理を施すことを特徴とする。すなわち、ここで平滑化処理の対象となる「ノイズ」は、撮像装置に由来するものである。ノイズは、撮像装置毎に異なる固有のものであり、処理の対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数など)が多く、シーン参照画像データ生成過程においてはノイズ発生の要因がより明確な状態にある為、より適切な平滑化処理手段を用意することが可能となり、結果としてアーティファクトの抑制された平滑化処理を施すことが出来る。
【0148】
請求項4、5、9、10、14、15の記載においては、「生成されたシーン参照画像データ」に対して平滑化処理を施す。即ち、前記「第1のステップ」の後、「第2、第3のステップ」の前工程で平滑化処理を施す。
請求項3、8、13記載においては、撮像によって「シーン参照画像データ」を生成するタイプの撮像装置を用いるため、前記「第1のステップ」は省略されるが、その後で平滑化処理を行うので、本発明により「シーン参照画像データ」を生成するタイプの撮像装置を用いた場合でも、撮像装置において平滑化処理を施しておく必要がないので、撮影装置の処理負荷を軽減出来るメリットを有する。
【0149】
以下、本発明の鮮鋭化処理を施す工程について詳述する。
請求項1、4の記載において「鑑賞画像参照データ生成過程」とは、前記「第2、第3のステップ」を意味する。また、請求項6、11の記載における「鑑賞画像参照データ生成手段は、前記シーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す」及び請求項9、14の記載における「鑑賞画像参照データ生成手段は、前記平滑化処理されたシーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す」とは、前記「第2、第3のステップ」で鮮鋭化処理を施すことを意味する。
本発明では、例えば、出力媒体上でより主観的に好ましい画質とする鑑賞画像参照データへの変換プロセスにおいて、鮮鋭化処理を施すことを特徴とする。すなわち、ここで鮮鋭化処理は、例えば出力デバイス、出力メディアの種類、中でも出力メディアの大きさに応じて最適化されるものであり、結果としてより主観的に好ましい画質が得られることは明らかである。
【0150】
請求項2、5、7、10、12、15の記載においては、「生成された鑑賞画像参照データ」に対して鮮鋭化処理を施す。即ち、前記「第2、第3のステップ」のさらに後工程で鮮鋭化処理を施す。
本発明は、例えば同一の出力デバイス、出力メディアの種類を使用した状況において、出力メディアの大きさのみを変えるような場合においては、前記「第2、第3のステップ」の修正が不要であり、このような場合に、「第2、第3のステップ」を省略することができるので、処理負荷を軽減出来るメリットを有する。
【0151】
請求項3の記載において、「鑑賞画像参照データ生成過程で、平滑化処理を施し、次に鮮鋭化処理を施す」とは、前記「第2、第3ステップ」において、始めに平滑化処理、次いで鮮鋭化処理を施すことである。また、請求項8、13の記載の鑑賞画像参照データ生成手段は「鑑賞画像参照データ生成過程」、即ち、前記「第2、第3ステップ」において、始めに平滑化処理、次いで鮮鋭化処理を施す。
撮像によって「シーン参照画像データ」を生成するタイプの撮像装置を用いる場合には、「第1のステップ」は省略されるが、「第2、第3のステップ」において平滑化処理、鮮鋭化処理を施すようにしたので、本発明により「シーン参照画像データ」を生成するタイプの撮像装置を用いた場合でも、撮像装置において平滑化処理を施しておく必要がないので、撮像装置の処理負荷を軽減出来るメリットを有する。さらに、「第2、第3のステップ」中で平滑化処理及び鮮鋭化処理を施すようにした為、より処理の迅速化が計られる。
【0152】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態では、前述の「シーン参照画像データ」の生成に用いられる、撮像装置特性に依存した「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」、「撮像装置特性補正処理を施す際の再現補助データ」(以下、「合成補助データ」と称す)及び「撮影情報データ」を出力するタイプの「撮像装置」を用いた例を示している。
【0153】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態1について、図面に基づいて説明する。
〈撮像装置21の構成〉
まず、「低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ」、「合成補助データ」及び「撮影情報データ」を出力するタイプの「撮像装置」である撮像装置21について説明する。
【0154】
まず、構成を説明する。
図14は、本発明に係る撮像装置21の機能的構成を示すブロック図である。図14に示すように、撮像装置21は、レンズ1、絞り2、CCD3、アナログ処理回路4、A/D変換器5、一時記憶メモリ6、画像処理部7、ヘッダ処理部8、記憶デバイス9、CCD駆動回路10、制御部11、撮影情報データ処理部12、合成補助データ処理部13、操作部14、表示部15、ストロボ駆動回路16、ストロボ17、焦点距離調整回路18、自動焦点駆動回路19、モータ20等を備えて構成されている。
【0155】
CCD3の撮像素子は、カラー情報に応答する低感度撮像素子3a及び輝度情報に応答する高感度撮像素子3bから構成されており、低感度及び高感度の2種類の信号を得ることができ、低感度素子3aから生成される低感度シーン参照生データは被写体のカラー情報であるカラー画像であり、高感度素子3bから生成される高感度シーン参照生データd2bは被写体の輝度情報であるモノクロ画像である。
また、撮像素子は積層されており、2種類以上の信号を得ることができるものでもよい。
更に、レンズ1からの被写体光を、プリズムなどによって一定周波数毎に分割し、分割された入射光毎にCCDにて電気的な信号(撮像信号)へ光電変換して2種類以上の信号を得ることができるものでもよい。
【0156】
撮像装置21の光学系は、レンズ1、絞り2、低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから形成されるCCD(固体撮像素子)3を備えて構成されている。
レンズ1は、フォーカスの調節を行い、被写体の光画像を結像する。絞り2は、レンズ1を透過した光束の光量を調節する。CCD3は、レンズ1により受光面上に結像された被写体光を、CCD3内の各センサ毎に光の入射量に応じた量の電気的な信号(撮像信号)へ光電変換する。そして、CCD3は、CCD駆動回路10から出力されるタイミングパルスに制御されることにより、この低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号をアナログ処理回路4へ順次出力する。
【0157】
アナログ処理回路4は、CCD3から入力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号に対して、R、G、B信号の増幅やノイズの低減処理等を行う。このアナログ処理回路4における処理は、操作部14からの操作信号に応じ制御部11を介してON/OFFが切り替えられるようになっている。
【0158】
A/D変換器5は、アナログ処理回路4から入力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号をデジタル画像データに変換して出力する。
一時記憶メモリ6は、バッファメモリ等であり、A/D変換器5から出力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからのデジタル画像データを一時格納する。
【0159】
画像処理部7は、表示部15での表示に用いるデジタル画像データの階調補正、分光感度のクロストーク補正、暗電流ノイズ抑制、鮮鋭化、ホワイトバランス調整、彩度調整等の画質向上処理の他、画像サイズの変更、トリミング、アスペクト変換等の処理を行う。この画像処理部7における処理は、操作部14からの操作信号に応じ制御部11を介してON/OFFが切り替えられるようになっている。
【0160】
ヘッダ情報処理部8は、一時記憶メモリ6に格納された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからのデジタル画像データに対して、合成補助データ処理部13により生成された合成補助データd1をヘッダ情報として書き込み処理する(図10参照)。
【0161】
記憶デバイス9は、不揮発性の半導体メモリ等により構成されており、撮影されたデジタル画像データを記録するメモリカード等の記録メディアと、撮像装置21の制御プログラムが記憶された読み出し可能なメモリとにより構成されている。
【0162】
CCD駆動回路10は、制御部11から出力される制御信号をもとにタイミングパルスを出力し、CCD3の駆動制御を行う。
【0163】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶デバイス9に記憶されている撮像装置21の制御プログラムを読み出して、読み出したプログラムに従って撮像装置21全体の制御を行う。具体的には、制御部11は、操作部14からの操作信号に応じて、レンズ1の焦点距離とフォーカス(ピント)を調節するモータ20の制御を行う自動焦点駆動回路19、焦点距離調整回路18、CCD駆動回路10、アナログ処理回路4、一時記憶メモリ6、画像処理部7、操作部14、表示部15、ストロボ駆動回路16及び合成補助データ処理部13の制御を行い、撮影を行う。
【0164】
制御部11は、操作部14により低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから生成された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの出力が指定されると、後述する低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b保存処理を行い、撮影時におけるアナログ処理部4における信号増幅やノイズの低減処理や画像処理部7における処理を省略し、記憶デバイス9の記録メディアに、合成補助データd1及び撮影情報データd3をヘッダ情報として書き込むとともに、撮影されたデジタル画像データを低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bとして記録する(図11参照)。
【0165】
撮影情報データ処理部12は、撮影情報データd3を生成する。撮影情報データd3は、例えばカメラ名称やコード番号など、カメラ種別(機種)に直接関係する情報、或いは露出時間、シャッタースピード、絞り値(Fナンバー)、ISO感度、輝度値、被写体距離範囲、光源、ストロボ発光の有無、被写体領域、ホワイトバランス、ズーム倍率、被写体構成、撮影シーンタイプ、ストロボ光源の反射光の量、撮影彩度などの撮影条件設定や、被写体の種類に関する情報等である。
【0166】
合成補助データ処理部13は、操作部14からの操作信号により、制御部11の制御下においてアナログ処理回路4及び画像処理部7での処理を行わない低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから生成される低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを記憶デバイス9の記録メディアに記録する場合に、この低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを画像素子の感度毎に生成された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの識別データと撮像素子自体の分光光度に基づく各色チャンネルの信号強度をRIMM RGB、ERIMM RGB等の標準化された色空間のシーン参照画像データd4に変換するために必要な情報として合成補助データd1を生成し、ヘッダ情報処理部8に出力する。
【0167】
操作部14には、図示しないレリーズボタン、電源のON/OFFボタン、ズームボタン等の各種機能ボタン、カーソルキー等が設けられ、各ボタンやキーに対応する操作信号を入力信号として制御部11に出力する。本実施の形態において、操作部14は、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの出力を指定するための機能ボタンを備えている。
【0168】
表示部15は、制御部11からの制御信号により、デジタル画像データを表示するとともに、撮像装置21の使用者が撮影に関する設定や条件を確認するための情報を表示する。
【0169】
ストロボ駆動回路16は、制御部11からの制御信号により、被写体輝度が低い時にストロボ17を駆動制御して発光させる。
ストロボ17は、電池電圧を所定の高電圧に昇圧させ、電荷としてコンデンサに蓄える。そして、ストロボ駆動回路16により駆動されることにより、コンデンサに蓄えられた電荷によりX管を発光して、被写体に対して補助光を照射する。
【0170】
焦点距離調整回路18は、制御部11からの制御信号により、レンズ1を移動させて焦点距離を調整するためのモータ20の制御を行う。
自動焦点駆動回路19は、制御部11からの制御信号により、レンズ1を移動させてフォーカス(ピント)を調整するためのモータ20の制御を行う。
【0171】
〈撮像装置21の動作〉
次に、動作について説明する。
図15は、操作部14により、撮影されたデジタル画像データの低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bによる出力が設定され、レリーズスイッチが押下された際に、制御部11の制御により実行される低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b保存処理を示すフローチャートである。以下、図15を参照して低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b保存処理について説明する。
【0172】
制御部11は、操作部14のレリーズボタンが押下されると、各部を制御して撮影を行う(ステップS1)。低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから形成されるCCD3から得られた撮像信号は、A/D変換器5によりデジタル画像データに変換され、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bが生成される(ステップS2)。また、合成補助データ処理部13により合成補助データd1が生成され(ステップS3)、撮影情報データ処理部12により撮影情報データd3が生成される(ステップS4)。
【0173】
低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b、合成補助データd1及び撮影情報データd3の生成後、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bのファイルヘッダに合成補助データd1及び撮影情報データd3がタグ情報として記録、添付され(ステップS5)、添付済みのデータファイルが作成され(ステップS6)、この添付済みのデータファイルが撮像装置21に着脱可能に構成された記憶デバイス9の記録メディアに記録、保存される(ステップS7)。
【0174】
図11は、ステップS7で記憶デバイス9の記録メディアに記録されるデジタル画像データのデータ構造を示す図である。図11に示すように、撮影されたデジタル画像データは、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bとして記録され、そのヘッダ領域に、合成補助データd1及び撮影情報データd3が記録されている。この記録メディアを撮像装置21から取り出して、画像処理装置や画像記録装置等の外部装置に装着することにより、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b、合成補助データd1及び撮影情報データd3をこれらの外部装置に出力することができる。
【0175】
〈画像処理装置117の構成〉
次に、本発明の画像処理装置の実施形態について説明する。
まず、構成を説明する。
図16は本発明に係る画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。図16に示すように、画像処理装置117は、入力部101、ヘッダ情報解析部102、合成補助データd1に基づいて低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに合成標準化処理を施してシーン参照画像データd4を生成するシーン参照画像データ生成部115、シーン参照画像データ生成部115により生成されたシーン参照画像データd4に最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成する鑑賞画像参照データ生成部116により構成されている。シーン参照画像データ生成部115と、鑑賞画像参照データ生成部116にはヘッダ情報解析部102が夫々接続されており、さらに鑑賞画像参照データ生成部116には、記憶デバイス110、出力デバイス111、表示デバイス112が夫々接続可能な状態となっている。以上の各構成要素はCPU等により構成される制御部118の統括的な制御下において動作する。
【0176】
入力部101は、記録メディア装着部(図示せず)を備えている。この装着部に、上述した撮像装置21により撮影されたデジタル画像データ(撮像画像データ)のファイル(図11参照)が記録された記録メディアが装着されると、入力部101は、記録されたデータファイルを読み出して、ヘッダ情報解析部102へ出力する。なお、本実施の形態においては、入力部101は、装着された記録メディアからデータを読み出すこととして説明するが、データ通信ケーブルや、無線又は有線の通信手段を備え、これらの通信手段を介してデータを入力するようにしてもよい。
【0177】
ヘッダ情報解析部102は、入力部101から入力されたデータを解析し、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに添付された合成補助データd1と、撮影情報データd3とに分け、合成補助データd1を合成標準化処理部103aへ、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを平滑化処理部113へ、撮影情報データd3を撮影情報データ処理部106へ出力する。
【0178】
シーン参照画像データ生成部115は、図16に示すように、合成標準化処理部103a、処理条件テーブル103b、平滑化処理部113、シーン参照画像データ処理部104及び一時記憶メモリ105を有して構成されている。シーン参照画像データ生成部115は、本発明の請求項に記載の画像処理装置のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有する。
【0179】
合成標準化処理部103aは、ヘッダ情報解析部102から合成補助データd1が入力されると、処理条件テーブル103bの参照により、シーン参照画像データd4の生成条件を決定する。処理条件テーブル103bは、撮像装置の特性毎に、シーン参照画像データd4を生成するための処理条件を対応付けて記憶するテーブルである。
【0180】
平滑化処理部113は、ヘッダ情報処理部102から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)などの直交変換やフーリエ変換、或いは直交ウェーブレット変換等の多重解像度変換を行って各周波数領域に分割し、周波数領域の低減フィルタを用いて画像の平滑化を行い、シーン参照画像データ生成部104に出力する。平滑化処理は、ノイズの特性に基づいて、マスクの大きさ、マスク形状、注目画素と周辺画素のピクセル値の差分と比較する閾値を変更するフィルタを用いて行う。平滑化処理部113は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の平滑化処理手段としての機能を有する。
また、平滑化処理を高感度の撮像素子により取得された画像データ(高感度シーン参照生データ)に対し、低感度の撮像素子により取得された画像データ(低感度シーン参照生データ)に比べ、より強く施すことが望ましい。
【0181】
シーン参照画像データ処理部104は、平滑化処理部113から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、合成標準化処理部103aにより決定された生成条件により合成標準化処理を施して撮像装置特性に依存しない標準化されたシーン参照画像データd4を生成し、一時記憶メモリ105に出力する。具体的には、合成標準化処理には、少なくとも低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを生成した撮像装置の撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を、例えば前述のRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピングする処理が含まれる。合成方法として、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの信号値とを比較し、閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択する。選択された信号値情報は、合成補助データに記録される。
【0182】
一時記憶メモリ105は、バッファメモリ等により構成され、シーン参照画像データ生成部104により生成されたシーン参照画像データd4を一時的に記憶する。
【0183】
鑑賞画像参照データ生成部116は、図16に示すように、撮影情報データ処理部106、鑑賞画像参照データ処理部107、一時記憶メモリ108、設定入力部109、及び鮮鋭化処理部114を有して構成されている。鑑賞画像参照データ生成部116は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。
【0184】
撮影情報データ処理部106は、ヘッダ情報処理部102から入力された撮影情報データd3に基づいて、撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための生成条件を決定する。
【0185】
設定入力部109は、本画像処理装置117にて生成したデジタル画像データを出力する出力媒体の種類や大きさ、具体的には記憶デバイス110、出力デバイス111、表示デバイス112の種類や出力メディアの大きさに関する操作情報が入力されると、この操作情報を鑑賞画像参照データ処理部107に出力する。
【0186】
鑑賞画像参照データ処理部107は、一時記憶メモリ105からシーン参照画像データd4を読み出して鮮鋭化処理部114に出力し、鮮鋭化処理部114によりシーン参照画像データd4に対して鮮鋭化処理が施されると、この画像データに対して撮影情報データ処理部106で決定された鑑賞画像参照データd5の生成条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先において最適な画像を得るための最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成し、操作情報とともに一時記憶メモリ108へ出力する。最適化処理には、例えば、出力先の色域への圧縮、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、出力デバイスや表示デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等が含まれる。更に、ノイズ抑制、カラーバランス調整、彩度調整、覆い焼き処理等の画像処理が含まれる。
【0187】
鮮鋭化処理部114は、ラプラシアンによる強調或いはアンシャープマスクによる処理により、入力されたシーン参照画像データd4のエッジ強調を行う。エッジ強調量は、設定入力部109により指定された出力媒体の種類及びサイズに応じて調整することにより、出力媒体に適した鮮鋭化処理を施す。更に、鮮鋭化処理部114は、出力画像における主要被写体のサイズを判別し、このサイズに応じてエッジ強調量を調整する。また、デジタル画像データにおける撮影シーンを判別し、撮影シーンに応じてエッジ強調量を調整する。鮮鋭化処理部114は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0188】
一時記憶メモリ108は、バッファメモリ等であり鑑賞画像参照データ処理部107から入力された鑑賞画像参照データd5を一時的に記憶する。
【0189】
〈画像処理装置117の動作〉
図17は、画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Aを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理装置117の動作について説明する。
【0190】
図11に示したデータ構造の記録メディアが装着されると、入力部101により、記録メディアに記録されたデジタル画像データファイルが入力される(ステップS21)。入力されたデジタル画像データは、ヘッダ情報解析部102によりその内容が解析され(ステップS22)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS23)、合成補助データd1(ステップS24)、撮影情報データd3(ステップS25)に分けられ、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b及び合成補助データd1はシーン参照画像データ生成部115へ、撮像情報データd3は鑑賞画像参照データ生成部116へ出力される。
【0191】
合成補助データd1がシーン参照画像データ生成部115へ入力されると、合成標準化処理部103aにより処理条件テーブル103bが参照され、シーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部103aで決定された処理条件に基づいて、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施され(ステップS26)、シーン参照画像データ処理部104により合成標準化処理が施され(ステップS27)、シーン参照画像データd4が生成されて一時記憶メモリ105に記憶される(ステップS28)。
【0192】
撮影情報データd3が鑑賞画像参照データ生成部116へ入力されると、撮影情報データ処理部106により撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は、シーン参照画像データ生成部115の一時記憶メモリ105から読み出され、撮影情報データ処理部106で決定された処理条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、鮮鋭化処理部114により鮮鋭化処理が施され(ステップS29)、鑑賞画像参照データ処理部107により最適化処理が施され(ステップS30)、鑑賞画像参照データd5が生成されて、設定入力部109により設定されたデバイスに出力される(ステップS31)。
【0193】
なお、図16に示すブロック図及び図17に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部113による処理は低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4を生成する過程で施せばよく、また、鮮鋭化処理部114による処理はシーン参照画像データd4から鑑賞画像参照画像データd5を生成する過程で施せばよく、図16に示すブロック図及び図17で示したフローチャートに限定されない。例えば、ヘッダ情報処理部102から低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bをシーン参照画像データ処理部104に出力し、いくつかの合成標準化処理を施した後に平滑化処理部113において平滑化処理を施すのであってもよい。また、鑑賞画像参照データ処理部107により一時記憶メモリ105からシーン参照画像データd4を読み出していくつかの最適化処理を施した後に鮮鋭化処理部114において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0194】
以上説明したように、画像処理装置117によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4の生成過程で夫々異なった条件で平滑化処理を施す。シーン参照画像データd4の生成過程は撮像画像データの合成及び撮像装置特性を補正する過程であり、処理対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数)が多く、撮像装置毎に固有のものであるノイズ発生の原因がより明確な状態であるため、より適切な平滑化処理を施すことができる。
【0195】
また、画像処理装置117によれば、シーン参照画像データd4に対して、鑑賞画像参照データd5の生成過程で鮮鋭化処理を施す。鑑賞画像参照データd5の生成過程は出力デバイス、出力メディアに応じてデジタル画像データを最適化する画像処理を施す過程であり、出力デバイス、出力メディアに応じて鮮鋭化処理を施すことで出力媒体上で主観的に好ましい画像を得ることができる。
【0196】
〈画像記録装置201の構成〉
次に、本発明に係る画像記録装置の好ましい実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態1における画像記録装置201は、本発明の請求項11に記載の画像記録装置に対応するものであり、撮像合成標準化処理部303a、シーン参照画像データ生成部304及び平滑化処理部313を合わせて、本発明の請求項11に記載のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有し、撮影情報データ処理部306、鑑賞画像参照データ生成部307、鮮鋭化処理部314を合わせて、本発明の請求項11に記載の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。また、平滑化処理部313は、本発明の請求項11に記載の平滑化処理手段としての機能を有し、鮮鋭化処理部314は、鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0197】
図18は本発明に係る画像記録装置201の外観構成を示す斜視図である。この実施の形態における画像記録装置201は、表示デバイスであるCRTディスプレイモニタと、銀塩印画紙を出力メディアとして用いる出力デバイスとを備えた例である。
【0198】
画像記録装置201において、本体202の左側面にマガジン装填部203が設けられ、本体202内には出力メディアである銀塩印画紙に露光する露光処理部204と、露光された銀塩印画紙を現像処理して乾燥し、プリントを作成するプリント作成部205が備えられている。作成されたプリントは本体202の右側面に設けられたトレー206に排出される。さらに、本体202の内部には、露光処理部204の上方位置に制御部207が備えられている。
【0199】
また、本体202の上部には、CRT208が配置されている。このCRT208は、プリントを作成しようとする画像情報の画像を画面に表示する表示手段としての機能を有している。CRT208の左側に透過原稿読み込み装置であるところのフィルムスキャナ部209が配置され、右側に反射原稿入力装置210が配置されている。
【0200】
フィルムスキャナ部209や反射原稿入力装置210から読み込まれる原稿として写真感光材料がある。この写真感光材料としては、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム、白黒リバーサルフィルム等が挙げられ、アナログカメラにより撮像した駒画像情報が記録される。フィルムスキャナ部209のフィルムスキャナは、この記録された駒画像情報をデジタル画像データに変換し、駒画像データとすることができる。又、写真感光材料が銀塩印画紙であるカラーペーパーの場合、反射原稿入力装置210のフラットヘッドスキャナで駒画像データに変換することができる。
【0201】
本体202の制御部207の配置位置には、画像読込部214が設けられている。画像読込部214はPCカード用アダプタ214a、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)用アダプタ214bを備え、PCカード213aやFD(フロッピー(登録商標)ディスク)213bが差し込み可能になっている。PCカード213aは、デジタルカメラで撮像して複数の駒画像データが記憶されたメモリを有する。FD213bは、例えばデジタルカメラで撮像された複数の駒画像データが記憶されている。
【0202】
CRT208の前方には、操作部211が配置され、この操作部211は情報入力手段212を備える。情報入力手段212は、例えばタッチパネル等で構成される。
【0203】
前記以外のこの発明に係る駒画像データを有する記録媒体としては、マルチメディアカード、メモリースティック、MDデータ、CD−ROM等が挙げられる。なお、操作部211、CRT208、フィルムスキャナ部209、反射原稿入力装置210、画像読込部214は、本体202に一体的に設けられて装置の構造となっているが、いずれか1つ以上を別体として設けてもよい。
【0204】
更に、本体202の制御部207の配置位置には、画像書込部215が設けられている。画像書込部215にはFD用アダプタ215a、MO用アダプタ215b、光ディスク用アダプタ215cが備えられ、FD216a、MO216b、光ディスク216cが差し込み可能になっており、画像情報を画像記録メディアに書き込むことができるようになっている。
【0205】
更に、制御部207は図示しない通信手段を備え、施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータから直接、撮像画像を表す画像データとプリント命令を受信し、所謂ネットワーク画像出力装置として機能することが可能になっている。
【0206】
〈画像記録装置201の内部構成〉
次に、画像記録装置201の内部構成について説明する。
図19は画像記録装置201の内部構成を示すブロック図である。
【0207】
画像記録装置201の制御部207は、CPU(Central Processing Unit)、記憶部等により構成される。CPUは、記憶部に記憶されている各種制御プログラムを読み出し、該制御プログラムに従って、画像記録装置201を構成する各部の動作を集中制御する。
【0208】
また、制御部207は、画像処理部270を有し、操作部211の情報入力手段212からの入力信号に基づいて、フィルムスキャナ部209や反射原稿入力装置210により原稿画像の読み込みを行わせて取得した画像データ、画像読込部214から読み込まれた画像データ、及び通信手段(入力)240(図20に図示)を介して外部機器より入力された画像データに画像処理を施す。また、画像処理部270において、画像処理された画像データに対して出力形態に応じた変換処理を施して、プリントP1、P2、P3として、或いはモニタ208、画像書込部215、通信手段(出力)241(図20に図示)等により出力する。
【0209】
操作部211には、情報入力手段212が設けられている。情報入力手段212は、例えばタッチパネル等により構成されており、情報入力手段212の押下信号を入力信号として制御部207に出力する。また、操作部211は、キーボードやマウスを備えて構成するようにしてもよい。
【0210】
フィルムスキャナ部209は、アナログカメラQにより撮像されたネガフィルムを現像して得られる現像済のネガフィルムNからの駒画像データを読み込み、反射原稿入力装置210からは駒画像を銀塩印画紙であるカラーペーパーに焼き付けて現像処理したプリントPからの駒画像データを読み込む。
【0211】
画像読込部214は、デジタルカメラQ2により撮像して記憶されたPCカード213aやFD213bの駒画像データを読み出して転送する機能を有する。即ち、画像読込部214は、画像転送手段230としてPCカード用アダプタ、FD用アダプタ等を備え、PCカード用アダプタ214aに装着されたPCカード213aや、FD用アダプタ214bに装着されたFD213bに記録された駒画像データを読み取り、制御部207へ転送する。PCカード用アダプタ214aとしては、例えばPCカードリーダやPCカードスロット等が用いられる。
【0212】
データ蓄積手段271は、画像情報とそれに対応する注文情報(どの駒の画像から何枚プリントを作成するかの情報、プリントサイズの情報等)とを記憶し順次蓄積する。
【0213】
テンプレート記憶手段272は、サンプル識別情報D1、D2、D3に対応してサンプル画像データ(背景画像やイラスト画像等を示すデータ)を記憶すると共に、該サンプル画像データとの合成領域を設定するテンプレートのデータを少なくとも1つ記憶する。ここで、オペレータの操作(このオペレータの操作は、クライアントの指示に基づく)によりテンプレート記憶手段272に予め記憶された複数のテンプレートから所定のテンプレートが選択されると、制御部207は、駒画像情報と当該選択されたテンプレートとを合成し、次いで、オペレータの操作(このオペレータの操作は、クライアントの指示に基づく)によりサンプル識別情報D1、D2、D3が指定されると、当該指定されたサンプル識別情報D1、D2、D3に基づいてサンプル画像データを選択し、当該選択してサンプル画像データと、クライアントにより注文された画像データ及び/又は文字データとを合成して、結果としてクライアントが所望するサンプル画像データに基づくプリントを作成する。このテンプレートによる合成は、周知のクロマキー法によって行なわれる。
【0214】
なお、サンプル識別情報は、サンプル識別情報D1、D2、D3の3種類に限らず、3種類より多くても、また、少なくてもよい。
また、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1、D2、D3は、操作部211から入力される様に構成されているが、サンプル識別情報D1、D2、D3が、プリントのサンプル、又は注文シートに記録されているから、OCR等の読み取り手段により読み取ることができる。あるいはオペレータがキーボードから入力することもできる。
【0215】
このようにプリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1に対応してサンプル画像データを記録しておき、プリントのサンプルを指定するサンプル識別情報D1を入力し、この入力されるサンプル識別情報D1に基づきサンプル画像データを選択し、この選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、種々の実物大のサンプルをユーザが実際に手にしてプリントの注文ができ、幅広いユーザの多様な要求に応じることができる。
【0216】
また、第1のサンプルを指定する第1のサンプル識別情報D2と第1のサンプルの画像データを記憶し、又第2のサンプルを指定する第2のサンプル識別情報D3と第2のサンプルの画像データを記憶し、指定される第1及び第2のサンプル識別情報D2、D3とに基づいて選択されたサンプル画像データと、注文に基づく画像データ及び/又は文字データとを合成し、指定によるサンプルに基づくプリントを作成するため、さらに多種多様の画像を合成することができ、より一層幅広いユーザの多様な要求に応じたプリントを作成することができる。
【0217】
露光処理部204は、画像処理部270で画像データを画像処理して生成された出力用画像データに応じて感光材料に画像の露光を行い、この感光材料をプリント作成部205に送る。プリント作成部205は、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントP1、P2、P3を作成する。プリントP1はサービスサイズ、ハイビジョンサイズ、パノラマサイズ等であり、プリントP2はA4サイズ、プリントP3は名刺サイズのプリントである。
なお、プリントサイズは、プリントP1、P2、P3に限らず、他のサイズのプリントであってもよい。
【0218】
モニタ208は、CRTやLCD等により構成され、制御部207から入力される画像情報を表示する。
【0219】
画像書込部215は、画像搬送部231としてFD用アダプタ15a、MO用アダプタ215b、光ディスク用アダプタ215cが備えられ、FD216a、MO216b、光ディスク216cが差し込み可能になっており、画像データを画像記録メディアに書き込むことができるようになっている。
【0220】
更に、画像処理部270は、通信手段(入力)240(図20に図示)を用いて、施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータから直接、撮像画像を表す画像データとプリント等の作業命令を受信し、遠隔操作で画像処理を実施したりプリントを作成することも可能になっている。
【0221】
また、画像処理部270は、通信手段(出力)241(図20に図示)を用いて、本発明の画像処理を施した後の撮影画像を表す画像データと付帯するオーダー情報を、施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータに対して送付することも可能になっている。
【0222】
このように画像記録装置201は、各種デジタルメディアの画像、及び画像原稿を分割測光して得られた画像情報を取り込む入力手段と、この入力手段から取り入れた入力画像の画像情報を「出力画像の大きさ」と「出力画像における主要被写体の大きさ」という情報を取得又は推定して出力メディア上で画像を観察する際に好ましい印象を与える画像となるように処理を行う画像処理手段と、処理済の画像を表示、又はプリント出力、あるいは画像記録メディアに書き込む画像出力手段、及び通信回線を介して施設内の別のコンピュータやインターネット等を介した遠方のコンピュータに対して画像データと付帯するオーダー情報を送信する通信手段(送信)とを有する。
【0223】
〈画像処理部270の構成〉
図20は、本発明に係る画像処理部270の機能的構成を示すブロック図である。フィルムスキャナ部209から入力された画像データは、フィルムスキャンデータ処理部702において、フィルムスキャナ部固有の校正操作・ネガ原稿の場合のネガポジ反転、ゴミキズ除去、グレーバランス調整、コントラスト調整、粒状ノイズ除去、鮮鋭化強調などが施され、画像調整処理部701に送られる。又、フィルムサイズ、ネガポジ種別、フィルムに光学的或いは磁気的に記録された主要被写体に関わる情報、撮影条件に関する情報(例えばAPSの記載情報内容)などが、併せて画像調整処理部701に出力される。
【0224】
反射原稿入力装置210から入力された画像データは、反射原稿スキャンデータ処理部703において、反射原稿入力装置固有の校正操作、ネガ原稿の場合のネガポジ反転、ゴミキズ除去、グレーバランス調整、コントラスト調整、ノイズ除去、鮮鋭化強調などが施され、画像調整処理部701に出力される。
【0225】
画像転送手段230及び通信手段(入力)240から入力された画像データは、画像データ書式解読処理部704において、そのデータのデータ書式に従い必要に応じて圧縮符号の復元・色データの表現方法の変換等を行い、画像処理部270内の演算に適したデータ形式に変換されて画像調整処理部701に出力される。また、画像データ書式解読処理部704は、上述した撮像装置21による形式の画像データが画像転送手段230手段及び通信手段(入力)240から入力されたか否かを判別し、画像転送手段230手段及び通信手段(入力)240から入力されたと判断した場合には、入力された画像データをヘッダ情報解析部302に出力する。ヘッダ情報解析部302においては、入力された画像データを解析し、合成補助データd1と、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと、撮影情報データd3とに分ける。
【0226】
出力画像の大きさについての指定は操作部211から入力されるが、この他に通信手段(入力)240に送信された出力画像の大きさについての指定や、画像転送手段230により取得された画像データのヘッダ情報・タグ情報に埋め込まれた出力画像の大きさについての指定があった場合には、画像データ書式解読処理部704が該情報を検出し、画像調整処理部701へ転送する。
【0227】
ヘッダ情報解析部302により解析された合成補助データd1は、合成標準化処理部303aに出力され、処理条件テーブル303bに基づき、画像処理条件が決定される。
【0228】
平滑化処理部313は、ヘッダ情報解析部302から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)などの直交変換やフーリエ変換、或いは直交ウェーブレット変換等の多重解像度変換を行って各周波数領域に分割し、周波数領域の低域フィルタを用いて画像の平滑化を行い、シーン参照画像データ生成部304に出力する。平滑化処理は、ノイズの特性に基づいて、マスクの大きさ、マスク形状、注目画素と周辺画素のピクセル値の差分と比較する閾値を変更する低減フィルタを用いて行う。
また、平滑化処理を高感度の撮像素子により取得された画像データ(高感度シーン参照生データ)に対し、低感度の撮像素子により取得された画像データ(低感度シーン参照生データ)に比べ、より強く施すことが望ましい。
【0229】
シーン参照画像データ生成部304は、平滑化処理部313から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、合成標準化処理部303aにより決定された生成条件により合成標準化処理を施して撮像装置特性に依存しない標準化されたシーン参照画像データd4を生成し、鑑賞画像参照データ生成部307に出力する。具体的には、合成標準化処理には、少なくとも低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを生成した撮像装置の撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を、例えば前述のRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピングする処理が含まれる。
合成方法として、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの信号値とを比較し、閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択する。選択された信号値情報は、合成補助データに記録される。
【0230】
ヘッダ情報解析部302により解析された撮影情報データd3は、撮影情報データ処理部306に出力され、鑑賞画像参照データd5の生成に関わる画像処理条件が決定される。
操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701は、出力媒体に適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件を、鑑賞画像参照データ生成部307へと転送する。
【0231】
鮮鋭化処理部314は、ラプラシアンによる強調或いはアンシャープマスクによる処理により、入力されたシーン参照画像データd4のエッジ強調を行う。エッジ強調量を、操作部211により指定された出力媒体の種類及びサイズに応じて調整することにより、出力媒体に適した鮮鋭化処理を施す。更に、鮮鋭化処理部314は、出力画像における主要被写体のサイズを判別し、このサイズに応じてエッジ強調量を調整する。また、出力画像における撮影シーンを判別し、撮影シーンに応じてエッジ強調量を調整する。
【0232】
鑑賞画像参照データ生成部307は、撮影情報データ処理部306で作成された画像処理条件及び画像調整処理部701から送信された画像処理条件に基づき、入力されたシーン参照画像データd4に最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成し、操作情報とともに画像調整処理部701へ出力する。最適化処理には、例えば、出力先の色域への圧縮、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、出力デバイスや表示デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等が含まれる。更に、ノイズ抑制、カラーバランス調整、彩度調整、覆い焼き処理等の画像処理が含まれる。
【0233】
画像調整処理部701では、テンプレート処理が必要な場合にはテンプレート記憶手段272から所定の画像データ(テンプレート)を呼び出す。テンプレート処理部705に画像データを転送し、テンプレートと合成しテンプレート処理後の画像データを再び受け取る。又、画像調整処理部701では、操作部211又は制御部207の指令に基づき、フィルムスキャナ部209、反射原稿入力装置210、画像転送手段230、通信手段(入力)240、テンプレート処理部705から受け取った画像データに対して、後述する方法により出力メディア上で画像を観察する際に好ましい印象を与える画像となるように画像処理を行い出力用のデジタル画像データを生成し、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、画像データ書式作成処理部709、データ蓄積手段271へ送出する。
【0234】
CRT固有処理部706では、画像調整処理部701から受け取った画像データに対して、必要に応じて画素数変更やカラーマッチング等の処理を行い、制御情報等表示が必要な情報と合成した表示用の画像データをCRT208に送出する。プリンタ固有処理部(1)707では、必要に応じてプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等を行い、露光処理部に画像データを送出する。本発明の画像記録装置201に、さらに大判インクジェットプリンタなど、外部プリンタ251を接続する場合には、接続するプリンタ装置ごとにプリンタ固有処理部(2)708を設け、適正なプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等を行うようにする。
【0235】
画像データ書式作成処理部709においては、画像調整処理部701から受け取った画像データに対して、データの圧縮や、必要に応じてJPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フォーマットへの変換を行い、画像搬送部231や通信手段(出力)241へ画像データを転送する。
【0236】
なお、鑑賞画像参照データ生成部307において生成される鑑賞画像参照データd5は、上記CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、プリンタ固有処理部(2)708、画像データ作成処理部709における処理を前提としたものであり、画像データ作成処理部709においては、鑑賞画像参照データd5の書式に基づき、CRT用、露光出力部用、外部プリンタ用、通信手段(出力)用等、最適化した画像データであることを示すステータスファイルを添付した上で、個々に画像搬送部に送信され、保存することが可能である。
【0237】
以上の、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、画像調整処理701、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、プリンタ固有処理部(2)708、画像データ書式作成処理部709、という区分は、画像処理部270の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、たとえば単一のCPUにおけるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
【0238】
また、ヘッダ情報解析部302、合成標準化処理部303a、撮影情報データ処理部306、シーン参照画像データ生成部304、鑑賞画像参照データ生成部307、平滑化処理部313、鮮鋭化処理部314という区分は、画像処理部270における本発明の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、たとえば単一のCPUにおけるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
【0239】
〈画像処理部270の動作〉
図21は、画像処理部270の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Aを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理部270各部の動作について説明する。
【0240】
画像転送手段230又は通信手段(入力)240から画像処理部270にデータが入力され(ステップS41)、画像データ書式解読処理部704により当該入力データが上述した撮像装置21によるデジタル画像データファイルである判別されると(ステップS42)、入力されたデジタル画像データファイルはヘッダ情報解析部302によりその内容が解析され(ステップS43)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS44)、合成補助データd1(ステップS45)、撮影情報データd3(ステップS46)に分けられる。
【0241】
合成補助データd1は合成標準化処理部303aに出力され、合成標準化処理部303aによる処理条件テーブル303bの参照によりシーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部303aで決定された処理条件に基づいて、夫々異なる条件で平滑化処理部313により平滑化処理が施され(ステップS47)、シーン参照画像データ生成部304により合成標準化処理が施され(ステップS48)、シーン参照画像データd4が生成されて鑑賞画像参照データ生成部307に出力される(ステップS49)。
【0242】
撮影情報データd3が撮影情報データ処理部306へ入力されると、撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。また、操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701において、出力先のデバイスや出力メディアの種類や大きさに適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は、撮影情報データ処理部306により決定された処理条件及び画像調整処理部701により決定された画像処理条件に基づき、鮮鋭化処理部314により鮮鋭化処理が施され(ステップS50)、鑑賞画像参照データ生成部307により最適化処理が施される(ステップS51)。そして、鑑賞画像参照データd5が生成され、出力先に応じてCRT固有処理部706、プリンタ固有処理部707、プリンタ固有処理部708、画像データ書式作成処理部709の何れかの処理部に出力される(ステップS52)。鑑賞画像参照データd5は、出力された処理部において、出力先に応じた固有の処理が施され(ステップS53)、操作部211により指定された出力先から出力される(ステップS54)。
【0243】
なお、図21に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部313による処理は低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4を生成する過程で施せばよく、また、鮮鋭化処理部314による処理はシーン参照画像データd4から鑑賞画像参照画像データd5を生成する過程で施せばよく、図21に示すフローチャートに限定されない。例えば、ヘッダ情報処理部302から低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bをシーン参照画像データ生成部304に出力し、シーン参照画像データ生成部304においていくつかの合成標準化処理を施した後に平滑化処理部313において平滑化処理を施すのであってもよい。また、鑑賞画像参照データ生成部307によりいくつかの最適化処理を施した後に鮮鋭化処理部314において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0244】
以上説明したように、画像記録装置201によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4の生成過程で夫々異なった条件で平滑化処理を施す。シーン参照画像データd4の生成過程は撮像画像データの合成及び撮像装置特性を補正する過程であり、処理対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数)が多く、撮像装置毎に固有のものであるノイズ発生の原因がより明確な状態であるため、より適切な平滑化処理を施すことができる。
【0245】
また、画像記録装置201によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して鑑賞画像参照データd5の生成過程で鮮鋭化処理を施す。鑑賞画像参照データd5の生成過程は出力媒体に応じてデジタル画像データを最適化する画像処理を施す過程であり、出力媒体に応じて鮮鋭化処理を施すことにより出力媒体上で主観的に好ましい画像を得ることができる。
【0246】
本実施の形態1の構成により低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b、平滑化処理の施されたシーン参照画像データ、及び平滑化処理及び鮮鋭化処理の施された鑑賞画像参照データを得ることができる。
【0247】
本実施の形態1の画像処理装置117、画像記録装置201は、平滑化処理は処理時間低減のため、比較的ノイズが大きい入力データに対し平滑化処理が施される。本実施の形態1においては平滑化処理部を画像処理装置内に設けたが、平滑化処理部は撮像装置内に設けることもできる。本実施の形態1において鮮鋭化処理部が鑑賞画像参照データを生成する過程にあるため、データの圧縮が施される前に鮮鋭化が施される。このことから画像の色域、階調とのトータルバランス的に優れた鮮鋭化が施され、多くの出力媒体において良好な画像が得られることがわかった。
【0248】
〔実施の形態2〕
以下、本発明に係る実施の形態2について図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態2は、上記実施の形態1で説明したのと同様に撮像装置21で記録されたデジタル画像データを用いた例を示している。
【0249】
〈画像処理部270の構成〉
図22は本実施の形態2における画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。図22に示すように、本実施の形態においては、図16で示した実施の形態1の画像処理装置117の鮮鋭化処理部114の配置が異なっている。即ち、一時記憶メモリ105に記憶されたシーン参照画像データd4は、鑑賞画像参照データ生成部116の鑑賞画像参照データ処理部107により読み出され、鑑賞画像参照データ処理部107により出力先に応じた最適化処理が施されて鑑賞画像参照データd5が生成される。その後、鮮鋭化処理部114により鑑賞画像参照データd5に対して鮮鋭化処理が施され、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成される。
【0250】
なお、その他の本実施の形態2における画像処理装置117の構成は、上述した実施の形態1と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
【0251】
〈画像処理装置117の動作〉
図23は、画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Bを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理装置117の動作について説明する。
【0252】
図11に示したデータ構造の記録メディアが装着されると、入力部101により、記録メディアに記録されたデジタル画像データファイルが入力される(ステップS61)。入力されたデジタル画像データは、ヘッダ情報解析部102によりその内容が解析され(ステップS62)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS63)、合成補助データd1(ステップS64)、撮影情報データd3(ステップS65)に分けられ、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと合成補助データd1はシーン参照画像データ生成部115へ、撮像情報データd3は鑑賞画像参照データ生成部116へ出力される。
【0253】
合成補助データd1がシーン参照画像データ生成部115へ入力されると、合成標準化処理部103aにより処理条件テーブル103bが参照され、シーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部103aで決定された処理条件に基づいて、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施され(ステップS66)、シーン参照画像データ処理部104により合成標準化処理が施され(ステップS67)、シーン参照画像データd4が生成されて一時記憶メモリ105に記憶される(ステップS68)。
【0254】
撮影情報データd3が鑑賞画像参照データ生成部116へ入力されると、撮影情報データ処理部106により撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は一時記憶メモリ105から読み出され、撮影情報データ処理部106で決定された処理条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鑑賞画像参照データ処理部107により最適化処理が施され(ステップS69)、鑑賞画像参照データd5が生成される(ステップS70)。生成された鑑賞画像参照データd5は、鮮鋭化処理部114で鮮鋭化処理が施され(ステップS71)、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成され、設定入力部109により設定されたデバイスに出力される(ステップS72)。
【0255】
なお、図22に示すブロック図及び図23に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部113による処理は低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4を生成する過程で施せばよく、図22に示すブロック図及び図23に示すフローチャートに限定されない。例えば、ヘッダ情報処理部102から低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bをシーン参照画像データ処理部104に出力し、シーン参照画像データ処理部104においていくつかの合成標準化処理を施した後に平滑化処理部113において夫々異なる条件で平滑化処理を施すのであってもよい。
【0256】
以上説明したように、画像処理装置117によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4の生成過程で夫々異なる条件で平滑化処理を施す。シーン参照画像データd4の生成過程は撮像画像データの合成及び撮像装置特性を補正する過程であり、処理対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数)が多く、撮像装置毎に固有のものであるノイズ発生の原因がより明確な状態であるため、より適切な平滑化処理を施すことができる。
【0257】
また、画像処理装置117によれば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データd5の生成後に鮮鋭化処理を施す。そのため、特定の出力デバイス、出力メディアの種類に基づいて最適化処理が施されて生成された鑑賞画像参照データd5について、同一種類の出力デバイス、出力メディアの種類に出力メディアの大きさを変えて出力するような場合において、最適化処理が不要となるので、処理負荷を軽減することができる。
【0258】
〈画像記録装置201の構成〉
次に、本実施の形態2における画像記録装置201の構成及び動作について説明する。
なお、本実施の形態2における画像記録装置201の外観構成、内部構成及び画像処理部270の構成は、データの処理順序が異なる他は上述した実施の形態1と同様であるので、動作説明においてその特徴を説明することとし、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の図示及び説明は省略する。
また、本実施の形態2における画像記録装置201は、本発明の請求項12に記載の画像記録装置に対応するものであり、撮像合成標準化処理部303a、シーン参照画像データ生成部304及び平滑化処理部313を合わせて、本発明の請求項12に記載のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有し、撮影情報データ処理部306、鑑賞画像参照データ生成部307、鮮鋭化処理部314を合わせて、本発明の請求項12に記載の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。また、平滑化処理部313は、本発明の請求項12に記載の平滑化処理手段としての機能を有し、鮮鋭化処理部314は、鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0259】
〈画像記録装置201の動作〉
図24は、画像処理部270の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Bを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理部270各部の動作について説明する。
【0260】
画像転送手段230又は通信手段(入力)240から画像処理部270にデータが入力され(ステップS81)、画像データ書式解読処理部704により当該入力データが上述した撮像装置21によるデジタル画像データファイルである判別されると(ステップS82)、入力されたデジタル画像データファイルはヘッダ情報解析部302によりその内容が解析され(ステップS83)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS84)、合成補助データd1(ステップS85)、撮影情報データd3(ステップS86)に分けられる。
【0261】
合成補助データd1は合成標準化処理部303aに出力され、合成標準化処理部303aによる処理条件テーブル303bの参照によりシーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部303aで決定された処理条件に基づいて、夫々異なる条件で平滑化処理部313により平滑化処理が施され(ステップS87)、シーン参照画像データ生成部304により合成標準化処理が施され(ステップS88)、シーン参照画像データd4が生成されて鑑賞画像参照データ生成部307に出力される(ステップS89)。
【0262】
撮影情報データd3が撮影情報データ処理部306へ入力されると、撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。また、操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701において、出力デバイス及び出力メディアに適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は、撮影情報データ処理部306により決定された処理条件及び画像調整処理部701により決定された画像処理条件に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鑑賞画像参照データ生成部307により最適化処理が施され(ステップS90)、鑑賞画像参照データd5が生成される(ステップS91)。
【0263】
生成された鑑賞画像参照データd5は、鮮鋭化処理部314で鮮鋭化処理が施され(ステップS92)、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成され、操作部211の操作に基づく出力先に応じてCRT固有処理部706、プリンタ固有処理部707、プリンタ固有処理部708、画像データ書式作成処理部709の何れかの処理部に出力される(ステップS93)。鮮鋭化鑑賞画像参照データd6は、出力された処理部において、出力先に応じた固有の処理が施され(ステップS94)、操作部211により指定された出力先から出力される(ステップS95)。
【0264】
なお、図24に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部313による処理は低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4を生成する過程で施せばよく、図24に示すフローチャートに限定されない。例えば、ヘッダ情報処理部302により低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bをシーン参照画像データ生成部304に出力し、シーン参照画像データ生成部304においていくつかの撮像装置特性処理を施した後に平滑化処理部313において夫々異なる条件で平滑化処理を施すのであってもよい。
【0265】
以上説明したように、画像記録装置201によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bからシーン参照画像データd4の生成過程で夫々異なる条件で平滑化処理を施す。シーン参照画像データd4の生成過程は撮像画像データの合成及び撮像装置特性を補正する過程であり、処理対象となるデジタル画像データの情報量(例えば、階調数、画素数)が多く、撮像装置毎に固有のものであるノイズ発生の原因がより明確な状態であるため、より適切な平滑化処理を施すことができる。
【0266】
また、画像記録装置201によれば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データd5の生成後に鮮鋭化処理を施す。そのため、特定の出力デバイス、出力メディアの種類に基づいて最適化処理が施されて生成された鑑賞画像参照データd5について、同一種類の出力デバイス、出力メディアの種類に出力メディアの大きさを変えて出力するような場合において、最適化処理が不要となるので、処理負荷を軽減することができる。
【0267】
このように、本実施の形態2の構成により低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ、平滑化処理の施されたシーン参照画像データ、及び平滑化処理及び鮮鋭化処理の施された鑑賞画像参照データを得ることができる。
【0268】
本実施の形態2の平滑化処理は処理時間低減のため、比較的ノイズが大きい入力データに対し平滑化処理が施される。本実施の形態2においては平滑化処理部を画像処理装置内に設けたが、平滑化処理部は撮影装置内に設けることもできる。本実施の形態2において鮮鋭化処理部が鑑賞画像参照データ作成部より後の工程にあるため、出力情報を基に鮮鋭化処理が施される。このことから特定の出力媒体において非常に鮮鋭性に優れた画像が得られることがわかった。また、比較的画像サイズの小さい鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を行うため、処理時間の短縮化が図れることがわかった。
【0269】
〔実施の形態3〕
以下、本発明の実施の形態3について図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態3は、上記実施の形態1で説明したの撮像装置21とは異なり、「シーン参照画像データ」を出力するタイプを用いる。
〈撮像装置21cの構成〉
「シーン参照画像データ」、「合成情報データ」及び「撮影情報データ」を出力するタイプの「撮像装置」である撮像装置21cについて説明する。
【0270】
まず、構成を説明する。
図25は、本発明の請求項3、8、13記載に係る撮像装置21cの機能的構成を示すブロック図である。図25に示すように、撮像装置21は、レンズ1、絞り2、CCD3、アナログ処理回路4、A/D変換器5、一時記憶メモリ6、画像処理部7、ヘッダ処理部8、記憶デバイス9、CCD駆動回路10、制御部11、撮影情報データ処理部12、合成情報データ処理部13c、操作部14、表示部15、ストロボ駆動回路16、ストロボ17、焦点距離調整回路18、自動焦点駆動回路19、モータ20等を備えて構成されている。
【0271】
CCD3の撮像素子は、カラー情報に応答する低感度撮像素子3a及び輝度情報に応答する高感度撮像素子3bから構成されており、低感度及び高感度の2種類の信号を得ることができ、低感度素子3aから生成される低感度シーン参照生データは被写体のカラー情報であるカラー画像であり、高感度素子3bから生成される高感度シーン参照生データd2bは被写体の輝度情報であるモノクロ画像である。
また、撮像素子は積層されており、2種類以上の信号を得ることができるものでもよい。
更に、レンズ1からの被写体光を、プリズムなどによって一定周波数毎に分割し、分割された入射光毎にCCDにて電気的な信号(撮像信号)へ光電変換して2種類以上の信号を得ることができるものでもよい。
【0272】
撮像装置21の光学系は、レンズ1、絞り2、低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから形成されるCCD(固体撮像素子)3を備えて構成されている。
レンズ1は、フォーカスの調節を行い、被写体の光画像を結像する。絞り2は、レンズ1を透過した光束の光量を調節する。CCD3は、レンズ1により受光面上に結像された被写体光を、CCD3内の各センサ毎に光の入射量に応じた量の電気的な信号(撮像信号)へ光電変換する。そして、CCD3は、CCD駆動回路10から出力されるタイミングパルスに制御されることにより、この低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号をアナログ処理回路4へ順次出力する。
【0273】
アナログ処理回路4は、CCD3から入力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号に対して、R、G、B信号の増幅やノイズの低減処理等を行う。このアナログ処理回路4における処理は、操作部14からの操作信号に応じ制御部11を介してON/OFFが切り替えられるようになっている。
【0274】
A/D変換器5は、アナログ処理回路4から入力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからの撮像信号をデジタル画像データに変換して出力する。
一時記憶メモリ6は、バッファメモリ等であり、A/D変換器5から出力された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからのデジタル画像データを一時格納する。
【0275】
画像処理部7は、表示部15での表示に用いるデジタル画像データの階調補正、分光感度のクロストーク補正、暗電流ノイズ抑制、鮮鋭化、ホワイトバランス調整、彩度調整等の画質向上処理の他、画像サイズの変更、トリミング、アスペクト変換等の処理を行う。この画像処理部7における処理は、操作部14からの操作信号に応じ制御部11を介してON/OFFが切り替えられるようになっている。
【0276】
ヘッダ情報処理部8は、一時記憶メモリ6に格納された低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bからのデジタル画像データに対して、合成情報データ処理部13cにより生成された合成情報データd1cをヘッダ情報として書き込み処理する(図12参照)。
【0277】
記憶デバイス9は、不揮発性の半導体メモリ等により構成されており、撮影されたデジタル画像データを記録するメモリカード等の記録メディアと、撮像装置21cの制御プログラムが記憶された読み出し可能なメモリとにより構成されている。
【0278】
CCD駆動回路10は、制御部11から出力される制御信号をもとにタイミングパルスを出力し、CCD3の駆動制御を行う。
【0279】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶デバイス9に記憶されている撮像装置21cの制御プログラムを読み出して、読み出したプログラムに従って撮像装置21c全体の制御を行う。具体的には、制御部11は、操作部14からの操作信号に応じて、レンズ1の焦点距離とフォーカス(ピント)を調節するモータ20の制御を行う自動焦点駆動回路19、焦点距離調整回路18、CCD駆動回路10、アナログ処理回路4、一時記憶メモリ6、画像処理部7、操作部14、表示部15、ストロボ駆動回路16及び合成情報データ処理部13cの制御を行い、撮影を行う。
【0280】
制御部11は、操作部14により低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから生成された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの合成データであるシーン参照画像データd4の出力が指定されると、後述するシーン参照画像データd4保存処理を行い、撮影時におけるアナログ処理部4における信号増幅やノイズの低減処理や画像処理部7における処理を行い、記憶デバイス9の記録メディアに、合成情報データd1c及び撮影情報データd3をヘッダ情報として書き込むとともに、撮影されたデジタル画像データを低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの合成データとしてのシーン参照画像データとして記録する(図13参照)。
【0281】
撮影情報データ処理部12は、撮影情報データd3を生成する。撮影情報データd3は、例えばカメラ名称やコード番号など、カメラ種別(機種)に直接関係する情報、或いは露出時間、シャッタースピード、絞り値(Fナンバー)、ISO感度、輝度値、被写体距離範囲、光源、ストロボ発光の有無、被写体領域、ホワイトバランス、ズーム倍率、被写体構成、撮影シーンタイプ、ストロボ光源の反射光の量、撮影彩度などの撮影条件設定や、被写体の種類に関する情報等である。
【0282】
合成情報データ処理部13cは、操作部14からの操作信号により、制御部11の制御下においてアナログ処理回路4及び画像処理部7での処理を行った低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから生成される低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを合成し、記憶デバイス9の記録メディアにシーン参照画像データd4として記録する場合に、この低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを撮像素子の感度毎に生成された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの識別情報と、画像素子自体の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度をRIMM RGB、ERIMM RGB等の標準化された色空間のシーン参照画像データd4に変換し、シーン参照画像データの各画素について、低感度画素由来か又は高感度画素由来かを特定するために必要な情報として合成情報データd1cを生成し、ヘッダ情報処理部8に出力する。
【0283】
操作部14には、図示しないレリーズボタン、電源のON/OFFボタン、ズームボタン等の各種機能ボタン、カーソルキー等が設けられ、各ボタンやキーに対応する操作信号を入力信号として制御部11に出力する。本実施の形態において、操作部14は、シーン参照画像データd4の出力を指定するための機能ボタンを備えている。
【0284】
表示部15は、制御部11からの制御信号により、デジタル画像データを表示するとともに、撮像装置21cの使用者が撮影に関する設定や条件を確認するための情報を表示する。
【0285】
ストロボ駆動回路16は、制御部11からの制御信号により、被写体輝度が低い時にストロボ17を駆動制御して発光させる。
ストロボ17は、電池電圧を所定の高電圧に昇圧させ、電荷としてコンデンサに蓄える。そして、ストロボ駆動回路16により駆動されることにより、コンデンサに蓄えられた電荷によりX管を発光して、被写体に対して補助光を照射する。
【0286】
焦点距離調整回路18は、制御部11からの制御信号により、レンズ1を移動させて焦点距離を調整するためのモータ20の制御を行う。
自動焦点駆動回路19は、制御部11からの制御信号により、レンズ1を移動させてフォーカス(ピント)を調整するためのモータ20の制御を行う。
【0287】
〈撮像装置21cの動作〉
次に、動作について説明する。
図26は、操作部14により、撮影されたデジタル画像データのシーン参照画像データd4による出力が設定され、レリーズスイッチが押下された際に、制御部11の制御により実行されるシーン参照画像データd4保存処理を示すフローチャートである。以下、図26を参照してシーン参照画像データd4保存処理について説明する。
【0288】
制御部11は、操作部14のレリーズボタンが押下されると、各部を制御して撮影を行う(ステップS11)。低感度撮像素子3a及び高感度撮像素子3bから形成されるCCD3から得られた撮像信号は、A/D変換器5によりデジタル画像データに変換され、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bが生成される(ステップS12)。
【0289】
制御部11により、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの信号値を比較し、閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択し画像データを合成する(ステップS13)。選択された信号値によってシーン参照画像データが生成される(ステップ14)。
【0290】
選択された信号値が低感度シーン参照生データd2a由来か、又は高感度シーン参照生データd2b由来かを特定するデータとして、合成情報データd1cが生成される(ステップS15)。
【0291】
合成情報データd1cは、画素毎に低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bを関連付けるデータを有しており、信号値を比較して閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択し画像データを合成し、撮像装置固有の分光感度特性が特定の標準空間に換算する時に使用する係数を保持する合成補助データd1の特性を備え、更に合成されたシーン参照画像データの各画素について、低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2b由来かを特定する選択情報を保持している。
【0292】
また、撮影情報データ処理部12により撮影情報データd3が生成される(ステップS16)。
【0293】
シーン参照画像データd4、合成情報データd1c及び撮影情報データd3の生成後、シーン参照画像データd4のファイルヘッダに合成情報データd1c及び撮影情報データd3がタグ情報として記録、添付され(ステップS17)、添付済みのデータファイルが作成され(ステップS18)、この添付済みのデータファイルが撮像装置21cに着脱可能に構成された記憶デバイス9の記録メディアに記録、保存される(ステップS19)。
【0294】
図13は、ステップS39で記憶デバイス9の記録メディアに記録されるデジタル画像データのデータ構造を示す図である。図13に示すように、撮影されたデジタル画像データは、シーン参照画像データd4として記録され、そのヘッダ領域に、合成情報データd1c及び撮影情報データd3が記録されている。この記録メディアを撮像装置21cから取り出して、画像処理装置や画像記録装置等の外部装置に装着することにより、シーン参照画像データd4、合成情報データd1c及び撮影情報データd3をこれらの外部装置に出力することができる。
【0295】
〈画像処理装置117cの構成〉
図27は本実施の形態3における画像処理装置117cの機能的構成を示すブロック図である。図27に示すように、本実施の形態においては、図16で示した実施の形態1の画像処理装置117の平滑化処理部113及び鮮鋭化処理部114の配置が異なっている。即ち、シーン参照画像データd4は一時記憶メモリ105に記憶され、鑑賞画像参照データ生成部116の平滑化処理部113により読み出されて平滑化処理が施され、鮮鋭化処理部114により鮮鋭化処理が施され、鑑賞画像参照データ処理部107により出力先に応じた最適化処理が施されて鑑賞画像参照データd5が生成される。更に、シーン参照データ処理部104から低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部106により、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bが生成される。
【0296】
〈画像処理装置117cの構成〉
次に、本発明の画像処理装置の実施形態について説明する。
まず、構成を説明する。
図27は本発明に係る画像処理装置117cの機能的構成を示すブロック図である。図27に示すように、画像処理装置117は、入力部101、ヘッダ情報解析部102、合成情報データd1cに基づいて合成標準化処理を施してシーン参照画像データd4を生成するシーン参照画像データ生成部115、シーン参照画像データ生成部115により生成されたシーン参照画像データd4に最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成する鑑賞画像参照データ生成部116により構成されている。シーン参照画像データ生成部115と、鑑賞画像参照データ生成部116にはヘッダ情報解析部102が夫々接続されており、さらに鑑賞画像参照データ生成部116には、記憶デバイス110、出力デバイス111、表示デバイス112が夫々接続可能な状態となっている。以上の各構成要素はCPU等により構成される制御部118の統括的な制御下において動作する。
【0297】
入力部101は、記録メディア装着部(図示せず)を備えている。この装着部に、上述した撮像装置21cにより撮影されたデジタル画像データ(撮像画像データ)のファイル(図13参照)が記録された記録メディアが装着されると、入力部101は、記録されたデータファイルを読み出して、ヘッダ情報解析部102へ出力する。なお、本実施の形態においては、入力部101は、装着された記録メディアからデータを読み出すこととして説明するが、データ通信ケーブルや、無線又は有線の通信手段を備え、これらの通信手段を介してデータを入力するようにしてもよい。
【0298】
ヘッダ情報解析部102は、入力部101から入力されたデータを解析し、シーン参照画像データd4と、シーン参照画像データd4に添付された合成情報データd1cと、撮影情報データd3とに分け、合成情報データd1cを合成情報データ処理部103cへ、シーン参照画像データd4をシーン参照画像データ処理部104へ、撮影情報データd3を撮影情報データ処理部106へ出力する。
【0299】
シーン参照画像データ生成部115は、図27に示すように、合成情報データ処理部103c、シーン参照画像データ処理部104、低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部119及び一時記憶メモリ105を有して構成されている。シーン参照画像データ生成部115は、本発明の請求項に記載の画像処理装置のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有する。
【0300】
合成情報データ処理部103cは、ヘッダ情報解析部102から合成情報データd1cが入力されると、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件と、シーン参照画像データd4の生成条件を決定する。
【0301】
シーン参照画像データ処理部104は、ヘッダ情報解析部102から入力されたシーン参照画像データd4と、合成情報データ処理部103cから入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件を低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部119に出力する。
また、平滑化処理部113から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、合成情報データ処理部103cにより決定されたシーン参照画像データd4の生成条件により合成標準化処理を施して撮像装置特性に依存しない標準化された平滑化シーン参照画像データd7を生成し、一次記憶メモリ105に出力する。具体的には、合成標準化処理には、少なくとも低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを生成した撮像装置の撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を、例えば前述のRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピングする処理が含まれる。合成方法として、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの信号値とを比較し、閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択する。
【0302】
一時記憶メモリ105は、バッファメモリ等により構成され、低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部119により生成された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを一次的に記憶し、また、シーン参照画像データ生成部104により生成された平滑化シーン参照画像データd7を一時的に記憶する。
【0303】
低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部119は、シーン参照画像データ処理部104から入力されたシーン参照画像データd4と低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件に基づいて、シーン参照画像データd4に対して、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに分離する。分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、一次記憶メモリ105に出力される。
【0304】
鑑賞画像参照データ生成部116は、図27に示すように、撮影情報データ処理部106、鑑賞画像参照データ処理部107、一時記憶メモリ108、設定入力部109、平滑化処理部113及び鮮鋭化処理部114を有して構成されている。鑑賞画像参照データ生成部116は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。
【0305】
撮影情報データ処理部106は、ヘッダ情報処理部102から入力された撮影情報データd3に基づいて、撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための生成条件を決定する。
【0306】
設定入力部109は、本画像処理装置117にて生成したデジタル画像データを出力する出力媒体の種類や大きさ、具体的には記憶デバイス110、出力デバイス111、表示デバイス112の種類や出力メディアの大きさに関する操作情報が入力されると、この操作情報を鑑賞画像参照データ処理部107に出力する。
【0307】
平滑化処理部113は、一時記憶メモリ105から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)などの直交変換やフーリエ変換、或いは直交ウェーブレット変換等の多重解像度変換を行って各周波数領域に分割し、周波数領域の低減フィルタを用いて画像の平滑化を行い、シーン参照画像データ生成部104に出力する。平滑化処理は、ノイズの特性に基づいて、マスクの大きさ、マスク形状、注目画素と周辺画素のピクセル値の差分と比較する閾値を変更するフィルタを用いて行う。平滑化処理部113は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の平滑化処理手段としての機能を有する。
また、平滑化処理を高感度の撮像素子により取得された画像データ(高感度シーン参照生データ)に対し、低感度の撮像素子により取得された画像データ(低感度シーン参照生データ)に比べ、より強く施すことが望ましい。
【0308】
鮮鋭化処理部114は、ラプラシアンによる強調或いはアンシャープマスクによる処理により、入力された平滑化シーン参照画像データd7のエッジ強調を行う。エッジ強調量は、設定入力部109により指定された出力媒体の種類及びサイズに応じて調整することにより、出力媒体に適した鮮鋭化処理を施す。更に、鮮鋭化処理部114は、出力画像における主要被写体のサイズを判別し、このサイズに応じてエッジ強調量を調整する。また、デジタル画像データにおける撮影シーンを判別し、撮影シーンに応じてエッジ強調量を調整する。鮮鋭化処理部114は、本発明の請求項に記載の画像処理装置の鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0309】
鑑賞画像参照データ処理部107は、平滑化シーン参照画像データd7に対して鮮鋭化処理が施されると、この画像データに対して撮影情報データ処理部106で決定された鑑賞画像参照データd5の生成条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先において最適な画像を得るための最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成し、操作情報とともに一時記憶メモリ108へ出力する。最適化処理には、例えば、出力先の色域への圧縮、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、出力デバイスや表示デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等が含まれる。更に、ノイズ抑制、カラーバランス調整、彩度調整、覆い焼き処理等の画像処理が含まれる。
【0310】
一時記憶メモリ108は、バッファメモリ等であり鑑賞画像参照データ処理部107から入力された鑑賞画像参照データd5を一時的に記憶する。
【0311】
〈画像処理装置117cの動作〉
図28は、画像処理装置117cの各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Cを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理装置117cの動作について説明する。
【0312】
図13に示したデータ構造の記録メディアが装着されると、入力部101により、記録メディアに記録されたデジタル画像データファイルが入力される(ステップS101)。入力されたデジタル画像データは、ヘッダ情報解析部102によりその内容が解析され(ステップS102)、合成情報データd1c(ステップS103)、シーン参照画像データd4(ステップS104)、撮影情報データd3(ステップS105)に分けられ、シーン参照画像データd4及び合成情報データd1cはシーン参照画像データ生成部115へ、撮像情報データd3は鑑賞画像参照データ生成部116へ出力される。
【0313】
合成情報データd1cがシーン参照画像データ生成部115へ入力されると、合成情報データ処理部103cによりシーン参照画像データd4を分離及び合成するための処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は、合成情報データ処理部103cで決定された処理条件に基づいて、低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部119により低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS106)。
分離された低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは、一次記憶メモリ105に記憶される(ステップS107)。
【0314】
撮影情報データd3が鑑賞画像参照データ生成部116へ入力されると、撮影情報データ処理部106により撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは一時記憶メモリ105から読み出され、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS108)。平滑化された低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ処理部104にて再合成され、平滑化シーン参照画像データd7が生成される(ステップS109)平滑化シーン参照画像データd7は一次記憶メモリ105に記憶される(ステップS110)。
次に鮮鋭化処理部114で平滑化シーン参照画像データd7が鮮鋭化処理を施され(ステップS111)、更に鑑賞画像参照データ生成部107において、撮影情報データ処理部106で決定された処理条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鑑賞画像参照データ生成部107により最適化処理が施され(ステップS112)、鑑賞画像参照データd5が生成され、設定入力部109により設定されたデバイスに出力される(ステップS113)。
【0315】
なお、図27に示すブロック図及び図28に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部113による処理はシーン参照画像データd4から鑑賞画像参照データd5を生成する過程で施せばよく、また、鮮鋭化処理部114による処理は平滑化処理部113による処理の後に施されればよく、図27に示すブロック図及び図28に示すフローチャートに限定されない。例えば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データ生成部107においていくつかの最適化処理を施した後に平滑化処理部113において平滑化処理を施し、その後鮮鋭化処理部114において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0316】
以上説明したように、画像処理装置117によれば、撮像装置21から入力されたデジタル画像データに対して、鑑賞画像参照データd5の生成過程で平滑化処理及び鮮鋭化処理を施す。そのため、入力データとしてシーン参照画像データd4が入力された際にも適切かつ迅速な平滑化処理、鮮鋭化処理を行うことができる。
【0317】
〈画像記録装置201の構成〉
次に、本実施の形態3における画像記録装置201の構成及び動作について説明する。なお、本実施の形態3における画像記録装置201の外観構成、内部構成は、データの処理順序が異なる他は上述した実施の形態1と同様であるので、画像処理部270cの構成及び動作説明においてその特徴を説明することとし、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の図示及び説明は省略する。
【0318】
なお、本実施の形態3における画像記録装置201は、本発明の請求項13に記載の画像記録装置に対応するものであり、合成情報データ処理部303c、シーン参照画像データ生成部304を合わせて、本発明の請求項13に記載のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有し、撮影情報データ処理部306、鑑賞画像参照データ生成部307、平滑化処理部313、鮮鋭化処理部314を合わせて、本発明の請求項13に記載の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。また、平滑化処理部313は、本発明の請求項13に記載の平滑化処理手段としての機能を有し、鮮鋭化処理部314は、鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0319】
〈画像処理部270cの構成〉
図29は、本発明に係る画像処理部270cの機能的構成を示すブロック図である。フィルムスキャナ部209から入力された画像データは、フィルムスキャンデータ処理部702において、フィルムスキャナ部固有の校正操作・ネガ原稿の場合のネガポジ反転、ゴミキズ除去、グレーバランス調整、コントラスト調整、粒状ノイズ除去、鮮鋭化強調などが施され、画像調整処理部701に送られる。又、フィルムサイズ、ネガポジ種別、フィルムに光学的或いは磁気的に記録された主要被写体に関わる情報、撮影条件に関する情報(例えばAPSの記載情報内容)などが、併せて画像調整処理部701に出力される。
【0320】
反射原稿入力装置210から入力された画像データは、反射原稿スキャンデータ処理部703において、反射原稿入力装置固有の校正操作、ネガ原稿の場合のネガポジ反転、ゴミキズ除去、グレーバランス調整、コントラスト調整、ノイズ除去、鮮鋭化強調などが施され、画像調整処理部701に出力される。
【0321】
画像転送手段230及び通信手段(入力)240から入力された画像データは、画像データ書式解読処理部704において、そのデータのデータ書式に従い必要に応じて圧縮符号の復元・色データの表現方法の変換等を行い、画像処理部270c内の演算に適したデータ形式に変換されて画像調整処理部701に出力される。また、画像データ書式解読処理部704は、上述した撮像装置21による形式の画像データが画像転送手段230手段及び通信手段(入力)240から入力されたか否かを判別し、画像転送手段230手段及び通信手段(入力)240から入力されたと判断した場合には、入力された画像データをヘッダ情報解析部302に出力する。ヘッダ情報解析部302においては、入力された画像データを解析し、合成情報データd1cと、シーン参照画像データd4と、撮影情報データd3とに分ける。
【0322】
出力画像の大きさについての指定は操作部211から入力されるが、この他に通信手段(入力)240に送信された出力画像の大きさについての指定や、画像転送手段230により取得された画像データのヘッダ情報・タグ情報に埋め込まれた出力画像の大きさについての指定があった場合には、画像データ書式解読処理部704が該情報を検出し、画像調整処理部701へ転送する。
【0323】
ヘッダ情報解析部302により解析された合成情報データd1cは、合成情報データ処理部303cに出力され、画像処理条件が決定される。
【0324】
合成情報データ処理部303cは、ヘッダ情報解析部302から合成情報データd1cが入力されると、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件と、シーン参照画像データd4の生成条件を決定する。
【0325】
シーン参照画像データ生成部304は、ヘッダ情報解析部102から入力されたシーン参照画像データd4と、合成情報データ処理部103cから入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件を低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部319に出力する。
また、平滑化処理部313から入力された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、合成情報データ処理部303cにより決定された生成条件により合成標準化処理を施して撮像装置特性に依存しない標準化された平滑化シーン参照画像データd7を生成し、鑑賞画像参照データ生成部307に出力する。具体的には、合成標準化処理には、少なくとも低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bを生成した撮像装置の撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を、例えば前述のRIMM RGBやERIMM RGBなどの標準色空間にマッピングする処理が含まれる。
合成方法として、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの信号値とを比較し、閾値等の基準に従ってどちらか一方の信号値を選択する。
【0326】
低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部319は、シーン参照画像データ処理部304から入力されたシーン参照画像データd4と低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bの生成条件に基づいて、シーン参照画像データd4に対して、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに分離する。分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、データ蓄積手段271に出力される。
【0327】
ヘッダ情報解析部302により解析された撮影情報データd3は、撮影情報データ処理部306に出力され、鑑賞画像参照データd5の生成に関わる画像処理条件が決定される。
操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701は、出力媒体に適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件を、鑑賞画像参照データ生成部307へと転送する。
【0328】
平滑化処理部313は、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して、例えば、DCT(Discrete Cosine Transform)などの直交変換やフーリエ変換、或いは直交ウェーブレット変換等の多重解像度変換を行って各周波数領域に分割し、周波数領域の低域フィルタを用いて画像の平滑化を行い、シーン参照画像データ生成部304に出力する。平滑化処理は、ノイズの特性に基づいて、マスクの大きさ、マスク形状、注目画素と周辺画素のピクセル値の差分と比較する閾値を変更する低減フィルタを用いて行う。
また、平滑化処理を高感度の撮像素子により取得された画像データ(高感度シーン参照生データ)に対し、低感度の撮像素子により取得された画像データ(低感度シーン参照生データ)に比べ、より強く施すことが望ましい。
【0329】
鮮鋭化処理部314は、ラプラシアンによる強調或いはアンシャープマスクによる処理により、入力された平滑化シーン参照画像データd7のエッジ強調を行う。エッジ強調量を、操作部211により指定された出力媒体の種類及びサイズに応じて調整することにより、出力媒体に適した鮮鋭化処理を施す。更に、鮮鋭化処理部314は、出力画像における主要被写体のサイズを判別し、このサイズに応じてエッジ強調量を調整する。また、出力画像における撮影シーンを判別し、撮影シーンに応じてエッジ強調量を調整する。
【0330】
鑑賞画像参照データ生成部307は、撮影情報データ処理部306で作成された画像処理条件及び画像調整処理部701から送信された画像処理条件に基づき、入力された平滑化シーン参照画像データd7に最適化処理を施して鑑賞画像参照データd5を生成し、操作情報とともに画像調整処理部701へ出力する。最適化処理には、例えば、出力先の色域への圧縮、16bitから8bitへの階調圧縮、出力画素数の低減、出力デバイスや表示デバイスの出力特性(LUT)への対応処理等が含まれる。更に、ノイズ抑制、カラーバランス調整、彩度調整、覆い焼き処理等の画像処理が含まれる。
【0331】
画像調整処理部701では、テンプレート処理が必要な場合にはテンプレート記憶手段272から所定の画像データ(テンプレート)を呼び出す。テンプレート処理部705に画像データを転送し、テンプレートと合成しテンプレート処理後の画像データを再び受け取る。又、画像調整処理部701では、操作部211又は制御部207の指令に基づき、フィルムスキャナ部209、反射原稿入力装置210、画像転送手段230、通信手段(入力)240、テンプレート処理部705から受け取った画像データに対して、後述する方法で出力メディア上で画像を観察する際に好ましい印象を与える画像となるように画像処理を行い出力用のデジタル画像データを生成し、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、画像データ書式作成処理部709、データ蓄積手段271へ送出する。
【0332】
CRT固有処理部706では、画像調整処理部701から受け取った画像データに対して、必要に応じて画素数変更やカラーマッチング等の処理を行い、制御情報等表示が必要な情報と合成した表示用の画像データをCRT208に送出する。プリンタ固有処理部(1)707では、必要に応じてプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等を行い、露光処理部に画像データを送出する。本発明の画像記録装置201に、さらに大判インクジェットプリンタなど、外部プリンタ251を接続する場合には、接続するプリンタ装置ごとにプリンタ固有処理部(2)708を設け、適正なプリンタ固有の校正処理、カラーマッチング、画素数変更等を行うようにする。
【0333】
画像データ書式作成処理部709においては、画像調整処理部701から受け取った画像データに対して、データの圧縮や、必要に応じてJPEG、TIFF、Exif等に代表される各種の汎用画像フォーマットへの変換を行い、画像搬送部231や通信手段(出力)241へ画像データを転送する。
【0334】
なお、鑑賞画像参照データ生成部307において生成される鑑賞画像参照データd5は、上記CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、プリンタ固有処理部(2)708、画像データ作成処理部709における処理を前提としたものであり、画像データ作成処理部709においては、鑑賞画像参照データd5の書式に基づき、CRT用、露光出力部用、外部プリンタ用、通信手段(出力)用等、最適化した画像データであることを示すステータスファイルを添付した上で、個々に画像搬送部に送信され、保存することが可能である。
【0335】
以上の、フィルムスキャンデータ処理部702、反射原稿スキャンデータ処理部703、画像データ書式解読処理部704、画像調整処理701、CRT固有処理部706、プリンタ固有処理部(1)707、プリンタ固有処理部(2)708、画像データ書式作成処理部709、という区分は、画像処理部270の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、たとえば単一のCPUにおけるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
【0336】
また、ヘッダ情報解析部302、合成情報データ処理部303c、撮影情報データ処理部306、シーン参照画像データ生成部304、鑑賞画像参照データ生成部307、平滑化処理部313、鮮鋭化処理部314、低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部319という区分は、画像処理部270cにおける本発明の機能の理解を助けるために設けた区分であり、必ずしも物理的に独立したデバイスとして実現される必要はなく、たとえば単一のCPUにおけるソフトウエア処理の種類の区分として実現されてもよい。
【0337】
〈画像記録装置201の動作〉
図30は、画像処理部270cの各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Cを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理部270c各部の動作について説明する。
【0338】
画像転送手段230又は通信手段(入力)240から画像処理部270にデータが入力され(ステップS121)、画像データ書式解読処理部704により当該入力データが上述した撮像装置21cによるデジタル画像データファイルである判別されると(ステップS122)、入力されたデジタル画像データファイルはヘッダ情報解析部302によりその内容が解析され(ステップS123)、合成情報データd1c(ステップS124)、シーン参照画像データd4(ステップS125)、撮影情報データd3(ステップS126)に分けられる。
【0339】
合成情報データd1cは合成情報データ処理部303cに出力され、合成情報データ処理部303cにより、シーン参照画像データd4を及び合成するための処理条件が決定される。シーン参照画像データd4は、合成情報データ処理部303cで決定された処理条件に基づいて、低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部319により低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS127)。
分離された低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは、データ蓄積手段271に記憶される(ステップS128)。
【0340】
低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは、データ蓄積手段271から読み出され、平滑化処理部313において、夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS129)。平滑化された低感度シーン参照生データd2aと高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ生成部304にて再合成され、平滑化シーン参照画像データd7が生成され(ステップS130)、平滑化シーン参照画像データd7はデータ蓄積手段271に記憶される(ステップS131)。
次に鮮鋭化処理部314により平滑化シーン参照画像データd7に対して鮮鋭化処理が施され(ステップS132)、鑑賞画像参照データ生成部307に出力される。
【0341】
撮影情報データd3が撮影情報データ処理部306へ入力されると、撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。また、操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701において、出力デバイス及び出力メディアに適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件が決定される。平滑化処理及び鮮鋭化処理が施されたシーン参照画像データd4は、撮影情報データ処理部306により決定された処理条件及び画像調整処理部701により決定された画像処理条件に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鑑賞画像参照データ生成部307により最適化処理が施され(ステップS133)、鑑賞画像参照データd5が生成され、操作部211の操作に基づく出力先に応じてCRT固有処理部706、プリンタ固有処理部707、プリンタ固有処理部708、画像データ書式作成処理部709の何れかの処理部に出力される(ステップS134)。鑑賞画像参照データd5は、出力された処理部において、出力先に応じた固有の処理が施され(ステップS135)、操作部211により指定された出力先から出力される(ステップS136)。
【0342】
なお、図30に示すフローチャートは一例であり、平滑化処理部313による処理はシーン参照画像データd4から鑑賞画像参照データd5を生成する過程で施せばよく、また、鮮鋭化処理部314による処理は平滑化処理部313による処理の後に施されればよく、図30に示すフローチャートに限定されない。例えば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データ生成部307においていくつかの最適化処理を施した後に平滑化処理部313において平滑化処理を施し、その後鮮鋭化処理部314において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0343】
以上説明したように、画像記録装置201によれば、撮像装置21cから入力されたデジタル画像データに対して、鑑賞画像参照データd5の生成過程で平滑化処理及び鮮鋭化処理を施す。そのため、入力データとしてシーン参照画像データd4が入力された際にも適切かつ迅速な平滑化処理、鮮鋭化処理を行うことができる。
【0344】
上記説明した本実施の形態3の構成により低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ、シーン参照画像データ、及び平滑化処理及び鮮鋭化処理の施された鑑賞画像参照データを得ることができる。
【0345】
本実施の形態3の平滑化処理は処理時間低減のため、比較的ノイズが大きい入力データに対し平滑化処理が施される。本実施の形態3においては装置特性補正データによる補正処理が行われた後に平滑化処理が行われるため、最適にノイズ除去が施されることがわかった。また、処理時間の短縮化が図れることがわかった。
【0346】
〔実施の形態4〕
以下、本発明に係る実施の形態4について図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態4は、上記実施の形態1で説明したのと同様に撮像装置21で記録されたデジタル画像データを用いた例を示している。
【0347】
〈画像処理装置117の構成〉
図31は本実施の形態4における画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。図31に示すように、本実施の形態4においては、図16で示した実施の形態1の画像処理装置117の平滑化処理部113の配置が異なっている。即ち、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して合成標準化処理が行われて生成されたシーン参照画像データd4は平滑化処理部113で平滑化処理が施され、平滑化シーン参照画像データd7が生成されて一時記憶メモリ105に記憶される。
【0348】
なお、その他の本実施の形態4における画像処理装置117の構成は、上述した実施の形態1と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
【0349】
〈画像処理装置117の動作〉
図32は、画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Dを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理装置117の動作について説明する。
【0350】
図11に示したデータ構造の記録メディアが装着されると、入力部101により、記録メディアに記録されたデジタル画像データファイルが入力される(ステップS141)。入力されたデジタル画像データは、ヘッダ情報解析部102によりその内容が解析され(ステップS142)、合成補助データd1(ステップS143)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS144)、撮影情報データd3(ステップS145)に分けられ、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと合成補助データd1はシーン参照画像データ生成部115へ、撮像情報データd3は鑑賞画像参照データ生成部116へ出力される。
【0351】
合成補助データd1がシーン参照画像データ生成部115へ入力されると、合成標準化処理部103aにより処理条件テーブル103bが参照され、シーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部103aで決定された処理条件に基づいて、シーン参照画像データ生成部104により合成標準化処理が施され(ステップS146)、シーン参照画像データd4が生成される(ステップS147)。
【0352】
シーン参照画像データd4を生成する際、画素毎に低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bのどちらか一方を選択した情報を合成補助データd1に書き込み、この選択情報が書き込まれた合成補助データd1を合成情報データd1cとして、一次記憶メモリ105に記録する(ステップS148)。
【0353】
合成情報データd1cは、合成補助データd1の情報と低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを合成した際の画素毎の選択情報を保持しているため、後述するシーン参照画像データd4を低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離及び、分離された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを再合成するためのデータである。
【0354】
シーン参照画像データ処理部104において生成されたシーン参照画像データd4は、合成情報データd1cに基づいて低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS150)。
分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは(ステップS150)、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS151)。
平滑化処理された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ処理部104において、合成情報データd1cに基づいて再度合成処理が行われ(ステップS152)平滑化シーン参照画像データd7が生成され、一時記憶メモリ105に記憶される(ステップS153)。
【0355】
撮影情報データd3が鑑賞画像参照データ生成部116へ入力されると、撮影情報データ処理部106により撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。平滑化シーン参照画像データd7は一時記憶メモリ105から読み出され、撮影情報データ処理部106で決定された処理条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鮮鋭化処理部114により鮮鋭化処理が施され(ステップS154)、鑑賞画像参照データ処理部107により最適化処理が施され(ステップS155)、鑑賞画像参照データd5が生成されて設定入力部109により設定されたデバイスに出力される(ステップS156)。
【0356】
なお、図31に示すブロック図及び図32に示すフローチャートは一例であり、鮮鋭化処理部114による処理は平滑化シーン参照画像データd7から鑑賞画像参照データd5が生成される過程で施されればよく、図31に示すブロック図及び図32に示すフローチャートに限定されない。例えば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データ処理部107においていくつかの最適化処理を施した後に鮮鋭化処理部114において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0357】
以上説明したように、画像処理装置117によれば、シーン参照画像データd4に対して平滑化処理を行っても、入力データとして低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと合成補助データが入力さるので適切なノイズ除去を行うことができる。
【0358】
また、画像処理装置117によれば、シーン参照画像データd4に対して鑑賞画像参照データd5の生成過程で鮮鋭化処理を施す。鑑賞画像参照データd5の生成過程は出力デバイス、出力メディアに応じてデジタル画像データを最適化する画像処理を施す過程であり、出力デバイス、出力メディアに応じて鮮鋭化処理を施すことにより出力媒体上で主観的に好ましい画像を得ることができる。
【0359】
〈画像記録装置201の構成〉
次に、本実施の形態4における画像記録装置201の構成及び動作について説明する。なお、本実施の形態4における画像記録装置201の外観構成、内部構成及び画像処理部270の構成は、データの処理順序が異なる他は上述した実施の形態1と同様であるので、動作説明においてその特徴を説明することとし、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の図示及び説明は省略する。
【0360】
なお、本実施の形態4における画像記録装置201は、本発明の請求項14に記載の画像記録装置に対応するものであり、撮像合成標準化処理部303a、シーン参照画像データ生成部304、平滑化処理部113を合わせて、本発明の請求項14に記載のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有し、撮影情報データ処理部306、鑑賞画像参照データ生成部307、鮮鋭化処理部314を合わせて、本発明の請求項14に記載の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。また、平滑化処理部313は、本発明の請求項14に記載の平滑化処理手段としての機能を有し、鮮鋭化処理部314は、鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0361】
〈画像記録装置201の動作〉
図33は、画像処理部270の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Eを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理部270各部の動作について説明する。
【0362】
画像転送手段230又は通信手段(入力)240から画像処理部270にデータが入力され(ステップS161)、画像データ書式解読処理部704により当該入力データが上述した撮像装置21によるデジタル画像データファイルである判別されると(ステップS162)、入力されたデジタル画像データファイルはヘッダ情報解析部302によりその内容が解析され(ステップS163)、合成補助データd1(ステップS164)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS165)、撮影情報データd3(ステップS166)に分けられる。
【0363】
合成補助データd1は合成標準化処理部303aに出力され、合成標準化処理部303aによる処理条件テーブル303bの参照によりシーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部303aで決定された処理条件に基づいて、シーン参照画像データ生成部304により合成標準化処理が施され(ステップS167)、シーン参照画像データd4が生成される(ステップS168)。
【0364】
シーン参照画像データd4を生成する際、画素毎に低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bのどちらか一方を選択した情報を合成補助データd1に書き込み、この選択情報が書き込まれた合成補助データd1を合成情報データd1cとして、データ蓄積手段271に記録する(ステップS169)。
【0365】
合成情報データd1cは、合成補助データd1の情報と低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを合成した際の画素毎の選択情報を保持しているため、後述するシーン参照画像データd4を低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離及び、分離された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを再合成するためのデータである。
【0366】
シーン参照画像データ生成部304において生成されたシーン参照画像データd4は、合成情報データd1cに基づいて低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS170)。
分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは(ステップS171)、平滑化処理部313により夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS172)。
平滑化処理された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ生成部304において、合成情報データd1cに基づいて再度合成処理が行われ(ステップS173)平滑化シーン参照画像データd7が生成され、鑑賞画像参照データ生成部307へ出力される(ステップS174)。
【0367】
撮影情報データd3が撮影情報データ処理部306へ入力されると、撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。また、操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701において、出力デバイス及び出力メディアに適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件が決定される。平滑化処理が施された平滑化シーン参照画像データd7は、撮影情報データ処理部306により決定された処理条件及び画像調整処理部701により決定された画像処理条件に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鮮鋭化処理部314により鮮鋭化処理が施され(ステップS175)、鑑賞画像参照データ生成部307により最適化処理が施され(ステップS176)、鑑賞画像参照データd5が生成される(ステップS177)。
【0368】
生成された鑑賞画像参照データd5は、操作部211の操作に基づく出力先に応じてCRT固有処理部706、プリンタ固有処理部707、プリンタ固有処理部708、画像データ書式作成処理部709の何れかの処理部に出力され、出力された処理部において、出力先に応じた固有の処理が施され(ステップS178)、操作部211により指定された出力先から出力される(ステップS179)。
【0369】
なお、図33に示すフローチャートは一例であり、鮮鋭化処理部314による処理は平滑化シーン参照画像データd7から鑑賞画像参照データd5が生成される過程で施されればよく、図33に示すフローチャートに限定されない。例えば、平滑化シーン参照画像データd7に対して鑑賞画像参照データ生成部307においていくつかの最適化処理を施した後に鮮鋭化処理部314において鮮鋭化処理を施すのであってもよい。
【0370】
以上説明したように、画像記録装置201によれば、シーン参照画像データd4に対して平滑化処理を行っても、入力データとして低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと合成補助データが入力されるので、適切なノイズ除去を行うことができる。
【0371】
また、画像記録装置201によれば、平滑化シーン参照画像データd7に対して鑑賞画像参照データd5の生成過程で鮮鋭化処理を施す。鑑賞画像参照データd5の生成過程は出力デバイス、出力メディアに応じてデジタル画像データを最適化する画像処理を施す過程であり、出力デバイス、出力メディアに応じて鮮鋭化処理を施すことにより出力媒体上で主観的に好ましい画像を得ることができる。
【0372】
本実施の形態4の構成により低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ、平滑化処理の施されたシーン参照画像データ、及び平滑化処理及び鮮鋭化処理の施された鑑賞画像参照データを得ることができる。
【0373】
本実施の形態4の平滑化処理は処理時間低減のため、比較的ノイズが大きい入力データに対し平滑化処理が施される。本実施の形態4においては合成補助データによる補正処理が行われた後に平滑化処理が行われるため、最適にノイズ除去が施されることがわかった。本実施の形態4において鮮鋭化処理部が鑑賞画像参照データを生成する過程にあるため、データの圧縮が施される前に鮮鋭化が施される。このことから画像の色域、階調とのトータルバランス的に優れた鮮鋭化が施され、多くの出力媒体において良好な画像が得られることがわかった。
【0374】
〔実施の形態5〕
以下、本発明に係る実施の形態5について図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態5は、上記実施の形態1で説明したのと同様に撮像装置21で記録されたデジタル画像データを用いた例を示している。
【0375】
〈画像処理装置117の構成〉
図34は本実施の形態5における画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。図34に示すように、本実施の形態5においては、図16で示した実施の形態1の画像処理装置117の平滑化処理部113及び鮮鋭化処理部114の配置が異なっている。即ち、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bに対して合成標準化処理が行われて生成されたシーン参照画像データd4は平滑化処理部113で平滑化処理が施され、平滑化シーン参照画像データd7が生成されて一時記憶メモリ105に記憶される。平滑化シーン参照画像データd7は、鑑賞画像参照データ生成部107により読み出され、出力先に応じた最適化処理が施されて鑑賞画像参照データd5が生成される。その後、鮮鋭化処理部114により鑑賞画像参照データd5に対して鮮鋭化処理が施され、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成される。
【0376】
なお、その他の本実施の形態5における画像処理装置117の構成は、上述した実施の形態1と同様であるので、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
【0377】
〈画像処理装置117の動作〉
図35は、画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Eを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理装置117の動作について説明する。
【0378】
図11に示したデータ構造の記録メディアが装着されると、入力部101により、記録メディアに記録されたデジタル画像データファイルが入力される(ステップS181)。入力されたデジタル画像データは、ヘッダ情報解析部102によりその内容が解析され(ステップS182)、合成補助データd1(ステップS183)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS184)、撮影情報データd3(ステップS185)に分けられ、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b及び合成補助データd1はシーン参照画像データ生成部115へ、撮像情報データd3は鑑賞画像参照データ生成部116へ出力される。
【0379】
合成補助データd1がシーン参照画像データ生成部115へ入力されると、合成標準化処理部103aにより処理条件テーブル103bが参照され、シーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部103aで決定された処理条件に基づいて、シーン参照画像データ処理部104により合成標準化処理が施され(ステップS186)、シーン参照画像データd4が生成される(ステップS187)。
【0380】
シーン参照画像データd4を生成する際、画素毎に低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bのどちらか一方を選択した情報を合成補助データd1に書き込み、この選択情報が書き込まれた合成補助データd1を合成情報データd1cとして、一次記憶メモリ105に記録する(ステップS188)。
【0381】
合成情報データd1cは、合成補助データd1の情報と低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを合成した際の画素毎の選択情報を保持しているため、後述するシーン参照画像データd4を低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離及び、分離された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを再合成するためのデータである。
【0382】
シーン参照画像データ処理部104において生成されたシーン参照画像データd4は、合成情報データd1cに基づいて低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS189)。
分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは(ステップS190)、平滑化処理部113により夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS191)。
平滑化処理された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ処理部104において、合成情報データd1cに基づいて再度合成処理が行われ(ステップS192)平滑化シーン参照画像データd7が生成され、一時記憶メモリ105に記憶される(ステップS193)。
【0383】
撮影情報データd3が鑑賞画像参照データ生成部116へ入力されると、撮影情報データ処理部106により撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。平滑化シーン参照画像データd7は、鑑賞画像参照データ生成部116の鑑賞画像参照データ処理部107に読み出され、撮影情報データ処理部106で決定された処理条件及び設定入力部109から入力された操作情報に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて最適化処理が施され(ステップS194)、鑑賞画像参照データd5が生成される(ステップS195)。生成された鑑賞画像参照データd5には、鮮鋭化処理部114で鮮鋭化処理が施され(ステップS196)、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成されて設定入力部109により設定されたデバイスに出力される(ステップS197)。
【0384】
以上説明したように、画像処理装置117によれば、シーン参照画像データd4に対して平滑化処理を行っても、入力データとして低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bと合成補助データが入力されるので、適切なノイズ除去を行うことができる。
【0385】
また、画像処理装置117によれば、鑑賞画像参照データd5の生成後に鮮鋭化処理を施す。そのため、特定の出力デバイス、出力メディアの種類に基づいて最適化処理が施されて生成された鑑賞画像参照データd5について、同一種類の出力デバイス、出力メディアの種類に出力メディアの大きさを変えて出力するような場合において、最適化処理が不要となり処理負荷を軽減することができる。
【0386】
〈画像記録装置201の構成〉
次に、本実施の形態5における画像記録装置201の構成及び動作について説明する。なお、本実施の形態5における画像記録装置201の外観構成、内部構成及び画像処理部270の構成は、データの処理順序が異なる他は上述した実施の形態1と同様であるので、動作説明においてその特徴を説明することとし、各構成要素には同一の符号を付し、その構成の図示及び説明は省略する。
【0387】
なお、本実施の形態5における画像記録装置201は、本発明の請求項15に記載の画像記録装置に対応するものであり、撮像合成標準化処理部303a、シーン参照画像データ生成部304、平滑化処理部313を合わせて、本発明の請求項15に記載のシーン参照画像データ生成手段としての機能を有し、撮影情報データ処理部306、鑑賞画像参照データ生成部307、鮮鋭化処理部314を合わせて、本発明の請求項15に記載の鑑賞画像参照データ生成手段としての機能を有する。また、平滑化処理部313は、本発明の請求項15に記載の平滑化処理手段としての機能を有し、鮮鋭化処理部314は、鮮鋭化処理手段としての機能を有する。
【0388】
〈画像記録装置201の動作〉
図36は、画像処理部270の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Eを示すフロー図である。以下、図を参照して画像処理部270各部の動作について説明する。
【0389】
画像転送手段230又は通信手段(入力)240から画像処理部270にデータが入力され(ステップS201)、画像データ書式解読処理部704により当該入力データが上述した撮像装置21によるデジタル画像データファイルである判別されると(ステップS202)、入力されたデジタル画像データファイルはヘッダ情報解析部302によりその内容が解析され(ステップS203)、合成補助データd1(ステップS204)、低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2b(ステップS205)、撮影情報データd3(ステップS206)に分けられる。
【0390】
合成補助データd1は合成標準化処理部303aに出力され、合成標準化処理部303aによる処理条件テーブル303bの参照によりシーン参照画像データd4を生成するための処理条件が決定される。低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは、合成標準化処理部303aで決定された処理条件に基づいて、シーン参照画像データ生成部304により合成標準化処理が施され(ステップS207)、シーン参照画像データd4が生成される(ステップS208)。
【0391】
シーン参照画像データd4を生成する際、画素毎に低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bのどちらか一方を選択した情報を合成補助データd1に書き込み、この選択情報が書き込まれた合成補助データd1を合成情報データd1cとして、データ蓄積手段271に記録する(ステップS209)。
【0392】
合成情報データd1cは、合成補助データd1の情報と低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを合成した際の画素毎の選択情報を保持しているため、後述するシーン参照画像データd4を低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離及び、分離された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bを再合成するためのデータである。
【0393】
シーン参照画像データ生成部304において生成されたシーン参照画像データd4は、合成情報データd1cに基づいて低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bに分離される(ステップS210)。
分離された低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bは(ステップS211)、平滑化処理部313により夫々異なる条件で平滑化処理が施される(ステップS212)。
平滑化処理された低感度シーン参照生データd2a又は高感度シーン参照生データd2bは、シーン参照画像データ生成部304において、合成情報データd1cに基づいて再度合成処理が行われ(ステップS213)平滑化シーン参照画像データd7が生成され、鑑賞画像参照データ生成部307へ出力される(ステップS214)。
【0394】
撮影情報データd3が撮影情報データ処理部306へ入力されると、撮影情報データd3に基づいて撮影条件に応じた鑑賞画像参照データd5を生成するための処理条件が決定される。また、操作部211及び制御部207からの指令に基づき、画像調整処理部701において、出力デバイス及び出力メディアに適合された鑑賞画像参照データd5を作成するための画像処理条件が決定される。平滑化処理が施された平滑化シーン参照画像データd7は、撮影情報データ処理部306により決定された処理条件及び画像調整処理部701により決定された画像処理条件に基づき、出力先のデバイスや出力メディアの大きさに応じて、鑑賞画像参照データ生成部307により最適化処理が施され(ステップS215)、鑑賞画像参照データd5が生成される(ステップS216)。
【0395】
生成された鑑賞画像参照データd5は、鮮鋭化処理部314で鮮鋭化処理が施され(ステップS217)、鮮鋭化鑑賞画像参照データd6が生成され、操作部211の操作に基づく出力先に応じてCRT固有処理部706、プリンタ固有処理部707、プリンタ固有処理部708、画像データ書式作成処理部709の何れかの処理部に出力される(ステップS218)。鮮鋭化鑑賞画像参照データd6は、出力された処理部において、出力先に応じた固有の処理が施され(ステップS219)、操作部211により指定された出力先から出力される(ステップS220)。
【0396】
以上説明したように、画像処理装置201によれば、シーン参照画像データd4に対して平滑化処理を行うので、入力データとして低感度シーン参照生データd2a及び高感度シーン参照生データd2bが入力された場合は勿論のこと、シーン参照画像データd4が入力された際にも適切なノイズ除去を行うことができる。
【0397】
また、画像記録装置201によれば、鑑賞画像参照データd5の生成後に鮮鋭化処理を施す。そのため、特定の出力デバイス、出力メディアの種類に基づいて最適化処理が施されて生成された鑑賞画像参照データd5について、同一種類の出力デバイス、出力メディアの種類に出力メディアの大きさを変えて出力するような場合において、最適化処理が不要となり処理負荷を軽減することができる。
【0398】
このように、本実施の形態5の構成により低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ、平滑化処理の施されたシーン参照画像データ、及び平滑化処理及び鮮鋭化処理の施された鑑賞画像参照データを得ることができる。
【0399】
本実施の形態5の平滑化処理は処理時間低減のため、比較的ノイズが大きい入力データに対し平滑化処理が施される。本実施の形態5においては装置特性補正データ及び撮影情報データによる補正処理が行われた後に平滑化処理が行われるため、最適にノイズ除去が施されることがわかった。本実施の形態5において鮮鋭化処理部が鑑賞画像参照データ作成部より後の工程にあるため、出力情報を基に鮮鋭化処理が施される。このことから特定の出力媒体において非常に鮮鋭性に優れた画像が得られることがわかった。また、比較的画像サイズの小さい鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を行うため、処理時間の短縮化が図れることがわかった。
【0400】
更に、実施の形態1〜5において、ノイズの特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状、閾値が変化する低減フィルタを用いて平滑化処理を施すので、画質の低下を防止するとともに処理の高速化を図ることができる。また、出力媒体の種類、大きさや画像データの主要被写体のサイズ、撮影シーンにより鮮鋭化処理におけるエッジ強調量が調整されるので、より主観的に好ましい画質を得ることができる。
【0401】
なお、本発明を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0402】
【発明の効果】
以上述べたように、階調変換・鮮鋭性強調・彩度強調のような画像鑑賞時の効果を向上する為にデータ内容を改変する画像処理や、撮像素子固有の分光感度に基づく各色チャンネルの信号強度を前述のRIMM RGBやsRGB等の標準化された色空間にマッピングする処理が加えられていない被写体に忠実な情報を記録した直接の生出力信号である複数のシーン参照生データ、該シーン参照生データシーンに撮像素子の光電変換機能の特性毎に補正パラメータを予め設定しておき、対象となる全ての撮像素子の生出力信号に対し補正処理を施したシーン参照画像データを入力情報とする画像形成方法において、ノイズが非常に少なく、鮮鋭性に優れる画質を、迅速に得られる画像形成方法、画像処理装置及び画像記録装置を得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカム状配置のCCDの概念略図
【図2】ダイナミックレンジの概念図
【図3】観察距離と画像の長辺の長さとの相関を示すグラフである。
【図4】コントラスト比と主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図5】鮮鋭性強調度と主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図6】粒状抑制度と主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図7】彩度強調度と主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図8】中周波数成分のゲインと主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図9】高周波数成分のゲインと主要被写体の視野角との相関を示すグラフである。
【図10】本発明に用いられるデジタル画像データのファイル構造を示す図である。
【図11】本発明に用いられるデジタル画像データのファイル構造を示す図である。
【図12】本発明に用いられるデジタル画像データのファイル構造を示す図である。
【図13】本発明に用いられるデジタル画像データのファイル構造を示す図である。
【図14】本発明に係る撮像装置21の機能的構成を示すブロック図である。
【図15】図14の制御部11の制御により実行される低感度シーン参照生データ及び高感度シーン参照生データ保存処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。
【図17】図16の画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Aを示すフロー図である。
【図18】本発明に係る画像記録装置201の外観構成を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る画像記録装置201の内部構成を示すブロック図である。
【図20】図19の画像処理部270の機能的構成を示すブロック図である。
【図21】図20の画像記録装置210の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Aを示すフロー図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。
【図23】図22の画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Bを示すフロー図である。
【図24】図20の画像記録装置201の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Bを示すフロー図である。
【図25】本発明の実施の形態3に係る撮像装置21cの機能的構成を示すブロック図である。
【図26】図25の制御部11の制御により実行されるシーン参照画像データ保存処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態3に係る画像処理装置117cの機能的構成を示すブロック図である。
【図28】図27の画像処理装置117cの各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Cを示すフロー図である。
【図29】本発明の実施の形態3に係る画像処理部270cの機能的構成を示すブロック図である。
【図30】図29の画像記録装置201の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Cを示すフロー図である。
【図31】本発明の実施の形態4に係る画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。
【図32】図31の画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Dを示すフロー図である。
【図33】図20の画像記録装置201の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Dを示すフロー図である。
【図34】本発明の実施の形態5に係る画像処理装置117の機能的構成を示すブロック図である。
【図35】図34の画像処理装置117の各部が連携することにより実行される画像データ生成処理Eを示すフロー図である。
【図36】図20の画像記録装置201の各部が連携することにより実行される画像データ形成処理Eを示すフロー図である。
【符号の説明】
1 レンズ
2 絞り
3 CCD
3a 低感度撮像素子
3b 高感度撮像素子
4 アナログ処理回路
5 A/D変換器
6 一時記憶メモリ
7 画像処理部
8 ヘッダ情報処理部
9 記憶デバイス
10 CCD駆動回路
11 制御部
12 撮影情報データ処理部
13 合成補助データ処理部
13c 合成情報データ処理部
14 操作部
15 表示部
16 ストロボ駆動回路
17 ストロボ
18 焦点距離調整回路
19 自動焦点駆動回路
20 モータ
21 撮像装置
21c 撮像装置
101 入力部
102 ヘッダ情報解析部
103a 合成標準化処理部
103b 処理条件テーブル
104 シーン参照画像データ処理部
105 一時記憶メモリ
106 撮影情報データ処理部
107 鑑賞画像参照データ処理部
108 一時記憶メモリ
109 設定入力部
110 記憶デバイス
111 出力デバイス
112 表示デバイス
113 平滑化処理部
114 鮮鋭化処理部
115 シーン参照画像データ生成部
116 鑑賞画像参照データ生成部
117 画像処理装置
117c 画像処理装置
118 制御部
119 低感度シーン参照生データ・高感度シーン参照生データ生成部
201 画像記録装置
202 本体
203 マガジン装填部
204 露光処理部
205 プリント作成部
206 トレー
207 制御部
208 CRT
209 フィルムスキャナ部
210 反射原稿入力装置
211 操作部
212 情報入力手段
213a PCカード
213b FD
214 画像読込部
214a PCカード用アダプタ
214b FD用アダプタ
215 画像書込部
215a FD用アダプタ
215b MO用アダプタ
215c 光ディスク用アダプタ
216a FD
216b MO
216c 光ディスク
230 画像転送手段
231 画像搬送部
240 通信手段(入力)
241 通信手段(出力)
251 外部プリンタ
270 画像処理部
271 データ蓄積手段
272 テンプレート記憶手段
302 ヘッダ情報解析部
303a 合成標準化処理部
303b 処理条件テーブル
303c 合成情報データ処理部
304 シーン参照画像データ生成部
306 撮影情報データ処理部
307 鑑賞画像参照データ生成部
313 平滑化処理部
314 鮮鋭化処理部
701 画像調整処理部
702 フィルムスキャンデータ処理部
703 反射原稿スキャンデータ処理部
704 画像データ書式解読処理部
705 テンプレート処理部
706 CRT固有処理部
707 プリンタ固有処理部(1)
708 プリンタ固有処理部(2)
709 画像データ書式作成処理部
d1 合成補助データ
d1c 合成情報データ
d2a 低感度シーン参照生データ
d2b 高感度シーン参照生データ
d3 撮影情報データ
d4 シーン参照画像データ
d5 鑑賞画像参照データ
d6 鮮鋭化鑑賞画像参照データ
d7 平滑化シーン参照画像データ
D1、D2、D3 サンプル識別情報
N ネガフィルム
P、P1、P2、P3 プリント
Q アナログカメラ
Q2 デジタルカメラ

Claims (39)

  1. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、
    前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、
    前記シーン参照画像データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程において鮮鋭化処理を施すこと
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、
    前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、
    前記シーン参照画像データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程において鑑賞画像参照データを生成した後、鮮鋭化処理を施すこと
    を特徴とする画像形成方法。
  3. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、
    前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、
    前記鑑賞画像参照データ生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、次に鮮鋭化処理を施すこと
    を特徴とする画像形成方法。
  4. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、
    前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、
    前記シーン参照画像データ生成過程で生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程で鮮鋭化処理を施すこと
    を特徴とする画像形成方法。
  5. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像形成方法において、
    前記画像処理は前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成過程及び前記生成されたシーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成過程を含み、
    前記シーン参照画像データ生成過程で生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施し、前記鑑賞画像参照データ生成過程で生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施すこと
    を特徴とする画像形成方法。
  6. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を行う平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記シーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像処理装置。
  7. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像処理装置。
  8. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、
    前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段を備え、
    前記鑑賞画像参照データ生成手段は、当該鑑賞画像参照データ生成手段における鑑賞画像参照データの生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段と、鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有すること
    を特徴とする画像処理装置。
  9. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記平滑化処理されたシーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像処理装置。
  10. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施す画像処理装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像処理装置。
  11. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を行う平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記シーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像記録装置。
  12. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像記録装置。
  13. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置を用いて取得されたシーン参照画像データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、
    前記画像処理は前記シーン参照画像データに基づいて鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段を備え、
    前記鑑賞画像参照データ生成手段は、当該鑑賞画像参照データ生成手段における鑑賞画像参照データの生成過程において前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段と、鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段とを有すること
    を特徴とする画像記録装置。
  14. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記平滑化処理されたシーン参照画像データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像記録装置。
  15. 感度の異なる少なくとも2種類の撮像素子を有する撮像装置から出力される高感度シーン参照生データ及び低感度シーン参照生データに対して、出力媒体上に最適鑑賞画像を形成するための画像処理を施して出力する画像記録装置において、
    前記高感度シーン参照生データ及び前記低感度シーン参照生データに基づいてシーン参照画像データを生成するシーン参照画像データ生成手段と、
    前記シーン参照画像データを最適化する画像処理を施して鑑賞画像参照データを生成する鑑賞画像参照データ生成手段と、を備え、
    前記シーン参照画像データ生成手段は、前記生成されたシーン参照画像データに対して前記高感度シーン参照生データと前記低感度シーン参照生データとに夫々異なる条件で平滑化処理を施す平滑化処理手段を有し、前記鑑賞画像参照データ生成手段は、前記生成された鑑賞画像参照データに対して鮮鋭化処理を施す鮮鋭化処理手段を有すること
    を特徴とする画像記録装置。
  16. 前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  18. 前記平滑化処理が、画像データのノイズ特性に基づいて、マスクサイズ、マスク形状及び闘値を変更するフィルタにより行われることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  19. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴とする請求項1〜5又は16のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴とする請求項6〜10又は17のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  21. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体の種類に応じて調整されることを特徴とする請求項11〜15又は18のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  22. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項1〜5、16又は19のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  23. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項6〜10、17又は20のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  24. 前記鮮鋭化処理の適用量が、前記出力媒体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項11〜15、18又は21のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  25. 前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項1〜5、16、19又は22のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  26. 前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項6〜10、17、20又は23のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  27. 前記鮮鋭化処理の適用量が、主要被写体のサイズに応じて調整されることを特徴とする請求項11〜15、18、21又は24のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  28. 前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴とする請求項1〜5、16、19、22又は25のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  29. 前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴とする請求項6〜10、17、20、23又は26のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  30. 前記鮮鋭化処理の適用量が、撮影シーンに応じて調整されることを特徴とする請求項11〜15、18、21、24又は27のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  31. 前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴とする請求項1〜5、16、19、22、25又は28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  32. 前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴とする請求項6〜10、17、20、23、26又は29のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  33. 前記高感度シーン参照生データが被写体の輝度情報のみを記録したモノクロ画像であり、前記低感度シーン参照生データがカラー画像であることを特徴とする請求項11〜15、18、21、24、27又は30のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  34. 前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴とする請求項1〜5、16、19、22、25、28又は31のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  35. 前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴とする請求項6〜10、17、20、23、26、29又は32のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  36. 前記撮像装置の低感度撮像素子と高感度撮像素子とが、撮像素子の幾何学的な形状の中心が互いに行(水平)方向及び/又は列(垂直)方向に受光素子の間隔を示すピッチの1/2ピッチ分ずらしてハニカム状に配置されていることを特徴とする請求項11〜15、18、21、24、27、30又は33のいずれか一項に記載の画像記録装置。
  37. 前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴とする請求項1〜5、16、19、22、25、28、31又は34のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  38. 前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴とする請求項6〜10、17、20、23、26、29、32又は35のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  39. 前記平滑化処理の平滑化強度が、前記高感度シーン参照生データより前記低感度シーン参照生データの方が強い処理が行われることを特徴とする請求項11〜15、18、21、24、27、30、33又は36のいずれか一項に記載の画像記録装置。
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