JP4594794B2 - 超電導マグネットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子加速器、核磁気共鳴撮像装置などに用いる超電導マグネットの製造方法に関する。
粒子加速器などに使用される超電導マグネットにおいては、必要な強度の磁場を発生させるためにコイルが高電流密度化、大型化する傾向にある。発生磁場が大きくなるのに伴って大きな電磁力が生じることになり構造的な支持固定が重要となる。コイルの固定が十分でないと、電磁力等の擾乱により導体が微少移動した際に超電導状態が破れるクエンチ現象が起きることがあり、機器の性能が発揮できないという事態が生じる。
一般的に大型の粒子加速器に使用される2極以上の超電導マグネットの場合、単線の超電導導体を何本か集合させそれを撚った後、ダイスにて台形状に成型したラザフォードタイプと呼ばれるケーブル導体を使用する。コイル成型する場合はこのケーブル導体を鞍形に巻線成型し、それをビームの貫通孔の周囲に集合させ必要な磁場を発生させるような構造としている(下記非特許文献1参照)。ただしこれはケーブル導体が複数の単線を撚り線した導体のため、断面積が大きくなり必然的に大電流にて使用する超電導マグネットに適用さている。
一方、小電流にて使用される超電導マグネットの場合、丸線や角線の単線を使用するが、鞍形コイルを形成させ、更に、導体位置精度を高めるため導体を整列させた巻線を効率的に行う方法は現在確立されていない。ただし効率的ではないが、単線の超電導線を位置精度良く巻線する方法として、ビーム貫通孔周囲の構造物に座標制御可能な巻線機で直接超電導線を接着固定しながら巻線していく方法がある。この巻線方法では、アクリル系瞬間接着剤やエポキシ系加熱硬化樹脂が接着剤として使用されている。
また、巻線機上で直接導体を接着固定する方法ではないが、例えば、下記特許文献1には、円筒状の巻枠に、自己融着材で被覆した導体を、張力を加えながら巻き付けて円筒状にし、後で加熱することによってコイルを形成する方法が開示されている。
「超電導工学」オーム社 1991年発行 特許第2597724号公報
上記の、ビーム貫通孔周囲の構造物に座標制御可能な巻線機で直接超電導導体を接着固定しながら巻線していく方法を採用する場合、超電導導体の位置精度は巻線機の機械的制御精度により確保できるものの、超電導導体固定のため瞬間接着剤を使用した場合は、極低温において接着強度が低下し十分な強度が得られない。またエポキシ系の熱硬化型樹脂により接着固定した場合は極低温での強度は確保できるものの一定の熱硬化時間が必要であり、巻線中、接着剤が硬化するまでの時間、巻線作業が停滞するため、巻線作業速度が著しく低下する。これは、作製した導体コイルを繊維強化樹脂などの層間シートで覆った後、その上に更にコイルを形成していく多層のコイルの場合でも同様である。
また、上記特許文献1に記載されているような、円筒状の巻枠に自己融着材が塗布された導体に張力を加えながら巻き付けて円筒状コイルを形成し、後で加熱することによってコイルを形成する方法では、連続的にコイルを形成できるため、速い巻線作業速度が得られる。しかし、後の加熱融着工程で十分な接着性を得るためには、張力をかけながら巻枠に導体を巻き付けることが必要である。このため、コイル形状が円筒状のソレノイドコイルのような、巻付け時に張力をかけることが可能な形状に限定されて、鞍形コイルなどは製造が困難である。また、多層化コイルの場合、張力をかけて導体を巻き付けていくと、層間シートが落込むなどにより、上層の導体位置精度が悪化するため、上層に巻き進む程、導体の位置精度が確保できないという問題がある。
例えば、図6はコイル部を示す詳細断面図で、層間シート3と超電導導体2は、超電導導体2と層間シート3の間に塗布した瞬間接着剤6により接着固定されている。このように構成された超電導マグネットでは、下側層の導体がない部分の上に上側層の導体が配置される場合は、上層導体の直下部が何もない空間となるため、層間シート3が下層側に落込み、上層の導体位置精度が悪化する場合がある。また、張力をかけずに接着した場合、瞬間接着剤6は点接触に近い状態で層間シート3と超電導導体2を接着しているため、接着強度が十分に確保出来ない問題がある。
そこで本発明は、短時間で巻枠あるいは層間シートと超電導導体の間に十分な接着強さが得られ、かつ、コイル形状精度のよい超電導マグネットの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る超電導マグネットの製造方法は、繊維強化樹脂からなり表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に形成した巻枠と、自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に有し前記巻枠に巻回された超電導導体とを備え、前記超電導導体の融着剤層と前記巻枠の融着剤層を加圧振動させることによる振動摩擦により加熱させて前記巻枠の融着剤層と前記超電導導体の融着剤層融着させることを特徴とする。
また請求項2に係る超電導マグネットの製造方法は、繊維強化樹脂からなり表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に形成した層間シートと、自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に有する超電導導体とを備え、巻枠の周囲に前記層間シートを介在させて前記超電導導体を複数層巻回してなり、前記超電導導体の融着剤層と前記層間シートの融着剤層を加圧振動させることによる振動摩擦により加熱させて前記層間シートの融着剤層と前記超電導導体の融着剤層融着させることを特徴とする。
本発明によれば、フェノキシ樹脂の融解・再凝固は短時間で反応が収束するので短時間で巻枠あるいは層間シートと超電導導体の間に十分な接着強さが得られ、かつ、巻線の修正作業などが可能となるため作業性を高めることができコイル形状精度のよい超電導マグネット製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態を図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、巻枠であるビーム貫通孔周囲構造物1の周囲に、図示しない座標制御可能な巻線機により超電導導体2が巻回される。図2に示すように、超電導導体2は層間シート3を挟み多層に巻線されている。また図3に示すように、超電導導体2は超電導導体2の上部から超音波振動子5を用いて超電導導体2を層間シート3に加圧振動させることにより、超電導導体2と層間シート3の間が振動摩擦により加熱される。なお、ビーム貫通孔周囲構造物1と層間シート3の表面は粗面加工されており、その上に自己融着性樹脂からなる融着剤層4が設けられている。超電導導体2の表面にも融着剤層4が設けられている。融着剤層4を構成する自己融着性樹脂としてはフェノキシ樹脂を用いる。
上記のように構成された超電導マグネットでは、超電導導体2の周囲および層間シート3にフェノキシ樹脂からなる融着剤層4を塗布しておき、超音波振動子5を超電導導体2に押し付けた状態で加圧振動させることにより発生する摩擦熱で融着剤層4を融解させるようにし、しかも超音波振動子5を超電導導体2に押し当てながら矢印方向に通過させてゆくことによる融解・再凝固の過程で融着剤層4が一体化し、超電導導体2が所定の位置に精度良く強固に固定される。融着剤層4を形成するフェノキシ樹脂は熱可塑性であるため、熱硬化型の樹脂と異なり再融解が可能であり、巻線の修正作業などが可能となり作業性を高めることができる。またフェノキシ樹脂の融解・再凝固は短時間で反応が収束するので巻線作業の高速化を図ることができる。またフェノキシ樹脂は接着強度が高く、極低温においても十分な接着強度を有するため、極低温に冷却することによる接着力の低下で、導体が剥離するようなことが起きない。
上記のように、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、中央に貫通孔を有し貫通孔の周囲に超電導導体を巻回した貫通孔内に発生する磁場を利用するようにした超電導マグネットにおいて、超電導導体2を貫通孔周囲の巻枠である構造物1に融着固定しながら巻線していくことによりコイルを形成させる超電導コイル製造方法で、超電導導体2の表面を自己融着性樹脂からなる融着剤層4で被覆すると共に、構造物1には、予め用意した、表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に融着剤層4で被覆した繊維強化樹脂を使用する。また、作製した導体コイルを繊維強化樹脂の層間シート3で覆った後、その上に更に超電導導体2を融着固定しながら巻回していくことによりコイルを形成させる超電導マグネットの製造方法で、超電導導体2の表面を融着剤層4で被覆すると共に、層間シート3には、予め用意した、表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に融着剤層4で被覆した繊維強化樹脂を使用する。
超電導導体2の表面のみを融着剤層4で被覆した場合、構造物1との接着力を高めるためには、超電導導体2の表面の融着剤層4を変形させ、構造物1の表面に密着させる必要がある。そのためには、張力あるいは超電導導体2に対して垂直な圧力が必要である。
本実施の形態では、融着剤層4が超電導導体2と構造物1の両方の表面に塗布されているため、高い張力や圧力がなくても、接触させるだけで双方を接着することができ、加熱することによって、双方の一体化を進めて高い接着力を得ることができる。これにより、超電導導体2を貫通孔周囲の構造物1に融着固定しながら巻線していくことによりコイルを形成する速度を高めることができ、大型コイルの製造が容易となる。また、高い張力や圧力がなくても超電導導体2と構造物1を固定することができるため、張力や圧力をかけ難いコイル形状を作製することも可能となる。
繊維強化樹脂はガラスファイバ等の繊維を使用しているため機械的強度が高く、薄く加工した場合はしなやかに曲げることができる。超電導マグネットでは、動作時に発生する電磁力に耐えるため、構造物1には機械的強度が必要である。一方、多層コイルの場合に使用する層間シート3は、構造物1の曲面に合わせて曲げる必要がある。繊維強化樹脂、特に絶縁性を有するガラス繊維強化樹脂はこのような要求を満たすことができ、本実施の形態の超電導マグネットにおける構造物1および層間シート3として適している。
構造物1および層間シート3として繊維強化樹脂を使用する場合、繊維強化樹脂と融着剤層4の接着性を確保することが重要である。接着性を向上させる方法としては色々な方法があるが、調査実験の結果、繊維強化樹脂表面をサンドペーパーやサンドブラストなどで荒らした後、溶剤で洗浄し、その後融着剤層4を形成する方法が最もガラス繊維強化樹脂と融着剤層4の密着性を高められることを見出した。
例として、各種条件で作製したガラス繊維強化樹脂と融着剤層4の密着性評価結果を図4に示す。ガラス繊維強化樹脂の表面処理としては、サンドブラストによる粗面化、接着性を高めるプライマー剤(シラン処理系)の塗布、溶剤洗浄を選び、これら方法を組み合わせてガラス繊維強化樹脂表面の処理を実施した。融着剤としてフェノキシ樹脂を使用し、フェノキシ樹脂ワニスを塗布して厚さ約50μmの融着剤層を形成した。このようにして作製した試料に対して、テープ付着試験を実施した。
テープ付着試験とは、評価対象となる塗膜に対して、カッターナイフで碁盤目状に切れ込みを入れ、切込み部にセロハンテープを丸みのある棒などでこすって十分貼り付けた後、テープの一端を45°程度の角度で強く引き剥がし、その時の塗膜剥離度合いで塗膜と基材との接着力を評価する方法である。代表的な規格としては、JIS K5400 8.5.2碁盤目試験やISO4624 Pull-off Adhesion Testがある。本評価試験では、10mm角の大きさに1mm間隔で碁盤目状に切込みを入れ、テープをはがした後の剥離面積率で評価した。図4に示すとおり、ブラストによる表面荒らしと溶剤洗浄という組合せで最も良好な結果が得られた。このように、予め作製した、表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後、融着剤層を形成した繊維強化樹脂を使用することにより、作業工程上の煩雑さを軽減し、接着性のばらつきを低減して品質の安定を図ることができる。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、構造物1および層間シート3を構成する繊維強化樹脂の表面に溶剤に溶かした自己融着性樹脂を塗布、乾燥させて融着剤層4を形成する。この方法では、溶剤による自己融着性樹脂の希釈率と溶剤に溶かした自己融着性樹脂の塗り回数を調整することにより、大掛かりな装置を使用せずに、任意の厚さの融着剤層4を形成することが容易にできる。特に溶剤希釈率を高めることにより、数μm〜数十μmの薄い樹脂層を作製することも可能である。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、構造物1および層間シート3を構成する繊維強化樹脂の表面に自己融着性樹脂のフィルムを貼り付けて加熱、加圧して融着剤層4を形成するようにしてもよい。適当な厚さをもつフィルムが得られれば、予め厚さの定まったフィルムを貼り付けることにより、構造物1および層間シート3の表面に均一な厚さの融着剤層4を作製することができる。また、大面積を一度に処理することができ、短時間で融着剤層4をもつ構造物1および層間シート3を作製することができる。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、自己融着性樹脂粉体で繊維強化樹脂の表面を覆い、加熱、溶融することで融着剤層4を形成するようにしてもよい。予め加熱しておいた繊維強化樹脂に自己融着性樹脂粉末を散布して固着させる、静電気を利用して樹脂粉末を付着させるなどした後、加熱、溶融することにより自己融着性樹脂を溶融させて繊維強化樹脂の表面に融着剤層4を形成する。この方法では、繊維強化樹脂の表面に粉体が重なって付着するため、一度の作業で100μm単位の厚い融着剤層4を形成することができる。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、中央に貫通孔を有し貫通孔の周囲に超電導導体2を巻回したコイルが貫通孔内に発生する磁場を利用する超電導マグネットにおいて、超電導導体2を貫通孔周囲の構造物1に融着固定しながら巻線していくことによりコイルを形成させる超電導コイル製造方法で、構造物1および層間シート3を構成する繊維強化樹脂の表面に形成する融着剤層4の厚さを10μm〜100μmとする。
融着剤層が薄い場合は、繊維強化樹脂と超電導導体の接着にかかわる樹脂の絶対量が少なくなり、塗り斑などの影響も受けやすくなるため、接着強さが低下する。融着剤層の厚さと接着強さの関係を図5に示す。表面をサンドブラストし、有機溶剤で洗浄した繊維強化樹脂表面に、溶剤で希釈したフェノキシ樹脂を塗り、塗り回数を変えることによって樹脂層厚の異なる試料を作製し、作製した繊維強化樹脂試料にフェノキシ樹脂を15μm厚で被覆した超電導線を融着した。このとき、繊維強化樹脂と超電導線を融着した長さは30mmで統一した。そして、繊維強化樹脂側の端と超電導線の端を引っ張り、接着がはがれた時の値を接着強さとして読み取った。図5に示されるように、厚さ5μmでは著しく強度が低く、安定した接着性を得るためには10μm以上の厚さが必要であるといえる。
一方、融着剤層が厚い場合は、前述のような精度が求められるため、コイルの寸法精度を保つのが困難になる。更に、多層コイルでは、予め融着剤層を設けた層間シートを下層に沿って曲げて固定するため、融着剤層が厚いと融着剤層に余分な応力が発生し、場合によっては曲げに追随できずに融着剤層が割れてしまう可能性がある。以上の事項を考慮して検討した結果、繊維強化樹脂表面に設ける融着剤層の厚さは、100μm以下にすることが好ましいことがわかった。従って、繊維強化樹脂表面に設ける融着剤層の厚さは10μm以上、100μm以下が適切な値である。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、融着剤層4を構成する自己融着性樹脂として、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂あるいはポリアミド樹脂を使用する。本実施の形態で使用する自己融着性樹脂としては、溶剤で希釈可能であったり、樹脂フィルムが作製できるものであったり、粉体化が可能であることが望ましい。そのような観点から見た場合、自己融着性樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂が適している。
また、本実施の形態の超電導マグネットおよびその製造方法は、超電導導体2と構造物1および層間シート3を超音波融着で融着することを特徴とする。融着させる方法としては、コイル製造時に超電導導体を曲げていく必要などから、局所的、かつ連続的に、超電導導体2と構造物1および層間シート3表面の融着剤を加熱できる方法が好ましい方法である。超音波融着法は、超音波振動させた物体とその物体が接触している物体の間で衝撃により発熱を生じさせ、それによって融着させる方法であり、局所的かつ連続的に加熱・融着を実現できるため、本実施の形態のコイル製造において、最も優れた特性の得られる融着方法である。
以上のように、本実施の形態は超電導導体2の周囲とビーム貫通孔周囲構造物1の外周および層間シート3の表面にフェノキシ樹脂等の自己融着性樹脂を塗布し、それを融着固定させることによりコイルを成型してゆくもので、巻線時の超電導導体2の位置精度を確保すると共に、作業性が良く、接着強度も確保することができる。また超音波振動子5により超電導導体2を振動させることによって、超電導導体2と被接着物である層間シート3の間に起きる摩擦発熱を利用して融着剤4を融着させることにより、他の部分に熱影響を及ぼさない局所的な加熱融着が高速で可能となり、安定した超電導導体位置精度を確保でき、作業性も向上させることができる。
なお、構造物1の表面の融着剤層4を構成する自己融着性樹脂と層間シート3の表面の融着剤層4を構成する自己融着性樹脂と超電導導体2の表面の融着剤層4を構成する自己融着性樹脂は多くの場合同じであるが、作業性、接着強さ等が得られれば異なってもよい。また以上の説明は鞍形コイルの超電導マグネットについて行ってきたが、本発明はソレノイド形等の超電導マグネットにも適用することができる。
本発明の実施の形態の超電導マグネットを示す斜視図。 本発明の実施の形態の超電導マグネットの巻線部詳細断面図。 本発明の実施の形態の超電導マグネットの製造方法における超音波加熱による融着工程を示す図。 繊維強化樹脂の表面処理と融着剤層の密着性評価試験の結果を示し、本発明の実施の形態の超電導マグネットの作用効果を説明する表。 融着剤層の厚さと繊維強化樹脂の接着強さの評価試験結果を示し、本発明の実施の形態の超電導マグネットの作用効果を説明する表。 従来の超電導マグネットの巻線部詳細断面図。
符号の説明
1…ビーム貫通孔周囲構造物、2…超電導導体、3…層間シート、4…融着剤層、5…超音波振動子、6…瞬間接着剤。

Claims (5)

  1. 繊維強化樹脂からなり表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に形成した巻枠と、自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に有し前記巻枠に巻回された超電導導体とを備え、前記超電導導体の融着剤層と前記巻枠の融着剤層を加圧振動させることによる振動摩擦により加熱させて前記巻枠の融着剤層と前記超電導導体の融着剤層融着させることを特徴とする超電導マグネットの製造方法
  2. 繊維強化樹脂からなり表面を荒らして有機溶剤で洗浄した後に自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に形成した層間シートと、自己融着性樹脂であるフェノキシ樹脂からなる融着剤層を表面に有する超電導導体とを備え、巻枠の周囲に前記層間シートを介在させて前記超電導導体を複数層巻回してなり、前記超電導導体の融着剤層と前記層間シートの融着剤層を加圧振動させることによる振動摩擦により加熱させて前記層間シートの融着剤層と前記超電導導体の融着剤層融着させることを特徴とする超電導マグネットの製造方法
  3. 前記巻枠の融着剤層または前記層間シートの融着剤層は、溶剤に溶かした自己融着性樹脂を繊維強化樹脂表面に塗布、乾燥させて形成することを特徴とする請求項1または2記載の超電導マグネットの製造方法。
  4. 前記巻枠の融着剤層または前記層間シートの融着剤層は、繊維強化樹脂表面に自己融着性樹脂フィルムを貼り付けて加熱、加圧して形成することを特徴とする請求項1または2記載の超電導マグネットの製造方法。
  5. 前記巻枠の融着剤層または前記層間シートの融着剤層は、自己融着性樹脂粉体で繊維強化樹脂表面を覆い、加熱、溶融することによって形成することを特徴とする請求項1または2記載の超電導マグネットの製造方法。
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