JPH07192912A - 超電導コイルおよびその安定性診断方法 - Google Patents
超電導コイルおよびその安定性診断方法Info
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- JPH07192912A JPH07192912A JP34843993A JP34843993A JPH07192912A JP H07192912 A JPH07192912 A JP H07192912A JP 34843993 A JP34843993 A JP 34843993A JP 34843993 A JP34843993 A JP 34843993A JP H07192912 A JPH07192912 A JP H07192912A
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- superconducting coil
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 クエンチが発生し難い超電導コイル装置およ
びその安定性診断方法を提供する。 【構成】 超電導線を多重に巻回して巻線部を形成し、
接着性絶縁材料を介して支持体に固定して超電導コイル
において、接着性絶縁材料の配置を支持体から離れた超
電導線の列間あるいは層間に限定したもの。エチレン−
メタクリル酸共重合体からなる薄膜を積層した積層板を
その薄膜が超電導線に対向するようにして超電導線と巻
枠との間に介在させた超電導コイル。浸漬冷却された超
電導コイルに通電するための絶縁体被覆電流リードであ
って、その取付けフランジの基端部を上記絶縁体中に埋
設したもの。超電導コイル装置の巻線部あるいは支持体
にひずみセンサーあるいは変位センサーを取り付け、超
電導コイル装置に通電し、かつ電流を急激に変化させ、
通電時のひずみあるいは変位の経時変化から残留ひずみ
あるいは残留変位を求め、あるいは、通電時のひずみあ
るいは変位と電流のヒステリシスを求め、クエンチが発
生し易さを診断する。
びその安定性診断方法を提供する。 【構成】 超電導線を多重に巻回して巻線部を形成し、
接着性絶縁材料を介して支持体に固定して超電導コイル
において、接着性絶縁材料の配置を支持体から離れた超
電導線の列間あるいは層間に限定したもの。エチレン−
メタクリル酸共重合体からなる薄膜を積層した積層板を
その薄膜が超電導線に対向するようにして超電導線と巻
枠との間に介在させた超電導コイル。浸漬冷却された超
電導コイルに通電するための絶縁体被覆電流リードであ
って、その取付けフランジの基端部を上記絶縁体中に埋
設したもの。超電導コイル装置の巻線部あるいは支持体
にひずみセンサーあるいは変位センサーを取り付け、超
電導コイル装置に通電し、かつ電流を急激に変化させ、
通電時のひずみあるいは変位の経時変化から残留ひずみ
あるいは残留変位を求め、あるいは、通電時のひずみあ
るいは変位と電流のヒステリシスを求め、クエンチが発
生し易さを診断する。
Description
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導線を複数列複数層
に巻回し、その列間あるいは層間を接着した超電導コイ
ル、超電導コイルに適用可能な絶縁シートあるいは絶縁
積層シート、電流リードおよび超電導コイルの安定性診
断方法に関する。
に巻回し、その列間あるいは層間を接着した超電導コイ
ル、超電導コイルに適用可能な絶縁シートあるいは絶縁
積層シート、電流リードおよび超電導コイルの安定性診
断方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】超電導線の列間あるいは層間
を接着した超電導コイルに関しては、例えば森山、他:
「超電導コイル絶縁の高性能化研究−エポキシ含浸によ
る不安定性の変化−」第49回1993年度春期低温工
学・超電導学会講演概要集、B2−14の文献が知られ
ている。この種の超電導コイルについて図6および図7
を参照して説明する。図6は超電導ソレノイドコイルの
一部を切欠して示す斜視図である。
を接着した超電導コイルに関しては、例えば森山、他:
「超電導コイル絶縁の高性能化研究−エポキシ含浸によ
る不安定性の変化−」第49回1993年度春期低温工
学・超電導学会講演概要集、B2−14の文献が知られ
ている。この種の超電導コイルについて図6および図7
を参照して説明する。図6は超電導ソレノイドコイルの
一部を切欠して示す斜視図である。
【0003】ここで、1は非磁性金属の巻枠であり、円
筒形の巻枠胴部1aおよびドーナッ形の巻枠つば部1b
で構成されている。巻枠胴部1aおよび巻枠つば部1b
にそれぞれ胴部対地絶縁物2a、つば部対地絶縁物2b
(これらを総合して以下対地絶縁物2と呼ぶ)が装着し
てある。このいずれの対地絶縁物2も材質は例えばガラ
ス繊維強化プラスチック(GFRP)からなっている。
対地絶縁物2を介して巻枠1に巻線部3が固定されてい
る。図7は図6中の巻枠胴部1aに近い巻線部3の部分
拡大断面図である。巻線部3は胴部対地絶縁物2aを介
して巻枠胴部1aにエナメル電線4を複数列複数層に巻
回し、接着用樹脂5を真空加圧含浸させた後、熱処理を
加えて接着用樹脂5を硬化したものである。エナメル電
線4は断面が平角形である超電導線4aにエナメル絶縁
4bを被覆したものである。エナメル電線4の列間およ
び層間は接着用樹脂5で接着されてある。巻枠胴部1a
から見て1層目のエナメル電線4が接している胴部対地
絶縁物2aの接触面6は、あらかじめ離型剤が塗布して
ある。しかし、接触面6とエナメル電線4の隙間7に硬
化した接着用樹脂5が詰まっている。
筒形の巻枠胴部1aおよびドーナッ形の巻枠つば部1b
で構成されている。巻枠胴部1aおよび巻枠つば部1b
にそれぞれ胴部対地絶縁物2a、つば部対地絶縁物2b
(これらを総合して以下対地絶縁物2と呼ぶ)が装着し
てある。このいずれの対地絶縁物2も材質は例えばガラ
ス繊維強化プラスチック(GFRP)からなっている。
対地絶縁物2を介して巻枠1に巻線部3が固定されてい
る。図7は図6中の巻枠胴部1aに近い巻線部3の部分
拡大断面図である。巻線部3は胴部対地絶縁物2aを介
して巻枠胴部1aにエナメル電線4を複数列複数層に巻
回し、接着用樹脂5を真空加圧含浸させた後、熱処理を
加えて接着用樹脂5を硬化したものである。エナメル電
線4は断面が平角形である超電導線4aにエナメル絶縁
4bを被覆したものである。エナメル電線4の列間およ
び層間は接着用樹脂5で接着されてある。巻枠胴部1a
から見て1層目のエナメル電線4が接している胴部対地
絶縁物2aの接触面6は、あらかじめ離型剤が塗布して
ある。しかし、接触面6とエナメル電線4の隙間7に硬
化した接着用樹脂5が詰まっている。
【0004】上記従来技術の超電導コイルにおいては、
硬化した接着用樹脂5が隙間7に詰まっているため、詰
まっていない場合に比べ、1層目のエナメル電線4と胴
部対地絶縁物2aは電磁力によって急激に擦れ始めるこ
とがある。急激に擦れ始めた時は緩やかに擦れ始めた時
に比べて摩擦熱による温度上昇が大きくなるため、摩擦
熱によるクエンチが発生し易くなる。しかも、この1層
目は他の層に比べて通電した際の磁束密度が高くなるた
め、摩擦、その他の擾乱によるクエンチが発生し易い場
所である。
硬化した接着用樹脂5が隙間7に詰まっているため、詰
まっていない場合に比べ、1層目のエナメル電線4と胴
部対地絶縁物2aは電磁力によって急激に擦れ始めるこ
とがある。急激に擦れ始めた時は緩やかに擦れ始めた時
に比べて摩擦熱による温度上昇が大きくなるため、摩擦
熱によるクエンチが発生し易くなる。しかも、この1層
目は他の層に比べて通電した際の磁束密度が高くなるた
め、摩擦、その他の擾乱によるクエンチが発生し易い場
所である。
【0005】したがって、本発明の第1の目的は、1層
目のエナメル電線4と胴部対地絶縁物2aが緩やかに擦
れ始めるようにして摩擦熱によるクエンチの発生を抑え
た超電導コイルを提供することである。
目のエナメル電線4と胴部対地絶縁物2aが緩やかに擦
れ始めるようにして摩擦熱によるクエンチの発生を抑え
た超電導コイルを提供することである。
【0006】従来、超電導コイルの対地絶縁物などに用
いられるプリプレグテープまたはプリプレグシートとし
て、溶剤型と無溶剤型が知られているが、使用前におい
ては巻き物にしたり、重ねたりして保存している。
いられるプリプレグテープまたはプリプレグシートとし
て、溶剤型と無溶剤型が知られているが、使用前におい
ては巻き物にしたり、重ねたりして保存している。
【0007】また、各テープまたはシート相互間には、
相互の融着や反応の進展を防ぐために薄いセパレータフ
ィルムを介在させている。このセパレータフィルムは、
機器に適用する時に取り除き、その後に廃棄される。
相互の融着や反応の進展を防ぐために薄いセパレータフ
ィルムを介在させている。このセパレータフィルムは、
機器に適用する時に取り除き、その後に廃棄される。
【0008】一方、上記プリプレグシートを複数枚重ね
て作られる積層板は、強化材として紙、ガラス、炭素繊
維などが代表的に使用されている。マトリックス樹脂と
しても、種々の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、および層
間強度向上のための添加剤を含む構成のものが知られて
いる。しかしながら、接着性を積極的に向上するための
手段は図られていない。
て作られる積層板は、強化材として紙、ガラス、炭素繊
維などが代表的に使用されている。マトリックス樹脂と
しても、種々の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、および層
間強度向上のための添加剤を含む構成のものが知られて
いる。しかしながら、接着性を積極的に向上するための
手段は図られていない。
【0009】超電導コイルは、構成としては、巻枠が金
属の場合、絶縁物を介して超電導線を巻き付けたもの、
また巻枠が絶縁物の場合は、超電導線を直接巻き付けた
構成などがある。またコイルの剛性力を高めるために、
樹脂含浸により、コイル層間にプリプレグシート等を挿
入して加熱硬化により一体化する方法が採られている。
属の場合、絶縁物を介して超電導線を巻き付けたもの、
また巻枠が絶縁物の場合は、超電導線を直接巻き付けた
構成などがある。またコイルの剛性力を高めるために、
樹脂含浸により、コイル層間にプリプレグシート等を挿
入して加熱硬化により一体化する方法が採られている。
【0010】超電導コイルと巻枠が一体化していると、
極低温にしたときの収縮応力と運転時の電磁力によって
界面の剥離、クラック等が発生しやすく、クエンチの原
因になりやすい。そこで、超電導コイルと巻枠の間をテ
フロン、ポリイミドフィルム等で予め非接着にしておき
界面の収縮応力を取り除く構成も採られている。
極低温にしたときの収縮応力と運転時の電磁力によって
界面の剥離、クラック等が発生しやすく、クエンチの原
因になりやすい。そこで、超電導コイルと巻枠の間をテ
フロン、ポリイミドフィルム等で予め非接着にしておき
界面の収縮応力を取り除く構成も採られている。
【0011】プリプレグテープまたはプリプレグシート
の薄いセパレータフィルムは一般にポリプロピレンが使
用されている。このセパレータフィルムは、機器に適用
する時に、取り除きながら適用するので作業性と同時
に、その後に廃棄されるので環境の面でも劣っている。
の薄いセパレータフィルムは一般にポリプロピレンが使
用されている。このセパレータフィルムは、機器に適用
する時に、取り除きながら適用するので作業性と同時
に、その後に廃棄されるので環境の面でも劣っている。
【0012】一方、積層板はプリプレグシートを複数枚
重ねて熱板の間に設置して所定の温度で、高圧力を加え
て製造しており、そのため表面は平滑で接着しにくい状
態であり、接着する場合には、サウンドブラストやペー
パー等で面荒らしなどの表面処理が不可欠である。
重ねて熱板の間に設置して所定の温度で、高圧力を加え
て製造しており、そのため表面は平滑で接着しにくい状
態であり、接着する場合には、サウンドブラストやペー
パー等で面荒らしなどの表面処理が不可欠である。
【0013】超電導コイルにおいては、上述のように、
超電導コイルと巻枠の間の収縮応力と運転時の電磁力に
よる界面の剥離、クラック、および超電導コイルと巻枠
の滑り摩擦による発熱が生じてクエンチの原因となり得
る。
超電導コイルと巻枠の間の収縮応力と運転時の電磁力に
よる界面の剥離、クラック、および超電導コイルと巻枠
の滑り摩擦による発熱が生じてクエンチの原因となり得
る。
【0014】実際に、実験をすると、巻枠に接している
超電導線でクエンチが発生しており超電導コイルと巻枠
の間をテフロン、ポリイミドフィルム等で予め非接着に
し滑り摩擦による発熱の低減を考慮しておく事で、クエ
ンチの発生に効果があるが、まだ完全ではなく多くの課
題が残されている。
超電導線でクエンチが発生しており超電導コイルと巻枠
の間をテフロン、ポリイミドフィルム等で予め非接着に
し滑り摩擦による発熱の低減を考慮しておく事で、クエ
ンチの発生に効果があるが、まだ完全ではなく多くの課
題が残されている。
【0015】したがって、本発明の第2の目的は、セパ
レータフィルムを使用する必要がなく、高い接着性を有
するプリプレグテープ、プリプレグシートまたは積層板
を提供することである。
レータフィルムを使用する必要がなく、高い接着性を有
するプリプレグテープ、プリプレグシートまたは積層板
を提供することである。
【0016】従来、浸漬冷却タイプの超電導コイルにお
いては、超電導コイルに通電するためのフランジに取り
付けた電流リードを蒸発したヘリウムガスによって冷却
する方法が一般的である。通常、電流リード内部に冷媒
の流路を設け、電流リード下端部から冷媒を導入し、上
端部から排出するようになっている。ガス化した冷媒を
冷却に用いるため、電流リード下端部の冷媒導入口は液
体ヘリウムの液面より上でなければならないので、電流
リード下端部はヘリウムガス中に設置される。また、こ
の電流リード下端部を介して超電導コイルとの接続が行
われている。従って、電流リード下端部はガス化した冷
媒の導入口及び、超電導コイルとの接続部を有する。
いては、超電導コイルに通電するためのフランジに取り
付けた電流リードを蒸発したヘリウムガスによって冷却
する方法が一般的である。通常、電流リード内部に冷媒
の流路を設け、電流リード下端部から冷媒を導入し、上
端部から排出するようになっている。ガス化した冷媒を
冷却に用いるため、電流リード下端部の冷媒導入口は液
体ヘリウムの液面より上でなければならないので、電流
リード下端部はヘリウムガス中に設置される。また、こ
の電流リード下端部を介して超電導コイルとの接続が行
われている。従って、電流リード下端部はガス化した冷
媒の導入口及び、超電導コイルとの接続部を有する。
【0017】電流リードの周囲に充満しているガス化し
たヘリウムの絶縁性能は一般的な空気などに比べ、非常
に低いため、液体ヘリウムによって冷却された超電導コ
イルに交流電流を通電し、高電圧を印加する場合、電流
リードにおいて、容易に部分放電が発生する可能性があ
る。特にヘリウムガスの温度が比較的高くなるフランジ
部付近においては絶縁性能が著しく劣化する恐れがあ
る。そこで、例えば特願平4−300889に示される
ように、フランジ部に絶縁性能の高いガスを充填するな
どの方法により、絶縁性能の劣化を防止している。
たヘリウムの絶縁性能は一般的な空気などに比べ、非常
に低いため、液体ヘリウムによって冷却された超電導コ
イルに交流電流を通電し、高電圧を印加する場合、電流
リードにおいて、容易に部分放電が発生する可能性があ
る。特にヘリウムガスの温度が比較的高くなるフランジ
部付近においては絶縁性能が著しく劣化する恐れがあ
る。そこで、例えば特願平4−300889に示される
ように、フランジ部に絶縁性能の高いガスを充填するな
どの方法により、絶縁性能の劣化を防止している。
【0018】したがって、本発明の第3の目的は、取付
フランジ付近の絶縁性能を向上させ、高い信頼性を持つ
超電導コイル用の電流リードを提供することである。
フランジ付近の絶縁性能を向上させ、高い信頼性を持つ
超電導コイル用の電流リードを提供することである。
【0019】超電導コイル装置において、クエンチが発
生し易いか否かの安定性を予め診断することは非常に有
意義なことである。なぜならば、この診断結果に基づい
て運転電流を設定し、運転中のクエンチ発生を防止する
ことができるからである。
生し易いか否かの安定性を予め診断することは非常に有
意義なことである。なぜならば、この診断結果に基づい
て運転電流を設定し、運転中のクエンチ発生を防止する
ことができるからである。
【0020】クエンチ発生のメカニズムを解明するた
め、巻線部あるいは支持体にひずみセンサーあるいは変
位センサーを取り付け、通電した際のびすみあるいは変
位を測定し、その測定結果を考察したものとして、例え
ば Y.Iwasa,et al.;”Experim
ental and theoretical inv
estigation of mechanical
disturbances in epoxy−imp
regnated superconducting
coils.3.Fracture−induced
premature quenches”,Cryog
enics Vol.25,p317(1985)の文
献が知られている。この研究は、電流を上昇してクエン
チを発生させた際のひずみと電流の関係、クエンチの発
生メカニズム、あるいはクエンチの発生を抑えた超電導
コイル装置の構成などについて述べているが、クエンチ
が発生し易いか否かの安定性を診断する方法については
言及していない。
め、巻線部あるいは支持体にひずみセンサーあるいは変
位センサーを取り付け、通電した際のびすみあるいは変
位を測定し、その測定結果を考察したものとして、例え
ば Y.Iwasa,et al.;”Experim
ental and theoretical inv
estigation of mechanical
disturbances in epoxy−imp
regnated superconducting
coils.3.Fracture−induced
premature quenches”,Cryog
enics Vol.25,p317(1985)の文
献が知られている。この研究は、電流を上昇してクエン
チを発生させた際のひずみと電流の関係、クエンチの発
生メカニズム、あるいはクエンチの発生を抑えた超電導
コイル装置の構成などについて述べているが、クエンチ
が発生し易いか否かの安定性を診断する方法については
言及していない。
【0021】したがって、本発明の第4の目的は、ひず
みあるいは変位を指標とした超電導コイル装置の安定性
診断方法を提供することである。
みあるいは変位を指標とした超電導コイル装置の安定性
診断方法を提供することである。
【0022】[発明の構成]
【0023】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明は、超電導線を巻回した巻線部に接着性絶
縁材料を介して巻線部を固着し、これを巻枠や容器など
の支持体に固定した構成の超電導コイルにおいて、接着
性絶縁材料の配置を支持体から離れた超電導線の列間あ
るいは層間に限定する、また、巻線部と支持体の間に空
隙部を設けるという手段が講じた。
るため本発明は、超電導線を巻回した巻線部に接着性絶
縁材料を介して巻線部を固着し、これを巻枠や容器など
の支持体に固定した構成の超電導コイルにおいて、接着
性絶縁材料の配置を支持体から離れた超電導線の列間あ
るいは層間に限定する、また、巻線部と支持体の間に空
隙部を設けるという手段が講じた。
【0024】すなわち、本発明は、 (1)超電導線を複数列複数層に巻回するとともに、接
着性絶縁材料を超電導線の列間あるいは層間に配置して
巻線部を形成し、接着性絶縁材料に熱処理を加えて巻線
部を固着し、巻線部を巻枠や容器などの支持体に固定し
た超電導コイルにおいて、接着性絶縁材料の配置を支持
体から離れた超電導線の列間あるいは層間に限定したこ
とを特徴とする超電導コイルを提供するものである。
着性絶縁材料を超電導線の列間あるいは層間に配置して
巻線部を形成し、接着性絶縁材料に熱処理を加えて巻線
部を固着し、巻線部を巻枠や容器などの支持体に固定し
た超電導コイルにおいて、接着性絶縁材料の配置を支持
体から離れた超電導線の列間あるいは層間に限定したこ
とを特徴とする超電導コイルを提供するものである。
【0025】さらに上記(1)の変形例として: (2)超電導線にエナメル絶縁を被覆し、エナメル絶縁
の上に融着用樹脂を被覆して融着電線とし、融着電線を
複数列複数層に巻回して巻線部を形成し、融着用樹脂に
熱処理を加えて巻線部を固着し、巻線部を支持体に固定
した超電導コイルにおいて、融着電線の一部の融着用樹
脂をあらかじめ取り除いてエナメル電線に戻し、エナメ
ル電線の巻回位置を支持体の近くにし、融着電線の巻回
位置を支持体から離したことを特徴とする超電導コイル
を提供するものである。
の上に融着用樹脂を被覆して融着電線とし、融着電線を
複数列複数層に巻回して巻線部を形成し、融着用樹脂に
熱処理を加えて巻線部を固着し、巻線部を支持体に固定
した超電導コイルにおいて、融着電線の一部の融着用樹
脂をあらかじめ取り除いてエナメル電線に戻し、エナメ
ル電線の巻回位置を支持体の近くにし、融着電線の巻回
位置を支持体から離したことを特徴とする超電導コイル
を提供するものである。
【0026】さらに上記(1)の変形例として: (3)超電導線にエナメル絶縁を被覆してエナメル電線
とし、エナメル電線に融着用樹脂を被覆して融着電線と
し、エナメル電線を複数列1層もしくは複数列複数層に
巻回して巻線部の一部分を形成し、融着電線を複数列複
数層に巻回して巻線部の残り部分を形成し、融着用樹脂
に熱処理を加えて巻線部の残り部分を接着し、上記巻線
部の一部分を支持体に対し近接する位置に配置し、その
外側に該巻線部の残り部分を配置したことを特徴とする
超電導コイルを提供するものである。
とし、エナメル電線に融着用樹脂を被覆して融着電線と
し、エナメル電線を複数列1層もしくは複数列複数層に
巻回して巻線部の一部分を形成し、融着電線を複数列複
数層に巻回して巻線部の残り部分を形成し、融着用樹脂
に熱処理を加えて巻線部の残り部分を接着し、上記巻線
部の一部分を支持体に対し近接する位置に配置し、その
外側に該巻線部の残り部分を配置したことを特徴とする
超電導コイルを提供するものである。
【0027】(4)上記(1)ないし(3)において、
上記巻線部と支持体の間に空隙部を設けたことを特徴と
する超電導コイルを提供するものである。
上記巻線部と支持体の間に空隙部を設けたことを特徴と
する超電導コイルを提供するものである。
【0028】次に、上記第2の目的を達成するために本
発明は、片面にエチレン−メタクリル酸共重合体を主成
分とする熱可塑性樹脂薄膜を形成した積層板を、超電導
線巻回部に接するように配置するという手段を講じた。
発明は、片面にエチレン−メタクリル酸共重合体を主成
分とする熱可塑性樹脂薄膜を形成した積層板を、超電導
線巻回部に接するように配置するという手段を講じた。
【0029】すなわち、本発明は、 (1)超電導線を多重に巻回してなる超電導コイルにお
いて、巻枠および鍔と超電導線巻回部との間に、片面に
エチレン−メタクリル酸共重合体を主成分とする熱可塑
性樹脂薄膜を配した積層板をその薄膜面が、上記超電導
線巻回部に接するように配置したことを特徴とする超電
導コイルを提供するものである。
いて、巻枠および鍔と超電導線巻回部との間に、片面に
エチレン−メタクリル酸共重合体を主成分とする熱可塑
性樹脂薄膜を配した積層板をその薄膜面が、上記超電導
線巻回部に接するように配置したことを特徴とする超電
導コイルを提供するものである。
【0030】また、これに関連して本発明は、 (2)エチレン−メタクリル酸共重合体からなる薄膜を
片面または両面に配したプリプレグテープまたはプリプ
レグシート、または積層板を提供するものである。
片面または両面に配したプリプレグテープまたはプリプ
レグシート、または積層板を提供するものである。
【0031】(3)上記(2)のエチレン−メタクリル
酸共重合体からなる薄膜が、水素結合または金属イオン
によるカルボキシル基相互の結合で分子鎖が架橋された
エチレン−メタクリル酸共重合体を主成分とする熱可塑
性樹脂薄膜であるプリプレグテープまたはプリプレグシ
ート、または積層板を提供するものである。
酸共重合体からなる薄膜が、水素結合または金属イオン
によるカルボキシル基相互の結合で分子鎖が架橋された
エチレン−メタクリル酸共重合体を主成分とする熱可塑
性樹脂薄膜であるプリプレグテープまたはプリプレグシ
ート、または積層板を提供するものである。
【0032】また、超電導線と巻枠の間に片面に熱可塑
性薄膜を配した積層板を熱可塑性薄膜の面を超電導線に
接するように配置した事を特徴とする超電導コイルを提
供するものである。
性薄膜を配した積層板を熱可塑性薄膜の面を超電導線に
接するように配置した事を特徴とする超電導コイルを提
供するものである。
【0033】次に、上記第3の目的を達成するために本
発明は、取付フランジの端部を電流リードを被覆する固
体絶縁物中埋設し、取付フランジ端部での部分放電の発
生を防止するという手段を講じた。
発明は、取付フランジの端部を電流リードを被覆する固
体絶縁物中埋設し、取付フランジ端部での部分放電の発
生を防止するという手段を講じた。
【0034】すなわち、本発明は、 (1)浸漬冷却された超電導コイルに通電するための、
絶縁体で一部が被覆された電流リードであって、該電流
リードが、基端部が上記絶縁体中に埋設された取付フラ
ンジを備えていることを特徴とする電流リードを提供す
るものである。
絶縁体で一部が被覆された電流リードであって、該電流
リードが、基端部が上記絶縁体中に埋設された取付フラ
ンジを備えていることを特徴とする電流リードを提供す
るものである。
【0035】(2)上記(1)において、絶縁体が電流
リードの導体または取付フランジと熱収縮率が同じであ
ることを特徴とする電流リードを提供するものである。
リードの導体または取付フランジと熱収縮率が同じであ
ることを特徴とする電流リードを提供するものである。
【0036】(3)上記(1)において、取付フランジ
より外側の上記絶縁体中またはその表面に発熱体をさら
に備えていることを特徴とする電流リードを提供するも
のである。
より外側の上記絶縁体中またはその表面に発熱体をさら
に備えていることを特徴とする電流リードを提供するも
のである。
【0037】次に、上記第4の目的を達成するために本
発明は、超電導コイル装置の巻線部あるいは支持体にひ
ずみセンサーあるいは変位センサーを取り付け、超電導
コイル装置に通電し、通電時に電流を急激に変化させ、
残留ひずみあるいはひずみとヒステリシスを測定し、残
留ひずみあるいはヒステリシスとクエンチ発生との関係
からクエンチが発生し易いか否かの安定性を診断すると
いう手段を講じた。
発明は、超電導コイル装置の巻線部あるいは支持体にひ
ずみセンサーあるいは変位センサーを取り付け、超電導
コイル装置に通電し、通電時に電流を急激に変化させ、
残留ひずみあるいはひずみとヒステリシスを測定し、残
留ひずみあるいはヒステリシスとクエンチ発生との関係
からクエンチが発生し易いか否かの安定性を診断すると
いう手段を講じた。
【0038】すなわち、本発明は、 (1)超電導線を多重に巻回して巻線部を形成し、巻線
部を支持体に固定して超電導コイル装置を構成し、超電
導コイル装置にひずみセンサーあるいは変位センサーを
取り付け、超電導コイル装置に通電し、通電時のひずみ
あるいは変位を測定し、ひずみあるいは変位の経時変化
から残留ひずみあるいは残留変位を求め、その残留ひず
みあるいは残留変位が小さい程、クエンチが発生し難い
としたことを特徴とする超電導コイル装置の安定性診断
方法を提供するものである。
部を支持体に固定して超電導コイル装置を構成し、超電
導コイル装置にひずみセンサーあるいは変位センサーを
取り付け、超電導コイル装置に通電し、通電時のひずみ
あるいは変位を測定し、ひずみあるいは変位の経時変化
から残留ひずみあるいは残留変位を求め、その残留ひず
みあるいは残留変位が小さい程、クエンチが発生し難い
としたことを特徴とする超電導コイル装置の安定性診断
方法を提供するものである。
【0039】(2)超電導線を多重に巻回して巻線部を
形成し、巻線部を支持体に固定して超電導コイル装置を
構成し、超電導コイル装置にひずみセンサーあるいは変
位センサーを取り付け、超電導コイル装置に通電し、通
電時のひずみあるいは変位を測定し、ひずみあるいは変
位と電流のヒステリシスを求め、ヒステリシスが小さい
程、クエンチが発生し難いとしたことを特徴とする超電
導コイル装置の安定性診断方法を提供するものである。
形成し、巻線部を支持体に固定して超電導コイル装置を
構成し、超電導コイル装置にひずみセンサーあるいは変
位センサーを取り付け、超電導コイル装置に通電し、通
電時のひずみあるいは変位を測定し、ひずみあるいは変
位と電流のヒステリシスを求め、ヒステリシスが小さい
程、クエンチが発生し難いとしたことを特徴とする超電
導コイル装置の安定性診断方法を提供するものである。
【0040】(3)上記(1)または(2)において、
通電時にクエンチを発生さるたことを特徴とする超電導
コイル装置の安定性診断方法を提供するものである。
通電時にクエンチを発生さるたことを特徴とする超電導
コイル装置の安定性診断方法を提供するものである。
【0041】(4)上記(1)または(2)において、
通電中にクエンチを発生させず、超電導コイル装置の運
転電流をx(単位:A)と表した場合、電流の上昇ある
いは降下の速度y(単位:A/min)をx/2(単
位:A/min)以上にしたことを特徴とする超電導コ
イル装置の安定性診断方法を提供するものである。
通電中にクエンチを発生させず、超電導コイル装置の運
転電流をx(単位:A)と表した場合、電流の上昇ある
いは降下の速度y(単位:A/min)をx/2(単
位:A/min)以上にしたことを特徴とする超電導コ
イル装置の安定性診断方法を提供するものである。
【0042】
【作用】上記の第1の目的達成のための手段において
は、支持体から離れた超電導線の列間あるいは層間は接
着性絶縁材料によって接着するため、接着しない場合に
比べ、巻線部の電磁力に対する機械的強度は高くなる。
支持体に近い超電導線は列間および層間が接着しないた
め、電磁力が作用した際に個々に小さく動くようにな
る。したがって、1層目の超電導線と支持体の間は緩や
かに擦れ始めるようになる。また、超電導線と支持体の
間は空隙部によって接触面積が小さくなるため、1層目
の超電導線と支持体の間は緩やかに擦れ始めるようにな
る。
は、支持体から離れた超電導線の列間あるいは層間は接
着性絶縁材料によって接着するため、接着しない場合に
比べ、巻線部の電磁力に対する機械的強度は高くなる。
支持体に近い超電導線は列間および層間が接着しないた
め、電磁力が作用した際に個々に小さく動くようにな
る。したがって、1層目の超電導線と支持体の間は緩や
かに擦れ始めるようになる。また、超電導線と支持体の
間は空隙部によって接触面積が小さくなるため、1層目
の超電導線と支持体の間は緩やかに擦れ始めるようにな
る。
【0043】上記の第2の目的達成のための手段におい
ては、使用される熱可塑性樹脂薄膜がエチレンとメタク
リル酸とのランダム共重合体を主成分としており、この
樹脂薄膜は、低温に於いては脆性破壊を起こさず、応力
緩和構造として機能する。
ては、使用される熱可塑性樹脂薄膜がエチレンとメタク
リル酸とのランダム共重合体を主成分としており、この
樹脂薄膜は、低温に於いては脆性破壊を起こさず、応力
緩和構造として機能する。
【0044】上記の第3の目的達成のための手段におい
ては、取付フランジ端部にヘリウムガスのギャップがな
いため、部分放電が発生するのを防止でき、冷却したと
きに固体絶縁物に熱応力が発生しないため、剥離や割れ
が発生しない。また、固体絶縁物中またはその表面に発
熱体を設けることにより、結露を防いでいる。これらの
作用により、絶縁性能の劣化を防止できる。
ては、取付フランジ端部にヘリウムガスのギャップがな
いため、部分放電が発生するのを防止でき、冷却したと
きに固体絶縁物に熱応力が発生しないため、剥離や割れ
が発生しない。また、固体絶縁物中またはその表面に発
熱体を設けることにより、結露を防いでいる。これらの
作用により、絶縁性能の劣化を防止できる。
【0045】上記の第4の目的達成のための手段におい
ては、電流を急激に変化させた際、巻線部の電磁力も急
激に変化させ、巻線部および支持体のひずみが電磁力の
急激な変化に容易に追随することができないため、残留
ひずみ、あるいはひずみと電流とのヒステリシスは増大
するようになり、残留ひずみやヒステリシスが増大した
場合、巻線部の隣接した超電導線の摩擦熱、あるいは巻
線部と支持体の間の摩擦熱が発生し易くなり、ひいては
クエンチが発生し易くなる。逆に、残留ひずみあるいは
ヒステリシスが増大しなかった場合、クエンチが発生し
難い。このような残留ひずみやヒステリシスとクエンチ
発生の関係から、クエンチが発生し易いか否かの安定性
を診断することができる。
ては、電流を急激に変化させた際、巻線部の電磁力も急
激に変化させ、巻線部および支持体のひずみが電磁力の
急激な変化に容易に追随することができないため、残留
ひずみ、あるいはひずみと電流とのヒステリシスは増大
するようになり、残留ひずみやヒステリシスが増大した
場合、巻線部の隣接した超電導線の摩擦熱、あるいは巻
線部と支持体の間の摩擦熱が発生し易くなり、ひいては
クエンチが発生し易くなる。逆に、残留ひずみあるいは
ヒステリシスが増大しなかった場合、クエンチが発生し
難い。このような残留ひずみやヒステリシスとクエンチ
発生の関係から、クエンチが発生し易いか否かの安定性
を診断することができる。
【0046】
【実施例】まず、本発明の第1の目的達成のための第1
の実施例について図1から図3までを参照して説明す
る。
の実施例について図1から図3までを参照して説明す
る。
【0047】図1は従来例の説明で参照した図7に対応
し、巻枠胴部1aに近い巻線部8の部分拡大断面図であ
る。巻線部8は巻枠胴部1aにエナメル電線9および融
着電線10をそれぞれ複数列複数層に巻回した後、熱処
理を加えたものである。巻線部8と巻枠胴部1aの間に
あらかじめ胴部対地絶縁物2aが装着してある。
し、巻枠胴部1aに近い巻線部8の部分拡大断面図であ
る。巻線部8は巻枠胴部1aにエナメル電線9および融
着電線10をそれぞれ複数列複数層に巻回した後、熱処
理を加えたものである。巻線部8と巻枠胴部1aの間に
あらかじめ胴部対地絶縁物2aが装着してある。
【0048】エナメル電線9と融着電線10は連続した
1本の電線である。エナメル電線9は胴部対地絶縁物2
aの上、すなわち巻枠胴部1aの近くに複数列2層に巻
回してある。その複数列2層の上に非接着性絶縁シート
11が被覆してある。非接着性絶縁シート11の材質は
離型性が優れ、摩擦係数が小さいポリ四フッ化エチレン
が1例として用いられる。
1本の電線である。エナメル電線9は胴部対地絶縁物2
aの上、すなわち巻枠胴部1aの近くに複数列2層に巻
回してある。その複数列2層の上に非接着性絶縁シート
11が被覆してある。非接着性絶縁シート11の材質は
離型性が優れ、摩擦係数が小さいポリ四フッ化エチレン
が1例として用いられる。
【0049】その非接着性絶縁シート11の上、すなわ
ち巻枠胴部1aから離れた位置に融着電線10が複数列
複数層に巻回してある。融着電線10はエナメル電線9
に比べ巻回張力が高くしてある。融着電線10の列間お
よび層間は熱処理を加えた融着用樹脂12によって接着
してある。胴部対地絶縁2aとエナメル電線9は接触面
6で接触させてある。その接触面6とエナメル電線9の
隙間7は空隙にしてある。図2は図1中の融着電線10
の熱処理を加える前の断面構成図である。その融着電線
10は図7中のエナメル電線4に融着用樹脂12を被覆
したものである。なお、ここで4aは超電導線、4bは
エナメル絶縁を示している。
ち巻枠胴部1aから離れた位置に融着電線10が複数列
複数層に巻回してある。融着電線10はエナメル電線9
に比べ巻回張力が高くしてある。融着電線10の列間お
よび層間は熱処理を加えた融着用樹脂12によって接着
してある。胴部対地絶縁2aとエナメル電線9は接触面
6で接触させてある。その接触面6とエナメル電線9の
隙間7は空隙にしてある。図2は図1中の融着電線10
の熱処理を加える前の断面構成図である。その融着電線
10は図7中のエナメル電線4に融着用樹脂12を被覆
したものである。なお、ここで4aは超電導線、4bは
エナメル絶縁を示している。
【0050】融着用樹脂12としては例えばフェノキシ
樹脂、ホットメルト接着剤、半硬化状態のエポキシ樹脂
などを用いることができる。また、融着用樹脂12は室
温で粘着しないものであるが、熱処理を加えた時に溶融
して流れるものである。また、半硬化状態のエポキシ樹
脂を融着用樹脂12として用いた場合、そのエポキシ樹
脂は熱処理時に溶融して流れた後、徐々に硬化する。
樹脂、ホットメルト接着剤、半硬化状態のエポキシ樹脂
などを用いることができる。また、融着用樹脂12は室
温で粘着しないものであるが、熱処理を加えた時に溶融
して流れるものである。また、半硬化状態のエポキシ樹
脂を融着用樹脂12として用いた場合、そのエポキシ樹
脂は熱処理時に溶融して流れた後、徐々に硬化する。
【0051】融着用樹脂12の被覆厚さは融着電線10
の断面のたて寸法またはよこ寸法の1/100〜1/5
0程度でよい。融着用樹脂12を溶融させながら融着電
線10から拭き取ったものが図1中のエナメル電線9で
ある。すなわち、図7中のエナメル電線4は融着用樹脂
12を被覆しないものであるが、図1中のエナメル電線
9は融着用樹脂12を一旦被覆したものである。
の断面のたて寸法またはよこ寸法の1/100〜1/5
0程度でよい。融着用樹脂12を溶融させながら融着電
線10から拭き取ったものが図1中のエナメル電線9で
ある。すなわち、図7中のエナメル電線4は融着用樹脂
12を被覆しないものであるが、図1中のエナメル電線
9は融着用樹脂12を一旦被覆したものである。
【0052】次に上記構成の作用について説明する。巻
枠胴部1aから離してある複数列複数層の融着電線10
の列間および層間は融着用樹脂12によって接着してあ
るため、電磁力が作用した際に容易に変位しない。すな
わち、巻線部8の巻枠胴部1aから離れている部分は電
磁力が作用した際に容易に座屈しない。また、巻線部8
の巻枠胴部1aから離れている部分は、融着電線10の
巻回張力が高くしてあるため、巻線部8の巻枠胴部1a
に近い部分が電磁力で座屈しないように保護する。
枠胴部1aから離してある複数列複数層の融着電線10
の列間および層間は融着用樹脂12によって接着してあ
るため、電磁力が作用した際に容易に変位しない。すな
わち、巻線部8の巻枠胴部1aから離れている部分は電
磁力が作用した際に容易に座屈しない。また、巻線部8
の巻枠胴部1aから離れている部分は、融着電線10の
巻回張力が高くしてあるため、巻線部8の巻枠胴部1a
に近い部分が電磁力で座屈しないように保護する。
【0053】その巻枠胴部1aに近い部分である複数列
2層のエナメル電線9の列間および層間は接着していな
いため、エナメル電線9は個々に動くことができる。し
たがって、電磁力が巻線部8の長手方向に作用した際、
1層目のエナメル電線9と胴部対地絶縁物2aは緩やか
に擦れ始める。エナメル電線9と融着電線10は1本の
電線であるため、電気的な接続が不要である。融着用樹
脂12は室温で粘着しないため、融着電線10を複数列
複数層に巻回しながら複数列複数層の配列を調整するこ
とは容易である。
2層のエナメル電線9の列間および層間は接着していな
いため、エナメル電線9は個々に動くことができる。し
たがって、電磁力が巻線部8の長手方向に作用した際、
1層目のエナメル電線9と胴部対地絶縁物2aは緩やか
に擦れ始める。エナメル電線9と融着電線10は1本の
電線であるため、電気的な接続が不要である。融着用樹
脂12は室温で粘着しないため、融着電線10を複数列
複数層に巻回しながら複数列複数層の配列を調整するこ
とは容易である。
【0054】熱処理を加えた際、融着用樹脂12は溶融
して流れるため、融着電線10の列間および層間の空隙
は小さくなる。非接着性絶縁シート11は複数列2層の
エナメル電線9を覆っているため、溶融した融着用樹脂
12は複数列2層のエナメル電線9の間に流れ込まな
い。すなわち、熱処理を加えた際、エナメル電線9の列
間および層間が融着用樹脂12によって接着することは
起こらない。また、融着用樹脂12は隙間7にも流れ込
まない。したがって、電磁力が作用した際、1層目のエ
ナメル電線9と胴部対地絶縁物2aは緩やかに擦れ始め
る。
して流れるため、融着電線10の列間および層間の空隙
は小さくなる。非接着性絶縁シート11は複数列2層の
エナメル電線9を覆っているため、溶融した融着用樹脂
12は複数列2層のエナメル電線9の間に流れ込まな
い。すなわち、熱処理を加えた際、エナメル電線9の列
間および層間が融着用樹脂12によって接着することは
起こらない。また、融着用樹脂12は隙間7にも流れ込
まない。したがって、電磁力が作用した際、1層目のエ
ナメル電線9と胴部対地絶縁物2aは緩やかに擦れ始め
る。
【0055】非接着性絶縁シート11の離型性は優れ、
摩擦係数は小さいため、非接着性絶縁シート11とエナ
メル電線9あるいは融着電線10との剥離あるいは摩擦
に伴う発熱によるクエンチは容易に発生しない。図3は
本発明および従来例の超電導コイルのトレーニング試験
の結果である。縦軸のクエンチ電流Iq はクエンチが発
生するまで一定速度で上昇させた電流の到達値である。
横軸のクエンチNo.はIq を繰り返し測定した番号、
すなわちトレーニング回数である。本発明の超電導コイ
ルは従来例に比べIq が高くなっている。しかも、Iq
が少ないトレーニング回数で高くなっている。
摩擦係数は小さいため、非接着性絶縁シート11とエナ
メル電線9あるいは融着電線10との剥離あるいは摩擦
に伴う発熱によるクエンチは容易に発生しない。図3は
本発明および従来例の超電導コイルのトレーニング試験
の結果である。縦軸のクエンチ電流Iq はクエンチが発
生するまで一定速度で上昇させた電流の到達値である。
横軸のクエンチNo.はIq を繰り返し測定した番号、
すなわちトレーニング回数である。本発明の超電導コイ
ルは従来例に比べIq が高くなっている。しかも、Iq
が少ないトレーニング回数で高くなっている。
【0056】次に本発明の第2の実施例について、図4
を参照して説明する。図4は先に参照した図1に対応
し、巻枠胴部1aに近い巻線部13の部分拡大断面図で
ある。巻線部13は胴部対地絶縁物2aを装着した巻枠
胴部1aにエナメル電線4を複数列複数層に巻回しなが
らエナメル電線4の層間に最初に非接着性絶縁シート1
1、ついで第3層目以上に接着性絶縁シート14を配置
した後、熱処理を加えたものである。このように非接着
性絶縁シート11はエナメル電線4の1層目から3層目
までの層間、すなわち巻枠胴部1aに近い層間に配置し
てある。接着性絶縁シート14はエナメル電線4の3層
目以降の層間、すなわち巻枠胴部1aから離れた層間に
配置してある。また、巻枠胴部1aから離してある層間
は接着性絶縁シート14に熱処理を加えることによって
接着してある。
を参照して説明する。図4は先に参照した図1に対応
し、巻枠胴部1aに近い巻線部13の部分拡大断面図で
ある。巻線部13は胴部対地絶縁物2aを装着した巻枠
胴部1aにエナメル電線4を複数列複数層に巻回しなが
らエナメル電線4の層間に最初に非接着性絶縁シート1
1、ついで第3層目以上に接着性絶縁シート14を配置
した後、熱処理を加えたものである。このように非接着
性絶縁シート11はエナメル電線4の1層目から3層目
までの層間、すなわち巻枠胴部1aに近い層間に配置し
てある。接着性絶縁シート14はエナメル電線4の3層
目以降の層間、すなわち巻枠胴部1aから離れた層間に
配置してある。また、巻枠胴部1aから離してある層間
は接着性絶縁シート14に熱処理を加えることによって
接着してある。
【0057】接着性絶縁シート14としては、例えば溶
融した融着用樹脂をガラス布に含浸した後に融着用樹脂
を固化したシート、エポキシ樹脂をガラス布に含浸した
後にエポキシ樹脂を半硬化状態にしたシート、両面粘着
のポリイミドシートなどが用いられる。4層目以降のエ
ナメル電線4は3層目までのエナメル電線4に比べ巻回
張力が高くしてある。エナメル電線4と胴部対地絶縁物
2aは接触面6で接触させてある。その接触面6とエナ
メル電線4の隙間7は空隙にしてある。
融した融着用樹脂をガラス布に含浸した後に融着用樹脂
を固化したシート、エポキシ樹脂をガラス布に含浸した
後にエポキシ樹脂を半硬化状態にしたシート、両面粘着
のポリイミドシートなどが用いられる。4層目以降のエ
ナメル電線4は3層目までのエナメル電線4に比べ巻回
張力が高くしてある。エナメル電線4と胴部対地絶縁物
2aは接触面6で接触させてある。その接触面6とエナ
メル電線4の隙間7は空隙にしてある。
【0058】上記の第2の実施例の作用について説明す
る。巻枠胴部1aから離してある3層目以降の層間は接
着してあるため、容易に変位しない。すなわち、巻線部
13の巻枠胴部1aから離してある部分は大きな電磁力
が作用しても容易に座屈しない。また、巻線部13の巻
枠胴部1aから離してある部分はエナメル電線4の巻回
張力が高くしてあるため、電磁力が作用した際、巻線部
13の巻枠胴部1aに近い部分が座屈しないように保護
する。
る。巻枠胴部1aから離してある3層目以降の層間は接
着してあるため、容易に変位しない。すなわち、巻線部
13の巻枠胴部1aから離してある部分は大きな電磁力
が作用しても容易に座屈しない。また、巻線部13の巻
枠胴部1aから離してある部分はエナメル電線4の巻回
張力が高くしてあるため、電磁力が作用した際、巻線部
13の巻枠胴部1aに近い部分が座屈しないように保護
する。
【0059】他方、巻枠胴部1aに近い3層目までの層
間は接着していないため、エナメル電線4は個々に動く
ことができる。したがって、接触しているエナメル電線
4と胴部対地絶縁物2aは電磁力が作用した際に緩やか
に擦れ始める。2層目と3層目の間の非接着性絶縁シー
ト11は2層目と3層目の間を遮蔽しているため、熱処
理を加えた時、3層目以降の接着性絶縁シート14から
流出したエポキシ樹脂または粘着剤は1層目および2層
目のエナメル電線4の間に流れ込まない。すなわち、熱
処理を加えた時、1層目および2層目のエナメル電線4
の列間および層間が接着することは起こらない。また、
エポキシ樹脂または粘着剤は隙間7にも流れ込まない。
したがって、1層目のエナメル電線4と胴部対地絶縁物
2aは電磁力が作用した際に緩やかに擦れ始める。
間は接着していないため、エナメル電線4は個々に動く
ことができる。したがって、接触しているエナメル電線
4と胴部対地絶縁物2aは電磁力が作用した際に緩やか
に擦れ始める。2層目と3層目の間の非接着性絶縁シー
ト11は2層目と3層目の間を遮蔽しているため、熱処
理を加えた時、3層目以降の接着性絶縁シート14から
流出したエポキシ樹脂または粘着剤は1層目および2層
目のエナメル電線4の間に流れ込まない。すなわち、熱
処理を加えた時、1層目および2層目のエナメル電線4
の列間および層間が接着することは起こらない。また、
エポキシ樹脂または粘着剤は隙間7にも流れ込まない。
したがって、1層目のエナメル電線4と胴部対地絶縁物
2aは電磁力が作用した際に緩やかに擦れ始める。
【0060】次に本発明の第3の実施例について、図5
を参照して説明する。図5は超電導ソレノイドコイルの
部分輪切り断面図である。巻枠胴部1aおよび巻線部8
は先に参照した図1中のものと同一の構成からなる。し
たがって、これらについては同一符号を付すことにより
説明を省略する。しかし、胴部対地絶縁物15はエナメ
ル電線9および融着電線10の巻回方向と垂直な方向に
複数の溝(空隙部16)が加工してある。この空隙部1
6はエナメル電線9と胴部対地絶縁物15の間に位置し
ている。エナメル電線9と胴部対地絶縁物15は空隙部
16を除いた部分の接触面17で接触させてある。
を参照して説明する。図5は超電導ソレノイドコイルの
部分輪切り断面図である。巻枠胴部1aおよび巻線部8
は先に参照した図1中のものと同一の構成からなる。し
たがって、これらについては同一符号を付すことにより
説明を省略する。しかし、胴部対地絶縁物15はエナメ
ル電線9および融着電線10の巻回方向と垂直な方向に
複数の溝(空隙部16)が加工してある。この空隙部1
6はエナメル電線9と胴部対地絶縁物15の間に位置し
ている。エナメル電線9と胴部対地絶縁物15は空隙部
16を除いた部分の接触面17で接触させてある。
【0061】上記構成の第3の実施例の作用について説
明する。接触面17は空隙部16が設けてあるため、図
1中の接触面6に比べ狭くなっている。接触面17が狭
くなるにつれ、エナメル電線9が動き易くなる。したが
って、エナメル電線9と胴部対地絶縁物15は電磁力が
作用した際に緩やかに擦れ始める。
明する。接触面17は空隙部16が設けてあるため、図
1中の接触面6に比べ狭くなっている。接触面17が狭
くなるにつれ、エナメル電線9が動き易くなる。したが
って、エナメル電線9と胴部対地絶縁物15は電磁力が
作用した際に緩やかに擦れ始める。
【0062】本発明による他の実施例について、先に参
照した図を用いて説明する。図1から図5までの超電導
コイルの輪切り断面はドーナツ形にしてあるが、レース
トラック形にすることもできる。巻枠1は巻線部8や1
3を形成した後も支持体として用いてあるが、形成した
後に巻枠1を取り外し、巻線部8や13を容器、その他
の支持体に固定することもできる。バインドを用い、巻
線部8や13を巻枠1に緊縛することもできる。低摩擦
材を巻線部8や13と巻枠1の間に配置し、摩擦熱を低
減することもできる。超電導線4aはモノリシック導体
にしてあるが、撚線導体や強制冷却導体にすることもで
きる。超電導線4aの断面は平角形にしてあるが、円形
にすることもできる。超電導線4aを被覆している絶縁
材料はエナメル絶縁4bにしてあるが、テープ形状の絶
縁材料にすることもできる。
照した図を用いて説明する。図1から図5までの超電導
コイルの輪切り断面はドーナツ形にしてあるが、レース
トラック形にすることもできる。巻枠1は巻線部8や1
3を形成した後も支持体として用いてあるが、形成した
後に巻枠1を取り外し、巻線部8や13を容器、その他
の支持体に固定することもできる。バインドを用い、巻
線部8や13を巻枠1に緊縛することもできる。低摩擦
材を巻線部8や13と巻枠1の間に配置し、摩擦熱を低
減することもできる。超電導線4aはモノリシック導体
にしてあるが、撚線導体や強制冷却導体にすることもで
きる。超電導線4aの断面は平角形にしてあるが、円形
にすることもできる。超電導線4aを被覆している絶縁
材料はエナメル絶縁4bにしてあるが、テープ形状の絶
縁材料にすることもできる。
【0063】本発明によるさらに他の実施例について、
先に参照した図1を用いて説明する。エナメル電線9と
融着電線10は連続した1本の電線にしてあるが、別々
な2本の電線にし、巻線部8を形成した後、エナメル電
線9と融着電線10を電気的に接続することもできる。
もしくは、電気的に接続せず、融着電線10のみに通電
することもできる。
先に参照した図1を用いて説明する。エナメル電線9と
融着電線10は連続した1本の電線にしてあるが、別々
な2本の電線にし、巻線部8を形成した後、エナメル電
線9と融着電線10を電気的に接続することもできる。
もしくは、電気的に接続せず、融着電線10のみに通電
することもできる。
【0064】本発明の第2の目的達成のために用いられ
る熱可塑性樹脂薄膜の主成分であるエチレンとメタクリ
ル酸とのランダム共重合体は、その分子構造において二
つのタイプに大別される。まず、第一のタイプ(化合物
1)は、当該共重合体の分子鎖中に不規則に存在するメ
タクリル酸単位のカルボキシル基が水素結合によって結
合し、これによって分子鎖間が架橋された熱可塑性樹脂
である。
る熱可塑性樹脂薄膜の主成分であるエチレンとメタクリ
ル酸とのランダム共重合体は、その分子構造において二
つのタイプに大別される。まず、第一のタイプ(化合物
1)は、当該共重合体の分子鎖中に不規則に存在するメ
タクリル酸単位のカルボキシル基が水素結合によって結
合し、これによって分子鎖間が架橋された熱可塑性樹脂
である。
【0065】一方、第二のタイプ(化合物2)は、前記
メタクリル酸単位のカルボキシル基が部分的にナトリウ
ム、亜鉛等の金属イオンを介して結合し、これによって
分子鎖間が架橋された熱可塑性樹脂である。
メタクリル酸単位のカルボキシル基が部分的にナトリウ
ム、亜鉛等の金属イオンを介して結合し、これによって
分子鎖間が架橋された熱可塑性樹脂である。
【0066】その構造式を以下に示す。
【0067】
【化1】
【0068】
【化2】 具体的には、第一のタイプとして、化学構造式(化合物
1)に示すEMMA樹脂ニュクレル(三井・デュポンポ
リケミカル社製)が、また、第二のタイプとして、化学
構造式(化合物2)にしめすアイオノマー樹脂ハイミラ
ン(三井・デュポンポリケミカル社製)が各々挙げられ
る。これらのエチレン−メタクリル酸共重合体の融点は
特に限定されないが、80〜120℃程度が好ましい。
この理由は、プリプレグの硬化に於いて、適度な温度で
他の絶縁材料の熱劣化に影響を及ぼさないで反応でき
る。また、プリプレグ樹脂としてエポキシ樹脂を使用す
る場合には、前記樹脂薄膜を構成する共重合体とこれに
接するエポキシ樹脂とを相溶させ、エポキシ樹脂との硬
化反応を促進するのに好適な温度範囲に当たるためであ
る。
1)に示すEMMA樹脂ニュクレル(三井・デュポンポ
リケミカル社製)が、また、第二のタイプとして、化学
構造式(化合物2)にしめすアイオノマー樹脂ハイミラ
ン(三井・デュポンポリケミカル社製)が各々挙げられ
る。これらのエチレン−メタクリル酸共重合体の融点は
特に限定されないが、80〜120℃程度が好ましい。
この理由は、プリプレグの硬化に於いて、適度な温度で
他の絶縁材料の熱劣化に影響を及ぼさないで反応でき
る。また、プリプレグ樹脂としてエポキシ樹脂を使用す
る場合には、前記樹脂薄膜を構成する共重合体とこれに
接するエポキシ樹脂とを相溶させ、エポキシ樹脂との硬
化反応を促進するのに好適な温度範囲に当たるためであ
る。
【0069】この場合に用いられるプリプレグ樹脂は、
エポキシ樹脂を主成分として、更に硬化剤及び適宜他の
添加剤を含有した熱硬化性材料である。
エポキシ樹脂を主成分として、更に硬化剤及び適宜他の
添加剤を含有した熱硬化性材料である。
【0070】前記エポキシ樹脂には、一分子中に少なく
とも一個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が使用され
得る。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA−D型エポキシ樹脂、多価アルコールのグリシジ
ルエステル、脂環式エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これら
エポキシ樹脂は、必要に応じて、反応性希釈剤、または
非反応性希釈剤等が添加して用いてもよい。
とも一個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が使用され
得る。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA−D型エポキシ樹脂、多価アルコールのグリシジ
ルエステル、脂環式エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これら
エポキシ樹脂は、必要に応じて、反応性希釈剤、または
非反応性希釈剤等が添加して用いてもよい。
【0071】前記硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化
剤として通常使用され得るものであれば特に限定されな
い。例えばフェノール樹脂、ポリアミン樹脂、酸無水物
等が挙げられる。
剤として通常使用され得るものであれば特に限定されな
い。例えばフェノール樹脂、ポリアミン樹脂、酸無水物
等が挙げられる。
【0072】これらエポキシ樹脂と硬化剤との配合比
は、一般的に当該エポキシ樹脂がプリプレグとして使用
される場合に適するような比率に設定され得る。
は、一般的に当該エポキシ樹脂がプリプレグとして使用
される場合に適するような比率に設定され得る。
【0073】前記エポキシ樹脂系プリプレグは、必要に
応じて上述した成分に加え、エポキシ樹脂の硬化反応を
促進させるための触媒、柔軟性添加剤、更には、例えば
石英粉末、溶融シリカ粉末、ガラス粉末、ガラス繊維、
各種ウイスカ、タルク窒化ケイ素、窒化アルミニウム、
アルミナ等の無機質充填剤等を配合させてもよい。
応じて上述した成分に加え、エポキシ樹脂の硬化反応を
促進させるための触媒、柔軟性添加剤、更には、例えば
石英粉末、溶融シリカ粉末、ガラス粉末、ガラス繊維、
各種ウイスカ、タルク窒化ケイ素、窒化アルミニウム、
アルミナ等の無機質充填剤等を配合させてもよい。
【0074】また、エチレンとメタクリル酸の共重合体
は、そのメタクリル酸単位におけるカルボキシル基の水
素結合または金属イオンを介した結合によって架橋され
ているが、高温、特に該共重合体の軟化点以上に於いて
はこの架橋結合が弱まり、カルボキシル基が再生する。
この再生したカルボキシル基は、エポキシ樹脂と相溶し
て、そのエポキシ基と反応する。
は、そのメタクリル酸単位におけるカルボキシル基の水
素結合または金属イオンを介した結合によって架橋され
ているが、高温、特に該共重合体の軟化点以上に於いて
はこの架橋結合が弱まり、カルボキシル基が再生する。
この再生したカルボキシル基は、エポキシ樹脂と相溶し
て、そのエポキシ基と反応する。
【0075】このプリプレグテープ、プリプレグシート
において、セパレートフィルムに代えて熱可塑性重合体
を使用することによって、製造時にセパレートフィルム
を分離する必要がなく、作業性の向上が図れると同時
に、セパレートフィルムを廃棄することがないので環境
汚染の虞れがない。
において、セパレートフィルムに代えて熱可塑性重合体
を使用することによって、製造時にセパレートフィルム
を分離する必要がなく、作業性の向上が図れると同時
に、セパレートフィルムを廃棄することがないので環境
汚染の虞れがない。
【0076】この発明で、超電導コイルの対地絶縁物と
して好適な積層板は、積層板用プリプレグシートを所定
枚数を重ね表面に熱可塑性重合体を配して、熱プレスで
所定条件で加熱加圧して作成する。この様にして製作し
た積層板の片面には上述のエチレン/メタクリル酸共重
合体を主成分とする熱可塑性重合体が設けられていて、
積層板に接する面では、積層板用樹脂(例えばエポキシ
樹脂)と反応している。これを模式的に図8に示した。
このような熱可塑性重合体を配した面は、特に接着剤を
使用しなくとも融点以上に加熱することで被着体に接着
させることができる。
して好適な積層板は、積層板用プリプレグシートを所定
枚数を重ね表面に熱可塑性重合体を配して、熱プレスで
所定条件で加熱加圧して作成する。この様にして製作し
た積層板の片面には上述のエチレン/メタクリル酸共重
合体を主成分とする熱可塑性重合体が設けられていて、
積層板に接する面では、積層板用樹脂(例えばエポキシ
樹脂)と反応している。これを模式的に図8に示した。
このような熱可塑性重合体を配した面は、特に接着剤を
使用しなくとも融点以上に加熱することで被着体に接着
させることができる。
【0077】この超電導コイルにおいて、熱可塑性重合
体の面をコイル側にすることでコイルに接する面の接着
力が強くなり、その結果コイル全体の剛性が高まる。
体の面をコイル側にすることでコイルに接する面の接着
力が強くなり、その結果コイル全体の剛性が高まる。
【0078】また、積層板と超電導コイルの巻き枠との
間は、離型しており、積極的に積層板の断熱性を有効に
利用できるので、コイルと巻き枠との間に摩擦熱による
クエンチ抑制の効果は大きい。また、コイルと巻き枠と
の間の摩擦熱低減のためポリイミドフィルムやテフロン
シートを併用する事で、更にクエンチを抑制する効果を
高めることができる。
間は、離型しており、積極的に積層板の断熱性を有効に
利用できるので、コイルと巻き枠との間に摩擦熱による
クエンチ抑制の効果は大きい。また、コイルと巻き枠と
の間の摩擦熱低減のためポリイミドフィルムやテフロン
シートを併用する事で、更にクエンチを抑制する効果を
高めることができる。
【0079】次に、このようなプリプレグテープおよび
積層板についての実施例を比較例と比較して示す。 (実施例1)(比較例1) プリプレグテープに従来のセパレートフィルムとニュク
レル(三井・デュポンポリケミカル社製)をそれぞれ付
着させたもののテーピングマシンでの作業性を比較実験
したところ、テープ取り付けと終了後の作業に大きな差
があり、ニュクレルを付着させたものは、時間にして約
20〜40%能率が向上することが確認された。その
上、従来のセパレートフィルムは、更に廃棄が必要にな
り、この様に作業効率と環境性において、本発明の効果
が確認できた。 (実施例2)(比較例2) 通常のエポキシ系積層板21(比較例2)と、このエポ
キシ系積層板21の片面にニュクレル(三井・デュポン
ポリケミカル社製)の40μm厚のフィルム22を配し
た積層板(実施例2)をそれぞれ150℃、20kg/
cm2 の圧力で3時間加圧して、それぞれ2mmの厚さ
に製作した(図9)。
積層板についての実施例を比較例と比較して示す。 (実施例1)(比較例1) プリプレグテープに従来のセパレートフィルムとニュク
レル(三井・デュポンポリケミカル社製)をそれぞれ付
着させたもののテーピングマシンでの作業性を比較実験
したところ、テープ取り付けと終了後の作業に大きな差
があり、ニュクレルを付着させたものは、時間にして約
20〜40%能率が向上することが確認された。その
上、従来のセパレートフィルムは、更に廃棄が必要にな
り、この様に作業効率と環境性において、本発明の効果
が確認できた。 (実施例2)(比較例2) 通常のエポキシ系積層板21(比較例2)と、このエポ
キシ系積層板21の片面にニュクレル(三井・デュポン
ポリケミカル社製)の40μm厚のフィルム22を配し
た積層板(実施例2)をそれぞれ150℃、20kg/
cm2 の圧力で3時間加圧して、それぞれ2mmの厚さ
に製作した(図9)。
【0080】比較例2の接着は、エポキシ系接着剤のス
タイキャスト1266(グレースジャパン株)を使用し
て、1kg/cm2 の圧力で室温にて1週間放置した試
験片で評価した。
タイキャスト1266(グレースジャパン株)を使用し
て、1kg/cm2 の圧力で室温にて1週間放置した試
験片で評価した。
【0081】一方、実施例2はニュクレルフィルム22
の面を合わせて、1kg/cm2 の圧力を加えて120
℃で2時間加熱して試験片とした。
の面を合わせて、1kg/cm2 の圧力を加えて120
℃で2時間加熱して試験片とした。
【0082】この2種類の剪断接着強さをJIS K
6850の試験法にしたがって評価した結果を表−1に
示す。
6850の試験法にしたがって評価した結果を表−1に
示す。
【0083】
【表1】 FRP:ガラスエポキシ積層板 Cu :鋼板 SUS:ステンレス板 この様に、代表的なエポキシ系の接着剤と比較しても、
安定した高い剪断力を示し、低温度においても被着体の
種類によらず高度に安定している。 (実施例3)(比較例3) この実施例に用いたモデルコイルの構成について以下に
説明する。
安定した高い剪断力を示し、低温度においても被着体の
種類によらず高度に安定している。 (実施例3)(比較例3) この実施例に用いたモデルコイルの構成について以下に
説明する。
【0084】比較例3は、実験用モデルコイルで、ステ
ンレス製巻枠24にガラス基材入りエポキシプリプレグ
を対地絶縁23として配置し、その上に超電導線を密巻
にし、各層間にガラス基材入りエポキシプリプレグを挿
入して巻線部25とした(図10a)。
ンレス製巻枠24にガラス基材入りエポキシプリプレグ
を対地絶縁23として配置し、その上に超電導線を密巻
にし、各層間にガラス基材入りエポキシプリプレグを挿
入して巻線部25とした(図10a)。
【0085】尚、コイルは、130℃で10時間の加熱
により、エポキシプリプレグを硬化して一体化した。
により、エポキシプリプレグを硬化して一体化した。
【0086】比較例4は、比較例3の巻枠24と、ガラ
ス基材入りエポキシプリプレグからなる対地絶縁23と
の間にテフロンシート26を挿入した構成である(図1
0b)。
ス基材入りエポキシプリプレグからなる対地絶縁23と
の間にテフロンシート26を挿入した構成である(図1
0b)。
【0087】テフロンシート26は、巻枠24と巻線部
25を離型することによる界面熱応力の解放および、摩
擦係数の低いことを利用して、電磁力によって生じる巻
枠24と巻線部25との間の摩擦発熱を抑制するために
用いている。
25を離型することによる界面熱応力の解放および、摩
擦係数の低いことを利用して、電磁力によって生じる巻
枠24と巻線部25との間の摩擦発熱を抑制するために
用いている。
【0088】尚、巻線部25は、130℃で10時間の
加熱により、エポキシプリプレグを硬化して一体化し
た。
加熱により、エポキシプリプレグを硬化して一体化し
た。
【0089】実施例3は、巻枠24と巻線部25との間
の対地絶縁23として、片面にニュクレルフィルム27
aを配した1mm厚さのガラスエポキシ積層板27を使
用した(図10c)。
の対地絶縁23として、片面にニュクレルフィルム27
aを配した1mm厚さのガラスエポキシ積層板27を使
用した(図10c)。
【0090】ニュクレルフィルム27aの面を巻線部2
5側にして、エポキシ樹脂面は、巻枠24側になるよう
に配置した。このニュクレルフィルム面に超電導線を密
巻にし、各層間にガラス基材入りエポキシプリプレグを
挿入して巻線部25とした。
5側にして、エポキシ樹脂面は、巻枠24側になるよう
に配置した。このニュクレルフィルム面に超電導線を密
巻にし、各層間にガラス基材入りエポキシプリプレグを
挿入して巻線部25とした。
【0091】尚、巻線部25は、130℃で10時間の
加熱により、エポキシプリプレグを硬化して一体化し
た。
加熱により、エポキシプリプレグを硬化して一体化し
た。
【0092】この様に構成したモデルコイルを用いて、
極低温における励磁試験を実施した結果を図11に示し
た。
極低温における励磁試験を実施した結果を図11に示し
た。
【0093】比較例3のものは、コイルの最内層でクエ
ンチが発生した。この現象は、収縮応力と電磁力によっ
て、巻枠との界面剥離、クラックの発熱と推定される。
ンチが発生した。この現象は、収縮応力と電磁力によっ
て、巻枠との界面剥離、クラックの発熱と推定される。
【0094】しかも、定格に比べて低い電流値から発生
し、トレーニング効果を示している。
し、トレーニング効果を示している。
【0095】比較例4は、テフロンの離型効果で収縮応
力が大幅に低減され、かつ、摩擦抵抗が低くなった効果
で、比較例3に比べてかなり向上している。
力が大幅に低減され、かつ、摩擦抵抗が低くなった効果
で、比較例3に比べてかなり向上している。
【0096】しかしながら、テフロンは、超電導線を巻
き付けるときの強い張力で変形して薄い部分ができる。
この為、電磁力による摩擦発熱を断熱する効果が薄れる
ので十分とは言えない。
き付けるときの強い張力で変形して薄い部分ができる。
この為、電磁力による摩擦発熱を断熱する効果が薄れる
ので十分とは言えない。
【0097】本発明における実施例3は、ガラスエポキ
シ積層板27が巻枠24に接して離型しており、ニュク
レルフィルム27aの面が巻枠24と強く接着してい
る。また、積層板27が断熱効果を発揮するので、最初
からほとんど定格に達した励磁ができ、しかも、非常に
安定している。
シ積層板27が巻枠24に接して離型しており、ニュク
レルフィルム27aの面が巻枠24と強く接着してい
る。また、積層板27が断熱効果を発揮するので、最初
からほとんど定格に達した励磁ができ、しかも、非常に
安定している。
【0098】この様に、本発明によれば、励磁特性に優
れた超電導コイルが提供できる。
れた超電導コイルが提供できる。
【0099】図12は本発明の第3の目的を達成するた
めの超電導コイル用の電流リードが取付けられた極低温
装置の一部を断面で示したものである。
めの超電導コイル用の電流リードが取付けられた極低温
装置の一部を断面で示したものである。
【0100】図12において、電流リード31の下端部
に接続導体32が接続されていて、この接続導体32の
下端部は液体ヘリウム33中に導入され、超電導コイル
(図示しない)に接続されている。
に接続導体32が接続されていて、この接続導体32の
下端部は液体ヘリウム33中に導入され、超電導コイル
(図示しない)に接続されている。
【0101】電流リード31は冷却孔31aが形成され
た中空導体31bと、その一部を被覆する絶縁被覆部3
1cとから主として構成されている。したがって中空導
体31aの下端開口部から蒸発ヘリウムガスが導入され
上端開口部から排出することにより電流リード31の冷
却が図られている。
た中空導体31bと、その一部を被覆する絶縁被覆部3
1cとから主として構成されている。したがって中空導
体31aの下端開口部から蒸発ヘリウムガスが導入され
上端開口部から排出することにより電流リード31の冷
却が図られている。
【0102】電流リード31の上部は絶縁被覆部31c
が拡大された拡大絶縁部31dが形成され、この拡大絶
縁部31dに取付フランジ34が固定されている。すな
わち、取付フランジ34は円筒形をなす基端部34aが
この拡大絶縁部31dに埋設され、取付フランジ34の
周縁部34bは絶縁拡大部31dから延出していて、極
低温装置の所定のフランジ35に固定支持されている。
なお、図中36は給電用の導体を接続するための接続部
である。
が拡大された拡大絶縁部31dが形成され、この拡大絶
縁部31dに取付フランジ34が固定されている。すな
わち、取付フランジ34は円筒形をなす基端部34aが
この拡大絶縁部31dに埋設され、取付フランジ34の
周縁部34bは絶縁拡大部31dから延出していて、極
低温装置の所定のフランジ35に固定支持されている。
なお、図中36は給電用の導体を接続するための接続部
である。
【0103】なお、取付フランジ34の基端部34aの
外側に、発熱体37を埋設するようにしてもよい。
外側に、発熱体37を埋設するようにしてもよい。
【0104】このように、取付フランジ34の基端部3
4aが固体絶縁物(拡大絶縁部31d)中であり、ヘリ
ウムガス中にないため、取付フランジ34の基端部34
aでの部分放電の発生が防止できるので、電流リード3
1の絶縁性能の劣化が防ぐことができる。
4aが固体絶縁物(拡大絶縁部31d)中であり、ヘリ
ウムガス中にないため、取付フランジ34の基端部34
aでの部分放電の発生が防止できるので、電流リード3
1の絶縁性能の劣化が防ぐことができる。
【0105】また、固体絶縁物31dはエポキシ樹脂に
シリカやガラスなどの充填材を入れたものとし、その充
填量を調整し、中空導体31bまたは取付フランジ34
と同じ線膨張係数にすることにより、電流リード31が
冷却され、低温になった場合に熱応力が生じないように
することができる。
シリカやガラスなどの充填材を入れたものとし、その充
填量を調整し、中空導体31bまたは取付フランジ34
と同じ線膨張係数にすることにより、電流リード31が
冷却され、低温になった場合に熱応力が生じないように
することができる。
【0106】また、発熱体(ヒータ)37に通電するこ
とにより、拡大絶縁部31dの大気中部分の表面温度を
結露点以上の温度とすることができ、その場合、拡大絶
縁部31dの表面温度が結露点以上であるので、拡大絶
縁部31dの表面に結露を生じないため、電流リード3
1の絶縁性能の低下を防止することができる。また、ヒ
ータ37は取付フランジ34よりも外側にあるため、中
空導体31bと取付フランジ34との間に発生する電界
に影響を及ぼさない。
とにより、拡大絶縁部31dの大気中部分の表面温度を
結露点以上の温度とすることができ、その場合、拡大絶
縁部31dの表面温度が結露点以上であるので、拡大絶
縁部31dの表面に結露を生じないため、電流リード3
1の絶縁性能の低下を防止することができる。また、ヒ
ータ37は取付フランジ34よりも外側にあるため、中
空導体31bと取付フランジ34との間に発生する電界
に影響を及ぼさない。
【0107】図13は本発明に係わる電流リードの他の
実施例を示す。
実施例を示す。
【0108】図13において、図12の発熱体37の代
わりに固体絶縁物(拡大絶縁部31d)中にスパイラル
状に管38が埋め込まれ、この管38に気体、または液
体を通すことにより、拡大絶縁部31dの表面温度を結
露点以上としている。この方法にすれば、図12のよう
に発熱体(ヒータ)を用いないため、に通電するための
電源を必要としない。なお、その他の点については前記
実施例(図12)と同一であるので同一符号を付すこと
により説明を省略する。
わりに固体絶縁物(拡大絶縁部31d)中にスパイラル
状に管38が埋め込まれ、この管38に気体、または液
体を通すことにより、拡大絶縁部31dの表面温度を結
露点以上としている。この方法にすれば、図12のよう
に発熱体(ヒータ)を用いないため、に通電するための
電源を必要としない。なお、その他の点については前記
実施例(図12)と同一であるので同一符号を付すこと
により説明を省略する。
【0109】図14ないし図18は本発明の第4の目的
を達成するための超電導コイル装置の安定性診断方法の
第1の実施例を説明するためのものである。
を達成するための超電導コイル装置の安定性診断方法の
第1の実施例を説明するためのものである。
【0110】図14はひずみセンサー42を装着した超
電導コイル41の構成を示す断面図である。図中のr、
θ、zは円筒座標軸の方向である。超電導コイル41は
巻枠43に対地絶縁物44を介して巻線部45が固定さ
れたものである。巻枠43は非磁性金属からなり、円筒
形の巻枠胴部43a、その両端のドーナツ形の巻枠つば
部43bから構成されている。対地絶縁物44は巻枠胴
部43aの胴部対地絶縁物44aおよび巻枠つば部43
bのつば部対地絶縁物44bから構成されている。胴部
対地絶縁物44aおよびつば部対地絶縁物44aの材質
はガラス繊維強化プラスチックからなっている。
電導コイル41の構成を示す断面図である。図中のr、
θ、zは円筒座標軸の方向である。超電導コイル41は
巻枠43に対地絶縁物44を介して巻線部45が固定さ
れたものである。巻枠43は非磁性金属からなり、円筒
形の巻枠胴部43a、その両端のドーナツ形の巻枠つば
部43bから構成されている。対地絶縁物44は巻枠胴
部43aの胴部対地絶縁物44aおよび巻枠つば部43
bのつば部対地絶縁物44bから構成されている。胴部
対地絶縁物44aおよびつば部対地絶縁物44aの材質
はガラス繊維強化プラスチックからなっている。
【0111】巻枠胴部43aの内周面にひずみセンサー
42が取り付けてある。ひずみセンサー42はアクティ
ブゲージ42a、ダミーゲージ42bおよび被着体42
cから構成されている。アクティブゲージ42aおよび
ダミーゲージ42bは極低温用ひずみゲージであり、被
着体42cの材質は巻枠43と同じ非磁性金属となって
いる。アクティブゲージ42aは巻枠胴部43aの内周
面に貼着されおり、ダミーゲージ42bは被着体42c
に貼着されている。被着体42cは巻枠胴部43aの内
周面に取り付けられている。また、被着体42cと巻枠
胴部43aの内周面とは常に同一温度であるように熱的
に十分に接触させている。アクティブゲージ42aおよ
びダミーゲージ42bによるひずみ測定方向はθ方向に
してある。アクティブゲージ42aとダミーゲージ42
bの貼り付け位置の座標(r,z)は同じにしてある。
アクティブゲージ42aおよびダミーゲージ42bにリ
ード線46の一端が接続してある。リード線46の他端
は超電導コイル装置の外部に導かれている。
42が取り付けてある。ひずみセンサー42はアクティ
ブゲージ42a、ダミーゲージ42bおよび被着体42
cから構成されている。アクティブゲージ42aおよび
ダミーゲージ42bは極低温用ひずみゲージであり、被
着体42cの材質は巻枠43と同じ非磁性金属となって
いる。アクティブゲージ42aは巻枠胴部43aの内周
面に貼着されおり、ダミーゲージ42bは被着体42c
に貼着されている。被着体42cは巻枠胴部43aの内
周面に取り付けられている。また、被着体42cと巻枠
胴部43aの内周面とは常に同一温度であるように熱的
に十分に接触させている。アクティブゲージ42aおよ
びダミーゲージ42bによるひずみ測定方向はθ方向に
してある。アクティブゲージ42aとダミーゲージ42
bの貼り付け位置の座標(r,z)は同じにしてある。
アクティブゲージ42aおよびダミーゲージ42bにリ
ード線46の一端が接続してある。リード線46の他端
は超電導コイル装置の外部に導かれている。
【0112】図15は図14中の巻枠胴部43aに近い
巻線部45の部分拡大図である。巻線部45はエナメル
導線47を多列多層に巻回したものである。エナメル導
線47は超電導線47aにエナメル47bを被覆したも
のである。最内層のエナメル導線47は胴部対地絶縁物
44aに接してある。
巻線部45の部分拡大図である。巻線部45はエナメル
導線47を多列多層に巻回したものである。エナメル導
線47は超電導線47aにエナメル47bを被覆したも
のである。最内層のエナメル導線47は胴部対地絶縁物
44aに接してある。
【0113】図16は超電導コイル装置および静ひずみ
計48の構成図である。この超電導コイル装置は主に超
電導コイル41、極低温用容器49、電源50、保護抵
抗51、スイッチ52で構成してある。超電導コイル4
1は極低温用容器49中に支持されている。ひずみセン
サー42のリード線46は静ひずみ計48に接続されて
いる。静ひずみ計48はアクティブゲージ42aのひず
み値からダミーゲージ42bのひずみ値を減じた値(以
下、εs という)の経時変化を計測するようにしてあ
る。超電導コイル41およびひずみセンサー42は液体
ヘリウムに浸漬してある。
計48の構成図である。この超電導コイル装置は主に超
電導コイル41、極低温用容器49、電源50、保護抵
抗51、スイッチ52で構成してある。超電導コイル4
1は極低温用容器49中に支持されている。ひずみセン
サー42のリード線46は静ひずみ計48に接続されて
いる。静ひずみ計48はアクティブゲージ42aのひず
み値からダミーゲージ42bのひずみ値を減じた値(以
下、εs という)の経時変化を計測するようにしてあ
る。超電導コイル41およびひずみセンサー42は液体
ヘリウムに浸漬してある。
【0114】超電導コイル41と電源50、保護抵抗5
1およびスイッチ52とは、従来と同じ電気回路で接続
してある。電源50は超電導コイル41のクエンチが発
生するまで電流Iを一定速度で徐々に上昇するように設
定されている。この設定によってIが一定速度w(単
位:A/min)で上昇するようになっている。ただ
し、wはx/5(単位:A/min)以下である。ま
た、xは運転電流(単位:A)であり、コイルの臨界電
流Ic の40〜90%に定められている。さらに、クエ
ンチが発生したと同時、スイッチ12はOFF状態にな
るようになっている。あらかじめ、保護抵抗51の抵抗
値は超電導コイル41の蓄積エネルギーが保護抵抗51
で速やかに熱になるように設定されている。この抵抗値
の設定により、クエンチが発生したと同時、Iが平均速
度y(単位:A/min)で急激に降下するようにして
ある。ただし、yはx/2(単位:A/min)以上で
ある。電流Iの上昇、クエンチの発生およびIの降下は
繰り返すようにしてある。
1およびスイッチ52とは、従来と同じ電気回路で接続
してある。電源50は超電導コイル41のクエンチが発
生するまで電流Iを一定速度で徐々に上昇するように設
定されている。この設定によってIが一定速度w(単
位:A/min)で上昇するようになっている。ただ
し、wはx/5(単位:A/min)以下である。ま
た、xは運転電流(単位:A)であり、コイルの臨界電
流Ic の40〜90%に定められている。さらに、クエ
ンチが発生したと同時、スイッチ12はOFF状態にな
るようになっている。あらかじめ、保護抵抗51の抵抗
値は超電導コイル41の蓄積エネルギーが保護抵抗51
で速やかに熱になるように設定されている。この抵抗値
の設定により、クエンチが発生したと同時、Iが平均速
度y(単位:A/min)で急激に降下するようにして
ある。ただし、yはx/2(単位:A/min)以上で
ある。電流Iの上昇、クエンチの発生およびIの降下は
繰り返すようにしてある。
【0115】図17は巻枠胴部43aのひずみεe の経
時変化の測定結果を示している。図の横軸は通電開始か
らの経過時間t(単位:分)を示している。図中のnは
繰り返し発生させたクエンチの番号である。εe はtに
増えるにつれプラス側に徐々に大きくなっている。ま
た、クエンチが発生したと同時にマイナス側に急増して
いる。その後、クエンチ2回目および4回目のεe はゼ
ロに戻っている。しかし、クエンチ1回目のεe はゼロ
に戻らず残留している。図中のεeRが残留ひずみであ
る。
時変化の測定結果を示している。図の横軸は通電開始か
らの経過時間t(単位:分)を示している。図中のnは
繰り返し発生させたクエンチの番号である。εe はtに
増えるにつれプラス側に徐々に大きくなっている。ま
た、クエンチが発生したと同時にマイナス側に急増して
いる。その後、クエンチ2回目および4回目のεe はゼ
ロに戻っている。しかし、クエンチ1回目のεe はゼロ
に戻らず残留している。図中のεeRが残留ひずみであ
る。
【0116】図18はクエンチ電流Iq および残留ひず
みεeRの測定結果を示している。クエンチ1回目および
6回目以降にεeRが発生しており、付のクエンチ2回目
および7回目にIq が低下している。
みεeRの測定結果を示している。クエンチ1回目および
6回目以降にεeRが発生しており、付のクエンチ2回目
および7回目にIq が低下している。
【0117】次に上記構成からなる装置の作用について
説明する。コイル1に通電することによって巻線部5に
電磁力Fが発生する。電磁力Fの成分Fz は巻線部5を
z方向に押し縮める。すなわち、Fz による巻線部5の
縦ひずみ(以下、εz という)およびr方向への横ひず
み(以下、εzrという)が発生する。εz は縮みである
ため、εzrは膨らみになる。超電導コイル41の電流I
は一定速度wで徐々に上昇するため、Fz は徐々に大き
くなり、Fz に追随してεe およびεzrが増大する。ク
エンチが発生するとIが平均速度yで急激に低減するた
め、エナメル導線47がクエンチ状態になっても焼損し
ない。また、Fz が急激に減少する。巻線部45の最内
層のエナメル導線47と巻枠胴部43aが胴部対地絶縁
物44aを介して接してあるため、巻線部45のεe お
よびεzrがFz の急激な減少に追随しない。したがっ
て、膨らみであるεzrが胴部対地絶縁物44aを介して
巻枠胴部43aを押し縮めるように作用する。すなわ
ち、εs がマイナス側に急増して図17の測定結果と一
致する。εzrは時間の経過につれて緩和するため、εe
はゼロに戻るようになる。
説明する。コイル1に通電することによって巻線部5に
電磁力Fが発生する。電磁力Fの成分Fz は巻線部5を
z方向に押し縮める。すなわち、Fz による巻線部5の
縦ひずみ(以下、εz という)およびr方向への横ひず
み(以下、εzrという)が発生する。εz は縮みである
ため、εzrは膨らみになる。超電導コイル41の電流I
は一定速度wで徐々に上昇するため、Fz は徐々に大き
くなり、Fz に追随してεe およびεzrが増大する。ク
エンチが発生するとIが平均速度yで急激に低減するた
め、エナメル導線47がクエンチ状態になっても焼損し
ない。また、Fz が急激に減少する。巻線部45の最内
層のエナメル導線47と巻枠胴部43aが胴部対地絶縁
物44aを介して接してあるため、巻線部45のεe お
よびεzrがFz の急激な減少に追随しない。したがっ
て、膨らみであるεzrが胴部対地絶縁物44aを介して
巻枠胴部43aを押し縮めるように作用する。すなわ
ち、εs がマイナス側に急増して図17の測定結果と一
致する。εzrは時間の経過につれて緩和するため、εe
はゼロに戻るようになる。
【0118】εe がゼロに戻らず、残留ひずみεeRが発
生すると、巻線部45が巻枠胴部43aからの反力を受
ける。しかも、εeRが増大するにつれ、反力も大きくな
る。この反力は次の電流上昇時の巻線部45の内部ある
いは周囲の摩擦熱発生の原因になることがある。また、
反力が大きくなるにつれ、摩擦熱が大きくなり、超電導
線47aのクエンチが発生し易くなる。このεeRと次回
のクエンチが発生し易いか否かとの関係は図18の測定
結果と一致する。したがって、εeRを指標とすることに
よって超電導コイル装置の安定性を診断することができ
る。また、この方法で安定性を診断した超電導コイル装
置は、クエンチが発生しないように運転電流xを予め設
定することができる。
生すると、巻線部45が巻枠胴部43aからの反力を受
ける。しかも、εeRが増大するにつれ、反力も大きくな
る。この反力は次の電流上昇時の巻線部45の内部ある
いは周囲の摩擦熱発生の原因になることがある。また、
反力が大きくなるにつれ、摩擦熱が大きくなり、超電導
線47aのクエンチが発生し易くなる。このεeRと次回
のクエンチが発生し易いか否かとの関係は図18の測定
結果と一致する。したがって、εeRを指標とすることに
よって超電導コイル装置の安定性を診断することができ
る。また、この方法で安定性を診断した超電導コイル装
置は、クエンチが発生しないように運転電流xを予め設
定することができる。
【0119】次に本発明による上記安定性診断方法の第
2の実施例について、上記実施例の図14から図16ま
で、および図19を参照して説明する。
2の実施例について、上記実施例の図14から図16ま
で、および図19を参照して説明する。
【0120】巻枠胴部43aのひずみεe と電流Iのヒ
ステリシスを測定するように静ひずみ計48や図示して
いない記録計が設置してある。ただし、ヒステリシスの
測定中にクエンチが発生しないようにIの最大値がIC
の30%以下に抑えてある。図19はヒステリシスの測
定結果である。横軸の電流Iの100%値はIC にして
ある。図中には二つのヒステリシスが描いてある。二つ
のヒステリシスともIが一定速度wで上昇している。し
かし、Iがそれぞれ異なる速度yとwで降下している。
高い平均速度yで降下した方はヒステリシスが大きくな
っている。また、Iをゼロに戻した後、εe が一時的に
圧縮側の値になっている。この高い平均速度yでIが降
下しても、超電導コイル41の構成によってヒステリシ
スの大きさが異なり、しかも、ヒステリシスが大きいほ
ど、Iq がしばしば大きく低下することが認められた。
ステリシスを測定するように静ひずみ計48や図示して
いない記録計が設置してある。ただし、ヒステリシスの
測定中にクエンチが発生しないようにIの最大値がIC
の30%以下に抑えてある。図19はヒステリシスの測
定結果である。横軸の電流Iの100%値はIC にして
ある。図中には二つのヒステリシスが描いてある。二つ
のヒステリシスともIが一定速度wで上昇している。し
かし、Iがそれぞれ異なる速度yとwで降下している。
高い平均速度yで降下した方はヒステリシスが大きくな
っている。また、Iをゼロに戻した後、εe が一時的に
圧縮側の値になっている。この高い平均速度yでIが降
下しても、超電導コイル41の構成によってヒステリシ
スの大きさが異なり、しかも、ヒステリシスが大きいほ
ど、Iq がしばしば大きく低下することが認められた。
【0121】クエンチを発生させなくとも、電流Iを平
均速度yで急激に降下することにより、第1の実施例と
同じく電磁力Fz も急激に低下する。巻線部45の剛性
が低い場合、εe とIのヒステリシスが大きくなる。ヒ
ステリシスが大きくなるにつれ、隣接したエナメル導線
47の摩擦熱、巻線部45の最内層のエナメル導線47
と胴部対地絶縁物44aとの摩擦熱なども大きくなる。
ひいては、クエンチが発生し易くなる。このヒステリシ
スとクエンチ発生との関係は図19や前述の測定結果と
良く一致する。したがって、εe とIのヒステリシスを
指標とすることによって超電導コイル装置の安定性を高
い確率で診断することができる。また、このヒステリシ
スを指標として安定性を診断した超電導コイル装置は、
クエンチが発生しないように診断結果に合わせて運転電
流xを設定することができる。
均速度yで急激に降下することにより、第1の実施例と
同じく電磁力Fz も急激に低下する。巻線部45の剛性
が低い場合、εe とIのヒステリシスが大きくなる。ヒ
ステリシスが大きくなるにつれ、隣接したエナメル導線
47の摩擦熱、巻線部45の最内層のエナメル導線47
と胴部対地絶縁物44aとの摩擦熱なども大きくなる。
ひいては、クエンチが発生し易くなる。このヒステリシ
スとクエンチ発生との関係は図19や前述の測定結果と
良く一致する。したがって、εe とIのヒステリシスを
指標とすることによって超電導コイル装置の安定性を高
い確率で診断することができる。また、このヒステリシ
スを指標として安定性を診断した超電導コイル装置は、
クエンチが発生しないように診断結果に合わせて運転電
流xを設定することができる。
【0122】なお、本発明の安定性診断方法は、上記実
施例に限定されるものでなく、種々の変形例が可能であ
る。例えば、超電導コイル41はソレノイドの他、レー
ストラック形、ダブルパンケーキ形にすることができ
る。ひずみセンサー42は変位センサーに代え、εe の
代わりに変位δe を測定し、残留変位δeR、あるいは変
位δe と電流Iのヒステリシスを指標としても同様に診
断することができる。また、ひずみセンサー42は巻枠
43の代わりに巻線部45に取り付け、巻枠43のεe
の代わりに巻線部45のεe 、εz を測定することがで
きる。巻枠43は巻線部45を形成した後に取り外し、
新たな支持体に巻線部45を固定することができる。隣
接したエナメル導線47の間にはエポキシ樹脂を真空加
圧含浸して加熱硬化してもよい。
施例に限定されるものでなく、種々の変形例が可能であ
る。例えば、超電導コイル41はソレノイドの他、レー
ストラック形、ダブルパンケーキ形にすることができ
る。ひずみセンサー42は変位センサーに代え、εe の
代わりに変位δe を測定し、残留変位δeR、あるいは変
位δe と電流Iのヒステリシスを指標としても同様に診
断することができる。また、ひずみセンサー42は巻枠
43の代わりに巻線部45に取り付け、巻枠43のεe
の代わりに巻線部45のεe 、εz を測定することがで
きる。巻枠43は巻線部45を形成した後に取り外し、
新たな支持体に巻線部45を固定することができる。隣
接したエナメル導線47の間にはエポキシ樹脂を真空加
圧含浸して加熱硬化してもよい。
【0123】
【発明の効果】本発明の超電導コイルは、支持体から離
れた超電導線の列間あるいは層間に接着性絶縁材料を配
置し、支持体に近い列間および層間に接着性絶縁材料を
配置せず、あるいは巻線部と支持体の間に空隙部を設け
たことにより、電磁力が作用した時、支持体に近い1層
目の超電導線と支持体の間が緩やかに擦れ始めるように
したので、クエンチの発生を抑えることができる。
れた超電導線の列間あるいは層間に接着性絶縁材料を配
置し、支持体に近い列間および層間に接着性絶縁材料を
配置せず、あるいは巻線部と支持体の間に空隙部を設け
たことにより、電磁力が作用した時、支持体に近い1層
目の超電導線と支持体の間が緩やかに擦れ始めるように
したので、クエンチの発生を抑えることができる。
【0124】エチレン−メタクリル酸の共重合体を表面
に配したプリプレグテープ、プリプレグシートは、作業
性に優れると同時に産業廃棄物を派生せず環境性にも効
果がある。
に配したプリプレグテープ、プリプレグシートは、作業
性に優れると同時に産業廃棄物を派生せず環境性にも効
果がある。
【0125】エチレン−メタクリル酸の共重合体を表面
に配した積層板は、加熱するだけで、安定した高い接着
力が得られる。低温度においても優れた接着性能を示し
ている。このエチレン−メタクリル酸の共重合体を片面
に配した積層板を超電導コイル巻枠の対地絶縁に使用す
ることで、励磁特性に優れた効果がある。このように本
発明のプリプレグテープ、プリプレグシートおよび積層
板によれば、材料としての取扱い性、接着性に優れ、特
に低温で使用される電気機器の構成材料として有用であ
り、その工業的価値は極めて大きい。
に配した積層板は、加熱するだけで、安定した高い接着
力が得られる。低温度においても優れた接着性能を示し
ている。このエチレン−メタクリル酸の共重合体を片面
に配した積層板を超電導コイル巻枠の対地絶縁に使用す
ることで、励磁特性に優れた効果がある。このように本
発明のプリプレグテープ、プリプレグシートおよび積層
板によれば、材料としての取扱い性、接着性に優れ、特
に低温で使用される電気機器の構成材料として有用であ
り、その工業的価値は極めて大きい。
【0126】さらに、本発明によれば、取付フランジ端
部を固体絶縁物中とすることにより、取付フランジ端部
での部分放電の発生を防止でき、固体絶縁物の線膨張係
数を導体または取付フランジと同じにすることにより、
固体絶縁物に熱応力が生じない。また、固体絶縁物中ま
たは表面に発熱体を設けることにより、結露を防ぐこと
ができる。以上の効果により、高い信頼性を持つ電流リ
ードを提供できる。
部を固体絶縁物中とすることにより、取付フランジ端部
での部分放電の発生を防止でき、固体絶縁物の線膨張係
数を導体または取付フランジと同じにすることにより、
固体絶縁物に熱応力が生じない。また、固体絶縁物中ま
たは表面に発熱体を設けることにより、結露を防ぐこと
ができる。以上の効果により、高い信頼性を持つ電流リ
ードを提供できる。
【0127】本発明の超電導コイル装置の安定性診断方
法は、電流を急激に変化させることにより、巻線部に作
用する電磁力をも急激に変化させ、巻線部および支持体
のひずみが電磁力の急激な変化に追随しないようにする
ため、残留ひずみ、あるいはひずみと電流のヒステリシ
スが現れ、残留ひずみやヒステリシスが大きいほど、ク
エンチが発生し易くなり、逆に、残留ひずみやヒステリ
シスが小さいほど、クエンチが発生し難い。このような
残留ひずみやヒステリシスとクエンチ発生の関係から、
クエンチが発生し易いか否かの安定性を高い確率で診断
することができる。
法は、電流を急激に変化させることにより、巻線部に作
用する電磁力をも急激に変化させ、巻線部および支持体
のひずみが電磁力の急激な変化に追随しないようにする
ため、残留ひずみ、あるいはひずみと電流のヒステリシ
スが現れ、残留ひずみやヒステリシスが大きいほど、ク
エンチが発生し易くなり、逆に、残留ひずみやヒステリ
シスが小さいほど、クエンチが発生し難い。このような
残留ひずみやヒステリシスとクエンチ発生の関係から、
クエンチが発生し易いか否かの安定性を高い確率で診断
することができる。
【0128】上記の方法で安定性を診断した本発明の超
電導コイル装置は、診断結果に合わせて運転電流を設定
することにより、運転中のクエンチ発生を防止すること
ができる。また、診断結果に合わせてコイルを更新する
ことにより、運転中のクエンチ発生を防止することがで
きる。
電導コイル装置は、診断結果に合わせて運転電流を設定
することにより、運転中のクエンチ発生を防止すること
ができる。また、診断結果に合わせてコイルを更新する
ことにより、運転中のクエンチ発生を防止することがで
きる。
【図1】本発明の超電導ソレノイドコイルの巻枠胴部に
近い巻線部の拡大断面図。
近い巻線部の拡大断面図。
【図2】図1中の融着電線の熱処理を加える前の構成を
示す断面図。
示す断面図。
【図3】本発明および従来の超電導ソレノイドコイルの
トレーニング試験の結果を示す線図。
トレーニング試験の結果を示す線図。
【図4】本発明の他の実施例に係わる超電導ソレノイド
コイルの巻枠胴部に近い巻線部の拡大断面図。
コイルの巻枠胴部に近い巻線部の拡大断面図。
【図5】本発明の他の実施例に係わる超電導ソレノイド
コイルの巻枠胴部に近い巻線部を輪切りしたときの断面
を示す図。
コイルの巻枠胴部に近い巻線部を輪切りしたときの断面
を示す図。
【図6】従来の超電導ソレノイドコイルを一部切欠して
示す斜視図。
示す斜視図。
【図7】図6の従来の超電導ソレノイドコイルの巻枠胴
部に近い巻線部の拡大断面図。
部に近い巻線部の拡大断面図。
【図8】エポキシプリプレグとエチレン−メタクリル酸
共重合体を加熱硬化したときの両成分の成分比を模式的
に示す図。
共重合体を加熱硬化したときの両成分の成分比を模式的
に示す図。
【図9】プリプレグシートの片面にエチレン−メタクリ
ル酸共重合体を積層した状態を示す断面図。
ル酸共重合体を積層した状態を示す断面図。
【図10】超電導コイルの対地絶縁の構成例を示す断面
図。
図。
【図11】超電導コイルの励磁特性を示すグラフ図。
【図12】本発明の電流リードの実施例を示す断面図。
【図13】本発明の電流リードの他の実施例を示す断面
図。
図。
【図14】本発明の超電導コイル装置のおよびひずみセ
ンサーの構成例を示す断面図。
ンサーの構成例を示す断面図。
【図15】図14中の巻枠胴部に近い巻線部部分の拡大
断面図。
断面図。
【図16】本発明の超電導コイル装置および静ひずみ計
の構成を模式的に示す図。
の構成を模式的に示す図。
【図17】巻枠胴部のひずみεe の経時変化の測定結果
を示す線図。
を示す線図。
【図18】クエンチ電流Iq および残留ひずみεeRの測
定結果を示す線図。
定結果を示す線図。
【図19】巻枠胴部のひずみεe と電流Iとのヒステリ
シスの測定結果を示す線図。
シスの測定結果を示す線図。
【符号の説明】 1a…巻枠胴部、1b…巻枠つば部、2…対地絶縁物、
2a…胴部対地絶縁物、2b…つば部対地絶縁物、3…
ひずみセンサー、3…巻枠部、4、9…エナメル電線、
10…融着電線、11…非接着性絶縁シート、12…融
着用樹脂、13…巻線部、14…接着性絶縁シート部、
15…対地絶縁物、16…空隙部、17…接触面、23
…対地絶縁、24…ステンレス製巻枠、25…巻線部、
26…テフロンシート、27a…ニュクレルフィルム、
31…電流リード、32…接続導体32、33…液体ヘ
リウム、34…取付フランジ、35…フランジ、41…
超電導コイル、42…ひずみセンサー、42a…アクテ
ィブゲージ、42b…ダミーゲージ、44…対地絶縁
物、45…巻線部、47…エナメル導線、47a…超電
導線、48…静ひずみ計、49…極低温用容器、50…
電源、51…保護抵抗、52…スイッチ。
2a…胴部対地絶縁物、2b…つば部対地絶縁物、3…
ひずみセンサー、3…巻枠部、4、9…エナメル電線、
10…融着電線、11…非接着性絶縁シート、12…融
着用樹脂、13…巻線部、14…接着性絶縁シート部、
15…対地絶縁物、16…空隙部、17…接触面、23
…対地絶縁、24…ステンレス製巻枠、25…巻線部、
26…テフロンシート、27a…ニュクレルフィルム、
31…電流リード、32…接続導体32、33…液体ヘ
リウム、34…取付フランジ、35…フランジ、41…
超電導コイル、42…ひずみセンサー、42a…アクテ
ィブゲージ、42b…ダミーゲージ、44…対地絶縁
物、45…巻線部、47…エナメル導線、47a…超電
導線、48…静ひずみ計、49…極低温用容器、50…
電源、51…保護抵抗、52…スイッチ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 27/32 ZAA Z 41/00 ZAA E (72)発明者 大森 順次 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 蛭町 多美子 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 関谷 洋紀 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 酒井 正弘 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 木村 信一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 平井 久之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内
Claims (7)
- 【請求項1】 超電導線を複数列複数層に巻回するとと
もに、接着性絶縁材料を超電導線の列間あるいは層間に
配置して巻線部を形成し、接着性絶縁材料に熱処理を加
えて巻線部を固着し、巻線部を支持体に固定した超電導
コイルにおいて、接着性絶縁材料の配置を支持体から離
れた超電導線の列間あるいは層間に限定したことを特徴
とする超電導コイル。 - 【請求項2】 超電導線にエナメル絶縁を被覆してエナ
メル電線とし、このエナメル電線を複数列複数層に巻回
しながら、融着性絶縁シートをエナメル電線の層間に配
置して巻線部を形成し、融着用樹脂に熱処理を加えて巻
線部を接着し、巻線部を支持体に固定した超電導コイル
において、融着性絶縁シートの配置を支持体から離れた
エナメル電線の層間に限定したことを特徴とする超電導
コイル。 - 【請求項3】 超電導線を多重に巻回してなる超電導コ
イルにおいて、巻枠および鍔と超電導線巻回部との間
に、片面にエチレン−メタクリル酸共重合体を主成分と
する熱可塑性樹脂薄膜を配した積層板をその薄膜面が、
上記超電導線巻回部に接するように配置したことを特徴
とする超電導コイル。 - 【請求項4】 浸漬冷却された超電導コイルに通電する
ための、絶縁体で一部が被覆された電流リードであっ
て、該電流リードが、基端部が上記絶縁体中に埋設され
た取付フランジを備えていることを特徴とする電流リー
ド。 - 【請求項5】 取付フランジより外側の上記絶縁体中ま
たはその表面に発熱体をさらに備えていることを特徴と
する請求項4に記載の電流リード。 - 【請求項6】 超電導線を多重に巻回して巻線部を形成
し、巻線部を支持体に固定して超電導コイル装置を構成
し、超電導コイル装置にひずみセンサーあるいは変位セ
ンサーを取り付け、超電導コイル装置に通電し、通電時
のひずみあるいは変位を測定し、ひずみあるいは変位の
経時変化から残留ひずみあるいは残留変位を求め、その
残留ひずみあるいは残留変位が小さい程、クエンチが発
生し難いとしたことを特徴とする超電導コイル装置の安
定性診断方法。 - 【請求項7】 超電導線を多重に巻回して巻線部を形成
し、巻線部を支持体に固定して超電導コイル装置を構成
し、超電導コイル装置にひずみセンサーあるいは変位セ
ンサーを取り付け、超電導コイル装置に通電し、通電時
のひずみあるいは変位を測定し、ひずみあるいは変位と
電流のヒステリシスを求め、ヒステリシスが小さい程、
クエンチが発生し難いとしたことを特徴とする超電導コ
イル装置の安定性診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34843993A JPH07192912A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超電導コイルおよびその安定性診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34843993A JPH07192912A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超電導コイルおよびその安定性診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07192912A true JPH07192912A (ja) | 1995-07-28 |
Family
ID=18397016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34843993A Pending JPH07192912A (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 超電導コイルおよびその安定性診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07192912A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP34843993A patent/JPH07192912A/ja active Pending
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