JP4592476B2 - 発光パネルの製造方法及び表示パネルの製造方法 - Google Patents

発光パネルの製造方法及び表示パネルの製造方法 Download PDF

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本発明は、一組のマザー基板とマザー封止板との間に複数の発光部を封止した積層体を構成した後、各発光部毎に積層体を分割し、該発光部を有する複数の発光パネルを製造する方法、及び、一組のマザー基板とマザー封止板との間に複数の表示部を封止した積層体を構成した後、各表示部毎に積層体を分割し、該表示部を有する複数の発光パネルを製造する方法に関するものである。
近年、自発光型の発光素子として有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略す)素子が注目され、この有機EL素子を用いた有機ELディスプレイの開発が進められている。有機EL素子は、動画表示に適した速い応答速度、低電圧、低消費電力駆動などの特徴を有している為、有機ELディスプレイは次世代の携帯電話や携帯端末(PDA)をはじめ、次世代のディスプレイとして期待されている。
有機ELディスプレイは、画像表示の為の複数の有機EL素子を有する有機EL表示パネルと、駆動回路や駆動電源等を備えている。
有機EL素子は水分と接触すると発光特性が劣化するので、水分と接触しないように有機EL素子を封止して有機EL表示パネルとする必要がある。このため、有機EL表示パネルは、有機EL素子が形成された支持基板と封止用の封止基板とを、封止材を用いて貼り合わせることにより製造される。
EL素子の封止方法として、従来、基板上に凸状に隆起するように落滴した液状硬化性樹脂により、EL基板と封止基板とを封止する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この従来技術では、図9の平面図に示すように、液状硬化性樹脂42がEL基板41上で円状に広がり(図9(a))、貼り合せ時にこの液状硬化樹脂42が同心円状に広がるため、樹脂42と隣接する樹脂42、42、42とで囲まれた空気が逃げ場を失って閉空間43として残存することになる。(図9(b))。
有機EL基板と封止基板間の接着層に閉空間が生じると、閉空間部分の屈折率が周囲の接着層の屈折率と異なるため、閉空間部分の色が周囲の色と異なって視認される。このため、有機EL表示パネルを表示した時にその閉空間形状が人の目に認識され、表示品位が低下する問題がある。さらに、閉空間中に含まれる水分が有機EL素子中に浸入し発光特性を劣化させるので、有機EL素子の信頼性が低下する。したがって、良好な表示品質と良好な信頼性を有する有機EL表示パネルを提供するためには、有機EL基板と封止基板との間に閉空間を発生させずに、有機EL素子を封止する必要がある。
このため、特許文献1では、一つの基板上に一直線に沿って液状硬化樹脂42を落滴することにより、樹脂42の間に前記空隙43が生じず、かかる空隙が原因となる閉空間を生じさせずに封止できる方法が記載されている。
一方、有機EL表示パネルを製造する工程では、生産効率の向上を図るために、多面取りと呼ばれる製造方法が多く採用されている(例えば、特許文献2)。多面取りとは、一つの有機EL表示パネルのサイズよりも十分に大きく、複数の有機EL表示部が設けられた一枚のマザー基板と、一つの有機EL表示パネルのサイズよりも十分に大きい一枚のマザー封止板とを貼り合わせた後に、各々の有機EL表示部ごとに分割することにより、複数個の有機EL表示パネルを製造する方法である。
この多面取りにおいて、特許文献1に記載の落滴方法を適用すると、前記一枚のマザー基板上の複数の有機EL表示部毎に液状硬化樹脂42を落滴する必要があるため、図9に示すように、広がった液状硬化樹脂42,42…が一体化し、液状硬化樹脂42で囲まれる閉空間に空気が取り残される。このような閉空間が生じると、液状硬化樹脂42を広げるために加圧しても、閉空間中の空気の逃げ場がなくなり、このような閉空間が、マザー基板とマザー封止板との間の間隔を制限するため、有機EL表示部において液状硬化樹脂42を均一に広げることができず、また、両板間の間隔を狭くすることができない。このような閉空間が存在するために、上述したように、有機EL表示パネルの表示品位が低下するという問題が生じる。また、有機EL表示部のうち、前記閉空間が存在する部分は液状硬化樹脂42に被覆されておらず、各々の有機EL表示部毎に分割した場合、かかる部分が露出して外気にさらされるため、外気中の水分が有機EL素子中に浸入し発光特性を劣化させるので、有機EL素子の信頼性が低下するという問題が生じる。
また、上記のような閉空間が生じると、かかる閉空間の高さよりもマザー基板とマザー封止板間の間隔を小さくすることができないため、マザー基板とマザー封止板間の間隔が所定の間隔より大きくなる。発光パネルや表示パネルの製造においては、マザー基板とマザー封止板間の間隔を所定の間隔に設定することにより、取り出される光の色度を調整する場合があるが、このような場合には、上記のような閉空間が生じると、かかる閉空間の高さよりもマザー基板とマザー封止板間の間隔を小さくすることができないため、マザー基板とマザー封止板間の間隔を所定の間隔に設定できず、取り出される光の色度が所望のものとずれてしまい、表示品位が低下してしまうという問題があった。
上記のような、表示品位の低下、信頼性の悪化により、製造歩留まりを低下させるという問題があった。
このように、特許文献1に記載された有機EL表示パネルの製造方法を多面取りに適用すると、有機EL表示パネルの表示品位が低く、歩留まりも低下してしまうという問題があった。
特開2000−10506号公報 特開2001−126866号公報
本発明の目的は、表示品位が高い有機EL表示パネルを作製でき、有機EL素子の発光特性及び信頼性の低下を抑制し、歩留まりの低下を抑制できる有機EL表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面は、発光パネルの製造方法であって、マザー基板上に複数の発光部を形成し、複数の該発光部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成し、該積層体を発光部毎に分離して複数の発光パネルを得る製造方法において、隣接する発光部の間に位置する前記マザー基板あるいはマザー封止板の所望の領域に孔を設け、前記マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、両板間の気体を上記孔から外部に排気することを特徴とする。
本発明は、有機ELに限らず、無機EL、FED、ECL等の自発光素子からなる発光パネルの多面取りに好適な製造方法であり、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた空間とつながる孔をマザー基板に形成することにより、前記空間を該孔を介して積層体の外部とつながった開空間とすることができるため、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた閉空間が形成されないようにすることができる。これにより、表示品位に優れた発光パネルを形成することができる。また、かかる孔から前記空間内の気体を外部に排気することにより、発光部に閉空間を生じないように接着層を均一に広げることができる。さらに、上記閉空間に生じさせないため、マザー基板とマザー封止板との間を所定の間隔に保持するように発光パネルを製造できる。
また、発光部において閉空間が形成させないように接着剤を均一に広げることができるため、外部からの異物、例えば、水分が発光部内に浸入して発光部を劣化させることを抑制できる。
また、前記孔を設けない場合には、たとえ、塗布量不足とならないように必要充分な量の接着層を塗布したとしても、接着層の塗布量の不均一性やマザー基板の反りなどの歪、あるいは押圧力の局部的むらなどに起因して、マザー基板とマザー封止板との積層体において局部的に閉空間が形成される惧れがある。この場合には、即ち、たとえ1箇所でも閉空間が形成されると、マザー基板とマザー封止板との間隔が閉空間の高さとなり、それ以上に前記間隔を狭くすることができず、発光部上に接着層を均一に広げることができない欠陥発光パネルが多く出来てしまい、製造歩留まりが低下するという問題を生じる。従って、前記孔を設けた本発明の製造方法によれば、このような製造歩留まりが低下するという問題は低減できる。
これにより、歩留まりの低下を抑制しつつ、発光特性及び信頼性の向上した発光パネルを形成することができる。なお、本発明の場合、画素ごとに発光をコントロールしないバックライトのような面均一発光パネルへの適用が可能である。
本発明の第2の局面は、表示パネルの製造方法であって、マザー基板上に複数の表示部を形成し、複数の該表示部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成し、該積層体を表示部毎に分離して複数の表示パネルを得る製造方法において、隣接する表示部の間に位置する前記マザー基板あるいはマザー封止板の所望の領域に孔を設け、前記マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、両板間の気体を上記孔から外部に排気することを特徴とする。
本発明は、有機ELに限らず、無機EL、FED、ECL等の自発光素子の他、自発光でない表示素子であるポリマーLCD等からなる表示パネルの多面取りに好適な製造方法であり、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた空間とつながる孔をマザー基板に形成することにより、前記空間を該孔を介して積層体の外部とつながった開空間とすることができるため、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた閉空間が形成されないようにすることができる。これにより、表示品位に優れた表示パネルを形成することができる。また、かかる孔から前記空間内の気体を外部に排気することにより、表示部に閉空間を生じないように接着層を均一に広げることができる。さらに、上記閉空間に生じさせないため、マザー基板とマザー封止板との間を所定の間隔に保持するように表示パネルを製造できる。
また、表示部において閉空間が形成させないように接着剤を均一に広げることができるため、外部からの異物、例えば、水分が表示部内に浸入して表示部を劣化させることを抑制できる。
また、前記孔を設けない場合には、たとえ、塗布量不足とならないように必要充分な量の接着層を塗布したとしても、接着層の塗布量の不均一性やマザー基板の反りなどの歪、あるいは押圧力の局部的むらなどに起因して、マザー基板とマザー封止板との積層体において局部的に閉空間が形成される惧れがある。この場合には、即ち、たとえ1箇所でも閉空間が形成されると、マザー基板とマザー封止板との間隔が閉空間の高さとなり、それ以上に前記間隔を狭くすることができず、発光部上に接着層を均一に広げることができない欠陥表示パネルが多く出来てしまい、製造歩留まりが低下するという問題を生じる。従って、前記孔を設けた本発明の製造方法によれば、このような製造歩留まりが低下するという問題は低減できる。
これにより、歩留まりの低下を抑制しつつ、発光特性及び信頼性の向上した表示パネルを形成することができる。
本発明の第2の局面において、好ましくは、前記表示部は有機エレクトロルミネッセンス素子からなる。
このような製造方法によれば、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた空間とつながる孔をマザー基板に形成することにより、前記空間を該孔を介して積層体の外部とつながった開空間とすることができるため、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた閉空間が形成されないようにすることができる。これにより、表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを形成することができる。また、かかる孔から前記空間内の気体を外部に排気することにより、表示部に閉空間を生じないように接着層を均一に広げることができる。さらに、上記閉空間に生じさせないため、マザー基板とマザー封止板との間を所定の間隔に保持するように有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを製造できる。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示部において閉空間が形成させないように接着剤を均一に広げることができるため、水分が有機エレクトロルミネッセンス表示部内に浸入して表示部を劣化させることを抑制できる。
本発明において、好ましくは、前記マザー基板又は前記マザー封止板に設けられる孔の位置は、前記発光パネル又は表示パネル以外の領域であって、かつ、前記接着層が塗布されない領域に予め設けられることを特徴とする。
このような製造方法により、複数の該発光部若しくは表示部若しくは有機エレクトロルミネッセンス表示部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成する工程において、前記孔から接着層が漏れ出すのを抑制できる。前記孔から接着層が多量に漏れ出すと接着装置を汚染する可能性があり、このような汚染された接着装置を用いて接着工程を行うことにより製造歩留まりが低下するおそれがある。本発明によれば、かかる歩留まりの低下を抑制できる。
本発明において、さらに好ましくは、前記孔は、前記積層体を構成した状態で、マザー基板とマザー封止板の間に接着層が存在しない領域に設けられる。
このような製造方法により、複数の該発光部若しくは表示部若しくは有機エレクトロルミネッセンス表示部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成する工程において、より確実に、前記孔から接着層が漏れ出すのを抑制できる。したがって、本発明によれば、より確実に、前記歩留まりの低下を抑制できる。
本発明の第3の局面は、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法であって、マザー基板上に複数の有機エレクトロルミネッセンス表示部を形成する表示部形成工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス表示部を封止するためのマザー封止板の所定の位置に孔を開ける開孔工程と、前記マザー基板の表面に前記有機エレクトロルミネッセンス表示部を覆うように接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記マザー基板表面の前記接着剤が塗布されていない領域に、前記マザー封止板に設けられた孔の位置が対向するように、前記マザー基板と前記マザー封止板とを位置決めする位置決め工程と、前記接着剤からなる接着層を前記マザー基板と前記マザー封止板との間に広げるとともに、前記マザー基板と前記マザー封止板との間の気体を前記孔から外部に排気して前記有機エレクトロルミネッセンス表示部を封止した積層体を作製する積層体作製工程と、該積層体を有機エレクトロルミネッセンス表示部毎に分離して複数の有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを得る分離工程とを備えることを特徴とする。
このような製造方法によれば、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた空間とつながる孔をマザー基板に形成することにより、前記空間を該孔を介して積層体の外部とつながった開空間とすることができるため、該空間中の気体を該孔から外部に排気することができる。これにより、表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを形成することができる。また、かかる孔から前記空間内の気体を外部に押し出すことにより、表示部に閉空間を生じないように接着層を均一に広げることができる。さらに、上記閉空間を生じさせないため、マザー基板とマザー封止板との間を所定の間隔に保持するように有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを製造できる。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示部において閉空間が形成させないように接着剤を均一に広げることができるため、水分が有機エレクトロルミネッセンス表示部内に浸入して有機エレクトロルミネッセンス表示部を劣化させることを抑制できる。
これにより、歩留まりの低下を抑制しつつ、発光特性及び信頼性の向上を図ることが出来る有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを形成することができる。
本発明の第4の局面は、有機エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法であって、マザー基板上に複数の有機エレクトロルミネッセンス表示部と各有機エレクトロルミネッセンス表示部毎に信号を供給するために各有機エレクトロルミネッセンス表示部に近接して配置された端子部とを併設する工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス表示部と前記端子部との間に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス表示部を封止するためのマザー封止板の所定の位置に孔を設ける開孔工程と、前記マザー基板の表面の前記端子部及び前記隔壁を除いて前記有機エレクトロルミネッセンス表示部上に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記マザー基板表面の前記接着剤が塗布されていない領域に、前記マザー封止板に設けられた前記孔の位置が対向するように、前記マザー基板上に前記接着剤を介して前記マザー封止板を積層することによって、前記接着剤を両板間に広げる積層体作製工程と、該積層体を有機エレクトロルミネッセンス表示部毎に分離して複数の有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを得る分離工程とを備え、前記積層体作製工程において、前記隔壁は前記接着剤が前記端子部に至ることを阻止し、前記マザー基板と前記マザー封止板との間の気体を前記孔から外部に排気することを特徴とする。
このような製造方法によれば、接着剤が端子部に至ることを隔壁が阻止しつつ、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた空間中にマザー封止板に設けられた孔が存在することになり開空間とすることができるため、端子部に接着剤が付着することを防止しつつ、マザー基板、マザー封止板、接着層に囲まれた閉空間が形成されないようにすることができる。したがって、端子部に接着剤を付着させずに、前記孔から前記空間内の気体を外部に押し出すことにより、接着層を均一に広げることができる。さらに、上記閉空間に生じさせないため、マザー基板とマザー封止板との間の間隔を狭くすることができる。
これにより、端子部に接着剤が付着する場合に必要となる洗浄工程を要さず、また、かかる洗浄工程に起因する歩留まりの低下を防止し、表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを形成することができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示部において閉空間が形成させないように接着剤を均一に広げることができるため、水分が有機エレクトロルミネッセンス表示部内に浸入して有機エレクトロルミネッセンス表示部を劣化させることを抑制できる。
本発明の第5の局面は、前記第1乃至第4のいずれかの局面にかかるパネルの製造方法であって、前記積層体作製工程を大気圧下で行うことを特徴とする。
かかる封止方法を用いることにより、真空チャンバー内で接着工程を行う必要がないため、真空チャンバーの大きさに制限されることなく、より大型のマザー基板を使用して、より多くの多面取りを実現することができる。
本発明によれば、マザー基板とマザー封止板との接着工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間が形成されず、マザー基板とマザー封止板間を所望の間隔に保持して、これら両板間の発光部若しくは表示部において接着層を均一に広げることができる。したがって、表示品位が高く、発光部若しくは表示部の発光特性及び信頼性の低下を抑制できるため、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した発光パネル若しくは表示パネルを製造でき、その製造歩留まりの向上が望める。
本発明の実施形態について、図面を用いて、以下に説明する。
(実施の形態1)
まず、本実施形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構造について、図1乃至図4を参照して説明する。
1-1.有機EL表示パネルの全体構成
図1及び図2は、それぞれ、本実施形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構成を説明するための模式的な断面図及び上面図である。
図1は、隣接した有機EL表示パネル1ごとに分割される前の積層体1aの状態を示しており、分割部51を挟んで隣接する2つの有機EL表示パネルを図示した図である。封止体1aを作製後、分割部51において、隣接する有機EL表示パネル1,1が分割される。有機EL表示パネル1は、マザー基板3と封止用のマザー封止板4との間に有機EL表示部31が接着用の接着層5を介して接着されて構成されている。
マザー基板3は、駆動用のTFTが配されたTFT基板から構成される。また、マザー基板3上には、複数個の有機EL素子2,2…が設けられ、これらの有機EL素子2,2…により有機EL表示部31が構成されている。また、マザー基板3上の、有機EL表示部31の近傍には、外部回路と前記有機EL素子2とを電気的に接続し、該有機EL素子2に電気信号を送るための端子部16が配されている。前記TFTが配された基板としては、ガラスの他、フレキシブルなプラスチックフィルムや金属フィルム等を用いることができる。
前記有機EL表示部31と前記端子部16との間には、前記接着工程において接着層5が端子部16に至ることを阻止するための隔壁14が設けられている。かかる隔壁14としては、接着層5が端子部16に至ることを阻止できれば、形状は問わない。かかる隔壁14としては、接着層5より粘度の高い接着剤や、無機材料膜、有機材料膜等がパターニングされて設けられたものを用いることができる。接着剤を用いる場合には、マザー基板3とマザー封止板4との厚さを決めるギャップ材が添加されていてもよい。かかるギャップ材としては、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)もしくはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料、またはAg(銀)、Ni(ニッケル)もしくはAl(アルミニウム)等の金属材料を用いることができる。
マザー封止板4は、有機EL素子2と対向する面に赤(R)、緑(G)及び青(B)用のカラーフィルター12R、12G、12Bを有する透光性の材料から構成されている。さらに、隣接するカラーフィルター間にはブラックマトリクス13が配されている。マザー封止板4としては、ガラスの他、フレキシブルなプラスチックフィルムや金属フィルム等を用いることができる。
そして、本実施形態にあっては複数の有機EL素子2,2…が白色の光を発光するように構成されており、それぞれの有機EL素子2,2…から出射される白色の光はR、G及びB用のカラーフィルター12R、12G及び12Bを介して外部に取り出される。このように、本実施形態にあっては、有機EL素子2,2…の発光がマザー封止板4側から取り出されるトップエミッションの構成とされている。
また、本実施形態にあっては、発光層から出射された白色光をカラーフィルターを介して外部に取り出すことにより、赤、緑及び青の三色の光を得る構成であるが、発光層を赤、緑及び青の光を出射する赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層の三種類に塗り分けることによって、赤、緑及び青の三色の光を得る構成であってもよい。
また、マザー封止板4には、隣接する有機EL表示パネル1,1に挟まれた分割部51,51の間の領域に孔6が設けられている。かかる孔6は、マザー基板3とマザー封止板4とを接着する工程において、マザー基板3、マザー封止板4、接着層5及び隔壁14に囲まれた空間22に存在する気体を外部に排気するためのものであり、空間22に存在する気体を外部に排気することができるものであれば、形状、大きさ等は問わない。
有機EL素子2,2…は、図1に示すようにマザー基板3側から陽極7、有機層8及び陰極9がこの順に積層されて構成されている。隣接する有機EL素子2,2の間は絶縁材料からなるセル分離膜10によって分離されている。
陽極7は、例えば、ITO(インジウム−スズ酸化物)等の金属化合物から構成されるが、金属化合物の下にAg(銀)等の金属または合金からなる光反射性の材料が配設されてもよい。また、かかる陽極7は、各有機EL素子2,2…ごとに分離して形成されている。
有機層8は、例えば陽極7側からホール注入層、発光層及び電子輸送層がこの順に積層されて構成された(陽極)/ホール注入層/発光層/電子輸送層/(陰極)の構造を有する。しかしながら、有機層の構成はこれに限らず、
(1)(陽極)/ホール注入層/発光層/(陰極)
(2)(陽極)/ホール注入層/発光層/電子注入層/(陰極)
(3)(陽極)/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子注入層/(陰極)
(4)(陽極)/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
等の周知の構成をとることができる。また、マザー基板3からの積層順序が上記と逆の構成、例えば、マザー基板3側から、(陰極)/電子注入層/電子輸送層/発光層/ホール輸送層/ホール注入層/(陽極)等のように積層された場合の構成をとることもできる。
本実施形態にあっては、発光層は、例えば青色の光を発光する発光層と、オレンジ色の光を発光する発光層とが積層されてなる2層構造の発光層とされ、白色の光を発光することのできる構成とされている。
陰極9は、例えば、ITO等の金属化合物、金属または合金からなる光透過性の材料から構成される。本実施形態にあっては、図1に示すように、陰極9は各有機EL素子2,2…を覆うように連続的に形成されており、各有機EL素子2,2…に共通の陰極とされている。また、陰極9は保護膜11により覆われている。
保護膜11は、マザー基板3上に、有機EL表示部31上を含み、且つ前記分割部51、端子部16及び隔壁14を除くように形成される。保護膜11としては、透湿性が低い無機材料、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素等が用いられる。
さらに同図において、接着層5は、流動性があり、後に硬化して有機EL表示部を封止できる材料からなる。例えば、紫外線硬化型、可視光硬化型、熱硬化型、紫外線及び熱による複合硬化型、または、紫外線を用いる後硬化型の樹脂や、紫外線硬化型、熱硬化型等の、液状シリコーンゴム材料や液状シリコーンゲル材料等からなる。ただし、カラーフィルター又はCCM(色変換層)を有するマザー封止板4を用いる場合は、紫外光がフィルター部を透過できないので、熱硬化型、可視光硬化型、紫外線を用いる後硬化型の樹脂、液状シリコーンゴム材料又は液状シリコーンゲル材料等が用いられる。
具体的には、封止材5には、ユレア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、エポキシ樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、アクリル樹脂系などの熱硬化性樹脂系と酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂系、アクリル樹脂系、シアノアクリレート樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、熱可塑性ポリウレタン樹脂系、飽和ポリエステル樹脂系、セルロース系などの熱可塑性樹脂系、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレートなどの各種アクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系光硬化型接着剤、エポキシ、ビニルエーテルなどの樹脂を用いたカチオン系光硬化型接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、ステレン・ブタジエンゴム系、天然ゴム系、ブチルゴム系、シリコーン系などのゴム系、ビニル-フェノリック、クロロプレンーフェノリック、ニトリル-フェノリック、ナイロン-フェノリック、エポキシ-フェノリック、ニトリル-フェノリックなどの複合系の合成工高分子接着剤等が用いられる。
隣接する有機EL表示部31,31の間には分割部51が配される。本実施形態においては、図1に示すように、端子部16とそれに隣接する有機EL表示部31の間に分割部51が配される箇所がある。
図2は、有機EL表示パネル1の模式的な上面図であり、有機EL表示部31に近接して端子部16が配されていることを示している。端子部16は、有機EL素子の陽極及び陰極にそれぞれ接続された、陽極引出し部16a及び陰極引出し部16bから構成される。なお、図2では、端子部16は、有機EL表示パネル1において、有機EL表示部31の四辺のうち一辺周辺にまとめられて配されているが、かかる配置に限られず、例えば、有機EL表示部31の四辺周辺に分けて配されてもよい。
図1では簡略のために、陰極9が端子部16に接続されているように記載しているが、実際は、陰極9は端子部16中の陰極引出し部16b(図1では図示せず)と接続され、また、陽極7は各有機EL素子2ごとに端子部16中の陽極引出し部16a(図1では図示せず)と接続されている。
図1及び図2に示すように、有機EL表示部31の外側には該表示部31と近接して端子部16が配されており、この端子部16を介して有機EL表示部31に外部から電気信号が供給される。
1-2.本実施の形態の特徴について
本実施形態に係る製造方法を用いて図1に示す有機EL表示パネル1を作製する方法について、図3及び図4を参照して以下に説明する。ここでは、4つの有機EL表示パネルを製造する場合について説明する。ただし、4つ以外の複数個の有機EL表示パネルを製造する場合も同様である。便宜上、図3及び図4には、本実施形態に係る製造方法を用いて有機EL表示パネルが製造された状態における分割部51について図示している。
まず、マザー封止板4又はマザー基板3に、後述の積層体作製工程においてマザー封止板4とマザー基板3との間の気体を排気するための孔6を開ける。本実施形態においては、マザー封止板4に前記孔6を開ける場合について説明する。図3(a)は、前記孔6が開けられたマザー封止板4の模式的上面図である。孔6は、エンドミル法、サンドブラスト法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、レーザ光照射等によって形成できる。かかる孔6は、マザー基板3とマザー封止板4とを接着して積層体1aを作製する積層体作製工程において、マザー基板3、マザー封止板4、接着層5及び隔壁14に囲まれた空間22に存在する気体を外部に排気するためのものである。この孔6としては、空間22に存在する気体を外部に排気することができる形状、大きさ等のものを使用することができる。
図3(a)を参照して、孔6は、積層体1aを、端子部16を挟んで隣接する2つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けられている。孔6は、マザー封止板4のうち、有機EL表示パネル領域以外の領域であり、後述の接着剤塗布工程において接着剤が塗布されない領域に設けることができる。ただし、孔は、後述の分離工程において、有機EL表示パネル1と分離される箇所、例えば、マザー封止板4において端子部16上に位置する箇所に設けることもできる。また、孔6は、有機EL表示部31が形成されたマザー基板3を接着層5を介してマザー封止板4を接着した積層体1aを構成した状態で、マザー基板3とマザー封止板4の間に接着層5が存在しない領域に設けられるのが好ましい。
また、マザー基板3表面上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31と、端子部16を形成する。図3(b)は、マザー基板3上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31を形成した場合の模式的上面図である。なお、有機EL素子2は、上述したような構造である。この際、有機EL素子2の陽極7及び陰極9が前記端子部16と電気的に接続するように、有機EL素子2を形成する。さらに、有機EL素子2,2…を覆うように保護膜11を形成する(図省略)。
次に、マザー封止板4の表面のうち有機EL表示部31を封止する側の表面、又はマザー基板3の有機EL表示部31が形成された側の表面に、隔壁14を形成する。本実施形態においては、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、粘度の高い接着剤を塗布することにより隔壁14を形成する。図3(c)は、マザー封止板4表面上に粘度の高い接着剤を、前記有機EL表示部31とそれを構成する有機EL素子2と電気的に接続された端子部16との間に対応する位置と、該位置を挟んで該端子部16と反対側の分割部51近傍に、線形状に塗布した場合の模式的上面図である。該隔壁14は、前記有機EL表示部31と端子部16との間に対応する位置に形成され、接着層5が端子部15に至ることを阻止できる形状、大きさ、高さであればよい。隔壁14として接着剤を用いる場合、該接着剤には、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔を設定するためのギャップ材を添加してもよい。かかるギャップ材としては、SiO(酸化ケイ素)、SiON(酸窒化ケイ素)もしくはSiN(窒化ケイ素)等の無機材料、またはAg(銀)、Ni(ニッケル)もしくはAl(アルミニウム)等の金属材料を用いることができる。
隔壁14の形成方法としては、マザー封止板4上の前記所定位置に粘度の高い接着剤を塗布する方法の他、レジストをパターン形成してもよい。また、上述したようにマザー封止板4表面にカラーフィルターを形成している場合には平坦化のためにマザー封止板4上にオーバーコート層を設けてもよいが、該オーバーコート層自体に所定位置に凸状部分を設けることによって隔壁14としてもよい。また、マザー基板3上の有機EL表示部31とそれを構成する有機EL素子2と電気的に接続された端子部16との間に、無機材料や有機材料からなる膜を形成してもよい。
続いて、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、又は、マザー基板3のうち、前記マザー封止板4と貼り合わされる側の表面に、接着層5を塗布する。本実施形態においては、前者の表面に接着層5を塗布する場合について説明する。図3(d)は、マザー封止板4表面上において、前記有機EL表示部31に対応する領域を含み、端子部16、隔壁14及び前記孔6を除く領域に、隣接する有機EL表示部31,31を貫いた帯状形状と、各有機EL表示部31に対応する領域において前記帯状形状と交差する線状形状に接着層5を塗布した場合の模式的上面図である。本実施形態においては、接着層5の塗布形状は図3(d)のような形状であるが、この形状に限らず、端子部16に付着しないで、有機EL表示部31を覆うように接着層5を介してマザー基板3とマザー封止板4を接着できる形状であればよい。
次に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布され、隔壁14が形成されたマザー封止板4とを貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げる。図3(e)は、マザー基板3とマザー封止板4を貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた状態の模式的上面図である。ここで、接着層5が広がっても、隔壁14が接着層5が端子部16に至ることを阻止する。本実施形態においては、隔壁14は接着剤からなるが、粘度の高い接着剤であるのでほとんど広がらず、端子部16に至ることはないだけでなく、接着層5が端子部16に至ることを阻止する。
このような接着層5を広げる工程において、図3(e)に示すように、有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)に対応する領域に塗布された接着層5は、これらの表示部を完全に覆うようには広がっていない。図3(e)において、領域24は、接着層5に覆われていない有機EL表示部の領域である。
これに対し、有機EL表示部(ウ)及び有機EL表示部(エ)に対応する領域に塗布された接着層5は、これらの表示部を完全に覆うように広がり、これらの表示部近傍の隔壁14の両端から余分な接着層5が回りこんで広がっている。このように隔壁14の両端から回り込んで広がった接着層5のうち、有機EL表示部(ア)、有機EL表示部(イ)側に広がった接着層5は、有機EL表示部(ア)、有機EL表示部(イ)それぞれと、それと電気的に接続された端子部16の間の隔壁14、14と接触して空間25、25を形成している。
これは、有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)に対応する領域に塗布された接着層5の塗布量よりも、有機EL表示部(ウ)及び有機EL表示部(エ)に対応する領域に塗布された接着層5の塗布量の方が多いため、塗布量の多い有機EL表示部(ウ)及び有機EL表示部(エ)に対応する領域から広がった余分な接着層5が、有機EL表示部(ウ)、有機EL表示部(エ)それぞれに隣接する有機EL表示部(ア)、有機EL表示部(イ)それぞれと、それと電気的に接続された端子部16の間の隔壁14、14と接触して空間25、25を形成すると考えられる。すなわち、前記空間25が形成されたのは、以下の説明のように、マザー封止板4に塗布された接着層5の塗布量が不均一性、あるいはマザー封止版3の平坦性の歪に起因すると考えられる。
以下に、前記空間25の形成の原因について、説明を加える。
マザー封止板4上への接着層5の塗布量は、対応する有機EL表示部31ごとにバラツキが生じる場合がある。これは、例えば、ディスペンサーを用いて接着層5を塗布する際には、吐出量や吐出部の走査速度の不均一性や、マザー封止板4の反りやうねりなどの歪が原因となる。また、塗布量にバラツキがなくても、マザー基板3とマザー封止板4の押圧のむらのために接着層5の広がり方にバラツキが生じる場合もある。これらの問題は、一組のマザー基板3及びマザー封止板4の積層体から取り出す有機EL表示パネルの枚数が多いほど、顕著になる。
しかしながら、本実施形態においては、孔6を形成し、図3(e)の状態からさらにマザー基板3とマザー封止板4とを押圧すると、前記空間22は前記孔6を介して外部とつながった開空間であるため、空間22内の気体を孔6から外部に押し出して排気できる。したがって、マザー基板3とマザー封止板4との間隔をより狭くすることができ、前記空間25に存在する気体を孔6から外部に押し出して排気できるため、各表示部上において接着層5を均一に広げることができる。
図3(f)は、図3(e)の状態からさらにマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間にさらに広げた状態の模式的上面図である。
有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)上の接着層5は、それぞれの表示部を完全に覆うように均一に広がっている。
本実施形態においては、前記空間25に存在する気体を孔6から外部に押し出して排気できるため、図3(e)において存在していた接着層5に覆われていない有機EL表示部の領域24も接着層5で覆うことにより、有機EL表示部31全体を接着層5で完全に覆うように接着層5を均一に広げることができる。また、前記空間25に存在する気体を孔6から外部に押し出して排気できるため、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔をさらに狭くすることができ、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔を、所定の間隔に保持するために隔壁14に添加されたギャップ材の径と同じになるように設定することができる。
また、この態様の場合にも、接着層5は、前記孔6に位置までは広がらないため、該孔6から接着剤が漏れ出して接着装置を汚染することはない。
上記の接着層5を広げる工程と、空間22に存在する気体を孔6から外部に排気する工程は、本実施形態のように、大気中でマザー基板3とマザー封止板4とを貼り合わせて、マザー基板3とマザー封止板4とを外力を加えることにより押圧することによって、接着層5を押し広げるのと空間22に存在する気体を孔6から外部に排気するのを同時に行うことができる。
また、孔6から真空ポンプを用いて空間22内の気体をゆっくり排気することによって、外圧との圧力差により押圧して接着層5を広げることもできる。
さらに、接着層5を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成する。なお、本実施形態においては、粘度の高い接着剤からなる隔壁14も所定の条件で硬化させる。
次に、前記封止体1aを、隣接する有機EL表示部31、31間における分割部51で分割することによって、有機EL表示パネル1,1に分離する。図4は、封止体1aを分割部51で分割する様子を説明するための模式的断面図である。なお、図4は、図3(f)のAB間において切断した場合の模式的断面図である。ただし、図4は便宜上、有機EL表示部31と端子部16が接続されていないように図示しているが、実際には、両者は電気的に接続されている。
図4を参照して、有機EL表示パネル1は、マザー基板3上の有機EL表示部31が保護層11及び接着層5を介してマザー封止板4と封止されて構成されている。図4においては、マザー基板3とマザー封止板4の間に、2組の有機EL表示部31及び端子部16が形成されている。さらに、それぞれの有機EL表示部31と端子部16の間には隔壁14が存在し、接着層5が端子部16まで至ることを阻止している。また、本実施形態においては、端子部16と反対側の分割部51と有機EL表示部31の間にも隔壁14が存在し、接着層5が前記分割部に至ることを阻止している。
隣接する有機EL表示部31,31間に位置する分割部51,51の間に対応する領域におけるマザー封止板4には、孔6が形成されている。
図4(a)のように、積層体1aにおいて、分割部51に対応するマザー基板3及びマザー封止板4表面に分割溝52を形成する。次に、積層体1aに適当な応力を加えることにより、図4(b)に示すように、積層体1aを有機EL表示パネル1と不要部61に分割することにより、有機EL表示パネル1を取り出す(図4(b)の場合は2つの有機EL表示パネル)。
ここで、図4(b)に示すように、前記孔6は不要部61に存在することとなるため、前記孔6を有しない有機EL表示パネル1を作製することができる。ただし、分割部51及び分割溝52の位置を調整することにより、有機EL表示パネル1が孔6を有するように分割してもよいし、孔6の位置で分割してもよい。
次に、有機EL表示パネル1に応力を印加することにより、端子部16上に位置する箇所のマザー封止板4を有機EL表示パネル1から分離する。端子部16上には接着層5が存在しないため、有機EL表示パネル1に応力を印加すると、有機EL表示パネル1のうち、マザー封止板4のうち端子部16上に位置する箇所からなる不要部62をマザー基板3から分離できる(図4(c))。以上のように、有機EL表示パネル1を完成させる。なお、上述したように、孔6が該不要部62に設けられた場合にも、孔6を有しない有機ELパネル1を作製することができる。
以上の通り、本発明を用いることによって、塗布量不足とならない所定量以上に接着層を塗布すれば、たとえ、マザー封止板4に塗布された接着層5の塗布量が不均一性、あるいはマザー封止版3の平坦性の歪がある場合であっても、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、塗布量の多い箇所から広がった接着層同士が接触しても、あるいは、塗布量の多い箇所から広がった接着層が隔壁と接触しても、マザー基板、マザー封止板及び接着層、あるいは、マザー基板、マザー封止板、接着層及び隔壁に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔に保持することができ、有機EL表示部上において閉空間を生じさせずに接着層を均一に広げることができることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できる。
(実施の形態2)
まず、本実施形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構造について、図5及び図6を参照して説明する。
2-1.有機EL表示パネルの全体構成
本実施の形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構造は、隔壁14が存在しない点を除いて、実施の形態1の場合と同様である。本実施形態においては、接着層5を塗布した後、少なくとも端子部16上の接着層5を硬化させず、積層体1aを分割部51に沿って分割後、前記未硬化の接着層5を洗浄して除去することにより、端子部16を露出させる。
2-2.本実施の形態の特徴について
本実施形態に係る製造方法を用いて有機EL表示パネル1を作製する方法について、図5及び図6を参照して以下に説明する。ここでは、4つの有機EL表示パネルを製造する場合について説明する。ただし、4つ以外の複数個の有機EL表示パネルを製造する場合も同様である。便宜上、図5及び図6には、本実施形態に係る製造方法を用いて有機EL表示パネルが製造された状態における分割部51について図示している。
まず、マザー封止板4又はマザー基板3に、後述の積層体作製工程においてマザー封止板4とマザー基板3との間の気体を排気するための孔6を開ける。本実施形態においては、マザー封止板4に前記孔6を開ける場合について説明する。図5(a)は、前記孔6が開けられたマザー封止板4の模式的上面図である。孔6は、エンドミル法、サンドブラスト法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、レーザ光照射等によって形成できる。かかる孔6は、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、マザー基板3、マザー封止板4、接着層5に囲まれた空間22に存在する気体を外部に排気するためのものである。この孔6としては、空間22に存在する気体を外部に排気することができる形状、大きさ等のものを使用することができる。
図5(a)を参照して、孔6は、積層体1aを隣接する4つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けられている。孔6は、マザー封止板4のうち、有機EL表示パネル領域以外の領域であり、後述の接着剤塗布工程において接着剤が塗布されない領域に設けることができる。また、孔6は、有機EL表示部が形成されたマザー基板3を接着層5を介してマザー封止板4を接着した積層体1aを構成した状態で、マザー基板3とマザー封止板4の間に接着層5が存在しない領域に設けられるのが好ましい。
また、マザー基板3表面上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31と、端子部16を形成する。図5(b)は、マザー基板3上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31を形成した場合の模式的上面図である。なお、有機EL素子2は、上述したような構造である。この際、有機EL素子2の陽極7及び陰極9が前記端子部16と電気的に接続するように、有機EL素子2を形成する。さらに、有機EL素子2,2…を覆うように保護膜11を形成する(図省略)。
続いて、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、接着層5を塗布する。図5(c)は、マザー封止板4表面上の前記各有機EL表示部31,31…上に接着層5を落滴した場合の模式的上面図である。本実施形態においては、接着層5は、図5(c)のように、各有機EL表示部31,31…の中央付近に円形状に落滴されているが、この形状に限らず、各有機EL表示部31、31・・・を覆うように接着層5を介してマザー基板3とマザー封止板4を接着できる形状であればよい。
次に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布され、隔壁14が形成されたマザー封止板4とを貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げる。図5(d)は、マザー基板3とマザー封止板4を貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた状態の模式的上面図である。図5(d)のように、4つの隣接する有機EL表示部31上に落滴された接着層5が同心円状に広がり、それぞれの接着層5が孔6を囲むように接触し、空間22を形成する。本実施形態の場合には、接着層5の塗布量にむらが有るか否かを問わず、塗布量が多くても、空間22を形成する。この空間22は前記孔6を介して外部とつながった開空間である。この状態では、有機EL表示部31の一部の領域32が接着層5に覆われていない。さらに、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧し、さらに接着層5を両板間に広げる。また、前記孔6から、前記空間22に存在する気体を外部に排気する。図5(e)は、図5(d)の状態からさらにマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間にさらに広げた状態の模式的上面図である。本実施形態においては、前記押圧によって、前記空間22につながった孔5から空間22に存在する気体を外部に排気することができる。これにより、空間22をさらに狭くし、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔を狭くすることができる。また、有機EL表示部31全体を接着層5で完全に覆うように接着層5を均一に広げることができる。
このように、気体を孔6から排気するため、有機EL表示部31上において閉空間を生じさせず、図5(d)の状態において存在していた、有機EL表示部31上のうち接着層5に覆われていない領域32も接着層5で覆うことができ、接着層5が完全に有機EL表示部31を覆うようにすることができる。また、接着層5を、前記孔6に位置までは広げないため、該孔6から接着剤が漏れ出して接着装置を汚染することはない。
さらに、接着層5を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成する。なお、本実施形態においては、前記端子部16上に存在する接着層5を硬化させない。このようなパターニング硬化の方法としては、例えば、接着層5が紫外線硬化樹脂からなる場合に、端子部16上に存在する接着層5をマスクにより遮断しながら、それ以外の領域に紫外線を照射することによって、端子部16上を除いた領域の紫外線硬化樹脂を硬化させることができる。
次に、前記封止体1aを、隣接する有機EL表示部31、31間における分割部51で分割することによって、有機EL表示パネル1,1に分離する。図6は、封止体1aを分割部51で分割する様子を説明するための模式的断面図である。なお、図6は、図5(e)のCD間において切断した場合の模式的断面図である。ただし、図6は便宜上、有機EL表示部31と端子部16が接続されていないように図示しているが、実際には、両者は電気的に接続されている。
図6を参照して、有機EL表示パネル1は、マザー基板3上の有機EL表示部31及び保護層11が接着層5を介してマザー封止板4と封止されて構成されている。図4においては、マザー基板3とマザー封止板4の間に、2組の有機EL表示部31及び端子部16が形成されている。端子部16上には、未硬化の接着層15が存在し、それ以外の領域の接着層5は硬化されている。
図6(a)のように、積層体1aにおいて、分割部51に対応するマザー基板3及びマザー封止板4表面に分割溝52を形成する。次に、積層体1aに適当な応力を加えることにより、図6(b)に示すように、積層体1aを有機EL表示パネル1と不要部61に分割することにより、有機EL表示パネル1を取り出す(図6(b)の場合は2つの有機EL表示パネル)。
次に、有機EL表示パネル1に応力を印加することにより、端子部16上に位置する箇所のマザー封止板4を有機EL表示パネル1から分離する。端子部16上の接着層15は未硬化であるため、有機EL表示パネル1に応力を印加すると、端子部16上の接着層5おいて、マザー基板3側とマザー封止板4側とが容易に分離し、それに伴い、有機EL表示パネル1のうち、マザー封止板4及び封止材5のうち端子部16上に位置する箇所からなる不要部62をマザー基板3から分離できる(図6(c))。さらに、端子部16上に付着した未硬化の接着層15を洗浄することにより除去して(図6(d))、有機EL表示パネル1を完成させる。
以上の通り、本発明を用いることによって、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の高さとすることができ、有機EL表示部上において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できる。
(実施の形態3)
まず、本実施形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構造について、図7及び図8を参照して説明する。
3-1.有機EL表示パネルの全体構成
本実施の形態に係る製造方法を用いて作製する有機EL表示パネルの構造は、隔壁14が存在しない点を除いて、実施の形態1の場合と同様である。本実施形態においては、接着層5を塗布する前に、端子部16上をマスキングすることにより、端子部16に接着層5が至ることを阻止する。その後、接着層5を硬化し、分割した後にマスキングを除去することにより、端子部16を露出させる。
3-2.本実施の形態の特徴について
本実施形態に係る製造方法を用いて有機EL表示パネル1を作製する方法について、図7及び図8を参照して以下に説明する。ここでは、4つの有機EL表示パネルを製造する場合について説明する。ただし、4つ以外の複数個の有機EL表示パネルを製造する場合も同様である。便宜上、図7及び図8には、本実施形態に係る製造方法を用いて有機EL表示パネルが製造された状態における分割部51について図示している。
まず、マザー封止板4又はマザー基板3に、後述の積層体作製工程においてマザー封止板4とマザー基板3との間の気体を排気するための孔6を開ける。本実施形態においては、マザー封止板4に前記孔6を開ける場合について説明する。図7(a)は、前記孔6が開けられたマザー封止板4の模式的上面図である。孔6は、エンドミル法、サンドブラスト法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法、レーザ光照射等によって形成できる。かかる孔6は、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、マザー基板3、マザー封止板4、接着層5に囲まれた空間22に存在する気体を外部に排気するためのものである。この孔6としては、空間22に存在する気体を外部に排気することができる形状、大きさ等のものを使用することができる。
図7(a)を参照して、孔6は、積層体1aを隣接する4つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けられている。孔6は、マザー封止板4のうち、有機EL表示パネル領域以外の領域であり、後述の接着剤塗布工程において接着剤が塗布されない領域に設けることができる。また、孔6は、有機EL表示部が形成されたマザー基板3を接着層5を介してマザー封止板4を接着した積層体1aを構成した状態で、マザー基板3とマザー封止板4の間に接着層5が存在しない領域に設けられるのが好ましい。
また、マザー基板3表面上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31と、端子部16を形成する。なお、有機EL素子2は、上述したような構造である。この際、有機EL素子2の陽極7及び陰極9が前記端子部16と電気的に接続するように、有機EL素子2を形成する。さらに、有機EL素子2,2…を覆うように保護膜11を形成する(図省略)。
さらに、マザー封止板4上に端子部16を覆うようにマスキングテープを貼ることによって、端子部16に接着層5が至ることを阻止するためのマスキングを行う。かかるマスキングテープは、背面に接着層5が接着しないような材料からなる。例えば、背面がフッ素コーティングされたテープ等を用いることができる。図7(b)は、マザー基板3上に有機EL素子2から構成される有機EL表示部31を形成し、端子部16を覆うようにマスキングテープを貼った場合の模式的上面図である。
続いて、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、接着層5を塗布する。図7(c)は、マザー封止板4表面上の前記各有機EL表示部31,31…上に接着層5を落滴した場合の模式的上面図である。本実施形態においては、接着層5は、図7(c)のように、各有機EL表示部31,31…の中央付近に円形状に落滴されているが、この形状に限らず、有機EL表示部31を覆うように接着層5を介してマザー基板3とマザー封止板4を接着できる形状であればよい。
次に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布され、マザー封止板4とを貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げる。図7(d)は、マザー基板3とマザー封止板4を貼り合せて、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた状態の模式的上面図である。図7(d)のように、4つの隣接する有機EL表示部31上に落滴された接着層5が同心円状に広がり、それぞれの接着層5が孔6を囲むように接触し、空間22を形成する。本実施形態の場合には、接着層5の塗布量にむらが有るか否かを問わず、塗布量が多くても、空間22を形成する。この空間22は前記孔6とつながった開空間である。この状態では、有機EL表示部31の一部32が接着層5に覆われていない。さらに、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧し、さらに接着層5を両板間に広げる。また、前記孔6から、前記空間22に存在する気体を外部に排気する。図7(e)は、図7(d)の状態からさらにマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間にさらに広げた状態の模式的上面図である。本実施形態においては、前記押圧によって、前記空間22につながった孔6から空間22に存在する気体を外部に排気することができる。これにより、空間22をさらに狭くし、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔を狭くすることができる。また、有機EL表示部31全体を接着層5で完全に覆うように接着層5を均一に広げることができる。
このように、気体を孔6から排気するため、有機EL表示部31上において閉空間を生じさせず、図7(d)の状態において存在していた、有機EL表示部31上のうち接着層5に覆われていない領域32も接着層5で覆うことができ、接着層5が完全に有機EL表示部31を覆うようにすることができる。また、接着層5を、前記孔6に位置までは広げないため、該孔6から接着剤が漏れ出して接着装置を汚染することはない。
さらに、接着層5を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成する。
次に、前記封止体1aを、隣接する有機EL表示部31間における分割部51で分割する。図8は、封止体1aを分割部51で分割する様子を説明するための模式的断面図である。なお、図8は、図7(e)のEF間において切断した場合の模式的断面図である。ただし、図8は便宜上、有機EL表示部31と端子部16が接続されていないように図示しているが、実際には、両者は電気的に接続されている。
図8を参照して、有機EL表示パネル1は、マザー基板3上の有機EL表示部31及び保護層11が接着層5を介してマザー封止板4と封止されて構成されている。図8においては、マザー基板3とマザー封止板4の間に、2組の有機EL表示部31及び端子部16が形成されている。前記端子部16上には前記マスキングテープ17が貼られており、該マスキングテープの背面と接着層5は接着されていない。
図8(a)のように、分割部51に対応するマザー基板3及びマザー封止板4表面に分割溝52を形成する。次に、積層体1aに適当な応力を加えることにより、図8(b)に示すように、積層体1aを有機EL表示パネル1と不要部61に分割することにより、有機EL表示パネル1を取り出す(図8(b)の場合は2つの有機EL表示パネル)。
次に、有機EL表示パネル1に応力を印加することにより、端子部16上に位置する箇所のマザー封止板4を分離する。端子部16上に存在するマスキングテープ17とその上に存在する接着層5が接着していないため、有機EL表示パネル1に応力を印加すると、マスキングテープ17背面表面と接着層5の界面で容易に分離し、それに伴い、有機EL表示パネル1のうち、マザー基板4及び接着層5のうち端子部16上に位置する箇所からなる不要部62をマザー基板3から分離できる(図8(c))。その後、マスキングテープをはがすことによって、端子部16を露出させて(図8(d))、有機EL表示パネル1を完成させる。
以上の通り、本発明を用いることによって、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔に保持することができ、有機EL表示部上において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できる。
以下に、上記の実施の形態1の製造方法を用いて有機EL表示パネル1を作製した実施例について説明する。
図3(a)に示すように、エンドミル法により、ガラスからなるマザー封止板4に孔6を開けた。孔6は、積層体1aを、端子部16を挟んで隣接する2つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けた。孔6は円形であり、その径は1mmである。
また、図3(b)に示すように、端子部16及び有機EL表示部31を形成した。まず、TFT基板からなるマザー基板3上に端子部16を形成した。端子部16としては、Cr膜をスパッタ法により形成した。
また、TFT基板6の電極上に、陽極7を形成し、さらに、セル分離膜10を形成した。
続いて、マザー基板3上に有機膜8をマスクを用いて蒸着し、さらに陰極9をマスクを用いて形成することにより、有機EL素子2,2…からなる有機EL表示部31を形成した。さらに、マザー基板3上に、保護膜11として、窒化ケイ素/酸化ケイ素/窒化ケイ素からなる積層膜を形成した。かかる保護膜膜11は、前記有機EL表示部31を覆うようにマスクを用いてパターニング形成した。
次に、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、粘度の高い紫外線硬化性樹脂を塗布することにより隔壁14を形成した。本実施例においては、図3(c)に示すように、隔壁14としてマザー封止板4表面上に、径が10μmの樹脂を材料とする球体(ビーズ)からなるギャップ剤を分散させた、粘度の高い紫外線硬化性樹脂を、前記有機EL表示部31とそれを構成する有機EL素子2と電気的に接続された端子部16との間に対応する位置と、該位置を挟んで該端子部16と反対側の分割部51近傍に、端子部16よりも長く線形状に塗布した。該隔壁14は、接着層5が端子部15に至ることを阻止できる。
続いて、図3(d)のように、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面のうち、マザー封止板4表面上の前記有機EL表示部31上を含み、端子部16及び前記孔6を除く領域に、隣接する有機EL表示部31,31を貫いた帯状形状と、各有機EL表示部31上において前記帯状形状と交差する線状形状に紫外線硬化性樹脂からなる接着層5を塗布した。
次に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布され、隔壁14が形成されたマザー封止板4とを、大気圧下で貼り合せて、外力を加えてマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた(図3(e))。ここで、接着層5が広がっても、隔壁14が接着層5が端子部16に至ることを阻止できた。本実施例においては、隔壁14は紫外線硬化性樹脂からなるが、粘度の高い紫外線硬化性樹脂であるのでほとんど広がらず、端子部16に至ることはないだけでなく、接着層5が端子部16に至ることを阻止した。
このような接着層5を広げる工程において、図3(e)に示すように接着層5が広がった。図3(e)を参照して、有機EL表示部(ウ)及び有機EL表示部(エ)は接着層5に完全に覆われたが、有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)は接着層5に完全には覆われなかった。図3(e)において、領域24は、接着層5に覆われていない表示部の領域である。隔壁14の両端から有機EL表示部(ア)、有機EL表示部(イ)側に回り込んで広がった接着層5は、有機EL表示部(ア)、有機EL表示部(イ)それぞれとそれと電気的に接続された端子部16の間の隔壁14、14と接触して空間25、25を形成した。
この場合に、さらにマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間にさらに広げたところ、図3(f)のように、有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)も接着層5により完全に覆われた。該空間25は前記孔6を介して、積層体1aの外部とつながっているため、空間25は開空間であり、接着層5を広げるとともに、空間25に存在する気体を前記孔6から外部に排気できた。このように、気体を孔6から排気できたため、マザー基板3とマザー封止板4との間の間隔を、隔壁14に添加されたギャップ材の径にまで狭くすることができ、また、有機EL表示部31において閉空間を生じさせず、接着層5が完全に有機EL表示部31を覆うようにすることができた。また、接着層5は、前記孔6に位置までは広がらないため、該孔6から接着剤が漏れ出すことはなかった。
さらに、紫外線硬化性樹脂からなる接着層5及び隔壁14を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成した。
続いて、図4(a)に示すように、マザー封止板4及びマザー基板3における分割部51に、ダイヤモンドカッターで分割溝52を設けた。さらに、マザー封止板4及びマザー基板3に応力を印加することにより、図4(b)のように、有機EL表示パネル1と不要部61に分割した。ここで、有機EL表示パネル1に孔6が存在せず不要部61に存在するように分割した。さらに、図4(c)に示すように、有機EL表示パネル1に応力を印加して、不要部62をマザー封止板4から分離することによって、端子部16を露出させて、有機EL表示パネル1を完成させた。
作製された有機EL表示パネル1を光学顕微鏡下で確認すると、有機EL表示パネル1全体において閉空間は見つからなかった。
以上の通り、本発明を用いることによって、塗布量不足とならない所定量以上に接着層を塗布すれば、接着層の塗布量にむらがある場合であっても、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔とすることができ、有機EL表示部上において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できた。
次いで、以下に、上記の実施の形態2の製造方法を用いて有機EL表示パネル1を製造した実施例について説明する。
図5(a)に示すように、サンドブラスト法により、ガラスからなるマザー封止板4に孔6を開けた。図5(a)を参照して、孔6は、積層体1aを隣接する4つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けられている。孔6は円形であり、その径は1mmである。
また、実施例1と同様に、マザー基板3上に、端子部16及び有機EL表示部31を形成し、さらに、前記有機EL表示部31上に保護膜11を形成した(図5(b))。
続いて、マザー封止板4のうち、前記マザー基板3と貼り合わされる側の表面に、図5(c)のように、各有機EL表示部31,31…の中央付近に円形状に落滴することにより、紫外線硬化樹脂からなる接着層5を塗布した。
次に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布されたマザー封止板4とを、大気圧下で貼り合せて、外力を加えてマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた(図5(d))。
このような接着層5を広げる工程において、図5(d)のように、4つの隣接する有機EL表示部31上に落滴された接着層5が広がり、それぞれの接着層5が孔6を囲むように接触し、空間22を形成した。この空間22は前記孔6を介して積層体1aの外部とつながった開空間である。また、有機EL表示部31上の一部には、接着層5により覆われていない領域32が存在した。
さらに、マザー基板3とマザー封止板4とを押圧し、さらに接着層5を両板間に広げた(図5(e))。前記空間22は前記孔6を介して積層体1aの外部とつながっているため、空間22は開空間であり、接着層5を広げるとともに、空間22に存在する気体を前記孔6から外部に排気できた。このように、気体を孔6から排気できたため、有機EL表示部31上において閉空間を生じさせず、図5(d)の状態において存在していた、有機EL表示部31上のうち接着層5に覆われていない領域32も接着層5で覆うことができ、接着層5が完全に有機EL表示部31を覆うようにすることができた。また、接着層5は、前記孔6に位置までは広がらないため、該孔6から接着剤が漏れ出すことはなかった。
さらに、紫外線硬化性樹脂からなる接着層5を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成した。このとき、端子部16上に存在する接着層5をマスクにより遮断しながら、それ以外の領域に紫外線を照射することによって、端子部16上を除いた領域の紫外線硬化樹脂を硬化させ、前記端子部16上に存在する接着層5を硬化させなかった。
続いて、図6(a)に示すように、マザー封止板4及びマザー基板3における分割部51に、ダイヤモンドカッターで分割溝52を設けた。さらに、マザー封止板4及びマザー基板3に応力を印加することにより、図6(b)のように、有機EL表示パネル1と不要部61に分割した。ここで、孔6は、積層体1aを隣接する4つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けたため、有機EL表示パネル1には孔6は存在しなかった。さらに、図6(c)に示すように、有機EL表示パネル1に応力を印加して、不要部62をマザー封止板4から分離し、さらに、端子部16上に付着した未硬化の接着層15を洗浄することにより除去することによって、端子部16を露出させて、有機EL表示パネル1を完成させた。
作製された有機EL表示パネル1を光学顕微鏡下で確認すると、有機EL表示パネル1全体において閉空間は見つからなかった。
以上の通り、本発明を用いることによって、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔とすることができ、有機EL表示部上において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できた。
次いで、以下に、上記の実施の形態2の製造方法を用いて有機EL表示パネル1を製造した実施例について説明する。
実施例2と同様に、マザー封止板4に孔6を開け(図7(a))、マザー基板3上に、端子部16及び有機EL表示部31を形成し(図7(b))、さらに、前記有機EL表示部31上に保護膜11を形成した。
次に、図7(b)に示すように、マザー封止板4上に背面がフッ素コーティングされたテープからなるマスキングテープ17を端子部16を覆うように貼ることによって、端子部16に接着層5が至ることを阻止するためのマスキングを行った。
続いて、実施例2と同様に、マザー封止板4表面に紫外線硬化樹脂からなる接着層5を塗布した(図7(c))。
さらに、実施例2と同様に、前記マザー基板3と、前記接着層5が塗布されたマザー封止板4とを、大気圧下で貼り合せて、外力を加えてマザー基板3とマザー封止板4とを押圧することによって接着層5を両板間に広げた(図7(d)、(e))。
接着層5を広げ、空間22に存在する気体を孔6から排気する工程については、実施例2と同様である。
さらに、紫外線硬化性樹脂からなる接着層5を所定の条件で硬化させることにより積層体1aを形成した。
続いて、図8(a)に示すように、マザー封止板4及びマザー基板3における分割部51に、ダイヤモンドカッターで分割溝52を設けた。さらに、マザー封止板4及びマザー基板3に応力を印加することにより、図8(b)のように、有機EL表示パネル1と不要部61に分割した。ここで、孔6は、積層体1aを隣接する4つの有機EL表示部31ごとに、それぞれの有機EL表示部31を有する有機EL表示パネルに分割する分割部51,51の間の領域に設けたため、有機EL表示パネル1には孔6は存在しなかった。さらに、図8(c)に示すように、有機EL表示パネル1に応力を印加して、不要部62をマザー封止板4から分離し、さらに、マスキングテープ17をはがすことによって、端子部16を露出させて、有機EL表示パネルを完成させた。
作製された有機EL表示パネル1を光学顕微鏡下で確認すると、有機EL表示パネル1全体において閉空間は見つからなかった。
以上の通り、本発明を用いることによって、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔とすることができ、有機EL表示部上において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを製造できた。
(比較例1)
以下に、上記の実施例1の比較例について説明する。
本比較例は、マザー封止板4に孔6を形成しなかったことを除いては実施例1と同様である。
本比較例においては、実施例1と同様に接着層5を広げる工程において、図3(e)において、領域24は、接着層5に覆われていない有機EL表示部の領域である。本態様の場合、マザー封止板4に孔6を形成しなかったため、図3(e)における空間25は閉空間となった。
このような場合、該閉空間の高さが、所望のマザー基板3とマザー封止板4の間の間隔を決める隔壁14に含有されたギャップ材の径より高く、この高さがマザー基板3とマザー封止板4の間の間隔となるため、それ以上押圧しても、マザー基板3とマザー封止板4の間の間隔をそれ以上狭くすることができなかった。したがって、図3(e)のような接着層5の広がり状態から、それ以上接着層5を広げることができず、有機EL表示部31上の接着層5に覆われていない領域24が残ったままとなった。
本比較例においては、有機EL表示部(ア)及び有機EL表示部(イ)に対応する領域に塗布された接着層5の塗布量よりも、有機EL表示部(ウ)及び有機EL表示部(エ)に対応する領域に塗布された接着層5の塗布量の方が多いことに起因すると考えられる。塗布量の多い有機EL表示部に対応する領域から広がった余分な接着層5が、隣接する有機EL表示部とそれと電気的に接続された端子部との間の隔壁と接触したため、図3(e)に示すような空間25と対応する閉空間を形成したと考えられる。すなわち、接着層5の塗布量にむらがあり、塗布量の多い箇所から広がった接着層5が隔壁と接触したため、閉空間を形成したと考えられる。
以上より、塗布量不足とならない所定量以上に接着層を塗布しても、接着層の塗布量にむらがある場合には、前記孔を設けないと、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、塗布量の多い箇所から広がった接着層同士が接触する、あるいは、塗布量の多い箇所から広がった接着層が隔壁と接触することによって、マザー基板、マザー封止板及び接着層、あるいは、マザー基板、マザー封止板、接着層及び隔壁に囲まれた閉空間を形成することがわかる。
本比較例の場合は、一組のマザー基板3及びマザー封止板4から4つの表示パネルを得る場合であるが、一組のマザー基板3及びマザー封止板4からもっと多数の表示パネルを得る場合には、塗布量が多い有機EL表示部31が1箇所でもあれば、それに起因する閉空間が生じるため、塗布量が比較的多くない有機EL表示部31に対応する有機EL表示パネルは全て、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔とすることができず、有機EL表示部において接着層を均一に広げることができない不良のパネルを大量に製造してしまう惧れがある。
このように、本比較例では、表示品位が高い有機EL表示パネルを作製できなかった。
(比較例2)
以下に、上記の実施例2の比較例について説明する。
本比較例は、マザー封止板4に孔6を形成しなかったことを除いては実施例2と同様である。
本比較例においては、実施例2と同様に接着層5を広げる工程において、孔6がないため、図5(d)における開空間22がマザー基板3、マザー封止板4及び接着層5に囲まれた閉空間となった。このような場合、該閉空間の高さがマザー基板3とマザー封止板4の間の間隔となるため、それ以上押圧しても、マザー基板3とマザー封止板4の間の間隔をそれ以上狭くすることができなかった。したがって、図5(d)のような接着層5の広がり状態から、それ以上接着層5を広げることができず、この閉空間の他、有機EL表示部31上に、図5(d)における領域32のような接着層5に覆われない領域が残ったままとなった。
このように、本比較例では、表示品位が高い有機EL表示パネルを作製できなかった。
(比較例3)
以下に、上記の実施例3の比較例について説明する。
本比較例は、マザー封止板4に孔6を形成しなかったことを除いては実施例3と同様である。
本比較例においては、実施例3と同様に接着層5を広げる工程において、孔6がないため、図7(d)における開空間22がマザー基板3、マザー封止板4及び接着層5に囲まれた閉空間となった。このような場合、該閉空間の高さがマザー基板3とマザー封止板4の間の間隔となるため、それ以上押圧しても、マザー基板3とマザー封止板4の間の間隔をそれ以上狭くすることができなかった。したがって、図7(d)のような接着層5の広がり状態から、それ以上接着層5を広げることができず、この閉空間の他、有機EL表示部31上に、図7(d)における領域32のような接着層5に覆われない領域が残ったままとなった。
このように、本比較例では、表示品位が高い有機EL表示パネルを作製できなかった。
以上の通り、本発明を用いることによって、マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程においてマザー基板、マザー封止板及び接着層に囲まれた閉空間を形成させず、最終的に封止後のマザー基板とマザー封止板間を所望の間隔に保持することができ、有機EL表示部において接着層を均一に広げることにより、表示品位が高く、発光特性が良好で信頼性の向上した有機EL表示パネルを、歩留まり良く製造できた。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせに様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
また、実施の形態では、有機EL素子2,2…の発光をマザー封止板4側から取り出すトップエミッションの構成について説明したが、有機EL素子2,2…の発光をマザー基板3側から取り出すボトムエミッションの構成にも本発明の技術を適用可能である。ボトムエミッションの構成に本発明の技術を適用した場合にも、上記の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1に係る有機EL表示パネルの構成を示す模式的段面図である。 本発明に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的上面図である。 実施の形態1に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的上面図である。 実施の形態1に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的段面図である。 実施の形態2に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的上面図である。 実施の形態2に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的段面図である。 実施の形態3に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的上面図である。 実施の形態3に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的段面図である。 従来技術に係る有機EL表示パネルの製造方法を示す模式的上面図である。
符号の説明
1 有機EL表示パネル
1a 積層体
2 有機EL素子
3 マザー基板
4 マザー封止板
5 接着層
6 孔
14 隔壁
16 端子部
31 有機EL表示部
51 分割部

Claims (8)

  1. マザー基板上に複数の発光部を形成し、複数の該発光部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成し、該積層体を発光部毎に分離して複数の発光パネルを得る製造方法において、隣接する発光部の間に位置する前記マザー基板あるいはマザー封止板の所望の領域に孔を設け、前記マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、両板間の気体を上記孔から外部に排気することを特徴とする発光パネルの製造方法。
  2. マザー基板上に複数の表示部を形成し、複数の該表示部を覆うように接着層を介してマザー封止板を接着した積層体を構成し、該積層体を表示部毎に分離して複数の表示パネルを得る製造方法において、隣接する表示部の間に位置する前記マザー基板あるいはマザー封止板の所望の領域に孔を設け、前記マザー基板とマザー封止板とを接着して積層体を作製する積層体作製工程において、両板間の気体を上記孔から外部に排気することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  3. 前記表示部は有機エレクトロルミネッセンス素子からなることを特徴とする請求項2に記載の表示パネルの製造方法。
  4. 前記マザー基板又は前記マザー封止板に設けられる孔の位置は、前記発光パネル又は表示パネル以外の領域であって、かつ、前記接着層が塗布されない領域に予め設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の発光パネル又は表示パネルの製造方法。
  5. 前記孔は、前記積層体を構成した状態で、マザー基板とマザー封止板の間に接着層が存在しない前記マザー基板又は前記マザー封止板領域に予め設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のパネルの製造方法。
  6. マザー基板上に複数の有機エレクトロルミネッセンス素子からなる表示部を形成する表示部形成工程と、前記表示部を封止するためのマザー封止板の所定の位置に孔を開ける開孔工程と、前記マザー基板の表面に前記表示部を覆うように接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記マザー基板表面の前記接着剤が塗布されていない領域に、前記マザー封止板に設けられた孔の位置が対向するように、前記マザー基板と前記マザー封止板とを位置決めする位置決め工程と、前記接着剤からなる接着層を前記マザー基板と前記マザー封止板との間に広げるとともに、前記マザー基板と前記マザー封止板との間の気体を前記孔から外部に排気して前記表示部を封止した積層体を作製する積層体作製工程と、該積層体を表示部毎に分離して複数の表示パネルを得る分離工程とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示パネルの製造方法。
  7. マザー基板上に複数の有機エレクトロルミネッセンス素子からなる表示部と表示部毎に信号を供給するために表示部に近接して配置された端子部とを併設する工程と、前記表示部と前記端子部との間に隔壁を形成する隔壁形成工程と、前記表示部を封止するためのマザー封止板の所定の位置に孔を開ける開孔工程と、前記表示部上に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記マザー基板表面の前記接着剤が塗布されていない領域に、前記マザー封止板に設けられた前記孔の位置が対向するように、前記マザー基板上に前記接着剤を介して前記マザー封止板を積層することによって、前記接着剤を両板間に広げる積層体作製工程と、該積層体を表示部毎に分離して複数の表示パネルを得る分離工程とを備え、前記積層体作製工程において、前記隔壁は前記接着剤が前記端子部に至ることを阻止し、前記マザー基板と前記マザー封止板との間の気体を前記孔から外部に排気することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  8. 前記積層体作製工程を大気圧下で行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載のパネルの製造方法。
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