JP4796363B2 - 有機elパネル及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機EL素子が形成された素子基板と有機EL素子を封止する封止部材とを接着シートで貼り合わせた有機ELパネル及びその製造方法に関する。
有機EL(electroluminescence)パネルは、自発発光型のディスプレイであり、視野角が広い、コントラストが高い、応答反応性が速いなどの特性を有する。
有機EL素子は、ガラスなどの透明な基板上に、陽極としてITO(Indiumu Tin Oxide)などの透明導電膜、その上に単層あるいは多層の有機発光層、陰極にAlなどの金属が順次積層された構造の素子である。
有機EL素子では、ピンホールなどの欠陥から侵入する水分や酸素の影響により、陰極が酸化したり有機化合物との界面で剥離し、これによってダークスポット(非発光領域)が発生することがある。このダークスポットは表示品質の劣化や輝度の減少の原因となる。
水分や酸素の影響を防ぐために、有機EL素子の封止方法として、中空構造の金属製の缶をパネルの裏面にエポキシ系の接着剤を用いて貼り合わせる方法がある。シール部はパネルの周縁部のみとし、中空部には乾燥窒素を封入する。
特許文献1の開示では、ガラスなどの封止板と基板の有機層との間に封止空間を設け、封止板の外周部を樹脂などの封止剤で基板に貼り合わせ、この貼り合わせ部分で、基板に形成された凸部と封止板に形成された凹部とをお互いかみ合うように貼り合わせている。これにより、封止剤の広がりを凹部に吸収させて、封止剤の発光素子部への侵入を防止し、素子の劣化を抑制している。また、凹部を設けて水分が封止空間へ侵入するまでの経路を大きくし、封止特性を向上させている。
特開2001−210464号公報(段落0015、0018及び0019)
しかしながら、特許文献1では、封止板に凹部を設ける必要があるが、封止板は一般的に金属材料やガラス材料からなり、このような硬い材料に凹部を形成する工程は複雑であり製造コストがかかりやすい。また、封止板に凹部を設けるには封止板自体を厚くする必要があり、有機ELパネル全体も厚くなる傾向がある。また、接着剤を封止板の凹部に塗布すると、凹部を接着剤で埋めてしまう可能性があり、さらに貼り合わせ時に接着剤がはみ出し発光素子部まで広がる可能性もある。また、特許文献1では、発光領域全体を取り囲む外周位置のみ接着を行うものであり、複数の画素に対応して複数の発光部がある場合などに、隣接する発光部の間まで封止板と基板とを接着するものではない。
一方、有機ELパネルをより薄型化するために、基板上に形成された有機EL素子上に直接樹脂を塗布し、その上に封止基板を貼り付け、その後に樹脂を硬化し、有機EL素子を封止する貼り合わせ封止方法がある。この方法では、さらに有機EL素子上に数層の無機膜を成膜してから、その上に樹脂を塗布することで、有機EL素子への樹脂の染み込みをより効果的に防止することができる。
しかし、貼り合わせ封止方法では、有機EL素子に接着剤が固体状態で固着されるため固体封止となる。このような固体封止では、有機EL素子に直接樹脂を塗布した状態で樹脂が硬化するため、有機EL素子上に微細な欠陥やごみなどがあると、樹脂の硬化収縮などで有機EL素子がわずかに変形し、リークが発生しやすくなるという問題がある。
リークが発生した場合、封止缶のように、封止缶と有機EL素子との間に空間があれば、その空間でリークが自己リペアする可能性がある。しかし、有機EL素子上に直接樹脂が塗布されると、リークが発生したときに自己リペアするための空間がなく、リークの影響が大きくなりやすい。
また、貼り合わせ封止方法では、有機EL素子と、接着剤の樹脂が直接接触するため、その樹脂が有機EL素子の陰極のピンホールなどから有機層に染み込むと、有機層にダメージを与えることがある。
液体状態の接着剤を使用すると接着剤の塗布時に接着剤が染み込みやすいが、固体状の接着シートを用いれば、有機EL素子に固体状態で貼り付けられるため、接着剤の染み込みを防止することができる。しかし、接着シートは、貼り付けるときに、固体状態で有機EL素子と接触するため、有機EL素子との接着面に気泡が入りやすいという問題がある。このような気泡が混入すると、気泡中に含まれる水分などが有機層にダメージを与えることがある。
そこで、本発明の目的としては、有機EL素子のリークの発生を抑えるとともに、有機EL素子への接着剤の染み込み及び接着部への気泡の混入を防ぐ有機ELパネル及びその製造方法を提供することである。
請求項1に記載されている有機ELパネルの発明は、第一電極層と、前記第一電極層上に形成され有機発光材料を含む有機機能層と、前記有機機能層上に形成される第二電極層とを備える有機EL素子、前記有機EL素子を支持する素子基板、前記有機EL素子を封止する封止部材、及び、前記素子基板と前記封止部材との間で前記素子基板と前記封止部材とを接着する接着層を有し、前記有機EL素子は前記有機機能層が電極間に挟まれる発光部を素子基板上に複数備えており、前記接着層は発光部の素子基板と接している面以外の全ての面の周囲を隙間を設けて囲む凹部を複数備え、前記凹部は前記複数の発光部の各発光部ごとに設けられて各発光部ごとに周囲を囲み、前記素子基板上のうち前記発光部が形成されていない領域に接着することを特徴とする。
請求項4に記載されている有機ELパネルの製造方法の発明は、素子基板上に第一電極層、有機発光材料を含む有機機能層、及び第二電極層を積層して有機EL素子を形成し、前記有機EL素子を封止する封止部材を前記素子基板に接着シートを介して貼り付け、前記接着シートを硬化することで、前記素子基板と前記封止部材とを貼り合わせる有機ELパネルの製造方法であって、前記有機機能層が電極間に挟まれる発光部の素子基板と接している面以外の全ての面の周囲を隙間を設けて囲むことのできる凹部を一方面側に複数有する接着シートを用い、素子基板上に複数形成した発光部が、各発光部ごとに一つの凹部で囲まれるように接着シートを位置決めし、前記接着シートを前記素子基板上のうち前記発光部が形成されていない領域に接着することを特徴とする。
本発明によれば、素子基板と封止部材とを貼り合わせ封止して薄型化した有機ELパネルにおいて、有機EL素子のリークの発生を抑えるとともに、有機EL素子への接着剤の染み込みや接着部への気泡の混入を防止し、有機EL素子の劣化を防ぐことができる。また、このような有機ELパネルを簡単に低コストで製造することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における例示が本発明を限定することはない。
図2は、本発明に係る有機ELパネルの実施の形態1を示す断面模式図である。
図2において、有機ELパネル10は、素子基板1の上に複数の発光部Aが配列されたEL素子2が形成され、EL素子2上に発光部Aとの間に隙間を設けて発光部Aを凹部3aで囲む接着シート3が貼り付けられ、接着シート3上に封止基板4が貼り合わされている。
素子基板1は、剛性を有する平板であって、光透過性を有する透明材料からなる。ガラス材料や防湿膜付き樹脂材料などが用いられる。また、素子基板としては、剛性を有する平板の他、湾曲する有機ELパネルを作製するために、フレキシブルなフィルム状のものとしてもよい。
EL素子2は、図3の部分拡大図に示すように、素子基板1上の表示領域に陽極としてのITO層2bが形成され、ITO層2b上に有機機能層2aが複数の発光部Aに対応して複数箇所に互いに離れて形成され、有機機能層2a上に陰極としてのAl層2cがITO層2bと対向して形成される。有機機能層2aは、エレクトロルミネッセンス特性を有する有機発光材料を含む層である。発光部Aは、有機機能層2aがITO層2b及びAl層2cによって電極間に挟まれた部分であり、通電により発光する。
単色の有機ELパネルでは、複数の発光部Aが同じ発光材料で形成され、各発光部Aが一画素分に相当する。なお、多色の有機ELパネルでは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の色ごとの発光材料が交互に配列するように形成され、R、G、Bに対応する3つの発光部Aが一画素分に相当する。
複数の発光部Aは、図4の有機ELパネル10の正面拡大図に示すように、複数の矩形形状の発光部Aが水平方向及び垂直方向に整列し、マトリックス状に配列されている。複数の発光部Aをそれぞれの発光部Aごとに発光させるように制御し、有機ELパネル10全体の表示画像を調整する。
本実施の形態では、素子基板上に形成される第一電極層を陽極とし、発光部上に形成される第二電極層を陰極としたが、第一電極層を陰極とし第二電極層を陽極としてもよい。また、素子基板上の表示領域に第一電極層としての陽極を発光部に合わせて複数箇所に形成し、その上に有機機能層及び第二電極層としての陰極を表示領域の全面に形成した構成にも本実施の形態を適用することができる。
また、有機EL素子には、電子輸送層や正孔輸送層などの機能層を設けてもよい。また、陰極隔壁や絶縁膜のような構造物を設けてもよい。
接着シート3は、可塑性を有し、熱や紫外線によって硬化する材料である。例えばエポキシ系樹脂のような熱硬化性樹脂が好ましい。接着シート3は、素子基板1上に貼り付けた状態で、硬化されて素子基板1上に固着し接着層となる。なお、膜厚や材料を変更することで、可塑性や硬化の特性を適宜調整することができる。
接着シート3はシート状であって一方面側に複数の凹部3aが形成される。この凹部3aで有機EL素子2の発光部Aと接着シート3とを接触させないで発光部Aを囲み、接着シート3は素子基板1上のうち発光部Aが形成されていない領域に接着する。つまり、接着シート3は、隣接する発光部Aの間で素子基板1上に接着し、発光部Aと接着シート3との間に隙間が形成される。この隙間は、発光部Aと接着シート3とが接触しない程度のものであり、さらに発光部A上の欠陥やごみなどの付着物と接着シート3とが接触しない程度のものがよい。
凹部3aの深さは発光部Aの矩形形状の高さよりも深く、凹部3aの外周形状は発光部Aの外周形状より大きく、これによって接着シート3は凹部3aで発光部Aと接触しないで発光部Aを囲む。
また、複数の凹部3aは、素子基板1上の複数の発光部Aの間隔と合わせて配列され、一枚の接着シート3で、素子基板1の表示領域に形成された複数の発光部Aをそれぞれ囲み、EL素子2全体を覆う。
接着シート3の凹部3aは、上述した断面矩形形状の他、断面円弧形状など発光部Aと非接触となる形状であればよい。
なお、多色の有機ELパネルでは、例えばR、G、Bに対応する1画素分の3つの発光部Aに対して1つの凹部を設ける。また、素子基板上の発光領域に1つの発光部が一面に形成されている場合では、この1つの発光部に対応して接着シートに凹部を1つ設ければよい。
封止基板4は、剛性を有する平板であって、水分を封止するために防湿性のある材料からなる。ガラス材料や防湿膜付き樹脂材料などが用いられる。また、封止基板4としては剛性を有する平板の他、素子基板1とともにフレキシブルなフィルム状とすれば、湾曲する有機ELパネルを作製することができる。
上面光取り出し(トップエミッション)型の有機ELパネルの場合は、EL素子2の発光が封止基板4側にも透過するように、接着シート3及び封止基板4に透明材料を選択する。
図1は、本実施の形態に係るEL素子の封止方法を説明するための図である。
図1(a)は、素子基板1上にEL素子2を形成した状態である。素子基板1の表示領域にITO層2bを蒸着し、ITO層2b上に複数の発光部Aに対応して有機機能層2aを複数箇所に互いに離して一定間隔で配列して蒸着し、それぞれの有機機能層2a上にITO層2bに対向してAl層2cを蒸着し、有機EL素子2を作製する。発光部Aは、有機機能層2aがITO層2bとAl層2cに挟まれ、通電によって発光する。
複数箇所の有機機能層2aは例えばシャドウマスクによって形成される。多色の有機ELパネルでは、シャドウマスクを一色目の発光部に合わせて一色目の有機機能層を蒸着し、シャドウマスクを次の色の発光部に合わせて次の色の有機機能層を蒸着し、順に複数色の発光部を形成する。
図1(b)は、素子基板1上のEL素子2と接着シート3とを位置合わせした状態である。接着シート3は、発光領域よりも広いものが用意され、複数の発光部Aに対応して複数の凹部3aがそれぞれ配列されている。この接着シート3を素子基板1の上部に移動させ、発光部Aと凹部3aがそれぞれ対向するように、さらに接着シート3の位置を調整して位置合わせする。
この接着シート3は、発光部Aの配列、数、形状に合わせて、凹部3aが形成される。凹部3aは発光部Aの形状とほぼ等しい形状であり、発光部Aの外周形状より凹部3aの内周の寸法がわずかに大きく、凹部3aは発光部Aから離れて発光部Aを囲む。
接着シート3の凹部3aは、剛性部材に凹部3aに対応した凸パターンを形成し、これを平坦な接着シートに転写することで形成することができる。接着シートは、柔らかい樹脂からなるため、容易に凸パターンを転写することができる。
図1(c)は、素子基板1上に接着シート3を貼り付けた状態である。素子基板1に接着シート3を位置合わせしてから、接着シート3を素子基板1側に押し付け、接着シート3と素子基板1を貼り付ける。このとき、素子基板1上のうち隣接する発光部Aの間に接着シート3が接着され、複数の発光部Aはそれぞれ凹部3aによって接着シート3と非接触である。また、接着シート3は、EL素子2と固体状態で接触するため、接着部分から接着剤が流れ出し発光部Aに接触することを防止することができる。
接着シート3を素子基板1に不活性ガス中で真空ラミネーターやローラーで貼り付けることで、より密着させて均一に接着することができる。真空ラミネーターでは、真空状態で接着シート3を素子基板1に押し付ける。真空であるために、素子基板1と接着シート3との間の空気を除去し、気泡の混入を防止することができる。ローラーでは、接着シート3を素子基板1に押し当て、その上からローラーで加圧する。ローラーによって押し圧部分が移動しながら加圧されるため、素子基板1と接着シート3との間の空気を除去し、気泡の混入を防止することができる。
この状態では、接着シート3を硬化せず、後述するように封止基板4を貼り付けてから、接着シート3を硬化させ、接着シート3で素子基板1と封止基板4とを固着する。
図1(d)は、接着シート3上に封止基板4を貼り付け、接着シート3を硬化した状態である。素子基板1に貼り付けられた接着シート3上に封止基板4を対向させ、封止基板4と接着シート3とを押し付けて接着する。次に、接着シート3を硬化し、接着シート3と素子基板1を固着するとともに、接着シート3と封止基板4を固着し、素子基板1と封止基板4を接着する。
接着シート3と封止基板4とを真空ラミネーターやローラーで貼り付けることで、より密着させて均一に接着することができる。真空ラミネーターでは、真空状態で接着シート3に封止基板4を押し付ける。真空であるために、接着シート3と封止基板4との間の空気が除去され、気泡の混入を防止することできる。ローラーでは、接着シート3に封止基板4を押し当て、封止基板4の上からローラーで加圧する。ローラーによって押し圧部分が移動しながら加圧されるため、接着シート3と封止基板4との間の空気を除去し、気泡の混入を防止することができる。
接着シート3の硬化は、接着シート3が熱硬化性の樹脂である場合は、封止基板4を貼り合わせた状態で、所定時間加熱し接着シート3を硬化する。
また、上面光取り出し(トップエミッション)型の有機ELパネルでは、接着シート3と封止基板4が透明材料からなり、封止基板5側から接着シート3まで光が透過するため、接着シート3を紫外線硬化性の樹脂とし、封止基板4側から紫外線を照射し、接着シート3を硬化することができる。
なお、接着シート3を封止基板4上に貼り付けた後に、素子基板1と接着シート3とを貼り付けることも可能である。この場合では、凹部3aを形成していない接着シート3を封止基板4に貼り付けた後に、接着シート3に凸パターンを転写し凹部3aを形成し、その後、接着シート3と素子基板1とを貼り付けることができる。
上記した実施の形態では、EL素子2の発光部Aが接着シート3と接触しないため、接着シート3が硬化するときに接着シートの硬化収縮の影響を発光部Aに与えにくく、発光部Aの損傷を防止することができる。EL素子上に微小なごみなどがあった場合、ごみの上に接着剤が塗布され硬化されると、接着剤は硬化するときに収縮するため、このごみが付着したEL素子の部分に硬化収縮の応力が集中的にかかり、リークが発生することがある。発光部Aでリークが発生すると、発光部Aの素子が損傷し、損傷した発光部Aに対応して一画素分の発光が欠けることがある。
また、発光部A上に空間ができるため、発光部A上でリークが発生したとしても、発光部A上の陰極が飛び散ったり捲くれ上がるための空間があるため、リークが収まりやすい。このような空間がなく、発光部A上全体に接着剤が塗布されていると、リークが収まりにくく、リークによって熱が発生し、熱によって広い範囲で発光部Aが損傷し、大きな発光欠陥を生じてしまうことがある。
また、接着シート3で各発光部Aごとに空間を仕切っているため、ある発光部Aで陰極の飛び散り又は捲くれ上がりがあっても、その影響を隣接又は近隣の他の発光部Aに与えにくい。また、接着シート3で各発光部Aごとに空間を仕切ると、接着シート3が各発光部Aごとの周りで素子基板1に支持され、接着シート3の貼り付け方向の強度が維持されるため、接着シート3をEL素子2上に貼り付けるときや封止基板4を接着シート3上に貼り付けるときに、接着シート3の凹部3aがつぶれるなどして接着シート3がEL素子2にあたってしまうことを防止する。
また、発光部A上には接着シート3が接触しないことにより、接着シート3が接着時に溶融しても、発光部Aへ接着剤が染み込まないようにすることができる。接着シート3は固体状態であるが、接着時には加熱を行い、ごく表面を液体状態にして接着を行う。このとき、接着シート3が発光部Aに接触していると、この液体がEL素子2の陰極のピンホールなどから侵入し、EL素子2の発光に異常が発生することがある。
また、接着シート3には、複数の凹部3aがあるため、接着シート3と素子基板1との間に気泡が混入しても、接着シート3を素子基板1側にさらに押し付ければ、気泡が近くにある凹部3aに入り込み、接着部から気泡を除去し、良好に接着することができる。接着シートに凹部が形成されず平坦な面である場合では、EL素子と接着剤とを素子基板の全面にわたり密着して貼り付けることになり、接着面積が大きく、全域にわたり気泡を混入させないで貼り付けることは難しい。
また、発光部A上の空間は、接着シート3の凹部3aによって形成されるため、封止基板3自体にはそのような空間を保つために加工の必要性がなく、平坦な面のまま用いることができる。そのため、封止基板3には、硬い材料や、薄い形状、フィルム形状など用途にあわせて適宜のものを用いることができる。例えば、接着シートを20μmとし、封止部材に0.15mmの貼り付けガラスのような薄型のものを用い、有機ELパネル全体を薄型化することができる。
また、接着シート3は、柔らかい樹脂などからなるため、接着シート3の凹部3aは転写パターンなどの簡単な方法で形成することができる。このように接着シート3に凹部3aを形成すれば、発光部Aごとの封止を、有機ELパネル10の製造工程を複雑化しないで低コストで行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、素子基板1と封止基板4とを接着シート3を介して貼り付け、有機ELパネル10を薄型化した貼り合わせ封止方法において、接着シート3に凹部3aを設け接着シート3と発光部Aとの間に隙間を設けたため、接着シート3の硬化収縮による応力がEL素子2にかかることを抑え、EL素子2のリークの発生を防止することができる。また、EL素子2のリークが発生したとしても、リークの影響で陰極が飛び散るときに接着シート3と発光部Aとの間に空間があるため、自己リペアを促進することができる。
また、発光部Aと接着シート3とが直接触れないため、発光部Aの有機発光材料への接着剤の染み込みを防ぐことができる。また、接着シート3の接着面には凹部3aが複数形成されているため、素子基板1との接着部分に気泡を入りにくくすることができる。
実施の形態2を図5に示す。実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
実施の形態2では、図5に示すように、素子基板1上にEL素子2を形成し、EL素子2の上に保護膜5を形成し、保護膜5の上に接着シート3を貼り付け、接着シート3の上に封止基板4を貼り付け、接着シート3を硬化する。
保護膜5は、EL素子2全面を覆い、接着シート3との接着部分を保護したり、接着シート3から発生するガス成分やごみなどから発光部Aを保護する。保護膜5は、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミ、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの無機膜からなり、素子基板1上に蒸着される。
EL素子2と接着シート3との間に保護膜5を形成することで、発光部Aと凹部3aの間の空間で、接着シート3からガスが発生したとしても、このガス成分から発光部Aを保護することができ、EL素子2の有機材料の劣化をより効果的に防止することができる。
実施の形態3を図6に示す。実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
実施の形態3では、図6に示すように、封止部材として保護膜6を用いる。この保護膜6は、防湿性のある薄膜材料であり、接着シート3上に成膜される。保護膜6には、上述の保護膜5と同様の材料のものを用いることができ、この保護膜6は接着シート3上に蒸着することで膜状に形成される。
発光部A上に空間を設けるためには、接着シート3のEL素子2側に凹部3aを形成すれば、封止部材側は平坦となるため、封止部材には平坦で薄いものを使用することができる。そのため、封止部材に保護膜6のような薄膜でも用いることができる。保護膜6は、薄膜であるため、有機ELパネル10全体をより薄型化することができる。また、素子基板1をフレキシブルな材料とすれば、薄膜の保護膜6と合わせて、湾曲する有機ELパネル10を作製することができる。
実施の形態4を図7に示す。実施の形態1と同様の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
実施の形態4では、図7に示すように、素子基板1の表示領域を所定数の発光部Aからなる発光部群に分け、それぞれの発光部群を接着シート3の凹部3aで区切り、接着シート3の一つの凹部3aで複数の発光部Aを囲む。図7では、複数の発光部Aがドットマトリックス状に配列され、このうち縦10列、横10列を一つの発光部群とし、それぞれの発光部群を一つの凹部3aで隙間を設けて囲む。発光部群に含まれる発光部の数は適宜変更することができる。
このように、数十画素に対して一つの凹部を設けると、すべての画素に対して一画素ごとに凹部を設け貼り付けることに比べ、接着シートの凹部の作製と接着シートと素子基板との貼り合わせが簡単になる。なお、凹部の面積を大きくすると、接着シートと素子基板の貼り合わせ時や、接着シート上に封止基板又は保護膜を付けた時に、接着シートの凹部が潰れEL素子にあたってしまう可能性がある。そのため、接着シートの貼り付け方向の強度を維持して接着シートの凹部が潰れない適当な範囲で、凹部の面積を適宜変更する。
本発明に係る実施の形態1の有機ELパネルの製造工程(a)から(d)を説明するための図である。 本発明に係る実施の形態1の有機ELパネルの断面模式図である。 図2に示すEL素子の部分拡大図である。 図2に示す有機ELパネルの正面拡大図である。 本発明に係る実施の形態2の有機ELパネルの断面模式図である。 本発明に係る実施の形態3の有機ELパネルの断面模式図である。 本発明に係る実施の形態4の有機ELパネルの正面拡大図である。
符号の説明
1 素子基板
2 EL素子
3 接着シート
4 封止基板
A 発光部

Claims (10)

  1. 第一電極層と、前記第一電極層上に形成され有機発光材料を含む有機機能層と、前記有機機能層上に形成される第二電極層とを備える有機EL素子、前記有機EL素子を支持する素子基板、前記有機EL素子を封止する封止部材、及び、前記素子基板と前記封止部材との間で前記素子基板と前記封止部材とを接着する接着層を有し、
    前記有機EL素子は前記有機機能層が電極間に挟まれる発光部を素子基板上に複数備えており、前記接着層は発光部の素子基板と接している面以外の全ての面の周囲を隙間を設けて囲む凹部を複数備え、前記凹部は前記複数の発光部の各発光部ごとに設けられて各発光部ごとに周囲を囲み、前記素子基板上のうち前記発光部が形成されていない領域に接着することを特徴とする有機ELパネル。
  2. 前記有機EL素子と前記接着層との間に設けられ前記有機EL素子を保護する保護膜を有することを特徴とする請求項1に記載された有機ELパネル。
  3. 前記封止部材は膜状であることを特徴とする請求項1又は2に記載された有機ELパネル。
  4. 素子基板上に第一電極層、有機発光材料を含む有機機能層、及び第二電極層を積層して有機EL素子を形成し、前記有機EL素子を封止する封止部材を前記素子基板に接着シートを介して貼り付け、前記接着シートを硬化することで、前記素子基板と前記封止部材とを貼り合わせる有機ELパネルの製造方法であって、
    前記有機機能層が電極間に挟まれる発光部の素子基板と接している面以外の全ての面の周囲を隙間を設けて囲むことのできる凹部を一方面側に複数有する接着シートを用い、
    素子基板上に複数形成した発光部が、各発光部ごとに一つの凹部で囲まれるように接着シートを位置決めし、前記接着シートを前記素子基板上のうち前記発光部が形成されていない領域に接着することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
  5. 前記有機EL素子と前記接着シートとの間に前記有機EL素子を保護する保護膜を形成することを特徴とする請求項4に記載された有機ELパネルの製造方法。
  6. 前記封止部材は膜状に形成されることを特徴とする請求項4又は5に記載された有機ELパネルの製造方法。
  7. 前記素子基板と前記接着シートとを接着した後、前記接着シートと前記封止部材とを接着することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載された有機ELパネルの製造方法。
  8. 前記封止部材と前記接着シートとを接着した後、前記接着シートと前記素子基板とを接着することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載された有機ELパネルの製造方法。
  9. 前記封止部材と前記接着シートとを接着した後、前記接着シートに前記凹部を形成することを特徴とする請求項8に記載された有機ELパネルの製造方法。
  10. 前記接着シートに凸パターンを転写することで前記凹部を形成することを特徴とする請求項4から9のいずれか1項に記載された有機ELパネルの製造方法。
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