JP2011141979A - 電気光学装置の製造方法、および電気光学装置 - Google Patents

電気光学装置の製造方法、および電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL装置の裏面(光を出射する面と反対側の面)に熱伝導性に優れた放熱シートを備えることで有機EL装置の過熱を抑制することができるが、可撓性を確保するべく総厚を抑え、ラミネート処理を行う場合、保護フィルムと放熱シートとの間に気泡が挟まれる場合があり、ラミネート工程で不良が発生するという課題がある。
【解決手段】銅やアルミニウム、炭素繊維樹脂、グラファイトシート等を用い、円形に加工された開口部31を設けるよう加工したものを放熱シート30として用いた。開口部31を形成することで、ラミネート工程で挟まれた気泡は開口部31を介して解消されるため、ラミネート工程での気泡残りや気泡に起因するうねりの発生を抑制することができるため、歩留まりを向上させることが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気光学装置の製造方法、および電気光学装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルを用いた電気光学装置としての有機EL装置は、自発光により表示を行うためバックライトを必要とする液晶表示装置よりも薄型化が容易である。そのため、大画面を備え、かつ狭い占有面積で設置可能な薄型テレビに適している。また、薄型化により、占拠する空間を少なくして表示を行うことが可能であるため、表示面積を確保しながら占有する体積を減らせる。そのため、限られた空間内に多数の部品を実装する携帯表示装置にも使用されている。
さらに、昨今、新たな用途開拓に向けて、さらなる薄型化を行うことで可撓性を付与した有機EL装置も提案されている。また、薄型化に伴い、表示面積を確保しながら軽量化でき可搬性が向上するため、このような有機EL装置は、特に携帯表示装置に好適である。
他方、有機EL装置は自発光パネルであるがために、ほぼ常時電力が消費され、そのジュール熱によりパネル温度は上昇する。そのため、有機EL層の劣化は早まり、輝度寿命が短くなってしまうという問題があった。そこで、パネル温度を下げるべく、特許文献1に示すように有機EL装置の裏面(光を出射する面と反対側の面)に放熱板を備える構造が提案されている。当該文献には、放熱板としてアルミニウムを用いた例が示されている。一般的に、アルミニウムの熱伝導率は、ガラスや汎用プラスチックに比べて高く、良好な放熱特性を確保しているものと記載されている。
加えて、有機ELパネルが備える有機EL層は、水分によっても劣化する。そのため、有機EL装置は発熱対策だけでなく、水分浸入についても、液晶表示装置と比べ強固に防止しうる構成を取る必要がある。このため、発明者等は、有機ELパネルの厚さを100μm程度までに薄型化するとともに、有機ELパネルと放熱シートとを重ねた積層体を形成し、当該積層体を表裏面から透明な保護フィルムでラミネートした有機EL装置を提案している。この有機EL装置は、有機ELパネル内部への水分浸入を防ぐとともに、放熱性を確保することを可能としている。
また、有機EL装置と同じく自発光を行うパネルとして、特許文献2に記載されているプラズマディスプレイパネル(PDP)がある。特許文献2では、このPDPの表示面側を、透明ゲル粘着層を用いて封止することで、緩衝性、接着性、耐剥離性、可撓性に優れ、かつ気泡残りを抑えた封止が行えると記載されている。
特開2006−49057号公報 特開2005−22365号公報
しかしながら、発明者等による、積層体を表裏面から透明な保護フィルムでラミネートし、有機EL装置を形成する方法には、以下に示す課題が生じることがあった。その課題とは、有機ELパネルをラミネートする工程において、保護フィルムと放熱シートとの間に気泡が残る不良や、この気泡により保護フィルムにうねりが生じるという不良が発生することである。そのため、ラミネート工程において歩留まりが低下するという課題がある。
また、特許文献2には、PDPの出射面側については細部に渡って説明がなされているが、出射面と対向する(反対側の)面側には殆ど記載がなされておらず、放熱性や水分浸入を行う手法についての提案が不十分である。ここで、例えば透明ゲル粘着層を出射面と対向する面側にも形成した場合、応力がかかる封止を行うことは困難になる。例えば、圧縮応力がかかるラミネート工程を適用した場合、ゲル状の粘着剤は、ラミネート用の保護フィルムの間に滲みだしていくことが推定される。即ち、ラミネート工程を適用することは難しく、さらなる薄型化が困難になるという課題がある。
また、特許文献1に記載されている有機EL装置は、有機ELパネルを缶封止し、放熱シートが外気と触れている構成を備えている。そのため、可撓性の付与や、さらなる薄型化が困難となる課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる電気光学装置の製造方法は、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルにおける表示領域側の第1の面と対向する第2の面側に、複数の穴が形成されている放熱シートを重ねる工程と、前記第1の面を覆う第1の保護フィルムを重ねる工程と、前記放熱シートを覆う第2の保護フィルムを重ねる工程と、前記第1の保護フィルムから前記第2の保護フィルムまでの積層体をラミネートするラミネート工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、ラミネート工程を行う場合に放熱シートと第2の保護フィルムとの間に巻き込まれた気体は、放熱シートが備える穴を介して放出される。そのため、放熱シートと第2の保護フィルムとの間に生じる気泡残りや、気泡残りに伴ううねりの発生を抑制することが可能となる。
[適用例2]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法であって、前記ラミネート工程は、不活性ガス環境下で行われることを特徴とする。
上記した適用例によれば、ラミネート工程を行う場合に放熱シートと第2の保護フィルムとの間に巻き込まれた気体は、放熱シートが備える穴を介して放出される。そのため、放熱シートと第2の保護フィルムとの間に生じる気泡残りや、気泡残りに伴ううねりの発生を抑制することが可能となる。また、放熱シートが備える穴中に不活性ガスが封入されるため、この不活性ガスと、第2の保護フィルムと、により弾性を備えた領域が形成される。そのため、耐機械的応力性を向上させることが可能となり、機械的応力に対して頑丈な電気光学装置を形成するための製造方法を提供することが可能となる。
[適用例3]上記適用例にかかる電気光学装置の製造方法であって、前記ラミネート工程は、減圧環境下で行われることを特徴とする。
上記した適用例によれば、放熱シートが備える穴中は減圧雰囲気に保たれる。そのため、第2の保護フィルムは第2の面側に対して大気圧に押される形で圧接され、耐剥離性を向上させることが可能となる。また、放熱シートが備える穴中は減圧雰囲気に保たれていることから、水分や酸素の分圧も低下している。そのため、電気光学層への水分や酸素の浸入を抑制することが可能となる。
また、ラミネート工程は、100℃程度(例えば80℃〜120℃くらい)の温度で、かつ減圧雰囲気で行われることとなる。この場合、減圧雰囲気で沸点が下がり、かつ熱がかかることで低分子量の脱ガスが第2の保護フィルムから発生する。この脱ガスは第2の保護フィルム内に発生し、気泡を形成する場合がある。この場合、高い真空度を備える減圧環境下を用いても気泡の除去は難しいが、放熱シートが穴を備えている場合、この穴を介して気泡内部のガスが放出されるため、気泡残りによる不良を抑えることが可能となる。
[適用例4]本適用例にかかる電気光学装置は、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、前記表示パネルの表示領域側の第1の面と対向する第2の面側に重ねられ、平面視にて、複数の穴を備える放熱シートと、前記表示パネル、および前記放熱シートによる積層体を表裏から覆い、ラミネートする2枚の保護フィルムと、を備えていることを特徴とする。
これによれば、放熱シートは開口部を備えている。そのため、応力が分散され、放熱シート内に均等に応力がかかるようになる。そのため、折れずに撓むこととなり可撓性が向上する。加えて、放熱シートは、開口された面積分だけ軽くなる。そのため、携帯表示装置等へ搭載した場合、軽量化を図ることが可能となる。
[適用例5]上記適用例にかかる電気光学装置であって、前記放熱シートは、複数の放熱材が編み込まれた部分を含んでいることを特徴とする。
上記した適用例によれば、編み込み構造は、一般的に板状のものと比べ可撓性が高い。そのため、放熱シートを厚くしても可撓性を高くとることが可能となり、放熱性に優れた電気光学装置を得ることが可能となる。
[適用例6]上記適用例にかかる電気光学装置であって、前記放熱シートの前記穴の平面形状は、六角形構造を備えていることを特徴とする。
上記した適用例によれば、放熱シートの強度を保ちつつ穴を設けることが可能となる。六角形構造(ハニカム構造)は応力を効率的に分散するため、穴を開けても強度の低下を抑えることができ、軽量化が可能となる。
有機EL装置の構造を示す斜視図。 図1のf−f断面における有機EL装置の断面図。 図2の表示パネルにおけるd部の拡大図。 図1における領域gに位置する放熱シートの平面図。 表示装置の製造方法の流れを示すフローチャート。 (a)、(b)は、ラミネート工程における製造態様を示す図。 表示装置の製造方法の流れを示すフローチャート。 (a)、(b)は開口部の平面形状を示す平面図。 開口部の平面形状を示す別の平面図。
(実施形態)
「電気光学装置としての有機EL装置の概要」。
以下、電気光学装置としての有機EL装置について説明する。図1は、有機EL装置の構造を示す斜視図である。図2は、図1のf−f断面における有機EL装置の断面図である。まず、本発明の実施形態にかかる電気光学装置としての有機EL装置100の概要について説明する。
有機EL装置100は、薄型の有機ELパネルである表示パネル18を含むフレキシブルな有機EL装置である。表示パネル18の裏面(光の射出面と反対側)には、放熱シート30を備えている。そのため、表示パネル18の温度上昇を抑制することができる。より詳細には、有機EL装置100は、放熱シート30と、表示パネル18とを重ねた積層構造体を、第1の保護フィルムとしての保護フィルム25aと、第2の保護フィルムとしての保護フィルム25bと、により表裏面からラミネートした構造を備えている。
放熱シート30は、後述するラミネート処理での気泡残りを効果的に抑制すべく、複数の穴としての開口部31を備えている。なお、図2では、図面の視認性を向上させるために、開口部31の間隔、開口部31の幅を大きく図示しているが、実際には小さいパターンが密に形成されている。ここで、開口部31は、大気または、不活性ガスで封止されている。また、開口部31の存在により、放熱シート30は平面的に開口部31の分だけ軽量化される。また、開口部31で応力が分散され、放熱シート30内に均等に応力がかかるようになる。そのため、折れずに撓むようになるため、可撓性が向上する。ここで、開口部31内が樹脂で満たされていても良い。この場合、より高い接着強度を得ることが可能となる。また、放熱シート30内を樹脂で満たすことで、放熱シート30の、引っ張り応力による亀裂発生が抑えられることから、より高い可撓性を備えることが可能となる。
表示パネル18は、マトリックス状に配置された複数の画素を含む表示領域Vを備えている。また、可撓性を確保するためにその総厚が例えば100μm以下に設定されている。表示領域Vには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色画素が周期的に配置されており、各画素が出射する表示光によりフルカラーの画像が表示される。なお、カラー表示を行う表示パネルに限定するものではなく、モノクロ表示を行う表示パネルであっても良い。また、白熱電球や蛍光灯等と代替する照明としても適用可能である。特に無影灯や、光の照射パターンを調整可能な光源としても好適である。また、総厚が300μm以下程度と薄いため、液晶装置のバックライトとしても用いることもできる。
表示パネル18は、一対のガラス基板としての素子基板1、CF基板16を含んでいる。ここで、表示パネル18全面を覆うように配置された保護フィルム25a,25bは、可撓性、接着性、フレキシブル基板20のモールド性(絶縁性と耐熱性)等の条件を満たす機能を備えることが好ましい。
また、これらの機能を満たした上で、保護フィルム25a,25bに用いる樹脂には、透明性と耐水性が重視される。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、環状オレフィンポリマー等を含む樹脂が適用可能である。
表示領域Vは、縦長の長方形をなしており、図1を含む各図においては、当該縦方向をY軸方向とし、縦方向よりも短い横方向をX軸方向と定義している。また、表示パネル18の厚さ方向をZ軸方向としている。また、表示領域V側の面を第1の面としての表面、その反対側の面を第2の面としての裏面という。なお、表示領域Vは正方形でも良い。
表示パネル18の外形は、後述する張出し領域1e分、X軸方向の幅が広くなり、表示領域Vを一回り大きくした縦長の長方形となっている。
図2に示すように、平面的な放熱シート30のサイズは、表示パネル18と略同じ大きさに形成されている。
また、表示パネル18は、素子基板1と、CF(カラーフィルター)基板16とから構成されており、その一端には、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域1eが形成されている。
張出し領域1eには、フレキシブル基板20が接続されている。なお、フレキシブル基板とは、例えば、ポリイミドフィルムの基材に鉄箔の配線等が形成された可撓性を有するフレキシブルプリント回路基板の略称である。また、フレキシブル基板20には、駆動用IC(Integrated Circuit)21が実装され、その端部には、専用のコントローラーや、外部機器(いずれも図示せず)と接続するための複数の端子が形成されている。
有機EL装置100は、フレキシブル基板20を介して、外部機器から電力や画像信号を含む制御信号の供給を受けることにより、表示領域Vに画像や文字等を表示する。
「表示パネルの詳細な構成」。
図3は、図2の表示パネル18におけるd部の拡大図である。
続いて、表示パネル18の詳細な構成について説明する。
表示パネル18は、一対のガラス基板(の一方)としての素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、電気光学層としての有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12、充填剤13、CF層14、一対のガラス基板(の他方)としてのCF基板16等から構成されている。ここで、素子基板1とCF基板16とに挟持された、素子層2からCF層14までの積層構造を機能層17という。
素子基板1は、透明な無機ガラスから構成されている。本実施形態では、好適例として、無アルカリガラスを用いている。
素子層2には、各画素をアクティブ駆動するための画素回路が形成されている。画素回路には、TFT(Thin Film Transistor)を含む画素を選択するための選択トランジスターや、有機EL層8に電流を流すための駆動トランジスター3等が含まれており、画素ごとに対応して形成されている。なお、画素回路は、好適例として、活性層に低温ポリシリコンを用いているが、アモルファスシリコンを活性層として用いた構成であっても良い。
素子層2の上層(Z軸(−)方向)には、例えば、アクリル樹脂等を含む絶縁層である平坦化層4が形成されている。
平坦化層4の上層には、画素ごとに区画されて、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウム等を含む反射層であり、有機EL層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。
画素電極6は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnO等の透明電極から構成されており、画素ごとに素子層2の駆動トランジスター3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールにより接続されている。
隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂等から構成され、平面的に各画素を格子状に区画している。なお、素子層2における駆動トランジスター3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面的に隔壁と重なるように配置されている。
有機EL層8は、画素電極6、および隔壁7を覆って形成されている。また、図3においては一層の構成となっているが、実際は、それぞれが有機物の薄膜を含む正孔輸送層、発光層、電子注入層等から構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)等の昇華性の材料から構成されている。発光層は、赤、緑、青の3色を組み合わせて形成される白色光を放射する多層の有機発光材料薄膜や金属膜等から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)等から構成されている。
共通電極9は、MgAg等の金属を、光を透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。さらに、抵抗を下げるため、ZnO等の金属酸化物やTiN等の金属窒化物層等透明導電膜を積層しても良い。
電極保護層10は、SiO2や、Si34、SiOxy等の透明で、かつ、水分のバリア性を有する材質から構成されている。
緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂等の透明な有機緩衝層である。
ガスバリア層12は、SiO2や、Si34、SiOxy等の透明で、かつ、水分のバリアを有する封止層であり、有機EL層8への水分の浸入を防止している。
充填剤13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等含む透明な接着層であり、ガスバリア層12とCF層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部からの有機EL層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たす。
CF基板16は、素子基板1と同様な無機ガラスから構成されており、有機EL層8側(Z軸(+)側)には、CF層14が形成されている。
CF層14には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、青色カラーフィルター14bが画素配置と同様に配置されている。詳しくは、各色のカラーフィルターは、それぞれが対応する画素電極6と重なるように配置されており、各カラーフィルター間には、ハッチングで示した遮光部が形成されている。遮光部は、平面的に隔壁7と重なるように格子状に形成されており、光学的には、ブラックマトリックスの機能を果たす。
そして、CF基板16と素子基板1とは、CF基板16の周縁部に形成されたシール剤15によって接着および封止されている。シール剤15としては、エポキシ系の接着剤や、紫外線硬化樹脂等を用いる。
このように構成された各画素からは、カラーフィルターの色調に対応した表示光が出射される。例えば、赤色画素の場合、有機EL層8で放射された白色光は、赤色カラーフィルター14rによって赤色光が選択されて、赤色の表示光としてCF基板16から出射される。また、緑色、青色の画素においても同様である。
これにより、表示領域Vでは、CF基板16から出射される複数のカラー画素からの表示光によりフルカラーの画像が表示されることになる。
なお、表示パネル18の構成は、トップエミッション型に限定するものではなく、2枚のガラス基板間に、電気光学層を挟持した構成であれば良い。例えば、有機EL層8が発する光を素子基板1側から出射するボトムエミッション型の有機EL装置であっても良い。また、無機ELを光源として備えた無機EL装置であっても良い。その他、プラズマディスプレイパネル等、自発光を行う装置、換言すれば電力を消費することでジュール熱を発する装置であっても良い。
また、図2で説明したように、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域1eには、フレキシブル基板20が接続されている。フレキシブル基板20は、素子基板1に形成された透明電極との間で、異方性導電接着フィルム等により、電気的な接続が取られている。
ここで、異方性導電接着フィルムによる接続だけでは、機械的強度が不足しているため、従来は、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)等でモールドし、補強していたが、剥離し易いという問題があった。
本実施形態では、この補強構造の替わりに、保護フィルム25a,25bを接着剤(充填剤)として機能させることによって、十分な実用強度と可撓性とを確保している。なお、保護フィルム25a,25bの接着方法(ラミネート方法)については、後述する。
「放熱シートの平面構成」。
次に、放熱シートの平面構成について説明する。図4は、図1における領域gに位置する放熱シートの平面図である。放熱シート30は、平面的に、X軸方向およびY軸方向に周期的に並ぶ、円形の開口パターンを持つ穴としての開口部31を備えている。放熱シート30は、熱伝導率が高い銅やアルミニウム、炭素繊維樹脂、グラファイトシート等を用いることができる。本実施形態では、好適例としてグラファイトシートを用いた例について説明する。なお、炭素繊維樹脂の一例としては、ベスペル(デュポン社の登録商標)、グラファイトシートの一例としては、例えばPGSグラファイトシート(パナソニック株式会社の登録商標)等を挙げることができる。
また、詳しくは後述するが、この開口部31は、ラミネート処理する際に巻き込んだ気体を放出させる機能を果たしている。ここで、放熱シート30をより強固に固定するために、放熱シート30の片面、もしくは両面に接着層を備えていても良い。ここで、開口部31は、例えば直径1mm程度の円形で、中心間の距離が1.5mm程度に形成されている。
また、放熱シート30は複数本の放熱材を複数本束にした繊維状の構成を備えていても良い。具体的には銅、アルミニウム、ステンレス等の金属を20μm程度の太さに加工したものを編み込んでシート状としたものや、不織布状に一体にまとめたものを用いても良い。開口部31は、編み込む際に予め空けておいても良く、また、編み込んだものに穴あけ加工を施したものを用いても良い。
これらの構成によっても、編み込み構造により、微細な開口部31が密に形成されるため、図4に示す放熱シート30と同様の機能を果たすことができる。また、放熱シート30は炭素繊維系の樹脂を用いても良い。
「有機EL装置の厚み方向における構成」。
続けて、有機EL装置の厚み方向における構成について、図2および図3を用いて説明する。ここでは、有機EL装置100がフレキシブル性を確保するために必要な各部の寸法について説明する。
まず、表示パネル18の厚さについて説明する。図3では、各構成部位の積層関係を明確にするために、特に、機能層17における縮尺を他の部位よりも拡大しているが、実際は、機能層17の部分が最も薄く構成されることになる。機能層17の厚さは、数μm〜20μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の薄膜を備えた有機EL層8の厚さは1μmに満たない。
本実施形態では、好適例として、図3に示す素子基板1およびCF基板16の厚さをそれぞれ約40μmとしている。また、表示パネル18の総厚は、好適例として約90μmとしている。発明者等の実験結果によれば、有機ELパネルの信頼性を確保するためには、ガスバリア層12等の封止構造に加えて、素子基板1およびCF基板16の厚さが約10μm以上必要であることが解っている。換言すれば、素子基板1およびCF基板16の厚さを各々約10μm以上に設定することによって、フレキシブル性に耐えられるだけの衝撃強度と、十分な防湿性を確保することが可能となる。
他方、素子基板1、およびCF基板16の厚さが約120μmを超えると、可撓性が損なわれて来ることも解っている。このため、素子基板1、およびCF基板16の厚さは、10μm以上120μm以下に設定することが好ましい。また、強度と可撓性とのバランスを考慮すると、20μm以上80μm以下とすることがより好ましい。そして、素子基板1とCF基板16とを重ね合せた表示パネル18の総厚は、強度と可撓性とのバランスを考慮して、50μm以上200μm以下に設定することが好ましい。
なお、素子基板1、およびCF基板16は、それぞれが初期段階で0.3mm以上1mm以下程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄くしたものである。好適には、表裏のガラス基板が厚い状態の表示パネルを製造した後、フッ酸(フッ化水素酸)を溶解したエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより、所期の厚さの表示パネル18を製造する。なお、この方法に限定するものではなく、初期の厚さの表示パネル18を形成可能な方法であれば良く、例えば、機械的研磨法を用いることであっても良い。
また、放熱シート30は、前述した銅やアルミニウム、炭素繊維樹脂、グラファイトシート等、熱伝導性に優れた物質を用いた場合、例えば50μm程度の厚さを備えていれば良い。層厚の上下限は、熱伝導性を確保するためには、例えば30μm程度以上の値であり、機械的な曲げによる制限から120μm以下程度の値を用いることが好適である。なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データ等から創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、この値以外の寸法を用いても差し支えない。例えば有機EL装置100の可撓性を重視する場合、各領域を薄くすることが好適となり、有機EL装置100の耐衝撃性を重視する場合、各領域を厚くすることが好適となる。特に、グラファイトシートを用いた場合には、放熱シート30を0.5mm程度の厚さにしても、可撓性を確保することが可能となる。
「電気光学装置としての有機EL装置の製造方法」。
以下、電気光学装置としての有機EL装置の製造方法について説明する。
図5は、表示装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図6(a)、(b)は、各工程における製造態様を示す図である。なお、表示パネル18の製造方法としては、液滴吐出法や、スピンコート法等を用いた、一般的な製造方法を用いて形成されている。
ここでは、表示パネル18を用いてなる有機EL装置100の製造方法について、図5のフローチャートに沿って詳細に説明する。
ステップS1では、図6(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態(準備体)とし、ラミネート装置にセットする。詳しくは、保護フィルム25bに、開口部31が形成された放熱シート30と、表示パネル18と、保護フィルム25aとを、この順番で重ね合わせる。
なお、図6(a)では省略しているが、各部材の重ね合わせは専用の案内板を用いて行われ、平面的な位置合わせもなされている。ここで、放熱シート30に、予め接着剤を塗布しておいても良い。接着剤としては、例えば、エポキシ系、ウレタン系、ナイロン系などの熱硬化型接着剤や、SBR系、クロロプレン系、ニトリルゴム系などのゴム柔接着剤、またはアクリル系、合成ゴム系の感圧性接着剤などを用いることができる。
ここで、放熱シート30に開口部31を形成する加工法としては、プレス穴あけや、ウェットエッチング等の手段を用いることができる。
また、放熱シート30の片面、あるいは両面に一旦接着剤を全面に塗布し、その後プレス穴あけや、ウェットエッチング等の手段を用いることで、回り込みなく放熱シート30に接着剤を形成することができる。ここで、接着剤を塗布した後、接着剤を保護するシートを形成し、穴あけ工程後に当該シートを剥がす工程を用いても良い。このように、開口部31の内側への接着剤の回り込みを防ぐことで、開口部31の内側を空けてラミネートすることが可能となる。
また、複数本の放熱材が編み込まれた材料を含む部材を加工することで形成された放熱シート30を用いても良い。この場合、放熱材を介しても気泡を逃がすことが可能となる。
そして、準備体をラミネート装置にセットする。なお、図6(a)では、ラミネート装置の加圧ローラー81,82のみを図示している。
ステップS2では、ラミネート装置および準備体が設置された環境に好適例として不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気とする。並行して、加圧ローラー81,82の加熱を行う。具体的には、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に加熱する。なお、加熱工程は不活性ガス雰囲気にする工程と前後させても良い。なお、不活性ガス雰囲気に代えて大気雰囲気で処理しても良い。
ステップS3では、図6(a)の矢印で示すように、準備体におけるフレキシブル基板20の反対側の一辺から、一対の加圧ローラー81,82の間に準備体が挿入されて、準備体の一辺から他端に向かってラミネートが行われる。加圧ローラー81,82に挟持された部分では、ローラーの熱によって保護フィルム25a,25bが軟化し、さらに加圧されて相互に接着される。また、溶解した当該保護フィルム25a,25bは、接着剤(充填剤)として機能し、放熱シート30、表示パネル18、およびフレキシブル基板20を覆って接着する。換言すれば、被着面が溶解した保護フィルム25a,25bは、各部を一体にラミネートする。
そして、図6(b)に示すように、ラミネートされた有機EL装置100が加圧ローラー81,82間から押し出されてラミネートが完了する。開口部31を設けることで、ラミネートしていく際に、気泡が各開口部31から逃げる(押し出される)ため、平滑面を保ってラミネートしていくことが可能となる。
ステップS4では、ラミネートされた有機EL装置100における残留応力を取り除くためにアニーリング処理を行う。アニーリング処理は、引き続き不活性ガスで行っても良いし、大気中で行っても良い。特に、保護フィルム25a,25bが架橋成分を含む場合には、約100℃でアニーリング処理し、架橋を行うことが好ましい。
有機EL装置100によれば、表示パネル18は、一対のガラス基板間に有機EL層を含む機能層を挟持した構成となっている。無機物であるガラスは、PETなどの樹脂よりも水分のバリア性が優れているため、表面の基板にPETシートを用いていた従来の有機ELパネルよりも、水分の浸入を抑制しうる性質を確保することができる。
ステップS5は、アニーリング処理を行った有機EL装置100を、開口部31で保護フィルム25bの応力を緩和しながら室温に戻すステップである。上記したステップを含む製造方法を用いることで、気泡やうねりの少ない(無い)有機EL装置100を提供することが可能となる。
ここで、ステップS3において、ラミネート工程として、加圧ローラー81,82を一端側から他端側へ移動させながら気泡を押し出し、逃がすよう加圧する工程を用いているが、これは保護フィルム25a,25bを挟みつけるように平面的に押し付けるように封入しても良い。即ち、保護フィルム25a,25bを平面的に覆う、加熱された一対の平板で一度に押さえつけても良い。この場合、気泡残りが危惧されるが、開口部31を形成しておくことで、開口部31から気泡が逃げるため、他の領域での気泡残りを抑えて封入することが可能となる。
以下、本実施形態の有機EL装置100、およびその製造方法を用いることにより、以下に示す効果を得ることができる。
まず、放熱シート30としては、放熱シート30に開口部31を設けることで、開口部31の分だけ放熱シート30の面積を削減しつつ、放熱性を確保することができる。放熱シート30の面積を削減することで、放熱シート30を軽量化することが可能となる。例えば携帯表示装置に当該有機EL装置100を適用することで、持ち運び易い携帯表示装置を提供することが可能となる。
また、表示パネル18の総厚を約90μmとすることで、フレキシブル性に耐えられるだけの衝撃強度と、十分な防湿性を確保することが可能となる。表示パネル18はガラスにより機能層17を挟む構成(図3参照)を備えているため、PET等の樹脂を用いた場合と比べ、水分のバリア性をより高く保つことが可能となる。
また、フレキシブル基板20(図2参照)の固定に、保護フィルム25a,25bを接着剤(充填剤)として用いることで、十分な実用強度と可撓性とを確保することが可能となる。
また、放熱シート30の片面もしくは両面に接着層を設けることで、放熱シート30をより強固に固定することが可能となる。また、撓ませた後、元に戻す際に生じる放熱シート30のずれを抑えることが可能となる。
また、放熱シート30を構成する物質として、銅やアルミニウム、炭素繊維樹脂、グラファイトシート等を用いた場合、元々の熱伝導率は十分高いため、穴としての開口部31を備えている場合においても、効率的に放熱させることが可能である。
また、放熱シート30に複数本の放熱材を複数本束にした繊維状の構成を持たせることで、印加された応力に伴い変形することが容易となり、放熱シートの可撓性を高めることが可能となる。また、繊維状の構成を持たせることで、開口部31に加え繊維の隙間からも気泡を逃がすことが可能となる。
また、図2に示すように、放熱シート30は樹脂フィルム等を介さず、直接表示パネル18と接触しているため、表示パネル18から生じた熱を効率的に吸収することができる。
また、水分のバリア性が確保された保護フィルム25a,25b内に放熱シート30を収める構成としているため、放熱シート30を機械的、化学的損傷から保護することが可能となる。特に、放熱シート30にグラファイトシートを用いた場合、グラファイトシートは機械的強度が弱く、機械的損傷により急激に熱抵抗が上昇する性質があるため、保護フィルム25bで保護することが好適となる。また、銅等の金属を用いた場合には、金属の酸化による劣化を抑えることが可能となる。
また、炭素繊維や、グラファイトシート、金属は電気的に導体としての性質を有している。この場合、特に携帯機器等、部品の実装密度が高い場合、放熱シート30を樹脂(通常絶縁体)で形成される保護フィルム25bで覆うことで別の部品と放熱シート30との間での電気的な絶縁性を保つことが可能となる。
また、放熱シート30に開口部31を形成する手段として、プレス穴あけを用いることで、多量の放熱シート30の加工を短時間で行うことが可能となる。また、ウェットエッチング法を用いることも好適で、バリのない平滑な形状に加工することが可能となる。
また、図6(a)、(b)に示すようにラミネートを行う際には、100℃程度の温度を掛けて加圧ローラー81,82で押し出すようにラミネートが進む。この際、放熱シート30に開口部31を設けることで、ラミネートしていく際に、気泡が各開口部31から逃げる(押し出される)ため、平滑性を保ってラミネートしていくことが可能となる。
さらに、100℃程度の温度を掛けて加圧ローラー81,82で押し出されるため、保護フィルム25bは序々に延びていく。そのため、保護フィルム25bに弛みが生じる場合がある。この弛みはラミネートを行っていくことで蓄積する。この状態でラミネートを続けていくと、しわ状に弛みが蓄積され、うねりが発生する場合があるが、この弛みは開口部31により緩和される。そのため、弛みの蓄積を抑えることができ、弛みの蓄積に起因するうねりの発生を抑制(防止)することができる。
また、表示パネル18は、一対のガラス基板間に有機EL層を含む機能層を挟持した構成となっている。無機物であるガラスは、PETなどの樹脂よりも水分のバリア性が優れているため、表面の基板にPETシートを用いていた従来の有機ELパネルよりも、水分のバリア性を確保することができる。
また、ステップS4におけるアニーリング処理を行うことで、保護フィルム25bの残留応力を取り除く際に生じる形状変化を、開口部31を覆う領域で緩和することが可能となる。そのため、アニーリング処理に伴う形状変化に起因するうねりの発生を抑制することが可能となる。
また、図5のステップS5に示す「室温に戻す」工程では、保護フィルム25bと放熱シート30とでは互いに異なる物質を用いているため熱膨張係数が異なる。そのため、放熱シート30に応力がかかることとなる。そのため、特に炭素繊維樹脂やグラファイトシート等は、応力がかかることで熱伝導性が急激に低下する。ここで、開口部31を設けておくと開口部31の弛みが若干変動することで、この応力が緩和される。従って、残留応力が少なく、熱的特性に優れた有機EL装置100の製造方法を提供することが可能となる。
また、図6に示す、加圧ローラー81,82で端から抑えてラミネートする工程に代えて、保護フィルム25a,25bを平面的に覆う、加熱された一対の平板で押さえつけてシールすることもできる。このように押しつけてシールした場合でも、開口部31を形成しておくことで、開口部31から気泡が逃がせるため、気泡残りを抑えて封入することが可能となる。この場合、加圧ローラー81,82を用いてラミネートする場合と比べ、加圧ローラー81,82の対称性がずれた場合に生じる、有機EL装置100がカールしてしまう現象を防ぐことが可能となる。
(変形例1:電気光学装置のとしての有機EL装置の製造方法)
以下、電気光学装置としての有機EL装置の製造方法の変形例について説明する。第1の製造方法との主な差異は、雰囲気として、不活性ガス雰囲気に代えて、減圧雰囲気にしている点である。ここで、有機EL装置の製造方法−1との共通部分については、図面を共用するものとし、重複を避ける。図7は、表示装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートとの相違点は主にステップS2にある。そして、製造方法としての相違点は、減圧雰囲気下から大気圧雰囲気下に戻す工程を備えていることにある。以下、上記した相違点について説明する。ここでは、まず、ステップS2について説明する。
ステップS2では、ラミネート装置および準備体が設置された環境を減圧し、減圧雰囲気とする。並行して、加圧ローラー81,82の加熱を行う。具体的には、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に加熱する。なお、加熱は減圧雰囲気にする工程と前後させても良い。
次に、ステップS3で生じる差異について説明する。この際に、保護フィルム25bは減圧雰囲気で加熱され、さらに圧迫されるため、保護フィルム25b中に含まれている大気や、低分子量成分(沸点が低い)が放出される。そのため、ラミネート条件によっては保護フィルム25b中に気泡が生じる。当該気泡は、ラミネート方向に沿って、開口部31を介して、開口部31外に押し出される。
ここで、例えば保護フィルム25bの厚みを増やし、ラミネート工程の温度を高めに設定し、保護フィルム25bを軟化させることで、開口部31を保護フィルム25bで樹脂封止しても良い。そして、上記したように、気泡を押し出しながら樹脂封止することで、より高い密着性を確保することが可能となる。また、専用の充填シートを予め保護フィルム25bと放熱シート30との間に挟んでおいても良い。また、保護フィルム25bと放熱シート30とが対向する面のいずれかまたは両面に充填剤を塗布しておいても良い。
この後、アニーリング処理と前後するステップで減圧雰囲気から大気圧に戻す。このステップでは、開口部31で保護フィルム25bの応力を緩和しながら大気圧に戻している。上記したステップを含む製造方法を用いることで、気泡やうねりの少ない(無い)有機EL装置100を提供することが可能となる。なお、この場合、開口部31は減圧雰囲気を持って封入されることとなる。また、上記したように、保護フィルム25a,25bの一端から加圧ローラー81,82によりラミネートする方法に代えて、保護フィルム25a,25bを平面的に覆う、加熱された一対の平板で押さえつけてシールする方法を用いても良い。
上記した変形例1を用いることで、以下の効果を得ることができる。
まず、減圧雰囲気中で加熱され、さらに圧迫されることで生じる保護フィルム25bからの脱ガス(沸点が低いガス)が生じ、保護フィルム25b中に気泡が生じた場合に、ラミネート方向に沿って、開口部31を介して気泡を押し出すことで保護フィルム25b中での気泡残りを抑制(防止)することが可能となる。
また、減圧雰囲気から大気圧に戻す際に、保護フィルム25bは放熱シート30に対して押し付けられ保護フィルム25bにうねりが発生する場合があるが、開口部31を備えているので、保護フィルム25bの変形は、開口部31で緩和される。そのため、保護フィルム25bのうねり発生を抑制することが可能となる。また、開口部31内は減圧雰囲気に保たれることとなるため、開口部31内の水分量は少なくなっている。そのため、開口部31からの水分の浸入は抑えられることとなり、水分による劣化が抑えられた有機EL装置100の製造方法を提供することが可能となる。また、開口部31内を樹脂で満たした場合、外気とは完全に遮断されるため、耐水性を向上させることが可能となる。
(変形例2:開口部の形状)
以下、上記した実施形態の開口部の形状にかかる変形例について説明する。
上記した実施形態では、開口部31の形状として円形を用いた例について説明したが、これは他の形状を用いても良い。図8は、開口部31の平面形状を示す平面図である。図8(a)に示すように、例えば開口部31の形状を六角形(ハニカム構造)にしても良い。ハニカム形状を用いることで、放熱シート30の強度を保った状態で開口部31を形成することが可能となる。
また、図8(b)に示すように、ストライプ状の形状を用いても良い。加圧ローラー81,82と交差する方向にストライプ状の形状を備えていても良い。また、加圧ローラー81,82と平行な方向にストライプ状の形状を備えていても良い。
また、開口部31の形状は、円、ハニカム、ストライプに限らず、多種にわたる形状をとることができる。図9は、本変形例にかかる開口部31の平面形状を示す別の平面図である。例えば、図9に示すように、楕円形、矩形、正方形、台形、ひし形、星型、5角形、三角形、平行四辺形、アメーバ状の不定形パターン、あるいはそれらの複合パターンを用いても良い。また、規則的に並ぶ必要は無い。ここで、開口部31間の間隔を広く取ることで熱伝導性と強度を保つことが可能となる。また、開口部31間の間隔を狭く取ることで、有機EL装置100を軽量化することが可能となる。また、気泡の出口となる開口部31が密にあるため、気泡残りをより抑制(防止)することが可能となる。また、開口部31の形状が多少変形していても良い。
上記した変形例2を用いることで、以下の効果を得ることができる。
開口部31の形状として六角形(ハニカム)形状を用いることで、放熱シート30注にかかる応力を均一性高く分散させることが可能となり、放熱シート30の強度を保った状態で開口部31を形成することが可能となる。そのため、気泡残りを減らしつつ、強度的に優れた放熱シート30を提供することが可能となる。また、開口部31の形状として加圧ローラー81,82と交差する方向に開口したストライプ状の形状を用いれば、ラミネート工程中では常時開口部31が途切れることなく外部雰囲気に開口した状態が保たれる。そのため、ラミネート工程においてストライプ状の形状に沿って連続的に気泡を押し出すことが可能となり、気泡残りを抑制(防止)することが可能となる。また、開口部31の形状として加圧ローラー81,82と平行な方向に開口したストライプ状の形状を用いれば、ラミネート工程で保護フィルム25bが延び、弛みが生じた場合には、ストライプ状の開口部31を加圧ローラー81,82が通過する際に緩和される。そのため、弛みは均一に緩和されるため、弛みの蓄積に起因するうねりの発生を抑制することが可能となる。
また、開口部31の形状に特別な制限がないため、プレス穴あけや、ウェットエッチング等の手段を用いて開口部31を形成する場合、開口部31の寸法精度が低く、開口部31の形状の元データと実際の開口部31の形状とが異なっている場合でも効率的に気泡残りを抑制(防止)することが可能となる。即ち、寸法マージンが大きく取った状態で加工が行えるため、高い歩留まりを得ることが可能となる。
また、開口部31間の間隔を広く取ることで熱伝導性と強度を保つことが可能となる。そして、開口部31間の間隔を狭く取ることで、有機EL装置100を軽量化することが可能となる。
1…素子基板、2…素子層、3…駆動トランジスター、4…平坦化層、5…反射層、6…画素電極、7…隔壁、8…有機EL層、9…共通電極、10…電極保護層、11…緩衝層、12…ガスバリア層、13…充填剤、14…CF層、14b…青色カラーフィルター、14g…緑色カラーフィルター、14r…赤色カラーフィルター、15…シール剤、16…CF基板、17…機能層、18…表示パネル、20…フレキシブル基板、25a…保護フィルム、25b…保護フィルム、30…放熱シート、31…開口部、81…加圧ローラー、82…加圧ローラー、100…有機EL装置。

Claims (6)

  1. 一対のガラス基板間に自発光型の電気光学層を挟持した表示パネルにおける表示領域側の第1の面と対向する第2の面側に、複数の穴が形成されている放熱シートを重ねる工程と、
    前記第1の面を覆う第1の保護フィルムを重ねる工程と、
    前記放熱シートを覆う第2の保護フィルムを重ねる工程と、
    前記第1の保護フィルムから前記第2の保護フィルムまでの積層体をラミネートするラミネート工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記ラミネート工程は、不活性ガス環境下で行われることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記ラミネート工程は、減圧環境下で行われることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  4. 一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、
    前記表示パネルの表示領域側の第1の面と対向する第2の面側に重ねられ、平面視にて、複数の穴を備える放熱シートと、
    前記表示パネル、および前記放熱シートによる積層体を表裏から覆い、ラミネートする2枚の保護フィルムと、を備えていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4に記載の電気光学装置であって、前記放熱シートは、複数の放熱材が編み込まれた部分を含んでいることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項4に記載の電気光学装置であって、前記放熱シートの前記穴の平面形状は、六角形構造を備えていることを特徴とする電気光学装置。
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