JP2011023265A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】割れにくい基板構造を有する電気光学装置、電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】素子基板31と封止基板32との間に有機EL素子を挟持した表示パネル12と、表示パネル12の表示領域側の第1面と、第1面と対向する第2面とを覆うようにラミネートする樹脂フィルムと、を備え、素子基板31及び封止基板3の少なくとも外周の端面31b,32bには補修部材71が設けられ、補修部材71は、収縮応力を有する部材である。
【選択図】図5

Description

本発明は、マザー基板にスクライブ処理を施すことによって形成される電気光学装置、電気光学装置の製造方法に関する。
電気光学装置の1つとして、例えば、陽極と陰極との間に発光層などの有機膜が挟持された構造の有機EL(エレクトロルミネッセンス)装置がある。有機EL装置では、有機膜が水分を嫌うことや、画素を表示駆動するためのTFT(Thin Film Transistor)などを基板上に造り込む必要性から、ガスバリア性に優れた2枚のガラス基板間に有機膜などを挟持する構成が提案されている。
このような有機EL装置の製造方法としては、大判のマザー基板から複数の有機EL装置を形成する製造方法が一般的である。詳しくは、マザー基板にスクライブ処理(溝形成)、及び、ブレイク処理(切断)を施すことによって個片(有機EL装置)にする。この際、各有機EL装置を構成するガラス基板の外周端面に、ブレイク処理に起因して欠けや筋状のクラックが入る場合があり、曲げ及び衝撃などの外力や温度変化などの内部応力が加わると、これに起因して、ガラス基板が割れてしまうという問題があった。
従来、この問題に対して、ガラス基板の外周端面を研磨したり、面取りや曲面を形成したりして、ガラス基板が割れないようにしていた。また、特許文献1に記載のように、基板の外周端面の少なくとも一部に樹脂を付着して、衝撃を受けた際に外周端面からクラックが入りにくくした技術も開示されていた。
特開2004−302133号公報
しかしながら、基板の外周端面を研磨したり面取りしたりする方法では、処理に時間が掛かってしまうばかりでなく、研磨処理などの応力でガラス基板が割れてしまうという課題があった。特に、ガラス基板に可撓性を持たせるために、ガラス基板を薄くすると(例えば、100μm以下)、機械的な衝撃によってガラス基板が割れてしまうという課題があった。また、有機EL装置を使用する環境が多様化してきており使用する温度範囲が広くなってきていることから、より高い信頼性が求められている。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、前記一対のガラス基板の少なくとも外周端面に設けられた収縮応力を有する補修部材と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、一対のガラス基板の外周端面が収縮応力を有する部材で覆われているので、ガラス基板の外周端面が損傷している場合(例えば、外周端面に発生する欠けやクラック等)、電気光学装置を曲げたり、電気光学装置に衝撃や温度変化を加えたりしても、損傷の程度が進行することを抑えることが可能となり、ガラス基板が割れることを防ぐことができる。加えて、外周端面の欠けた部分やクラック部分に研磨を施して損傷を修正する従来の方法と比べて、短時間で補修することができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置において、前記表示パネルは、表示領域側の第1面と、前記第1面と対向する第2面とを覆うように樹脂フィルムによってラミネートされていることが好ましい。
この構成によれば、表示パネルを構成するガラス基板が樹脂フィルムでラミネートされているので、ガラス基板が破損したとき等、外部に飛散することを防ぐことが可能となり、安全性を向上させることができる。また、クラックが入った基板の端面への衝撃を緩和することができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置において、前記補修部材の熱膨張係数は、前記ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上であることが好ましい。
この構成によれば、ガラス基板の熱膨張係数と比べて同等以上の補修部材を用いるので、例えば、使用温度より高い温度で補修部材を固めることにより、使用温度環境下では常に収縮応力を働かせることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置において、前記補修部材の熱膨張係数は、前記ガラス基板よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、ガラス基板の熱膨張係数よりも大きい補修部材を用いるので、例えば、使用温度より高い温度で補修部材を固めることにより、使用温度環境下では常に収縮応力を働かせることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置において、前記一対のガラス基板の間における前記電気光学層と接触しない部分に前記補修部材が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ガラス基板の外周端面に加えて、一対のガラス基板の間にも補修部材が設けられているので、一方のガラス基板から他方のガラス基板に亘って繋げて補修部材を設けることが可能となる。よって、一対のガラス基板間の強度を高めることが可能となり、ガラス基板が破損することを防ぐことができる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置において、前記補修部材は、有機材料であることが好ましい。
この構成によれば、外周端面を覆う補修部材に、無機材料と比較して粘度の高い有機材料を用いるので、外周端面が損傷により凹凸がある場合でも、凹凸形状にあまり影響を受けることなく外周端面全体を補修部材で厚く覆うことができる。よって、損傷部分に安定して収縮応力が働く状態にすることができる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置において、前記補修部材は、無機材料であることが好ましい。
この構成によれば、外周端面を覆う補修部材に、有機材料と比較して粘度の低い無機材料を用いるので、外周端面に損傷による凹凸がある場合でも、凹凸形状に沿って外周端面全体を薄く覆うことができる。よって、端面に補修部材を盛り上げるように設ける場合と比較して、端面からはみ出す量を少なくすることが可能となる。その結果、ガラス基板の外周端面とその周囲を覆う樹脂フィルムとのクリアランスを確保することができる。
[適用例8]上記適用例に係る電気光学装置において、前記補修部材は、前記外周端面から前記第1面の一部及び前記第2面の一部に亘って設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ガラス基板の端面から第1面の一部及び第2面の一部まで補修部材が設けられているので、補修部材で覆う面積を増やすことが可能となり、電気光学装置を曲げたり、電気光学装置に衝撃や温度変化を加えたりしても、よりガラス基板が割れることを防ぐことができる。
[適用例9]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、表示パネルを構成する一対のガラス基板の少なくとも外周端面に、前記ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の熱膨張係数を有する補修部材を塗布する塗布工程と、前記補修部材を硬化させる硬化工程と、を有し、前記硬化工程は、前記表示パネルの使用温度範囲よりも高い温度環境下で前記補修部材を硬化させることを特徴とする。
この方法によれば、ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の補修部材を、表示パネルの使用温度範囲よりも高い温度で硬化させて外周端面を覆うので、表示パネルを使用環境に戻したとき、ガラス基板の外周端面が損傷している部分(欠けやクラック等が生じた部分)を常に収縮応力が働いた状態で覆うことができる。これにより、電気光学装置を曲げたり、電気光学装置に衝撃や温度変化を加えたりしても、損傷の程度が進行することを抑えることが可能となり、ガラス基板が割れることを防ぐことができる。加えて、外周端面の欠けた部分やクラック部分に研磨を施して損傷を修正する従来の方法と比べて、短時間で補修することができる。また、ガラス基板が樹脂フィルムでラミネートされているので、ガラス基板が破損したとき等、外部に飛散することを防ぐことが可能となり、安全性を向上させることができる。また、クラックが入った基板の端面への衝撃を緩和することができる。
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記塗布工程は、前記ガラス基板の熱膨張係数よりも大きい前記補修部材を塗布することが好ましい。
この方法によれば、ガラス基板の熱膨張係数よりも大きい補修部材を用いるので、使用温度より高い温度で補修部材を固めることにより、使用温度環境下では常に収縮応力を働かせることができる。
[適用例11]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法において、前記硬化工程は、熱硬化処理又は光硬化処理を用いて前記補修部材を硬化させることが好ましい。
この方法によれば、熱硬化処理又は光硬化処理を用いるので、比較的簡単に補修部材となる前の材料を硬化させることができる。よって、外周端面の欠けた部分やクラック部分に研磨を施して損傷を修正する場合と比べて、短時間で補修することができる。
第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図。 図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図。 有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図。 表示パネルの端部の構造を示す模式図であり、同図(a)は端部の構造を模式的に示す拡大平面図、同図(b)は端部の構造を模式的に示す拡大断面図。 有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図。 第2実施形態の表示パネルの端部の構造を示す模式図であり、同図(a)は端部の構造を模式的に示す拡大平面図、同図(b)は端部の構造を模式的に示す拡大断面図。 第3実施形態の表示パネルの端部の構造を示す模式図であり、同図(a)は端部の構造を模式的に示す拡大平面図、同図(b)は端部の構造を模式的に示す拡大断面図。 表示パネルの端部の構造の変形例を示す模式図であり、同図(a)は端部の構造を模式的に示す拡大平面図、同図(b)は端部の構造を模式的に示す拡大断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<電気光学装置の構成>
図1は、電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す有機EL装置のA−A'線に沿う模式断面図である。以下、有機EL装置の構成を、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、有機EL装置11(表示装置)は、外形が四角形の表示パネル12を内包した表示部13を備えている。表示パネル12は、R(赤)、G(緑)、B(青)、3色の色表示が可能な複数の画素14が設けられた表示領域15を有している。複数の画素14は、表示領域15において3色のうち同色の画素14が短辺に沿った方向に配列した所謂ストライプ状の配列となっている。なお、画素14の配列はこれに限定されるものではない。
表示パネル12の長辺に沿って設けられた端子部16には、表示パネル12を駆動制御する表示制御部(図示せず)との電気的な接続を図るべく、複数(3つ)の中継基板17a,17b,17cが実装されている。中継基板17a,17b,17cは、例えばフレキシブル回路基板(FPC)であって、その表面に表示パネル12を駆動する駆動回路の一部を構成する例えばドライバーICなどの電子部品を実装したものも採用することができる。
図2に示すように、有機EL装置11の表示部13は、中継基板17aが実装された表示パネル12を樹脂フィルム21と樹脂フィルム22との間に挟んでラミネートされた構造となっている。
表示パネル12は、画素14ごとに対応して設けられた電気光学層としての有機エレクトロルミネセンス素子23(以降、「有機EL素子23」と称する)を有する素子基板31(一対のガラス基板を構成)を備える。更に、表示パネル12は、同じく画素14ごとに対応して設けられた着色層を具備するカラーフィルター24を有する封止基板32(一対のガラス基板を構成)を備える。表示パネル12は、素子基板31と封止基板32とを可視光透過性を有する封止樹脂25を介してシール材26により接合したものである。有機EL素子23は白色光を発するものであり、白色光がカラーフィルター24を透過して封止基板32側から射出することにより、カラー表示を可能とする所謂トップエミッション構造となっている。
素子基板31には、画素14ごとの有機EL素子23を駆動するため駆動回路(図示せず)が設けられており、有機EL素子23は駆動回路上に形成されている。駆動回路は薄膜トランジスターなどのスイッチング素子やこれに繋がる配線等を含むものであって、公知の構成を採用することができる。
このように有機EL素子23を有する自発光型の表示パネル12において、素子基板31は透明なガラス基板を用いることができる。一方、有機EL素子23からの発光が取り出される側の封止基板32も透明なガラス基板を用いることができる。
本実施形態では、素子基板31と封止基板32とを接合した後に、その表面を機械的または化学的な研磨を施すことにより、それぞれの基板の厚みを薄くする加工が施されている。例えば、それぞれの基板の元の厚みは、およそ0.5mmである。そして、加工後の総厚が、強度と柔軟性とのバランスを考慮して、およそ50μm〜120μmの範囲内となるように研磨されている。したがって、表示パネル12自体がある程度の可撓性を有する構成となっている。
よって、表示パネル12自体では、外部からの衝撃に対して弱い、また衝撃で破損したときの飛散を防ぐ必要がある。また、有機EL素子23を用いた密封構造とし、外部からの水分等の浸入を防ぎ、より長い発光寿命を確保したいなどの理由から、同じく可撓性を有する樹脂フィルム21,22でラミネートしている。
ラミネートに用いられる樹脂フィルム21は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム21aの一方の表面に接着剤を均一に塗布して形成された接着層21bを有する。同様に樹脂フィルム22は、ガス透過性が低い透明な基材フィルム22aの一方の表面に透明な接着剤を均一に塗布して形成された接着層22bを有する。なお、接着層21b,22bを設けない構造にしてもよい。
基材フィルム21a,22aとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。接着層21b,22bは、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。また、粘着性を有する粘着剤としてもよい。粘着剤を用いればリペア性を実現できる。
接着層21b,22bが相対するように表示パネル12を挟んで2つの樹脂フィルム21,22によりラミネートする。また、有機EL素子23の防湿性、言い換えれば封止性を確保するために、ラミネート時に表示パネル12の周辺に発生するおそれがある空間27,28を封止樹脂により埋めた構造となっている。すなわち、封止樹脂と一緒に表示パネル12を挟んでラミネートしており、はみ出した封止樹脂の一部29が樹脂フィルム21,22の端面に盛り上がった状態となっている。
素子基板31の端子部31aには、異方性導電膜(ACF)33を用いて中継基板17aが実装されている。中継基板17aの接続部を除く表面は絶縁性を有する例えばポリイミドやソルダーレジストなどの保護膜で覆われており、樹脂フィルム21,22の接着層21b,22bと上記保護膜との接着性を確保するために、双方の界面に接着性を示す中間接着層34,35が設けられている。
このような構成の表示部13は所謂シート状(板状)であって、外部応力にある程度追随して表示面を湾曲させることができる。
なお、表示パネル12がトップエミッション構造の有機EL素子23を有しているため、素子基板31側から光を取り出す必要がない。したがって、素子基板31側を覆う樹脂フィルム22は透明性を有する必要はなく、ラミネートが可能な金属薄膜などの熱伝導体を備えた不透明な樹脂フィルムでもよい。熱伝導体により有機EL素子23の発光に伴う発熱を放熱することが可能となる。
図3は、有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、有機EL装置の電気的な構成を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、有機EL装置11は、複数の走査線41と、走査線41に対して交差する方向に延びる複数の信号線42と、信号線42に並行に延びる複数の電源線43とが、それぞれ格子状に配線されている。そして、走査線41と信号線42とにより区画された領域が画素領域として構成されている。信号線42は、信号線駆動回路44に接続されている。また、走査線41は、走査線駆動回路45に接続されている。
各画素領域には、走査線41を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT46と、このスイッチング用TFT46を介して信号線42から供給される画素信号を保持する保持容量47と、保持容量47によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT48(以下、「TFT素子48」と称する。)とが設けられている。更に、各画素領域には、TFT素子48を介して電源線43に電気的に接続したときに、電源線43から駆動電流が流れ込む陽極51と、陰極52と、この陽極51と陰極52との間に挟持された機能層53とが設けられている。
有機EL装置11は、陽極51と陰極52と機能層53とにより構成される有機EL素子23を複数備えている。また、有機EL装置11は、複数の有機EL素子23で構成される表示領域を備えている。
この構成によれば、走査線41が駆動されてスイッチング用TFT46がオン状態になると、そのときの信号線42の電位が保持容量47に保持され、保持容量47の状態に応じて、TFT素子48のオン・オフ状態が決まる。そして、TFT素子48のチャネルを介して、電源線43から陽極51に電流が流れ、更に、機能層53を介して陰極52に電流が流れる。機能層53は、ここを流れる電流量に応じた輝度で発光する。
図4は、有機EL装置を構成する表示パネルの構造を示す模式断面図である。以下、表示パネルの構造を、図4を参照しながら説明する。なお、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異ならせてある。
図4に示すように、本実施形態における表示パネル12は、機能層53で発する光を陰極52側から射出させる、いわゆるトップエミッション構造である。この表示パネル12は、素子基板31と、素子基板31に対向配置された封止基板32とを有する。
素子基板31としては、ガラス基板等が挙げられる。本実施形態では、素子基板31の材料として無アルカリガラスを用いている。素子基板31の厚さは、例えば、10μm〜100μm程度である。また、強度と柔軟性とのバランスを考慮すると、20μm〜80μmの範囲内とすることがより好ましい。本実施形態では、素子基板31は、材料として厚さが、例えば、0.3mm〜0.7mm程度のガラス基板を用い、封止基板32と接着された後にエッチングにより上述の厚さに加工される。
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、素子基板31の材料として、光透過性を有する材料および光透過性を有していない材料のいずれを用いてもよい。また、素子基板31の外周の端面31b(外周端面)(図2参照)には、マザー基板から個片(表示パネル12)を形成するためのブレイク処理(切断)を施した際に発生するクラックの進行を抑える補修部材71(図5参照)が設けられている。
素子基板31上には、回路素子層61が設けられている。回路素子層61は、下地保護膜(図示せず)やTFT素子48、配線等を含んでいる。TFT素子48は、画素14に対応して設けられている。
回路素子層61上には、平坦化層62が設けられている。平坦化層62は、TFT素子48や配線等による表面の凹凸を緩和している。平坦化層62には、陽極51に平面的に重なるように、反射層63が内装されている。反射層63は、光反射性を有する金属材料等からなり、例えばアルミニウム合金等からなる。
平坦化層62上には、陽極51が設けられている。陽極51は、例えば、ITO(Indium Thin Oxide:インジウム錫酸化物)等の光透過性を有する金属酸化物導電膜からなる。陽極51の材料は、IZO(Indium Zinc Oxide)(登録商標)であってもよい。陽極51は、画素14毎に回路素子層61のTFT素子48のドレイン端子と電気的に接続されている。
なお、表示パネル12がトップエミッション型であることから、陽極51の材料は必ずしも光透過性を有していなくてもよい。例えば、アルミニウム等からなる金属電極を用いるようにしてもよい。また、陽極51の材料として光透過性を有していない材料を用いる場合は、反射層63は設けなくてよい。
また、平坦化層62上には、隔壁64が設けられている。隔壁64は、例えば、アクリル樹脂等からなり、画素14の領域を区画している。
陽極51及び隔壁64上には、機能層53が設けられている。本実施形態の機能層53は、正孔注入層と、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層とが順に積層されて構成されている(図4では、1層で図示)。正孔注入層は、例えば、トリアリールアミン(ATP)多量体で形成されている。正孔輸送層は、例えば、トリフェニルアミン誘導体(TPD)で形成されている。
発光層の発光色は白色である。白色発光材料としては、スチリルアミン系発光材料、アントラセン系ドーパミント(青色)、あるいはスチリルアミン系発光材料、ルブレン系ドーパミント(黄色)等が用いられる。電子輸送層は、例えばアルミニウムキノリノール錯体(Alq3)で形成されている。機能層53の各層は、例えば、真空蒸着法を用いて順次形成される。
機能層53上には、陰極52が設けられている。陰極52は、本実施形態のようにトップエミッション構造である場合、光透過性を有する材料である、例えば、ITO等の透明導電材料が用いられる。また、陰極52は、マグネシウムと銀との合金(Mg−Ag合金)で構成するようにしてもよい。なお、陰極52の下層に、フッ化リチウム(LiF)等からなる電子注入バッファー層が設けられていてもよい。
陰極52及び隔壁64上には、電極保護層65が設けられている。電極保護層65は、光透過性、密着性、耐水性、ガスバリア性等を考慮して、例えば、珪素酸化物や珪素酸窒化物等の珪素化合物で構成される。また、電極保護層65の厚さは100nm以上が好ましく、隔壁64を被覆することで発生する応力によるクラック発生を防ぐため、厚さの上限は200nm以下とすることが好ましい。電極保護層65は、PVD(物理気相成長法)、CVD(化学気相成長法)、またはイオンプレーティング法等を用いて形成される。
電極保護層65上には、有機緩衝層66が形成されている。この有機緩衝層66は、隔壁64の形状の影響により凹凸状に形成された電極保護層65の凹凸部分を埋めるように設けられ、その上面は略平坦に形成される。
有機緩衝層66としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂等からなる。有機緩衝層66は、素子基板31及び回路素子層61等の反りや堆積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の隔壁64から電極保護層65が剥離することを防止する機能を有する。
また、有機緩衝層66の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層66上に形成される硬い被膜からなる後述するガスバリアー層67も平坦化される。したがって、応力が集中する部位がなくなり、これにより、ガスバリアー層67でのクラックの発生を防止する。
有機緩衝層66の厚さは、3μm〜5μm程度が好ましい。有機緩衝層66は、例えば、真空スクリーン印刷法、スリットコート法、インクジェット法等を用いて形成される。
有機緩衝層66上には、有機緩衝層66を被覆し、かつ電極保護層65の終端部まで覆うような広い範囲で、ガスバリアー層67が形成されている。ガスバリアー層67は、酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による有機EL素子23の劣化等を抑えることができる。ガスバリアー層67は、透明性、ガスバリアー性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。
素子基板31の有機EL素子23が形成された面側、すなわちガスバリアー層67が形成された面側には、封止基板32が対向して配置されている。封止基板32は、シール材26および封止樹脂25を介して、素子基板31上のガスバリアー層67と接着されている。封止基板32は、例えば、光透過性を有する無機ガラスからなる。本実施形態では、封止基板32の材料として無アルカリガラスを用いている。
封止基板32の厚さは、例えば、10μm〜100μm程度である。また、強度と柔軟性とのバランスを考慮すると、20μm〜80μmの範囲内とすることがより好ましい。表示パネル12では、素子基板31および封止基板32に、プラスチック基板に比べてガスバリア性の高いガラス基板を用い、これらのガラス基板の厚さを薄くすることにより可撓性が付与されている。また、封止基板32の外周の端面32b(外周端面)(図2参照)には、素子基板31と同様に、マザー基板から個片(表示パネル12)を形成するためのブレイク処理(切断)を施した際に発生するクラックの進行を抑える補修部材71(図5参照)が設けられている。
シール材26は、素子基板31と封止基板32との間の非表示領域に配置され、封止基板32の外周に沿って枠状に設けられている。シール材26は、水分透過率が低い材料からなる。シール材26の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂に硬化剤として酸無水物を添加し、促進剤としてシランカップリング剤を添加した高接着性の接着剤を用いることができる。
封止樹脂25は、素子基板31と封止基板32とシール材26とで囲まれた領域に隙間なく充填されるように設けられている。封止樹脂25は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の光透光性の高い樹脂からなる。耐熱性や耐水性を考慮すると、封止樹脂25の材料として、エポキシ系樹脂を用いることが好ましい。
カラーフィルター24は、封止基板32の有機EL素子23側に設けられている。カラーフィルター24は、赤色(R)光に対応するカラーフィルター24Rと、緑色(G)光に対応するカラーフィルター24Gと、青色(B)光に対応するカラーフィルター24Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単にカラーフィルター24とも呼ぶ)。カラーフィルター24は、平面視で有機EL素子23に重なるように設けられている。
カラーフィルター24R,24G,24Bを区画するように、遮光層68が設けられている。遮光層68は、隔壁64に対応するように配置されている。遮光層68は、遮光性を有する材料からなり、例えばCr(クロム)等からなる。なお、カラーフィルター24と遮光層68とを覆うように、オーバーコート層が設けられていてもよい。
表示パネル12は、赤色光を射出する画素14Rと、緑色光を射出する画素14Gと、青色光を射出する画素14Bとを有している(対応する色を区別しない場合には単に画素14とも呼ぶ)。カラーフィルター24R,24G,24Bは、画素14R,14G,14Bに対応して配置されている。
有機EL素子23により発せられる白色光がカラーフィルター24R,24G,24Bを透過することで、画素14R,14G,14BにおいてR、G、Bの3つの異なる色の光が射出される。画素14R,14G,14Bから一つの画素群が構成され、それぞれの画素群において画素14R,14G,14Bのそれぞれの輝度を適宜変えることで、種々の色の表示を行うことができる。したがって、フルカラー表示またはフルカラー発光が可能な表示パネルを提供できる。
表示パネル12では、機能層53から陰極52側に発せられた光は、観察側に射出される。また、機能層53から陽極51側に発せられた光は、反射層63により反射されて、観察側に射出される。以下、素子基板31の端面31b、及び封止基板32の端面32bに設けられた補修部材71について説明する。
図5は、表示パネルの端部の構造を示す模式図である。同図(a)は、端部の構造を模式的に示す拡大平面図である。同図(b)は、端部の構造を模式的に示す拡大断面図である。以下、表示パネルの端部の構造を、図5を参照しながら説明する。
なお、図5(b)に示す拡大断面図は、図2に示す有機EL装置11における表示パネル12のA部を拡大して示したものである。また、図5(a)に示す拡大平面図は、図5(b)に示す表示パネル12を封止基板32側から見たものである。また、図5(a)、(b)に示す表示パネル12は、素子基板31、封止基板32、シール材26のみを示したものであり、それ以外の部材の図示は省略している。
図5に示すように、表示パネル12は、素子基板31と、封止基板32とが、封止樹脂25を介してシール材26により接合されている。素子基板31及び封止基板32の端面31b,32bは、補修部材71によって覆われている。詳しくは、素子基板31の端面31bからシール材26の端面26b、更に封止基板32の端面32bに亘って、補修部材71が設けられている。
なお、素子基板31の端面31b、及び封止基板32の端面32bには、マザー基板から個片(表示パネル12)を形成するため、スクライブ処理(溝形成)及びブレイク処理(切断)を行った際にできやすい欠け72aや筋状のクラック72bが発生している場合がある。そして、これら欠けた部分やクラックの入った部分は、補修部材71によって覆われている。
補修部材71は、ガラス基板で構成される素子基板31や封止基板32の端面31b,32bに対して収縮応力が働く部材が用いられる。具体的には、例えば、ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の熱膨張係数を有する材料(有機材料や無機材料)が使用される。言い換えれば、補修部材71の応力(熱膨張係数×弾性率)は、ガラス基板の応力と比較して同等以上のものである。なお、本実施形態のように、補修部材71を厚く設ける場合、補修部材71として有機材料を用いることが好ましい。
ガラス基板の熱膨張係数は、無アルカリガラスの場合であれば、例えば、約38〜49(×10-7/℃)である。その他の一般的なガラスの場合であれば、例えば、約50〜90(×10-7/℃)である。機能層53(有機膜)が水分を嫌うことや、画素14を表示駆動するためのTFTなどを基板上に造り込む必要性から、ガスバリア性に優れたガラス基板が用いられる。
有機材料としては、例えば、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、紫外線硬化型樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂であるフッ素化エポキシ、フッ素化エポキシアクリレート樹脂をベースとした紫外線硬化型の材料等が挙げられる。無機材料としては、例えば、アルコール可溶型有機ケイ素化合物、その他金属化合物が挙げられる。金属としては、珪素、マグネシウム、銅、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
補修部材71の形成方法としては、まず、欠け72aやクラック72bが生じた素子基板31の端面31b及び封止基板32の端面32b、またシール材26の端面26bの全体に、例えば、減圧した状態でディスペンサーを用いて、補修部材71となる前の前駆材料を塗布する。これにより、端面31b,32bの欠けた領域などに前駆材料が充填する。
次に、表示パネル12の使用温度範囲よりも高い温度環境下で前駆材料を硬化させる。使用温度範囲としては、例えば、常温である5℃〜35℃程度である。硬化させる方法としては、例えば、熱硬化処理や光硬化処理(紫外線照射など)などが挙げられる。
これにより、表示パネル12の温度が使用温度まで下がった際、形成された補修部材71は常に収縮応力が働くようになる。具体的には、端面31b,32bに発生した欠け72aやクラック72bに、進行させる方向の力が加わるのではなく、進行させない方向の力が加わる。言い換えれば、欠けた領域やクラック72bを閉じる方向に力が加わる。
ガラス基板で構成される素子基板31や封止基板32の端面31b,32bに、このような補修部材71を設けることによって、表示パネル12を曲げたり表示パネル12に衝撃を加えたり、また温度変化が生じたりした際に、欠け72aやクラック72bが進行することを防ぐことが可能となり、素子基板31や封止基板32が割れることを防ぐことができる。
なお、図5(a)、(b)では、平面及び断面の両方に欠け72aやクラック72bが発生した場合を説明したが、平面又は断面のどちらか一方のみに欠け72aやクラック72bが入っている場合に適用するようにしてもよい。以下、素子基板31の端面31b及び封止基板32の端面32bに形成する補修部材71を形成する方法を含む、有機EL装置11の製造方法について説明する。
<電気光学装置の製造方法>
図6は、電気光学装置としての有機EL装置の製造方法を示すフローチャートである。図7は、有機EL装置の製造方法の一部を示す模式図である。以下、有機EL装置の製造方法を、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6に示すように、ステップS11では、表示パネル12を製造する。素子基板31及び封止基板32は、表示パネル12を複数個取りできる大型の基板(マザー基板)で加工が行われる。また、素子基板31に形成する有機EL素子23や、封止基板32上に形成するカラーフィルター24などは、公知の製造方法により製造される。
ステップS12では、素子基板31及び封止基板32をエッチングする。エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素酸)の水溶液を用いる。エッチング液は、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の水溶液であってもよい。エッチング方法は、素子基板31および封止基板32をエッチング液に浸漬してもよいし、エッチング液をシャワー照射してもよい。これにより、例えば、0.3mm〜0.7mm程度の厚みのガラス基板(素子基板31、封止基板32)が、20μm〜80μmの厚みとなる。
ステップS13では、マザー基板を切断して個片化する(複数の表示パネル12にする)。具体的には、例えば、マザー基板にスクライブ処理を施して表示パネル12の大きさに溝を形成する。次に、マザー基板にブレイク処理を施して表示パネル12の大きさに切断する。これにより、複数個の表示パネル12が得られる。なお、スクライブ処理は、レーザースクライブを用いるようにしてもよい。
このとき、素子基板31の端面31b、及び封止基板32の端面32bに、ステップS13の工程においてできた欠け72aや筋状のクラック72bが発生している。
ステップS14(塗布工程)では、素子基板31の端面31bから封止基板32の端面32bに亘って補修部材71となる前の前駆材料を、例えばディスペンサー等を用いて塗布する。なお、塗布以外の方法としては、浸漬や転写を用いるようにしてもよい。前駆材料は、端面31b,32b,26b周辺に加えて、端面31b,32bの欠けた部分などに充填される。
ステップS15(硬化工程)では、前駆材料に硬化処理を施す。まず、前駆材料を含む表示パネル12の温度を、表示パネル12の使用温度範囲よりも高い温度に加熱する。次に、例えば、前駆材料がフッ素系の樹脂であれば、紫外線を照射して硬化させる。これにより、表示パネル12の温度が使用温度まで下がった際(常温となった際)、形成された補修部材71は常に収縮応力が働くようになる。
ステップS16では、表示パネル12の素子基板31の端子部31aに、中継基板17(17a,17b,17c:フレキシブル基板)を接続する(図1、図2参照)。素子基板31と中継基板17との接続は、異方性導電膜等の導電性の接着剤を用いて公知の方法を用いて行われる。
ステップS17では、表示パネル12をラミネートする。具体的には、例えば、図7(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態とし、ラミネート装置81にセットする。詳しくは、樹脂フィルム22上に、表示パネル12と、樹脂フィルム21(いずれも図2参照)とを重ねてラミネート装置81にセットする。なお、図7では、ラミネート装置81の加圧ローラー82のみを図示している。
次に、図7(b)に示すように、矢印で示す側から加圧し、80℃〜120℃の範囲で加熱して圧着する。加圧ローラー82に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム21,22が溶解し、更に加圧されて相互に接着される。加熱圧着の方法は、ホットプレート型の並行板や一対の熱加圧ローラーを用いる方法が好ましい。また、真空圧着装置を用いてもよい。以上により、有機EL装置11が完成する。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)第1実施形態によれば、ガラス基板(素子基板31、封止基板32)の熱膨張係数と比較して同等以上の補修部材71(前駆材料)を、表示パネル12の使用温度範囲よりも高い温度で硬化させて、欠け72aやクラック72bが発生している端面31b,32bを補修部材71で覆うので、表示パネル12を使用環境に戻したとき、欠け72aやクラック72bが生じている部分を常に収縮応力が働いた状態にすることができる。これにより、有機EL装置11を曲げたり、有機EL装置11に衝撃や温度変化を加えたり、更に素子基板31及び封止基板32を薄く形成したりした(50μm程度)場合でも、欠け72aやクラック72bの程度が進行することを抑えることが可能となり、素子基板31及び封止基板32が割れることを防ぐことができる。
(2)第1実施形態によれば、補修部材71となる前の前駆材料に熱硬化処理又は光硬化処理(紫外線照射等)を施して、端面31b,32bを補修部材71で覆って補修するので、例えば、欠け72aやクラック72bに研磨を施して損傷を修正する場合と比べて、効率よく補修することができる。
(3)第1実施形態によれば、表示パネル12が樹脂フィルム21,22でラミネートされているので、ガラス基板(素子基板31、封止基板32)が破損したとき等、外部に飛散することを防ぐことが可能となり、安全性を向上させることができる。また、補修した表示パネル12の端面31b,32b等に大きな衝撃が加わることを抑えることができる。
(第2実施形態)
<表示パネルの構成>
図8は、第2実施形態の表示パネルの端部の構造を示す模式図である。同図(a)は、端部の構造を模式的に示す拡大平面図である。同図(b)は、端部の構造を模式的に示す拡大断面図である。以下、表示パネルの端部の構造を、図8を参照しながら説明する。
なお、図8(b)に示す拡大断面図は、第1実施形態と同様に、図2に示す有機EL装置11における表示パネル12のA部を拡大して示したものである。また、図8(a)に示す拡大平面図は、図8(b)に示す表示パネル12を封止基板32側から見たものである。また、図8(a)、(b)に示す表示パネル12は、素子基板31、封止基板32、シール材26のみを示したものであり、それ以外の部材の図示は省略している。
また、第2実施形態の表示パネル12は、素子基板31の端面31bから封止基板32の端面32bに亘って補修部材171が設けられていることに加えて、一対の基板(素子基板31、封止基板32)の少なくとも表面31c(第2面)、32c(第1面)の一部に亘って補修部材171が設けられている点が、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
図8に示すように、第2実施形態の表示パネル12は、第1実施形態と同様に、素子基板31と、封止基板32とが、封止樹脂25を介してシール材26により接合されている。素子基板31から封止基板32の端面31b,32bに亘る部分は、補修部材171によって覆われている。更に、素子基板31の表面31c(表示パネル12の外周側)の一部、及び封止基板32の表面32c(表示パネル12の外周側)の一部に、上記した補修部材171と繋がるようにして補修部材171が設けられている。
補修部材171は、第1実施形態と同様に、ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の熱膨張係数を有する材料を用いる。また、補修部材171の形成方法も第1実施形態と同様の方法が用いられる。
まず、補修部材171となる前の前駆材料を、欠け72aやクラック72bが生じた素子基板31の表面31cの一部から端面31b、封止基板32の端面32b、表面32cの一部に亘って、繋がるように塗布する。次に、表示パネル12の使用温度範囲よりも高い温度環境下で前駆材料を硬化させる。これにより、表示パネル12の温度が使用温度範囲では、形成された補修部材171は常に収縮応力が働くようになる。
このように、素子基板31の表面31cの一部から封止基板32の表面32cの一部に亘って、収縮応力が働く補修部材171を設けるので、表面31c,32cに発生している欠け72aやクラック72bも覆うことが可能となり、より基板31,32が割れることを防ぐことができる。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、上記した第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(4)第2実施形態によれば、素子基板31の表面31cの一部から封止基板32の表面32cの一部に亘って、収縮応力が働く補修部材171を設けるので、表面31c,32cに発生している欠け72aやクラック72bも覆うことが可能となる。よって、有機EL装置11を曲げたり、有機EL装置11に衝撃や温度変化を加えたりしても、第1実施形態と比較して、より素子基板31及び封止基板32が割れることを防ぐことができる。
(第3実施形態)
<表示パネルの構成>
図9は、第3実施形態の表示パネルの端部の構造を示す模式図である。同図(a)は、端部の構造を模式的に示す拡大平面図である。同図(b)は、端部の構造を模式的に示す拡大断面図である。以下、表示パネルの端部の構造を、図9を参照しながら説明する。
なお、図9(b)に示す拡大断面図は、第1実施形態と同様に、図2に示す有機EL装置11における表示パネル12のA部を拡大して示したものである。また、図9(a)に示す拡大平面図は、図9(b)に示す表示パネル12を封止基板32側から見たものである。また、図9(a)、(b)に示す表示パネル12は、素子基板31、封止基板32、シール材26のみを示したものであり、それ以外の部材の図示は省略している。
また、第3実施形態の表示パネル12は、素子基板31の端面31b及び封止基板32の端面32bに発生した、欠け72aやクラック72bの凹凸形状に沿って薄く補修部材271が設けられている点が、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここではそれらの説明を省略又は簡略化する。
図9に示すように、第3実施形態の表示パネル12は、第1実施形態と同様に、素子基板31と、封止基板32とが、封止樹脂25を介してシール材26により接合されている。素子基板31の端面31bから封止基板32の端面32bに亘る部分には、補修部材271が設けられている。詳しくは、端面31b及び端面32bの欠け72aやクラック72bによって生じた起伏(凹凸)に沿って、補修部材271が設けられている。
補修部材271は、第1実施形態と同様に、ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の熱膨張係数を有する材料を用いる。なお、第1実施形態の補修部材71と比較して、補修部材271を欠け72aやクラック72bの起伏に沿って薄く設ける場合、補修部材271として粘度の低い無機材料を用いる。例えば、有機材料を薄く設けた場合、収縮応力の働きが小さくなることが考えられる。補修部材271の形成方法は、第1実施形態と同様の方法が用いられる。
このように補修部材271を設けることにより、端面31b,32bに発生した欠け72aやクラック72bの部分に補修部材271を充填させることが可能となると共に、使用する補修部材271の量を少なくすることができる。
また、欠け72aやクラック72bの起伏に沿って補修部材271を設けるので、第1実施形態のように、端面31b,32bの全体に補修部材71を盛り上げるように形成する場合と比較して、端面31b,32bから補修部材271がはみ出す量を少なくすることができる。よって、表示パネル12を覆う樹脂フィルム21,22とのクリアランスを確保することができる。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、上記した第1実施形態の(1)〜(3)の効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
(5)第3実施形態によれば、素子基板31及び封止基板32の端面31b,32bに発生した欠け72a等部分の凹凸(起伏)に沿って補修部材271を設けるので、端面31b,32bの全体を補修部材271で薄く覆うことが可能となる。よって、第1実施形態のように、端面31b,32bの全体に補修部材71を盛り上げるように設ける場合と比較して、端面31b,32bからはみ出す量を少なくすることが可能となる。その結果、表示パネル12とその周囲を覆う樹脂フィルム21,22とのクリアランスを確保することができる。
なお、実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記した第3実施形態のように、素子基板31の端面31bから封止基板32の端面32bに亘って補修部材271を端面31b,32bに生じた起伏に沿って設けることに限定されず、図10に示すように、素子基板31の表面31cの一部や封止基板32の表面32cの一部に亘って補修部材371を設けるようにしてもよい。
図10(a)は、図2に示す有機EL装置11における表示パネル12のA部を模式的に示す拡大平面図である。図10(b)は、A部を模式的に示す拡大断面図である。図10に示す表示パネル12によれば、素子基板31の表面31cの一部から封止基板32の表面32cの一部に亘るとともに、起伏に沿って収縮応力が働く補修部材371を設けるので、表面31c,32cに発生している欠け72aやクラック72bを覆うことが可能となる。よって、有機EL装置11を曲げたり、有機EL装置11に衝撃や温度変化を加えたりしても、より素子基板31及び封止基板32が割れることを防ぐことができる。更に、端面31b,32bに発生した欠け72a等の部分の凹凸(起伏)に沿って補修部材371を設けるので、端面31b,32bからはみ出す量を少なくすることが可能となり、表示パネル12とその周囲を覆う樹脂フィルム21,22とのクリアランスを確保することができる。
(変形例2)
上記したように、素子基板31の端面31bと封止基板32の端面32bとの両方に補修部材71,171,271,371を設けることに限定されず、例えば、どちらか一方のみに設けるようにしてもよい。端面31b,32bに発生した欠け72aやクラック72bの状況から、補修部材71,171,271,371の設ける範囲を決定することが好ましい。また、端面31b,32bのみに限定されず、他の外周端面に補修部材71,171,271,371を設けるようにしてもよい。
(変形例3)
上記したように、トップエミッション型の有機EL装置11に適用することに限定されず、例えば、ボトムエミッション型の有機EL装置に適用するようにしてもよい。
(変形例4)
上記した電気光学装置は、有機EL装置11に限定されず、例えば、液晶装置、プラズマディスプレイ、また、太陽電池、二次電池等も含まれる。
11…電気光学装置としての有機EL装置(表示装置)、12…表示パネル、13…表示部、14…画素、15…表示領域、16…端子部、17a,17b,17c…中継基板、21,22…樹脂フィルム、21a,22a…基材フィルム、21b,22b…接着層、23…電気光学層としての有機EL素子、24,24R,24G,24B…カラーフィルター、25…封止樹脂、26…シール材、27,28…空間、29…封止樹脂の一部、31…一対のガラス基板の一方の基板である素子基板、31a…端子部、31b,32b…外周端面としての端面、31c…表面(第2面)、32c…表面(第1面)、32…一対のガラス基板の他方の基板である封止基板、33…異方性導電膜、34,35…中間接着層、41…走査線、42…信号線、43…電源線、44…信号線駆動回路、45…走査線駆動回路、46…スイッチング用TFT、47…保持容量、48…TFT素子、51…陽極、52…陰極、53…機能層、61…回路素子層、62…平坦化層、63…反射層、64…隔壁、65…電極保護層、66…有機緩衝層、67…ガスバリアー層、68…遮光層、71,171,271,371…補修部材、72a…欠け、72b…クラック、81…ラミネート装置、82…加圧ローラー。

Claims (11)

  1. 一対のガラス基板間に電気光学層を挟持した表示パネルと、
    前記一対のガラス基板の少なくとも外周端面に設けられた収縮応力を有する補修部材と、を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記表示パネルは、表示領域側の第1面と、前記第1面と対向する第2面とを覆うように樹脂フィルムによってラミネートされていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置であって、
    前記補修部材の熱膨張係数は、前記ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項3に記載の電気光学装置であって、
    前記補修部材の熱膨張係数は、前記ガラス基板よりも大きいことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記一対のガラス基板の間における前記電気光学層と接触しない部分に前記補修部材が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記補修部材は、有機材料であることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記補修部材は、無機材料であることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記補修部材は、前記外周端面から前記第1面の一部及び前記第2面の一部に亘って設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  9. 表示パネルを構成する一対のガラス基板の少なくとも外周端面に、前記ガラス基板の熱膨張係数と比較して同等以上の熱膨張係数を有する補修部材を塗布する塗布工程と、
    前記補修部材を硬化させる硬化工程と、を有し、
    前記硬化工程は、前記表示パネルの使用温度範囲よりも高い温度環境下で前記補修部材を硬化させることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 請求項9に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記塗布工程は、前記ガラス基板の熱膨張係数よりも大きい前記補修部材を塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記硬化工程は、熱硬化処理又は光硬化処理を用いて前記補修部材を硬化させることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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