JP4591672B2 - 透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜形成用塗布液及び透明導電膜 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット印刷法等の塗布法に利用可能な透明導電膜形成用塗布液、及び該塗布液を用いて形成された透明導電膜に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)等の表示素子透明電極、タッチパネル、太陽電池等の透明電極、熱線反射、電磁波シールド、帯電防止、防曇等の機能性コーティングに用いられる透明導電膜の形成材料としては、インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と表記する場合がある)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、錫アンチモン酸化物(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)等が知られているが、中でもITOは高い可視光線透過率と優れた導電性を有するため、最も広く用いられている。
かかるITO透明導電膜の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の物理的手法が広く用いられており、これらの方法により、透明性と導電性に優れた均一なITO透明導電膜を基板上に形成することができる。
しかしながら、これらに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また、基板成膜毎に製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないため、製造コストと量産性に問題があるという欠点があった。
このため、上記問題を解決する製造方法として、ITO微粒子を溶剤に分散させた透明導電膜形成用塗布液を用いる方法(以下、「塗布法」と表記する場合がある)が採用されている。
この方法では、透明導電膜形成用塗布液の基板上への塗布、乾燥、(加熱)硬化という簡単な製造工程でITO透明導電膜を形成することができるという利点があり、具体的には、ITO微粒子を含有するシリカゾル液(特許文献1参照)や、ITO微粒子とバインダー用シリケートと極性溶媒からなる塗布液(特許文献2参照)を用いて、ガラス等の基材上にスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング等の方法で塗布・乾燥・焼成してITO透明導電膜を形成する製造方法が知られている。
ところで、近年、塗布法によって透明導電膜を形成するにあたり、微細パターンを解像度よく塗布形成する方法として、インクジェット印刷法が盛んに研究されており、これに用いる塗布液としては、一般に、インク吐出性に優れ、かつ成膜性が良好でハジキ(濡れ性不良のために塗布液が印刷パターンから縮小してしまうこと)や、にじみ(過度の濡れ性のため塗布液が印刷パターンから広がってしまうこと)などの欠陥を生ずることなく、なおかつ透明性や導電性などの膜特性に優れるものが望まれている。
しかしながら、上記特許文献1では、ITO微粒子を分散させたSi(OC(テトラエトキシシラン)のアルコール溶液を用いており、低沸点溶剤である(エチル)アルコールが主成分であるため、乾燥速度が速すぎてインクジェット印刷装置のノズル詰まりを起こす問題、及び上記の塗膜欠陥(にじみ)を生じる問題があり、インクジェット印刷には適用することができなかった。また、バインダー成分となるテトラエトキシシランは溶液中では完全に加水分解してシリカゾルになっておらず、塗布中、又は塗布後にシリカゾルになっていると考えられるため、溶液中に存在するシリカゾルの分子量は極めて小さく、そのためか、得られる膜の抵抗値も極めて高い値となっていた。
更に、上記特許文献2では、ITO微粒子とバインダー用シリケートと極性溶媒からなる塗布液を用いており、具体的には、極性溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中にITO微粒子を分散させたITO分散液に、シリカゾル(シリケート)と希釈溶剤(ジメチルフォルムアミド、ジアセトンアルコール、エタノール)を加えて塗布液を調整している。
このため、該塗布液はスピンコーティング等で用いるためにエタノールを65〜89%程度含んでおり、特許文献1と同様に乾燥速度が速すぎてインクジェット印刷装置のノズル詰まりを起こす問題、及び前述の塗膜欠陥(にじみ)を生じる問題があり、インクジェット印刷には適用するのは難しかった。
また、従来のITO塗布液では、スピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング等の方法で塗布することを目的としているため、インクジェット印刷に要求されるITO微粒子の分散安定性(室温放置で沈降物を生じないこと)、ノズル詰まり、塗布液の粘度等の問題は全く考慮されていないのが現状であった。
特開平2−312136号公報 特開平8−176794号公報
本発明の目的は、塗布法のうち、特にインクジェット印刷法等に利用可能な透明導電膜形成用塗布液、及び該塗布液を用いて得られる透明性と導電性を兼ね備えたITO透明導電膜を提供することにある。
発明者らは、導電性酸化物微粒子、無機バインダー、溶媒を含む透明導電膜形成用塗布液において、該無機バインダーの平均重量分子量、該溶媒の種類や組成を最適化することで、特にインクジェット印刷法等に適用された場合に、インクジェット印刷に要求されるITO微粒子の分散安定性(室温放置で沈降物生じないこと)、ノズル詰まり、塗布液の粘度等の問題が発生することもなく、優れた膜特性を有する透明導電膜を形成できることを見出して発明を完成するに至った。
上記の目的を達成するため、本発明が提供する透明導電膜形成用塗布液において、その請求項1に係る発明は、導電性酸化物微粒子と、無機バインダーと、溶媒とからなるインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液であって、
・前記導電性酸化物微粒子の平均粒径は10〜100nmであり、
・前記無機バインダーはゾル状のシリカを主成分としており、且つ、前記無機バインダーの平均重量分子量(ポリスチレン換算)は3000〜150000であり、
・前記導電性酸化物微粒子に対する前記無機バインダーの配合割合は、該導電性酸化物微粒子100重量部に対し、2〜10重量部であり、
・前記溶媒には、γ−ブチロラクトンが20〜90重量%含有されており、更にエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水から選択された少なくとも1種類以上が70重量%以下含有されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液において、前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液において、前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子は、インジウム錫酸化物微粒子であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液において、前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子は、酸素含有雰囲気下で加熱処理されて得られた黄緑色系、又は黄色系微粒子であることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液において、B型粘度計で測定した25℃における粘度が、2〜30mPa・sであることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液を、基材に塗布、乾燥、硬化させて得られることを特徴とする透明導電膜である。
請求項7に係る発明は、請求項に記載の前記塗布が、インクジェット印刷であることを特徴とする透明導電膜である。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載の表面抵抗値が100〜10000Ω/□で、膜の透過率が90%以上であることを特徴とするものである。
本発明に係る導電膜形成用塗布液によれば、インクジェット印刷等の塗布法に好適な、低粘度であって、且つ優れた成膜性(印刷性)及び液安定性を有する導電膜形成用塗布液を得ることが可能となる。また、この塗布液を基板上に塗布、乾燥、焼成して得られる透明導電膜は優れた透明性と良好な導電性を有すると共に、インクジェット印刷による微細で解像度の高い印刷塗布膜を得ることができるため、LCD,ELD,PDPなどの各種ディスプレイ、タッチパネル、太陽電池等の透明電極に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、導電性酸化物微粒子、無機バインダー、溶媒を含む透明導電膜形成用塗布液において、無機バインダーの平均重量分子量、溶媒の種類や組成を最適化することで、特にインクジェット印刷法等に適用された場合に、優れた膜特性を有する透明導電膜を形成できることを見出して発明を完成するに至っている。
即ち、導電性酸化物微粒子と無機バインダーと溶媒からなる透明導電膜形成用塗布液において、上記溶媒が、少なくともγ−ブチロラクトンを10〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、更に好ましくは20〜50重量%、含有している必要がある。
ここで、γ−ブチロラクトンを10〜90重量%としたのは、γ−ブチロラクトンが10重量%未満では、上記導電性酸化物微粒子の分散安定性が悪化すると同時に成膜性も悪くなるため、安定してインクジェット印刷を行えなくなる可能性があるからであり、一方、γ−ブチロラクトンが90重量%を超えると、印刷後の乾燥時にハジキを生じ易くなり、成膜性が悪化するからであり、これを防止するために界面活性剤等を添加することもできるが、その添加量を多くする必要が生じ、得られる透明導電膜の抵抗値や膜強度に悪影響を与えるからである。
更に、上記γ−ブチロラクトンの80重量%以下(好ましくは75重量%以下、更に好ましくは70重量%以下)の部分は、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水から選択された少なくとも1種類以上の溶媒で置き換えられてもよい。
ここで、上記組成物を溶媒として採用したのは、これらの組成物は、それぞれ、γ−ブチロラクトン(沸点:204℃、表面張力:43.9dyn/cm[20℃]、粘度:1.7mPa・s[25℃])、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:170.2℃、表面張力:27.4dyn/cm[25℃]、粘度:3.15mPa・s[25℃])、エチレングリコール(沸点:197.2℃、表面張力:48.4dyn/cm[20℃]、粘度:20.9mPa・s[20℃])、プロピレングリコール(沸点:187.4℃、表面張力:72.0dyn/cm[25℃]、粘度:60.5mPa・s[20℃])、1,3−ブチレングリコール(沸点:207.5℃、表面張力:37.8dyn/cm[25℃]、粘度:98.3mPa・s[25℃])、ヘキシレングリコール(沸点:197.1℃、表面張力:27dyn/cm[20℃]、粘度:34.4mPa・s[20℃])、ジエチレングリコール(沸点:244.3℃、表面張力:48.5dyn/cm[20℃]、粘度:36mPa・s[20℃])、ジプロピレングリコール(沸点:231.8℃、表面張力:32dyn/cm[25℃]、粘度:107mPa・s[20℃])との物性を有しているが、これらは全て水と自由混合する極性溶媒であり、しかも、このような物性範囲に属する溶媒を選択し、組み合わせることにより、揮発性(沸点)、表面張力、粘度等の諸特性が最適化されるものと考えられるからである。
以上のような溶媒を採用することにより、特に、インクジェット印刷法等において、優れた塗膜特性を得ることが可能となるものと考えられる。
ここで、γ−ブチロラクトンが10〜90重量%としたのは、上記と同様の理由によるものであり、また、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水から選択された少なくとも1種類以上が80重量%以下としたのは、80重量%を超えると、導電性酸化物微粒子、及び無機バインダーの塗布液への配合を考慮すると、γ−ブチロラクトンの量が10重量%未満となり、前述と同様の問題が生じるからである。
また、上記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分とする導電性酸化物微粒子であって、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、フッ素アンチモン酸化物(FTO)、燐アンチモン酸化物(PTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)等が挙げられるが、透明性と導電性を具備していれば良く、これらに限定されない。ただし、上記中でもITOが最も高特性であり、好ましい。
上記ITO微粒子は、還元処理が施され酸素空孔が導入された低比抵抗値を有する青色系のITO微粒子でも良いが、更に、この青色系のITO微粒子を酸素含有雰囲気下で加熱・酸化処理されて得られた黄緑色系、又は黄色系微粒子であることが好ましい(ITO微粒子の製造段階で、空気中で加熱処理されただけの、黄緑色系、又は黄色系の未還元処理ITO微粒子でも良い。)。これは、上記黄緑色系、又は黄色系ITO微粒子を用いると、窒素雰囲気下で焼成して得られる透明導電膜の抵抗値をより低下できるからである。この現象の詳細なメカニズムはわかっていないが、酸化処理によりITOの格子定数が小さくなっているため、窒素雰囲気下で焼成した場合に、ITO微粒子が還元されて僅かに膨張し微粒子同士間に強い圧縮力が作用するためと考えられる。
上記導電性酸化物微粒子の平均粒径は10〜100nmであることが好ましい。10nm未満であると導電性酸化物微粒子の安定分散が困難となると同時に、得られる透明導電膜の抵抗値が悪化してしまう。一方、100nmを越えると、透明導電膜形成用塗布液を室温に放置した場合に、粒子の沈降が起き易くなるため好ましくない。
また、上記無機バインダーとしては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等を主成分とし、例えば、塗布液への配合は該成分のゾルとして添加することが好ましい。中でもシリカを主成分としたシリカゾルとして配合することが好ましく、その平均重量分子量(ポリスチレン換算)は、3000〜150000が良く、更に好ましくは5000〜30000が良い。3000未満であると、得られる膜の表面抵抗値が悪化する傾向に有り、一方、150000を越えると、重合が進み過ぎてバインダーゾルが固化する可能性があり、しかも、得られる透明導電膜の強度が低下する場合があるからである。
ところで、上記導電性酸化物微粒子に対する無機バインダーの配合割合は、導電性酸化物微粒子100重量部に対し、2〜10重量部であることが好ましい。無機バインダーが2重量部未満であると、バインダー添加の効果が不十分で、透明導電膜の導電性の悪化、及び膜強度の低下が生じ、逆に無機バインダーが10重量部を超えると、バインダーが過剰となり透明導電膜の導電性の悪化を引き起こすからである。ここで、無機バインダー量は、上記各種ゾル液における無機成分の値であり、例えば、シリカゾル液における無機バインダー量はシリカゾル液中のシリカ(酸化ケイ素)の量を示している。
次に、本発明で用いる透明導電膜形成用塗布液の製造方法は、まず、無機バインダーと溶媒を所望の割合で混合した後に、導電性酸化物微粒子を分散処理して導電膜形成用塗布液を得ることにより行われる。ここで、無機バインダーを分散剤として用いるため特に分散剤の添加は必要ないが、導電性酸化物微粒子の導電性を阻害しない範囲で、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤、各種高分子分散剤、アニオン系、ノニオン系、カチオン系等の各種界面活性剤を極少量添加しても良い。上記分散剤としての界面活性剤とは別に、塗布性を改善するために微量の界面活性剤等の添加剤を透明導電膜形成用塗布液に加えても良い。この場合の界面活性剤は、フッ素系、シリコーン系等の市販されている界面活性剤から選定すれば良いが、シリコーン系界面活性剤が種類も多く、添加による副次的影響も少なく好ましい。界面活性剤の透明導電膜形成用塗布液への添加量は、透明導電膜形成用塗布液100重量部に対し、0.01〜0.5重量部が良く、更に好ましくは0.02〜0.1重量部が良く、この範囲内であれば、透明導電膜の抵抗悪化を引き起こさず、成膜性が改善できる。
ここで、透明導電膜形成用塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ワイヤーバーコート、ディップコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷といった各種塗布方法が適用できるが、中でも直接微細なパターンを解像度よく形成できる点でインクジェット印刷による塗布法が好ましい。
インクジェット印刷では、ノズルから塗布液を吐出させて基材上に塗膜パターンを形成させるため、塗布液の粘度は、例えばB型粘度計で測定した25℃における値が2〜30mPa・s程度の範囲に設定することが好ましい。
また、ノズル部分での溶剤乾燥によるノズル詰まりを防止するため、沸点の低いエタノール等の溶媒は適用できず、上記したように、沸点:100℃以上、好ましくは150℃の溶媒を主要溶媒成分として用いる必要がある。更に、沸点:220℃以上の溶媒を10〜30%含有していると、ノズル詰まりを効果的に防止でき、好ましい。
基板上に塗布された透明導電膜形成用塗布液の乾燥は、例えば、塗布液が塗布された基板を80〜180℃の温度で10〜60分保持することにより行われ、必要に応じて、焼成は乾燥後の塗布基板を焼成炉に入れて200〜600℃に加熱し、15〜60分保持することにより焼成が行われる。
ITO透明導電膜の導電性は、焼成温度が高いほどITO粒子の粒成長が促進されるので向上する。乾燥・焼成雰囲気については大気雰囲気でも良いが、窒素等の不活性雰囲気や水素等を少量含む還元雰囲気で焼成を行えばキャリア密度が増加して大幅に導電性が向上するので好ましい。上記方法により得られる透明導電膜は、表面抵抗値が100〜10000Ω/□で、膜の透過率が90%以上の特性を有する。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
平均粒径30nmのITO微粒子(住友金属鉱山(株)製、SUFP−HX、還元処理された青色系のITO微粒子)10gを、シリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)54gと混合した後、ペイントシェーカーを用いて分散処理を行い実施例1に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は135nmであった。
尚、上記シリカゾル液は、メチルシリケート51(コルコート社製商品名)を19.6g、ジアセトンアルコール75.4g、1重量%硝酸水溶液5gと混合し、SiO(酸化ケイ素)固形分濃度が10重量%で、重量平均分子量が22000のものを調製して得ている。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。尚、この透明導電膜形成用塗布液の粘度はB型粘度計を用いて測定した。
インクジェット印刷での大面積ベタ印刷が容易でなく、後記するこの透明導電膜の特性評価(透過率、ヘイズ、表面抵抗値)のための試料採取が困難であるので、透明導電膜の形成をスピンコーティング法で行いこれを評価試料とした。すなわち、上記透明導電膜形成用塗布液を、ソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm-t)上の全面にスピンコーティング(基板温度:25℃、500rpm×30秒)し、120℃で30分間乾燥した後、窒素雰囲気中300℃で30分間焼成して透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約270nmであった。
尚、これらは同様の透明導電膜形成用塗布液を使用しているので、インクジェット印刷法等を採用しても、スピンコーティング法を採用しても、得られた透明導電膜における膜の特性には変わりはない。
実施例1で、透明導電膜形成用塗布液のスピンコーティングし、乾燥した後、窒素雰囲気中500℃で30分間焼成した以外は実施例1と同様に行い、実施例2に係る透明導電膜を得た。
実施例1で、透明導電膜形成用塗布液のスピンコーティングし、乾燥した後、窒素雰囲気中200℃で30分間焼成した以外は実施例1と同様に行い、実施例3に係る透明導電膜を得た。
実施例1で、ITO微粒子10gを、シリカゾル液3g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)57gと混合した以外は実施例1と同様に行い、実施例4に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は150nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例4に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約280nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例1で、ITO微粒子(住友金属鉱山(株)製、SUFP−HX、還元処理された青色系のITO微粒子)を空気中で450℃×1hrの酸化処理を施して黄色系のITO微粒子とし、このITO微粒子を用いて実施例5に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は145nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例5に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約290nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例5で用いた黄色系のITO微粒子10gを、重量平均分子量が7000のシリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)39g、エチレングリコール(EG)15gと混合した後、ペイントシェーカーを用いて分散処理を行い実施例6に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は125nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例6に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約290nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は3.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例5で用いた黄色系のITO微粒子10gを、重量平均分子量が98000のシリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)79g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)5g、シリコーン系界面活性剤0.05gと混合した以外は実施例1と同様に行い、実施例7に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は140nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例7に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約270nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例5で用いた黄色系のITO微粒子10gを、シリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)5g、1,3−ブチレングリコール(BG)49g、シリコーン系界面活性剤0.05gと混合した以外は実施例1と同様に行い、実施例8に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は130nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例8に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約450nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は11.5mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例5で用いた黄色系のITO微粒子10gを、シリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)5g、ヘキシレングリコール(HG)49g、シリコーン系界面活性剤0.05gと混合した以外は実施例1と同様に行い、実施例9に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は130nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例9に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約400nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は5.8mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
実施例5で用いた黄色系のITO微粒子10gを、シリカゾル液6g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)5g、ジエチレングリコール(DEG)49g、シリコーン系界面活性剤0.05gと混合した以外は実施例1と同様に行い、実施例9に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は130nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い実施例10に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約420nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は8.2mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
[比較例1]
実施例1で、ITO微粒子10gを、シリカゾル液6g、イソホロン30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)54gと混合した以外は実施例1と同様に行い、比較例1に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は145nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は3.1mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好だったが、形成された塗布膜に著しいはじきを生じ、スピンコーティング評価でも均一な透明導電膜が得られなかったため、透明導電膜の特性評価は行わなかった。
尚、イソホロン(沸点:215.2℃、表面張力:32.3dyn/cm[20℃]、粘度:2.62mPa・s[20℃])は、水と自由混合せず、20℃において水に1.2重量%溶解する溶媒である。
[比較例2]
実施例1で、ITO微粒子10gを、シリカゾル液1g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)59gと混合した以外は実施例1と同様に行い、比較例2に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は200nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に1日間放置すると導電性酸化物微粒子の凝集、沈降が見られ、この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりが生じたため、透明導電膜の特性評価は行わなかった。
[比較例3]
実施例1で、ITO微粒子10gを、シリカゾル液15g、γ−ブチロラクトン(GBL)30g、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)45gと混合した以外は実施例1と同様に行い、比較例3に係る透明導電膜形成用塗布液を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は135nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い比較例3に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約300nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は3.0mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
[比較例4]
実施例1で、重量平均分子量が1500のシリカゾル液を用いた以外は実施例1と同様に行い、比較例4に係る透明導電膜を得た。レーザー散乱法で測定した透明導電膜形成用塗布液中のITO微粒子の分散粒径は135nmであった。この透明導電膜形成用塗布液を用いた以外は実施例1と同様に行い比較例4に係る透明導電膜を得た。この透明導電膜の膜厚は約270nmであった。
この透明導電膜形成用塗布液の粘度は2.9mPa・sで、室温に3日間放置しても導電性酸化物微粒子の凝集、あるいは沈降は見られず、インク外観の変化も認められなかった。この透明導電膜形成用塗布液をソーダライムガラス基板上にインクジェット印刷したところ、ノズル詰まりもなくインク吐出性は良好で、かつ形成された塗布膜にはハジキもなく、インク広がり性も適正で、十分にインクジェット印刷可能であった。
[比較例5]
実施例1で、重量平均分子量が200000のシリカゾル液を用いた以外は実施例1と同様に行い、比較例5に係る透明導電膜を得た。しがしながら、重量平均分子量が200000のシリカゾル液はプリン状であり、得られた透明導電膜形成用塗布液中でシリカゾルが不均一に分散しおり、インクジェット印刷できなかったため、透明導電膜の特性評価は行わなかった。
このようにして得られた各実施例及び各比較例に係る透明導電膜の表面抵抗値を三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)、可視光線透過率とヘイズ値を村上色彩技術研究所製ヘイズメーター(HR−200)により測定した。
具体的な評価基準としては、先ず、表面抵抗値については、適用するデバイスによりその要求特性は異なるが、各種ディスプレイデバイスに適用される透明電極の中で、適用可能な限界値から判断して、表面抵抗値が10,000Ω/□以下を良好とした。
次に、ヘイズ値については、各種ディスプレイにおいて、視認性や画像の鮮明さから規定される値として、ヘイズ値が2.0以下を良好とした。
また、透明導電膜の強度については、膜をツメで擦り、その傷のつき具合を目視で判断し、全く傷つかないものを○、少し傷つくものを△、著しく傷つくものを×、として耐擦傷性を評価した。
更に、インク外観評価については、導電性酸化物微粒子の凝集、沈降物の発生、透明な上澄み部分の形成などのいずれの項目についても問題のない場合に良好とした。
それらの結果を表1に示す。
尚、上述の透明導電膜の透過率は、透明導電膜だけの(可視光線)透過率であって、以下の様にして求められている。すなわち、
透明導電膜の透過率(%)
=[(透明導電膜付ガラス基板ごと測定した透過率)/(ガラス基板の透過率)]×100
Figure 0004591672
[評価]
各実施例と比較例1を比べると明らかな通り、各実施例の本発明の導電膜形成用塗布液は、溶媒に所定量のγ−ブチロラクトンを用いているか、又はγ−ブチロラクトンを所定の溶媒で置換しているため、塗布液の粘度が約3〜12mPa・sとインクジェット印刷に適しており、導電性酸化物微粒子の凝集・沈降も含めインク外観の変化が見られず、かつ、ノズル詰まり、インク吐出性、ハジキ、インク広がり性等の面から見てインクジェット印刷が可能で、優れた透明導電膜を形成できるのに対し、比較例1の透明導電膜は塗布膜にハジキを生じ、均一な膜が得られていないことがわかる。
実施例1と比較例2及び3を比較すると、導電性酸化物微粒子とバインダーの配合比率が適正な実施例1の透明導電膜に比べ、比較例2ではインクジェット印刷ができず、比較例3の透明導電膜では、膜抵抗値が高くなっていることがわかる。
実施例1と比較例4及び5を比較すると、無機バインダーの平均分子量が適正な実施例1の透明導電膜に比べ、比較例4の透明導電膜では膜抵抗値が悪化したり、比較例5の透明導電膜ではインクジェット印刷ができなくなるなどの問題を生じることがわかる。
本発明に係る透明導電膜形成用塗布液は、インクジェット印刷等に適用できるので基板上に微細なパターンを解像度良く成膜することができ、かつ得られた透明導電膜の透明性及び導電性も良好であるので、精密で、複雑なパターンの要求される液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)などの表示素子透明電極、光半導体の透明電極などの電子機器の製造に利用可能であり、その他、太陽電池の透明電極、熱線反射シールド、電磁波シールド、帯電防止膜の製造等広範な利用が期待できる。

Claims (8)

  1. 導電性酸化物微粒子と、無機バインダーと、溶媒とからなる透明導電膜形成用塗布液であって、
    前記導電性酸化物微粒子の平均粒径は10〜100nmであり、
    ・前記無機バインダーはゾル状のシリカを主成分としており、且つ、前記無機バインダーの平均重量分子量(ポリスチレン換算)は3000〜150000であり
    ・前記導電性酸化物微粒子に対する前記無機バインダーの配合割合は、該導電性酸化物微粒子100重量部に対し、2〜10重量部であり、
    前記溶媒にはγ−ブチロラクトンが20〜90重量%含有されており、更にエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水から選択された少なくとも1種類以上が70重量%以下含有されている
    ことを特徴とするインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液。
  2. 前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液。
  3. 前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子は、インジウム錫酸化物微粒子であることを特徴とする請求項に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液。
  4. 前記酸化インジウムを主成分とする導電性酸化物微粒子は、酸素含有雰囲気下で加熱処理されて得られた黄緑色系、又は黄色系微粒子であることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液。
  5. B型粘度計で測定した25℃における粘度が、2〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のインクジェット印刷用透明導電膜形成用塗布液を、基材に塗布、乾燥、硬化させて得られることを特徴とする透明導電膜。
  7. 前記塗布が、インクジェット印刷であることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜。
  8. 表面抵抗値が100〜10000Ω/□で、膜の透過率が90%以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の透明導電膜。
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