JP4589655B2 - 雨樋装置 - Google Patents

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Description

本発明は、屋根やバルコニーから流れ落ちる雨水を軒樋で受け下方に排水する雨樋装置に関する。
従来、屋根の軒先から流れ落ちる雨水を軒樋で受け下方に排水する雨樋装置として、例えば、図3に示すように家屋の屋根の軒先に取付けられた軒樋aに呼び樋bや竪樋cを竪樋継手dによって接続し、外壁eに沿って垂下させて地中に埋設された排水管fに接続しているのが一般的である。
ところで、上記雨樋装置においては、軒樋aで処理できる水の流量を増やすには、軒樋a自体の断面寸法を大きくしたり、呼び樋bや竪樋cの口径の拡大、本数の増加を図る必要がある。しかし、これらは、コストの上昇、見栄えの低下といった問題がある。
そこで、口径の拡大や本数を増やすことがなく排水処理量を増加させる雨樋装置として、特許文献1〜2に記載されているようなサイホン式排水システムが提案されている。
即ち、特許文献1には、軒樋の底面に、軒樋よりも小さくかつ竪樋よりも大きな断面寸法を有した凹部状の落し口を設け、この落し口の底面に竪樋を接続したサイホン式排水システムによる雨樋装置が記載されている。
また、特許文献2には、樋状体に設けられた落とし口の上方に、二枚の平行な平板を互いに間隔をおいて配設した屋根取水口が記載されている。
特開平9−111972号公報(図1) 特表平8−506396号公報(Fig1)
しかしながら、上記特許文献1〜2に記載された排水方式は、いずれもサイホン式排水システムの構造によるものであるが、特許文献1に記載された雨樋装置にあっては、凹部状の落し口としては大きな深さを有したものでないと効果が期待できない。軒樋の底面に大きな深さを有した凹部状の落し口を設けると、軒樋を下方から見ると大きな落とし口が見えて外観上見栄えがよくない。
また、特許文献2に記載された雨樋装置においては、平板に落ち葉等の塵が引っ掛かり落とし口にゴミ詰まりを発生し易く、塵の除去が煩瑣である。また、落とし口の排水構造が複雑でコストが上昇するという問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みて、低コストで見栄えを低下させることなく排水処理量を増加させることのできる雨樋装置を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係わる雨樋装置(以下、「請求項1の雨樋装置」と記す)は、軒先に軒樋が配設されており、該軒樋の底壁に排水ドレンが設けられ、この排水ドレンには下方に呼び樋と竪樋がエルボを介してこの順に接続され、竪樋の下端部が地中に埋設された排水管に接続されている雨樋装置において、竪樋の口径が呼び樋の口径よりも小さくされていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明に係わる雨樋装置(以下、「請求項2の雨樋装置」と記す)は、請求項1の雨樋装置において、呼び樋と竪樋との口径比が1.3〜2.5であることを特徴としている。
本発明の雨樋装置によれば、軒先に軒樋が配設されており、該軒樋の底壁部に排水ドレンが設けられ、この排水ドレンには下方に呼び樋と竪樋がこの順に接続され、竪樋の下端部が地中に埋設された排水管に接続されている雨樋装置において、竪樋の径が呼び樋の径よりも小さくされているので、排水ドレンから呼び樋を流下する雨水は竪樋の中を満水状態にして流下することになる。そのため、排水ドレンから呼び樋に流れ込んだ雨水は、呼び樋内でサイホン現象をおこして排水管側に排水され、排水処理量を増加させることができる。
次に、本発明の実施の形態の一例を、図に基づいて説明する。
図1において、雨樋装置は、家屋の屋根の軒先に軒樋1が取付けられ、この軒樋1の底壁11に排水ドレン2が設けられ、排水ドレン2には下方にエルボ3を介して呼び樋4の一端が接続され、呼び樋4の他端にエルボ31を介して竪樋5が接続され、竪樋5の下端が排水管カバー6を介して地中に埋設された排水管7に接続され、屋根fの軒先から流下した雨水を受けて排水管7側に排水するようになされている。
軒樋1は、押出成形品であり、本体部が平坦な底壁11の前側部から前側壁12が立設され、かつ底壁11の後側部から後側壁13が立設された溝形断面に形成されており、軒樋1同士が長手方向(図面と直交する方向)に端部を互いに突き合わせた状態で軒樋継手(図示しない)を介して配設され、鼻隠し板90に取付けられた雨樋吊具8により吊設されて、屋根9の軒先から流下した雨水を受けるようになっている。
排水ドレン2は、取付け鍔板21の上方に網体20が突出して形成され、下方に落とし口22が垂下して設けれており、この落とし口22が軒樋1の底壁11に穿口された貫通口11aから突設して、下方のエルボ3に回動自在に接続して取付けられるようになっている。
呼び樋4は、軒樋1に設けられた排水ドレン2から流下した雨水を水平に導水するもので、一端側がエルボ3に接続され、他端側がエルボ31にされるようになっている。
竪樋5は呼び樋4から流水される雨水を下方に導水するもので、上端側がエルボ31に接続され、外壁91に沿って垂下させて他端が排水管カバー6を介して地中に埋設された排水管7に接続されている。竪樋5の口径tが30mmで、呼び樋4の口径y(60mm)よりも小さくされており、その比率は2.0とされている。
上記の軒樋1と呼び樋4及び竪樋5を使用して雨樋装置を組み立てるには、先ず、軒樋1の底壁11の排水ドレン2を取り付ける位置に、貫通口11aを開口する。続いて、図2に示すように、軒樋1の貫通口11aから排水ドレン2の落とし口22を挿入して下方に突出させ、下方に突出した落とし口22に接続部材23で螺合し、排水ドレン2の取付け鍔片21と接続部材23の鍔片24とで、軒樋1の貫通口11aの周縁をパッキン等を介在させて挟着固定する。
次に、軒先の鼻隠し板90に雨樋吊具8の取付部81をネジ等の固定具により取付けてから、軒樋吊具8の前耳保持部82に軒樋1の前耳14を係止させ、後耳保持部83に軒樋1の後耳15を挿入して係止させる。
最後に、軒樋1を軒樋継手(図示しない)で接続してから、排水ドレン2の落とし口22にエルボ3を取付け、このエルボ3に呼び樋4を接続し、エルボ31を介して竪樋5を接続し、竪樋1の下端に排水管カバー6を取付けてから排水管7と接続する。
屋根に降った雨は軒樋1に設けられた排水ドレン2から呼び樋4を流れて竪樋5に流下する。竪樋5の口径tが呼び樋4の口径yよりも細いため、呼び樋4から竪樋5に流れ込んた雨水は竪樋4の中を満水状態にして流下することになり、落とし口22と呼び樋4内でサイホン現象をおこして、竪樋5から排水管7側に勢いよく排水されることになる。
以上、本発明実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、呼び樋4を水平に配設したが、斜め下向きに傾斜させてもよい。
本発明の雨樋装置を説明する側面図である。 同上雨樋装置の軒樋に排水ドレンが取付けられた状態を説明する一部切り欠き断面図である。 従来例を説明する側面図である。
符号の説明
1 軒樋
2 排水ドレン
4 呼び樋
5 竪樋
6 排水管カバー
7 排水管

Claims (2)

  1. 軒先に軒樋が配設されており、該軒樋の底壁に排水ドレンが設けられ、この排水ドレンには下方に呼び樋と竪樋がエルボを介してこの順に接続され、竪樋の下端部が地中に埋設された排水管に接続されている雨樋装置において、竪樋の口径が呼び樋の口径よりも小さくされていることを特徴とする雨樋装置。
  2. 呼び樋と竪樋との口径比が1.3〜2.5であることを特徴とする請求項1記載の雨樋装置。
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