JP4589415B2 - 無線パケット通信方法および無線パケット通信装置 - Google Patents

無線パケット通信方法および無線パケット通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、無線局間で複数の無線チャネルや空間分割多重を利用して複数のデータパケットを並列送信し、さらにデータパケットが正常に伝送されなかった場合に再送処理を行う無線パケット通信方法および無線パケット通信装置に関する。
従来の無線パケット通信方法では、使用する無線チャネルを事前に1つだけ決めておき、データパケットの送信に先立って当該無線チャネルが空き状態か否かを検出(キャリアセンス)し、当該無線チャネルが空き状態の場合にのみ1つのデータパケットを送信していた。このような制御により、1つの無線チャネルを複数の無線局で互いに時間をずらして共用することができた(非特許文献1、非特許文献2)。
一方、データパケットの伝送効率を高めるために、キャリアセンスの際に複数の無線チャネルが空き状態であれば、その複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法が検討されている。この方法では、例えば3個のデータパケットに対して、空き状態の無線チャネルが2つあれば、2つの無線チャネルを用いて3個のうちの2個のデータパケットを並列送信する。また、2個のデータパケットに対して、空き状態の無線チャネルが3つあれば、2つの無線チャネルを用いて全て(2個)のデータパケットを並列送信する。
また、データパケットの伝送効率を高めるために、公知の空間分割多重技術(非特許文献3)を用い、1つの無線チャネルで複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法が検討されている。ここで、空間分割多重(SDM)は、複数のアンテナから同じ無線チャネルで同時に異なるデータパケットを送信し、対向する無線局の複数のアンテナに受信された各データパケットの伝搬係数の違いに対応するディジタル信号処理により、同じ無線チャネルで同時に送信された複数のデータパケットを受信する方式である。なお、伝搬係数等に応じて空間分割多重数が決定される。
ところで、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信する方法において、同時に使用する複数の無線チャネルの中心周波数が互いに近接している場合には、一方の無線チャネルから他方の無線チャネルが使用している周波数領域へ漏れ出す漏洩電力の影響が大きくなる。一般に、データパケットを伝送する場合には、送信側の無線局がデータパケットを送信した後に、受信側の無線局が受信したデータパケットに対して送達確認パケット(ACKパケット,NACKパケット)を送信側の無線局へ返信する。送信側の無線局がこの送達確認パケットを受信しようとするときに、並列送信に使用している他の無線チャネルからの漏洩電力の影響が問題となる。
例えば、図48に示すように、無線チャネル#1と無線チャネル#2の中心周波数が互いに近接し、各無線チャネルから並列送信するデータパケットの伝送所要時間が異なる場合を想定する。ここでは、無線チャネル#1から送信されたデータパケットが短いので、それに対するACKパケットが受信されるときに無線チャネル#2は送信中である。そのため、無線チャネル#1では、無線チャネル#2からの漏洩電力によりACKパケットを受信できない可能性がある。このような状況では、同時に複数の無線チャネルを利用して並列送信を行ったとしてもスループットの改善は見込めない。
なお、このようなケースは、各無線チャネルの伝送速度が等しい場合には各データパケットのパケット長(伝送所要時間=データサイズ)の違いにより発生し、各無線チャネルの伝送速度も考慮すると各データパケットのパケット長(伝送所要時間=データサイズ/伝送速度)の違いにより発生する。
一方、無線LANシステムなどでは、ネットワークから入力するデータフレームのデータサイズは一定ではない。したがって、入力するデータフレームを順次にデータパケットに変換して送信する場合には、各データパケットのパケット長(伝送所要時間)も変化する。そのため、図48に示すように同時に複数のデータパケットを並列送信したとしても、各データパケットのパケット長に違いが生じ、ACKパケットの受信に失敗する可能性が高くなる。
このような問題に対して、並列送信する複数のデータパケットのパケット長を同一または同等とすることにより、複数のデータパケットの送信を同時またはほぼ同時に終了させる方法が検討されている。これにより、複数のデータパケットのそれぞれに対するACKパケットが到着するタイミングでは、送信局は送信を行っていないので、無線チャネル間の漏洩電力などの影響を受けることなく、すべてのACKパケットを受信することができ、スループットの改善に寄与することができる。本明細書における「並列送信」は、複数のデータパケットのパケット長(伝送所要時間)が揃って並列に送信される状態を指すものとする。
ここで、データフレームから並列送信する複数のデータパケットを生成する方法としては、次の3つの方法がある。例えばデータフレームが1つで空きチャネル数が2つの場合には、図49(1) に示すようにデータフレームを分割して2つのデータパケットを生成する。また、データフレームが3つで空きチャネル数が2つの場合には、図49(2) に示すように、例えばデータフレーム2を分割してそれぞれデータフレーム1およびデータフレーム3と結合し、2つのデータパケットを生成する。また、図49(3) に示すように、データフレーム1とデータフレーム2を組み合わせ、データフレーム3にダミービットを付加し、パケット長が揃った2つのデータパケットを生成する。また、複数の無線チャネルを使用する際に各無線チャネルの伝送速度が異なる場合には、各データパケットのサイズ比を伝送速度比に対応させてパケット長が同じになるように調整する。
IEEE802.11"MAC and PHY Specification for Metropolitan Area Networks",IEEE 802.11,1999 小電力データ通信システム/広帯域移動アクセスシステム(CSMA)標準規格、ARIB STD-T71 1.0版、(社)電波産業会、平成12年策定 黒崎ほか、MIMOチャネルにより100Mbit/s を実現する広帯域移動通信用SDM−COFDM方式の提案、電子情報通信学会技術研究報告、A・P2001-96,RCS2001-135(2001-10)
ところで、データパケットの送信が失敗すると、受信側から送達確認パケットによってその旨が返送されるか、あるいは送達確認パケット自体が返送されない。この場合には、送信側ではデータパケットの送信が失敗したものと判断し、そのデータパケットについて再送処理を行う。
[再送時の課題1]
ここで、初回送信時には例えば3チャネル中の1チャネルがビジーで、空き状態の2チャネルに対応して2つのデータパケットを生成し、並列送信したとする。その後、少なくとも1つのデータパケットの送信が失敗して再送処理が行われるときに、空き状態の無線チャネルが2つあるとは限らない。たとえば図50(1),(2) に示すように、初回送信時から再送処理時に空き状態の無線チャネルが増えるときに、初回送信時と同じ無線チャネルを使用する再送信ではなく、再送処理時の空き状態の無線チャネルのすべてを用いた並列送信ができればスループットの向上に寄与できる。
一方、図51に示すように、再送時に空き状態の無線チャネル数が減る場合もある。この場合には、再送する2つのデータパケットを2回に分けて送信することになる。このとき、各々の再送パケットを送信する前にそれぞれキャリアセンスを行う必要があるため、必ずしも連続して送信できるとは限らず、スループットの低下、平均伝送遅延の増大およびジッタの増大を引き起こす可能性がある。
[再送時の課題2]
次に、並列送信における再送方法は特に規定されていないが、従来の再送方法を並列送信に適用した場合の問題点について説明する。
図52は、従来の再送方法1を示す。ここでは、並列送信可能なデータパケット数を3とし、キャリアセンスによって得られる送信タイミングt1 ,t2 ,t3 で変わらないものとする。送信側の無線局Aは、データフレームF1からデータパケットP1,P2,P3を生成し、データフレームF2からデータパケットP4,P5,P6を生成する。なお、P1〜P6は、それぞれ各データパケットのシーケンス番号に対応しているものとする。
無線局Aは、送信タイミングt1 でデータパケットP1〜P3を並列送信する。その後、受信側からのACKパケットにより、データパケットP1,P3の送信成功とデータパケットP2の送信失敗を確認する。無線局Aは、データパケットP2の送信失敗によりデータフレームF1が復元できないものと判断し、次の送信タイミングt2 ではデータフレームF1に対応するすべてのデータパケットP1〜P3を再送する。このとき、データパケットP1,P3は正常に受信されているにもかかわらず、再度送信されることになる。しかし、今度はデータパケットP1が送信失敗となると、次の送信タイミングt3 で再びデータパケットP1〜P3が再送される。
このように、送信側の無線局Aは、データフレームを構成する複数のデータパケットを並列送信するが、その一部の送信に失敗すると、再度同じデータフレームを構成する複数のデータパケットを並列再送する。すなわち、送信成功したデータパケットも再送されることになるので、チャネルの利用効率が低下するとともに、スループットの低下が避けられなかった。
特に、空間分割多重方式では、多重数を増やすと無線伝送路の変動が伝送品質に与える影響が大きくなり、パケット誤り率やビット誤り率が高くなる。したがって、並列送信した一部のデータパケットの失敗により、送信成功したデータパケットを含むすべてのデータパケットを並列再送すると、再び送信失敗する確率が高くなり、チャネルの利用効率の低下およびスループットの低下が避けられなかった。
図53は、従来の再送方法2を示す。ここでは、並列送信可能なデータパケット数を3とし、キャリアセンスによって得られる送信タイミングt1 ,t2 ,t3 で変わらないものとする。送信側の無線局Aは、データフレームF1からデータパケットP1,P2,P3を生成し、データフレームF2からデータパケットP4,P5,P6を生成する。ここでは、データパケットP1〜P6の伝送所要時間は等しいものとする。
無線局Aは、送信タイミングt1 でデータパケットP1〜P3を並列送信する。その後、受信側からのACKパケットによりデータパケットP1,P3の送信成功とデータパケットP2の送信失敗を確認する。そして、次の送信タイミングt2 では、送信失敗したデータパケットP2だけの再送では効率が悪いので、同時に生成されているデータパケットP4,P5を並列送信する。その後、受信側からのACKパケットによりデータパケットP4,P5の送信成功とデータパケットP2の送信失敗を確認する。そして、次の送信タイミングt3 で、再度送信失敗したデータパケットP2と新たにデータパケットP6を並列送信する。その後、受信側からのACKパケットによりデータパケットP6の送信成功とデータパケットP2の送信失敗を確認する。
このように、データパケットP2が送信失敗を繰り返す一方で、データパケットP6が送信成功すると、データフレームF2を構成するデータパケットP4〜P6が揃うことになる。その結果、データパケットP2の送信失敗によってデータフレームF1を復元できないまま、次のデータフレームF2が復元されて順序が入れ替わってしまうことになる。このとき、復元されたデータフレームの順序を揃えるには、先に復元されたデータフレームF2について、データパケットP2の送信が成功してデータフレームF1が復元されるまで保持しておく必要がある。
また、図53には記載していないが、データパケットP2を再送する際に、次のデータフレームF3から生成されたデータパケットと並列送信してデータパケットP2が送信失敗すると、データフレームF1を復元できないまま、データフレームF3が先に復元される事態にもなる。このような処理を繰り返すと、データパケットP2の送信が成功してデータフレームF1が復元されるまで、次々に復元されるデータフレームF2,F3,…を保持するために、受信側の無線局における受信バッファサイズを大きくせざるを得ない。
なお、ここではデータフレームF1,F2から生成されるデータパケットP1〜P6の伝送所要時間が等しいと仮定しているが、データパケットP1〜P3とデータパケットP4〜P6の伝送所要時間が異なる場合には、データパケットP2を再送する際にデータパケットP4,P5を並列送信すると、上述のチャネル間の漏洩電力の影響が問題になる。
本発明は、データフレームから複数のデータパケットを生成して並列伝送するときに、再送処理においてもスループットの向上を図りながら、再送されたデータパケットを含めてデータフレームへの復元処理を容易にすることができる無線パケット通信方法および無線パケット通信装置を提供することを目的とする。
第1,第8の発明は、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する2つの無線局間における再送処理手順を規定する。送信側の無線局は、送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信する。そして、受信側の無線局から送信された肯定応答パケットを受信し、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する。また、肯定応答パケットを受信しない場合には、複数のデータパケットを再送する。また、肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る。
第2,第9の発明は、送信側の無線局は、送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信する。さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信し、受信側の無線局から送信された否定応答パケットを受信する。ここで、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する。また、否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る。
第3,第10の発明は、送信側の無線局は、送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、並列送信可能な数単位で連続的に並列送信する。さらに、受信に成功したデータパケットを示す肯定応答パケットを要求する肯定応答要求パケットを送信し、受信側の無線局から送信された肯定応答パケットを受信する。ここで、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する。また、肯定応答パケットを受信しない場合には、複数のデータパケットを再送する。また、肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る。
第4,第11の発明は、送信側の無線局は、送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、並列送信可能な数単位で連続的に並列送信する。さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信し、受信側の無線局から送信された否定応答パケットを受信する。ここで、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する。また、否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る。
第5、第12の発明は、第3または第4、第10または第11の発明において、連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が互いに等しいときに、送信に失敗したデータパケットの数が並列送信可能な数を越える場合には、送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送する。また、送信に失敗したデータパケットの数が並列送信可能な数以下の場合には、送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する。
第6、第13の発明は、第3または第4、第10または第11の発明において、連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が並列送信可能な数単位ごとに異なるときに、送信に失敗したデータパケットの伝送所要時間が異なる場合には、伝送所要時間が短いデータパケットにダミービットを付加してパケット長を揃える。そして、送信に失敗したデータパケットの数が並列送信可能な数を越える場合には、送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送する。また、送信に失敗したデータパケットの数が並列送信可能な数以下の場合には、送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する。
第7、第14の発明は、第1〜第4、第8〜第11の発明のいずれかにおいて、送信に失敗したデータパケットのみを再送する代わりに、送信に失敗したデータパケットの中でシーケンス番号が最も若番のデータパケット以降のすべてのデータパケットを再送する。
本発明は、データパケットの送信失敗による再送時に、空きチャネルおよび空間分割多重を最大限に活用して再送パケットを効率よくかつ確実に伝送し、スループットを高めることができる。
以下に示す第1の実施形態〜第14の実施形態は、初回送信時に対して再送処理時の空きチャネル数が増減する場合や、再送パケット数と空きチャネル数が異なる場合などに対応し、再送処理時にも並列送信を有効に活用しようとするものである。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態のフローチャートを示す。図2および図3は、本発明の第1の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S101,S102)。ここでは、送信データ生起タイミングt1 において無線チャネル#3がビジー状態であり、無線チャネル#1および無線チャネル#2が空き状態として検索される。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルに再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S103)。
図2に示す例では、2チャネルが空き状態に対して、送信するデータフレームが1つの場合であり、図49(1) に示す方法によりデータフレーム1を分割(1a,1 b)して2つのデータパケットを生成し、各無線チャネルに割り当てて並列送信が行われる。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S104)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S105〜S108)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S105)。次に、空きチャネル数と再送パケット数を比較し、両者が異なる場合(空きチャネル数≠再送パケット数)には、空きチャネルのすべてを用いて再送するために、各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルに再構成したパケットを割り当てて(並列)再送信する(S107)。一方、空きチャネル数と再送パケット数が同数の場合には、再構成は不要であるので、各無線チャネルに再送パケットを割り当てて(並列)再送信する(S108)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
図2(1) は、無線チャネル#1で送信したデータパケット1aに対するACKパケットが受信されたものの、無線チャネル#2で送信したデータパケット1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数1に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数3であるので、データパケット1bを3分割し(1b−1,1b−2,1b−3)、無線チャネル#1,#2,#3にそれぞれ割り当て並列再送信する(図1、S107)。
図2(2) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数3であるので、データパケット1a,1bをそれぞれ分割して再構成し(1a−1、(1a−2,1b−1)、1b−2)、無線チャネル#1,#2,#3にそれぞれ割り当てて並列再送信する(図1、S107)。
図2(3) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数2であるので、データパケット1a,1bの再構成は行わず、無線チャネル#1,#2にそれぞれ割り当てて並列再送信する(図1,S108)。
図2(4) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数1であるので、データパケット1a,1bを再構成し(1a+1b)、無線チャネル#1に割り当てて再送信する(図1、S107)。なお、この例では図49(1) のように1つのデータフレームが分割されたものが再構成によって1つに戻ったことになる。このときに、パケット長が最大長を越える場合には、再構成せずに1つの無線チャネルで2回に分けて送信するような制御を行うようにしてもよい。
以上の例は、空きチャネル数と再送パケット数が異なる場合、すなわち空きチャネル数が再送パケット数に対して多くても少なくても、空きチャネル数に応じて再送パケットを再構成するものであった。しかし、データパケットの再構成は受信側にもそれに応じた処理が要求されて複雑化するので、空きチャネル数が再送パケット数に対して多くなった場合に限るようにしてもよい(図1のS106判断分岐のカッコ表記)。
図3は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数1であり、データパケット数に比べて少ないのでデータパケット1a,1bの再構成は行わず、まずデータパケット1aを無線チャネル#1に割り当てて再送信する(図1、S108)。次の再送処理開始時t3 では、再送パケット数1に対して空きチャネル数2となるので、データパケット1bを2分割し(1b−1,1b−2)、無線チャネル#1,#3にそれぞれ割り当て並列再送信する(図1、S107)。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第1の実施形態においてデータパケットの再送信の際に空間分割多重方式を利用するところにある。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S101,S102)。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルに再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S103)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S104)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S111〜S114)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S111)。ここでは、空き状態にある1つの無線チャネルが選択される。次に、選択された無線チャネルにおける空間分割多重数と再送パケット数を比較し(S112)、空間分割多重数が再送パケット数以上の場合に、空間分割多重により再送パケットを一気に再送するために、空間分割多重数に応じた同一のパケット長に分割再構成し、空間分割多重の各アンテナに再構成した各パケットを割り当てて並列再送信する(S113)。一方、空間分割多重数が再送パケット数より少ない場合には、再送パケットを再構成せず、1つの無線チャネルに再送パケットを割り当てて再送信する(S114)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第1の実施形態においてデータパケットの並列送信および再送信の際に空間分割多重方式を併用するところにある。なお、空き状態の無線チャネルと空間分割多重を併用することにより、並列送信可能なデータパケットの数は、空き状態の無線チャネルの各空間分割多重数の総和になる。ただし、以下の実施形態では、各無線チャネルの空間分割多重数が同一であるとし、並列送信数は空きチャネル数×空間分割多重数として説明する。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S101,S102)。次に、空きチャネル数×空間分割多重数に対して、それぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルおよび空間分割多重の各アンテナに再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S121)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S104)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S105、S122〜S124)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S105)。次に、空きチャネル数×空間分割多重数と再送パケット数を比較し(S122)、両者が異なる場合(空きチャネル数×空間分割多重数≠再送パケット数)には、空間分割多重および空きチャネルのすべてを用いて再送するために、それぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルおよび空間分割多重の各アンテナに再構成した各パケットを割り当てて(並列)再送信する(S123)。一方、空きチャネル数×空間分割多重数と再送パケット数が同数の場合には、再送パケットを再構成せず、各無線チャネルおよび空間分割多重の各アンテナに再送パケットを割り当てて(並列)再送信する(S124)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
また、本実施形態においても、データパケットの再構成は受信側にもそれに応じた処理が要求されて複雑化するので、空きチャネル数×空間分割多重数が再送パケット数に対して多くなった場合に限るようにしてもよい(図5のS122判断分岐のカッコ表記)。
[第4の実施形態]
図6は、本発明の第4の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第3の実施形態のS121、S122〜S124で用いる空間分割多重数について、伝搬係数よりアンテナ相関を求め、予め定めた閾値により1チャネルに重複可能な空間分割多重数を求めるところにある(S125,S126)。その他は第3の実施形態と同様である。また、第2の実施形態のS112で用いる空間分割多重数についても同様に適用できる。
[第5の実施形態]
図7は、本発明の第5の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、複数の無線チャネルを用いて並列送信を行うか空間分割多重方式を用いて並列送信を行うか、送信バッファに到着したデータ数や伝搬環境に応じた空間分割多重数に応じて選択するところにある(S131)。この選択に応じて、空きチャネル数(または空間分割多重数)に対してそれぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S132)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S104)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S105、S133〜S135)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S105)。次に、空きチャネル数(または空間分割多重数)と再送パケット数を比較し(S133)、両者が異なる場合(空きチャネル数≠再送パケット数(または空間分割多重数≠再送パケット数))には、空きチャネル(または空間分割多重の各アンテナ)のすべてを用いて再送するために、それぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に再構成した各パケットを割り当てて(並列)再送信する(S134)。
一方、空きチャネル数(または空間分割多重数)と再送パケット数が同数の場合には、再送パケットを再構成せず、各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に再送パケットを割り当てて(並列)再送信する(S135)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
[第6の実施形態]
図8は、本発明の第6の実施形態のフローチャートを示す。図9は、本発明の第6の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S201,S202)。ここでは、送信データ生起タイミングt1 において無線チャネル#3がビジー状態であり、無線チャネル#1および無線チャネル#2が空き状態として検索される。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルに再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S203)。
図9に示す例では、2チャネルが空き状態に対して、送信するデータフレームが1つの場合であり、図49(1) に示す方法によりデータフレーム1を分割(1a,1 b)して2つのデータパケットを生成し、各無線チャネルに割り当てて並列送信が行われる。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S204)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S205〜S209)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S205)。次に、空きチャネル数と再送パケット数を比較し、空きチャネル数が再送パケット数より大きい場合には、再送パケット数を越える余剰の空きチャネル数に応じて再送パケットをコピーし、再送パケットとコピーパケットを各無線チャネルに割り当てて並列再送信する(S207)。なお、コピーパケットは、再送パケットのペイロード部をコピーして生成した新しいパケットを用いてもよい。コピーパケットが送信される再送パケットについては周波数ダイバーシティの効果が得られる。一方、空きチャネル数が再送パケット数以下の場合には、各無線チャネルに再送パケットを割り当てて(並列)再送信する(S208)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
図9(1) は、無線チャネル#1で送信したデータパケット1aに対するACKパケットが受信されたものの、無線チャネル#2で送信したデータパケット1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数1に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数2であるので、データパケット1bをコピーし(1b,1b′)、無線チャネル#1,#2にそれぞれ割り当て並列再送信する(図8、S207)。
図9(2) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数3であるので、データパケット1a,1bのうち例えばデータパケット1aをコピーし(1a,1b,1a′)、無線チャネル#1,#2,#3にそれぞれ割り当てて並列再送信する(図8、S207)。
図9(3) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数2であるので、データパケット1a,1bを無線チャネル#1,#2にそれぞれ割り当てて並列再送信する(図8、S208)。
図9(4) は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット1a,1bに対するACKパケットが受信されず、データパケット1a,1bについて再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t2 に空きチャネル数1でありデータパケット数に比べて少ないので、まずデータパケット1aを無線チャネル#1に割り当てて再送信する(図8、S208)。次の再送処理開始時t3 では、再送パケット数1に対して空きチャネル数2となるので、データパケット1bをコピーし(1b,1b′)、無線チャネル#1,#3にそれぞれ割り当て並列再送信する(図8、S207)。
ところで、再送処理の際に、空きチャネル数が再送パケット数に対して少なくなった場合には、空きチャネル数に応じて再送パケットを再構成してもよい(図8のS206判断分岐のカッコ表記、S209)。
[第7の実施形態]
図10は、本発明の第7の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第6の実施形態においてデータパケットの再送信の際に空間分割多重方式を利用するところにある。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S201,S202)。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルに再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S203)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S204)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S211〜S215)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S211)。ここでは、空き状態にある1つの無線チャネルが選択される。次に、選択された無線チャネルにおける空間分割多重数と再送パケット数を比較し(S212)、空間分割多重数が再送パケット数より大きい場合に、再送パケット数を越える余剰の空間分割多重数に応じて再送パケットをコピーし、再送パケットとコピーパケットを空間分割多重の各アンテナに割り当てて並列再送信する(S213)。なお、コピーパケットは、再送パケットのペイロード部をコピーして生成した新しいパケットを用いる。コピーパケットが送信される再送パケットについては空間ダイバーシティの効果が得られる。
また、空間分割多重数が再送パケット数と等しい場合(ただし、再送パケット数が2以上の場合)には、再送パケットを空間分割多重の各アンテナに割り当てて並列再送信する(S214)。一方、空間分割多重数が再送パケット数より少ない場合(再送パケット数が1の場合を含む)には、空間分割多重を用いず、空きチャネルを用いて再送パケットを順次再送信する(S215)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。なお、空間分割多重数が再送パケット数より少ない場合に、空間分割多重数に応じて再送パケットを再構成して並列再送信してもよい。
[第8の実施形態]
図11は、本発明の第8の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第6の実施形態においてデータパケットの並列送信および再送信の際に空間分割多重方式を併用するところにある。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S201,S202)。次に、空きチャネル数×空間分割多重数に対して、それぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネルおよび空間分割多重を用いて各パケットを(並列)送信する(S221)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S204)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S205、S222〜S225)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S205)。次に、空きチャネル数×空間分割多重数と再送パケット数を比較し(S222)、空きチャネル数×空間分割多重数が再送パケット数より大きい場合には、再送パケット数を越える余剰の空きチャネル数×空間分割多重数に応じて再送パケットをコピーし、再送パケットとコピーパケットを無線チャネルおよび空間分割多重の各アンテナに割り当てて並列再送信する(S223)。なお、コピーパケットを無線チャネルに割り当てた場合には周波数ダイバーシティの効果が得られ、空間分割多重を用いる場合には空間ダイバーシティの効果が得られる。
一方、空きチャネル数×空間分割多重数が再送パケット数以下の場合には、各無線チャネルおよび空間分割多重を用いて再送パケットを(並列)再送信する(S224)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
また、本実施形態においても、空きチャネル数×空間分割多重数が再送パケット数に対して少なくなった場合には、空きチャネル数×空間分割多重数に応じて再送パケットを再構成してもよい(図11のS222判断分岐のカッコ表記、S225)。
[第9の実施形態]
図12は、本発明の第9の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、第8の実施形態のS221、S222〜S225で用いる空間分割多重数について、伝搬係数よりアンテナ相関を求め、予め定めた閾値により1チャネルに重複可能な空間分割多重数を求めるところにある(S226,S227)。その他は第8の実施形態と同様である。第7の実施形態のS212で用いる空間分割多重数についても同様に適用できる。
[第10の実施形態]
図13は、本発明の第10の実施形態のフローチャートを示す。本実施形態の特徴は、複数の無線チャネルを用いて並列送信を行うか空間分割多重方式を用いて並列送信を行うか、送信バッファに到着したデータ数や伝搬環境に応じた空間分割多重数に応じて選択するところにある(S231)。この選択に応じて、空きチャネル数(または空間分割多重数)に対してそれぞれ同一のパケット長になるように再構成し、各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に再構成した各パケットを割り当てて(並列)送信する(S232)。
次に、並列送信された全パケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S204)、所定時間内にACKパケットが受信されないパケットについては再送処理を行う(S205、S233〜S235)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S205)。次に、空きチャネル数(または空間分割多重数)と再送パケット数を比較し(S233)、空きチャネル数(または空間分割多重数)が再送パケット数より大きい場合には、再送パケット数を越える余剰の空きチャネル数(または余剰の空間分割多重数)に応じて再送パケットをコピーし、再送パケットとコピーパケットを各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に割り当てて(並列)再送信する(S234)。
一方、空きチャネル数(または空間分割多重数)が再送パケット数以下の場合には、再送パケットはコピーせず、各無線チャネル(または空間分割多重の各アンテナ)に再送パケットを割り当てて(並列)再送信する(S235)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
また、本実施形態においても、空きチャネル数(または空間分割多重数)が再送パケット数に対して少なくなった場合には、空きチャネル数(または空間分割多重数)に応じて再送パケットを再構成してもよい(図13のS233判断分岐のカッコ表記、S236)。
[再送パケットおよびコピーパケットの受信処理]
再送パケットとコピーパケットを並列送信する際に、再送パケットとコピーパケットをそれぞれ異なる無線チャネルに割り当てた場合には周波数ダイバーシティの効果が得られる。また、再送パケットとコピーパケットを空間分割多重の各アンテナに割り当てた場合には、空間ダイバーシティの効果が得られる。一方、再送パケットとコピーパケットをダイバーシティ受信する場合には、図14(1) に示す選択ダイバーシティ受信、または図14(2) に示す合成ダイバーシティ受信を用いることができる。
まず、共通する受信動作としては、複数の無線チャネルを用いる周波数ダイバーシティの場合には各無線チャネルごとに受信復調し、空間分割多重の各アンテナに割り当てる空間ダイバーシティの場合には各アンテナごとに受信復調する。選択ダイバーシチ受信では、それぞれ受信処理された各パケットのシーケンス番号が重複しているか否かを確認し、重複したパケットのうち1つのパケットを選択し、残りを廃棄する。そして、選択されたパケットのシーケンス番号に対応する到着確認パケットAckを送信する。一方、合成ダイバーシティ受信では、それぞれ受信処理された各パケットの信号相関をとり、所定の閾値を越えたパケット(再送パケットとコピーパケット)を組み合わせて合成処理する。そして、合成されたパケットのシーケンス番号に対応する到着確認パケットAckを送信する。
なお、到着確認パケットAckは、再送パケットとコピーパケットの双方に対してそれぞれ使用された無線チャネルまたはアンテナを介して送信するか、いずれか一方のパケットに対して使用された無線チャネルまたはアンテナを介して送信する。再送パケットの送信側では、送信したパケットのシーケンス番号を確認し、対応する再送パケットが到着したことを認識して再送処理を終了する。
[第11の実施形態]
図15は、本発明の第11の実施形態のフローチャートを示す。図16は、本発明の第11の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S301,S302)。図16では、送信データ生起タイミングt1 において無線チャネル#3がビジー状態であり、無線チャネル#1および無線チャネル#2が空き状態として検索される。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、例えば図25に示す方法により各無線チャネルごとに同一のパケット長になるように生成し、各無線チャネルに各データパケットを割り当てて(並列)送信する(S303)。
図16に示す例では、2チャネルが空き状態に対して、送信するデータフレームが3つの場合であり、図25(2) に示す方法によりデータフレーム2を2分割(2a,2b)し、それぞれデータフレーム1およびデータフレーム3に結合してデータパケット(1+2a),(2b+3)を生成し、各無線チャネルに割り当てて並列送信が行われる。
次に、並列送信された全データパケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S304)、所定時間内にACKパケットが受信されないデータパケットについては再送処理を行う(S305〜S308)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索し、空きチャネル数と再送パケット数を比較する(S305)。空きチャネル数が再送パケット数以上である場合には、再送処理に利用する空きチャネルを選択し、選択した各空きチャネルに再送パケットを割り当てて(並列)送信する(S306)。
一方、空きチャネル数が再送パケット数より小さい場合には、最初に送信する再送パケットを選択し、その再送パケットに記述される送信抑制時間(占有時 間)として、当該再送パケットおよび残りの再送パケットの送信に要する時間の合計を設定して送信する(S307)。次に、選択した再送パケットの送信が完了すると、当該無線チャネルを用いて後続する再送パケットを連続的に送信する(S308)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
図16は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット(1+2a),(2b+3)に対するACKパケットがAck待機期限t2 までに受信されず、データパケット(1+2a),(2b+3)について再送処理が行われる場合である。ここでは、再送処理開始時t3 に無線チャネル#1のみが空き状態であり、再送パケット数2に対して空きチャネル数1で再送パケット数に比べて少ないので、まず再送パケット(1+2a)を無線チャネル#1に割り当てて送信する(図15:S307)。
このとき、再送パケット(1+2a)は送信抑制時間として、自身の所要送信時間と、再送パケット(2b+c)の送信に要する時間の合計が設定される。この再送パケット(1+2a)によって、無線チャネル#1には次の再送パケット(2b+c)の送信が完了するまでの間のNAVが設定される。これにより、無線チャネル#1は、他の無線局からの送信が抑制され、自局の独占状態になる。したがって、再送パケット(1+2a)の送信が完了すると、無線チャネル#1に介して再送パケット(2b+c)を連続的に送信することができる(図15:S308)。
ここで、NAV(Network Allocation Vector)について簡単に説明する。キャリアセンス方法としては、2種類の方法が用いられており、1つはRSSI(Received Signal Strength Indicator) 等により無線チャネルの受信電力を測定し、他の無線局がその無線チャネルを使用してデータパケットを送信しているか否かを検出する物理的なキャリアセンス方法である。他の1つは、データパケットのヘッダに記述された当該データパケットの送受信で使用する無線チャネルの占有時間を利用し、その占有時間だけ無線チャネルをビジー状態に設定する仮想的なキャリアセンス方法である。
無線局は、NAVと呼ばれる無線チャネルが空き状態になるまでの時間を表すタイマをもっている。NAVが0の場合は無線チャネルが空き状態であることを示し、0でない場合は無線チャネルが仮想的なキャリア検出によりビジー状態であることを示す。他の無線局から送信されたデータパケットを受信したときに、そのデータパケットのヘッダに記述された占有時間を読み取り、その値がNAVの現在値よりも大きい場合にはNAVに当該値を設定する。
このとき、データパケットのヘッダに記述する占有時間としてデータパケットの実際の送信時間を設定すれば、RSSIによる物理的なキャリア検出と、NAVによる仮想的なキャリア検出はともにビジー状態を示し、上記2つの方法によるキャリアセンスはほぼ同じ機能を果たす。一方、データパケットの実際の送信時間より長い占有時間をヘッダに記述すれば、データパケットの受信終了後の時間でも、その無線チャネルは仮想的なキャリア検出によるビジー状態となり、その無線チャネルを用いた送信を抑制できる効果がある。この場合の占有時間は送信抑制時間と言えるものであり、本発明の説明では「送信抑制時間」と表記する。データパケットを送信する無線局は、この2つのキャリアセンスの両方において空き状態となったときのみ、無線チャネルが空き状態であると判定して送信を行う。
[第12の実施形態]
図17および図18は、本発明の第12の実施形態のフローチャートを示す。図17は送信側無線局の処理を示し、図18は受信側無線局の処理を示す。図19は、本発明の第12の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。本実施形態の特徴は、送信側ではなく受信側からNAVが設定されるところにある。
まず、送信側無線局において、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(図17:S301,S302)。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、例えば図25に示す方法により各無線チャネルごとに同一のパケット長になるようにデータパケットを生成し、各無線チャネルに割り当てて(並列)送信する(図17:S303)。
次に、並列送信された全データパケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(図17:S304)、所定時間内にACKパケットが受信されないデータパケットについては再送処理を行う(図17:S306、S311〜S313)。再送処理では、まずキャリアセンスにより空き状態の無線チャネルを検索し、空きチャネル数と再送パケット数を比較する(図17:S305)。空きチャネル数が再送パケット数以上である場合には、再送処理に利用する空きチャネルを選択し、選択した各空きチャネルに再送パケットを割り当てて(並列)送信する(図17:S306)。一方、空きチャネル数が再送パケット数より小さい場合には、最初に送信する再送パケットを選択し、その再送パケットに後続する再送パケットがあることを示す情報を付加して送信する(図17:S311)。
受信側無線局は、データパケットを受信すると、当該データパケットに後続するデータパケット(再送パケット)があることを示す情報が付加されているか否かを判断する(図18:S321,S322)。後続するデータパケットがない場合には、通常のACKパケットを返送する(図18:S323)。一方、後続するデータパケットがある場合には、通常のACKパケットに記述する送信抑制時間として、送信側無線局から通知された後続の再送パケットの送信に要する時間を設定して返送する(図18:S324)。この送信抑制時間が記述されたACKパケットを受信した無線局は、当該無線チャネルのNAVに送信抑制時間を設定し、送信を抑制する。
送信側無線局は、先に送信したデータパケットの返信として、送信抑制時間が設定されたACKパケットを受信した場合には、他の無線局と同様にその送信抑制時間をNAVに設定するが、それを無視して(キャリアセンスせずに)当該無線チャネルを用いて後続する再送パケットを連続的に送信する(図17:S312,S313)。また、送信抑制時間が設定されたACKパケットの受信に対してNAVの設定自体を行わないようにしてもよい。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。
図19は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット(1+2a),(2b+3)に対するACKパケットがAck待機期限t2 までに受信されず、データパケット(1+2a),(2b+3)について再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t3 に空きチャネル数1であり、再送パケット数に比べて少ないので、まず再送パケット(1+2a)を無線チャネル#1に割り当てて送信する。このとき、再送パケット(1+2a)には、後続する再送パケットがあることを示す情報が付加される(図17:S311)。
その後、この再送パケット(1+2a)に対するACKパケットに設定された送信抑制時間によって、無線チャネル#1には次の再送パケット(2b+3)の送信が完了するまでの間のNAVが設定され、無線チャネル#1を用いた送信が抑制される。ただし、再送パケット(1+2a)を送信した無線局では、ACKパケットによって無線チャネル#1に設定されたNAVを無視し、無線チャネル#1を用いて後続する再送パケット(2b+3)を連続的に送信する(図17:S312,S313)。これにより、再送パケット(1+2a),(2b+3)を連続的に送信することができる。
[第13の実施形態]
第11の実施形態は、複数の再送パケットを連続送信する送信側無線局からNAVを設定するものであり、第12の実施形態は、複数の再送パケットを連続送信する送信側無線局からの要請に基づいて受信側無線局からNAVを設定するものである。このようなNAV設定により、無線チャネル#1は独占状態になって複数の再送パケットの連続送信が可能になる。しかし、NAV設定が行われる無線局は、送信側無線局から最初の再送パケットを受信できる無線局に限られ、あるいは受信側無線局からACKパケットを受信できる無線局に限られる。すなわち、送信側無線局および受信側無線局のそれぞれ周辺にある無線局に限られる。そこで、このNAV設定を行う無線局の範囲を広げるために、第11の実施形態と第12の実施形態を合わせたものを第13の実施形態とする。
図20は、本発明の第13の実施形態のフローチャートを示す。図21は、本発明の第13の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。第11の実施形態および第12の実施形態と共通しているS301〜S304の説明は省略する。
再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索し、空きチャネル数と再送パケット数を比較する(S305)。ここで、空きチャネル数が再送パケット数より小さい場合には、最初に送信する再送パケットを選択し、その再送パケットに記述される送信抑制時間(占有時間)として、当該再送パケットおよび残りの再送パケットの送信に要する時間の合計を設定し、さらに後続する再送パケットがあることを示す情報を付加して送信する(S314)。
受信側無線局の機能およびそれによるNAV設定の手順は第12の実施形態と同様であり、ACKパケットを受信した無線局は、当該無線チャネルのNAVに送信抑制時間を設定し、送信を抑制する。その後、当該無線チャネルを用いて後続する再送パケットが連続的に送信される。なお、再送パケットに設定する送信抑制時間により、受信側無線局に後続する再送パケットがあることを通知することも可能である。その場合の受信側無線局は、通知された送信抑制時間から最初の再送パケットの送信時間を引いた時間(後続する再送パケットの送信に要する時間)を送信抑制時間として設定したACKパケットを送信すればよい。
図21は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット(1+2a),(2b+3)に対するACKパケットがAck待機期限t2 までに受信されず、データパケット(1+2a),(2b+3)について再送処理が行われる場合である。ここでは、再送パケット数2に対して再送処理開始時t3 に空きチャネル数1であり、再送パケット数に比べて少ないので、まず再送パケット(1+2a)を無線チャネル#1に割り当てて送信する。このとき、再送パケット(1+2a)には送信抑制時間として、自身の所要送信時間と、再送パケット(2b+3)の送信に要する時間の合計が設定される(図20:S314)。
その後、この再送パケット(1+2a)に対するACKパケットに設定された送信抑制時間によって、無線チャネル#1には次の再送パケット(2b+3)の送信が完了するまでの間のNAVが設定され、無線チャネル#1を用いた送信が抑制される。ただし、再送パケット(1+2a)を送信した無線局では、ACKパケットによって無線チャネル#1に設定されたNAVを無視し、無線チャネル#1を用いて後続する再送パケット(2b+3)を連続的に送信する(図20:S312,S313)。これにより、再送パケット(1+2a),(2b+3)を連続的に送信することができる。
[第14の実施形態]
図22は、本発明の第14の実施形態のフローチャートを示す。図23は、本発明の第14の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意されているものとする。本実施形態の特徴は、複数の再送パケットを複数の送信タイミングに分けて送信する場合に、予めNAVを設定するための制御パケットを交換するところにある。
まず、送信バッファにデータが到着すると、キャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索する(S301,S302)。次に、空きチャネル数と送信待ちのデータパケット数に応じて、例えば図25に示す方法により各無線チャネルごとに同一のパケット長になるようにデータパケットを生成し、各無線チャネルに各データパケットを割り当てて(並列)送信する(S303)。
次に、並列送信された全データパケットについて、送信してから所定時間内にそれぞれACKパケットが受信されるか否かを確認し(S304)、所定時間内にACKパケットが受信されないデータパケットについては再送処理を行う(S306、S331〜S333)。再送処理では、まずキャリアセンスによって空き状態の無線チャネルを検索し、空きチャネル数と再送パケット数を比較する(S305)。空きチャネル数が再送パケット数以上である場合には、再送処理に利用する空きチャネルを選択し、選択した各空きチャネルに再送パケットを割り当てて(並列)送信する(S306)。
一方、空きチャネル数が再送パケット数より小さい場合には、現在の空きチャネルを使用して複数の再送パケットの送信に要する時間を送信抑制時間として設定した制御パケットを送信する(S331)。その後、当該制御パケットに対する受信側無線局の応答パケットにその送信抑制時間を設定して送信する。制御パケットを送信した無線局が応答パケットを受信したときの処理は、第12および第13の実施形態と同様であり、最初に送信する再送パケットを選択して送信し、さらに当該無線チャネルを用いて後続する再送パケットを連続的に送信する(S332,S333)。以下、全パケットについてACKパケットが受信されるまで以上の再送処理を繰り返す。なお、応答パケットに送信抑制時間を設定する処理は任意としてもよい。
図23は、無線チャネル#1,#2で送信したデータパケット(1+2a),(2b+3)に対するACKパケットがAck待機期限t2 までに受信されず、データパケット(1+2a),(2b+3)について再送処理が行われる場合である。ここでは、再送処理開始時t3 に無線チャネル#1のみが空き状態であり、再送パケット数2に対して空きチャネル数1で再送パケット数に比べて少ないので、まず無線チャネル#1を用いてNAVを設定するための制御パケットを送信する(図22:S331)。この制御パケットには、すべての再送パケット(1+2a),(2b+3)の送信に要する時間が送信抑制時間として設定される。また、制御パケットに対する応答パケットにも同等の送信抑制時間を設定する。この制御パケットおよび応答パケットによって、無線チャネル#1には再送パケット(1+2a),(2b+3)の送信が完了するまでの間のNAVが設定され、無線チャネル#1が独占状態になる。これにより、再送パケット(1+2a)の送信が完了すると、無線チャネル#1に介して連続的に再送パケット(2b+3)を送信することができる(図22:S333)。
以上示した実施形態において、ACKパケットによる送達確認は、送信側からNACK要求パケットを送信し、受信側からNACKパケットを応答するようにしてもよい。
[第15の実施形態]
以下に示す実施形態は、初回送信時と再送処理時の空きチャネル数に変化がない場合(前記再送時の課題2)に対応するものである。
図24は、本発明の第15の実施形態のフローチャートを示す。図25は、第15の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意され、キャリアセンスによって得られる送信タイミングt1 ,t2 ,t3 で並列送信可能なデータパケット数3が変わらないものとする。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、データフレームから並列送信可能な数に応じたデータパケットを生成する(S401, S402)。図25に示す送信タイミングt1 では、データフレームF1からデータパケットP1,P2,P3が生成される。各データパケットのパケット長は揃っている。データパケットの生成に用いるデータフレームの数は任意であり、例えば図49(2),(3) に示すように3つのデータフレームから2つのデータパケットが生成されてもよい。次に、送信するデータパケットの全シーケンス番号を取得する(S403)。なお、P1〜P3は、それぞれ各データパケットのシーケンス番号に対応しているものとする。
次に、生成されたデータパケットP1〜P3を並列送信する(S404)。その後、受信側からのACKパケットにより、全データパケットの送信の成否を確認する(S405, S406)。図25に示す例では、並列送信された各データパケットの送信の成否情報を1つのACKパケットに記述し、1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて送信する。このような拡張型のACKパケットは、例えばIEEE802.11TGe などで検討されているGroupACK手順を利用したものである。
このACKパケットにより、データパケットP1,P3の送信成功とデータパケットP2の送信失敗を確認する。そして、キャリアセンスによって得られた次の送信タイミングt2で、直前に送信したデータパケットP1〜P3の中で、送信に失敗したデータパケット(ここではP2)のみを再送する(S406, S407)。また、データパケットP1〜P3の並列送信後に所定時間経過してもACKパケットが受信されない場合には、全データパケットの送信失敗を確認し、データパケットP1〜P3の再送を行う(S405, S408) 。次に、再送したデータパケットの全シーケンス番号を取得する(S409)。
その後、受信側からのACKパケットにより、並列送信した全データパケットの送信の成否を確認する(S405, S406)。このACKパケットによってデータパケットP2の送信成功を確認すると、並列送信した全データパケットP1〜P3の送信成功が確認されたことになり、ステップS401に戻って次のデータパケットの生成および送信処理に入る。図25では、データフレームF2からデータパケットP4,P5,P6が生成され、送信タイミングt3 で並列送信される。一方、受信側では、データパケットP1,P2,P3が揃うことによりデータフレームF1を復元する。
[第16の実施形態]
図26は、本発明の第16の実施形態のフローチャートを示す。図27は、第16の実施形態の動作例を示す。
本実施形態の特徴は、第15の実施形態において、送信側の無線局Aから受信側の無線局B宛てにデータパケットを送信した後に、無線局Aから無線局B宛てにNACK要求パケットを送信し、無線局Bから送信されるNACKパケットを受信するところにある。このNACK要求パケットには、無線局Aから無線局B宛てに送信したデータパケットの情報が含まれる。無線局Bは、データパケットが正常に受信された場合にはNACK要求パケットに対してNACKパケットを返信せず、データパケットが正常に受信されなかった場合にそのデータパケットの情報を含むNACKパケットを返信する。したがって、無線局Aでは、NACK要求パケットの送信後に無線局BからNACKパケットが到着しない場合には、先に送信したデータパケットは送信成功したものと判断する。一方、NACKパケットを受信した場合には、それに記述されたデータパケットが送信失敗したものと判断する。その他のデータパケットの再送処理は第1の実施形態と同様である。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、データフレームから並列送信可能な数に応じたデータパケットを生成する(S401, S402)。図27に示す送信タイミングt1 では、データフレームF1からデータパケットP1,P2,P3が生成される。次に、送信するデータパケットの全シーケンス番号を取得し(S403)、データパケットP1〜P3を並列送信する(S404)。次に、並列送信した複数のデータパケットの受信成否を求めるNACK要求パケットをデータパケットの宛先に送信する(S411)。
その後、受信側からのNACKパケットにより、全データパケットの送信の成否を確認する(S412)。なお、図27に示す例では、NACK要求パケットおよびそれに対応するNACKパケットは、1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて送受信され、送信失敗となった無線チャネルのデータパケットの情報がそのNACKパケットに一括記述される例を示す。このような拡張型のNACK要求パケットおよびNACKパケットは、例えばIEEE802.11TGe などで検討されているGroupACK手順を利用したものである。
このNACKパケットによってデータパケットP2の送信失敗を確認する。そして、キャリアセンスによって得られた次の送信タイミングt2で、送信に失敗したデータパケット(ここではP2)のみを再送する(S412,S407)。次に、再送したデータパケットの全シーケンス番号を取得し(S409)、NACK要求パケットをデータパケットの宛先に送信する(S411)。
その後、受信側からのNACKパケットにより、全データパケットの送信の成否を確認するが(S412)、図27に示す例では受信側からのNACKパケットが入力されず、データパケットP2の再送成功を確認する。これにより、並列送信した全データパケットP1〜P3の送信成功が確認されたことになり、ステップS401に戻って次のデータパケットの生成および送信処理に入る。図27では、データフレームF2からデータパケットP4,P5,P6が生成され、送信タイミングt3 で並列送信される。一方、受信側では、データパケットP1,P2,P3が揃うことによりデータフレームF1を復元する。
[第17の実施形態]
図28は、本発明の第17の実施形態のフローチャートを示す。図29は、第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例1を示す。図30は、第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例1の動作例を示す。
本実施形態の特徴は、送信バッファに蓄積されたデータフレームから、並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットを生成し、並列送信可能な数単位で連続的に並列送信するところにある。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、データフレームから並列送信可能な数に応じたデータパケットを生成する(S401, S402)。ここでは、図29に示すように、2つのデータフレームF1,F2をそれぞれ分割し、それぞれ同一の伝送所要時間TAの3つのデータパケットP1,P2,P3およびデータパケットP4,P5,P6が生成される。次に、送信するデータパケットの全シーケンス番号を取得し(S403)、データパケットP1〜P3およびデータパケットP4〜P6を連続的に並列送信し(S421)、肯定応答要求パケットをデータパケットの宛先に送信する(S422)。なお、データパケットの連続送信は、例えばIEEE802.11TGe などで検討されているGroupACK手順を利用して行うことができる。
その後、受信側からのACKパケットにより、全データパケットの送信の成否を確認する(S423, S424)。図30に示す例では、肯定応答要求パケットおよびそれに対応するACKパケットは1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて送受信され、各データパケットの送信の成否情報はそのACKパケットに記述される例を示す。このような拡張型のACK要求パケットおよびACKパケットは、例えばIEEE802.11TGe などで検討されているGroupACK手順を利用したものである。
このACKパケットにより、データパケットP1,P3,P4の送信成功とデータパケットP2,P5,P6の送信失敗を確認する。そして、キャリアセンスによって得られた次の送信タイミングt2で、直前に送信したデータパケットP1〜P6の中で、送信に失敗したデータパケット(ここではP2,P5,P6)のみの再送処理に入る(S425〜S431)。
まず、送信に失敗したデータパケットの伝送所要時間が揃っているか否かを識別し、揃っていない場合には、伝送所要時間の短いデータパケットに対してダミービットを付加し、並列再送する複数のデータパケットの伝送所要時間を揃える(S425, S426)。なお、本実施形態では、データフレームF1,F2から生成されたデータパケットP1〜P3およびデータパケットP4〜P6の伝送所要時間は揃っているので、送信に失敗したデータパケットP2,P5,P6の伝送所要時間も揃っており、並列再送時にダミービットを付加する必要はない。
次に、送信に失敗したデータパケットの数Xngと、並列送信可能な数K・L(K:空間分割多重数、L:空き無線チャネル数)とを比較し、連続的な再送が必要か否かを判断する(S427)。Xng≦K・Lの場合には1回で再送(Xng=1の場合)または並列再送(Xng>1の場合)を行い(S428)、Xng>K・Lの場合には連続的な並列再送を行う(S429)。図29および図30に示す例では、並列送信可能な数3に対して、送信に失敗したデータパケットの数も3であるので、1回の処理で並列再送される。
また、データパケットP1〜P6の連続/並列送信後に所定時間経過してもACKパケットが受信されない場合には、全データパケットの送信失敗を確認し、データパケットP1〜P6の連続/並列再送を行う(S423, S430) 。次に、再送したデータパケットの全シーケンス番号を取得し(S431)、肯定応答要求パケットをデータパケットの宛先に送信する(S422)。
その後、受信側からのACKパケットにより、並列送信した全データパケットの送信の成否を確認する(S423, S424)。このACKパケットによってデータパケットP2,P5,P6の送信成功を確認すると、連続的に並列送信したデータパケットP1〜P3およびデータパケットP4〜P6の送信成功が確認されたことになり、ステップS401に戻って次のデータパケットの生成および送信処理に入る。図30では、データフレームF3からデータパケットP7,P8,P9が生成され、送信タイミングt3 で並列送信される。一方、受信側では、データパケットP1〜P3およびデータパケットP4〜P6が揃うことによりデータフレームF1,F2を復元する。
なお、本実施形態では、データフレームF2が先に復元され、データフレームF1の復元が後になる場合があるが、1度に生成されたデータパケットP1〜P3およびデータパケットP4〜P6を単位として送信および再送処理を行っているので、次の機会に生成されるデータパケットP7以降が先に送受信され、データフレームF3が先に復元されるようなことはない。すなわち、データフレームの復元順序が大きく入れ替わるようなことなく、1度に扱うデータフレーム数あるいはデータパケット数に応じて受信バッファサイズを決めればよく、比較的小さなもので対応することができる。
図31は、第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例2を示す。図32は、第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例2の動作例を示す。
ここでは、図31に示すように、データフレームF1を分割し、同一の伝送所要時間TAの3つのデータパケットP1,P2,P3が生成され、さらにデータフレームF2を分割し、同一の伝送所要時間TBの3つのデータパケットP4,P5,P6が生成される。ただし、データフレームF1,F2のフレームサイズが異なるために、並列送信可能な数単位で生成されるデータパケットの伝送処理時間TAとTBが異なる(TA>TB)。すなわち、並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットが生成されるものの、連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が並列送信可能な数単位ごとに異なる場合である。
このように、1度に生成されたデータパケットP1〜P3とデータパケットP4〜P6の伝送所要時間が異なる場合には、送信に失敗したデータパケットP2とデータパケットP5,P6の伝送所要時間も異なることになり、並列再送時に伝送所要時間の短いデータパケットP5,P6にダミービットを付加し、データパケットP2と伝送所要時間を揃える必要がある(S425, S426)。
[第18の実施形態]
図33は、本発明の第18の実施形態のフローチャートを示す。図34は、第18の実施形態の動作例を示す。
本実施形態の特徴は、第17の実施形態において、送信側の無線局Aから受信側の無線局B宛てにデータパケットを送信した後に、無線局Aから無線局B宛てにNACK要求パケットを送信し、無線局Bから送信されるNACKパケットを受信するところにある。このNACK要求パケットには、無線局Aから無線局B宛てに送信したデータパケットの情報が含まれる。無線局Bは、データパケットが正常に受信された場合にはNACK要求パケットに対してNACKパケットを返信せず、データパケットが正常に受信されなかった場合にそのデータパケットの情報を含むNACKパケットを返信する。したがって、無線局Aでは、NACK要求パケットの送信後に無線局BからNACKパケットが到着しない場合には、先に送信したデータパケットは送信成功したものと判断する。一方、NACKパケットを受信した場合には、それに記述されたデータパケットが送信失敗したものと判断する。その他のデータパケットの再送処理は第17の実施形態と同様である。
なお、図34に示す動作例は、図29および図30に示す複数のデータパケットの生成/送信/再送例1に対応するものであるが、図31および図32に示す複数のデータパケットの生成/送信/再送例2においても同様である。
[第19の実施形態,第20の実施形態]
図35は、本発明の第19の実施形態の動作例を示す。図36は、本発明の第20の実施形態の動作例を示す。
第15の実施形態〜第18の実施形態では、データフレームF1から生成されたデータパケットP1〜P3のうち、データパケットP1,P3が送信成功となり、データパケットP2が送信失敗によって再送される状況を示している。この場合には、先に到着したデータパケットP1,P3と後から到着したデータパケットP2を正しい順番に並べ替えてからデータフレームF1の復元が行われる。
第19の実施形態は、第15の実施形態および第16の実施形態において、受信側で並べ替えを伴うデータフレームの復元処理を単純化するために、図24および図26のステップS407の処理について、送信に失敗したデータパケットの中で最も若番のデータパケット以降のデータパケット(ここではP2,P3)を再送するように変更する。これにより、容易にデータフレームF1を復元することができる。
第20の実施形態は、第17の実施形態および第18の実施形態において、受信側で並べ替えを伴うデータフレームの復元処理を単純化するために、図28および図33のステップS428, S429の処理について、送信に失敗したデータパケットの中で最も若番のデータパケット以降のデータパケット(ここではP2,P3,P4,P5,P6)を再送するように変更する。これに伴って、ステップS425, S426のデータパケット間の伝送所要時間を揃える操作は行わない。
すなわち、図31に示すように、データパケットP1〜P3とデータパケットP4〜P6の伝送所要時間が異なる場合には、再送するデータパケットP2〜P3とデータパケットP4〜P6の伝送所要時間も異なる。したがって、データパケット間の伝送所要時間を揃える操作は行わず、データパケットP2〜P3とデータパケットP4〜P6を連続的に並列送信する。これにより、容易にデータフレームF1,F2を復元することができる。
[データパケットの構成]
図37は、データパケットの構成を示す。データパケットは、パケット種別情報、宛先無線局の識別情報(ID)、送信元無線局の識別情報(ID)、並列送信される複数のデータパケットをそれぞれ区別するために付与されたシーケンスナンバー、並列送信される複数のデータパケットのシーケンスナンバーの中で最も若番のシーケンスナンバー、データ部、FCS部から構成される。
[拡張型のACKパケットの構成]
図38は、拡張型のACKパケットの構成を示す。拡張型のACKパケットは、図25などに示すように並列送信された各データパケットの送信の成否情報を一括して送信するためのものであり、図27などに示す拡張型のNACKパケットについても同様である。
例(1) のACKパケットは、パケット種別情報、宛先無線局(データパケット送信元無線局)の識別情報(ID)、受信成功したデータパケットのシーケンスナンバー、FCS部から構成される。例(2) のACKパケットは、受信成功したデータパケットのシーケンスナンバーを記述する代わりに、ビットマップが用意され、データパケットのシーケンスナンバーに対応するビットを受信成否に応じた値にすることでパケット受信成功を表現する。なお、ビットマップの先頭ビットは、並列送信された複数データパケットの中で最も若いシーケンスナンバーを有するデータパケットに対応する。
[拡張型のACK要求パケットの構成]
図39は、拡張型のACK要求パケットの構成を示す。拡張型のACK要求パケットは、図30などに示すように並列送信した複数のデータパケットの受信成否を求める情報を一括して送信するためのものであり、図27などに示す拡張型のNACK要求パケットについても同様である。
例(1) のACK要求パケットは、パケット種別情報、宛先無線局(データパケット宛先無線局)の識別情報(ID)、送信元無線局(データパケット送信元無線局)の識別情報(ID)、並列送信した全てのデータパケットのシーケンスナンバー、FCS部から構成される。例(2) のACK要求パケットは、並列送信した全てのデータパケットのシーケンスナンバーを記述する代わりに、並列送信したデータパケットのシーケンスナンバーの中で最も若いシーケンスナンバーと、並列送信したデータパケットの個数を記述する。
[第21の実施形態]
図40は、本発明の第21の実施形態のフローチャートを示す。図41は、本発明の第21の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意され、キャリアセンスによって得られる送信タイミングt1 ,t2 ,t3 ,t4 で並列送信可能なデータパケット数p(=3)が変わらないものとする。また、データフレームからデータパケットを生成する際に、p個以下のデータパケットで構成されるパケットセットを単位とし、1回に生成されるパケットセットの数をMとし、データパケットのシーケンス番号とは別にパケットセットのシーケンス番号をNとする。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、p個以下のデータパケットで構成されるM組のパケットセットを生成する(S501〜S503)。図41に示す送信タイミングt1 では、データフレームF1,F2から第1のパケットセットとしてデータパケットP1,P2,P3が生成され、データフレームF3,F4から第2のパケットセットとしてデータパケットP4,P5,P6が生成され、合計2組(M=2)のパケットセットが生成される。各データパケットのパケット長は揃っている。なお、パケットセット単位にデータパケットが生成されればよく、対応するデータフレームの数は任意である。
送信タイミングt1 では、1組目(N=1)のパケットセット(データパケットP1〜P3)を並列送信する(S504)。その後、受信側からのACKパケットにより、1組目のパケットセットの全データパケットの送信の成否を確認する(S505,S506)。なお、図41に示す例では、各データパケットの送信の成否情報を1つのACKパケットに記述し、1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて返送される。
このACKパケットによってデータパケットP2の送信失敗を確認すると、1組目(N組目)のパケットセットの未送信データパケットの個数h(ここでは1)を取得する(S506,S510,S511)。なお、「未送信データパケット」は、送信失敗により送信が完了していないデータパケットおよび送信待ちのデータパケットの両方を指すものとする。また、S510のフラグaの意味については後述する。そして、同時に生成されたパケットセットの数Mが2組以上の場合には、2組目(N+1組目)以降のパケットセットに未送信データパケットがあるか否かを判断し(S512,S513)、未送信データパケットがあれば、1組目のパケットセットのh個の未送信データパケット(送信失敗のデータパケットP2)と、2組目以降のパケットセットから(p−h)個以下の未送信データパケット(P4,P5)を選択し、次の送信タイミングt2 において並列送信する(S514)。なお、データパケットP2とデータパケットP4,P5は、生成タイミングが同じであるのでパケット長も等しく、並列送信に支障はない。
その後、受信側からのACKパケットにより、1組目(N組目)のパケットセットの全データパケットの送信の成否を確認する(S516,S506)。このACKパケットによってデータパケットP2の送信成功を確認すると、1組目(N組目)のパケットセット(P1〜P3)の送信成功が確認されたことになる。そして、すべてのパケットセットの送信成功が確認されるまで、パケットセットのシーケンス番号Nをインクリメントし(S506,S507,S508)、2組目(N+1組目)のパケットセットの処理に移行する。受信側では、データパケットP1,P2,P3が揃うことによりデータフレームF1,F2を復元する。
ここで、全データパケットの送信成功となった1組目(N組目)のパケットセットについて、同時に送信成功となったか、再送および他のパケットセットのデータパケットとの並列送信によって送信成功になったかについて、フラグaを用いた判断を行う(S509,S510)。すなわち、1組目(N組目)のパケットセットのデータパケットが同時に送信成功の場合には、a=0のままであるので、そのまま2組目(N+1組目)のパケットセットの並列送信に入る(S509,S504)。一方、1組目(N組目)のパケットセットの一部のデータパケットが再送になる場合には、S510でa=1となり、2組目(N+1組目)以降のパケットセットの未送信データパケットと合わせて並列送信される。その後、1組目(N組目)のパケットセットの全データパケットの送信成功となった場合には、すでに2組目(N+1組目)のパケットセットの一部または全部のデータパケットが送信されている。そこで、S509からS506に戻り、2組目(N+1組目)のパケットセットの全データパケットが送信成否を判断し、まだ未送信データパケットがあれば3組目(N+2組目)以降のパケットセットのデータパケットを組み入れながら同様の処理を繰り返す。
図41に示す例では、送信タイミングt2 でデータパケットP2とデータパケットP4,P5を並列送信した後に、データパケットP2の送信成功により1組目のパケットセットの送信が完了する。一方、データパケットP4が送信失敗しているので、2組目のパケットセットについてS506からS511に移行し、2組目のパケットセットの未送信データパケットの個数h(ここでは2個)を計算する。また、パケットセットの生成数Mは2であり、3組目以降のパケットセットはないので、2組目のパケットセットの2個の未送信データパケット(P4,P6)を選択し、次の送信タイミングt3 において並列送信する(S513,S515)。なお、同時に生成されたパケットセットが1組(M=1)の場合には、S512からS515の処理になる。また、送信タイミングt3 では、送信バッファにデータフレームF5,F6,F7が到着しているが、最初に生成した2組のパケットセットの送信が完了するまでデータパケットの生成は行われない。
その後、受信側からのACKパケットにより、2組目のパケットセットの全データパケットの送信成功を確認すると、最初に生成された全パケットセットの送信成功が確認されたことになり(N=M)、S507からS501に戻る。これにより、送信タイミングt4 では、新たにデータフレームF5,F6,F7から1組(M=1)のパケットセットとしてデータパケットP1,P2,P3が生成される。なお、送信タイミングt1で生成されたデータパケットP1〜P6と、送信タイミングt4 で生成されたデータパケットP1〜P3は、互いに独立であり一般的にパケット長が異なる。
また、S505,S516の処理でACKパケットを受信できない場合には、前回に送信したすべてのデータパケットを再送することになるので、それぞれS504またはS512以降の処理に戻る。
[第22の実施形態]
図42は、本発明の第22の実施形態のフローチャートを示す。図43は、本発明の第22の実施形態の動作例を示す。
本実施形態の特徴は、送信側の無線局Aから受信側の無線局B宛てにデータパケットを送信した後に、無線局Aから無線局B宛てに否定応答要求パケットを送信し、無線局Bから送信される否定応答パケットを受信するところにある。無線局Bは、データパケットが正常に受信された場合には否定応答要求パケットに対して否定応答パケットを返信せず、データパケットが正常に受信されなかった場合にそれを示す否定応答パケットを返信する。したがって、無線局Aでは、否定応答要求パケットの送信後に無線局Bから否定応答パケットが到着しない場合には、先に送信したデータパケットは送信成功したものと判断する。一方、否定応答パケットを受信した場合には、それに記述されたデータパケットが送信失敗したものと判断する。その他のデータパケットの再送処理は第21の実施形態と同様である。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、p個以下のデータパケットで構成されるM組のパケットセットを生成する(S501〜S503)。図43に示す送信タイミングt1 では、データフレームF1,F2から第1のパケットセットとしてデータパケットP1,P2,P3が生成され、データフレームF3,F4から第2のパケットセットとしてデータパケットP4,P5,P6が生成され、合計2組(M=2)のパケットセットが生成される。
送信タイミングt1 では、1組目(N=1)のパケットセット(データパケットP1〜P3)を並列送信し(S504)、否定応答要求パケットを送信する(S521)。その後、受信側からの否定応答パケットNACKにより、1組目のパケットセットの送信の成否を確認する(S522)。なお、図43に示す例では、否定応答要求パケットおよびそれに対応する否定応答パケットNACKは、1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて送受信され、送信失敗となったデータパケットの情報はその否定応答パケットNACKに記述される例を示す。
この否定応答パケットNACKによってデータパケットP2の送信失敗を確認すると、1組目(N組目)のパケットセットの未送信データパケットの個数h(ここでは1)を取得する(S511)。そして、同時に生成されたパケットセットの数Mが2組以上の場合には、2組目(N+1組目)以降のパケットセットに未送信データパケットがあるか否かを判断し(S512,S513)、未送信データパケットがあれば、1組目のパケットセットの1個の未送信データパケット(送信失敗のデータパケットP2)と、2組目のパケットセットから(p−h)個以下の未送信データパケット(P4,P5)を選択し、次の送信タイミングt2 において並列送信し(S514)、否定応答要求パケットを送信する(S521)。
ここでは、1組目(N組目)のパケットセットの一部のデータパケットが再送され、2組目(N+1組目)以降のパケットセットの未送信データパケットの一部または全部も合わせて並列送信されている。S522で否定応答パケットNACKが受信されない場合には、これらのデータパケットがすべて送信成功したことになり、1組目(N組目)のパケットセット(P1〜P3)の送信成功が確認されたことになる。一方、2組目(N+1組目)以降のパケットセットについては、すべてのパケットセットの送信成功が確認されるまで、パケットセットのシーケンス番号Nをインクリメントしていく(S522,S507,S508,S523)。S523において、2組目(N+1組目)のパケットセットの全データパケットが送信成否を判断し、まだ未送信データパケットがあれば3組目(N+2組目)以降のパケットセットのデータパケットを組み入れながら同様の処理を繰り返す。
図43に示す例では、送信タイミングt2 でデータパケットP2とデータパケットP4,P5を並列送信した後に、データパケットP2の送信成功により1組目のパケットセットの送信が完了する。一方、データパケットP4が送信失敗しているので、2組目のパケットセットについてS523からS511に移行し、2組目のパケットセットの未送信データパケットの個数h(ここでは2個)を計算する。また、パケットセットの生成数Mは2であり、3組目以降のパケットセットはないので、2組目のパケットセットの2個の未送信データパケット(P4,P6)を選択し、次の送信タイミングt3 において並列送信する(S513,S515)。なお、同時に生成されたパケットセットが1組(M=1)の場合には、S512からS515の処理になる。また、送信タイミングt3 では、送信バッファにデータフレームF5,F6,F7が到着しているが、最初に生成した2組のパケットセットの送信が完了するまでデータパケットの生成は行われない。
その後、受信側からの否定応答パケットNACKが入力されず、2組目のパケットセットの全データパケットの送信成功を確認すると、最初に生成された全パケットセットの送信成功が確認されたことになり(N=M)、S507からS501に戻る。これにより、送信タイミングt4 では、新たにデータフレームF5,F6,F7から1組(M=1)のパケットセットとしてデータパケットP1,P2,P3が生成される。
[第23の実施形態]
第23の実施形態は、第21の実施形態および第22の実施形態のデータフレームからパケットセットを生成するステップS503において、一度に生成可能なパケットセットの数Mに上限値を設定し、上限値を越えるパケットセットの生成をやめる。そして、パケットセットの生成に用いられなかったデータフレームは、次のパケットセットの生成機会まで先送りする。
また、第21の実施形態および第22の実施形態のデータフレームからパケットセットを生成するステップS503において、M組のパケットセットの生成に用いるデータフレームの数Fが上限値を越える場合には、上限値を越えるデータフレームからパケットセットの生成をやめる。そして、パケットセットの生成に用いられなかったデータフレームを次のパケットセットの生成機会まで先送りする。
[第24の実施形態]
図44は、本発明の第24の実施形態のフローチャートを示す。図45は、本発明の第24の実施形態の動作例を示す。ここでは、無線チャネル#1,#2,#3が用意され、キャリアセンスによって得られる送信タイミングt1 ,t2 ,t3 ,t4 ,t5で並列送信可能なデータパケット数p(=3)が変わらないものとする。また、データフレームから1回に生成されるD個(D1個、D2個、…)のデータパケットをデータパケット群とし、データパケット群を構成するデータパケットの累積数をRとする。ただし、本実施形態の累積数Rは任意であり、直接制御には関与しない。また、データパケット群を構成するデータパケットに生成順にシーケンス番号が付与され、生成順に送信処理が行われる。
送信側では、送信バッファにデータフレームが到着すると、伝送所要時間Tのデータパケットを生成し、生成されるD1個のデータパケットをデータパケット群とする(S531〜S533)。図45に示す送信タイミングt1 では、データフレームF1,F2からデータパケットP1,P2,P3が生成され、データフレームF3,F4からデータパケットP4,P5,P6が生成され、合計6個(R=6)のデータパケット群が生成される。各データパケットの伝送所要時間はTである。なお、データパケット群の生成に用いるデータフレームの数は任意である。
送信タイミングt1 では、データパケット群の中から生成順に最大p個のデータパケット(P1〜P3)を並列送信する(S534)。その後、受信側からのACKパケットにより、各データパケットの送信の成否を確認する(S535,S536)。なお、図45に示す例では、各データパケットの送信の成否情報を1つのACKパケットに記述し、1つの無線チャネル(ここでは#1)を用いて返送される。
このACKパケットによってデータパケットP2の送信失敗を確認すると、送信失敗した未送信データパケットと、データパケット群の残りの未送信データパケットの合計の個数w(ここでは4個)を取得する(S536,S537)。一方、送信失敗がなければ、データパケット群の残りの未送信データパケットの個数wのみを取得する(S536,S538)。この個数wと並列送信可能数pを比較し、w≧pであれば、データパケット群の中から生成順に最大p個の未送信データパケットを並列送信する(S539,S534)。図45に示す例では、送信失敗のデータパケットP2と未送信データパケットP4,P5が次の送信タイミングt2 で並列送信される。
その後、受信側からのACKパケットにより、各データパケットの送信の成否を確認する(S535,S536)。ここで、データパケット群の未送信データパケットの個数wが並列送信可能数pを下回ると(S537,S538,S539)、並列送信に利用可能な無線チャネルに空きが生ずることになるので、w=0でない場合には新たなデータパケットの生成を行う(S540,S541,S542)。すなわち、送信バッファにデータフレームが存在するか否かを判断し(S541)、データフレームが存在していれば、最初に生成したときと同じ伝送所要時間Tのデータパケットを生成し、生成されたD2個のデータパケットをデータパケット群に加算し(S542)、生成順に最大p個のデータパケットを並列送信する(S534)。このとき、データパケット群の累積数RはD1+D2となる。また、送信バッファにデータフレームがなければ、生成順に最大p個(w個)のデータパケットを並列送信する(S541,S534)。一方、データパケット群の未送信データパケットの個数wが0の場合には、S540からS531に戻り、新規にデータフレームからデータパケットの生成を行う。
図45に示す例では、送信タイミングt2 に送信されたデータパケットP2,P4,P5のうちデータパケットP4が送信失敗となるので、未送信データパケットの個数wはデータパケットP4,P6の2個となる(w<p)。一方、受信側では、データパケットP1〜P3が揃うことによりデータフレームF1,F2を復元する。次の送信タイミングt3 では、データフレームF5,F6から伝送所要時間TのデータパケットP7,P8,P9を生成し、データパケット群に加算して累積数Rを9とする。
また、送信タイミングt3 でデータパケットP4,P6とデータパケットP7を並列送信した後に、受信側からのACKパケットにより、データパケットP6の送信失敗を確認すると、未送信データパケットの個数wはデータパケットP6,P8,P9の3個となる。次の送信タイミングt4 では、データパケットP6とデータパケットP8,P9を並列送信し、その送信成功が確認されてデータパケット群の中に未送信データパケットがなくなると(w=0)、初期状態(S531)に戻る。一方、受信側では、データパケットP4〜P6からデータフレームF3,F4を復元し、データパケットP7〜P9からデータフレームF5,F6を復元する。これにより、送信タイミングt5 では、新たにデータフレームF7,F8,F9から伝送所要時間TのデータパケットP1,P2,P3が生成される。なお、送信タイミングt1 で生成されたデータパケットP1〜P6と、送信タイミングt5 で生成されたデータパケットP1〜P3は、互いに独立であり一般的に伝送所要時間Tが異なる。
また、S535の処理でACKパケットを受信できない場合には、前回に送信したすべてのデータパケットを再送することになるので、S534以降の処理に戻る。
[第25の実施形態]
図46は、本発明の第25の実施形態のフローチャートを示す。図47は、本発明の第25の実施形態の動作例を示す。本実施形態は、第24の実施形態におけるデータパケット群の累積数Rに上限値Roverを設けることを特徴とする。これは、第24の実施形態を示す図45の送信タイミングt3 ,t4 において、例えばデータパケットP6が送信成功する前に、その後に生成されたデータパケットP7〜P9が送信成功すると、データフレームの復元順番が入れ替わる問題が生ずることを考慮したものである。データパケット群の累積数Rを無制限にすると、このような問題が頻繁に起こるおそれがある。
図46に示す第25の実施形態のフローチャートのS531〜S542は、図44に示す第24の実施形態と同じである。本実施形態では、データパケット群の未送信データパケットの個数wが並列送信可能数pを下回ったときに(S539,S540)、データパケット群の累積数Rと上限値Roverを比較し(S551)、R≧Roverの場合には、次のデータフレームからデータパケットの生成を行わず(S541に進ま ず)、S534に戻って現在のデータパケット群のデータパケットをすべて送信するように制御する。
また、データパケット群の未送信データパケットの個数wが0になったときに(S539,S540)、データパケット群の累積数Rと上限値Roverを比較し(S552)、R≧Roverの場合には、新規にデータフレームからデータパケットを生成するためにS531に戻る。一方、R<Roverの場合には、送信バッファにデータフレームが存在するか否かを判断し(S553)、データフレームがあれば、現在のデータパケット群の累積数Rをリセットせずに新規にデータフレームからデータパケットを生成するためにS542、S534へ進む。また、データフレームがなければ、新規にデータフレームからデータパケットを生成するためにS531に戻る。
図47に示す例では、データパケット群の累積数Rの上限値Roverとして6を設定し、送信タイミングt1 でデータパケットP1〜P6を生成した時点でR≧Roverとなる。図45に示す第24の実施形態との違いは、送信タイミングt3 でデータパケット群の未送信データパケットの個数wが2(<p)になったときに、送信バッファにデータフレームF5,F6があっても、データパケットの生成を行わないところにある。これにより、データパケットP1〜P6の送信完了が優先され、送信タイミングt3 でデータパケットP4,P6が並列送信され、データパケットP6の送信失敗により送信タイミングt4 でデータパケットP6を送信し、送信成功となった後に、送信タイミングt5 で新たなデータフレームF5,F6,F7からデータパケットP1,P2,P3を生成する。
[第26の実施形態]
第26の実施形態は、第25の実施形態において、データパケット群を構成するデータパケットの累積数Rに代えて、そのデータパケット群の生成に用いたデータフレームの累積数Fを用いる。このデータフレームの累積数Fを制限することにより、データパケットの累積数Rに制限を加えた場合と同様に、必要以上にデータパケットが生成されたときに再送処理の過程でデータフレームの復元順番が入れ替わる問題を回避することができる。
[第27の実施形態]
第27の実施形態は、第24〜第25の実施形態において、第22の実施形態と同様に無線局Aから無線局B宛てに否定応答要求パケットを送信し、無線局Bから送信される否定応答パケットを受信する。この場合には、S535およびS536の処理が、否定応答要求パケットの送信および否定応答パケットの受信となり、否定応答パケットが受信された場合にはS537で送信失敗した未送信データパケットおよびデータパケット群に残る未送信データパケットの合計の個数wを取得し、否定応答パケットが受信されない場合にはS538でデータパケット群に残る未送信データパケットの個数wを取得すればよい。その他は第24の実施形態および第25の実施形態と同様である。
[第28の実施形態]
第28の実施形態は、第21〜第22の実施形態において、パケットセットの中で送信失敗した未送信データパケット数hを取得するステップS511に代えて、パケットセットの中で送信失敗した未送信データパケットに続くデータパケットを未送信データパケットとし、その数hを以下の処理に用いる。
例えば、図41,図43に示す例では、送信タイミングt1 でデータパケットP2が送信失敗すると、データパケットP3が送信成功しているにもかかわらず、送信タイミングt2 でデータパケットP2,P3,P4の並列送信を行う。これにより、受信側でパケットセットからデータフレームを復元する際に、データフレームの復元順番が入れ替わる問題を解決することができる。
[第29の実施形態]
第29の実施形態は、第24〜第25の実施形態において、送信失敗した未送信データパケットと、データパケット群の残りの未送信データパケットの合計の個数wを取得するステップS537に代えて、データパケット群を構成するデータパケットのうち送信失敗した未送信データパケット以降に生成されたデータパケットを未送信データパケットとし、その数wを以下の処理に用いる。
例えば、図45,図47に示す例では、送信タイミングt1 でデータパケットP2が送信失敗すると、データパケットP3が送信しているにもかかわらず、送信タイミングt2 でデータパケットP2,P3,P4の並列送信を行う。これにより、受信側でデータパケットからデータフレームを復元する際に、データフレームの復元順番が入れ替わる問題を解決することができる。
[第30の実施形態]
以上説明した第15〜第29の実施形態は、複数の無線チャネルを使用してデータパケットを並列送信するものであるが、データパケットの送信の際に空間分割多重方式を利用する方法、あるいは複数の無線チャネルと空間分割多重数方式を併用する方法としてもよい。
また、空間分割多重を用いる場合に、伝搬係数よりアンテナ相関を求め、予め定めた閾値により1チャネルに重複可能な空間分割多重数を求めるようにしてもよい。また、複数の無線チャネルを用いて並列送信を行うか空間分割多重方式を用いて並列送信を行うか、送信バッファに到着したデータ数や伝搬環境に応じた空間分割多重数に応じて選択するようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第1の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第2の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第4の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第5の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第6の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第6の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第7の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第8の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第9の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第10の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 再送パケットとコピーパケットの受信処理手順を示すフローチャート。 本発明の第11の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第11の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第12の実施形態の送信側無線局の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第12の実施形態の受信側無線局の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第12の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第13の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第13の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第14の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第14の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第15の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第15の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第16の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第16の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第17の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例1を示す図。 本発明の第17の実施形態のデータパケットの生成/送信/再送例1の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第17の実施形態における複数のデータパケットの生成/送信/再送例2を示す図。 本発明の第17の実施形態の複数のデータパケットの生成/送信/再送例2の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第18の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第18の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第19の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第20の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 データパケットの構成を示す図。 拡張型のACKパケットの構成を示す図。 拡張型のACK要求パケットの構成を示す図。 本発明の第21の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第21の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第22の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第22の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第24の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第24の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 本発明の第25の実施形態の処理手順を示すフローチャート。 本発明の第25の実施形態の動作例を示すタイムチャート。 複数の無線チャネルの中心周波数が近接している場合の問題点を説明するタイムチャート。 データフレームから並列送信する複数のデータパケットを生成する方法を説明する図であり、(1) はフレーム分割、(2) はフレームパッチング、(3) はフレームアグリゲーションの例を示す。 再送時の課題(無線チャネル増加時)を説明するタイムチャート。 再送時の課題(無線チャネル減少時)を説明するタイムチャート。 従来の再送方法1を説明するタイムチャート。 従来の再送方法2を説明するタイムチャート。

Claims (14)

  1. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信し、
    受信側の無線局から送信された肯定応答パケットを受信し、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、
    前記肯定応答パケットを受信しない場合には、前記複数のデータパケットを再送し、
    前記肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  2. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信し、
    さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信し、
    受信側の無線局から送信された前記否定応答パケットを受信し、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、
    前記否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  3. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、前記並列送信可能な数単位で連続的に並列送信し、
    さらに、受信に成功したデータパケットを示す肯定応答パケットを要求する肯定応答要求パケットを送信し、
    受信側の無線局から送信された前記肯定応答パケットを受信し、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、
    前記肯定応答パケットを受信しない場合には、前記複数のデータパケットを再送し、
    前記肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  4. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信方法において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、前記並列送信可能な数単位で連続的に並列送信し、
    さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信し、
    受信側の無線局から送信された前記否定応答パケットを受信し、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、
    前記否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の無線パケット通信方法において、
    連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が互いに等しいときに、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数を越える場合には、前記送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送し、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数以下の場合には、前記送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  6. 請求項3または請求項4に記載の無線パケット通信方法において、
    連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が前記並列送信可能な数単位ごとに異なるときに、
    前記送信に失敗したデータパケットの伝送所要時間が異なる場合には、伝送所要時間が短いデータパケットにダミービットを付加してパケット長を揃え、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数を越える場合には、前記送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送し、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数以下の場合には、前記送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無線パケット通信方法において、
    前記送信に失敗したデータパケットのみを再送する代わりに、前記送信に失敗したデータパケットの中でシーケンス番号が最も若番のデータパケット以降のすべてのデータパケットを再送する
    ことを特徴とする無線パケット通信方法。
  8. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信装置において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信する手段と、
    受信側の無線局から送信された肯定応答パケットを受信し、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、前記肯定応答パケットを受信しない場合には、前記複数のデータパケットを再送する手段とを備え、
    前記肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る構成である
    ことを特徴とする無線パケット通信装置。
  9. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信装置において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成して並列送信する手段と、
    さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信する手段と、
    受信側の無線局から送信された前記否定応答パケットを受信し、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する手段とを備え、
    前記否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る構成である
    ことを特徴とする無線パケット通信装置。
  10. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信装置において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、前記並列送信可能な数単位で連続的に並列送信する手段と、
    さらに、受信に成功したデータパケットを示す肯定応答パケットを要求する肯定応答要求パケットを送信する手段と、
    受信側の無線局から送信された前記肯定応答パケットを受信し、一部のデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送し、前記肯定応答パケットを受信しない場合には、前記複数のデータパケットを再送する手段とを備え、
    前記肯定応答パケットを受信し、並列送信したすべてのデータパケットの送信が成功したことを認識した場合には、次の送信処理に入る構成である
    ことを特徴とする無線パケット通信装置。
  11. 2つの無線局間で、複数の無線チャネルを用いて複数のデータパケットを並列送信するか、または1つの無線チャネルを用いた空間分割多重により複数のデータパケットを並列送信するか、または両者を併用して複数の無線チャネルの各空間分割多重数の総和に相当する複数のデータパケットを並列送信する無線パケット通信装置において、
    送信側の無線局は、
    送信バッファに蓄積された1以上のデータフレームを分割または組み合わせにより、少なくとも並列送信可能な数単位で伝送所要時間が互いに等しい複数のデータパケットに再構成し、前記並列送信可能な数単位で連続的に並列送信する手段と、
    さらに、受信に失敗したデータパケットを示す否定応答パケットを要求する否定応答要求パケットを送信する手段と、
    受信側の無線局から送信された前記否定応答パケットを受信し、一部または全部のデータパケットの送信が失敗したことを認識した場合には、送信に失敗したデータパケットのみを再送する手段とを備え、
    前記否定応答パケットを受信しない場合には、次の送信処理に入る構成である
    ことを特徴とする無線パケット通信装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の無線パケット通信装置において、
    連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が互いに等しいときに、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数を越える場合には、前記送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送する手段と、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数以下の場合には、前記送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する手段と
    を備えたことを特徴とする無線パケット通信装置。
  13. 請求項10または請求項11に記載の無線パケット通信装置において、
    連続的に並列送信する複数のデータパケットの伝送所要時間が前記並列送信可能な数単位ごとに異なるときに、
    前記送信に失敗したデータパケットの伝送所要時間が異なる場合には、伝送所要時間が短いデータパケットにダミービットを付加してパケット長を揃える手段と、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数を越える場合には、前記送信に失敗したデータパケットを連続的に並列再送する手段と、
    前記送信に失敗したデータパケットの数が前記並列送信可能な数以下の場合には、前記送信に失敗したデータパケットを再送または並列再送する手段と
    を備えたことを特徴とする無線パケット通信装置。
  14. 請求項8〜請求項11のいずれかに記載の無線パケット通信装置において、
    前記再送する手段は、前記送信に失敗したデータパケットのみを再送する代わりに、前記送信に失敗したデータパケットの中でシーケンス番号が最も若番のデータパケット以降のすべてのデータパケットを再送する
    ことを特徴とする無線パケット通信装置。
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