JP5155313B2 - 受信装置、送信装置及び適応伝送レート制御方法 - Google Patents

受信装置、送信装置及び適応伝送レート制御方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送路の状態に応じて適宜伝送レートを制御する適応変調技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、限られた周波数帯域で高速かつ安定した高品質の無線伝送を実現する技術として適応変調技術がある。適応変調技術は、時間の経過や無線通信装置の移動に伴った周辺環境の変化によって変化する伝送路の状態に応じて送信信号の変調方式や符号化率などによって決まる伝送レートを適応的に制御するものである(例えば、特許文献1参照。)。例えば、変調方式について、伝送路の状態が悪いときには低レートのQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用い、伝送路の状態が良いときには高レートの16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)や64QAMを用いる。また、符号化率について、伝送路の状態が悪いときには誤り訂正能力が大きく符号化率の低い符号化を行い、伝送路の状態が良いときには誤り訂正能力が小さく符号化率の高い符号化を行う。
【0003】
一方、近年、次世代の大容量高速通信を実現する手段として複数のアンテナを用い、空間多重技術を利用した無線通信システムの開発が進められている。係る技術はMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式と呼ばれ、空間多重数(送信ストリーム数)を増加させることによって使用する周波数帯域幅を増加させることなく通信容量を大きくすることが可能である。
【0004】
ところで、単一アンテナを用いた無線通信では受信機での受信電力レベルに応じて送信機から受信機への無線通信に用いる伝送レートを決定すれば当該伝送レートは伝送路状態に応じた適切な伝送レートになる。しかしながら、MIMO方式における伝送品質は受信電力レベルだけではなく各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列にも依存する。これは、MIMO方式における等化処理において送信ストリームの分離を行う必要があるためである。
【0005】
このため、MIMO方式では受信電力レベルが高いからといって必ずしも元の送信ストリームの分離を正確に行えるとは限らない。従って、MIMO方式に適応変調技術を適用した場合に受信電力レベルに応じて送信機から受信機への無線通信に用いる伝送レートを決定したとしても当該伝送レートが伝送路状態に応じた適切な伝送レートであるとは必ずしも言えない。
【0006】
送信機から受信機への無線通信に用いる伝送レートの決定に送信ストリーム毎にCRC(Cyclic RedundancyCheck)を用いた誤り検出を行い、誤り検出結果に基づいて送信機から受信機への無線通信に用いる伝送レートの決定を行う適応変調技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。以下に、その概要について図50を用いて説明する。
【0007】
送信機1000において、CRCビット付加部10011〜1001Nの夫々はそれらに入力される情報ビット列に対してCRCビット列を付加する。そして、符号器・マッパ10021〜1002Nの夫々は受信機2000から通知された符号化率及び変調方式に従ってCRCビット列が付加された情報ビット列に対して符号化処理及び変調処理を施す。それから、アンテナ10031〜1003Nの夫々から複数の送信ストリームの送信信号が送信される。
【0008】
受信機2000では、チャネル推定部2002はアンテナ20011〜2001Kの夫々によって受信された受信信号から各伝送路のSINR(Signal toInterference and Noise Power Ratio)を推定する。そして、検出器2003はチャネル推定部2002によって推定された各伝送路のSINRの推定値に基づいて受信信号から複数の送信ストリームの送信信号を分離し合成する。そして、デマッパ・復号器20041〜2004Nの夫々は検出器2003から入力される送信信号に対して復調処理及び復号処理を施し、CRC誤り検出器20051〜2005Nの夫々は入力されるビット列のCRC誤り検出を行う。さらに、送信レート決定部2006は各伝送路のSINRの推定値と各送信ストリームのCRC誤り検出の結果とに基づいて次回以降の送信機1000から受信機2000への無線通信に用いる符号化率及び変調方式などを決定し、決定した符号化率及び変調方式などを送信機1000へ通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開2005−244598号公報
【特許文献2】
特開2006−14066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の技術では、送信機から受信機への無線通信に用いる符号化率及び変調方式などを適応的に制御するためには、送信ストリーム毎にCRCビット列が付加され、受信機は送信ストリーム毎にCRCの誤り検出が可能であることが前提条件になっている。
【0010】
しかしながら、MIMO方式では、送信ストリーム毎にCRCビット列を付加する構成を採用していない送信機及び受信機も存在し、このような送信機及び受信機に対しては上記の技術を適用することができない。
【0011】
そこで、本発明は、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず送信機から受信機への無線通信に用いる伝送レートを伝送路状態に適した伝送レートに決定することが可能な受信装置及び送信装置、並びに、受信装置及び送信装置において行われる適応伝送レート制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の一態様である受信装置は、複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
上記の受信装置によれば、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度を算出し、尤度の値を利用して送信装置に対して通知する伝送レートの決定が行われる。このため、上記の受信装置によれば、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず、各伝送路の伝送路特性を反映した伝送レートの決定を行うことが可能になり、送信装置から当該受信装置へ伝送路状態に適した伝送レートで無線通信を行うことが可能にある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態のMIMO伝送システムのシステム構成図。
【図2】図1の送信機10機器構成図。
【図3】図1の受信機20の機器構成図。
【図4】図3の適応制御部211のブロック図。
【図5】(a)は図4の電力レート情報記憶部231が記憶する電力レート情報の一例を示す図であり、(b)は図4の電力レート情報補正部234による補正後の電力レート情報の一例を示す図。
【図6】図1の受信機20による伝送レート決定処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】図6の適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図8】図1の送信機10と受信機20間の送受信処理の流れを示すシーケンス図。
【図9】第2の実施の形態の受信機の適応制御部211aのブロック図。
【図10】図9の適応制御部211aによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図11】第3の実施の形態の受信機20bの機器構成図。
【図12】図11の適応制御部211bのブロック図。
【図13】図12の尤度FER情報記憶部251が記憶する尤度FER情報の一例を示す図。
【図14】(a)は図13の各尤度FER情報の作成に用いる尤度とSNRとの関係の一例を示す図であり、(b)は図13の各尤度FER情報の作成に用いるSNRとFERとの関係の一例を示す図。
【図15】伝送レートに対応する変調方式及び符号化率の一例を示す図。
【図16】図12の適応制御部211bによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図17】第4の実施の形態の受信機の適応制御部211cのブロック図。
【図18】図17のスループット算出部261が用いるFERと再送比率との関係の一例を示す図。
【図19】図17の適応制御部211cによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図20】第4の実施の形態における尤度とスループットとの関係の一例を示す図。
【図21】伝送レートに対応するガードインターバル長、変調方式及び符号化率の一例を示す図。
【図22】第5の実施の形態の受信機の適応制御部211dのブロック図。
【図23】図22の尤度FER情報記憶部251dが記憶する尤度FER情報の一例を示す図。
【図24】図22の適応制御部211dによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図25】伝送レートに対応する送信ストリーム数、変調方式及び符号化率の一例を示す図。
【図26】第6の実施の形態の受信機の適応制御部211eのブロック図。
【図27】図26の尤度FER情報記憶部251eが記憶する尤度FER情報の一例を示す図。
【図28】図26の適応制御部211eによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図29】伝送レートに対応する帯域幅、変調方式及び符号化率の一例を示す図。
【図30】第7の実施の形態の受信機の適応制御部211fのブロック図。
【図31】図30の尤度FER情報記憶部251fが記憶する尤度FER情報の一例を示す図。
【図32】図30の適応制御部211fによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図33】(a)はA−MSDUのフレーム構成を示し、(b)はA−MPDUのフレーム構成を示す図。
【図34】伝送レートとフレーム連結数との組に対応するMAC層レベルのスループットの一例を示す図。
【図35】第8の実施の形態の受信機の適応制御部211gのブロック図。
【図36】図35の尤度FER情報記憶部251gが記憶する尤度FER情報の一例を示す図。
【図37】図35の適応制御部211gによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図38】第8の実施の形態における尤度とスループットとの関係の一例を示す図。
【図39】第9の実施の形態の受信機20hの機器構成図。
【図40】図39の適応制御部211hのブロック図。
【図41】図40の電力FER情報記憶部281が記憶する電力FER情報の一例を示す図。
【図42】図40の適応制御部211hによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図43】第10の実施の形態の受信機20iの機器構成図。
【図44】図43の適応制御部211iのブロック図。
【図45】図44の尤度FER情報補正部292による尤度FER情報の補正処理の一例を示す図。
【図46】図44の適応制御部211iによる尤度FER情報及び電力FER情報の補正処理の処理手順を示すフローチャート。
【図47】第11の実施の形態の適応制御部211jのブロック図。
【図48】第12の実施の形態の適応制御部211kのブロック図。
【図49】第13の実施の形態の受信機20lのブロック図。
【図50】従来の適応変調技術の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一態様である第1の受信装置は、通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う第1の受信装置であって、複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、を備える。
【0016】
上記の第1の受信装置によれば、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度を算出し、算出した尤度を利用して送信装置に対して通知する伝送レートの決定が行われる。このため、上記の受信装置によれば、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず、各伝送路の伝送路特性を反映した伝送レートの決定を行うことが可能になり、送信装置から当該受信装置へ伝送路状態に適した伝送レートで無線通信を行うことが可能にある。
【0017】
本発明の一態様である第2の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表した場合に、前記伝送路行列Hを(HHH)-1Hに代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成部を更に備え、前記尤度算出部は、前記ウェイト生成部により生成されるウェイト行列Wを式(1)に代入することによって尤度行列kを算出する。
【0018】
【数1】
Figure 0005155313
これによれば、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度を算出する具体的な一構成例を提供することができる。
【0019】
本発明の一態様である第3の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表し、単位行列をIで表した場合に、各前記アンテナで受信される不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列RUUを算出する不要信号測定部と、前記伝送路行列H及び前記不要信号測定部により算出される共分散行列RUUをHH(HHH+RUU-1に代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成部と、を更に備え、前記尤度算出部は、前記伝送路行列H及び前記ウェイト生成部により生成されるウェイト行列Wを式(2)に代入することによって尤度行列kを算出する。
【0020】
【数2】
Figure 0005155313
これによれば、不要信号を考慮した送信ストリームの尤度が算出されるため、不要信号が存在する環境下においても各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0021】
本発明の一態様である第4の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、受信信号電力に対する伝送レートを示す電力レート情報を記憶する記憶部と、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記電力レート情報を補正するための尤度補正値を算出する尤度補正算出部と、前記尤度補正算出部により算出される尤度補正値に基づいて前記記憶部が記憶している電力レート情報を補正する補正部と、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、前記補正部による補正後の電力レート情報を参照し、前記受信電力算出部により算出される受信信号電力に基づいて前記通知する伝送レートを決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、を備える。
【0022】
これによれば、送信ストリームの尤度を用いて伝送レートの決定を行う仕組みを提供することができる。
【0023】
本発明の一態様である第5の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、受信信号電力に対する伝送レートを示す電力レート情報を記憶する記憶部と、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記受信信号電力を補正するための尤度補正値を算出する尤度補正算出部と、前記尤度補正算出部により算出される尤度補正値に基づいて前記受信電力算出部により算出される受信信号電力を補正する補正部と、前記記憶部に記憶されている電力レート情報を参照し、前記補正部による受信信号電力の補正値に基づいて前記通知する伝送レートを決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、を備える。
【0024】
これによれば、送信ストリームの尤度を用いて伝送レートの決定を行う仕組みを提供することができる。
【0025】
本発明の一態様である第6の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記送信装置は、更に、通知されるフレーム連結数に従って送信信号の送信を行い、前記適応制御部は、更に、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知するフレーム連結数を決定し、決定したフレーム連結数を当該送信装置に対して通知する。
【0026】
これによれば、各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートのみならずフレーム連結数も決定され、送信装置から当該受信装置へ伝送路状態に適した伝送レート及びフレーム連結数で無線通信を行うことが可能にある。
【0027】
本発明の一態様である第7の受信装置は、第1の受信装置の態様において、 前記適応制御部は、複数の伝送レートについて、伝送レート毎に尤度に対するフレーム誤り率を示す尤度誤り率情報を記憶する尤度記憶部と、各伝送レートについて、前記尤度記憶部に記憶されている尤度誤り率情報を参照し、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいてフレーム誤り率を推定する尤度FER推定部と、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率が所定の値以下である伝送レートのうち最高速の伝送レートを前記通知する伝送レートに決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、を備える。
【0028】
これによれば、送信ストリームの尤度を用いて伝送レートの決定を行う仕組みを提供することができる。
【0029】
本発明の一態様である第8の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、複数の伝送レートについて、伝送レート毎に尤度に対するフレーム誤り率を示す尤度誤り率情報を記憶する尤度記憶部と、各伝送レートについて、前記尤度記憶部に記憶されている尤度誤り率情報を参照し、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいてフレーム誤り率を推定する尤度FER推定部と、各伝送レートについて、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率に基づいてスループットの算出を行うスループット算出部と、前記スループット算出部により算出されるスループットが最大である伝送レートを前記通知する伝送レートに決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、を備える。
【0030】
これによれば、送信ストリームの尤度を用いて伝送レートの決定を行う仕組みを提供することができる。
【0031】
本発明の一態様である第9の受信装置は、第8の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、現在前記送信装置により送信信号の送信に用いられている送信ストリーム数とは別の送信ストリーム数に対して前記尤度FER推定部が用いる尤度を、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて推定する尤度推定部を更に備える。
【0032】
これによれば、現在送信装置から受信装置への無線通信に用いられている送信ストリーム数以外の送信ストリーム数も含めて、各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0033】
本発明の一態様である第10の受信装置は、第8の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、現在前記送信装置により送信信号の送信に用いられている帯域幅とは別の帯域幅に対して前記尤度FER推定部が用いる尤度を、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて推定する尤度推定部を更に備える。
【0034】
これによれば、現在送信装置から受信装置への無線通信に用いられている帯域幅以外の帯域幅も含めて、各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0035】
本発明の一態様である第11の受信装置は、第8の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、複数の伝送レートについて、伝送レート毎に受信信号電力に対するフレーム誤り率を示す電力誤り率情報を記憶する電力記憶部と、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、各伝送レートについて、前記電力記憶部に記憶されている電力誤り率情報を参照し、前記受信電力算出部により算出される受信信号電力に基づいてフレーム誤り率を推定する電力FER推定部と、各伝送レートについて、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率と前記電力FER推定部により推定されるフレーム誤り率とに基づいて前記スループット算出部がスループットの算出に用いるフレーム誤り率を決定するFER決定部と、を更に備える。
【0036】
これによれば、尤度に基づいて得られるフレーム誤り率と受信信号電力に基づいて得られるフレーム誤り率とからスループットの算出に用いるフレーム誤り率を決定するため、様々な環境下で伝送路状態に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0037】
本発明の一態様である第12の受信装置は、第11の受信装置の態様において、さらに、前記FER決定部は、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率と前記電力FER推定部により推定されるフレーム誤り率とのうち値の大きい方のフレーム誤り率を前記スループット算出部がスループットの算出に用いるフレーム誤り率に決定する。
【0038】
これによれば、大きい方のフレーム誤り率の推定値を用いることによって送信装置に通知する伝送レートが伝送路状態で許容される伝送レートを超える状況の発生を抑制できる。
【0039】
本発明の一態様である第13の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づき各前記アンテナで受信される受信信号から各送信ストリームの送信信号を推定するための等化処理を行う等化部と、前記等化部による等化処理の結果得られる各送信ストリームの送信信号を復調して符号を出力する復調部と、前記復調部から出力される各送信ストリームに係る符号を連結して、連結符号を出力する符号連結部と、前記符号連結部から出力される連結符号を前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて復号する復号部と、前記復号部による復号の結果得られるビット列の誤り検出を行う誤り検出部と、を更に備え、前記適応制御部は、前記通知する伝送レートの決定を前記尤度算出部により算出される尤度と前記誤り検出部による誤り検出の結果とに基づいて行う。
【0040】
これによれば、伝送路状態の時間変化や送信装置の設置環境の変化、受信装置の設置環境の変化があっても、伝送路状態の変化に応じて適切に伝送レートの決定を行うことができる。
【0041】
本発明の一態様である第14の受信装置は、第1の受信装置の態様において、さらに、前記適応制御部は、送信ストリーム毎に前記送信装置に対して通知する伝送レートの決定を行う。
【0042】
これによれば、送信ストリーム毎に各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0043】
本発明の一態様である第1の送信装置は、受信装置に対して送信信号を送信する第1の送信装置であって、複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信部と、前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信部により受信される前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信部と、を備える。
【0044】
上記の第1の送信装置によれば、受信装置によって、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度が算出され、尤度の値を利用して伝送レートの決定が行われ、第1の送信装置はこの決定された伝送レートの通知を受けて当該受信装置への無線通信を行う。このため、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず、第1の送信装置から当該受信装置へ各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートで無線通信を行うことが可能にある。
【0045】
本発明の一態様である第1の適応伝送レート制御方法は、通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置において行われる第1の適応伝送レート制御方法であって、複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定ステップと、前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定ステップにおける各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出ステップと、前記尤度算出ステップにおいて算出された尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御ステップと、を有する。
【0046】
上記の第1の適応伝送レート制御方法によれば、受信装置は、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度を算出し、尤度の値を利用して送信装置に対して通知する伝送レートの決定を行う。このため、上記の第1の適応伝送レート制御方法によれば、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず、各伝送路の伝送路特性を反映した伝送レートの決定を行うことが可能になり、送信装置から当該受信装置へ伝送路状態に適した伝送レートで無線通信を行うことが可能にある。
【0047】
本発明の一態様である第2の適応伝送レート制御方法は、受信装置に対して送信信号を送信する送信装置において行われる第2の適応伝送レート制御方法であって、複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信ステップと、前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信ステップにおいて受信された前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信ステップと、を有する。
【0048】
上記の第2の適応伝送レート制御方法によれば、受信装置によって、各伝送路の伝送路特性の推定値から送信ストリームの尤度が算出され、尤度の値を利用して伝送レートの決定が行われ、送信装置はこの決定された伝送レートの通知を受けて当該受信装置への無線通信を行う。このため、CRCビット列の付加の仕組みに係わらず、送信装置から当該受信装置へ各伝送路の伝送路状態に適した伝送レートで無線通信を行うことが可能にある。
【0049】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0050】
但し、説明の便宜上、各実施の形態において、無線通信を行っている2台の無線伝送装置において、一の無線伝送装置から他の無線伝送装置に対して信号を送信する場合にのみ、他の無線伝送装置で一の無線伝送装置から他の無線伝送装置への信号の伝送に適した伝送レートの決定を行い、他の無線伝送装置は決定した伝送レートを一の無線伝送装置に対して通知するものとする。
【0051】
また、他の無線伝送装置は1本のアンテナを用いて信号の送信を行うものとし、一の無線伝送装置は1本のアンテナを用いて信号の受信を行うものとする。
【0052】
更に、伝送レートの通知を受け、通知を受けた伝送レートに従って信号の送信を行う無線伝送装置を「送信機」と称し、通信相手から自装置への無線通信における適した伝送レートを受信信号から決定し、決定した伝送レートを通信相手に通知する無線伝送装置を「受信機」と称する。
【0053】
なお、伝送レートは、MCS(Modulation and Coding Scheme)とも称され、伝送レートを決める要素として物理層における変調方式、符号化率、送信ストリーム数、帯域幅、ガードインターバル長などを挙げることができる。
【0054】
但し、第8の実施の形態では、受信機は伝送レートの他にフレーム連結数の決定も行い、決定した伝送レートの他に決定したフレーム連結数も送信機へ通知する。そして、送信機は、受信機から通知を受けた伝送レート及びフレーム連結数に従って受信機への無線通信を行う。
【0055】
≪第1の実施の形態≫
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、第1及び第2の実施の形態では、適応的に制御する伝送レートの要素を変調方式、符号化率、送信ストリーム数、帯域幅、ガードインターバル長として記載するが、例えば、変調方式及び符号化率のみとするなど任意の要素としてよい。
【0056】
<MIMO伝送システムの構成>
以下、本実施の形態のMIMO伝送システムについて図1を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態のMIMO伝送システムのシステム構成図である。
【0057】
図1に示すMIMO伝送システムには、M(Mは2以上の整数)本のアンテナTA1〜TAMを備える送信機10と、N(Nは2以上の整数)本のアンテナRA1〜RANを備える受信機20とが含まれている。なお、通常、N本のアンテナRA1〜RANを備える受信機20では、送信ストリーム数がN以下の場合に送信ストリームの分離等を行うことが可能である。
【0058】
送信機10は受信機20との以前の無線通信により受信機20から通知された伝送レートに従って1又は複数の送信ストリームで送信信号の送信を行う。送信機10から送信された1又は複数の送信ストリームの送信信号は空間伝送路を伝搬し、受信機20によって受信される。
【0059】
受信機20は、N本のアンテナRA1〜RANによって受信されたN個の受信信号を用いて送信機10から受信機20への無線通信に適した伝送レートを決定し、決定した伝送レートを送信機10に対して通知する。次に送信機10が受信機20に対して送信信号を送信する場合には、送信機10は受信機20から今回通知された伝送レートに従って1又は複数の送信ストリームで送信信号の送信を行う。
【0060】
<送信機10>
以下、図1の送信機10について図2を参照しつつ説明する。図2は図1の送信機10の機器構成図である。
【0061】
送信機10は、上位層処理部11と送信処理部12とサーキュレータ13とM本のアンテナTA1〜TAMと受信処理部14とを備える。
【0062】
上位層処理部11は、例えば、情報データに係るビット列(以下、「情報ビット列」と言う。)の生成を行い、生成した情報ビット列を送信処理部12の後述するMACヘッダ付加部102へ出力する。また、上位層処理部11は受信処理部14から入力される情報ビット列を解析して受信機20から通知された伝送レートの特定を行い、特定した伝送レートを送信処理部12の適応制御部101へ出力する。
【0063】
アンテナTA1はサーキュレータ13を介して送信処理部12の後述するGI挿入部1091と受信処理部14とに接続され、アンテナTA2〜TAMは夫々送信処理部12の後述するGI挿入部1092〜109Mに接続されている。サーキュレータ13は送信処理部12のGI挿入部1091から入力される送信信号をアンテナTA1へ出力し、アンテナTA1から入力される受信信号を受信処理部14へ出力する。
【0064】
送信処理部12は上位層処理部11から入力される伝送レートに従って上位層処理部11から入力される情報ビット列に対して所定の処理を施すものであって、その詳細については後述する。
【0065】
受信処理部14にはアンテナTA1によって受信された受信信号が入力され、受信処理部14は入力された受信信号に対して復調処理や復号処理を施すことによって受信信号から情報ビット列を取得し、取得した情報ビット列を上位層処理部11へ出力する。なお、受信処理部14から上位層処理部11へ出力される情報ビット列には受信機20によって決定された伝送路状態に適した伝送レートが含まれることがある。
【0066】
[送信処理部12]
送信処理部12は、図2に示すように、適応制御部101とMACヘッダ付加部102とCRCビット付加部103と符号化部104と符号分離部105と変調部1061〜106MとPILOT生成部1071〜107MとIFFT部1081〜108MとGI挿入部1091〜109Mとを備える。
【0067】
適応制御部101は、上位層処理部11から入力される伝送レートに従って、符号化部104に符号化率を設定し、符号分離部105に送信ストリーム数を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、IFFT部1081〜108Mに帯域幅を設定し、GI挿入部1091〜109Mにガードインターバル長を設定する。また、適応制御部101は、PILOT生成部1071〜107Mに伝送レートや送信ストリーム数などを通知する。但し、本実施の形態では、適応制御部101は、MACヘッダ付加部102に所定のフレーム連結数を設定する。
【0068】
MACヘッダ付加部102は適応制御部101によって設定されたフレーム連結数に従って上位層処理部11から入力される情報ビット列によって構成されるフレームの連結を行い、フレーム連結後の情報ビット列にMAC(Media Access Control)ヘッダに係るビット列を付加する。そして、MACヘッダ付加部102は、情報ビット列にMACヘッダを付加することによって得られるビット列(以下、「MAC付加情報ビット列」と言う。)をCRCビット付加部103へ出力する。
【0069】
CRCビット付加部103はMACヘッダ付加部102から入力されるMAC付加情報ビット列の内容に基づいて誤り検出用のCRC(Cyclic Redundancy Check)ビット列を作成する。そして、CRCビット付加部103はMAC付加情報ビット列に作成したCRCビット列を付加し、この付加によって得られるビット列(以下、「MACビット列」と言う。)を符号化部104へ出力する。
【0070】
符号化部104は適応制御部101によって設定された符号化率に従ってCRCビット付加部103から入力されるMACビット列の符号化を行い、これによって得られた符号列を符号分離部105へ出力する。なお、符号化部104は例えば畳み込み符号による符号化及びパンクチャド処理によって設定された符号化率でMACビット列の符号化を行う。
【0071】
符号分離部105は適応制御部101によって設定された送信ストリーム数に従って符号化部104から入力される符号列を分離し、分離により得られた各符号列(以下、「分離符号列」と言う。)を変調部1061〜106Mへ出力する。
【0072】
変調部1061〜106Mには夫々適応制御部101によって変調方式が設定されており、変調部1061〜106Mの夫々には符号分離部105から1つの分離符号列が入力される。変調部1061〜106Mは、夫々、分離符号列を設定された変調方式に応じたビット数単位で当該変調方式のコンステレーションにマッピングし、マッピングの結果得られた複素数値(同相成分の値と直交成分の値)を対応するIFFT部1081〜108Mへ出力する。
【0073】
PILOT生成部1071〜107Mは、夫々、適応制御部101から入力される伝送レートや送信ストリーム数等を表すビット列(以下、「制御情報ビット列」と言う。)を作成する。そして、PILOT生成部1071〜107Mは、夫々、制御情報ビット列を所定の変調方式に応じたビット数単位で当該変調方式のコンステレーションにマッピングし、マッピングの結果得られた複素数値を対応するIFFT部1081〜108Mへ出力する。なお、例えばIEEE802.11n Draft2.0ではPLCP(Physical Layer Convergence Protocol)ヘッダのHT(HighThroughput)−SIGNALが制御情報ビット列に該当する。
【0074】
また、PILOT生成部1071〜107Mは、夫々、伝送路推定用のビット列(以下、「トレーニングビット列」と言う。)を作成する。そして、PILOT生成部1071〜107Mは、夫々、トレーニングビット列を所定の変調方式に応じたビット数単位で当該変調方式のコンステレーションにマッピングし、マッピングの結果得られた複素数値を対応するIFFT部1081〜108Mへ出力する。
【0075】
IFFT部1081〜108Mには、夫々、適応制御部101によって帯域幅(IFFTのサンプル数)が設定され、IFFT部1081〜108Mは、夫々、設定された帯域幅に従って、互いに直交する複数のキャリアを変調し多重するための逆高速フーリエ変換(以下、「IFFT」と言う。)を行う。
【0076】
IFFT部1081〜108Mは、夫々、対応するPILOT生成部1071〜107Mから入力されるトレーニングビット列に関する複素数値を用いてIFFTを行い、IFFTにより得られた信号(以下、「トレーニング信号」と言う。)を対応するGI挿入部1091〜109Mへ出力する。また、IFFT部1081〜108Mは、夫々、対応するPILOT生成部1071〜107Mから入力される制御情報ビット列に関する複素数値を用いてIFFTを行い、IFFTにより得られた信号(以下、「制御情報信号」と言う。)を対応するGI挿入部1091〜109Mへ出力する。
【0077】
さらに、IFFT部1081〜108Mは、夫々、対応する復調部1061〜106Mから入力されるMACビット列に関する複素数値を用いてIFFTを行い、IFFTにより得られた信号(以下、「伝送情報信号」と言う。)を対応するGI挿入部1091〜109Mへ出力する。
【0078】
GI挿入部1091〜109Mには夫々適応制御部101によってガードインターバル長が設定される。GI挿入部1091〜109Mは、夫々、対応するIFFT部1081〜108Mから入力されるトレーニング信号、制御情報信号及び伝送情報信号の夫々に設定されたカードインターバル長に基づいて信号を付加し、これによって送信信号を生成する。GI挿入部1091から出力される送信信号はサーキュレータ13を介してアンテナTA1から送信され、GI挿入部1092〜109Mから出力される送信信号はアンテナTA2〜TAMから送信される。
【0079】
<受信機20>
以下、図1の受信機20について図3を参照しつつ説明する。図3は図1の受信機20の機器構成図である。
【0080】
受信機20は、N本のアンテナRA1〜RANとサーキュレータ21と受信処理部22と上位層処理部23と送信処理部24とを備える。
【0081】
アンテナRA1はサーキュレータ21を介して受信処理部22の後述するGI除去部2011と送信処理部24とに接続され、アンテナRA2〜RANは受信処理部22の後述するGI除去部2012〜201Nに接続されている。サーキュレータ21はアンテナRA1から入力される受信信号を受信処理部22のGI除去部2011へ出力し、送信処理部24から入力される送信信号をアンテナRA1へ出力する。
【0082】
受信処理部22はアンテナRA1〜RANから入力された受信信号から送信信号を推定し、送信機10へ通知する伝送レートを決定するなど所定の処理を行うものであって、その詳細については後述する。
【0083】
上位層処理部23は、例えば、受信処理部22の後述するCRC誤り検出部210から入力される情報ビット列の解析を行う。また、上位層処理部23は、受信処理部22の後述する適応制御部211から入力される伝送レートを表す情報ビット列を生成し、生成した情報ビット列を送信処理部24へ出力する。
【0084】
送信処理部24は上位層処理部23から入力される例えば受信処理部22の適応制御部211で決定された伝送レートを表す情報ビット列に対して符号化や変調など所定の処理を施すことによって送信信号を生成する。そして、送信処理部24によって生成された送信信号はサーキュレータ21を介してアンテナRA1から送信される。
【0085】
[受信処理部22]
受信処理部22は、図3に示すように、GI除去部2011〜201NとFFT部2021〜202Nと伝送路推定部203とウェイト生成部204と尤度算出部205と等化部206と復調部2071〜207Mと符号連結部208と復号部209とCRC誤り検出部210と適応制御部211とを備える。なお、送信機10が備えるアンテナの数がM本であるので、受信処理部22が備える復調部の数をMとして図示している。
【0086】
GI除去部2011〜201Nは、夫々、対応するアンテナRA1〜RANから入力される受信信号からガードインターバル部分を除去し、ガードインターバル部分を除去した受信信号を対応するFFT部2021〜202Nへ出力する。
【0087】
FFT部2021〜202Nは、夫々、対応するGI除去部2011〜201Nから入力される信号(ガードインターバル部分が除去された受信信号)をフーリエ変換(以下、「FFT」と言う。)し、FFTにより得られた信号を伝送路推定部203と等化部206とへ出力する。
【0088】
伝送路推定部203は、キャリア毎に、送信ストリーム数がK、受信アンテナ数がNの場合には、N×K個の各伝送路の伝送路特性をFFT部2021〜202Nからの入力信号に含まれるトレーニング信号に基づいて推定する。そして、伝送路推定部203は、キャリア毎に、推定したN×K個の各伝送路の伝送路特性の推定値をウェイト生成部204と適応制御部211とへ出力する。なお、以下において、説明の便宜上、アンテナRAi(iは1以上N以下の整数)によって受信されたストリーム番号j(jは1以上K以下の整数)の送信ストリームに関する伝送路の伝送路特性の推定値を第i行第j列とする伝送路行列Hを用い、伝送路推定部203は伝送路行列Hを出力するとして記載する。
【0089】
なお、伝送路推定部203は、更に、FFT部2021〜202Nからの入力信号に含まれる制御情報信号の解析を行い、変調方式、符号化率及び送信ストリーム数などの特定を行い、特定した内容に従って復調部2071〜207M、符号連結部208及び復号部209などの動作の制御を行う。なお、図3では、伝送路推定部203から復調部2071〜207Mなどへの制御信号線の図示を省略している。
【0090】
ウェイト生成部204は、キャリア毎に、等化部206が受信信号(FFT部2021〜202Nからの入力信号)の重み付け演算に用いるウェイト行列Wを、伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hを下記の式(3)に代入することによって算出し、算出したウェイト行列Wを等化部206と尤度算出部205とへ出力する。
【0091】
【数3】
Figure 0005155313
但し、式(3)において、HHはHの複素共役転置行列を表し、(HHH)-1はHHHの逆行列を表す。
【0092】
尤度算出部205は、キャリア毎に、尤度行列kを、ウェイト生成部204から入力されるウェイト行列Wを下記の式(4)に代入することによって算出し、算出した行列kの各対角成分の値を各送信ストリームの尤度として含む尤度情報を復号部209と適応制御部211とへ出力する。
【0093】
【数4】
Figure 0005155313
但し、式(4)において、WHはWの複素共役転置行列を表す。
【0094】
なお、伝送路行列Hを上記のように定義したため、行列kのj(jは1以上M以下の整数)行j列の対角成分の値はストリーム番号jの送信ストリームの尤度である。ここで、尤度とは、MIMO等化処理におけるストリーム分離動作を加味した信号の信頼度情報であり、軟判定ビタビ復号に用いられる情報である。
【0095】
等化部206は、キャリア毎に、ウェイト生成部204から入力されるウェイト行列W及びFFT部2021〜202Nからの入力信号を行列要素とする受信信号行列rをs=Wrに代入することによって送信機10から送信された各送信ストリームの送信信号を行列要素とする送信信号行列sを推定するための等化処理を行い、これによって得られる送信信号を対応する復調部2071〜207Mへ出力する。
【0096】
復調部2071〜207Mは、夫々、設定された変調方式に従って入力される送信信号を当該変調方式のコンステレーションにデマッピングすることによって復調し、デマッピングの結果得られた符号列を符号連結部208へ出力する。
【0097】
符号連結部208は、設定された送信ストリーム数に従って、復調部2071〜207Mから入力される符号列を送信機10の符号分離部105と逆の処理を行って単一の符号列(以下、「連結符号列」と言う。)に連結し、連結符号列を復号部209へ出力する。
【0098】
復号部209は、設定された符号化率に従い、尤度算出部205から入力される各送信ストリームの尤度の値を含む尤度情報を用いて、符号連結部208から入力される連結符号列を復号(誤り訂正)し、復号の結果得られたビット列(以下、「復号ビット列」と言う。)をCRC誤り検出部210へ出力する。なお、復号部209は例えばデパンクチャド処理及び軟判定ビタビ復号によって連結符号列の復号を行う。
【0099】
CRC誤り検出部210は、復号部209から入力される復号ビット列に含まれるCRCビット列を用いて誤り検出を行い、入力された復号ビット列からCRCビット列を除いたビット列(情報ビット列)を上位層処理部23へ出力する。また、CRC誤り検出部210は、誤り検出の結果を示すCRC誤り検出情報を適応制御部211へ出力する。なお、CRC誤り検出部210は、MACヘッダ、情報ビット列及びCRCビット列を一つの単位として誤り検出を行う。
【0100】
適応制御部211は、送信機10へ通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力するものであって、その詳細を下記に記載する。
【0101】
(適応制御部211の構成)
以下、図3の適応制御部211の構成について図4を参照しつつ説明する。図4は図3の適応制御部211のブロック図である。
【0102】
適応制御部211は、FER測定部230と電力レート情報記憶部231と受信電力算出部232と尤度補正算出部233と電力レート情報補正部234と伝送レート決定部235とを備える。
【0103】
電力レート情報記憶部231は、後述する処理によって作成される図5(a)に一例を示す受信信号電力に対する伝送レートを示す電力レート情報を記憶している。図5(a)において、横軸は受信信号電力を示し、縦軸は伝送レートを示す。
【0104】
受信電力算出部232は、キャリア毎に、伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hを用いて各送信ストリームの受信信号電力を算出する。そして、受信電力算出部232は、送信ストリーム毎に各キャリアの受信信号電力を加算し、更に、各送信ストリームの受信信号電力の加算値を加算することによって、パケットフレームの受信信号電力を算出する。そして、受信電力算出部232は、算出したパケットフレームの受信信号電力を伝送レート決定部235へ出力する。
【0105】
尤度補正算出部233は、送信ストリーム毎に、尤度算出部205から入力される尤度情報に含まれる同じ送信ストリームに関する各キャリアに対する尤度を加算し、この加算によって得られた加算値をキャリア数で除算する。そして、尤度補正算出部233は、各送信ストリームの除算値を加算し、この加算によって得られた加算値を送信ストリーム数によって除算する。さらに、尤度補正算出部233は、この除算値(以下、「尤度算出値」と言う。)から尤度補正値を求め、求めた尤度補正値を電力レート情報補正部234へ出力する。
【0106】
ここで、尤度が大きい場合には、同じ受信信号電力であっても伝送路特性Hが受信側の等化処理において元の送信ストリームに分離しやすいものであると判断できるため、電力レート情報における伝送レートが切り替わる受信信号電力の閾値を受信信号電力の値が小さい方に補正する。これに対して、尤度が小さい場合には、同じ受信信号電力であっても伝送路行列Hが受信側の等化処理において元の送信ストリームに分離しにくいものであると判断できるため、電力レート情報における伝送レートが切り替わる受信信号電力の閾値を受信信号電力の値が大きい方に補正する。
【0107】
なお、尤度補正算出部233による尤度補正値の算出は、例えば、上記の点を考慮して作成した尤度算出値に対する尤度補正値を示す補正値情報を尤度補正算出部233に格納しておき、尤度補正算出部233は補正値情報を参照して尤度算出値に対する尤度補正値を推定することによって実現できる。ここでは、尤度補正値は、伝送レートが切り替わる受信信号電力の閾値を受信信号電力の値が大きい方に補正する場合には正の値に、閾値を受信信号電力の値の小さい方に補正する場合には負の値に定められているものとする。但し、上記の尤度補正値の算出の仕方は一例であって、これに限られるものではなく、例えば、尤度算出値を変数とする関数などを利用して尤度補正値を算出するなど、上記の点を踏まえたものであればよい。
【0108】
電力レート情報補正部234は、尤度補正算出部233から入力される尤度補正値に基づいて電力レート情報記憶部231に記憶されている電力レート情報の補正を行う。例えば、電力レート情報補正部234は、伝送レートが切り替わる受信信号電力の閾値に尤度補正算出部233から入力される尤度補正値を加算することによって電力レート情報を補正する。ここで、尤度補正値が正である場合の電力レート情報の補正例を図5(b)に示す。図5(b)において、横軸は受信信号電力を示し、縦軸は伝送レートを示し、破線は補正後の電力レート情報を示す。
【0109】
伝送レート決定部235は、電力レート情報補正部234による補正後の電力レート情報を参照し、受信電力算出部232から入力されるパケットフレームの受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する。この上位層処理部23へ出力された伝送レートは、送信処理部24及びアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。
【0110】
以下に、電力レート情報記憶部231に記憶する伝送レート情報の作成及び更新に係る機能ブロックの動作について説明する。
【0111】
例えば、電源投入時などの初期化時に、他の無線伝送装置が送信電力制御を行うことによって、受信機が受信する受信信号電力を変化させる。FER測定部230はCRC誤り検出部210から入力されるCRC誤り検出情報に基づいて複数フレーム分統計処理を行ってフレーム誤り率を算出する。電力レート情報記憶部231は受信電力算出部232から入力されるパケットフレームの受信信号電力とFER測定部230から入力されるフレーム誤り率とから、受信信号電力に対するフレーム誤り率の関係を求める。そして、電力レート情報記憶部231は作成した受信信号電力に対するフレーム誤り率に基づいて、パケットフレームの受信信号電力に対する伝送レートの決定を行う。但し、電力レート情報記憶部231は、フレーム誤り率を複数に分割し、フレーム誤り率が小さい方の区域から高い伝送レートを割り当てる。
【0112】
FER測定部230、電力レート情報記憶部231及び受信電力算出部232は継続して行うことによって電力レート情報の更新を行う。
【0113】
<受信機20の伝送レート決定動作>
以下、図1の受信機20による伝送レート決定処理について図6を参照しつつ説明する。図6は図1の受信機20による伝送レート決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0114】
伝送路推定部203は、FFT部2021〜202Nからの入力信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列Hをウェイト生成部204と適応制御部211とへ出力する(ステップS1)。ウェイト生成部204はステップS1において入力された伝送路行列Hを用いてウェイト行列Wを生成し(ステップS2)、尤度算出部205はステップS2で生成されたウェイト行列Wを用いて各送信ストリームの尤度を算出する(ステップS3)。適応制御部211はステップS1において入力された伝送路行列HとステップS3において算出された各ストリームの尤度とに基づいて送信機10へ通知する伝送レートを決定する(ステップS4)。受信機20において、上位層処理部23及び送信処理部24によって所定の処理が行われ、アンテナRA1からステップS4で決定された伝送レートを含む送信信号が送信される。これによって、受信機20から送信機10へ次回の送信機10から受信機20への無線通信に用いられる伝送レートが通知されることになる(ステップS5)。
【0115】
[適応制御処理]
図6の適応制御処理(ステップS4)の処理手順について図7を参照しつつ説明する。図7は図6の適応制御処理(ステップS4)の処理手順を示すフローチャートである。
【0116】
受信電力算出部232は伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hに基づいてパケットフレームの受信信号電力を算出する(ステップS11)。尤度補正算出部233は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて尤度補正値を算出し(ステップS12)、電力レート情報補正部234はステップS12において算出された尤度補正値に基づいて電力レート情報記憶部231に記憶されている電力レート情報を補正する(ステップS13)。伝送レート決定部235は、ステップS13における補正後の電力レート情報を参照してステップS11において算出された受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する(ステップS14)。
【0117】
<送信機10と受信機20間の送受信処理>
以下、図1の送信機10と受信機20間の送受信処理の概略について図8を参照しつつ説明する。図8は図1の送信機10と受信機20間の送受信処理の流れを示すシーケンス図である。
【0118】
送信機10は前回受信機20から通知された伝送レートAに従って送信信号を送信し(ステップS31)、受信機20はステップS31で送信された送信信号を受信する(ステップS32)。受信機20は図6の処理手順(ステップS5を除く)と図7の処理手順とを実行し、伝送レートBを送信機10へ通知する伝送レートに決定する(ステップS33)。受信機20はステップS33で決定した伝送レートBを送信機10に対して通知するための通知信号を送信し(ステップS34;図6の処理手順のステップS5に相当する処理)、送信機10は伝送レートBの通知信号を受信する(ステップS35)。
【0119】
送信機10はステップS35において受信した通知信号に示される伝送レートBに従って送信信号を送信し(ステップS36)、受信機20はステップS36で送信された送信信号を受信する(ステップS37)。受信機20は図6の処理手順(ステップS5を除く)と図7の処理手順とを実行し、伝送レートCを送信機10へ通知する伝送レートに決定する(ステップS38)。受信機20はステップS38で決定した伝送レートCを送信機10に対して通知するための通知信号を送信し(ステップS39;図6の処理手順のステップS5に相当する処理)、送信機10は伝送レートCの通知信号を受信する(ステップS40)。なお、送信機10は次に受信機20への無線通信を行う場合には今回通知された伝送レートCに従って受信機20へ送信信号の送信を行う。
【0120】
≪第2の実施の形態≫
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0121】
第1の実施の形態では適応制御部211は受信信号電力をそのまま用いて電力レート情報を参照して伝送レートの決定を行う。これに対して、本実施の形態では適応制御部211aは受信信号電力を尤度補正値に基づいて補正し、受信信号電力の補正値を用いて電力レート情報を参照して伝送レートの決定を行う。なお、第1の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機の適応制御部211aであるため、本実施の形態では適応制御部211aについて説明する。
【0122】
(適応制御部211aの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211aについて図9を参照しつつ説明する。図9は本実施の形態の適応制御部211aのブロック図である。なお、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0123】
適応制御部211aは、第1の実施の形態の適応制御部211の構成要素に加え、受信電力補正部240を備える。なお、受信電力算出部232は受信信号電力算出値を伝送レート決定部235へ出力する代わりに受信電力補正部240へ出力し、尤度補正算出部233は尤度補正値を更に受信電力補正部240へ出力する。
【0124】
受信電力補正部240は、尤度補正演算部233から入力される尤度補正値に基づいて受信電力演算部232から入力されるパケットフレームの受信信号電力の補正を行い、補正の結果得られた受信信号電力の補正値(以下、「電力補正値」と言う。)を伝送レート決定部235へ出力する。
【0125】
ここで、尤度が大きい場合には、同じ受信信号電力であっても伝送路特性Hが受信側の等化処理において元の送信ストリームに分離しやすいものであると判断できるため、受信電力補正部240は入力されるパケットフレームの受信信号電力を大きい方に補正する。これに対して、尤度が小さい場合には、同じ受信信号電力であっても伝送路行列Hが受信側の等化処理において元の送信ストリームに分離しにくいものであると判断できるため、受信電力補正部240は入力されるパケットフレームの受信信号電力を小さい方に補正する。
【0126】
なお、受信電力補正部240による受信信号電力の補正は、例えば、上記の点を考慮して作成した尤度補正値に対する補正値(受信信号電力に加算する値)を示す補正情報を受信電力補正部240に格納しておき、受信電力補正部240は補正情報を参照して尤度補正値に対する補正値を推定し、推定した補正値を入力される受信信号電力に加算することによって実現できる。ここでは、補正値は、受信信号電力を値の大きい方に補正する場合には正の値に、受信信号電力を値の小さい方に補正する場合には負の値に定められているものとする。但し、上記の受信信号電力の補正の仕方は一例であって、これに限られるものではなく、例えば、尤度補正値を変数とする関数などを利用して補正値を求め、求めた補正値を受信信号電力に加算することによって電力補正値を算出するなど、上記の点を踏まえたものであればよい。
【0127】
なお、本実施の形態では伝送レート決定部235は、受信電力算出部232から入力されるパケットフレームの受信信号電力を用いる代わりに受信電力補正部240から入力される電力補正値を用いる。伝送レート決定部235は、電力レート情報補正部234による補正後の電力レート情報を参照して、受信電力補正部240から入力される電力補正値に一致する受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する。
【0128】
(適応制御部211aの動作)
以下、図9の適応制御部211aによる適応制御処理について図10を参照しつつ説明する。図10は図9の適応制御部211aによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0129】
適応制御部211aはステップS1からステップS3と実質的に同じ処理を実行する(ステップS51からステップS53)。
【0130】
受信電力補正部240は受信電力算出部232から入力されるパケットフレームの受信信号電力を尤度補正算出部233から入力される尤度補正値に基づいて補正する(ステップS54)。そして、伝送レート決定部235は、ステップS53における補正後の電力レート情報を参照してステップS54において得られた電力補正値に一致する受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する(ステップS55)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211aから上位層処理部23へ出力された伝送レートの内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知された伝送レートに従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0131】
≪第3の実施の形態≫
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0132】
第3の実施の形態の適応制御部211bは第1の実施の形態の適応制御部211が行う適応制御処理と異なる適応制御処理を行うものである。但し、本実施の形態では、受信機20bから送信機10へ通知する伝送レートの要素は変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機20bからの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第1の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機20bであるため、本実施の形態では受信機20bについて説明する。
【0133】
<受信機20b>
以下、本実施の形態の受信機20bについて図11を参照しつつ説明する。図11は本実施の形態の受信機20bの機器構成図である。但し、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0134】
受信機20bは、第1の実施の形態の受信機20の適応制御部211の代わりに適応制御部211bを備える。なお、本実施の形態の伝送路推定部203は伝送路行列Hを適応制御部211bへ出力せず、ウェイト生成部204へのみ出力する。また、CRC誤り検出部210はCRC誤り検出情報を適応制御部211bへ出力しない。
【0135】
(適応制御部211bの構成)
以下、図11の適応制御部211bについて図12を参照しつつ説明する。図12は図11の適応制御部211bのブロック図である。
【0136】
適応制御部211bは、尤度FER情報記憶部251と尤度演算部252とFER推定部253とFER閾値判定部254と伝送レート決定部255とを備える。
【0137】
尤度FER情報記憶部251は、図13に一例を示す伝送レート毎に尤度に対するFER(Frame ErrorRate)を示す尤度FER情報を記憶している。図13において、横軸は尤度を示し、縦軸はFERを示す。なお、IEEE802.11n Draft2.0における、20MHz帯域、2ストリーム伝送及び800n秒のガードインターバル長を対象とする場合、尤度FER情報記憶部251には、130Mbps、117Mbps、104Mbps、78Mbps、52Mbps、39Mbps、26Mbps及び13Mbpsの8つの伝送レートに関する尤度FER情報が記憶される。
【0138】
図13に示す各伝送レートの尤度FER情報は、図14(a)に示す尤度とSNR(Signal to NoiseRatio)との関係と、図14(b)に示す伝送レート毎のSNRとFERとの関係とから導くことができる。
【0139】
尤度演算部252は、送信ストリーム毎に、尤度算出部205から入力される尤度情報に含まれる同じ送信ストリームに関する各キャリアに対する尤度を加算し、この加算によって得られた加算値をキャリア数で除算する。そして、尤度演算部252は、各送信ストリームの除算値を加算し、この加算によって得られた加算値を送信ストリーム数によって除算し、除算値(当該除算値はパケットフレーム単位の尤度である。)をFER推定部253がFERの推定に用いる尤度としてFER推定部253へ出力する。なお、この際、送信ストリームの夫々において計測可能な各キャリアの尤度の値のみを利用する。なお、尤度は変調方式及び符号化率に依存しない。
【0140】
FER推定部253は、尤度FER情報記憶部251に記憶されている尤度FER情報を参照し、伝送レート毎に尤度演算部252から入力される尤度に対するFERを推定し、推定したFER(以下、「FER推定値」と言う。)を対応する伝送レートに対応付けてFER閾値判定部254へ出力する。
【0141】
FER閾値判定部254は、伝送レート毎にFER推定部253から入力されるFER推定値と予め定められたFER閾値とを比較し、FER推定値がFER閾値以下である伝送レートを伝送レート決定部255へ出力する。なお、FER閾値は利用するアプリケーションによって変更可能であり、例えば、利用するアプリケーションがVoIP(Voice over Internet Protocol)の場合には閾値FERを0.03(3%)に設定し、Webなどのデータ伝送の場合には閾値FERを0.1(10%)に設定する。
【0142】
伝送レート決定部255は、FER閾値判定部254から入力される伝送レートのうち最高速の伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートの変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。この上位層処理部23へ出力された変調方式及び符号化率が送信機10へ通知される。なお、伝送レート決定部255は、伝送レート毎に伝送レートの変調方式及び符号化率を格納しているものとする。図15にIEEE802.11n Draft2.0の、20MHz帯域、2ストリーム伝送、800n秒のガードインターバル長における伝送レートに対応する変調方式及び符号化率を示す。
【0143】
(適応制御部211bの動作)
以下、図12の適応制御部211bによる適応制御処理について図16を参照しつつ説明する。図16は図12の適応制御部211bによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0144】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいてFER推定部253がFERの推定に用いる尤度を算出し(ステップS101)、伝送レート決定部255は変数RATEに0を設定する(ステップS102)。
【0145】
FER推定部253は、一つの伝送レートに着目し(ステップS103)、着目中の伝送レートについて尤度FER情報記憶部251に記憶されている尤度FER情報を参照してステップS101で算出された尤度に対するFERを推定する(ステップS104)。FER閾値判定部254は、ステップS104において推定されたFER推定値とFER閾値とを比較し、FER推定値がFER閾値以下であるかを判定する(ステップS105)。FER推定値がFER閾値以下でないと判定された場合には(S105:NO)、ステップS108の処理が行われる。一方、FER推定値がFER閾値以下であると判定された場合には(S105:YES)、ステップS106の処理が行われる。
【0146】
伝送レート決定部255は、着目中の伝送レートが変数RATEの値以上であるかを判定する(ステップS106)。伝送レート決定部255は、着目中の伝送レートが変数RATEの値以上であると判定した場合には(S106:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し(ステップS107)、ステップS108の処理が行われる。一方、着目中の伝送レートが変数RATEの値以上でないと判定された場合には(S106:NO)、ステップS108の処理が行われる。
【0147】
FER推定部253は、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS108)。FER推定部253は、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S108:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS109)、ステップS104の処理へ進む。一方、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S108:YES)、ステップS110の処理が行われる。
【0148】
伝送レート決定部255は、変数RATEの値を送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートの変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS110)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211bから上位層処理部23へ出力された変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機20bへの無線通信を行う場合には今回受信機20bから通知された変調方式及び符号化率に従って送信信号を受信機20bへ送信する。
【0149】
上述した実施の形態によれば、尤度に基づいてFERを瞬時に推定して伝送レートを決定することによって伝送路行列Hの特性を伝送レートの決定に反映させることが可能になり、伝送路状態に応じた適切な伝送レートの決定が可能になる。また、尤度はサブキャリア毎に測定可能であるため、尤度を用いることによって伝送路の瞬間的な変化に対しても瞬時に追随して伝送レートの決定を行うことが可能になる。
【0150】
≪第4の実施の形態≫
以下、本発明の第4の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0151】
第3の実施の形態では、FER推定値がFER閾値以下である伝送レートのうち最高速の伝送レートを送信機10に通知する伝送レートとする。これに対して、本実施の形態では、FER推定値を基に算出されるスループットが最大の伝送レートを送信機10に通知する伝送レートとする。なお、第3の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機の適応制御部211cであるため、本実施の形態では適応制御部211cについて説明する。
【0152】
(適応制御部211cの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211cについて図17を参照しつつ説明する。図17は本実施の形態の適応制御部211cのブロック図である。なお、本実施の形態において第3の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0153】
適応制御部211cは、尤度FER情報記憶部251と尤度演算部252とFER推定部253とスループット算出部261と伝送レート決定部262とを備える。
【0154】
スループット算出部261は、伝送レート毎に、FER推定部253から入力される伝送レートに対応付けられたFER推定値からMAC層レベルで実現可能なスループット、つまり、実効伝送レートを算出し、算出したスループット(以下、「スループット算出値」と言う。)を対応する伝送レートに対応付けて伝送レート決定部262へ出力する。
【0155】
以下に、IEEE802.11e Draft13.0に記載のSurplus Bandwidth Allowance(以下、「Surplus」或いは「再送比率」と言う。)を用いたスループットの算出方法の一例を記載する。但し、再送比率とは、再送などを考慮した、送信ストリームに確保して欲しい帯域の標準帯域に対する比率であり、1よりも小さくなることは有り得ない。
【0156】
スループット算出部261は、FER推定部253から入力されるFER推定値に基づいて再送比率を算出する。当該再送比率の算出には図18に一例を示すFERと再送比率との関係を用いる。このFERと再送比率との関係はIEEE802.11e Draft13.0に記載された下記の式(5)を用いて求めることが可能である。下記の式(5)は100個のフレームを伝送する場合に再送を考慮した冗長フレーム数Sを決定することが可能な関係式である。
【0157】
【数5】
Figure 0005155313
但し、pはFER、Pdropは100個のフレームを100+S個のフレームの間で受信できなかったフレームの割合を表すフレーム損失率である。
【0158】
図18に上記の式(5)を用いて各FERにおいてフレーム損失率を10-8以下にするための冗長フレーム数Sを求めた結果を示す。但し、図18において、横軸はFERを示し、縦軸は再送比率(=(100+S)/100)を示す。図18中の黒丸の点が上記の式(5)を用いて求めた値であり、図18中の実線は黒丸の点から求まる近似曲線である。例えば、コンテンツレートが10Mbps、再送比率の値が1.25の場合、コンテンツの伝送には少なくとも12.5Mbps分の帯域が必要な帯域であると求められる。
【0159】
なお、フレーム損失率は、想定するコンテンツで最もレートが高いBSデジタル放送フルTS放送の28Mbpsで二時間程度の映像(伝送されるフレームの個数は約1.65+7個)を視聴するときに1フレームも損失しないように10-8に固定している。また、上記の式(5)ではフレーム数を100として計算したが、送信機の送信バッファや受信機の受信バッファの大きさに応じて変更しても良い。
【0160】
スループット算出部261は、FER推定部253から入力されるFER推定値を上記の式(5)のpに代入し、フレーム損失率Pdropが10-8以下になる冗長フレーム数Sを算出する。そして、スループット算出部261は、(100+S)/100に算出した冗長フレーム数Sを代入して再送比率を算出する。続いて、スループット算出部261は、算出した再送比率からスループットを算出する。
【0161】
例えば、伝送レートがIEEE802.11aでの48Mbps、算出した再送比率が1.25であった場合のスループットの算出について考察する。まず、伝送レートが48MbpsのMAC層レベルでの最大実効レートは約32Mbpsとなる。これは、IEEE802.11eのHCCA(HCF Controlled Channel Access)で伝送し、フレームのプリアンブル、物理層のヘッダ、MACヘッダ、SIFS(Short Inter Frame Space)、ACKフレームを考慮して算出した最大実効レートである。スループットは、算出した最大実効レートを再送比率で除算することによって得られるので、この場合、32000000(bps)/1.25=2560000(bps)となる。つまり、再送比率が1.25であることから、伝送レートが48Mbpsである場合には、再送分を考慮したスループットは25.6Mbpsと算出できる。
【0162】
伝送レート決定部262は、スループット算出部261から入力される各伝送レートに係るスループット算出値の中から最大のスループット算出値を見つけ出し、見つけ出した最大のスループット算出値に対応する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートの変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。なお、伝送レート決定部262は各伝送レートに対応する変調方式及び符号化率を格納しているとする。
【0163】
(適応制御部211cの動作)
以下、図17の適応制御部211cによる適応制御処理について図19を参照しつつ説明する。図19は図17の適応制御部211cによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0164】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいてFER推定部253がFERの推定に用いる尤度を算出し(ステップS151)、伝送レート決定部262は変数RATE及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS152)。
【0165】
FER推定部253は、一つの伝送レートに着目し(ステップS153)、着目中の伝送レートについて尤度FER情報記憶部251に記憶されている尤度FER情報を参照してステップS151で算出された尤度に対するFERを推定する(ステップS154)。そして、スループット算出部261はステップS154において推定されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS155)。
【0166】
伝送レート決定部262は、ステップS155において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS156)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S156:NO)、ステップS158の処理が行われる。一方、伝送レート決定部262はスループット算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S156:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS157)、ステップS158の処理が行われる。
【0167】
FER推定部253は、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS158)。そして、FER推定部253は、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S158:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS159)、ステップS154の処理へ進む。一方、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S158:YES)、ステップS160の処理が行われる。
【0168】
伝送レート決定部262は、変数RATEの値を送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートの変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS160)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211cから上位層処理部23へ出力された変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1から送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知された変調方式及び符号化率に従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0169】
図20は尤度(ステップS151で算出される尤度が対応)とMAC層レベルのスループット(ステップS155において算出されるスループット算出値が対応)との関係を示す図である。図20において、横軸は尤度を示し、縦軸はMAC層レベルのスループットを示す。図20から尤度の大きさによって最大のスループットとなる伝送レートが異なることが分かる。上述した適応制御部211cは常に最大スループットの伝送レートが送信機10へ通知される伝送レートに決定されるようにするものである。
【0170】
≪第5の実施の形態≫
IEEE802.11n Draft2.0では、ガードインターバル長(以下、「GI長」と言う。)として、800n秒及び400n秒をサポートしている。伝送レートは、変調方式及び符号化率だけでなく、GI長によっても変わる値であり、図21にIEEE802.11n Draft2.0の、20MHz帯域、2ストリーム伝送における伝送レートに対応するガードインターバル長、変調方式及び符号化率を示す。
【0171】
ガードインターバル(以下、「GI」と言う。)はマルチパス・フェージングの耐性を高める効果がある。GI長が大きな値である場合、マルチパス・フェージングの耐性が高く、また、遠い伝搬距離の通信を安定して行うことが可能である。しかしながら、信号に付加する冗長部が増えるためにスループットが低下する。一方、GI長が小さな値である場合、スループットが高くなるが、マルチパス・フェージングの影響を受けやすいために近距離での通信に適している。
【0172】
以下、本発明の第5の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0173】
第4の実施の形態では、適応制御部211cは送信機10へ通知する変調方式及び符号化率の決定を行う。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211dは送信機10へ通知するGI長、変調方式及び符号化率の決定を行う。但し、本実施の形態では、受信機から送信機10へ通知する伝送レートの要素がGI長、変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機からの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、GI挿入部1091〜109MにGI長を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第4の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は適応制御部211dであるため、本実施の形態では適応制御部211dについて説明する。
【0174】
(適応制御部211dの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211dについて図22を参照しつつ説明する。図22は本実施の形態の適応制御部211dのブロック図である。なお、本実施の形態において第3の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0175】
適応制御部211dは、尤度FER情報記憶部251dと尤度演算部252とFER推定部253dとスループット算出部261dと伝送レート決定部262dとを備える。なお、本実施の形態では、GI長、変調方式及び符号化率の組が異なっていても同じ伝送レートになることがあることを考慮し、適応制御部211dは伝送レート毎でGI長毎に所定の処理を行うようになっている。
【0176】
尤度FER情報記憶部251dは、図23に一例を示す伝送レート毎でGI長毎に尤度に対するFERを示す尤度FER情報を記憶している。図23において、横軸は尤度を示し、縦軸はFERを示す。
【0177】
FER推定部253dは、尤度FER情報記憶部251dに記憶されている尤度FER情報を参照し、伝送レート毎でGI長毎に尤度演算部252から入力される尤度に対するFERを推定し、推定したFER推定値を対応する伝送レートとGI長とに対応付けてスループット算出部261dへ出力する。
【0178】
スループット算出部261dは、伝送レート毎でGI長毎に、FER推定部253dから入力されるFER推定値に基づいてスループットを算出し、算出したスループット算出値を対応する伝送レートとGI長とに対応付けて伝送レート決定部262dへ出力する。
【0179】
伝送レート決定部262dは、スループット算出部261dから入力されるスループット算出値の中から最大のスループット算出値を見つけ出す。そして、伝送レート決定部262dは、見つけ出した最大のスループット算出値に対応する伝送レートとGI長とに基づいて送信機10へ通知するGI長、変調方式及び符号化率を決定する。その後、伝送レート決定部262dは、決定したGI長、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。なお、伝送レート決定部262dは図21に示す内容を格納しているとする。
【0180】
(適応制御部211dの動作)
以下、図22の適応制御部211dによる適応制御処理について図24を参照しつつ説明する。図24は図22の適応制御部211dによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0181】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいてFER推定部253dがFERの推定に用いる尤度を算出し(ステップS201)、伝送レート決定部262dは変数RATE、変数GARD及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS202)。
【0182】
FER推定部253dは、一つの伝送レートに着目し(ステップS203)、一つのGI長に着目する(ステップS204)。FER推定部253dは、着目中の伝送レートにおける着目中のGI長について、尤度FER情報記憶部251dに記憶されている尤度FER情報を参照してステップS201で算出された尤度に対するFERを推定する(ステップS205)。そして、スループット算出部261dはステップS205で推定されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS206)。
【0183】
伝送レート決定部262dは、ステップS206において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS207)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S207:NO)、ステップS209の処理が行われる。一方、伝送レート決定部262dはスループットの算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S207:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数GARDの値を着目中のGI長に更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS208)、ステップS209の処理が行われる。
【0184】
FER推定部253dは、着目中の伝送レートにおいて全GI長でFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS209)。そして、FER推定部253dは、着目中の伝送レートにおいて全GI長でFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S209:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つのGI長に着目し(ステップS210)、ステップS205の処理へ進む。
【0185】
一方、FER推定部253dは、着目中の伝送レートにおいて全GI長でFERの推定等の処理が行われたと判定した場合には(S209:YES)、全伝送レートにおいて全GI長に対するFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS211)。FER推定部253dは、全伝送レートにおいて全GI長に対するFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S211:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS212)、ステップS204の処理へ進む。一方、FER推定部253dによって全伝送レートにおいて全GI長に対するFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S211:YES)、ステップS213の処理が行われる。
【0186】
伝送レート決定部262dは、変数RATEの値及び変数GARDの値に基づいて送信機10へ通知するGI長、変調方式及び符号化率を決定し、決定したGI長、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS213)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211dから上位層処理部23へ出力されたGI長、変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知されたGI長、変調方式及び符号化率に従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0187】
≪第6の実施の形態≫
IEEE802.11n Draft2.0では、送信ストリーム数として、1〜4をサポートしている。伝送レートは、変調方式及び符号化率だけでなく、送信ストリーム数によっても変わる値であり、図25にIEEE802.11n Draft2.0の、20MHz帯域、ガードインターバル長800n秒における伝送レートに対応する送信ストリーム数、変調方式及び符号化率を示す。なお、図25には送信ストリーム数が1(図中の「1ストリーム」が該当)と送信ストリーム数が2(図中の「2ストリーム」が該当)の場合のみ示している。
【0188】
ここで、例えば、送信アンテナ2本を用いた1ストリーム伝送の尤度と送信アンテナ2本を用いた2ストリーム伝送の尤度とを比較する。1ストリーム伝送では尤度が1つ求まり、2ストリーム伝送では尤度が2つ求まる。1ストリーム伝送の尤度は2ストリーム伝送の一方の尤度より大きな値となる。これは、1ストリーム伝送の場合送信アンテナ2本から同じ信号を伝送するために、1ストリーム伝送における受信信号電力が2ストリーム伝送における1送信ストリーム分の受信信号電力の2倍になるからである。
【0189】
以下、本発明の第6の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0190】
第4の実施の形態では、適応制御部211cは送信機10へ通知する変調方式及び符号化率の決定を行う。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211eは送信機10へ通知する送信ストリーム数、変調方式及び符号化率の決定を行う。但し、本実施の形態では、受信機から送信機10へ通知する伝送レートの要素が送信ストリーム数、変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機からの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、符号分離部105に送信ストリーム数を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第4の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は適応制御部211eであるため、本実施の形態では適応制御部211eについて説明する。
【0191】
(適応制御部211eの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211eについて図26を参照しつつ説明する。図26は本実施の形態の適応制御部211eのブロック図である。但し、本実施の形態では、送信信号の送信に用いるアンテナの数は送信ストリーム数に係わらず一定であるとして説明する。なお、本実施の形態において第3の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0192】
適応制御部211eは、尤度FER情報記憶部251eと尤度演算部252と尤度推定部271とFER推定部253eとスループット算出部261eと伝送レート決定部262eとを備える。なお、本実施の形態では、送信ストリーム数、変調方式及び符号化率の組が異なっていても同じ伝送レートになることがあることを考慮し、適応制御部211eは伝送レート毎で送信ストリーム数毎に所定の処理を行うようになっている。
【0193】
尤度FER情報記憶部251eは、図27に一例を示す伝送レート毎で送信ストリーム毎に尤度に対するFERを示す尤度FER情報を記憶している。図27において、横軸は尤度を示し、縦軸はFERを示す。
【0194】
尤度推定部271は、尤度演算部252から入力される尤度(現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数における尤度)に基づいて他の送信ストリーム数(現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数以外の送信ストリーム数)の夫々においてFER推定部253eがFERの推定に用いる尤度を推定する。そして、尤度推定部271は、推定した尤度を対応する送信ストリーム数に対応付けてFER推定部253eへ出力する。なお、現在送信機10から受信機の無線通信に用いられている送信ストリーム数は制御情報信号に含まれている。
【0195】
以下に、尤度推定部271による上記の他の送信ストリーム数における尤度の推定方法の2つの例を記載する。
【0196】
例えば、現在2本の送信アンテナから2ストリーム伝送を行っている場合に、1ストリーム伝送時の尤度を推定する例を示す。2ストリーム伝送から1ストリーム伝送にした場合、ストリーム当りの受信信号電力は2倍になると考えられる。これは、2本の送信アンテナから同じデータストリームを伝送するためである。つまり、受信信号電力は約(3+α)dB増加すると考えられる。このことから、2ストリーム伝送時の尤度に(3+α)dBを加算することによって1ストリーム伝送時の尤度の推定が可能である。なお、2ストリーム伝送時に求まる尤度は2つあるので、それらの最大値或いは最小値又はそれらの平均値などを(3+α)dBを加算する対象の尤度として用いることができる。
【0197】
また、現在2本の送信アンテナから1ストリーム伝送を行っている場合に、2ストリーム伝送時の尤度を推定する例を示す。1ストリーム伝送から2ストリーム伝送にした場合、ストリーム当りの受信信号電力は1/2倍になると考えられる。つまり、受信信号電力は約(3+α)dB減少すると考えられる。このことから、1ストリーム伝送時の尤度から(3+α)dBを減算することによって2ストリーム伝送時の尤度の推定が可能である。
【0198】
なお、上記の考え方を適用することによって、尤度推定部271は、尤度演算部252から入力される尤度(現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数における尤度)に基づいて他の送信ストリーム数(現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数以外の送信ストリーム数)の夫々における尤度を推定する。
【0199】
FER推定部253eは、尤度FER情報記憶部251eに記憶されている尤度FER情報を参照し、伝送レート毎で送信ストリーム数毎に尤度(尤度演算部252から入力される尤度或いは尤度推定部271から入力される尤度)に対するFERを推定し、推定したFER推定値を対応する伝送レートと送信ストリーム数とに対応付けてスループット算出部261eへ出力する。
【0200】
スループット算出部261eは、伝送レート毎で送信ストリーム数毎に、FER推定部253eから入力されるFER推定値からスループットを算出し、スループット算出値を対応する伝送レートと送信ストリーム数とに対応付けて伝送レート決定部262eへ出力する。
【0201】
伝送レート決定部262eは、スループット算出部261eから入力されるスループット算出値の中から最大のスループット算出値を見つけ出す。そして、伝送レート決定部262eは、見つけ出した最大のスループット算出値に対応する伝送レートと送信ストリーム数とに基づいて送信機10へ通知する送信ストリーム数、変調方式及び符号化率を決定する。その後、伝送レート決定部262eは、決定した送信ストリーム数、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。なお、伝送レート決定部262eは変調方式、符号化率及び送信ストリーム数に対応する伝送レートを格納しているとする(図25参照。)。
【0202】
(適応制御部211eの動作)
以下、図26の適応制御部211eによる適応制御処理について図28を参照しつつ説明する。図28は図26の適応制御部211eによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図28中では「送信ストリーム数」を単に「ストリーム数」と記載する。
【0203】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数においてFER推定部253eがFERの推定に用いる尤度を算出する(ステップS251)。また、尤度推定部271はステップS251で算出された尤度に基づいて現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている送信ストリーム数以外の送信ストリーム数の夫々においてFER推定部253eがFERの推定に用いる尤度を推定する(ステップS252)。さらに、伝送レート決定部262eは変数RATE、変数STREAM及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS253)。
【0204】
FER推定部253eは、一つの伝送レートに着目し(ステップS254)、一つの送信ストリーム数に着目する(ステップS255)。FER推定部253eは、着目中の伝送レートにおける着目中の送信ストリーム数について、尤度FER情報記憶部251eに記憶されている尤度FER情報を参照してステップS251或いはステップS252で得られた当該送信ストリーム数の尤度に対するFERを推定する(ステップS256)。そして、スループット算出部261eはステップS256で推定されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS257)。
【0205】
伝送レート決定部262eは、ステップS257において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS258)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S258:NO)、ステップS260の処理が行われる。一方、伝送レート決定部262eはスループット算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S258:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数STREAMの値を着目中の送信ストリーム数に更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS259)、ステップS260の処理が行われる。
【0206】
FER推定部253eは、着目中の伝送レートにおいて全送信ストリーム数でFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS260)。そして、FER推定部253eは、着目中の伝送レートにおいて全送信ストリーム数でFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S260:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの送信ストリーム数に着目し(ステップS261)、ステップS256の処理へ進む。
【0207】
一方、FER推定部253eは、着目中の伝送レートにおいて全送信ストリーム数でFERの推定等の処理が行われたと判定した場合には(S260:YES)、全伝送レートにおいて全送信ストリーム数に対するFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS262)。FER推定部253eは、全伝送レートにおいて全送信ストリーム数に対するFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S262:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS263)、ステップS255の処理へ進む。一方、FER推定部253eによって全伝送レートにおいて全送信ストリーム数に対するFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S262:YES)、ステップS264の処理が行われる。
【0208】
伝送レート決定部262eは、変数RATEの値及び変数STREAMの値に基づいて送信機10へ通知する送信ストリーム数、変調方式及び符号化率を決定し、決定した送信ストリーム数、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS264)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211eから上位層処理部23へ出力された送信ストリーム数、変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知された送信ストリーム数、変調方式及び符号化率に従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0209】
≪第7の実施の形態≫
IEEE802.11n Draft2.0では、帯域幅として20MHz及び40MHzをサポートしている。伝送レートは、変調方式と符号化率とだけではなく、帯域幅によっても変わる値であり、図29にIEEE802.11n Draft2.0の、2ストリーム伝送、ガードインターバル長800n秒における伝送レートに対応する帯域幅、変調方式及び符号化率を示す。
【0210】
以下、本発明の第7の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0211】
第4の実施の形態では、適応制御部211cは送信機10へ通知する変調方式及び符号化率の決定を行う。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211fは送信機10へ通知する帯域幅、変調方式及び符号化率の決定を行う。但し、本実施の形態では、受信機から送信機10へ通知する伝送レートの要素は帯域幅、変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機からの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、IFFT部1081〜108Mに帯域幅を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第4の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は適応制御部211fであるため、本実施の形態では適応制御部211fについて説明する。
【0212】
(適応制御部211fの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211fについて図30を参照しつつ説明する。図30は本実施の形態の適応制御部211fのブロック図である。なお、本実施の形態において第3の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0213】
適応制御部211fは、尤度FER情報記憶251fと尤度演算部252と尤度推定部271fとFER推定部253fとスループット算出部261fと伝送レート決定部262fとを備える。なお、本実施の形態では、帯域幅、変調方式及び符号化率の組が異なっていても同じ伝送レートになることがあることを考慮し、適応制御部211fは伝送レート毎で帯域幅毎に所定の処理を行うようになっている。
【0214】
尤度FER情報記憶部251fは、図31に一例を示す伝送レート毎で帯域幅毎に尤度に対するFERを示す尤度FER情報を記憶している。図31において、横軸は尤度を示し、縦軸はFERを示す。
【0215】
尤度推定部271fは、尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅より値の小さい他の帯域幅の夫々においてFER推定部253fがFERの推定に用いる尤度を推定し、推定した尤度を対応する帯域幅に対応付けてFER推定部253fへ出力する。
【0216】
以下に、尤度推定部271fによる上記の他の帯域幅における尤度の推定方法を記載する。
【0217】
尤度推定部271fは、送信ストリーム毎に、尤度算出部205から入力される尤度情報に含まれる同じ送信ストリームに関する他の帯域幅の各キャリアに対する尤度を加算し、この加算によって得られた加算値を当該他の帯域幅のキャリア数で除算する。そして、尤度推定部271fは、各送信ストリームの除算値を加算し、この加算によって得られた加算値を送信ストリーム数によって除算し、除算値を当該他の帯域幅においてFER推定部253fがFERの推定に用いる尤度とする。
【0218】
例えば、帯域幅として20MHzと40MHzとがあり、40MHz帯のチャネルは隣接する2つの20MHz帯のチャネルからなるとする。この場合に、現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅が40MHzであり、尤度推定部271fが帯域幅20MHzにおける尤度を推定する場合には、尤度推定部271fは例えば40MHz帯の周波数が低い側の20MHzに含まれるキャリアを利用することによって帯域幅が20MHzにおける尤度を推定する。
【0219】
FER推定部253fは、尤度FER情報記憶部251fに記憶されている尤度FER情報を参照し、伝送レート毎で帯域幅毎に尤度(尤度演算部252から入力される尤度或いは尤度推定部271fから入力される尤度)に対するFERを推定し、推定したFER推定値を対応する伝送レートと帯域幅とに対応付けてスループット算出部261fへ出力する。なお、FER推定部253fによってFERの推定が行われる帯域幅は現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅以下の各帯域幅である。
【0220】
スループット算出部261fは、伝送レート毎で帯域幅毎に、FER推定部253fから入力されるFER推定値からスループットを算出し、スループット算出値を対応する伝送レートと帯域幅とに対応付けて伝送レート決定部262fへ出力する。なお、スループット算出部261fによってスループットの算出が行われる帯域幅は現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅以下の各帯域幅である。
【0221】
伝送レート決定部262fは、スループット算出部261fから入力されるスループット算出値の中から最大のスループットの算出値を見つけ出す。そして、伝送レート決定部262fは、見つけ出した最大のスループット算出値に対応する伝送レートと帯域幅とに基づいて送信機10へ通知する帯域幅、変調方式及び符号化率を決定する。その後、伝送レート決定部262fは、決定した帯域幅、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。なお、伝送レート決定部262fは図29に示す内容を格納しているとする。
【0222】
(適応制御部211fの動作)
以下、図30の適応制御部211fによる適応制御処理について図32を参照しつつ説明する。図32は図30の適応制御部211fによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。但し、適応制御部211fは現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅以下の各帯域幅のみを対象として伝送レートの決定を行うことを踏まえ、図32のフローチャート及び図32を用いた説明では「全帯域幅」は「現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅以下の各帯域幅の全て」という意味で用いる。
【0223】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅においてFER推定部253fがFERの推定に用いる尤度を算出する(ステップS301)。また、尤度推定部271fは尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅より値が小さい帯域幅の夫々においてFER推定部253fがFERの推定に用いる尤度を推定する(ステップS302)。さらに、伝送レート決定部262fは変数RATE、変数BAND及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS303)。
【0224】
FER推定部253fは、一つの伝送レートに着目し(ステップS304)、一つの帯域幅に着目する(ステップS305)。FER推定部253fは、着目中の伝送レートにおける着目中の帯域幅について、尤度FER情報記憶部251fに記憶されている尤度FER情報を参照してステップS301或いはステップS302で推定された当該帯域幅の尤度に対するFERを推定する(ステップS306)。そして、スループット算出部261fはステップS306で推定されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS307)。
【0225】
伝送レート決定部262fは、ステップS307において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS308)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S308:NO)、ステップS310の処理が行われる。一方、伝送レート決定部262fはスループット算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S308:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数BANDの値を着目中の帯域幅に更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS309)、ステップS310の処理が行われる。
【0226】
FER推定部253fは、着目中の伝送レートにおいて全帯域幅でFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS310)。そして、FER推定部253fは、着目中の伝送レートにおいて全帯域幅でFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S310:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの帯域幅に着目し(ステップS311)、ステップS306の処理へ進む。
【0227】
一方、FER推定部253fは、着目中の伝送レートにおいて全帯域幅でFERの推定等の処理が行われたと判定した場合には(S310:YES)、全伝送レートにおいて全帯域幅に対するFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS312)。FER推定部253fは、全伝送レートにおいて全帯域幅に対するFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S312:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS313)、ステップS305の処理へ進む。一方、FER推定部253fによって全伝送レートにおいて全帯域幅に対するFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S312:YES)、ステップS314の処理が行われる。
【0228】
伝送レート決定部262fは、変数RATEの値及び変数BANDの値に基づいて送信機10へ通知する帯域幅、変調方式及び符号化率を決定し、決定した帯域幅、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS314)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211fから上位層処理部23へ出力された帯域幅、変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知された帯域幅、変調方式及び符号化率に従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0229】
≪第8の実施の形態≫
IEEE802.11n Draft2.0では、図33に示す2種類のフレーム・アグリケーション機能をサポートしている。図33(a)はA−MSDU(Aggregation MAC Service Data Unit)のフレーム構成を示し、図33(b)はA−MPDU(Aggregation MAC Protocol Data Unit)のフレーム構成を示す。なお、図33(a),(b)に示すフレームは規格によって定められたものであり、これらの内容は既知であるので、その詳細は省略する。
【0230】
A−MSDUを用いた無線伝送において、伝送路状態が良い場合のフレーム連結伝送は1フレームずつの伝送と比較してスループットが向上する。これは1フレーム毎に必要なプリアンブルやヘッダなどの冗長部分の削減が可能なためである。しかしながら、伝送路状態が悪い場合のフレーム連結伝送は1フレームずつの伝送と比較してスループットが低下する。これは、フレーム連結によってフレーム長が長くなるために、フレーム誤りが発生した場合に、再送による無線帯域の利用効率が低下するためである。
【0231】
ここで、図34に、1500バイト/フレームである場合の、A−MPDUにおける伝送レート(変調方式と符号化率)とフレーム連結数との組に対するMAC層レベルのスループット(図中ではMACスループットと記載)を示す。但し、IEEE802.11n Draft2.0における、20MHz帯域、2ストリーム伝送及び800n秒のガードインターバル長を対象としている。なお、図34、図36及び図37中では「フレーム連結数」を単に「連結数」と記載する。
【0232】
図34に示す通り、MAC層レベルのスループットは伝送レート(変調方式と符号化率)のみでなくフレーム連結数にも依存することが分かる。
【0233】
以下、本発明の第8の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0234】
第4の実施の形態では、適応制御部211cは送信機10へ通知する変調方式及び符号化率の決定を行う。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211gは送信機10へ通知するフレーム連結数、変調方式及び符号化率の決定を行う。なお、尤度はフレーム連結数、変調方式及び符号化率には依存しない。但し、本実施の形態では、受信機から送信機10へ通知される内容は伝送レートの要素である変調方式及び符号化率に加え、フレーム連結数であるので、送信機10の適応制御部101は受信機からの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、MACヘッダ付加部102にフレーム連結数を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第4の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は適応制御部211gであるため、本実施の形態では適応制御部211gについて説明する。
【0235】
(適応制御部211gの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211gについて図35を参照しつつ説明する。図35は本実施の形態の適応制御部211gのブロック図である。なお、本実施の形態において第3の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0236】
適応制御部211gは、尤度FER情報記憶部251gと尤度演算部252とFER推定部253gとスループット算出部261gとレート/連結数決定部262gとを備える。
【0237】
尤度FER情報記憶部251gは、図36に一例を示す伝送レート毎でフレーム連結数毎に尤度に対するFERを示す尤度FER情報を記憶している。図36において、横軸は尤度を示し、縦軸はFERを示す。
【0238】
FER推定部253gは、尤度FER情報記憶部251gに記憶されている尤度FER情報を参照し、伝送レート毎でフレーム連結数毎に尤度演算部252から入力される尤度に対するFERを推定し、推定したFER推定値を対応する伝送レートとフレーム連結数とに対応付けてスループット算出部261gへ出力する。
【0239】
スループット算出部261gは、伝送レート毎でフレーム連結数毎に、FER推定部261gから入力されるFER推定値からスループットを算出し、スループット算出値を対応する伝送レートとフレーム連結数とに対応付けてレート/連結数決定部262gへ出力する。
【0240】
レート/連結数決定部262gは、スループット算出部261gから入力されるスループット算出値の中から最大のスループット算出値を見つけ出す。そして、レート/連結数決定部262gは、見つけ出した最大のスループット算出値に対応する伝送レートとフレーム連結数とに基づいて送信機10へ通知するフレーム連結数、変調方式及び符号化率を決定する。そして、レート/連結数決定部262gは、決定したフレーム連結数、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する。なお、レート/連結数決定部262gは図15に示す内容を格納しているとする。
【0241】
(適応制御部211gの動作)
以下、図35の適応制御部211gによる適応制御処理について図37を参照しつつ説明する。図37は図35の適応制御部211gによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0242】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいてFER推定部253gがFERの推定に用いる尤度を算出し(ステップS351)、レート/連結数決定部262gは変数RATE、変数COMB及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS352)。
【0243】
FER推定部253gは、一つの伝送レートに着目し(ステップS353)、一つのフレーム連結数に着目する(ステップS354)。FER推定部253gは、着目中の伝送レートにおける着目中のフレーム連結数について、尤度FER情報記憶部251gに記憶されている尤度FER情報を参照してステップS351で算出された尤度に対するFERを推定する(ステップS355)。そして、スループット算出部261gはステップS355で推定されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS356)。
【0244】
レート/連結数決定部262gは、ステップS356において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS357)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S357:NO)、ステップS359の処理が行われる。一方、レート/連結数決定部262gはスループット算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S357:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数COMBの値を着目中のフレーム連結数に更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS358)、ステップS359の処理が行われる。
【0245】
FER推定部253gは、着目中の伝送レートにおいて全フレーム連結数でFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS359)。FER推定部253gは、着目中の伝送レートにおいて全フレーム連結数でFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S359:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つのフレーム連結数に着目し(ステップS360)、ステップS355の処理へ進む。
【0246】
一方、FER推定部253gは、着目中の伝送レートにおいて全フレーム連結数でFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S359:YES)、全伝送レートにおいて全フレーム連結数に対するFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS361)。FER推定部253gは、全伝送レートにおいて全フレーム連結数に対するFERの推定等の処理が行われていないと判定した場合には(S361:NO)、FERの推定等の処理が行われていない一つの伝送レートに着目し(ステップS362)、ステップS354の処理へ進む。一方、FER推定部253gによって全伝送レートにおいて全フレーム連結数に対するFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S361:YES)、ステップS363の処理が行われる。
【0247】
レート/連結数決定部262gは、変数RATEの値及び変数COMBの値に基づいて送信機10へ通知するフレーム連結数、変調方式及び符号化率を決定し、決定したフレーム連結数、変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS363)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211gから上位層処理部23へ出力されたフレーム連結数、変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1を介して送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機への無線通信を行う場合には今回当該受信機から通知されたフレーム連結数、変調方式及び符号化率に従って送信信号を当該受信機へ送信する。
【0248】
図38は尤度(ステップS351で算出される尤度が対応)とMAC層レベルのスループット(ステップS356で算出されるスループットが対応)との関係を示す図である。図38において、横軸は尤度を示し、縦軸はMAC層レベルのスループットを示す。図38から尤度の大きさによって最大のスループットとなる伝送レート及びフレーム連結数が異なることが分かる。上述した適応制御部211gは常に最大スループットの伝送レート及びフレーム連結数が送信機10へ通知される伝送レート及びフレーム連結数に決定されるようにするものである。
【0249】
≪第9の実施の形態≫
以下、本発明の第9の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0250】
第4の実施の形態では、適応制御部211cは伝送レートの決定に際して尤度から推定されるFERのみを利用する。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211hは伝送レートの選択に際して尤度から推定されるFER及び受信信号電力から推定されるFERを利用する。但し、本実施の形態では、受信機20hから送信機10へ通知する伝送レートの要素は変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機20hからの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第4の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機20hであるため、本実施の形態では受信機20hについて説明する。
【0251】
<受信機20h>
以下、本実施の形態の受信機20hについて図39を参照しつつ説明する。図39は本実施の形態の受信機20hの機器構成図である。但し、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0252】
受信機20hは、第3の実施の形態の受信機20bの適応制御部211bの代わりに適応制御部211hを備える。なお、本実施の形態の伝送路推定部203は伝送路行列Hをウェイト生成部204の他に適応制御部211hへ出力する。
【0253】
(適応制御部211hの構成)
以下、図39の適応制御部211hについて図40を参照しつつ説明する。図40は図39の適応制御部211hのブロック図である。なお、本実施の形態において第3及び第4の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0254】
適応制御部211hは、尤度FER情報記憶部251と尤度演算部252とFER推定部253と電力FER情報記憶281と受信電力算出部282とFER推定部283とFER比較判定部284とスループット算出部261と伝送レート決定部262とを備える。なお、本実施の形態では、FER推定部253は推定したFER推定値をスループット算出部261へ出力する代わりにFER比較判定部284へ出力する。また、スループット算出部261は伝送レート毎のスループットの算出をFER推定部253から入力されるFER推定値を用いて行う代わりにFER比較判定部284から入力されるFER推定値を用いて行う。
【0255】
電力FER情報記憶部281は、図41に一例を示す伝送レート毎に受信信号電力(Received SignalStrength Indicator:RSSI)に対するFERを示す電力FER情報を記憶する。図41において、横軸はRSSIを示し、縦軸はFERを示す。
【0256】
受信電力算出部282は、受信電力算出部232と実質的に同じ処理を行うものであって、伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hを用いてパケットフレームの受信信号電力を算出し、算出した受信信号電力をFER推定部283へ出力する。
【0257】
FER推定部283は、電力FER情報記憶部281に記憶されている電力FER情報を参照し、伝送レート毎に受信電力算出部282から入力される受信信号電力に対するFERを推定し、推定したFER推定値をFER比較判定部284へ出力する。
【0258】
FER比較判定部284は、伝送レート毎に、同じ伝送レートについてFER推定部253から入力されるFER推定値とFER推定部283から入力されるFER推定値とを比較し、値の大きい方のFER推定値をスループット算出部261へ出力する。なお、値の大きい方のFER推定値を用いることとしたのは、伝送路の状況が悪いと思われる方の値を利用することによって、次の送信機10から受信機20hへの無線通信をより確実に行えるようにするためである。
【0259】
(適応制御部211hの動作)
以下、図40の適応制御部211hによる適応制御処理について図42を参照しつつ説明する。図42は図40の適応制御部211hによる適応制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0260】
尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいてFER推定部253がFERの推定に用いる尤度を算出し(ステップS401)、受信電力算出部282は伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hに基づいてパケットフレームの受信信号電力を算出する(ステップS402)。また、伝送レート決定部262は変数RATE及び変数TPUTの夫々に0を設定する(ステップS403)。
【0261】
FER推定部253及びFER推定部283は同じ一つの伝送レートに着目する(ステップS404)。FER推定部253は、着目中の伝送レートについて尤度FER情報記憶部251に記憶されている尤度FER情報を参照してステップS401で算出された尤度に対するFERを推定する(ステップS405)。また、FER推定部283は、着目中の伝送レートについて電力FER情報記憶部281に記憶されている電力FER情報を参照してステップS402において算出された受信信号電力に対するFERを推定する(ステップS406)。
【0262】
FER比較判定部284はステップS405において推定されたFER推定値とステップS406において推定されたFER推定値とを比較し、値が大きい方のFER推定値をスループット算出部261へ出力する(ステップS407)。そして、スループット算出部261はステップS407で入力されたFER推定値を用いてスループットの算出を行う(ステップS408)。
【0263】
伝送レート決定部262は、ステップS408において算出されたスループット算出値と変数TPUTの値とを比較し、スループット算出値が変数TPUTの値以上であるかを判定する(ステップS409)。スループット算出値が変数TPUTの値以上でないと判定された場合には(S409:NO)、ステップS411の処理が行われる。一方、伝送レート決定部262は、スループット算出値が変数TPUTの値以上であると判定した場合には(S409:YES)、変数RATEの値を着目中の伝送レートに更新し、変数TPUTの値をスループット算出値に更新し(ステップS410)、ステップS411の処理が行われる。
【0264】
FER推定部253は、全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたかを判定する(ステップS411)。FER推定部253によって全伝送レートでFERの推定等の処理が行われていないと判定された場合には(S411:NO)、FER推定部253及びFER推定部283はFERの推定等の処理が行われていない同じ一つの伝送レートに着目し(ステップS412)、ステップS405の処理が行われる。一方、FER推定部253によって全伝送レートでFERの推定等の処理が行われたと判定された場合には(S411:YES)、ステップS413の処理が行われる。
【0265】
伝送レート決定部262は、変数RATEの値を送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートの変調方式及び符号化率を上位層処理部23へ出力する(ステップS413)。なお、上位層処理部23及び送信処理部24が所定の処理を行うことによって、適応制御部211hから上位層処理部23へ出力された変調方式及び符号化率の内容を含む送信信号がアンテナRA1から送信機10へ送信される。そして、送信機10は、次回受信機20hへの無線通信を行う場合には今回受信機20hから通知された変調方式及び符号化率に従って送信信号を受信機20hへ送信する。
【0266】
≪第10の実施の形態≫
以下、本発明の第10の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0267】
第10の実施の形態は、第9の実施の形態の適応制御部211hに、送信機10や受信機20iの設置場所による環境変化や移動による環境変化に応じて、尤度FER情報記憶部251が記憶している尤度FER情報の補正及び電力FER情報記憶部281が記憶している電力FER情報の補正を行う機能を付加したものである。但し、本実施の形態では、受信機20iから送信機10へ通知する伝送レートの要素は変調方式及び符号化率であるので、送信機10の適応制御部101は受信機20iからの通知内容に従って符号化部104に符号化率を設定し、変調部1061〜106Mに変調方式を設定し、それ以外については所定の値を設定する。なお、第9の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機20iであるため、本実施の形態では受信機20iについて説明する。
【0268】
<受信機20i>
以下、本実施の形態の受信機20iについて図43を参照しつつ説明する。図43は本実施の形態の受信機20iの機器構成図である。但し、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0269】
受信機20iは、第9の実施の形態の受信機20hの適応制御部211hの代わりに適応制御部211iを備える。なお、本実施の形態のCRC誤り検出部210はCRC誤り検出の結果を示すCRC誤り検出情報を適応制御部211iへ出力する。
(適応制御部211iの構成)
以下、図43の適応制御部211iについて図44を参照しつつ説明する。図44は本実施の形態の適応制御部211iのブロック図である。なお、本実施の形態において第3、第4及び第9の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0270】
適応制御部211iは、第9の実施の形態の適応制御部211hの構成要素に加え、FER測定部291と尤度FER情報補正部292と電力FER情報補正部293とを備える。
【0271】
尤度FER情報補正部292及び電力FER情報補正部293の夫々に伝送路推定部203から今回の送信機10から受信機20iへの無線通信に用いられた伝送レートの情報が入力される。なお、伝送路推定部203は送信機10から受信する制御情報信号を解析し、当該制御情報に含まれる伝送レートを特定し、特定した伝送レートを尤度FER情報補正部292及び電力FER情報補正部293へ出力する。
【0272】
FER測定部291は、CRC誤り検出部210から入力されるCRC誤り検出結果を基に、一定期間ごと或いは検出結果が一定数集まる毎にFERの算出を行い、算出したFERを尤度FER情報補正部292と電力FER情報補正部293へ出力する。例えば、FERの算出は、FER=CRC誤り数/(CRC成功数+CRC誤り数)を用いることによって行うことができる。
【0273】
尤度FER情報補正部292は、尤度FER情報記憶部251に記憶されている尤度FER情報を、入力される伝送レートと尤度演算部252から入力される尤度とFER測定部291から入力されるFERとに基づいて補正する。尤度FER情報補正部292による伝送レート“130Mbps”の尤度FER情報の補正例を図45に示す。図45において、黒丸は伝送レート“130Mbps”の補正前のサンプル値を示す点を示し、黒三角は実測値を示す点(FER測定部291によって算出されたFERと尤度演算部252によって算出された尤度との対に対応する点)を示す。尤度FER情報補正部292は、黒丸で示されるサンプル値と黒三角で示される実測値とから近似曲線を算出することによって、伝送レート“130Mbps”の尤度FER情報の補正を行う。なお、近似曲線の算出は、例えば、最小二乗法を利用することによって、或いは、幾何学的に元の曲線を移動させることによって行うことができる。
【0274】
電力FER情報補正部293は、電力FER情報記憶部281に記憶されている電力FER情報を、入力される伝送レートと受信電力演算部252から入力される受信信号電力とFER測定部291から入力されるFERとに基づいて補正する。なお、電力FER情報補正部293による電力FER情報の補正の仕組みとして、例えば、尤度FER情報補正部292による尤度FER情報の補正の仕組みにおいて尤度を受信信号電力に置き換えた仕組みを用いることができる。
【0275】
なお、適応制御部211iが行う適応制御処理の処理手順は適応制御部211hが行う適応制御処理の処理手順と実質的に同じであるので、以下では、適応制御部211iが行う尤度FER情報記憶部251が記憶する尤度FER情報の補正及び電力FER情報記憶部281が記憶する電力FER情報の補正について説明する。
【0276】
(適応制御部211iによる補正動作)
以下、図44の適応制御部211iによる尤度FER情報及び電力FER情報の補正処理について図46を参照しつつ説明する。図46は図44の適応制御部211iによる尤度FER情報及び電力FER情報の補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0277】
尤度算出部205はウェイト生成部204から入力されるウェイト行列Wを用いて各送信ストリームの尤度を算出し、算出した各送信ストリームの尤度の値を含む尤度情報を尤度算出部205へ出力する。尤度演算部252は尤度算出部205から入力される尤度情報に基づいて尤度を算出し(ステップS451)、受信電力算出部282は伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hに基づいてパケットフレームの受信信号電力を算出する(ステップS452)。CRC誤り検出部210はCRCビット列を用いて受信したフレームの誤り検出を行い、誤り検出の結果を示すCRC誤り検出情報をFER測定部291へ出力する。FER測定部291は、CRC誤り検出部210から入力されるCRC誤り検出情報に基づいてFERの算出を行う(ステップS453)。
【0278】
尤度FER情報補正部292は、尤度FER情報記憶部251に記憶されている入力される伝送レートに対応する尤度FER情報をステップS451において算出された尤度とステップS453において算出されたFERとに基づいて補正する(ステップS454)。また、電力FER情報補正部293は、電力FER情報記憶部281に記憶されている入力される伝送レートに対応する電力FER情報をステップS452において算出された受信信号電力とステップS453において算出されたFERとに基づいて補正する(ステップS455)。
【0279】
上記の実施の形態によれば、尤度FER情報や電力FER情報を随時補正することによって、送信機10や受信機20iの設置場所による伝搬環境の差、移動に伴う伝搬環境の変化、送信機10や受信機20iの特性誤差などがあっても、尤度の値に基づくFERの推定誤差や受信信号電力の値に基づくFERの推定誤差を小さくすることができる。
【0280】
≪第11の実施の形態≫
以下、本発明の第11の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0281】
第1の実施の形態の受信機20の適応制御部211は送信機単位で伝送レートの決定を行う。これに対して、本実施の形態の受信機の適応制御部211jは送信ストリーム単位で伝送レートの決定を行う。なお、第1の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機の適応制御部211jであるため、本実施の形態では適応制御部211jについて説明する。
【0282】
(適応制御部211jの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211jについて図47を参照しつつ説明する。図47は本実施の形態の適応制御部211jのブロック図である。なお、本実施の形態において第1の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0283】
適応制御部211jは、FER測定部230と電力レート情報記憶部231と受信電力算出部232jと尤度補正算出部2331〜233Mと電力レート情報補正部2341〜234Mと伝送レート決定部2351〜235Mとを備える。なお、送信機10が備えるアンテナの数がM本であるので、適応制御部211jが備える尤度補正算出部、電力レート情報補正部及び伝送レート決定部の夫々の数をMとして図示している。
【0284】
受信電力算出部232jは、受信電力算出部232と実質的に同じ処理を行ってパケットフレームの受信信号電力を電力レート情報記憶部231へ出力する。
【0285】
受信電力算出部232jは、送信ストリーム毎に、伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hを用いて各キャリアの受信信号電力を算出し、算出した各キャリアの受信信号電力を加算する。そして、受信電力算出部232jは、送信ストリーム毎に、加算値を送信ストリームの受信信号電力として対応する伝送レート決定部2351〜235Mへ出力する。
【0286】
尤度補正算出部2331〜233Mには、夫々、尤度算出部205から1つの送信ストリームの尤度を含む尤度情報が入力される。尤度補正算出部2331〜233Mは、夫々、対応する送信ストリームに関して、尤度算出部205から入力される尤度情報に含まれる各キャリアに対する尤度を加算し、この加算によって得られた加算値をキャリア数で除算する。そして、尤度補正算出部2331〜233Mは、夫々、除算値から尤度補正値を算出し、算出した尤度補正値を対応する電力レート情報補正部2341〜234Mへ出力する。なお、尤度補正算出部2331〜233Mによる尤度補正値の算出の考え方は第1の実施の形態で述べた尤度補正算出部233における尤度補正値の算出の考え方と実質的に同じである。
【0287】
電力レート情報補正部2341〜234Mは、夫々、対応する尤度補正算出部2331〜233Mから入力される尤度補正値に基づいて電力レート情報記憶部231に記憶されている電力レート情報の補正を行う。
【0288】
伝送レート決定部2351〜235Mは、夫々、対応する電力レート情報補正部2341〜234Mによる補正後の電力レート情報を参照し、受信電力算出部232jから入力される送信ストリームの受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定する。そして、伝送レート決定部2351〜235Mは、夫々、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する。
【0289】
なお、上記の実施の形態では、例えば、尤度が小さい送信ストリームを次回の送信機10から受信機への無線通信に使用しないようにすることによって送信ストリーム数の制御を行うことも可能である。
【0290】
≪第12の実施の形態≫
以下、本発明の第12の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0291】
第11の実施の形態では適応制御部211jは受信信号電力をそのまま用いて電力レート情報を参照して伝送レートの決定を行う。これに対して、本実施の形態では、適応制御部211kは受信信号電力を尤度補正値で補正し、補正した受信信号電力を用いて電力レート情報を参照して伝送レートの決定を行う。なお、第11の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機の適応制御部211kであるため、本実施の形態では適応制御部211kについて説明する。
【0292】
(適応制御部211kの構成)
以下、本実施の形態の受信機の適応制御部211kについて図48を参照して説明する。図48は本実施の形態の適応制御部211kのブロック図である。なお、本実施の形態において第1及び第11の実施の形態の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0293】
適応制御部211kは、第11の実施の形態の適応制御部211jの構成要素に加え、受信電力補正部2401〜240Mを備える。なお、送信機10が備えるアンテナの数がM本であるので、適応制御部211kが備える受信電力補正部の数をMとして図示している。
【0294】
受信電力補正部2401〜240Mは、夫々、対応する尤度補正算出部2331〜233Mから入力される尤度補正値に基づいて受信電力算出部231jから入力される対応する送信ストリームの受信信号電力の補正を行い、補正の結果得られた受信信号電力の補正値(電力補正値)を対応する伝送レート決定部2351〜235Mへ出力する。なお、受信電力補正部2401〜240Mによる受信信号電力の補正値の算出の考え方は第2の実施の形態で述べた受信電力補正部240における受信信号電力の補正の考え方と実質的に同じである。
【0295】
なお、本実施の形態の伝送レート決定部2351〜235Mは、夫々、受信電力算出部231jから入力される受信信号電力を用いる代わりに、受信電力補正部2401〜240Mから入力される電力補正値を用いる。伝送レート決定部2351〜235Mは、夫々、対応する電力レート情報補正部2341〜234Mによる補正後の電力レート情報を参照し、対応する受信電力補正部2401〜240Mから入力される電力補正値に一致する受信信号電力に対する伝送レートを送信機10へ通知する伝送レートに決定し、決定した伝送レートを上位層処理部23へ出力する。
【0296】
≪第13の実施の形態≫
以下、第13の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0297】
第1の実施の形態の受信機20は不要信号を考慮せずにウェイト行列Wの生成及び尤度行列kの算出を行う。これに対して、本実施の形態の受信機20lは不要信号を考慮してウェイト行列Wの生成及び尤度行列kの算出を行う。なお、第1の実施の形態と実質的に異なる構成及び動作は受信機20lであるため、本実施の形態では受信機20lについて説明する。
【0298】
<受信機20l>
以下、本実施の形態の受信機20lについて図49を参照しつつ説明する。図49は本実施の形態の受信機20lの機器構成図である。なお、本実施の形態において第1の実施の形態と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明が適用できるため本実施の形態ではその説明を省略する。
【0299】
受信機20lは、第1の実施の形態の受信機20のウェイト生成部204及び尤度算出部205の代わりにウェイト生成部204l及び尤度算出部205lを備え、更に、不要信号測定部212を備える。
【0300】
不要信号測定部212は、送信機10からの信号を受信する前に、アンテナRA1〜RANの夫々によって受信される不要信号を、キャリア毎に、FFT部2021〜202Nからの入力信号に基づいて測定し、各アンテナRA1〜RANに関して測定された不要信号のベクトルを行列要素とするN行1列の不要信号行列Uを生成する。そして、不要信号測定部212は、生成した不要信号行列Uの共分散行列の時間平均である時間平均共分散行列RUUを、RUU=E[UUH]に不要信号行列Uを代入することによって算出し、算出した時間平均共分散行列RUUをウェイト生成部204lへ出力する。なお、UHは不要信号行列Uの複素共役転置行列であり、E[UUH]はUUHの時間平均を表す。なお、不要信号は無線通信相手の送信機10以外の無線伝送装置などによって発せられた信号などである。
【0301】
ウェイト生成部204lは、キャリア毎に、等化部206が受信信号(FFT部2021〜202Nからの入力信号)の重み付け演算に用いるウェイト行列Wを、伝送路推定部203から入力される伝送路行列Hと不要信号測定部212から入力される時間平均共分散行列RUUを下記の式(6)に代入することによって算出し、算出したウェイト行列Wを等化部206と尤度算出部205lとへ出力する。
【0302】
【数6】
Figure 0005155313
但し、式(6)において、HHはHの複素共役転置行列を表し、(HHH+RUU-1はHHH+RUUの逆行列を表す。
【0303】
尤度算出部205lは、キャリア毎に、尤度行列kを、ウェイト生成部204lから入力されるウェイト行列Wを下記の式(7)に代入することによって算出し、算出した行列kの各対角成分の値を各送信ストリームの尤度として含む尤度情報を復号部209と適応制御部211へ出力する。
【0304】
【数7】
Figure 0005155313
但し、Iは単位行列を表す。
【0305】
なお、本実施の形態における適応制御部211は、尤度算出部205から入力される尤度情報を用いる代わりに尤度算出部205lから入力される尤度情報を用いて伝送レートの決定を行う。
【0306】
上記の実施の形態によれば、不要信号、例えば他の無線伝送装置が伝送する干渉信号が存在する環境下においても、送信機10と受信機20lとの間の各伝送路の伝送路特性に適した伝送レートの決定を行うことができる。
【0307】
≪補足≫
本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく、例えば、次のようなものであっても良い。
【0308】
(1)上記の各実施の形態では、互いに直交する複数のキャリアを用いるOFDM(OrthogonalFrequency Division Multiplexing)伝送を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明はOFDM伝送にのみ適用することができると言うものではなく、例えば、互いに直交しない複数のキャリアを用いるマルチキャリア伝送やシングルキャリア伝送にも適用することができる。
【0309】
(2)上記の第4から第10の実施の形態では、スループットとしてMAC層レベルのスループットを用いているが、これに限られるものではなく、スループットとして、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)レベルのスループットやUDP(User Datagram Protocol)レベルのスループットなどを用いてもよい。
【0310】
(3)本発明は、IEEE802.11nの無線LANの規格に対してのみ適用可能であるというものではなく、例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiplex Access)、LTE(Long Term Evolution)、モバイルWiMAX(WorldInteroperability for Microwave Access)、UMB(Ultra MobileBroadband)などに対しても適用可能であり、更に、HD−PLC(High DefinitionPower Line Communication)(登録商標)などの伝送レートという概念を有する有線通信メディアにも適用可能である。
【0311】
(4)上記の第2から第12の各実施の形態及び各変形例において、例えば、伝送路推定部203、ウェイト生成部204及び尤度算出部205のブロックを、第13の実施の形態で説明した伝送路推定部203、不要信号測定部212、ウェイト生成部204l及び尤度算出部205lのブロックに置き換え、各適応制御部は尤度情報として不要信号を考慮した尤度情報(上記の式(7)を利用して得られる尤度行列kの各対角成分の値を各送信ストリームの尤度として含む情報)を用いるようにしても良い。
【0312】
(5)上記の第1、第2、第11から第13の各実施の形態では、適応制御部は電力レート情報の生成及び更新をする機能を備えているが、これに限られるものではなく、例えば、予め電力レート情報を電力レート情報記憶部231に記憶しておくようにしてもよい。
【0313】
また、上記の第3から第10の各実施の形態では、適応制御部は尤度FER情報記憶部に尤度FER情報を予め記憶しているものとしたが、これに限られるものではなく、電源起動時などの初期化時に尤度FER情報を作成してもよい。なお、尤度FER情報の作成の手法として、例えば、送信電力制御などを行いながら尤度を適宜変更し、その度FERを測定して尤度FER情報を順次作成していく手法が考えられる。
【0314】
(6)上記の第2及び第12の各実施の形態では、尤度補正値に基づいて電力レート情報及び受信信号電力の双方を補正しているが、これに限られるものではなく、尤度補正値に基づいて受信信号電力のみ補正するようにしてもよい。
【0315】
(7)上記の第2及び第12の各実施の形態では、受信信号電力を尤度補正値で補正し、当該補正により得られた電力補正値を用いて電力レート情報を参照するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、尤度算出部205から入力される尤度情報を用いて電力レート情報を参照するようにしてもよい。
【0316】
(8)上記の第6の実施の形態では、送信信号の送信に用いる送信アンテナの数は一定で、送信ストリーム数のみ変更するものとして説明したが、これに限られるものではなく、送信に用いる送信アンテナの数を変更することで送信ストリーム数を変更するようにしてもよい。例えば、2本の送信アンテナを用いて2ストリーム伝送を行っている場合に、送信ストリーム毎に求まる2つの尤度の一方が極度に小さい値である場合(例えば、他方の尤度に対する一方の尤度の比が予め定められた値以下である場合)、当該一方の尤度に対応する送信ストリームの送信を停止するようにする。
【0317】
(9)上記の第7の実施の形態では、現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅より値の小さい帯域幅の夫々における尤度を推定しているが、これに限られず、例えば、現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅以外の帯域幅の夫々における尤度を推定して、現在送信機10から受信機への無線通信に用いられている帯域幅よりも値が大きい帯域幅も含めて適応制御処理を行うようにしてもよい。
【0318】
(10)上記の第9及び第10の各実施の形態では、尤度に基づいて推定されるFER推定値と受信信号電力に基づいて推定されるFER推定値とを比較し、値の大きい方のFER推定値を用いてスループットの算出を行っている。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、値の小さい方のFER推定値を用いてスループットの算出を行うようにしてもよく、或いは、2つのFER推定値の平均値に基づいてスループットの算出を行うようにしてもよい。
【0319】
(11)上記の第9及び第10の各実施の形態において説明した尤度に基づいて推定されるFER推定値と受信信号電力に基づいて推定されるFER推定値とを比較し、値の大きい方のFERの推定値を基づいてスループットの算出を行うことを、第3、第5から第8の実施の形態に適用してもよい。なお、この場合、上記の(10)で述べたように、値の大きい方のFER推定値を選択する代わりに、例えば、値の小さい方のFER推定値を用いるようにしてもよく、2つのFER推定値の平均値を用いるようにしてもよい。
【0320】
(12)上記の第3から第10の各実施の形態における選択対象の組み合わせは一例であって、これに限られるものではない。送信機から受信機への無線通信の際に、例えば、符号化率、変調方式、ガードインターバル長、帯域幅、送信ストリーム数及びフレーム連結数の何れか一つのパラメータのみ制御するようにしてもよく、それらの任意の2以上のパラメータを制御するようにしてもよい。
【0321】
(13)上記の第3から第7、第9及び第10の各実施の形態では、送信機単位で送信機から受信機への無線通信における伝送レートの制御を行い、第8の実施の形態では、送信機単位で送信機から受信への無線通信における伝送レート及びフレーム連結数の制御を行うようにしている。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、送信ストリーム毎の尤度を用いて送信ストリーム単位で伝送レートの制御或いは伝送レート及びフレーム連結数の制御を行うようにしてもよく、キャリア毎の尤度を用いてキャリア単位で伝送レートの制御或いは伝送レート及びフレーム連結数の制御を行うようにしてもよい。
【0322】
(14)上記の第8の実施の形態では、送信機10から受信機への次回の無線信号において用いるフレーム連結数を決定するとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、送信機10から受信機への次回の無線信号において用いるフレーム長を決定するようにしてもよい。
【0323】
(15)上記の各実施の形態では適応制御部はFERを利用しているが、これに限られるものではなく、例えば、PER(Packet Error Rate)やBER(Bit Error Rate)などの他の信号誤り率を利用するように適応制御部を構成してもよい。
【0324】
(16)上記の第10の実施の形態で説明した尤度FER情報の補正機能を第3から第8の実施の形態に適用しても良い。
【0325】
(17)上記の各実施の形態及び各変形例では、受信機が尤度情報を用いて或いは尤度情報及び伝送路行列Hを用いて伝送レートの決定、或いは、尤度情報を用いて伝送レート及びフレーム連結数の決定を行っている。しかしながら、これに限られるものでない。
【0326】
例えば、第1から第2、第11から第13の各実施の形態では、受信機は尤度算出部205,205lで算出された尤度情報を送信機へ通知し、送信機は通知を受けた尤度情報に基づいて伝送レートの決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レートに従って行うようにしてもよい。第3から第8の各実施の形態では、受信機は尤度算出部205で算出された尤度情報を送信機へ通知し、送信機は通知を受けた尤度情報に基づいて伝送レートの決定、或いは、尤度情報に基づいて伝送レート及びフレーム連結数の決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レート及びフレーム連結数に従って行うようにしてもよい。また、第9及び第10の各実施の形態では、受信機は尤度算出部205で算出された尤度情報及び伝送路行列Hを送信機へ通知し、送信機は通知を受けた尤度情報と伝送路行列Hとに基づいて伝送レートの決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レートに従って行うようにしてもよい。この場合、第1から第13の各実施の形態で説明した適応制御部の機能を受信機が備える代わりに送信機が備えるようにすればよく、送信機は第1から第13で説明した受信機が備える適応制御部と実質的に同じ処理手順を実行して伝送レートの決定或いは伝送レート及びフレーム連結数の決定を行う。
【0327】
また、第3から第6及び第8の各実施の形態において、受信機は尤度演算部252で算出される尤度を含む情報を送信機へ通知し、送信機は受信機から通知された尤度演算部252で算出された尤度に基づいて伝送レートの決定或いは伝送レート及びフレーム連結数の決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レート或いは伝送レート及びフレーム連結数に従って行うようにしてもよい。この場合、受信機の適応制御部は尤度演算部252のみを備え、第3から第6及び第8の各実施の形態で説明した適応制御部の尤度演算部252を除く機能ブロックを送信機が備えるようにすれば良い。但し、送信機は、図16のステップS101を除く各ステップ、図19のステップS151を除く各ステップ、図24のステップS201を除く各ステップ、図28のステップS251を除く各ステップ、図37のステップS351を除く各ステップを実行する。
【0328】
さらに、第7の実施の形態において、受信機は尤度演算部252で算出された尤度及び尤度推定部271fで算出された尤度を含む情報を送信機へ通知し、送信機は受信機から通知された尤度演算部252で算出された尤度及び尤度推定部271fで算出された尤度に基づいて伝送レートの決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レートに従って行うようにしてもよい。この場合、受信機の適応制御部は尤度演算部252及び尤度推定部271fのみを備え、適応制御部211fの尤度演算部252及び尤度推定部271f以外の機能ブロックを送信機が備えるようにすれば良い。但し、送信機は図32のステップS301及びS302を除く各ステップを実行する。
【0329】
さらに、第9の実施の形態において、受信機は尤度演算部252で算出された尤度及び受信電力算出部282で算出された受信信号電力を含む情報を送信機へ通知し、送信機は受信機から通知された尤度演算部252で算出された尤度及び受信電力算出部282で算出された受信信号電力に基づいて伝送レートの決定を行い、送信機は次回の受信機への送信信号の送信を決定した伝送レートに従って行うようにしてもよい。この場合、受信機の適応制御部は尤度演算部252及び受信電力算出部282のみを備え、適応制御部211hの尤度演算部252及び受信電力算出部282を除く各機能ブロックを送信機が備えるようにすれば良い。但し、送信機は図42のステップS401及びステップS402を除く各ステップを実行する。なお、送信機は受信機から受信信号電力の通知を受ける代わりにACKフレームの受信信号電力を用いるようにしてもよい。
【0330】
さらに、第10の実施の形態において、受信機は尤度演算部252で算出された尤度、受信電力算出部282で算出された受信信号電力及びFER測定部291で測定されたFERを含む情報を送信機へ通知し、送信機は受信機から通知された尤度演算部252で算出された尤度及び受信電力算出部282で算出された受信信号電力に基づいて伝送レートの決定を行い、尤度演算部252で算出された尤度及びFER測定部292で測定されたFERに基づいて尤度FER情報を補正し、受信電力算出部292で算出された受信信号電力及びFER測定部292で測定されたFERに基づいて電力FER情報を補正するようにしてもよい。この場合、受信機の適応制御部は尤度演算部252、受信電力算出部282及びFER測定部291のみを備え、適応制御部211iの尤度演算部252、受信電力算出部282及びFER測定部291を除く各機能ブロックを送信機が備えるようにすれば良い。但し、送信機は図42のステップS401及びステップS402を除く各ステップを実行して伝送レートの決定を行い、図46のステップS454及びステップS455を実行することによって尤度FER情報及び電力FER情報の補正を行う。なお、送信機は受信機からFERの通知を受ける代わりにACKフレームの返答の有無、送信機のフレーム再送回数からFERを求めるようにしてもよい。
【0331】
なお、送信機が伝送レートの決定等を行うために受信機から送信機へ通知する内容は上記のものに限られるものではなく、受信機から送信機へ通知する内容に応じて伝送レート等の決定のための構成を受信機と送信機とで分散して備えていればよい。
【0332】
(18)上記の各実施の形態において、サーキュレータ13(図2)又はサーキュレータ21(図3、図11、図39、図43、図49)を例えば送受信に応じて接続先を切り替えるスイッチに置き換えることも可能である。
【0333】
(19)上記の各実施の形態及び各変形例において説明した処理と等価な処理手順を記述したプログラムをメモリに格納し、CPU(Central Processing Unit)等を用いて処理を行わせるようにしてもよい。また、プログラムをコンピュータ等で読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体に記録するようにしてもよい。
【0334】
(20)上記の各実施の形態の送信機或いは受信機は、典型的には集積回路であるLSI(Large ScaleIntegration)として実現されてよい。各回路を個別に1チップとしてもよいし、全ての回路又は一部の回路を含むように1チップ化されてもよい。
【0335】
ここでは、LSIとして記載したが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0336】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラム化することが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0337】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0338】
本発明は、MIMO方式における送信機から受信機への伝送レートの制御に利用することができる。
【符号の説明】
【0339】
10 送信機
101 適応制御部
102 MACヘッダ付加部
103 CRCビット付加部
104 符号化部
105 符号分離部
1061〜106M 変調部
1071〜107M PILOT生成部
1081〜108M IFFT部
1091〜109M GI挿入部
TA1〜TAM アンテナ
20 受信機
RA1〜RAN アンテナ
2011〜201N GI除去部
2021〜202N FFT部
203 伝送路推定部
204 ウェイト生成部
205 尤度算出部
206 等化部
2071〜207M 復調部
208 符号連結部
209 復号部
210 CRC誤り検出部
211 適応制御部

Claims (21)

  1. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表した場合に、
    前記伝送路行列Hを(HHH)-1Hに代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成部を更に備え、
    前記尤度算出部は、前記ウェイト生成部により生成されるウェイト行列Wを式(1)に代入することによって尤度行列kを算出する
    Figure 0005155313
    信装置。
  2. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表し、単位行列をIで表した場合に、
    各前記アンテナで受信される不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列RUUを算出する不要信号測定部と、
    前記伝送路行列H及び前記不要信号測定部により算出される共分散行列RUUをHH(HHH+RUU-1に代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成部と、
    を更に備え、
    前記尤度算出部は、前記伝送路行列H及び前記ウェイト生成部により生成されるウェイト行列Wを式(2)に代入することによって尤度行列kを算出する
    Figure 0005155313
    信装置。
  3. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記適応制御部は、
    受信信号電力に対する伝送レートを示す電力レート情報を記憶する記憶部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記電力レート情報を補正するための尤度補正値を算出する尤度補正算出部と、
    前記尤度補正算出部により算出される尤度補正値に基づいて前記記憶部が記憶している電力レート情報を補正する補正部と、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、
    前記補正部による補正後の電力レート情報を参照し、前記受信電力算出部により算出される受信信号電力に基づいて前記通知する伝送レートを決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、
    を備える受信装置。
  4. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記適応制御部は、
    受信信号電力に対する伝送レートを示す電力レート情報を記憶する記憶部と、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記受信信号電力を補正するための尤度補正値を算出する尤度補正算出部と、
    前記尤度補正算出部により算出される尤度補正値に基づいて前記受信電力算出部により算出される受信信号電力を補正する補正部と、
    前記記憶部に記憶されている電力レート情報を参照し、前記補正部による受信信号電力の補正値に基づいて前記通知する伝送レートを決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、
    を備える受信装置。
  5. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記送信装置は、更に、通知されるフレーム連結数に従って送信信号の送信を行い、
    前記適応制御部は、更に、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知するフレーム連結数を決定し、決定したフレーム連結数を当該送信装置に対して通知する
    信装置。
  6. 前記適応制御部は、
    複数の伝送レートについて、伝送レート毎に尤度に対するフレーム誤り率を示す尤度誤り率情報を記憶する尤度記憶部と、
    各伝送レートについて、前記尤度記憶部に記憶されている尤度誤り率情報を参照し、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいてフレーム誤り率を推定する尤度FER推定部と、
    前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率が所定の値以下である伝送レートのうち最高速の伝送レートを前記通知する伝送レートに決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、
    を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の受信装置。
  7. 前記適応制御部は、
    複数の伝送レートについて、伝送レート毎に尤度に対するフレーム誤り率を示す尤度誤り率情報を記憶する尤度記憶部と、
    各伝送レートについて、前記尤度記憶部に記憶されている尤度誤り率情報を参照し、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいてフレーム誤り率を推定する尤度FER推定部と、
    各伝送レートについて、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率に基づいてスループットの算出を行うスループット算出部と、
    前記スループット算出部により算出されるスループットが最大である伝送レートを前記通知する伝送レートに決定し、前記送信装置に対して決定した伝送レートを通知する伝送レート決定部と、
    を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の受信装置。
  8. 前記適応制御部は、現在前記送信装置により送信信号の送信に用いられている送信ストリーム数とは別の送信ストリーム数に対して前記尤度FER推定部が用いる尤度を、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて推定する尤度推定部
    を更に備える請求項記載の受信装置。
  9. 前記適応制御部は、現在前記送信装置により送信信号の送信に用いられている帯域幅とは別の帯域幅に対して前記尤度FER推定部が用いる尤度を、前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて推定する尤度推定部
    を更に備える請求項記載の受信装置。
  10. 前記適応制御部は、
    複数の伝送レートについて、伝送レート毎に受信信号電力に対するフレーム誤り率を示す電力誤り率情報を記憶する電力記憶部と、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて受信信号電力を算出する受信電力算出部と、
    各伝送レートについて、前記電力記憶部に記憶されている電力誤り率情報を参照し、前記受信電力算出部により算出される受信信号電力に基づいてフレーム誤り率を推定する電力FER推定部と、
    各伝送レートについて、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率と前記電力FER推定部により推定されるフレーム誤り率とに基づいて前記スループット算出部がスループットの算出に用いるフレーム誤り率を決定するFER決定部と、
    を更に備える請求項記載の受信装置。
  11. 前記FER決定部は、前記尤度FER推定部により推定されるフレーム誤り率と前記電力FER推定部により推定されるフレーム誤り率とのうち値の大きい方のフレーム誤り率を前記スループット算出部がスループットの算出に用いるフレーム誤り率に決定する
    請求項10記載の受信装置。
  12. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出部と、
    前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御部と、
    を備え、
    前記伝送路推定部による各伝送路の伝送路特性の推定値に基づき各前記アンテナで受信される受信信号から各送信ストリームの送信信号を推定するための等化処理を行う等化部と、
    前記等化部による等化処理の結果得られる各送信ストリームの送信信号を復調して符号を出力する復調部と、
    前記復調部から出力される各送信ストリームに係る符号を連結して、連結符号を出力する符号連結部と、
    前記符号連結部から出力される連結符号を前記尤度算出部により算出される尤度に基づいて復号する復号部と、
    前記復号部による復号の結果得られるビット列の誤り検出を行う誤り検出部と、
    を更に備え、
    前記適応制御部は、前記通知する伝送レートの決定を前記尤度算出部により算出される尤度と前記誤り検出部による誤り検出の結果とに基づいて行う
    信装置。
  13. 前記適応制御部は、
    送信ストリーム毎に前記送信装置に対して通知する伝送レートの決定を行う
    請求項1から請求項5および請求項12の何れか1項に記載の受信装置。
  14. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を、各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表した場合に、前記伝送路行列Hを(H H H) -1 H に代入することによってウェイト行列Wを生成し、前記ウェイト行列Wを式(3)に代入することによって尤度行列kを算出することによって、算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信部と、
    Figure 0005155313
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信部により受信される前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信部と、
    を備える送信装置。
  15. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、各前記アンテナで受信される不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列R UU を算出し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を、各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表し、単位行列をIで表した場合に、前記伝送路行列H及び前記共分散行列R UU をH H (HH H +R UU -1 に代入することによってウェイト行列Wを生成し、前記伝送路行列H及び前記ウェイト行列Wを式(4)に代入することによって尤度行列kを算出することによって、算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信部と、
    Figure 0005155313
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信部により受信される前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信部と、
    を備える送信装置。
  16. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出し、算出した尤度に基づいて伝送レート及びフレーム連結数を決定する前記受信装置から当該伝送レート及びフレーム連結数を含む信号を受信する受信部と、
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信部により受信される前記信号に含まれる前記伝送レート及びフレーム連結数に従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信部と、
    を備える送信装置。
  17. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置において行われる適応伝送レート制御方法であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定ステップと、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定ステップにおける各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出ステップと、
    前記尤度算出ステップにおいて算出された尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御ステップと、
    を有し、
    前記伝送路推定ステップにおける各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表した場合に、
    前記伝送路行列Hを(H H H) -1 H に代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成ステップを更に有し、
    前記尤度算出ステップは、前記ウェイト生成ステップにおいて生成されるウェイト行列Wを式(5)に代入することによって尤度行列kを算出する
    Figure 0005155313
    適応伝送レート制御方法。
  18. 通知される伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信装置と無線通信を行う受信装置において行われる適応伝送レート制御方法であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて、各伝送路の伝送路特性を推定する伝送路推定ステップと、
    前記送信装置から送信される前記送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を前記伝送路推定ステップにおける各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出する尤度算出ステップと、
    前記尤度算出ステップにおいて算出された尤度に基づいて前記送信装置に対して通知する伝送レートを決定し、決定した伝送レートを当該送信装置に対して通知する適応制御ステップと、
    を有し、
    前記伝送路推定ステップにおける各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表し、単位行列をIで表した場合に、
    各前記アンテナで受信される不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列R UU を算出する不要信号測定ステップと、
    前記伝送路行列H及び前記不要信号測定ステップにおいて算出される共分散行列R UU をH H (HH H +R UU -1 に代入することによってウェイト行列Wを生成するウェイト生成ステップと、
    を更に有し、
    前記尤度算出ステップは、前記伝送路行列H及び前記ウェイト生成部により生成されるウェイト行列Wを式(6)に代入することによって尤度行列kを算出する
    Figure 0005155313
    適応伝送レート制御方法。
  19. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置において行われる適応伝送レート制御方法であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を、各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表した場合に、前記伝送路行列Hを(H H H) -1 H に代入することによってウェイト行列Wを生成し、前記ウェイト行列Wを式(7)に代入することによって尤度行列kを算出することによって、算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信ステップと、
    Figure 0005155313
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信ステップにおいて受信された前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信ステップと、
    を有する適応伝送レート制御方法。
  20. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置において行われる適応伝送レート制御方法であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、各前記アンテナで受信される不要信号を行列要素とする不要信号行列Uの共分散行列R UU を算出し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を、各伝送路の伝送路特性の推定値を行列要素とする伝送路行列をHで表し、各送信ストリームに対応した尤度を対角成分とする尤度行列をkで表し、単位行列をIで表した場合に、前記伝送路行列H及び前記共分散行列R UU をH H (HH H +R UU -1 に代入することによってウェイト行列Wを生成し、前記伝送路行列H及び前記ウェイト行列Wを式(8)に代入することによって尤度行列kを算出することによって、算出し、算出した尤度に基づいて伝送レートを決定する前記受信装置から当該伝送レートを含む信号を受信する受信ステップと、
    Figure 0005155313
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信ステップにおいて受信された前記信号に含まれる前記伝送レートに従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信ステップと、
    を有する適応伝送レート制御方法。
  21. 受信装置に対して送信信号を送信する送信装置において行われる適応伝送レート制御方法であって、
    複数のアンテナの夫々によって受信される受信信号に含まれるトレーニング信号に基づいて各伝送路の伝送路特性を推定し、送信ストリームの夫々に対応した当該送信ストリームに係る符号の確からしさを示す尤度を各伝送路の伝送路特性の推定値に基づいて算出し、算出した尤度に基づいて伝送レート及びフレーム連結数を決定する前記受信装置から当該伝送レート及びフレーム連結数を含む信号を受信する受信ステップと、
    前記受信装置への次回の無線通信に際して、前記受信ステップにおいて受信された前記信号に含まれる前記伝送レート及びフレーム連結数に従って1以上の送信ストリームに係る送信信号を送信する送信ステップと、
    を有する適応伝送レート制御方法。
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