JP4189273B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回線の品質に基づいて複数の変調方式を切り替えて用いて信号を送信する通信装置に関し、特に、例えば従来と比べて、適切な変調方式へ切り替えることを実現した通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、デジタルの無線通信を行う無線通信装置では、受信信号に基づいて伝送路(回線)の状況を推定し、当該推定結果に応じて変調方式を変化させる適応変調方式が用いられている。
このような適応変調方式については、種々な検討等が為されてきた(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
【0003】
一例として、従来では、送受信機において、通信相手の通信機から受信した信号に基づいて伝搬路(回線)の状況を推定し、当該推定結果及び通信相手の通信機からの送信電力と当該通信機に対する送信電力との差異に基づいて、当該通信機に対する信号送信で用いる変調方式を切り替える技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−290246号公報
【非特許文献1】
松岡、外、「シンボルレート・変調多値数可変適応変調方式の伝送特性解析」、電子情報通信学会技術報告RCS94−64、1994年9月
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の適応変調方式を採用する通信装置では、例えば実際の回線の品質に対して不適切な変調方式へ切り替えてしまう場合があるといった不具合があり、より適切な変調方式へ切り替えるように改善することが要求されていた。特に、実際には回線の品質がそれほど良好ではないのに、良好であると誤って変調方式を切り替えてしまうと、多くの伝送誤りが発生してしまうといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、回線の品質に基づいて複数の変調方式を切り替えて用いて信号を送信するに際して、例えば従来と比べて、適切な変調方式へ切り替えることを実現することができる通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る通信装置では、複数の変調方式を切り替えて用いて、信号を回線を介して通信相手となる装置に対して送信するに際して、次のようにして、変調方式を切り替える。
すなわち、回線品質変化方向検出手段が、受信される信号に基づいて、回線の品質の変化方向を検出する。そして、変調方式決定手段が、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には、変化後より前における回線の品質に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。
【0008】
従って、回線の品質が良好化する方向で変化する場合には、良好化した後より前における回線の品質に基づいて、つまり良好化した後における回線の品質と比べて低い品質に基づいて、変調方式が切り替えられるため、例えば従来と比べて、誤った変調方式の切り替えにより多くの伝送誤りが発生してしまうことを防止することができ、適切な変調方式へ切り替えることを実現することができる。
【0009】
このように、本発明では、回線の品質に応じた変調方式を選択するに際して、回線の品質が良好化する場合には、変調方式を選択するときに参照する回線の品質に関して遅延をかけて変調方式を選択することが行われる。
【0010】
ここで、切り替えることが可能な複数の変調方式の数としては、種々な数が用いられてもよい。
変調方式決定手段は、複数の変調方式の中から、例えば1つの変調方式を、信号送信に用いる変調方式として決定する。
【0011】
また、変調方式としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)方式や、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式や、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式などを用いることができる。
また、複数の変調方式としては、例えば、シンボルレートが異なるものや、変調多値数が異なるものや、これら両方が異なるものなどを用いることができる。
【0012】
具体的には、例えば、シンボルレートを切り替えることで変調方式を切り替えることや、変調多値数を切り替えることで変調方式を切り替えることや、これら両方を切り替えることで変調方式を切り替えることなどができる。
また、複数の変調方式の中に、送信データを送信せずにダミーのデータを送信するような方式が含められてもよい。例えば、回線の品質が非常に悪い場合にダミーのデータを送信する構成とすると、所定の品質以上の回線を用いて送信データを送信することができて好ましい。
【0013】
また、通信相手となる装置としては、種々な通信装置が用いられてもよい。
一例として、基地局装置と移動局装置或いは固定局装置が無線により通信する通信システムでは、本発明が移動局装置或いは固定局装置に適用される場合には基地局装置が通信相手となり、本発明が基地局装置に適用される場合には移動局装置或いは固定局装置が通信相手となる。
【0014】
また、通信相手となる装置に対して送信する信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
また、通信相手となる装置との通信で用いられる回線としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、無線の回線が用いられる場合には無線による信号送信や信号受信が行われ、有線の回線が用いられる場合には有線による信号送信や信号受信が行われる。
【0015】
また、回線の品質としては、例えば、通信相手となる装置に対して信号を送信する回線の品質が用いられ、或いは、これと実質的に同様であるとみなされる場合などには、通信相手となる装置から信号を受信する回線の品質が用いられてもよい。
また、回線の品質としては、種々な基準に基づいて特定されてもよく、例えば、C/N(Carrier to Noise power ratio)や、遅延スプレッドや、RSSI(Received Signal Strength Indicator)や、等化誤差電力や、誤り率などを用いることができる。
【0016】
また、回線の品質の変化方向を検出するために用いられる信号(受信される信号)としては、種々な信号が用いられてもよい。
一例として、通信相手となる装置から受信される信号のC/Nなどを検出して、当該検出結果の変化に基づいて回線の品質の変化方向を検出するような構成を用いることができる。
他の例として、通信相手となる装置などが回線の品質に関する情報を含む信号を送信することとして、当該信号を受信して、当該受信信号に含まれる当該情報に基づいて回線の品質の変化方向を検出するような構成を用いることができる。
【0017】
また、回線の品質の変化方向としては、例えば、回線の品質が良く(高く)なっていく良好化方向や、回線の品質が悪く(低く)なっていく劣化方向や、回線の品質が不変化である(つまり、変化しない)不変化方向がある。
なお、回線の品質の変化方向が不変化方向である場合に変調方式決定手段により行われる処理としては、例えば、良好化方向である場合と同様な処理が行われてもよく、或いは、劣化方向である場合と同様な処理が行われてもよく、或いは、良好化方向である場合と劣化方向である場合とのいずれとも異なる処理が行われてもよい。
【0018】
また、回線の品質の変化方向が良好化方向である場合に変調方式を決定するために用いられる変化後より前における回線の品質としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、変化の前における回線の品質が用いられてもよく、或いは、変化の途中における回線の品質が用いられてもよい。
【0019】
一例として、過去における1回分の回線の品質の検出結果と現在における1回分の回線の品質の検出結果に基づいて回線の品質の変化方向が良好化方向であると判定された場合に、当該過去における1回分の回線の品質の検出結果を変化の前における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができる。
【0020】
他の例として、過去における複数回分の回線の品質の検出結果と現在における1回分の回線の品質の検出結果に基づいて回線の品質の変化方向が良好化方向であると判定された場合に、最も過去における1回分の回線の品質の検出結果を変化の前における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができ、或いは、過去における2回以上分の回線の品質の検出結果を変化の前或いは変化の途中における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができる。
【0021】
また、回線の品質に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、所定の誤り率未満(又は、所定の誤り率以下)となって且つ最大の情報速度を得ることができる変調方式を決定するような仕方を用いることができる。
【0022】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には、変化後における回線の品質に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。又は、他の構成例として、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には、変化後と変化後より前における回線の品質に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。
【0023】
従って、回線の品質が劣化する方向で変化する場合には、劣化した後における回線の品質に基づいて又は劣化した後と劣化した後より前における回線の品質に基づいて、変調方式が切り替えられるため、例えば、回線の品質の劣化に素早く対応して変調方式を切り替えることができ、適切な変調方式へ切り替えることを実現することができる。
【0024】
ここで、回線の品質の変化方向が劣化方向である場合に変調方式を決定するために用いられる変化後における回線の品質又は変化後と変化後より前における回線の品質としては、種々なものが用いられてもよい。また、変化後より前における回線の品質としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、変化の前における回線の品質が用いられてもよく、或いは、変化の途中における回線の品質が用いられてもよい。
【0025】
一例として、過去における1回分の回線の品質の検出結果と現在における1回分の回線の品質の検出結果に基づいて回線の品質の変化方向が劣化方向であると判定された場合に、当該現在における1回分の回線の品質の検出結果を変化後における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができる。
【0026】
他の例として、過去における複数回分の回線の品質の検出結果と現在における1回分の回線の品質の検出結果に基づいて回線の品質の変化方向が劣化方向であると判定された場合に、当該現在における1回分の回線の品質の検出結果を変化後における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができ、或いは、当該現在における1回分の回線の品質の検出結果を変化後における回線の品質として用いるとともに過去における1回以上分の回線の品質の検出結果を変化の前或いは変化の途中における回線の品質として用いて変調方式を決定するような態様を用いることができる。
【0027】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、アンテナが、無線信号を受信する。回線品質情報取得手段が、アンテナにより受信される信号に基づいて、回線の品質に関する情報を取得する。回線品質情報記憶手段が、回線品質情報取得手段により取得される回線の品質に関する情報を記憶する。
また、回線品質変化方向検出手段は、回線品質情報記憶手段に記憶された前回における回線の品質に関する情報と回線品質情報取得手段により取得される今回における回線の品質に関する情報に基づいて、回線の品質の変化方向を検出する。
【0028】
また、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には、回線品質情報記憶手段に記憶された前回における回線の品質に関する情報に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。
また、一例として、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には、今回における回線の品質に関する情報に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。又は、他の例として、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には、今回と前回における回線の品質に関する情報に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定する。
【0029】
従って、回線の品質が良好化する方向で変化する場合には、誤った変調方式の切り替えにより多くの伝送誤りが発生してしまうことを防止することができ、回線の品質が劣化する方向で変化する場合には、回線の品質の劣化に素早く対応して変調方式を切り替えることができ、全体として、非常に効率的な適応変調方式を実現することができる。
【0030】
ここで、アンテナとしては、種々なものが用いられてもよく、例えば、送信と受信とで共用されるアンテナが用いられてもよく、或いは、送信と受信とで別個なアンテナが用いられてもよい。
また、回線の品質に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、当該品質を特定する情報が用いられる。
また、回線品質情報記憶手段としては、例えば、情報を記憶するメモリを用いて構成することができる。
【0031】
また、前回における回線の品質に関する情報としては、例えば、回線品質情報取得手段による前回の取得処理により取得された情報が用いられる。
同様に、今回における回線の品質に関する情報としては、例えば、回線品質情報取得手段による今回の取得処理により取得された情報が用いられる。
【0032】
また、回線の品質の変化方向としては、例えば、前回における回線の品質に関する情報と比べて今回における回線の品質に関する情報が良好なものとなっている場合には良好化方向であると判定することができ、前回における回線の品質に関する情報と比べて今回における回線の品質に関する情報が劣化したものとなっている場合には劣化方向であると判定することができる。
【0033】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る通信装置では、一構成例として、変調方式決定手段は、今回或いは前回の回線の品質に関する情報に対応した変調方式を、信号送信に用いる変調方式として決定する機能を有している。
ここで、回線の品質に関する情報と変調方式との対応としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、予め設定されてもよく、或いは、通信状況などに応じて変更されることが可能であってもよい。
【0034】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、変調方式決定手段は、今回における回線の品質に関する情報と前回における回線の品質に関する情報に基づいて回線の品質を推定する回線品質推定手段を有している。そして、変調方式決定手段は、回線品質推定手段による回線の品質の推定結果に対応した変調方式を、信号送信に用いる変調方式として決定する機能を有している。
ここで、回線の品質の推定結果と変調方式との対応としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、予め設定されてもよく、或いは、通信状況などに応じて変更されることが可能であってもよい。
【0035】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、回線品質変化方向検出手段は、回線の品質の変化方向に関する情報と、今回と前回とで品質が低い方の回線の品質に関する情報を、変調方式決定手段へ供給する。
また、変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には、回線品質変化方向検出手段により供給される回線の品質に関する情報(つまり、品質が低い方の前回における回線の品質に関する情報)に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定し、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には、回線品質推定手段による回線の品質の推定結果に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定する。
ここで、回線の品質の変化方向に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、当該変化方向を特定する情報が用いられる。
【0036】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、TDD(Time Division Duplex)方式により通信が行われる。
TDD方式では、通常、信号を送信する回線と信号を受信する回線とで、共通の回線が用いられることから、品質が同一又はほぼ同一であるとみなすことができるため、例えば、通信相手となる装置から受信される信号のC/Nなどに基づいて、当該通信相手となる装置に対して信号を送信する回線の品質に関する情報を取得する。
【0037】
本発明に係る通信装置では、他の構成例として、FDD(Frequency Division Duplex)方式により通信が行われる。
FDD方式では、通常、信号を送信する回線と信号を受信する回線とで、異なる周波数の回線が用いられることから、品質が異なり得るため、例えば、通信相手となる装置に対して信号を送信する回線の品質に関する情報を、当該通信相手となる装置から受信する。
なお、他の種々な通信方式が用いられてもよい。
【0038】
本発明に係る通信装置では、一構成例として、回線品質情報取得手段は、所定の時間間隔で、回線の品質に関する情報を取得する。
ここで、所定の時間間隔としては、種々な間隔が用いられてもよい。
本発明に係る通信装置では、一構成例として、回線品質情報取得手段は、所定の単位の信号受信が完了した時点で、回線の品質に関する情報を取得する。
ここで、所定の単位の信号受信としては、種々な単位が用いられてもよく、例えば、TDD方式における1回分の信号受信の単位や、或いは、1つのフレームの単位や、或いは、1つのパケットの単位などを用いることができる。
【0039】
本発明に係る通信装置は、例えば、デジタルの通信システムに適用される。
本発明に係る通信装置は、例えば、加入者系無線アクセスシステム(FWA)などの固定無線通信システムに適用される。固定無線通信システムでは、例えば、基地局装置が1又は複数の固定局装置を収容して、基地局装置と固定局装置との間で無線により信号を通信する。
本発明に係る通信装置は、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムに適用される。移動通信システムでは、例えば、基地局装置が1又は複数の移動局装置を収容して、基地局装置と移動局装置との間で無線により信号を通信する。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明を適用した適応変調方式を採用した通信装置の一構成例を示してある。
本例の通信装置には、変調回路1と、送信機の機能を有する送信部2と、アンテナ3と、受信機の機能を有する受信部4と、復調回路5と、回線品質情報レジスタ6と、回線品質推定回路7と、回線品質比較回路8と、変調方式設定回路9が備えられている。
【0041】
本例の通信装置により行われる動作の一例を示す。
変調回路1には、例えば制御部など(図示せず)から送信データが入力される。
変調回路1は、変調方式設定回路9により指定される変調方式を用いるように変調方式を切り替えて、入力される送信データを変調して変調信号を生成し、当該変調信号を送信部2へ出力する。
送信部2は、変調回路1から入力される変調信号の周波数変換、帯域制限及び増幅等を行い、当該処理後の信号をアンテナ3を介して空間に対して輻射する。
【0042】
アンテナ3は、送信部2から入力される信号を無線により送信し、無線により受信される信号を受信部4へ出力する。
受信部4は、アンテナ3から入力される受信信号の増幅及び周波数変換を行い、当該処理後の信号を復調回路5へ出力する。
【0043】
復調回路5は、受信部4から入力される受信信号に基づいて、例えばC/Nや遅延スプレッドやRSSIや等化誤差電力や誤り率のように回線品質の指標となる情報(回線品質情報)“a”を検出し、検出した回線品質情報を回線品質情報レジスタ6と回線品質推定回路7と回線品質比較回路8へ出力する。これとともに、復調回路5は、受信部4から入力される受信信号を直交検波して受信ベースバンド信号へ変換した後に、復号処理を行って受信データを取得し、取得した受信データを例えば制御部など(図示せず)へ出力する。
【0044】
回線品質情報レジスタ6は、例えば次回における回線品質の推定処理や回線品質の比較処理に用いるために、復調回路5から入力される回線品質情報を保持して、保持した回線品質情報を過去の回線品質情報“b”として回線品質推定回路7と回線品質比較回路8へ出力する。なお、本例では、回線品質情報レジスタ6への新たな回線品質情報の書き込みは、回線品質推定回路7と回線品質比較回路8が当該回線品質情報レジスタ6に記憶された過去の回線品質情報を参照した後に行われる。
【0045】
回線品質推定回路7は、復調回路5から入力される回線品質情報と回線品質情報レジスタ6から入力される過去の回線品質情報に基づいて、例えば1次外挿などの手法により、次の送信タイミングにおける回線品質の状況を推定し、当該推定結果を回線品質推定結果“c”として変調方式設定回路9へ出力する。
【0046】
なお、復調回路5からの回線品質情報の方が、回線品質情報レジスタ6からの過去の回線品質情報と比べて、新たな(現在の)情報である。
例えば、復調回路5からの回線品質情報は今回において取得された情報であり、回線品質情報レジスタ6からの過去の回線品質情報は前回において取得された情報である。
【0047】
回線品質比較回路8は、復調回路5から入力される回線品質情報と回線品質情報レジスタ6から入力される過去の回線品質情報とを比較して、品質が低い方の回線品質情報を低回線品質情報“d”として変調方式設定回路9へ出力し、これとともに、回線品質の変化方向の情報を回線品質変動方向情報“e”として変調方式設定回路9へ出力する。
【0048】
ここで、本例では、回線品質情報の値が大きいほど回線の品質が良好であるとする。
また、回線品質比較回路8は、回線の品質が良くなる方向で変化した場合に“+”という回線品質変動方向情報を出力する一方、回線の品質が悪くなる方向で変化した場合に“−” という回線品質変動方向情報を出力する。
また、回線品質比較回路8は、回線の品質が良くなる方向で変化した場合には回線品質情報レジスタ6からの過去の回線品質情報を低回線品質情報として出力する一方、回線の品質が悪くなる方向で変化した場合には復調回路5からの回線品質情報を低回線品質情報として出力する。
【0049】
変調方式設定回路9は、回線品質推定回路7から入力される回線品質推定結果や、回線品質比較回路8から入力される低回線品質情報や回線品質変動方向情報に基づいて、信号送信に用いる変調方式を決定し、決定した変調方式が用いられるように変調回路1に対して変調方式を指定する。
【0050】
具体的には、変調方式設定回路9は、回線品質比較回路8からの回線品質変動方向情報を参照して、当該情報が“−”である場合には、回線品質が劣化方向に推移しているものと判断し、送信する変調方式を決定するための情報として回線品質推定回路7からの回線品質推定結果を用いる。一方、変調方式設定回路9は、回線品質比較回路8からの回線品質変動方向情報を参照して、当該情報が“+”である場合には、回線品質が良好化方向に推移しているものと判断し、送信する変調方式を決定するための情報として回線品質比較回路8からの低回線品質情報を用いる。
また、変調方式設定回路9は、所定の誤り率を満足する最大情報速度を得る最適な変調方式を選択するように、変調方式の切り替えを行う。
【0051】
図2(a)〜(c)を参照して、本例の通信装置により行われる適応変調制御の処理の一例を示す。
図2(a)には、回線品質の変動の一例を示してあり、本例では、図示のような回線品質の変動P1があるとする。なお、同図(a)において、横軸は時刻(t)を示しており、縦軸は回線品質を示している。回線品質は、図中で上側へいくほど良好となる。
【0052】
また、本例では、切り替えることが可能な変調方式として、QPSK方式と、16QAM方式と、64QAM方式と、256QAM方式と、1024QAM方式が用いられている。
また、本例では、TDD方式による通信が行われる場合を示す。図2(b)には、TDD方式による通信の動作タイミングの一例を示してあり、送信(TX)と受信(RX)とが所定のタイミング・・・、t0、t1、t2、t3、・・・で交互に切り替わる。また、本例では、復調回路5による回線品質の測定は、受信(RX)が終了した時点で行われる。
図2(c)には、本例の通信装置により切り替えられる変調方式の一例を示してある。
【0053】
例えば、時刻t0において回線品質Q(t0)が検出され、時刻t2において回線品質Q(t2)が検出され、Q(t0)>Q(t2)であって、回線品質変動方向情報が“−”であるとする。
この場合、回線品質比較回路8では、時刻t2において、過去の回線品質情報はQ(t0)となり、現在の回線品質情報はQ(t2)となる。そして、現在の回線品質情報Q(t2)が過去の回線品質情報Q(t0)より小さい値となるため、低回線品質情報としてはQ(t2)が出力される。また、回線品質変動方向情報としては劣化の方向に推移していることを示す“−”が出力される。
【0054】
また、この場合、回線品質推定回路7では、時刻t2における現在の回線品質Q(t2)と時刻t0における過去の回線品質Q(t0)に基づいて、例えば時刻t3における未来の回線品質EQ(t2)が推定され、当該推定結果が回線品質推定結果として出力される。
【0055】
すると、時刻t2において、変調方式設定回路9には、回線品質変動方向情報“−”と、低回線品質情報Q(t2)と、回線品質推定結果EQ(t2)が入力される。そして、変調方式設定回路9では、回線品質変動方向情報が“−”であることから、基準とする回線品質としては回線品質推定結果EQ(t2)が選択され、これに応じて、次の送信タイミングt2〜t3における送信変調方式としてはQPSK方式が選択される。
【0056】
なお、本例では、回線品質推定結果EQ(t2)がQPSK方式の所要品質を満足していないが、QPSK方式と比べて外乱に強い変調方式が用いられていないことから、QPSK方式を選択したが、例えば、QPSK方式と比べて外乱に強い変調方式を選択することが可能なシステムや、規定品質に満たないと予測される場合にはダミーデータを送信するようなシステムにおいては、これらが選択されるのが好ましい。ここで、QPSK方式と比べて外乱に強い変調方式としては、例えば、誤り訂正付きのQPSK方式などがある。
【0057】
同様に、時刻t4において、変調方式設定回路9には、回線品質変動方向情報“+”と、低回線品質情報Q(t2)と、回線品質推定結果EQ(t4)が入力される。そして、変調方式設定回路9では、回線品質変動方向情報が“+”であることから、基準とする回線品質としては低回線品質情報Q(t2)が選択され、これに応じて、次の送信タイミングt4〜t5における送信変調方式としてはQPSK方式が選択される。
【0058】
同様に、時刻t6において、変調方式設定回路9には、回線品質変動方向情報“−”と、低回線品質情報Q(t6)と、回線品質推定結果EQ(t6)が入力される。そして、変調方式設定回路9では、回線品質変動方向情報が“−”であることから、基準とする回線品質としては回線品質推定結果EQ(t6)が選択され、これに応じて、次の送信タイミングt6〜t7における送信変調方式としては16QAM方式が選択される。
【0059】
以上のように、本例の通信装置では、例えば、デジタルの無線伝送システムにおいて、適応変調方式により回線品質に応じて多値数の異なる複数の変調方式を切り替えて使用するに際して、回線品質の劣化に対しては高速に追従するとともに、回線品質が良好になる方向に対しては変調方式の切り替え制御に遅延をかけることが行われる。
【0060】
具体的には、本例の通信装置では、変調方式設定回路9において、回線品質の変化の傾向に応じて入力される回線品質推定結果と低回線品質情報とを選択して切り替えながら参照することにより、送信変調方式を決定することが行われ、回線品質が劣化方向に変化する場合には回線品質推定結果を参照して送信変調方式を高速に変化させ、回線品質が良好化方向に変化する場合には低回線品質情報を参照して瞬時に送信変調方式を切り替えないように適応変調制御を遅延させることが行われる。
【0061】
従って、本例の通信装置では、適応変調方式により変調方式を切り替えるに際して、例えば、回線品質の急激な劣化に対応することが可能であり、且つ、回線品質が回復する際の制御速度を遅くすることにより、回線品質推定の誤りに起因する伝送誤りを低減することができる。また、本例の通信装置は、特に、固定無線通信のように高品質な通信サービスに適用するのに適している。
【0062】
なお、本例の通信装置では、復調回路5の機能により回線品質情報取得手段が構成されており、回線品質情報レジスタ6の機能により回線品質情報記憶手段が構成されており、回線品質推定回路7の機能により回線品質推定手段が構成されており、回線品質比較回路8の機能により回線品質変化方向検出手段が構成されており、変調方式決定回路9の機能により変調方式決定手段が構成されている。
【0063】
次に、本発明の背景となる技術の例を示す。なお、必ずしもここに記載する事項の全てが従来技術であるとは限らない。
図3(a)には、TDD方式を採用した無線通信システムの一例を示してある。
本例の無線通信システムでは、基地局装置11と移動局装置12とが無線の伝送路(回線)13を介して信号を無線通信する。
また、図3(b)には、TDD方式による通信における送信スロットと受信スロットの一例を示してある。
【0064】
TDD方式による通信においては、受信(RX)信号と送信(TX)信号とは、同一の周波数を交互に使用して伝送されるため、各方向(上りと下り)の通信信号は可逆性の原理により同一のフェージング変動をしている伝搬路を通るとみなされる。このため、伝搬路の可逆性を利用すると、受信信号から測定した伝搬路のC/Nや遅延スプレッドなどを用いて、次の送信タイミングにおける伝搬路の状況を推定することができる。
【0065】
そして、適応変調方式では、このような推定値に基づいて、予め設定した誤り率を満足し且つ最大情報速度を得る最適な変調レベルの変調方式を決定して、変調及び送信を行う。なお、変調レベルとしては、例えば、シンボルレート(基本レートT、T/2、T/4、T/8、・・・等)や、変調多値数(BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、・・・等)がある。また、用意するシンボルレートや変調多値数の種類や数については、適用するシステムに応じて様々な選択が可能である。
【0066】
図4には、適応変調方式を採用した通信装置の一構成例を示してある(例えば、非特許文献1参照。)。
本例の通信装置には、変調回路21と、送信機の機能を有する送信部22と、アンテナ23と、受信機の機能を有する受信部24と、復調回路25と、回線品質推定回路26と、変調方式制御回路27が備えられている。
【0067】
本例の通信装置により行われる動作の一例を示す。
送信側では、送信データは、変調回路21において、変調方式制御回路27により指定される変調方式により変調を受ける。そして、送信部22において変調回路21から出力される変調波形の周波数変換や増幅等が行われて、当該処理後の信号がアンテナ23から空間に輻射される。
【0068】
受信側では、受信部24においてアンテナ23により受信された信号の増幅及び周波数変換が行われる。次に、復調回路25において、直交検波やシンボル判定などの復調処理が行われて受信データが得られるとともに、受信ベースバンド信号が回線品質推定回路26へ出力される。次いで、回線品質推定回路26では、受信ベースバンド信号を用いて回線品質を判定した情報(回線品質判定情報)が測定され、例えば当該測定結果を外挿することで送信時の回線品質を推定した結果(回線品質推定値)が得られて、当該回線品質推定値が変調方式制御回路27へ出力される。そして、変調方式制御回路27では、回線品質推定値に従って、送信変調方式を制御する。なお、回線品質判定情報としては、例えば、C/Nや遅延スプレッドなどが用いられる。
【0069】
ここで、変調方式の変調多値数が多いほど、情報量が増えるが、信頼度が低下する。反対に、変調方式の変調多値数が少ないほど、情報量が減るが、信頼度が向上する。
このため、適応変調システムでは、回線状況が悪いと判断されるときには、例えばBPSK方式のように変調多値数が比較的少ない変調方式により高信頼度の伝送を行い、最悪の場合には例えばダミーデータを伝送する一方、回線状況が良いと判断されるときには、例えば256QAMのように変調多値数が比較的多い変調方式により多くの情報量を伝送するように、変調方式制御回路27において変調方式の制御を行う。これにより、ビットエラーレートなどにより見極められる情報伝送の品質が向上する。
【0070】
なお、本例では、TDD方式による通信に適応変調方式を適用する場合を例として示したが、例えば、FDD方式による通信においても、回線品質の情報を対向する無線局装置の間で通知するような機能を備えることにより、適応変調システムを実現することができる。
【0071】
図5(a)〜(d)を参照して、変調方式を決定する方法の一例を示す。
図5(a)には、回線品質の変動の一例を示してあり、本例では、図示のような回線品質の変動P2があるとする。なお、同図(a)において、横軸は時刻(t)を示しており、縦軸は回線品質を示している。回線品質は、図中で上側へいくほど良好となる。
【0072】
また、本例では、切り替えることが可能な変調方式として、QPSK方式と、16QAM方式と、64QAM方式と、256QAM方式と、1024QAM方式が用いられている。
また、本例では、TDD方式による通信が行われる場合を示す。図5(b)には、TDD方式による通信の動作タイミングの一例を示してあり、送信(TX)と受信(RX)とが所定のタイミング・・・、t0、t1、t2、t3、・・・で交互に切り替わる。また、本例では、回線品質の測定は、受信(RX)が終了した時点で行われる。
【0073】
図5(c)には、本例の通信装置により1次の外挿推定を用いて切り替えられる変調方式の一例を示してある。
図5(d)には、本例の通信装置により0次の推定を用いて切り替えられる変調方式の一例を示してある。
【0074】
一例として、移動体通信を目的とする場合には、1次の外挿推定などにより伝搬路の状況を推定し、伝搬路の変動にできるかぎり追従して次の送信に反映させるなどの手法がとられている。
1次の外挿推定により回線品質を推定して、時刻t4において、時間帯t4〜t5で使用する送信変調方式を決定する方法の一例を示す。
【0075】
すなわち、時刻tにおける回線品質をQ(t)と表すこととし、Q(t2)とQ(t3)との間における回線品質の変化をみると回線状態が良くなりつつあると推定され、時刻t2から時刻t3までの変化が継続するのであれば、Q(t4〜t5)は64QAMにより伝送することが可能な状況になると判断される。
しかしながら、図5(a)の例のように、時刻t4から回線の品質が劣化に転じてしまったような場合には、64QAMでは多くの伝送誤りが発生してしまう。
【0076】
このため、図5(c)に示されるように、時刻t4から時刻t5の時間帯(送信タイミング)における信号送信に用いられる変調方式(64QAM)は、不適切なものとなってしまう。
なお、1次の外挿推定により変調方式を決定する方式は、例えば、推定間隔に対して回線品質の変動が十分に緩やかであるような場合に特に有効である。
【0077】
他の例として、固定無線通信における伝搬路の変動は、例えば、緩やかなものである。具体的には、例えばミリ波帯を利用する固定無線通信システムにおいて回線断が発生するような集中豪雨時における受信レベルの変動は1分間に10dB以上におよぶ場合もあるが、無線リンクに送信される無線フレームは長くても数10msec程度であるため、直前の受信時における回線品質がそのまま継続するものとして送信変調方式を決定する0次の推定を用いることにより、ほとんどの場合には、誤りなく伝送路の変化に追従することが可能である。
【0078】
しかしながら、図5(a)の例では、時刻t0において0次の推定により送信変調方式を決定する場合には、次の時刻t1まで回線品質が変化しないものとして、64QAMによる伝送が可能と判断されるが、実際には、時刻t0から時刻t1までの間に64QAMの伝送に不十分な回線品質となってしまうため、多くの伝送誤りが発生してしまう。
同様に、0次の推定により時間帯t4〜t5において使用する送信変調方式を決定すると、不適切な64QAMが得られ、多くの伝送誤りが発生してしまう。
【0079】
このため、図5(d)に示されるように、時刻t0から時刻t1の時間帯(送信タイミング)における信号送信に用いられる変調方式(64QAM)や、時刻t4から時刻t5の時間帯(送信タイミング)における信号送信に用いられる変調方式(64QAM)は、不適切なものとなってしまう。
なお、0次の推定により変調方式を決定する方式は、例えば、推定間隔に対して回線品質の変動が十分に緩やかであるような場合には推定を誤る確率は低いことから、通常、固定無線通信に適用するには十分なものである。
【0080】
上記に示したような適応変調方式では、測定値に基づく推定により回線品質を判定することから、回線品質の推定誤りに起因する伝送誤りを完全に回避することは困難であるが、例えば、固定無線通信のように稼働率99.99%以上の安定性が求められるようなシステムでは、わずかな伝送誤りでも致命的なものとなってしまう。
【0081】
そこで、例えば上記図1に示したような本発明を適用した通信装置では、上述のように、適応変調方式により変調方式を切り替え制御するに際して、例えば、回線品質が回復する際の切り替え制御速度を遅くすることにより、回線品質推定の誤りに起因する伝送誤りを低減することができ、また、回線品質の急激な劣化に素早く対応することも可能である。
【0082】
なお、本実施例では、上記図1に示したような構成を有する通信装置を例として説明したが、例えば、上記図4に示したような構成を有する通信装置において本発明に係る機能を備えたような構成を実施することも可能であり、一例として、復調回路25と回線品質推定回路26と変調方式制御回路27のいずれか任意の回路に本発明に係る回線品質変化方向検出手段の機能を備え、変調方式制御回路27に本発明に係る変調方式決定手段の機能を備えたような構成を実施することが可能である。
【0083】
ここで、本発明に係る通信装置や通信システムなどの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0084】
また、本発明に係る通信装置や通信システムなどにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る通信装置によると、複数の変調方式を切り替えて用いて信号を回線を介して通信相手となる装置に対して送信するに際して、受信した信号に基づいて回線の品質の変化方向を検出し、検出した回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には変化後より前における回線の品質に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定し、また、検出した回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には変化後における回線の品質に基づいて又は変化後と変化後より前における回線の品質に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定するようにしたため、例えば従来と比べて、適切な変調方式へ切り替えることを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る通信装置の構成例を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る適応変調制御方式の一例を説明するための図である。
【図3】 TDD方式を採用した通信システムの一例を示す図である。
【図4】 適応変調方式を採用した通信装置の一例を示す図である。
【図5】 適応変調制御方式の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1、21・・変調回路、 2、22・・送信部、 3、23・・アンテナ、
4、24・・受信部、 5、25・・復調回路、
6・・回線品質情報レジスタ、 7、26・・回線品質推定回路、
8・・回線品質比較回路、 9・・変調方式設定回路、 11・・基地局装置、
12・・移動局装置、 13・・伝送路、 27・・変調方式制御回路、
Claims (3)
- 複数の変調方式を切り替えて用いて信号を回線を介して通信相手となる装置に対して送信する通信装置において、
受信される信号に基づいて回線の品質の変化方向を検出する回線品質変化方向検出手段と、
回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には変化後より前における回線の品質に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定する変調方式決定手段と、
を備えたことを特徴とする通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置において、
変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には変化後における回線の品質に基づいて又は変化後と変化後より前における回線の品質に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定する、
ことを特徴とする通信装置。 - 請求項2に記載の通信装置において、
無線信号を受信するアンテナと、
アンテナにより受信される信号に基づいて回線の品質に関する情報を取得する回線品質情報取得手段と、
回線品質情報取得手段により取得される回線の品質に関する情報を記憶する回線品質情報記憶手段と、を備え、
回線品質変化方向検出手段は、回線品質情報記憶手段に記憶された前回における回線の品質に関する情報と回線品質情報取得手段により取得される今回における回線の品質に関する情報に基づいて回線の品質の変化方向を検出し、
変調方式決定手段は、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が良好化方向である場合には回線品質情報記憶手段に記憶された前回における回線の品質に関する情報に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定し、回線品質変化方向検出手段により検出される回線の品質の変化方向が劣化方向である場合には今回における回線の品質に関する情報に基づいて又は今回と前回における回線の品質に関する情報に基づいて信号送信に用いる変調方式を決定する、
ことを特徴とする通信装置。
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