JP2004140726A - 無線通信装置 - Google Patents

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Masashi Naito
内藤 昌志
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

【課題】複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替える無線通信装置で、精度よく検出される通信回線の品質に基づいて変調方式を決定する。
【解決手段】無線受信手段が通信相手から無線送信される誤り訂正符号化された信号を受信し、誤り訂正復号手段2が受信信号を誤り訂正復号し、再誤り訂正符号化手段3が受信される際に施されている誤り訂正符号化の方式と同一の方式により誤り訂正復号された信号を再び誤り訂正符号化し、通信回線品質検出手段4〜7が受信信号と当該信号について再び誤り訂正符号化された信号に基づいて通信回線の品質を検出し、使用変調方式決定手段8が通信回線の品質に基づいて使用する変調方式を決定し、変調手段9が決定される変調方式を使用して変調を行い、無線送信手段が変調後の信号を無線により送信する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替える無線通信装置に関し、特に、精度よく検出される通信回線の品質に基づいて変調方式を決定する無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、デジタル無線通信システムでは、従来のリアルタイム音声通信のようにある程度の伝送誤りを許容しつつ伝送遅延を少なくする通信よりも、インターネット通信等で代表されるように伝送に要する時間遅延を許容しても高信頼性で高速なデータ通信に対する要求が高まっている。このような要求を具現化した例として、無線LAN(Local Area Network)のシステムや、FOMA(NTTドコモのサービス名)等で代表される第3世代移動通信のシステムがある。
【0003】
このようなシステムでは、高信頼性の通信を行うために、例えば、伝搬路の状況に応じて変調方式を切り替える適応変調方式が採用されている。
図5には、複数の変調方式について、搬送波対雑音比であるC/N値(Carrier energy/Noise ratio)[dB]対ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)の特性の一例を示してある。同図では、横軸はC/N値を示しており、縦軸はBERを示している。
【0004】
また、同図では、複数の変調方式として、(a)QPSK(Quadrature PhaseShift Keying)と、(b)16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)と、(c)64QAMと、(d)256QAMと、(e)1024QAMのそれぞれについての特性を示してある。
【0005】
同図に示されるように、それぞれの変調方式について、無線伝送路におけるC/N値を検出すれば、当該無線伝送路の回線状況における誤り率を推定することが可能である。そして、検出したC/N値に基づいて、所要の誤り率以下であることを満たしつつ最大の伝送速度となる変調方式を選択することにより、最大の伝送効率で情報通信を行うことができる。
【0006】
ここで、従来における適用変調方式を採用してTDD(Time Division Duplex)方式により無線通信を行う送受信機では、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)や等化誤差などの測定値に基づいてC/N値などの換算テーブルを作成しておいて、当該換算テーブルに基づいて変調方式を選択して切り替える方式が用いられている。
【0007】
一例として、図6には、等化誤差を用いた適応変調方式を採用した送受信機の構成例として、受信部の一部の構成例及び送信部に備えられた変調方式切替え部15を示してある。
受信部では、受信信号が等化器11に入力され、等化器11から出力される復調データが後段の処理部(図示せず)へ送られる。
また、等化器11からの出力(等化器出力)とトレーニングパターンとを加算器12により加算することにより等化誤差の値を取得し、当該等化誤差値を平均化部13により平均化する。
【0008】
変調方式判定部14は、等化誤差値対C/N値の換算テーブルなどを記憶しており、平均化部13から入力される等化誤差値の平均化結果に基づいて使用する変調方式を判定し、当該判定結果を送信部の変調方式切替え部15に通知する。
そして、送信部の変調方式切替え部15は、受信部の変調方式判定部14からの通知内容に基づいて、使用する変調方式を切り替える。
【0009】
ここで、等化器11における等化アルゴリズムの一般的なものとして、RLS(Re cursive Least mean Square Error)やLMS(Least mean Square Error)等で代表される平均2乗誤差最小化(MMSE:Minimum Mean Square Error)のアルゴリズムを用いることにより、等化の過程において送信信号と相関のある信号を抽出することができる。この場合、等化誤差値としては送信信号とは無相関な雑音信号のみが残留することとなり、これはC/NのN(Noise)と等価であるとみなすことができる。
【0010】
なお、適応変調方式に関する従来技術の例を示す。
従来のTDD用適応変調方式送受信機では、例えば基地局装置から移動局装置への下り回線と移動局装置から基地局装置への上り回線との2つの回線を交互に用いてTDD方式により通信し、これら2つの回線のいずれか一方或いは両方において誤り訂正符号が付加された信号を送信するデジタル無線通信システムにおいて、受信側が、復調信号を誤り訂正する際に検出したBERに基づいて伝搬路状況を推定し、当該推定結果に基づいて変調方式を切り替えることが行われる(例えば、特許文献1参照。)。なお、特許文献1では、BERを検出するための具体的な構成や方法については記載されていない。
【0011】
従来の無線電話装置では、受信信号の誤り率を測定して当該測定結果に基づいて、使用する誤り訂正能力を変化させること或いは使用する変調方式を変化させることが行われ、具体的には、誤り率が小さい場合には伝搬路状況が良好であると判断して、誤り訂正能力を下げること或いは周波数利用率が大きい変調方式へ切り替えることが行われる(例えば、特許文献2参照。)。
【0012】
従来の適応変調方式では、チャネルパワー利得に基づいて変調指数のみを変化させる場合に、送信側から制御信号を送信しなくとも、受信側で変調指数を最尤推定することが行われる(例えば、特許文献3参照。)。
ここで、瞬時のBERが同一となるような適応電力制御を行うと、シングルユーザにおける伝送効率は最適となるが、セルラシステムなどでは他セルや他ユーザへの干渉が増加してチャネル容量が著しく低下してしまうため、セルラなどのように基地局装置が密集しているシステムでは、チャネルパワー利得により変調指数のみを変化させる方式が有効である(例えば、特許文献3参照。)。
【0013】
なお、一般には、例えば、チャネル状態に応じて、送信電力レベルや、伝送シンボルレートや、変調指数や、誤り訂正における符号化率又は訂正方式や、これらの2以上の要素などを適応的に変更することが可能である(例えば、特許文献3参照。)。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−200282号公報
【特許文献2】
特開平10−233728号公報
【特許文献3】
特開平11−355373号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例で示したような適応変調方式を採用する送受信機では、C/N値などの推定誤差に起因して、最適な変調方式を選択することができない場合があるといった不具合があった。
【0016】
以下で、このような不具合を具体的に説明する。
図7には、複数の変調方式について、FEC(Forward Error Correction)が行われる場合(FEC有り)とFECが行われない場合(FEC無し)について、C/N値[dB]対ビット誤り率(BER)の特性の一例を示してある。同図では、横軸はC/N値を示しており、縦軸はBERを示している。
【0017】
また、同図では、複数の変調方式及びFECの有無として、(a1)QPSKでFEC有りと、(a2)QPSKでFEC無しと、(b1)16QAMでFEC有りと、(b2)16QAMでFEC無しと、(c1)64QAMでFEC有りと、(c2)64QAMでFEC無しと、(d1)256QAMでFEC有りと、(d2)256QAMでFEC無しと、(e1)1024QAMでFEC有りと、(e2)1024QAMでFEC無しと、のそれぞれについての特性を示してある。
【0018】
また、同図では、FECの方式として、畳み込み符号化の方式であって符号化率が1/2である方式を用いた場合を示してある。
なお、FECの方式は、誤り制御方式の1つであり、例えば、送信側が情報を送信するに際して所定の規則に従って当該情報に冗長性を持たせ、伝送路における誤り発生の程度が一定以内である場合には、受信側が送信側から受信した情報に発生した誤りを独自に検出して訂正するような方式である。
【0019】
同図に示されるように、同一の変調方式について、FECが行われる場合には、FECが行われない場合と比べて、誤り率が比較的に良好な(つまり、誤り率が比較的に小さい)領域においては、C/N値対BERの特性の曲線が急峻となる。このため、このようなFECの特性を考慮すると、検出されるC/N値の誤差が、当該C/N値から換算されるBERに対して、実際の値からの大きな誤差を与えてしまうことになる。
【0020】
一例として、1024QAMでは、FECが行われない場合にはC/N値が1dB変化するとBERは3倍程度に変化するのに対して、FECが行われる場合にはC/N値が1dB変化するとBERが10倍程度に変化するといったように、FECが行われる場合にはC/N値の差に対するBERの変化値が拡大する。具体的な数値例としては、1024QAMでFECが行われない場合には、C/N値=36dBのときにBER=2×10−4となり、C/N値=35dBのときにBER=6×10−4となり、また、1024QAMでFECが行われる場合には、C/N値=32dBのときにBER=1×10−4となり、C/N値=31dBのときにBER=1.5×10−3となる。
【0021】
ここで、C/N値について1dBの誤差は電力値では25%程度の誤差でしかなく、この程度の誤差はC/N値を検出する過程で容易に発生するものである。このため、このような推定誤差により、所望の精度で誤り率を得ることができないことが生じてしまい、例えば、実際にはスループットを上げることが可能な回線品質であるにもかかわらずに低い多値数の変調方式を選択してしまって過剰な品質としてしまうような問題などが発生してしまう。また、C/N値の推定誤差は、FECが行われる場合のようにC/N値対BERの特性の傾きが急峻であるほど大きな問題となってしまい、特に、ターボ符号などのように非常に急峻なC/N値対BERの特性を有する方式では、適応変調方式のスループットを左右する大きな問題となってしまう。
【0022】
なお、C/N値の推定精度を向上させるために、例えば、複数のフレーム等について平均化を行って検出するサンプルの数を増加させるなどの対策も可能であるが、これでは、急激な伝搬環境の変化に追従することができず、特に、フェージングのヌルのように急激に伝搬環境が劣化するような場合に追従することができない。
【0023】
また、実際の受信環境における誤り率を直接的に測定することが可能であれば、最適な変調方式の判定が可能であると考えられる。しかしながら、従来では、受信側において送信側から送信されてくるデータが予め把握できないため、このような誤り率を測定することは容易ではない。例えば、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)のコードを用いると、スロット内における誤りの有無を検出することは可能であるが、誤り率を測定することはできない。
【0024】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、通信回線の品質を検出して、当該検出結果に基づいて複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えるに際して、通信回線の品質を検出する精度を向上させることができ、これにより、最適な変調方式を選択することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信装置では、次のようにして、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信する。
すなわち、無線受信手段が、通信相手から無線により送信される誤り訂正符号化された信号を受信する。誤り訂正復号手段が、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号を誤り訂正復号する。再誤り訂正符号化手段が、無線受信手段により受信される際に施されている誤り訂正符号化の方式と同一の方式により、誤り訂正復号手段により誤り訂正復号された信号を誤り訂正符号化する。通信回線品質検出手段が、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号に基づいて、通信回線の品質を検出する。使用変調方式決定手段が、通信回線品質検出手段により検出される通信回線の品質に基づいて、使用する変調方式を決定する。変調手段が、使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う。無線送信手段が、変調手段による変調後の信号を無線により送信する。
【0026】
従って、受信されて誤り訂正復号される前の誤り訂正符号化された信号と、当該信号が誤り訂正復号された後に再び誤り訂正符号化された信号とに基づいて通信回線の品質が検出されるため、通信回線の品質を検出する精度を向上させることができ、これにより、最適な変調方式を選択することができる。本発明の構成では、例えば受信信号の誤り率を直接的に検出することが可能である。
【0027】
ここで、無線通信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、無線受信を行う機能と無線送信を行う機能を有するような装置が用いられる。また、一例として、無線通信装置として、移動通信システムに備えられる基地局装置や移動局装置などを用いることが可能である。
【0028】
また、切り替えることが可能な複数の変調方式の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、切り替えることが可能な複数の変調方式のそれぞれとしては、種々な変調方式が用いられてもよく、例えば、多値数が異なるデジタル変調方式などを用いることができる。また、例えば、変調を行わずに信号の無線送信を行わないような場合(伝送オフの状態)が、切り替えることが可能な変調方式の1つとみなされて用いられてもよい。
【0029】
また、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替える態様としては、例えば、複数の変調方式の中から選択される1つの変調方式へ使用する変調方式を切り替えるような態様が用いられる。
また、通信相手としては、例えば、切り替えて使用する変調方式による変調後の信号を無線により送信する相手先となる無線通信装置が用いられる。
【0030】
また、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号としては、例えば、送信側となる通信相手により誤り訂正符号化された信号である。
また、誤り訂正符号化の方式としては、種々な方式が用いられてもよく、例えば、畳み込み符号化の方式などを用いることができる。
また、誤り訂正復号手段により行われる誤り訂正復号の方式としては、誤り訂正復号の対象となる誤り訂正符号化された信号で使用されている誤り訂正符号化方式に対応した方式が用いられる。
【0031】
また、無線受信手段により受信される信号に施されている誤り訂正符号化の方式を特定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、当該方式を特定する情報が本発明に係る無線通信装置に予め設定されている態様が用いられてもよく、或いは、当該方式を特定する情報が通信相手などの外部の装置から通知されるような態様が用いられてもよい。
【0032】
また、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号には、当該信号が通信回線を介して伝送された際に誤りが発生している可能性がある。
一方、当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号は、いったん誤り訂正復号された後に再び誤り訂正符号化されたものであるため、例えば誤りのない信号或いは比較的に誤りの少ない信号であるとみなすことができる。
そして、このように通信回線で発生した誤りを含む信号と当該誤りを含まない正しい信号とから、通信回線でどれくらいの誤りが発生したかなどを検出することができる。
【0033】
また、通信回線の品質としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、C/N値などを用いることができる。
また、通信回線の品質を検出する態様としては、必ずしも厳密に検出を行うような態様が用いられなくともよく、例えば、推定的に検出を行う(つまり、通信回線の品質を推定する)ような態様が用いられてもよい。
【0034】
また、検出される通信回線の品質に基づいて使用する変調方式を決定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、通信の品質が所定の閾値より良好(又は、所定の閾値以上に良好)であって伝送速度が最も大きくなる変調方式を使用するように決定する仕方を用いることができる。
【0035】
また、使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う態様としては、例えば、当該決定される変調方式を使用して、無線送信の搬送波信号を無線送信の対象となるデータにより変調するような態様が用いられる。
また、無線受信手段としては、例えば、アンテナや受信機を用いて構成することができる。
また、無線送信手段としては、例えば、アンテナや送信機を用いて構成することができる。
【0036】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、次のように、変調信号を受信する。
すなわち、無線受信手段により受信される信号は、誤り訂正符号化された信号により変調が行われて得られた変調信号である。そして、受信信号復調手段が、無線受信手段により受信される変調信号に対して復調を行って、誤り訂正符号化された信号を取得する。また、誤り訂正復号手段は、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号として、受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号を誤り訂正復号する。また、通信回線品質検出手段では、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号として受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号を用いて、信号誤り率検出手段が受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号とを比較して当該信号の誤り率を検出し、そして、信号誤り率検出手段により検出される信号の誤り率と当該信号について無線受信手段により受信される際に施されている変調の方式に基づいて通信回線の品質を検出する。
【0037】
ここで、無線受信手段により受信される変調信号としては、例えば、送信側となる通信相手により行われた変調により得られたものである。
また、受信信号復調手段により行われる復調の方式としては、無線受信手段により受信される変調信号で使用されている変調方式に対応した方式が用いられる。
また、信号の誤り率としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、ビットの誤り率や、フレームの誤り率や、スロットの誤り率や、パケットの誤り率などを用いることが可能である。
【0038】
また、検出される信号の誤り率と当該信号について使用された変調方式に基づいて通信回線の品質を検出する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、各変調方式毎に信号の誤り率に対して通信回線の品質を対応付けたテーブルを用いる仕方などを用いることができる。
なお、一般に、同一の誤り率であっても、変調方式が異なると、通信回線の品質が異なり得る。
【0039】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、次のような構成とする。
すなわち、通信相手との間で、TDD方式により、フレームを用いて、デジタルの無線通信を行う。また、変調の方式として、デジタル変調方式が用いられる。また、誤り訂正符号化の方式として、畳み込み符号化方式が用いられる。また、通信回線品質検出手段は、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号(受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号も含む)と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号に基づいて検出される当該信号のビット誤り率と、当該信号について無線受信手段により受信される際に施されている変調の方式に基づいて、通信回線の品質を検出する。
【0040】
ここで、フレームとしては、種々なものが用いられてもよい。
また、デジタルの無線通信としては、種々なものが用いられてもよい。
また、TDD方式では、例えば、同一の周波数帯域を使用して、一方の無線通信装置から他方の無線通信装置への信号通信と他方の無線通信装置から一方の無線通信装置への信号通信とを交互に実行するようなことが行われる。このようなTDD方式では、無線通信装置が通信相手から無線により信号を受信するときの通信回線の状況(伝搬路状況)と当該無線通信装置が当該通信相手に対して信号を無線により送信するときの通信回線の状況(伝搬路状況)とが同一又は類似などとなるため、受信信号に基づいて送信に用いる変調方式を切り替える適応変調方式が特に有効となる。
【0041】
なお、本発明は、無線通信装置による無線受信の周波数と当該無線通信装置による無線送信の周波数とが異なるような場合に適用されてもよく、この場合、受信信号に基づいて送信に用いる変調方式を切り替えるに際して、例えば、受信と送信との周波数の違いに基づく補正を行うようなことも可能である。
【0042】
以下で、更に、本発明に係る無線通信装置の構成例を示す。
本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、複数の変調方式として、多値数が異なる複数の変調方式が用いられる。
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、複数の変調方式には、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAMの中の1以上の変調方式が含まれる。
【0043】
ここで、多値数としては、例えば、QPSKでは4であり、16QAMでは16であり、64QAMでは64であり、256QAMでは256であり、1024QAMでは1024である。
また、通常、変調方式の多値数が少ないほど低速であるが耐性が強く、変調方式の多値数が多いほど高速であるが耐性が弱い。このため、通常、通信回線の品質が同一である場合には、変調方式の多値数が少ないほど誤り率が小さく、変調方式の多値数が多いほど誤り率が大きい。
【0044】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、変調方式決定手段は、複数の変調方式の中で信号の誤り率が所定の閾値未満(又は、所定の閾値以下)であり且つ情報伝送速度が最大となる変調方式を、使用する変調方式として決定する。
ここで、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、要求される品質の通信が実現される値が用いられる。
【0045】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、使用変調方式決定手段は、使用する変調方式を所定の閾値を超える(又は、所定の閾値以上となる)情報伝送速度を有する変調方式へ切り替えるように変調方式を決定するに際して、複数である所定数の受信信号について通信回線品質検出手段により検出される通信回線の品質の平均が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該条件を満たすことを判定した場合に変調方式を決定する。
【0046】
ここで、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよい。
また、複数である所定数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数である所定数の受信信号としては、種々な単位に基づく数の受信信号が用いられてもよく、例えば、所定のビット数や、所定の期間や、フレームや、スロットや、パケットなどを単位とする数を用いることが可能である。
【0047】
また、複数である所定数の受信信号としては、例えば、連続した受信信号が用いられる。
また、複数の受信信号についての通信回線の品質の平均としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、単純に平均化したものや、重み付けして平均化したものなどを用いることができる。
また、所定の条件としては、種々な条件を用いることができ、例えば、所定の高速な変調方式を用いるほどに通信回線の品質が良好であることを判定するための条件が用いられる。
【0048】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、使用変調方式決定手段は、使用する変調方式を所定の閾値を超える(又は、所定の閾値以上となる)情報伝送速度を有する変調方式へ切り替えるように変調方式を決定するに際して、複数である所定数の受信信号について通信回線品質検出手段により検出される通信回線の品質が所定の条件を満たすか否かを判定し、当該条件を満たすことを判定した場合に変調方式を決定する。
【0049】
ここで、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよい。
また、複数である所定数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、複数である所定数の受信信号としては、種々な単位に基づく数の受信信号が用いられてもよく、例えば、所定のビット数や、所定の期間や、フレームや、スロットや、パケットなどを単位とする数を用いることが可能である。
【0050】
また、複数である所定数の受信信号としては、例えば、連続した受信信号が用いられる。
また、複数の受信信号について通信回線の品質が所定の条件を満たすか否かを判定する態様としては、例えば、それぞれの受信信号が所定の条件を満たすか否かを全ての受信信号について判定する態様が用いられる。
また、所定の条件としては、種々な条件を用いることができ、例えば、所定の高速な変調方式を用いるほどに通信回線の品質が良好であることを判定するための条件が用いられる。
【0051】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、受信信号等化誤差値検出手段が、無線受信手段により受信される信号の等化誤差に関する値(等化誤差値)を検出する。そして、使用変調方式決定手段は、使用する変調方式を所定の閾値を超える(又は、所定の閾値以上となる)情報伝送速度を有する変調方式へ切り替えるように変調方式を決定するに際して、通信回線品質検出手段により検出される通信回線の品質と受信信号等化誤差値検出手段により検出される等化誤差値に基づいて変調方式を決定する。
【0052】
ここで、等化誤差に関する値としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、等化誤差の大きさを表すような値が用いられる。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよい。
また、検出される通信回線の品質と検出される等化誤差値に基づいて変調方式を決定する態様としては、種々な態様が用いられてもよい。
【0053】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、受信信号変調方式特定手段が、無線受信手段により受信される変調信号に施されている変調の方式を特定する。
ここで、受信される変調信号に施されている変調の方式を特定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよい。
【0054】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、受信信号変調方式特定手段は、通信相手から無線により送信される変調方式に関する情報に基づいて、無線受信手段により受信される変調信号に施されている変調の方式を特定する。
ここで、変調方式に関する情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、変調方式を特定することが可能な情報が用いられる。
【0055】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、受信信号変調方式特定手段は、変調手段により使用される変調方式と同一の変調方式を、無線受信手段により受信される変調信号に施されている変調の方式として特定する。
【0056】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、受信信号変調方式特定手段は、外部から入力される情報に基づいて、無線受信手段により受信される変調信号に施されている変調の方式を特定する。
ここで、外部から入力される情報としては、種々な情報が用いられてもよく、例えば、変調方式を特定することが可能な情報が用いられる。
また、外部としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、上位レイヤなどを用いることができる。
【0057】
また、一構成例として、通信相手となる無線通信装置では、無線により信号を受信する無線受信手段と、無線受信手段により受信される信号で使用された変調方式を特定する使用変調方式特定手段と、使用変調方式特定手段により特定される変調方式に対応した復調方式を使用して無線受信手段により受信される信号に対して復調を行う復調手段を備える。
【0058】
ここで、無線受信手段により受信される信号で使用された変調方式を特定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、受信側の無線通信装置が受信信号に基づいて当該受信信号で使用された変調方式を推定などにより特定するような仕方や、或いは、送信側の無線通信装置から送信される情報に基づいて受信側の無線通信装置が受信信号で使用された変調方式を特定するような仕方などを用いることができる。
【0059】
また、使用変調方式特定手段により特定される変調方式に対応した復調方式を使用して無線受信手段により受信される信号に対して復調を行う態様としては、例えば、当該特定される変調方式に対応した復調方式を使用して、当該受信信号である変調後の信号から受信したデータを復調するような態様が用いられる。
【0060】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、変調手段により使用される変調方式を特定する情報(使用変調方式特定情報)を通信相手に対して無線により送信する使用変調方式特定情報無線送信手段を備える。そして、通信相手となる無線通信装置では、一構成例として、無線受信手段により受信される信号で使用される変調方式を特定する情報(使用変調方式特定情報)を無線により受信する使用変調方式特定情報無線受信手段を備え、使用変調方式特定手段は使用変調方式特定情報無線受信手段により受信される情報に基づいて無線受信手段により受信される信号で使用される変調方式を特定する。
ここで、使用変調方式特定情報としては、種々な情報が用いられてもよい。
【0061】
また、一構成例として、通信相手となる無線通信装置では、複数の変調方式の中から使用する変調方式として使用変調方式特定手段により特定される変調方式を決定する使用変調方式決定手段と、使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う変調手段と、変調手段による変調後の信号を無線により送信する無線送信手段を備える。
【0062】
なお、以上では、本発明に係る無線通信装置の構成例及び通信相手となる無線通信装置の構成例を示したが、例えば、これら両方の機能手段を備えたような無線通信装置が本発明に係る無線通信装置として実施されてもよく、このような場合には、例えば、本発明を適用した無線通信装置同士の間で相互に適応変調方式を用いて無線通信を行うことが可能である。
【0063】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例に係る無線通信装置を図面を参照して説明する。
本例の無線通信装置は、デジタル無線通信システムに備えられている。本例のデジタル無線通信システムでは、TDD方式によりデジタル無線通信が行われ、伝送される無線信号はフレーム構成を有している。
【0064】
本例の無線通信装置は、送信を行う機能を有する送信機と受信を行う機能を有する受信機を有しており、通信相手となる無線通信装置との間で無線により通信を行う。また、本例の無線通信装置は、伝搬路の状況に応じて適応的に変調方式を制御する適応変調方式を用いて無線伝送を行い、これに際して、誤り訂正符号化及び誤り訂正復号により誤りを訂正する方式(FEC方式)を用いる通信方式を採用する。また、本例では、誤り訂正符号化の方式として、畳み込み符号化の方式を用いる。
【0065】
図1には、本例の無線通信装置に備えられた適応変調方式選択回路の構成例を示してある。
本例の無線通信装置には、適応変調方式選択回路として、復調回路1と、誤り訂正復号器2と、誤り訂正符号化器3と、一致比較器4と、BER測定部5と、受信変調方式記憶部6と、回線品質推定部7と、変調方式判定部8と、送信変調部9が備えられている。
【0066】
本例の無線通信装置に備えられた適応変調方式選択回路により行われる動作の一例を示す。
復調回路1は、本例の無線通信装置においてアンテナにより無線受信される信号を入力し、当該受信信号で使用されている変調方式に応じて当該受信信号に対して復調を行って、当該復調により得られる復調データを誤り訂正復号器2及び一致比較器4へ出力する。ここで、受信信号は、送信側の無線通信装置において誤り訂正符号化の後に変調が行われて得られる変調信号である。
【0067】
また、本例では、一般的な構成例として、当該復調データとして軟判定値が用いられており、当該復調データ(軟判定値)が誤り訂正復号器2へ供給されるとともに、当該復調データ(軟判定値)から得られる硬判定値が一致比較器4へ供給され、この場合、軟判定値の最上位のビットの値が硬判定値として用いられる。
なお、当該復調データとして硬判定値が用いられてもよく、この場合には、当該復調データ(硬判定値)が誤り訂正復号器2及び一致比較器4へ供給される。
【0068】
誤り訂正復号器2は、復調回路1から入力される復調データに対して誤り訂正復号を施した後に、当該誤り訂正復号後の復調データを誤り訂正符号化器3及び後段の処理部(図示せず)へ出力する。
【0069】
誤り訂正符号化器3は、受信信号の送信側となる無線通信装置で使用される誤り訂正符号化方式と同一の誤り訂正符号化方式を用いて、誤り訂正復号器2から入力される誤り訂正復号後の復調データを再び誤り訂正符号化して、当該誤り訂正符号化後の復調データを送信レプリカデータとして一致比較器4へ出力する。ここで、送信レプリカデータは、例えば誤り訂正復号により全てのデータが正しく復号されていれば、送信側から送信されたデータと完全に一致したデータとなる。本例では、当該送信レプリカデータが誤りの無い正しいデータであるとみなす。
【0070】
一致比較器4は、復調回路1から入力される誤り訂正復号前の復調データと、誤り訂正符号化器3から入力される誤り訂正符号化された復調データとが一致するか否かを比較して誤り検出を行い、当該誤り検出の結果をBER測定部5へ出力する。本例では、これら2つの復調データが各ビット毎に同一であるか否かを判定し、同一ではない(つまり、異なっている)と判定されたビットについては誤りが発生したとみなす。
【0071】
具体的には、一致比較器4は、例えば復調回路1から入力される誤り訂正復号前の復調データと誤り訂正符号化器3から入力される誤り訂正符号化された復調データとの排他的論理和(XOR)を取得する方法を用いて、誤り訂正復号前の復調データ(本例では、硬判定値)と送信レプリカデータとが一致するか否かをビット毎に比較し、一致するビットについては“0”値をBER測定部5へ出力する一方、不一致の(つまり、一致しない)ビットについては“1”値をBER測定部5へ出力する。本例では、このようにして、誤り訂正復号前の復調誤りを検出することができる。
【0072】
BER測定部5は、一致比較器4から入力される誤り検出結果に基づいてBERを測定し、具体的には、例えば1スロット内において入力されるデータの数と復調誤りの数をカウントしてBERを測定し、当該測定の結果を回線品質推定部7へ出力する。ここで、BERは、例えば、全てのビット数の中で誤りが発生したビット数の割合として求められ、本例では、1スロット内に含まれるビットの総数に対する誤りビットの数の割合として求められる。なお、1スロット内に含まれるビットの総数が把握されている場合には、例えば、誤りビットの数のみをカウントする態様が用いられてもよい。
【0073】
受信変調方式記憶部6は、例えば情報を記憶するメモリから構成されており、受信される変調信号の変調に使用されている方式を記憶する。
なお、受信変調方式記憶部6に記憶される変調方式(つまり、受信信号で使用されている変調方式)を特定する方法としては、例えば本例の無線通信装置が備えられる無線通信システムの特性などに応じて、種々な方法が用いられてもよい。具体的には、例えば、本例の無線通信装置により受信されるデータの一部に予め送信側などにより使用される変調方式の情報を含めておいて復調回路1により当該情報を取得して変調方式を特定する方法や、送信で使用する変調方式と受信信号で使用される変調方式(つまり、送信側からの送信で使用される変調方式)とを同一とする取り決めをしておいて変調方式判定部8による判定結果に基づいて変調方式を特定する方法や、上位レイヤからの指示に基づいて変調方式を特定する方法などを用いることができる。
【0074】
回線品質推定部7は、BER測定部5から入力されるBERの測定結果と受信変調方式記憶部6に記憶される変調方式(つまり、受信信号に施された変調の方式)に基づいて通信回線の品質を推定して、回線品質に関する情報を取得し、当該推定の結果(回線品質情報)を変調方式判定部8へ出力する。
【0075】
変調方式判定部8は、回線品質推定部7から入力される回線品質の推定結果(回線品質情報)に基づいて使用する変調方式を判定し、当該判定の結果を送信変調部9へ出力する。
なお、本例では、回線品質推定部7は受信信号の変調方式(受信変調方式)とFEC前(誤り訂正前)のBERに基づいて換算されるC/N値(換算C/N値)を推定し、変調方式判定部8は当該換算C/N値に基づいて最適な変調方式を判定する。
【0076】
ここで、1回の測定で得られるBERの推定値が0或いは0に近い数値である場合には、例えば、複数のスロットについてBERの平均をとって換算C/N値を求めていずれの変調方式を使用するかを判断する態様や、複数である所定数のスロットだけ連続してBERの推定値が0である場合には多値数が上位となる変調方式へ切り替える態様などを用いるのも効果的である。
【0077】
また、推定されるBERが小さいときに現時点より多値の変調方式へ移行することを決定する判断を行う場合には、例えば、上記と同様に、複数のスロットについてBERの平均をとって判断を行う態様や、複数である所定数のスロットだけ連続して誤りが検出されなかった場合に多値数が上位となる変調方式へ切り替えて様子を見る態様を用いるのも効果的であり、また、フレームの等化誤差電力を併用して判断を行う態様などを用いるのも効果的である。
【0078】
送信変調部9は、複数の変調方式を切り替えて使用することが可能であり、変調方式判定部8から入力される判定結果に基づいて使用する変調方式を切り替え、切り替えた変調方式を用いて送信データにより無線搬送波信号に対して変調を行う。本例の無線通信装置では、当該変調により得られる変調信号が送信信号としてアンテナから無線により送信される。
【0079】
次に、上述した本例の無線通信装置による動作について更に具体例を示す。
例えば、FEC後(誤り訂正後)のBERを10−4以下とする場合には、上記図7に示されるように、本例の方式によるBERの推定法に対して高い精度が要求されるのは、推定されるBER(推定BER)が10−4〜5×10−2となる範囲(ここで、範囲Aと言う)である。
【0080】
なお、当該範囲Aと比べて誤り率が悪い(つまり、BERが大きい)領域では、誤り訂正復号後の復調データに含まれる誤りの影響は、誤り率の全体に占める比率から見れば小さいことから、推定精度の劣化は大きな問題とはならない。一方、当該範囲Aと比べて誤り率が良好な(つまり、BERが小さい)領域では、誤りの発生頻度が低くなり測定サンプル数が不足する可能性もあるが、上記したような推定BER=10−4〜5×10−2である範囲Aではこのような問題も少ない。
【0081】
図2には、各変調方式の特性を示してある。なお、本例では、各変調方式毎に畳み込み符号化率が異なっており、各変調方式が各FECと対応している。
同図では、各変調方式(QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAM)について、畳み込み符号化率と、送信データ/シンボル(推定BER対象bit)と、スロット(Slot)当たりの送信情報量(推定BER対象bit数)を示してある。なお、同図では、1スロット当たりの送信シンボルの数が10000シンボルであるとした場合における送信情報量を示してある。
【0082】
また、本例では、各変調方式において、誤り訂正符号化される前のデータと比べて誤り訂正符号化された後のデータの方が1ビット(bit)多くなるような誤り訂正符号化方式が用いられている。
また、本例では、FEC前のデータを用いてBERを推定するため、BERを推定するために用いられるデータのビット数は変調方式のみにより決定される。
【0083】
図3には、各変調方式について、BERと換算C/N値との対応の一例を示してある。このような対応の情報は、例えば、予め測定などにより求められて、テーブルとして本例の無線通信装置のメモリに記憶される。
同図では、各変調方式(QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAM)について、種々なBERの値[%]に対して、1スロット内の誤りビット数[bit]と、換算C/N値[dB]を示してある。
【0084】
図4には、換算C/N値と選択する変調方式(選択変調方式)との対応の一例を示してある。このような対応の情報は、例えば、予め測定などにより求められて、テーブルとして本例の無線通信装置のメモリに記憶される。
同図に示されるように、本例では、取得される換算C/N値[dB]が大きくなるに従って、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAMの順に、多値数の多い変調方式が選択される。本例では、FEC後のBERが10−4以下となり且つ多値数が最大となる変調方式が選択されるように設定してある。
【0085】
本例の無線通信装置では、一致比較器4及びBER測定部5が誤り訂正符号化された受信信号について1スロット内におけるBERの推定値を求め、回線品質推定部7が上記図3に示される情報に基づいて受信信号の各変調方式毎に応じて当該求められたBERの推定値に対応する換算C/N値を取得し、そして、変調方式判定部8が上記図4に示される情報に基づいて当該取得された換算C/N値に対応する変調方式を決定する。
【0086】
なお、上記図7に示した1024QAMを例とすると、FEC前のBER特性では、例えばC/N値について1dBの差(電力としては約25%の差)に対して、C/N値=31dBのときにBER=1.2×10−2であり、C/N値=32dBのときにBER=7×10−3であることから、約71%(=(1.2×10−2/7×10−3−1)×100)にレンジを拡大することが可能であり、C/N値の推定精度を向上させることが可能である。
【0087】
以上のように、本例の無線通信装置では、FEC前の復調データと、FEC後の復調データを再び誤り訂正符号化した復調データとを比較して誤り率を推定し、当該推定した誤り率に基づいて回線品質を推定し、当該推定した回線品質に基づいて最適な変調方式を決定する。
【0088】
従って、本例の無線通信装置では、例えば従来においてFEC後のC/N値対誤り率特性が急峻となる場合に問題となっていたC/N値の推定誤差に関する問題を改善することができ、精度が高い回線品質の推定を実現することができる。つまり、本例の無線通信装置では、本来的に検出することが望ましい対象である誤り率(本例では、BER)と等価或いはほぼ等価とみなせる情報を抽出することができ、これにより、例えば従来のように等化誤差やCRCコード等により伝搬状況を推定する場合と比べて、伝搬状況の高精度な推定が可能である。
【0089】
具体的には、本例の無線通信装置では、FEC前のBER特性を検出することにより、例えば従来と比べて、精度が高いC/N値の推定値を取得することができ、変調方式の選択誤りを軽減することができる。また、本例の無線通信装置では、例えば、上記図7中の矢印で示されるように、推定されたFEC前のBERに基づいて、現在の変調方式におけるFEC後のBER特性を推定することも可能である。
【0090】
また、本例の無線通信装置は、一例として、従来と同様な機能を有する無線通信装置に対して、主に、XORとシフタから構成される誤り訂正符号化器3の回路と、XORから構成される一致比較器4の回路と、カウンタ回路から構成されるBER測定部5の回路を付加し、回線品質推定部7に上記図3に示したような情報のテーブルを付加したような構成により実施することが可能であるため、回路的な増加を極めて少なくすることが可能である。
【0091】
なお、本例の無線通信装置では、通信相手から無線により送信される信号を受信する機能により無線受信手段が構成されており、誤り訂正復号器2の機能により誤り訂正復号手段が構成されており、誤り訂正符号化器3の機能により再誤り訂正符号化手段が構成されており、一致比較器4の機能やBER測定部5の機能や受信変調方式記憶部6の機能や回線品質推定部7の機能により通信回線品質検出手段が構成されており、変調方式判定部8の機能により使用変調方式決定手段が構成されており、送信変調部9の機能により変調手段が構成されており、通信相手に対して変調信号を無線により送信する機能により無線送信手段が構成されている。
また、本例の無線通信装置では、復調回路1の機能により受信信号復調手段が構成されており、一致比較器4の機能やBER測定部5の機能により信号誤り率検出手段が構成されている。
【0092】
ここで、本発明に係る無線通信装置や無線通信システムなどの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。また、本発明は、例えば、適応変調方式により変調方式を選択する装置(適応変調方式選択装置)或いは回路(適応変調方式選択回路)や、送受信機などの種々なものとして提供することも可能である。
【0093】
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。なお、本発明に係る技術思想は、例えば、有線の回線を用いて通信を行う装置に適用することも可能である。
【0094】
また、本発明に係る無線通信装置や無線通信システムなどにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る無線通信装置によると、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信するに際して、通信相手から無線により送信される誤り訂正符号化された信号を受信し、受信される誤り訂正符号化された信号を誤り訂正復号し、受信される際に施されている誤り訂正符号化の方式と同一の方式により誤り訂正復号された信号を再び誤り訂正符号化し、受信される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再び誤り訂正符号化された信号に基づいて通信回線の品質を検出し、検出される通信回線の品質に基づいて使用する変調方式を決定し、決定される変調方式を使用して変調を行い、変調後の信号を無線により送信するようにしたため、通信回線の品質を検出する精度を向上させることができ、これにより、最適な変調方式を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る無線通信装置に備えられた適応変調方式選択回路の構成例を示す図である。
【図2】各変調方式の特性の一例を示す図である。
【図3】各変調方式についてのBER対換算C/N値の一例を示す図である。
【図4】換算C/N値対選択変調方式の一例を示す図である。
【図5】各変調方式についてのC/N値対BERの特性の一例を示す図である。
【図6】従来例に係る等化誤差を用いた適応変調方式を採用した送受信機の一例を示す図である。
【図7】FECが行われる場合とFECが行われない場合における各変調方式についてのC/N値対BERの特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1・・復調回路、 2・・誤り訂正復号器、 3・・誤り訂正符号化器、
4・・一致比較器、 5・・BER測定部、 6・・受信変調方式記憶部、
7・・回線品質推定部、 8・・変調方式判定部、 9・・送信変調部、

Claims (3)

  1. 複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信する無線通信装置において、
    通信相手から無線により送信される誤り訂正符号化された信号を受信する無線受信手段と、
    無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号を誤り訂正復号する誤り訂正復号手段と、
    無線受信手段により受信される際に施されている誤り訂正符号化の方式と同一の方式により誤り訂正復号手段により誤り訂正復号された信号を誤り訂正符号化する再誤り訂正符号化手段と、
    無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号に基づいて通信回線の品質を検出する通信回線品質検出手段と、
    通信回線品質検出手段により検出される通信回線の品質に基づいて使用する変調方式を決定する使用変調方式決定手段と、
    使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う変調手段と、
    変調手段による変調後の信号を無線により送信する無線送信手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置において、
    無線受信手段により受信される信号は、誤り訂正符号化された信号により変調が行われて得られた変調信号であり、
    無線受信手段により受信される変調信号に対して復調を行って誤り訂正符号化された信号を取得する受信信号復調手段を備え、
    誤り訂正復号手段は、受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号を誤り訂正復号し、
    通信回線品質検出手段は、受信信号復調手段により取得される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号とを比較して当該信号の誤り率を検出する信号誤り率検出手段を有し、信号誤り率検出手段により検出される信号の誤り率と当該信号について無線受信手段により受信される際に施されている変調の方式に基づいて通信回線の品質を検出する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置において、
    通信相手との間でTDD方式によりフレームを用いてデジタルの無線通信を行い、
    変調の方式として、デジタル変調方式が用いられ、
    誤り訂正符号化の方式として、畳み込み符号化方式が用いられ、
    通信回線品質検出手段は、無線受信手段により受信される誤り訂正符号化された信号と当該信号について再誤り訂正符号化手段により誤り訂正符号化された信号に基づいて検出される当該信号のビット誤り率と当該信号について無線受信手段により受信される際に施されている変調の方式に基づいて通信回線の品質を検出する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
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