JP2004104196A - 無線通信装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Oshida
押田 善之
Masashi Naito
内藤 昌志
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

【課題】複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行う無線通信装置で、変調方式の切替を効率的に行う。
【解決手段】無線受信手段1が通信相手から無線送信される信号を受信し、受信信号誤り判定手段3が受信信号の誤りに関する判定を行い、受信信号誤り平均化値取得手段4が判定結果に基づく値を受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化した値を取得し、使用変調方式決定手段4が平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定し、変調手段12が決定される変調方式を使用して変調を行い、無線送信手段13が変調後の信号を無線送信する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行う無線通信装置に関し、特に、変調方式の切替を効率的に行う無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、デジタル通信を行う無線通信システム、特にマイクロ波やミリ波などの高周波の帯域で伝送を行う無線通信システムでは、降雨などに起因した伝搬路の状態の変化により、回線の品質が著しく劣化することが知られている。
【0003】
変調方式が固定される無線通信システムでは、無線伝搬路上における降雨などに起因する受信電界強度の劣化が生じると、安定した通信を維持するための所要ビット誤り率(所要BER)を満たせなくなり回線断を引き起こしてしまう恐れがある。このため、例えば記録的な豪雨があったときの条件などのように最も厳しい条件(最悪条件)においても所要BERを満たすことが可能なように、最悪条件での回線設計をせざるを得なくなっている。
【0004】
しかしながら、最悪条件が発生する時間率は一般的にごく小さいため、変調方式が固定される無線通信システムでは、大部分の時間において所要BERを大きく下回る良好な伝搬状態での伝送が行われることとなる。
そこで、無線通信の高速化及び周波数利用効率の向上を目的として、伝搬回線の品質などの情報に基づいて所要BERを満たす変調方式を適応的に選択するというような適応変調方式が広く採用されている。
【0005】
図6には、適応変調方式において用いることが可能な変調方式の例として、(a)QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、(b)16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、(c)64QAM、(d)256QAM、(e)1024QAMの5種について、各変調方式における信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)対ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)の特性例を示してある。同図の横軸はSNR[dB]を示しており、当該SNRの値が高いほど伝搬路状況が良好であり、また、同図の縦軸はBERを示しており、当該BERの値が高いほどビット誤りの率が大きい。
【0006】
例えば、同図中の“A”で示されるように、伝搬路の状況が良好であってSNRが高く、変調方式を最も高速な1024QAMとして無線伝送を実施していたとする。その後、同図中の“B”で示されるように、降雨などにより伝搬路状況が悪化していき、SNRが低下していったとする。
【0007】
すると、適応変調方式を採用した送受信機では、所要BERを満たすようにするために、変調方式を耐性の強い256QAMへ変更し、また、更に伝搬路状況が悪化した場合には更に耐性の強い64QAMへ変調方式を変更する。なお、同図の例では、所要BERの値を(1.E−04)としている。
【0008】
ここで、同図では、伝搬路状況が変化してSNRが変化した場合におけるBER特性の変化の過程の一例を矢印及び太線を用いて示してあり、この過程では、所要BERに対応する点線で示されるSNRの各閾値において、所要BERを満たすようにするために変調方式を変更している。
このように、適応変調方式では、所要BERが満たされるようにSNRの閾値を設け、当該閾値を用いて変調方式の選択を行う。
【0009】
また、従来における適応変調方式を採用するTDD(Time Division Duplex)用の送受信機(TDD用適応変調方式送受信機)では、変調方式を切り替える方式として、例えば等化誤差や受信BERやRSSI(Received Signal StrengthIndicator)などの測定値に基づいてSNRなどに関する換算テーブルを作成して、当該換算テーブルに基づいて変調方式を選択するような方式が用いられている。
【0010】
図7には、等化誤差を用いた適応変調方式を採用した受信機の一部分などの構成例を示してある。
同図に示した構成では、受信信号が等化器41に入力され、等化器41からの出力(復調データ)が後段の処理に送られる。また、等化器41からの出力とトレーニングパターンとを例えば加算器42により加算することで等化誤差を算出する。そして、当該等化誤差の値を平均化部43により平均化した後、変調方式判定部44により例えば等化誤差対SNRの換算テーブルなどに基づいて変調方式を判定して当該判定結果を送信部の変調方式切替え部51へ通知する。変調方式切替え部51は、通知される判定結果に基づいて変調方式を切り替える。
【0011】
図8には、受信誤り率を用いた適応変調方式を採用した受信機の一部分などの構成例を示してある。
同図に示した構成では、復調回路61により受信信号から受信データを復調した後、エラー検出部62により誤りを検出し、BER測定部63によりBERの値を測定して当該測定値を変調方式判定部64へ通知する。そして、変調方式判定部64により、通知される測定値に基づいて所要BERを満たすように変調方式を決定して、当該決定した変調方式を送信部の変調方式切替え部71へ通知する。変調方式切替え部71は、通知される変調方式へ使用する変調方式を切り替える。この適応変調方式では、各変調方式において所要BERが満たされるSNRの限界値を閾値として用いており、そして、受信データに誤りが発生すると、BERの測定値が上昇することに応じて、耐性の強い変調方式へ切り替えることが行われる。
【0012】
なお、適応変調方式に関する従来技術の例を示す。
従来のTDD用適応変調方式送受信機では、例えば伝搬路状況の推定としてビットエラー率を検出し、検出されるビットエラー率が閾値以下となる最高速の変調方式へ切り替えることが行われる(例えば、特許文献1参照。)。
従来の適応変調方式では、チャネルパワー利得に基づいて変調指数のみを変化させる場合に、送信側から制御信号を送信しなくとも、受信側で変調指数を最尤推定することが行われる(例えば、特許文献2参照。)。
【0013】
ここで、瞬時のBER(ビットエラーレート)が同一となるような適応電力制御を行うと、シングルユーザにおける伝送効率は最適となるが、セルラシステムなどでは他セルや他ユーザへの干渉が増加してチャネル容量が著しく低下してしまうため、セルラなどのように基地局装置が密集しているシステムでは、チャネルパワー利得により変調指数のみを変化させる方式が有効である(例えば、特許文献2参照。)。
【0014】
なお、一般には、例えば、チャネル状態に応じて、送信電力レベルや、伝送シンボルレートや、変調指数や、誤り訂正における符号化率又は訂正方式や、これらの2以上の要素などを適応的に変更することが可能である(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
【特許文献1】
特開平9−200282号公報
【特許文献2】
特開平11−355373号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の適応変調方式を用いる無線通信装置では、次のような不具合があり、更なる効率化が望まれていた。
例えば、上記図7に示したように等化誤差を用いた適応変調方式では、求めた等化誤差の値に基づいて変調方式を選択する際に用いられる換算テーブルを作成するが、この換算テーブルの内容には個体差が発生するため、装置毎に測定を行って個別的に換算テーブルの内容を調整することが必要であり、このように煩雑な作業が必要であるといった不具合があった。
【0017】
また、例えば、上記図8に示したように受信誤り率を用いた適応変調方式では、BERが上昇したときの処理については考慮されているが、BERが減少した場合に耐性の弱い変調方式へ切り替える処理について考慮されている変調方式の最適な切替のアルゴリズムは存在していないといった不具合があり、また、信頼度が高いBERの値を測定するために数百〜数千フレームの間にわたってBERの値を測定することを行って、当該測定の結果に基づいて変調方式を変更するため、急激な伝搬環境の変化に追従することができないといった不具合があった。なお、BERの代わりにフレーム誤り率(FER)が用いられる場合についても、同様である。
【0018】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行うに際して、変調方式の切替を効率的に行うことができる無線通信装置を提供することを目的とする。
具体的には、本発明に係る無線通信装置では、適応変調方式に関して、例えば、装置毎に個別に調整を行うことを不要とすることや、伝搬路状況が悪化したときと改善したときとの両方に対応することや、伝搬路状況の急激な変化に追従することなどを図る。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信装置では、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信するに際して、次のような処理を行う。
すなわち、無線受信手段が通信相手から無線により送信される信号を受信し、受信信号誤り判定手段が無線受信手段により受信される信号の誤りに関する判定を行う。また、受信信号誤り平均化値取得手段が、各変調方式毎に設定される重み値に基づいて、受信信号誤り判定手段による判定結果に基づく値を受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を、複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化した値を取得する。そして、使用変調方式決定手段が受信信号誤り平均化値取得手段により取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定し、変調手段が使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行い、無線送信手段が変調手段による変調後の信号を無線により送信する。
【0020】
従って、伝搬路状況に応じて、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行うに際して、上記のように、受信信号の誤りに関する判定結果に基づく値を各変調方式毎に重み付けした値の平均値及び各変調方式切替毎の閾値に基づいて使用する変調方式を切り替えることにより、変調方式の切替を効率的に行うことができる。具体的には、適応変調方式に関して、例えば、装置毎に個別に調整を行うことを不要とすることが可能であり、また、伝搬路状況が悪化したときと改善したときとの両方に対応することが可能であり、また、伝搬路状況の急激な変化に追従することが可能である。
【0021】
ここで、無線通信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、無線受信を行う機能と無線送信を行う機能を有するような装置が用いられる。また、一例として、無線通信装置として、移動通信システムに備えられる基地局装置や移動局装置などを用いることが可能である。
【0022】
また、切り替えることが可能な複数の変調方式の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、切り替えることが可能な複数の変調方式のそれぞれとしては、種々な変調方式が用いられてもよく、例えば、多値数が異なるデジタル変調方式などを用いることができる。また、例えば、変調を行わずに信号の無線送信を行わないような場合(伝送オフの状態)が、切り替えることが可能な変調方式の一つとみなされて用いられてもよい。
【0023】
また、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替える態様としては、例えば、複数の変調方式の中から選択される1つの変調方式へ使用する変調方式を切り替えるような態様が用いられる。
また、通信相手としては、例えば、切り替えて使用する変調方式による変調後の信号を無線により送信する相手先となる無線通信装置が用いられる。
【0024】
また、無線受信手段により受信される信号の誤りに関する判定としては、種々な判定が行われてもよく、例えば、誤りがあるか或いは無いかに関する判定や、特定の誤りがあるか或いは無いかに関する判定や、誤りの数や誤りの割合(例えば、ビットエラーレート)などのように誤りの程度に関する判定などを用いることができる。また、誤り訂正処理が行われる場合には、受信信号の誤りに関する判定としては、例えば、誤り訂正処理の後に行われてもよく、或いは、誤り訂正処理の前に行われてもよい。
【0025】
また、受信信号誤り平均化値取得手段では、例えば、受信信号の誤りに関する判定の結果に基づく値を、当該判定を行った当該受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値(重み付け値)をそれぞれの受信信号について求め、当該重み付け値を複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化した値を取得する。
【0026】
また、各変調方式毎に設定される重み値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、各変調方式毎に異なる値が用いられる。
また、受信信号の誤りに関する判定の結果に基づく値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、誤りがあるか或いは無いかが判定されるような態様では誤りがある場合には1値となる一方で誤りが無い場合には0値となる値などを用いることができ、また、例えば、誤りの程度が判定されるような態様では判定される誤りの程度に応じた大きさの値などを用いることができる。
【0027】
また、受信信号の誤りに関する判定を行って当該受信信号についての重み付け値を求める場合における当該受信信号の単位としては、種々な単位が用いられてもよく、例えば、フレーム毎の受信信号や、パケット毎の受信信号や、スロット毎の受信信号や、所定の期間毎の受信信号などの単位を用いることができる。
【0028】
また、受信信号誤り判定手段による判定結果に基づく値を受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を求める態様としては、例えば、当該判定結果に基づく値と当該重み値とを乗算し、当該乗算結果を当該重み付け値とする態様を用いることができる。
【0029】
また、上記のような重み付け値を複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化する態様としては、例えば、複数の受信信号について累積的に所定の平均化方式で平均化を行うような態様を用いることができる。
また、上記のような重み付け値の平均化を行う複数の受信信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
【0030】
また、所定の平均化方式としては、種々な平均化方式が用いられてもよく、必ずしも上記のような重み付け値を複数の受信信号について単純に平均化するような平均化方式に限られず、例えば、上記のような重み付け値を複数の受信信号について累積的に加算していくに際して、前回までの加算結果に所定の減衰係数を乗算して当該前回までの加算結果を小さくした後に、当該小さくした前回までの加算結果に今回の受信信号についての重み付け値或いは当該重み付け値に所定の係数を乗算した値などを加算するような平均化方式などを用いることができる。
【0031】
また、各変調方式切替毎に設定される閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、QPSKと16QAMとの切替や16QAMと64QAMとの切替などのような、それぞれの変調方式の切替の態様毎に異なる値が用いられる。
また、受信信号誤り平均化値取得手段により取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、1つずつの変調方式切替の態様毎に当該平均化値が閾値と比べて大きいか否かを比較するような態様が用いられてもよく、或いは、複数の変調方式切替の態様についてまとめて比較を行って当該平均値と複数の閾値との大小関係を特定するような態様が用いられてもよい。
【0032】
また、受信信号誤り平均化値取得手段により取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、現在の伝搬路状況において実用上で有効な品質で通信を行うことが可能である変調方式の中で最高の速度の変調方式を使用するように決定するような態様を用いることができ、具体的には、例えば、誤りが多いと当該平均化値が大きくなり、耐性の強い変調方式に関する切替ほど閾値が大きく設定されるような場合には、取得される平均化値と比べて大きい閾値の中で最小の閾値に対応する変調方式切替に関する変調方式を使用するように決定するような態様を用いることができる。
【0033】
また、受信信号誤り平均化値取得手段により取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定する仕方としては、例えば、取得される平均化値が或る変調方式切替の閾値を超えた場合に当該変調方式切替に関する一方の変調方式から他方の変調方式への切替を行うように決定し、取得される平均化値が当該或る変調方式切替の閾値未満となった場合に当該変調方式切替に係る当該他方の変調方式から当該一方の変調方式への切替を行うように決定する仕方を用いることもできる。なお、ここでは取得される平均化値が閾値を超える場合と閾値未満となる場合を示したが、例えば、取得される平均化値が閾値以上となる場合が用いられてもよく、取得される平均化値が閾値以下となる場合が用いられてもよい。
【0034】
また、使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う態様としては、例えば、当該決定される変調方式を使用して、無線送信の搬送波信号を無線送信の対象となるデータにより変調するような態様が用いられる。
また、無線受信手段としては、例えば、アンテナや受信機を用いて構成することができる。
また、無線送信手段としては、例えば、アンテナや送信機を用いて構成することができる。
【0035】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、次のようにして、上記した平均化値を取得する。
すなわち、受信信号誤り判定手段は、無線受信手段により受信される信号に誤りがあるか否かを判定する。そして、受信信号誤り平均化値取得手段は、受信信号誤り判定手段により誤りがあると判定された場合には受信信号で使用された変調方式に対応した重み値と等しい値となる一方で誤りが無いと判定された場合には0値となる重み付け誤り値Errと、1より小さい値である所定の第1の係数αと、所定の第2の係数βを用いて、前回の平均化値Eavに第1の係数αを乗算した結果と今回の受信信号に関する重み付け誤り値Errに第2の係数βを乗算した結果とを加算した結果を今回の平均化値Eav’とする平均化方式で、平均化値を取得する。つまり、Eav’=Eav×α+Err×βとする平均化方式を用いる。
【0036】
ここで、重み付け誤り値Errとしては、例えば、受信信号誤り判定手段により誤りがあると判定された場合には、誤りがあることを表す1値と受信信号で使用された変調方式に対応した重み値とを乗算した結果の値(つまり、当該重み値と等しい値)が用いられている一方で、受信信号誤り判定手段により誤りが無いと判定された場合には、誤りが無いことを表す0値と受信信号で使用された変調方式に対応した重み値とを乗算した結果の値(つまり、0値)が用いられている。
【0037】
また、1より小さい値である所定の第1の係数αとしては、種々な値が用いられてもよい。
また、第2の係数としては、種々な値βが用いられてもよい。
【0038】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、次のような構成とした。
すなわち、当該無線通信装置は、通信相手との間でTDD方式によりフレームを用いてデジタルの無線通信を行う。また、受信信号誤り判定手段は、無線受信手段により受信される信号の誤りに関する判定として、通信相手から受信される各フレーム毎に誤りがあるか否かを判定する。そして、受信信号誤り平均化値取得手段は、受信信号誤り判定手段によるフレーム毎の判定結果に基づく値を当該フレーム毎で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を、複数のフレームについて所定の平均化方式で平均化した値を取得する。
【0039】
ここで、フレームとしては、種々なものが用いられてもよい。
また、デジタルの無線通信としては、種々なものが用いられてもよい。
また、TDD方式では、例えば、同一の周波数帯域を使用して、一方の無線通信装置から他方の無線通信装置への信号通信と他方の無線通信装置から一方の無線通信装置への信号通信とを交互に実行するようなことが行われる。このようなTDD方式では、無線通信装置が通信相手から無線により信号を受信するときの伝搬路状況と当該無線通信装置が当該通信相手に対して信号を無線により送信するときの伝搬路状況とが同一又は類似などとなるため、受信信号に基づいて送信に用いる変調方式を切り替える適応変調方式が特に有効となる。
【0040】
なお、本発明は、無線通信装置による無線受信の周波数と当該無線通信装置による無線送信の周波数とが異なるような場合に適用されてもよく、この場合、受信信号に基づいて送信に用いる変調方式を切り替えるに際して、例えば、受信と送信との周波数の違いに基づく補正を行うようなことも可能である。
【0041】
以下で、更に、本発明に係る無線通信装置の構成例を示す。
本発明に係る無線通信装置では、複数の変調方式として多値数が異なる複数の変調方式が用いられ、各変調方式毎に設定される重み値として各変調方式の多値数に反比例する値が用いられ、各変調方式切替毎に設定される閾値として各変調方式切替に関する変調方式の多値数に反比例する値が用いられる。ここで、各変調方式切替に関する変調方式とは、例えば、当該各変調方式切替に関わる2つの変調方式のうちの耐性の弱い方の変調方式のことであり、具体的には、例えば、QPSKと16QAMとの間の切替の態様では16QAMのことであり、16QAMと64QAMとの間の切替の態様では64QAMのことである。
【0042】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、複数の変調方式には、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAMの中の1以上の変調方式が含まれる。
ここで、多値数としては、例えば、QPSKでは4であり、16QAMでは16であり、64QAMでは64であり、256QAMでは256であり、1024QAMでは1024である。
また、通常、変調方式の多値数が少ないほど低速であるが耐性が強く、変調方式の多値数が多いほど高速であるが耐性が弱い。
【0043】
また、通信相手となる無線通信装置では、一構成例として、無線により信号を受信する無線受信手段と、無線受信手段により受信される信号で使用された変調方式を特定する使用変調方式特定手段と、使用変調方式特定手段により特定される変調方式に対応した復調方式を使用して無線受信手段により受信される信号に対して復調を行う復調手段を備える。
【0044】
ここで、無線受信手段により受信される信号で使用された変調方式を特定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、例えば、受信側の無線通信装置が受信信号に基づいて当該受信信号で使用された変調方式を推定などにより特定するような仕方や、或いは、送信側の無線通信装置から送信される情報に基づいて受信側の無線通信装置が受信信号で使用された変調方式を特定するような仕方などを用いることができる。
【0045】
また、使用変調方式特定手段により特定される変調方式に対応した復調方式を使用して無線受信手段により受信される信号に対して復調を行う態様としては、例えば、当該特定される変調方式に対応した復調方式を使用して、当該受信信号である変調後の信号から受信したデータを復調するような態様が用いられる。
【0046】
また、本発明に係る無線通信装置では、一構成例として、変調手段により使用される変調方式を特定する情報(使用変調方式特定情報)を通信相手に対して無線により送信する使用変調方式特定情報無線送信手段を備える。そして、通信相手となる無線通信装置では、一構成例として、無線受信手段により受信される信号で使用される変調方式を特定する情報(使用変調方式特定情報)を無線により受信する使用変調方式特定情報無線受信手段を備え、使用変調方式特定手段は使用変調方式特定情報無線受信手段により受信される情報に基づいて無線受信手段により受信される信号で使用される変調方式を特定する。
ここで、使用変調方式特定情報としては、種々な情報が用いられてもよい。
【0047】
また、通信相手となる無線通信装置では、一構成例として、複数の変調方式の中から使用する変調方式として使用変調方式特定手段により特定される変調方式を決定する使用変調方式決定手段と、使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う変調手段と、変調手段による変調後の信号を無線により送信する無線送信手段を備える。
【0048】
なお、以上では、本発明に係る無線通信装置の構成例及び通信相手となる無線通信装置の構成例を示したが、例えば、これら両方の機能手段を備えたような無線通信装置が本発明に係る無線通信装置として実施されてもよく、このような場合には、例えば、本発明を適用した無線通信装置同士の間で相互に適応変調方式を用いて無線通信を行うことが可能である。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態として、本発明に係る適応変調方式を採用したTDD用の送受信機(TDD用適応変調方式送受信機)の構成例を示してある。
同図に示されるように、本例の送受信機は、受信装置部T1と送信装置部T2とから構成されている。
【0050】
また、受信装置部T1には、受信部1と、復調部2と、誤り訂正部3と、変調方式決定部4とが備えられている。
また、送信装置部T2には、誤り訂正符号化部11と、変調部12と、送信部13とが備えられている。
以下では、本例の送受信機が備えられている無線通信装置を自局装置と言い、当該自局装置と無線通信を行う相手となる無線通信装置を相手局装置と言うこととして、説明を行う。
【0051】
受信装置部T1の構成例及び動作例を示す。
相手局装置では、TDD方式により、誤り訂正符号が付加されていてフレーム構成となっている信号を無線により送信する。
受信部1は、TDD方式における自局装置の受信タイミングで、相手局装置から送られてきた無線信号P1をアンテナ(図示せず)により受信して、当該受信した無線信号P1に対応する受信信号を得て、当該得られた受信信号を復調部2へ送出する。
【0052】
復調部2は、例えば変調方式検出回路と復調処理回路から構成されており、受信部1から送出される受信信号を入力して、当該受信信号に対する変調方式検出処理及び復調処理を行う。具体的には、変調方式検出回路が当該受信信号に施されている変調方式を検出して当該検出結果を復調処理回路へ送出し、復調処理回路が当該変調方式検出回路による検出結果に応じた復調処理を当該受信信号に対して施してこれにより得られる復調信号を誤り訂正部3へ送出する。
【0053】
ここで、受信信号の変調方式を検出する方法としては、例えば、送信側がデータフレーム内における特定のビットの情報を設定して受信側が当該情報に基づいて変調方式を判定するような方法が用いられてもよく、或いは、別の仕方で変調方式が報知されるような方法が用いられてもよく、また、例えば、受信側で変調方式を推定するような方法が用いられてもよい。
【0054】
誤り訂正部3は、復調部2から送出される復調信号を入力して、当該復調信号に付加されている誤り訂正符号に基づいて当該復調信号に対する誤り訂正処理を行い、当該誤り訂正処理により得られた受信データの信号P2を次段の回路部(図示せず)へ送出する。これとともに、誤り訂正部3は、当該誤り訂正処理に際して検出したフレーム単位での誤りに関する情報を得て、フレーム毎に誤りがあるか否か(誤りがあるか或いは無いか)を表すフレーム誤り信号を変調方式決定部4へ送出する。
【0055】
変調方式決定部4は、誤り訂正部3から入力されるフレーム誤り信号に基づいて送信装置部T2により使用する変調方式を決定し、当該決定した変調方式を指定する信号(変調方式指定信号)を送信装置部T2の変調部12へ送出する。
ここで、図2には、変調方式決定部4の構成例を示してある。
同図に示されるように、本例の変調方式決定部4は、エラー検出部21と、エラー係数回路22と、閾値判定部23と、変調方式決定通知部24とから構成されている。
【0056】
エラー検出部21は、誤り訂正部3から送出されるフレーム誤り信号を取り込み、当該取り込んだフレーム誤り信号の内容と受信信号で使用された変調方式に対応する重み値(エラー重みの値)とに基づく情報をエラー係数回路22へ送出する。なお、受信信号で使用された変調方式は、例えば、復調部2の変調方式検出回路による検出結果に基づいて特定することができる。
エラー係数回路22は、エラー検出部21から入力される情報に基づいて、所定のエラー係数を算出し、当該算出したエラー係数を閾値判定部23へ送出する。
【0057】
閾値判定部23は、エラー係数回路22から入力されるエラー係数に基づいて、変調方式を切り替えるために設定された閾値と当該エラー係数とを比較し、当該閾値と当該エラー係数との大小関係に関する判定結果を変調方式決定通知部24へ送出する。
変調方式決定通知部24は、閾値判定部23から入力される判定結果に基づいて最適な変調方式を決定し、当該決定した変調方式を指定する信号(変調方式指定信号)を送信装置部T2の変調部12に対して送出する。
【0058】
送信装置部T2の構成例及び動作例を示す。
誤り訂正符号化部11は、例えば制御部(図示せず)などから送信データの信号P3を入力し、当該送信データ信号P3に誤り訂正符号を付加して送信フレームを構成し、当該送信フレームをフレーム単位で、順次、変調部12へ送出する。
【0059】
変調部12は、誤り訂正符号化部11から誤り訂正符号化された送信データ信号P3をフレーム単位毎に入力するとともに、例えば発振器(図示せず)などから搬送波の信号を入力して、当該送信データ信号P3及び当該搬送波信号から変調波の信号を取得し、当該取得した変調波信号を送信部13へ送出する。
【0060】
具体的には、変調部12は、受信装置部T1の変調方式決定部4から入力される変調方式指定信号で指定される変調方式を使用して、入力される搬送波信号に対して、誤り訂正符号化部11から入力される送信データ信号P3により変調を行い、当該変調により得られた変調波信号を送信部13へ送出する。
【0061】
本例では、変調部12により切り替えて使用することが可能な変調方式として、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM、1024QAMの5種の変調方式が用いられており、変調方式決定部4から送出される変調方式指定信号ではこれら5種の変調方式の中のいずれか1つの変調方式が指定される。
送信部13は、変調部12から送出される変調波信号を入力し、当該変調波信号を無線信号P4として、TDD方式における自局装置の送信タイミングで、相手局装置に対してアンテナ(図示せず)から送信する。
【0062】
次に、本例の送受信機により変調方式を適応的に切り替える動作について、更に具体的な一例を示す。
なお、本例では、相手局装置においても、本例の送受信機と概ね同一の送受信機が用いられているとする。
【0063】
また、自局装置と相手局装置との無線通信で使用される変調方式としては、送信と受信とで同一の変調方式が使用されてもよく、或いは、送信と受信とでそれぞれ別の変調方式が使用されてもよい。また、自局装置と相手局装置とで使用する変調方式を同一の変調方式とする場合には、例えば、使用する変調方式を決定する権利が予めいずれかの局装置に付与されているような態様が用いられてもよく、或いは、自局装置と相手局装置との間で通信中に信号を送り合うことにより通信状況等に応じていずれかの局装置が変調方式を決定する権利を持つようにするような態様が用いられてもよい。
【0064】
さて、従来の適応変調方式では、変調方式を決定するために用いられていた等化誤差や受信誤り率などは、機器の劣化や伝搬環境などにも影響されて、理論値からずれてしまい、個体差が生じてしまうが、同じ環境下であれば各変調方式間における特性の相互関係は保たれると考えられる。そこで、本例の適応変調方式では、上記図6に示されるようなSNR対BERの曲線から、変調方式間におけるSNRの差に基づいて各変調方式毎のエラー重みを決定し、このようにして決定したエラー重みを用いた平均化結果をエラー係数として、当該エラー係数について閾値判定を行う構成とした。
【0065】
ここで、図3には、本例において各変調方式毎に対応して設定されるエラー重みと閾値について、これらの一例を示してある。
なお、各変調方式毎に設定されている閾値は、例えば、16QAMに設定された閾値は16QAMとQPSKとを切り替えるための閾値であり、64QAMに設定された閾値は64QAMと16QAMとを切り替えるための閾値であるといったように、それぞれの変調方式の切替の態様毎に設定されているととらえることができる。
【0066】
同図に示されるように、本例では、多値数が最高となる変調方式である1024QAMのエラー重みを1として、同一のBER値を示すときにおける他の変調方式とのSNRの差に基づいて、3dBの差でエラー重みを2倍に設定するという手法で、エラー重みの値を設定してある。なお、本例では、SNR対BERの曲線が隣り合う2つの変調方式の間におけるSNRの差が6dBである場合の例を示してある。
【0067】
また、同図に示されるように、本例では、各変調方式毎に対応する閾値としては、各変調方式毎に対応するエラー重みに比例する値を設定してある。
本例では、エラー係数回路22により算出されるエラー係数の値と比べて大きい閾値であって最小の閾値に対応した変調方式つまり伝送品質を確保することができる変調方式の中で最高速の変調方式を使用するように切り替えることが行われ、また、例外として、エラー係数回路22により算出されるエラー係数の値がQPSKの閾値以上である場合には変調方式としてQPSKを使用する。
【0068】
なお、例えば、使用される誤り訂正符号化の種類により、上記図6に示されるようなSNR対BERの曲線が変化することが考えられるため、本例の送受信機を実施する際には、例えば、使用する誤り訂正符号化の種類に応じて、使用する誤り訂正符号化を行う場合における理論値などによるSNR対BERの曲線に基づいて、各変調方式毎に対応するエラー重みと閾値を決定するのが好ましい。
【0069】
本例の変調方式決定部4により使用する変調方式を決定する処理の動作の一例を示す。
エラー検出部21は、例えばフレームタイミングと同期したパルスなどを用いて、誤り訂正部3から送出されるフレーム誤り信号を取り込む。なお、フレーム誤り信号は、本例のように、毎フレームにおいて誤り訂正部3から出力されることが望ましい。
そして、エラー検出部21は、フレーム誤りが発生したことを表すフレーム誤り信号を取得した場合には、上記図3の表に示される受信信号の変調方式に応じたエラー重みの値をエラー係数回路22へ送出する。
【0070】
なお、本例の送受信機では、上記図3の表に示される内容の情報について、エラー重みに関する情報がエラー検出部21に設定されており、閾値に関する情報が閾値判定部23に設定されているが、他の態様例として、上記図3の表に示される内容の情報がメモリに記憶されていて、当該記憶内容をエラー検出部21や閾値判定部23により利用することが可能な構成を用いることも可能である。
【0071】
エラー係数回路22は、受信信号のフレームタイミングに合わせて、式1に示されるような演算を実現する処理により、エラー係数Eavを算出する。式1では、Eav’は今回の受信フレームに関して算出されるエラー係数の値を表しており、Eavは前回の受信フレームまでで得られているエラー係数の値を表しており、Errは受信信号(本例では、受信フレームの信号)で使用されている変調方式に対応したエラー重みの値に基づくフレーム誤り重みの値を表しており、αやβはそれぞれ所定の係数の値を表している。
【0072】
【数1】
Figure 2004104196
【0073】
なお、上記式1のように、エラー係数の更新処理を説明する場合には、説明の便宜上から、今回のエラー係数Eav’と前回のエラー係数Eavとで符号(すなわち、Eav’とEav)を区別して用いるが、このような区別が不要な場合には、単にEavという符号を用いる。
【0074】
ここで、係数αは、フレーム誤りが発生していない場合に、エラー係数Eavの値が減少する速度を決定するパラメータである。当該係数αの値は1より小さく、当該値が小さいほどエラー係数Eavの値は速く減少していくので高い多値数の変調方式への変更が高速に実施される。
【0075】
また、係数βは、フレーム誤りが発生した場合に、エラー係数Eavの値が増加する速度を決定するパラメータである。当該係数βの値が大きいほど、フレーム誤りの発生に対するエラー係数Eavの感度(上昇度)が高くなる。例えば、耐性の強い変調方式への変更を高速に実施したいような場合には、当該係数βの値を大きく設定すればよい。
【0076】
また、図4には、エラー係数を算出する回路の一例として、上記式1に示される演算を実現するエラー係数算出回路の構成例を示してある。
同図に示したエラー係数算出回路には、乗算器31と、加算器32と、遅延器33と、乗算器34とが備えられている。また、乗算器31には受信信号で使用されている変調方式に対応したフレーム誤り重み値Errの値及び係数βの値が供給され、乗算器34には係数αの値が供給される。
【0077】
そして、乗算器31は供給されるフレーム誤り重み値Errの値と供給される係数βの値とを乗算して当該乗算結果(Err×β)を加算器32へ出力し、加算器32は乗算器31から入力される当該乗算結果と後述する乗算器34から入力される乗算結果(Eav×α)とを加算して当該加算結果(Eav’=Eav×α+Err×β)を遅延器33及び外部へ出力し、遅延器33は加算器32から入力される当該加算結果を乗算器34へ出力し、乗算器34は遅延器33から入力される当該加算結果と供給される係数αの値とを乗算して当該乗算結果を加算器32へ出力する。ここで、遅延器33は、加算器32において上記式1に基づいて複数の受信フレームについてフレーム誤りの累積的な平均化を行うことができるような遅延時間で、遅延を行う。また、加算器32から出力される加算結果が、各フレーム毎に更新されるエラー係数Eav’の値に相当する。
【0078】
次に、上記式1に関する具体的な数値の一例として、上記式1中の係数αの値を0.98と設定するとともに、上記式1中の係数βの値を0.01と設定した場合を示す。
この場合には、上記式1は式2のように示される。
【0079】
【数2】
Figure 2004104196
【0080】
本例では、上述のように、フレーム誤りが検出された場合にはフレーム誤り重み値Errの値は受信信号(本例では、受信フレームの信号)で使用されている変調方式に対応するエラー重みの値とされる一方で、フレーム誤りが検出されなかった場合にはフレーム誤り重み値Errの値は0である(Err=0)とみなされる。そして、このようなフレーム誤り重み値Errの値を2つの係数α、βを用いて複数の受信フレームについて足し込んで平均化する平均化方式により、毎フレームにおいて当該平均化結果を算出してエラー係数Eavとする。
【0081】
図5には、上記式2を用いてエラー係数Eavを計算した結果の一例を示してある。
同図のグラフでは、横軸は平均化を行ったフレームの数を示しており、縦軸は算出されるエラー係数Eavの値を示している。このグラフでは、フレーム誤りを検出して上記式2に従ってエラー係数Eavを算出する場合に、算出されるエラー係数Eavの値がどのように変遷するかが示されている。
【0082】
また、同図のグラフでは、縦軸にエラー係数Eavに関する閾値を示してあり、具体的には、1024QAMと256QAMとを切り替えるための閾値X1(=0.01×2)や、256QAMと64QAMとを切り替えるための閾値X2(=0.04×2)や、64QAMと16QAMとを切り替えるための閾値X3(=0.16×2)を示してある。
【0083】
同図のグラフに示されるように、フレーム誤りが発生すると、そのときに使用されている変調方式に応じたエラー重みの値が上記式2に適用されて、更新後のエラー係数Eav’の値が更新前のエラー係数Eavの値と比べて上昇する。一方、フレーム誤りが発生しなければ、更新後のエラー係数Eav’の値が更新前のエラー係数Eavの値と比べて減少する。
【0084】
一例として、1024QAMが使用されている状態において、伝搬路の状況が悪化してフレーム誤りが頻発すると、エラー係数Eavの値が1024QAMと256QAMとを切り替える閾値X1を超え、これにより変調方式を1024QAMから256QAMへ変更することが行われる。また、このように変調方式が切り替わった後に、フレーム誤りが発生した場合には、使用されるエラー重みの値として当該切り替えられた変調方式に対応するエラー重みの値が適用されるようになり、当該切替の前に行われていた上記式2に基づく計算が引き続いて行われる。その後、例えば、フレーム誤りがあまり発生せず、エラー係数Eavの値が再び1024QAMと256QAMとを切り替える閾値X1を下回った場合には、使用する変調方式が256QAMから再び1024QAMへ変更される。
【0085】
また、上記図2に示した変調方式決定部4では、エラー係数回路22がフレーム毎に算出したエラー係数Eavの値を閾値判定部23へ出力し、閾値判定部23が入力されるエラー係数Eavの値を上記図3の表に示した閾値と比較して当該比較結果を変調方式決定部24に通知し、変調方式決定部24が通知される比較結果に基づいて使用する変調方式を決定して当該決定した変調方式を送信装置部T2内の変調部12に対して通知する。
【0086】
以上のように、本例の送受信機を用いた構成では、TDD方式が用いられていて伝送する無線信号がフレーム構成を有するようなデジタル無線通信システムにおいて、受信装置部T1及び送信装置部T2を有する無線通信装置が、次のような適応変調方式により、対向する無線通信装置の送信装置部から送出される送信信号を受信装置部T1により受信した結果に基づいて、伝搬路の状況に応じて適応的に変調方式を制御する。
【0087】
すなわち、本例の無線通信装置の受信装置部T1では、受信したフレーム毎のフレーム誤りを測定し、受信フレームの信号で使用されている変調方式と関連付けられたエラー重みによりフレーム誤りを重み付けして平均化値を取得し、取得される平均化値と予め変調方式毎に定められた閾値とを比較することにより、送信に使用する変調方式を決定する。
【0088】
このように、本例の送受信機では、受信したフレーム毎の誤り検出結果から推定される伝搬路状況に基づいて誤りに関する平均化値を取得し、当該平均化値に基づいて使用する変調方式を適応的に切り替えることが行われる。
従って、本例の送受信機では、適応変調方式に関して、例えば、装置個々の調整等を行う必要がなく、また、伝搬環境が悪化したときと改善したときとの両方の場合において最適な変調方式を選択することができ、また、急激な伝搬環境の変化に追従することができる。
【0089】
具体的には、本例の送受信機では、例えばフレーム誤り率(FER)を一定にする或いは一定に近づけるようなアルゴリズムが用いられているため、適応変調方式に関して、装置個別の設定などの必要がない。また、本例の送受信機では、伝搬路状況が悪化した場合だけでなく、伝搬路状況が改善した場合における変調方式の変更についても、パラメータの設定により制御することができる。
【0090】
また、本例の送受信機では、耐性の強い変調方式が使用される場合におけるフレーム誤りに対するエラー重みを大きくすることにより、伝搬状況の急激な悪化に対しても追従することができる。また、本例の送受信機では、フレーム毎にエラー係数を更新していくため、例えば従来のように数百〜数千フレームの間のBER値やFER値を測定してから変調方式を変更するという方法が用いられる場合と比較して、伝搬状況への高速な追従が可能となる。
【0091】
なお、本例の送受信機では、受信部1の機能により無線受信手段が構成されており、誤り訂正部3の機能により受信信号誤り判定手段が構成されており、エラー検出部21の機能やエラー係数回路22の機能により受信信号誤り平均化値取得手段が構成されており、閾値判定部23の機能や変調方式決定通知部24の機能により使用変調方式決定手段が構成されており、変調部12の機能により変調手段が構成されており、送信部13の機能により無線送信手段が構成されている。
また、本例の送受信機では、復調部2の変調方式検出回路の機能により使用変調方式特定手段が構成されており、復調部2の復調処理回路の機能により復調手段が構成されている。
【0092】
ここで、本発明に係る無線通信装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0093】
また、本発明に係る無線通信装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る無線通信装置によると、複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信するに際して、通信相手から無線により送信される信号を受信し、受信信号の誤りに関する判定を行い、各変調方式毎に設定される重み値に基づいて当該判定結果に基づく値を受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化した値を取得し、当該取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定し、当該決定される変調方式を使用して変調を行い、当該変調後の信号を無線により送信するようにしたため、変調方式の切替を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る送受信機の構成例を示す図である。
【図2】変調方式決定部の構成例を示す図である。
【図3】各変調方式におけるエラー重みと閾値の一例を示す図である。
【図4】エラー係数を算出する回路の一例を示す図である。
【図5】エラー係数を算出した計算結果の一例を示す図である。
【図6】各変調方式におけるSNR対BERの特性の一例を示す図である。
【図7】等化誤差を用いた適応変調方式を採用した受信機の構成例を示す図である。
【図8】受信誤り率を用いた適応変調方式を採用した受信機の構成例を示す図である。
【符号の説明】
T1・・受信装置部、 T2・・送信装置部、 1・・受信部、
2・・復調部、 3・・誤り訂正部、 4・・変調方式決定部、
11・・誤り訂正符号化部、 12・・変調部、 13・・送信部、
21・・エラー検出部、 22・・エラー係数回路、 23・・閾値判定部、24・・変調方式決定通知部、 31、34・・乗算器、 32・・加算器、
33・・遅延器、

Claims (3)

  1. 複数の変調方式の中から使用する変調方式を切り替えて変調を行い、変調後の信号を無線により送信する無線通信装置において、
    通信相手から無線により送信される信号を受信する無線受信手段と、
    無線受信手段により受信される信号の誤りに関する判定を行う受信信号誤り判定手段と、
    各変調方式毎に設定される重み値に基づいて、受信信号誤り判定手段による判定結果に基づく値を受信信号で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を複数の受信信号について所定の平均化方式で平均化した値を取得する受信信号誤り平均化値取得手段と、
    受信信号誤り平均化値取得手段により取得される平均化値と各変調方式切替毎に設定される閾値との大小を比較した結果に基づいて使用する変調方式を決定する使用変調方式決定手段と、
    使用変調方式決定手段により決定される変調方式を使用して変調を行う変調手段と、
    変調手段による変調後の信号を無線により送信する無線送信手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置において、
    受信信号誤り判定手段は、無線受信手段により受信される信号に誤りがあるか否かを判定し、
    受信信号誤り平均化値取得手段は、受信信号誤り判定手段により誤りがあると判定された場合には受信信号で使用された変調方式に対応した重み値と等しい値となる一方で誤りが無いと判定された場合には0値となる重み付け誤り値Errと、1より小さい値である所定の第1の係数αと、所定の第2の係数βを用いて、前回の平均化値Eavに第1の係数αを乗算した結果と今回の受信信号に関する重み付け誤り値Errに第2の係数βを乗算した結果とを加算した結果を今回の平均化値Eav’とする平均化方式で、平均化値を取得する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置において、
    通信相手との間でTDD方式によりフレームを用いてデジタルの無線通信を行い、
    受信信号誤り判定手段は、無線受信手段により受信される信号の誤りに関する判定として、通信相手から受信される各フレーム毎に誤りがあるか否かを判定し、
    受信信号誤り平均化値取得手段は、受信信号誤り判定手段によるフレーム毎の判定結果に基づく値を当該フレーム毎で使用された変調方式に対応した重み値により重み付けした値を複数のフレームについて所定の平均化方式で平均化した値を取得する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
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