JPH11275164A - 適応変調方式 - Google Patents

適応変調方式

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JPH11275164A
JPH11275164A JP10070797A JP7079798A JPH11275164A JP H11275164 A JPH11275164 A JP H11275164A JP 10070797 A JP10070797 A JP 10070797A JP 7079798 A JP7079798 A JP 7079798A JP H11275164 A JPH11275164 A JP H11275164A
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吉田  誠
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動通信システム等に適用可能であって、特
にチャネルパワー利得に基づいて変調指数を変化させる
適応変調方式において、送信側において制御信号を何ら
送信することなく、受信側において変調指数を最尤推定
可能とすることにより、信号の伝送効率の低下を防止す
ることにある。 【解決手段】 送信時の変調指数の情報が付加されてい
ない受信信号101に対し、各変調指数推定部102
は、各変調指数毎の搬送波電力の平均値若しくは分散値
を算出し、それらと、各変調指数毎に予め規定される搬
送波電力の基準平均値若しくは基準分散値との差をその
各変調指数毎の尤度関数値ΛML#1〜ΛML#Xとして算出す
る。最小尤度関数値セレクタ104は、これらの尤度関
数値のうち最尤値を有する尤度関数値に対応する変調指
数を選択し、データセレクタ105に対して、それに対
応する変調指数復調部103の出力を復調信号106と
して選択させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信システム
等に適用可能であって、特にチャネルパワー利得に基づ
いて変調指数を変化させる適応変調方式に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル通信、特に移動通信システム
においは、外乱であるフェージング変動によって、回線
品質(例えばビット誤り率)が著しく劣化することが知
られている。これは、信号波が、散乱波を含む遅延波に
よる影響を受ける結果、生じる現象であり、信号波の振
幅及び位相の変動が時変的に発生する。このフェージン
グ変動の範囲は数十dBである。
【0003】フェージングチャネルに適応しない変調方
式(以後、非適応変調方式と呼ぶ)は、変調指数(Modu
lation Level)(及び送信電力)が固定である変調方式
である。この変調方式が採用される場合には、フェージ
ングによりレベルが落ち込む(ディープフェードする)
期間においてシステムが許容できる特性を維持するため
に、かなり大きなリンクマージンを確保する必要があっ
た。リンクマージンを確保するためには、例えば、伝送
帯域を犠牲にした強力な誤り訂正を適用しなければなら
ない。即ち、非適応変調方式が採用されるシステムは最
悪状態を基準として設計されている。このため、このよ
うなシステムでは、良好及び劣悪なチャネル状態が時変
的に発生するフェージングチャネルにおいて、通信容量
(チャネルキャパシティ)が100%活用されていなか
った。
【0004】近年、このフェージングチャネルにおける
チャネルキャパシティを100%活用することを目的と
した適応変調方式の研究開発が活発に行われている。変
調方式のビット誤り率特性(受信機特性)は、その変調
方式における信号点間距離、即ちEb/No(若しくは
Es/No)に依存しており、これは変調方式によらな
い。
【0005】通信特性を向上させるための誤り訂正技術
も、冗長ビットを用いることによりこの信号点間距離を
等価的に拡大する技術である。非適応変調方式が採用さ
れる従来システムでは、要求ビット誤り率が最悪条件に
おいて満たされることを基準にした最悪値設計を行って
いる。しかし、最悪条件の時間率は、一般にかなり小さ
い。このため、大部分の時間においては、要求ビット誤
り率若しくは要求Eb/Noよりも良好な状態で、通信
が行われていることになる。そこで、チャネル状態に応
じて、送信電カレベル、伝送シンボルレート、変調指
数、誤り訂正における符号化率(若しくは訂正方式)、
及びこれらの組合せを適応的に変化させて、要求ビット
誤り率を維持するように制御することによって、最適伝
送を実現できる。これが適応変調方式の原理である。
【0006】即ち、適応変調方式が採用されるシステム
においては、チャネル状態の良好な期間では、情報がで
きるだけ多く伝送され、チャネル状態が劣悪な期間で
は、伝送レートが下げられ又は送信が中断される。
【0007】なお、上記機能に加えて、瞬時送信電力を
も最適化する方式も提案されているが、単一セルでは最
もよい特定を示すことが知られている。適応変調方式の
原理図を、図15(a) に示す。この図において、x(i)
は第1の局であるA局の送信機1501から出力される
送信信号、y(i) はA局に対向する第2の局であるB局
の受信機1501で受信される受信信号、g(i) はA局
とB局を接続するチャネル1502においてA局から送
信された送信信号x(i)が受けるフェージング変動、n
(i) はチャネル1502においてA局から送信された送
信信号x(i) に重畳されるノイズ信号である。
【0008】双方向通信システムの場合には、伝送方向
が互いに逆である2組の図15(a)に示されるシステム
が存在する。チャネル1502が、第1方向(A局→B
局)リンクのフェージングと第2方向(B局→A局)リ
ンクのフェージングとが相関のあるチャネル、例えばT
DD(時分割)チャネルである場合には、下記制御が実
行される。
【0009】まず、第1方向リンク上のB局の受信機1
501内のチャネル推定器1506は、受信信号y(i)
に含まれる変調指数情報に基づいてチャネル1502の
パワー利得を推定し、算出した推定情報をそのB局の受
信機1501内の復調/復号器1507に通知する。そ
の復調/復号器1507は、第1方向リンクから受信し
た受信信号y(i) に対して、上記推定情報に応じた復調
/復号処理を実行する。また、上記B局の受信機150
1内のチャネル推定器1506は、それが算出した推定
情報(或いはこれに外挿補間を行って得られる推定情
報)を、第2方向リンク上のB局の送信機1501内の
適応変調/符号器1504に通知する。この適応変調/
符号器1504は、その通知された推定情報に従って変
調指数情報を設定し、送信信号x(i) を上記変調指数情
報と共にチャネル1502内の第2方向リンクに送信す
る。
【0010】第2方向リンク上のA局の受信機1501
内のチャネル推定器1506は、受信信号y(i) に含ま
れる変調指数情報に基づいてチャネル1502のパワー
利得を推定し、算出した推定情報をそのA局の受信機1
501内の復調/復号器1507に通知する。その復調
/復号器1507は、第2方向リンクから受信した受信
信号y(i) に対して、上記推定情報に応じた復調/復号
処理を実行する。また、上記A局の受信機1501内の
チャネル推定器1506は、それが算出した推定情報
(或いはこれに外挿補間を行って得られる推定情報)
を、第1方向リンク上のA局の送信機1501内の適応
変調/符号器1504に通知する。この適応変調/符号
器1504は、その通知された推定情報に従って変調指
数情報を設定し、送信信号x(i) を上記変調指数情報と
共にチャネル1502内の第1方向リンクに送信する。
【0011】このようにして、変調指数情報のピンポン
伝送が実現される。一方、チャネル1502が、第1方
向リンクのフェージングと第2方向リンクのフェージン
グとが相関の無いチャネル、例えばFDD(周波数分
割)チャネルである場合には、下記制御が実行される。
【0012】まず、第1方向リンク上のB局の受信機1
501内のチャネル推定器1506は、受信信号y(i)
に含まれる変調指数情報に基づいてチャネル1502の
パワー利得を推定し、算出した推定情報をそのB局の受
信機1501内の復調/復号器1507に通知する。そ
の復調/復号器1507は、第1方向リンクから受信し
た受信信号y(i) に対して、上記推定情報に応じた復調
/復号処理を実行する。また、上記B局の受信機150
1内のチャネル推定器1506は、それが算出した推定
情報(或いはこれに外挿補間を行って得られる推定情
報)を、第1方向リンク用のフィードバックチャネル1
508を使って、第1方向リンク上のA局の送信機15
01(図15(a) )内の適応変調/符号器1504にフ
ィードバックさせる。この適応変調/符号器1504
は、そのフィードバックされた変調指数情報を設定し、
送信信号x(i) を上記変調指数情報と共にチャネル15
02内の第1方向リンクに送信する。
【0013】第2方向リンクについても、上記と全く同
様のフィードバック機構が必要となる。図15(a) にお
いて、送信機1501内の電力制御部1505は、前述
したパワー適応処理を実現する。
【0014】図15(b) は、送信機1501内の適応変
調/符号器1504及び受信機1501内の復調/復号
器1507において選択され得る各変調方式の信号点配
置の例を示す図であり、QPSK(Quadri-Phase Shift
Keying )、16QAM(16Quadrature Amplitude Mod
ulation)、64QAM等の変調方式が選択可能であ
る。
【0015】上述したように、適応変調方式は、変調方
式の適応制御に関する処理部を有するため、非適応変調
方式に比較して、通信特性と演算量(複雑度)に関して
トレードオフを有する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述の従来の
適応変調方式では、送信機1501が送信する送信信号
x(i) には、上述のように、その送信機1501内の適
応変調/符号器1504で設定された変調指数情報を制
御信号として重畳する必要があるため、信号の伝送効率
が低下してしまうという問題点を有していた。
【0017】この制御信号は、状態変化の周期(例えば
正規化フェージング周期)毎に伝送されなければならな
い。そして、この制御信号の受信誤りは1周期(1ブロ
ック)分の全ての受信情報の紛失を引き起こすため、こ
の制御信号の受信誤り率をかなり低く抑えなければなら
ない。このため、従来の適応変調方式では、制御信号の
誤り訂正のためのオーバーヘッド情報も必要になってし
まうという問題点を有していた。
【0018】なおこれまでに、他の目的で用いられる制
御信号中(例えばプリアンプル)に変調指数情報を埋め
込み、受信側で復調(推定ではない)することにより、
伝送効率の低下を防止する方式も提案されているが、上
記制御信号のパターンに制限が加わるため、一般性、汎
用性に欠けるものであった。
【0019】本発明の課題は、特にチャネルパワー利得
に基づいて変調指数を変化させる適応変調方式におい
て、送信側において制御信号を何ら送信することなく、
受信側において変調指数を最尤推定可能とすることによ
り、信号の伝送効率の低下を防止することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、伝搬路の状況
に応じて適応的に変調指数を変化させる無線伝送技術を
前提とする。
【0021】本発明の第1の態様は、以下の構成を有す
る。まず、送信時の変調指数の情報が付加されていない
受信信号に対して、各変調指数における搬送波電力の平
均値又は期待値が算出される。
【0022】次に、その算出された各変調指数における
搬送波電力の平均値又は期待値と、その各変調指数毎に
予め規定される搬送波電力の基準平均値又は基準期待値
との差がその各変調指数毎の尤度値として算出される。
【0023】そして、その各変調指数毎の尤度値のうち
最尤値に対応する変調指数が、受信信号の変調指数とし
て推定される。上述の本発明の第1の態様の構成によ
り、移動通信などの、フェージング環境下における運用
が想定されるシステムにおいて、伝搬路の状況に応じて
適応的に変調稽数(及び送信電力)を変化させる無線伝
送技術において、ビット誤り率(つまり瞬時Es/N
o)を一定とする際の各変調指数の平均CNRの違いに
着目し、これを基にした尤度値を用いることで、従来必
要であった送信時の変調指数に関する情報を得ることな
く、送信された変調指数を受信信号のみから最尤推定す
ることが可能となる。
【0024】上述の発明の構成において、受信シンボル
毎に尤度計算を行うことにより、尤度値の絶対値を小さ
くするように構成することができる。本発明の第2の態
様は、以下の構成を有する。
【0025】まず、送信時の変調指数の情報が付加され
ていない受信信号に対して、各変調指数における搬送波
電力の分散値が算出される。次に、その算出された各変
調指数における搬送波電力の分散値と、その各変調指数
毎に予め規定される搬送波電力の基準分散値との差がそ
の各変調指数毎の尤度値として算出される。
【0026】そして、その各変調指数毎の尤度値のうち
最尤値に対応する変調指数が、受信信号の変調指数とし
て推定される。上述の本発明の第2の態様の構成によ
り、各変調指数の信号点の分散の違いに着目し、これを
基にした尤度値を用いることで、より精度のよい受信信
号のみからの変調指数の最尤推定が可能となる。
【0027】本発明の第3の態様は、以下の構成を有す
る。まず、送信時の変調指数の情報が付加されていない
受信信号に対して、各変調指数における搬送波電力の標
本分散値が算出される。
【0028】次に、その算出された各変調指数における
搬送波電力の標本分散値と、その各変調指数毎に予め規
定される搬送波電力の基準標本分散値との差がその各変
調指数毎の尤度値として算出される。
【0029】そして、その各変調指数毎の尤度値のうち
最尤値に対応する変調指数が、受信信号の変調指数とし
て推定される。上述の本発明の第3の態様の構成によ
り、各変調指数の信号点の標本分散と基準標本分散との
距離を基にした尤度値を用いることで、更に精度のよい
受信信号のみからの変調指数の最尤推定が可能となる。
【0030】本発明の第4の態様は、以下の構成を有す
る。まず、送信時の変調指数の情報が付加されていない
受信信号に対して、各変調指数における搬送波電力の分
散値が算出される。
【0031】次に、その算出された各変調指数における
搬送波電力の分散値と、その各変調指数毎に予め規定さ
れる搬送波電力の基準標本分散値との差がその各変調指
数毎の尤度値として算出される。
【0032】そして、その各変調指数毎の尤度値のうち
最尤値に対応する変調指数が、受信信号の変調指数とし
て推定される。上述の本発明の第4の態様の構成によ
り、各変調指数の信号点の分散と基準標本分散との距離
を基にした尤度値を用いることで、精度のよくかつ演算
効率のよい受信信号のみからの変調指数の最尤推定が可
能となる。
【0033】ここまでの発明の構成において、システム
において許容された推定誤り率に応じて、同一の変調指
数で送信される信号の推定ブロック長を設定するように
構成することができる。これはまた、フェージング周期
からブロック長が設定される場合、その推定シンボル数
(ブロック長)は、それ以下の値で自由に設定できるこ
とを意味している。
【0034】ここまでの発明の構成において、受信信号
レベルを取得し、その受信信号レベルに基づいて、尤度
値を算出する変調指数の範囲を限定するように構成する
ことができる。
【0035】ここまでの発明の構成において、前回の推
定時に推定された変調指数に基づいて、今回の推定時に
尤度値を算出する変調指数の範囲を限定するように構成
することができる。
【0036】ここまでの発明の構成において、他の最尤
判定アルゴリズムにおいて算出された信号点間距離情報
があるスレッショルドを越えた場合に、その変調指数に
おいてはそれ以降の尤度値の推定演算を中止するように
構成することができる。
【0037】ここまでの発明の構成において、送信時の
変調指数を固定に設定することにより非適応変調方式を
実現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について詳細に説明する。<本発明の第1
の原理>図1は、本発明の原理図である。
【0039】本発明は、各変調指数の平均CNRの違い
に着目するものである。例えば、Square−QAM
変調方式が採用される場合に、その変調指数として、2
(QPSK)、4(16QAM)、6(64QAM)に
おいて、上記平均CNRはそれぞれ、γQPSK=δ/σN
2 、γ16QAM =5δ/σN 2 、γ64QAM=21δ/σN
2 である。ここで、2δは(最小)信号点間距離、σ2
は熱雑音の分散である。また、それぞれの平均ビット誤
り率の理論値はこの平均CNRに基づいて算出される。
【0040】これらの値を見ればわかるように、信号点
間距離および熱雑音を同一、つまりEs/Noを同一に
することでシンボル誤り率を同じくする条件において、
各変調指数における平均CNRが異なる。本発明は、こ
の事実を利用する。
【0041】具体的には本発明の第1の原理において
は、熱雑音が無く(σN 2 −>1とする)、かつ信号点
間距離が2である時の各変調指数の平均搬送波電力(P
ML)、PQPSK=2.0 、P16QAM =10.0、P64QAM =42.0
を基準オフセットとして、受信信号電力が測定される。
ここで、システムで予め設定された状態変化の周期(以
後、ブロック長と呼ぶ)をLとし、推定に用いるシンボ
ル数(推定ブロック長)をN(L≧N)とし、また、時
点iにおける受信信号点をr(i) とおくと、各変調指数
(Modulation Level:ML)の尤度関数ΛMLは、
【0042】
【数1】
【0043】である。これより、各変調指数に対応する
尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ64QAMは、それぞれ、
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】となる。本発明の第1の原理では、各変調
指数に対応する尤度関数ΛMLのうち最小値(最尤値)を
有するものが、変調指数の推定結果として用いられる。
【0048】即ち図1に示されるように、各変調指数M
L#1、ML#2、・・、ML#X毎に、#1〜#Xの
変調指数推定部102が、数1式(例えば数2〜数4
式)に基づいて、受信信号101から尤度関数ΛML#1
ΛML#2、・・、ΛML#Xを演算する。
【0049】また、各変調指数ML#1、ML#2、・
・、ML#X毎に、#1〜#Xの変調指数復調部103
が、それぞれの変調指数に対応する復調処理を実行す
る。そして、最小尤度関数値セレクタ104が、#1〜
#Xの変調指数推定部102から出力される各尤度関数
ΛML#1、ΛML#2、・・、ΛML#Xのうち、最小値を有する
ものを選択し、データセレクタ105に対して、その最
小値に対応する変調指数復調部103の出力を復調信号
106として出力させる。
【0050】ただし、熱雑音の分散が同一であっても、
同一測定シンボルにおける各変調指数の信号点分散は異
なる。これはランダム情報源が仮定された場合に或る変
調指数における全信号点の出現頻度を一定とするために
は、変調指数が大きいほどシンボル数を大きくとる必要
があるためである。例えば、数2式〜数4式に示される
サンプル数がNである例における各変調指数の平均搬送
波電力の分散には、
【0051】
【数5】
【0052】の関係がある。これは本発明が、大数の法
則に基づいており、Nを大きくとるほど、各変調指数の
平均搬送波電力(期待値)の分散σ2 PMLが0に近づ
き、Nサンプルの標本平均値
【0053】
【外1】
【0054】が期待値に近づくことを意味する。上記の
ように本発明の第1の原理では、サンプル数Nを同一と
する条件のもとで各尤度関数値が計算されるため、熱雑
音の分散σ2 (これは各変調指数に関して同じである)
及び各変調指数の平均搬送波電力(期待値)の分散σ P
MLの、2つのパラメータを考慮しなくてはならない。
【0055】前者はEs/Noに依存しており、後者は
各変調指数(特に最大の伝送効率を有する変調指数)に
依存している。特に後者については、十分な数のサンプ
ルが測定されない(Nが小さい)場合、熱雑音が無い場
合であっても、伝送誤り(軽減不能誤り)が発生する。
当然、(従来のビタビアルゴリズムで用いられている基
準である)前者の分散が大きい場合にも、測定サンプル
数が少ないと、その精度は低下する。
【0056】よって、サンプル数Nをある程度大きくと
れば、上記の相互作用に起因して発生する、変調指数の
推定誤りを、抑圧できる。システム設計においては、正
規化フェージング周期の観点からだけではなく、ブロッ
ク誤り率(若しくは変調指数推定誤り率)の観点から、
それらの推定誤り率の許容値を満たすサンプル数Nが決
定される。
【0057】例えば変調指数の上記組合せでは、最大の
伝送効率を有する64QAM変調方式において、N=3
0(シンボル)のときに、推定誤り率は4×10-4程度
と高品質になる。
【0058】上述のシンボル数N=30は、例えばフェ
ージング補償に用いられるパイロット信号の周期Lに較
べて伝送速度が小さい場合であっても、パイロット周期
あたりのシンボル数(数十シンボル)と同程度のシンボ
ル数であり、伝送速度が中高速の場合には、パイロット
周期あたりのシンボル数(数百〜数千シンボル)に比較
してかなり少ないシンボル数(サンプル数)となる。
【0059】つまり、パイロット信号の周期で変調指数
が変化させられる場合には、特に中高速の場合に、かな
り高品質(エラーレス)な推定精度を実現することが可
能となる。
【0060】以上が本発明の第1の原理の基本である。
変調指数が大きい変調方式、特にQAM変調方式の復調
処理においては、各信号点間の判定スレッショルドに基
づいて信号点判定が行われる。この場合には、信号空間
における受信信号の座標及びそれに最も近い信号点の座
標が入力情報となる。よって、本発明が採用される場合
に追加される演算は、受信信号のパワー値(二乗値)の
計算部、1ブロック内でその累算を実行する累算部、及
び推定変調指数の平均搬送波電力のオフセット加算(正
確には減算)を実行する加算部のみである。ただし、こ
の構成が、推定される変調指数の数に対応する組数だけ
用意される。
【0061】これが本発明の第1の原理の具体的な構成
例である。ここで、数1式は、各シンボル毎の計算式の
和の形式を有する次式に変形することが可能である。
【0062】
【数6】
【0063】λi は変調指数推定用のブランチメトリッ
ク値となる。このブランチメトリック値は、平均搬送波
電力と受信信号電力の差(相対値)であるため、数1式
に示されるように平均搬送波電力の和と受信信号電力の
和が別々に算出されてから最後にそれらの差が算出され
る方式よりも、計算時のダイナミックレンジを抑圧する
ことができ、実際の装置において計算機資源を節約する
ことが可能となる。
【0064】これが、本発明の第1の変形例である。ま
た、現状のシステムにおいては、AGCやRSSI信号
などにより受信信号レベルが測定されている。実際の通
信においては、電波の伝搬ロスを考慮した回線設計(受
信感度の設定)が行われており、この受信信号レベルの
誤差がある範囲内にあれば、本発明において、この情報
を補助情報として用いることが可能となる。例えば、あ
る受信信号レベルが測定できた場合、その受信信号レベ
ルで送信される変調指数及びその前後の受信信号レベル
で送信されるべき変調指数のみに対応する尤度関数値が
計算されることにより、システムで設定された全ての変
調指数を推定する必要はなくなる。これにより、全体の
演算量を削減することが可能となる。
【0065】これが本発明の第1の原理における第2の
変形例である。また、高速伝送の場合などのように、伝
送シンボルに対してフェージング変動が比較的緩やかな
システムにおいては、例えば変調指数のUp/Down
(つまり±1ステップ)の制御が行われるように構成す
ることができる。この場合は、変調指数の制御タイミン
グ毎に、±1若しくは0の3状態のみの変調指数の変化
のみを考慮すればよいことになる。このようなシステム
においては、前回の推定値がメモリに記憶され(若しく
は初期値のみが記憶され、その後は差推定値のみが記憶
され)、その記憶されている推定値に対して±1若しく
は0の3状態のみが今回の推定値とされることによっ
て、全体の演算量を削減することが可能となる。
【0066】これが本発明の第1の原理における第3の
変形例である。本発明は変調指数を最尤推定する方式で
あり、他の最尤判定方式、例えば誤り訂正(符号化変調
を含む)やフェージング補償(等化など)におけるビタ
ビアルゴリズムとの統合を考えた場合、その親和性は高
い方式である。このようなシステムにおいて、1つの変
調指数における推定時に、従来のブランチメトリック値
(信号点間距離)があるスレッショルドを超えた場合、
その変調指数においてはそれ以降の計算を中止すること
によって全体の演算量を削減できる。例えば64QAM
信号が送信されている場合において、QPSK信号が推
定されるような場合には、信号パワーの大きい信号点が
受信されたときにおける(最も近い信号と受信信号の)
信号点間距離は著しく大きくなることは自明である。こ
のような場合は、ある程度のトレランス判定も含めた判
定処理に基づいて演算を中止することによって、推定誤
りを減少させることができる。
【0067】これが本発明の第1の原理における第4の
変形例である。更に、本発明は、受信側で得られる情報
のみを用いて推定する技術であり、前記従来技術の1つ
のように他の制御情報即ち送信信号をも用いていないた
め、変調指数を固定に設定するだけで非適応変調方式の
システムに対応することが可能である。これはつまり、
適応変調方式と非適応変調方式の2方式が共存するシス
テムであって例えば片方向のみ適応変調方式が採用され
るようなシステムでは、両方式の完全な共存が実現さ
れ、双方向で適応変調方式が採用されるようなシステム
では、基地局/端末において最大限のコモナリティを獲
得することが可能となることを意味している。
【0068】これが本発明の第1の原理における第5の
変形例である。 <本発明の第1の原理に基づく各実施の形態>上述の本
発明の第1の原理に基づく各実施の形態について、以下
に詳細に説明する。
【0069】以下の各実施例では、変調指数2(QPS
K変調方式)、変調指数4(16QAM変調方式)、変
調指数6(64QAM変調方式)、及び変調指数8(2
56QAM変調方式)が選択され得る適応変調方式が採
用される。
【0070】図2は、図1に示される本発明の原理構成
に対応する本発明の第1の実施の形態の構成図である。
各変調指数2、4、6、8毎に、QPSK推定部20
2、16QAM推定部203、64QAM推定部20
4、256QAM推定部205が、前記数2式〜数4式
等(256QAMの場合も同様)に基づいて、受信信号
フレーム201から尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ
64QAM 、Λ256QAMを演算する。
【0071】また各変調指数2、4、6、8毎に、QP
SKデマッパ(demapper)206、16QAMデマッパ
207、64QAMデマッパ208、256QAMデマ
ッパ209が、それぞれの変調指数に対応する復調処理
を実行し、復調結果をNディレイ回路211、212、
213、214にそれぞれ一時保持する。
【0072】そして最小尤度関数値セレクタ210が、
上記各尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ64QAM 、Λ256QAM
のうち、最小値を有するものを選択し、データセレクタ
215に対して、その最小値に対応するNディレイ回路
(211〜214のうちの何れか)の出力を復調信号2
16として出力させる。
【0073】図3は、送信側から送信される送信信号の
伝送フォーマットの一例を、従来技術と本実施の形態と
で比較した図である。なお、説明の簡単のため、フェー
ジング補償用制御信号などは除かれている。
【0074】図3(a) に示される従来技術では、伝送フ
ォーマット中には、情報信号Iの他に、変調指数を変化
させる周期(例えば正規化フェージング周期)毎に、変
調指数信号MLが内挿されている。
【0075】一方、図3(b) に示される本実施の形態で
は、伝送フォーマット中には、変調指数信号は含まれ
ず、システムで決定された上記周期毎に、チャネル状態
に応じた変調指数を使って、情報信号が格納されてい
る。上記周期(1ブロック=Nシンボル)毎に変調指数
が推定されることによって、参照信号無しに復調(及び
復号)が可能となる。
【0076】図4は、システムで許容された推定誤り率
を達成するシンボル数Nが上記Lより小さい場合におけ
る、図2に示される実施の形態の動作を示している。こ
の場合、受信側ではN個までのシンボルから算出される
尤度関数値を用いて推定が行われるため、1ブロック中
のL個の全シンボルについて計算を行わなくてよい。ま
た、L個の全シンボルについて計算が行われる(N=L
とする)ことにより、従来のシステムに較べてかなり高
品質な推定精度を提供できる。
【0077】図5は、図1の各推定部202、203、
204、又は205の具体的な回路構成を示す図であ
る。図5の構成では、前述の数1式に従い、まず二乗回
路601が、受信信号ディテクタ508から出力される
受信信号r(i) (i=1、2、・・、N)に対して二乗
演算を実行することにより、受信信号電力値r2 (i) を
算出する。
【0078】次に、加算器502とディレイ回路503
からなる累算器が、二乗回路501から出力される受信
信号電力値r2 (i) を順次累算する。これは、数1式右
辺のΣ項の演算に対応する。
【0079】次に、Nシンボルカウンタ504が1ブロ
ック分のNシンボルをカウントした時点で、上記累算値
がスイッチ505から出力される。続いて、減算器50
6が、各変調指数の平均搬送波電力値PML(ML=QP
SK、16QAM、64QAM、又は256QAM)か
ら上記累算値を減算し、更に絶対値演算回路607が、
上記減算結果値の絶対値を演算し、その演算結果を尤度
関数ΛML(ML=QPSK、16QAM、64QAM、
又は256QAM)として出力する。
【0080】図6は、図2に示される本発明の第1の実
施の形態におけるQPSK推定部202、16QAM推
定部203、64QAM推定部204、又は256QA
M推定部205を実現する本発明の第2の実施の形態の
構成図であって、変調指数推定用ブランチメトリック値
計算用モジュールを示している。この構成は、<本発明
の第1の原理>で前述した本発明の第1の原理における
第1の変形例に対応する。
【0081】図6の構成においては、前述の数6式に従
い、まず減算器602が、二乗回路601から出力され
る受信信号電力値r2 (i) (i=1、2、・・、N)か
ら、各変調指数の平均搬送波電力値PML(ML=QPS
K、16QAM、64QAM、又は256QAM)を減
算することにより、ブランチメトリック値λi を算出す
る。
【0082】次に、加算器603とディレイ回路604
からなる累算器が、減算器602から出力されるブラン
チメトリック値λi を順次累算する。続いて、Nシンボ
ルカウンタ605が1ブロック分のNシンボルをカウン
トした時点で、上記累算値がスイッチ606から出力さ
れる。
【0083】そして、絶対値演算回路607が、上記累
算値の絶対値を演算し、その演算結果を尤度関数Λ
ML(ML=QPSK、16QAM、64QAM、又は2
56QAM)として出力する。
【0084】このような回路構成により、前述したよう
に、各回路素子のダイナミックレンジを抑圧することが
できる。図7は、RSSI信号を用いた本発明の第3の
実施の形態の構成図を示しており、<本発明の第1の原
理>で前述した本発明の第1の原理における第2の変形
例に対応する。この図において、本発明の第1の実施の
形態に係る図2の場合と同じ番号又は記号が付された部
分は、図2の場合と同じ機能を有する。
【0085】RSSI信号は受信信号レベルを表すが、
一般にここで考えられている瞬時レベルの平均電力では
なく、もっと長時間における平均受信電力を測定するた
めに用いられる。よって、瞬時若しくは短時間内の変動
に追従するものではない。
【0086】RSSI測定器702は、スレッショルド
判定によって、送信時の変調指数の大まかな推定を行
う。これにより、変調指数の推定範囲が絞り込まれる。
この意味では、RSSI信号に基づいて得られた変調指
数の推定値は補助情報とも考えられる。このように精粗
2段の推定が行われることにより、演算量が多い後段に
おける処理負荷を軽減させることが可能となる。
【0087】図7に示されるように、RSSI測定器7
02は、例えば16QAM変調方式に対応する受信信号
レベルを測定した場合、4つある推定器202〜205
のうち、16QAM推定部203、QPSK推定部20
2、及び64QAM推定部204の3つのみを動作させ
ることを指示する選択信号ML_SELを変調指数セレ
クタ701に供給する。
【0088】この結果、変調指数セレクタ701は、上
記3つの推定部に対してのみ、受信信号フレーム201
を与えて動作指示を行う。このようにして、変調指数の
推定範囲が絞り込まれない場合に比較して、全体の演算
量を3/4に削減できる。
【0089】図8は、変調指数のUp/Down制御を
行う適応変調方式を用いた本発明の第4の実施の形態の
構成図を示しており、<本発明の第1の原理>で前述し
た本発明の第1の原理における第3の変形例に対応す
る。この図において、本発明の第1の実施の形態に係る
図2の場合と同じ番号又は記号が付された部分は、図2
の場合と同じ機能を有する。
【0090】図8の構成では、最小尤度関数値セレクタ
210における前回の推定値が、前推定値格納メモリ8
03に記憶される。そして、推定範囲選択器802が、
前推定値格納メモリ803に記憶されている前回の推定
値に対して±1若しくは0の3状態のみを今回の推定値
とする。
【0091】図8に示されるように、前推定値格納メモ
リ803に記憶されている前回の推定値が例えば16Q
AM変調方式である場合、推定範囲選択器802は、4
つある推定器202〜205のうち、16QAM推定部
203、QPSK推定部202、及び64QAM推定部
204の3つのみを動作させることを指示する選択信号
ML_SELを変調指数セレクタ801に供給する。
【0092】この結果、変調指数セレクタ801は、上
記3つの推定部に対してのみ、受信信号フレーム201
を与えて動作指示を行う。このようにして、変調指数の
推定範囲が絞り込まれない場合に比較して、全体の演算
量を3/4に削減できる。
【0093】図9は、ビタビ復号法を用いた復号器との
結合方式である本発明の第5の実施の形態の構成図を示
しており、<本発明の第1の原理>で前述した本発明の
第1の原理における第4の変形例に対応する。この図に
おいて、本発明の第1の実施の形態に係る図2及び図5
の場合と同じ番号又は記号が付された部分は、それらの
図の場合と同じ機能を有する。なお、図9では、QPS
K変調方式に関する部分についてのみ示されているが、
他の16QAM、64QAM、256QAMの各変調方
式についても同様の構成を有する。
【0094】ビタビアルゴリズムは、そのシンボルにお
ける尤度値(ブランチメトリック)μ(i) を、受信信号
ディテクタ508で検出された受信ベクトルr(i) とそ
れに最も近い信号点ベクトルrmin (i) との距離の二乗
値、即ち、下記数7式として定義される。
【0095】
【数7】
【0096】例えばQPSK変調方式の場合、この尤度
値μ(i) は図9に示されるように、距離算出器901
が、受信信号ディテクタ508で検出された受信ベクト
ルr(i)とQPSKデマッパ206から出力される信号
点ベクトルrmin (i) との距離の二乗値を計算する。
【0097】本実施の形態では、この尤度値μ(i) が変
調指数の推定のためにも使用されるため、変調指数ML
に対する尤度値μML(i) を、次式によって定義する。
【0098】
【数8】
【0099】本実施の形態では、尤度値μML(i) に対す
るスレッショルド値εに対して、
【0100】
【数9】
【0101】が成立するとき、若しくは上記尤度値μML
(i) であるブランチメトリック値の累算値であるパラメ
トリック値ΓMLが、これに対応するスレッショルド値Ε
に対して、
【0102】
【数10】
【0103】が成立するときに、その変調指数における
推定及び復号処理が中止されるように構成される。な
お、上記スレッショルド値ε又はΕは、本実施の形態の
システムにおいて規定されるEb/Noの最悪値に基づ
いて決定される。
【0104】例えば64QAM信号が送信されている場
合においてQPSK信号が推定される場合を考えてみ
る。64QAM変調方式においては、熱雑音が無い場合
に最も外側の信号点r(i) が伝送された時、その座標は
例えば(+7,+7)となる。一方、QPSK推定部2
02において、上記信号点に最も近い信号点rmin (i)
は(+1,+1)である。従って、QPSK変調方式に
おいて算出される尤度値μQPSK(i) は、次式に示される
ようにして算出される。
【0105】
【数11】
【0106】この尤度値μQPSK(i) は、図11に示され
るように、72となり、信号点間距離(=2)に較べて
かなり大きい値をもつことがわかる。このような場合に
は、QPSK推定部202における推定動作が中止され
る。
【0107】より具体的には、距離算出器902から出
力される尤度値μ(i) 又はそれを累算器902で累算し
て得られる累算値Γと、それぞれに対応するスレッショ
ルド値ε又はΕとが、スレッショルドディテクタ903
により比較される。そして、このディテクタは、上記数
9式又は数10式が成立する場合に、QPSK推定部2
02に対して、推定動作の中止(OFF)を指示する。
【0108】本発明の第5の実施の形態の上述の構成に
より、変調指数の推定誤りを減少させることができる。
図12は、本発明の前提条件である適応変調方式を用い
たシステムとそうではない非適応変調方式を用いたシス
テムとが共存するシステムの構成図を示しており、<本
発明の第1の原理>で前述した本発明の第1の原理にお
ける第5の変形例に対応する。
【0109】図12の構成では、適応変調方式を用いた
システムと非適応変調方式を用いたシステムは、それぞ
れセルとして構成される。前述したように、本発明で
は、適応変調方式において変調指数を変化させる際に、
チャネル上で新たな制御信号を伝送する必要がないた
め、チャネル上のフレームフォーマットは全く同じとな
る。
【0110】よって本発明による適応変調方式が実装さ
れた基地局(ベースステーション)及び端末(モーバイ
ルステーション)を用意しておくことにより、変調指数
を固定にするだけで非適応変調方式に対応でき、かつ従
来システムに何ら影響を与えないシステムを構成するこ
とが可能となる。
【0111】本発明は受信側のみに閉じた技術であるた
め、システムの違いを意識せずに受信動作が可能であ
る。つまり、送信側で変調指数を固定にして送れば、受
信側でも推定結果が常にある特定の変調指数に固定され
る。従って、上/下どちらか一方のみのリンクにおいて
適応変調方式が採用されるシステムにおいて、適応変調
方式と非適応変調方式の完全な共存が可能となる。
【0112】上り方向リンクのフェージングと下り方向
リンクのフェージングとが相関の無いチャネルを有する
FDDシステム等に対しても、送信動作後所定時間内
に、フィードバックチャネル(図15(a) の1508を
参照)を介して制御情報が返信されなければ最小の変調
指数(例えばQPSK変調方式)で送信されるように構
成されることにより、フィードバックチャネルを必要と
しない本発明による適応変調方式システムを何ら変更を
必要とせずに共存させることが可能となる。
【0113】双方向に適応変調方式が採用されるシステ
ムであっても、本発明の場合には共通のフレームフォー
マットが使用できるという利点は変わらない。これによ
り、従来システムの共存時(特に新システムへの移行
期)におけるデュアルモードシステム下での装置のコモ
ナリティを最大限に確保することが可能となり、基地局
/端末ともに、容量削減(1+1=1でよい)の効果が
期待できる。 <本発明の第2の原理>次に、本発明の第2の原理につ
いて説明する。
【0114】ここまで説明した本発明の第1の原理に基
づく適応変調方式では、前述の数1式に示されるよう
に、各変調指数MLにおける搬送波電力の平均若しくは
期待値(1次モーメント)が各変調指数MLの尤度関数
ΛMLとして用いられている。この場合、受信信号レベル
の平均値(絶対値)に対してかなりの精度が要求される
ことになる。
【0115】そこで、本発明の第2の原理では、2次モ
ーメントである搬送波電力の分散を尤度として用いるこ
とにより、相対値による比較を可能とする。これによ
り、受信信号レベルの平均値(絶対値)そのものを利用
しなくても精度の高い推定が可能となる。
【0116】具体的には、本発明の第2の原理は、各変
調指数のCNRの分散(2次モーメント)に着目するも
のである。本発明の第1の原理の場合と同様に、例え
ば、Square−QAM変調方式が採用される場合
に、その変調指数として、2(QPSK)、4(16Q
AM)、6(64QAM)において、上記平均CNRは
それぞれ、γQPSK=δ/σ2 、γ16QAM =5δ/σ2
γ64QAM =21δ/σ2 である。ここで、2δは(最
小)信号点間距離、σ2 は熱雑音の分散である。また、
それぞれの平均ビット誤り率の理論値はこの平均CNR
に基づいて算出される。これらの値を見ればわかるよう
に、信号点間距離およぴ熱雑音を同一、つまりEs/N
oを同一にすることでシンボル誤り率を同じくする条件
において、各変調指数における平均CNRが異なる。
【0117】しかし、この期待値若しくは標本平均の期
待値は絶対値であるため、この値に対する精度は当然要
求される。しかし、分散は、平均値からのばらつきを数
値化する尺度であり、平均値の絶対値を知る必要はな
い。よって、受信信号レベルが精度良く得られなくて
も、送信された変調指数の推定精度には何ら影響を及ぼ
さない。
【0118】今、時点iにおける受信信号をr(i) とす
ると、その電力はr2 (i) であり、これをランダム変数
x(i) と定義する。本発明の第1の原理では、数1式で
示したように、次式によって定義されるランダム変数x
(i) の期待値(1次モーメント)と、平均搬送波電力x
m との距離が、尤度関数値とされている。
【0119】
【数12】
【0120】ここでシステムで予め設定された状態変化
の周期(以後、ブロック長と呼ぶ)をLとし、推定に用
いるシンボル数(推定ブロック長)をN(≦L)とす
る。このとき、受信信号の信号点の分散(2次モーメン
ト)は、下記数13式〜数15式によって定義できる。
【0121】
【数13】
【0122】
【数14】
【0123】
【数15】
【0124】具体的には、本発明の第2の原理において
は、熱雑音が無く(σN 2 −>1)、かつ信号点間距離
が2である時の各変調指数の平均搬送波電力(PML)の
分散値、σ2 PQPSK=0.0 、σ2 P16QAM =16.0、σ2 P
64QAM =336.0を基準オフセットとして、受信信号電力
の分散が測定される。このとき、各変調指数の尤度関数
ΛMLは、
【0125】
【数16】
【0126】である。これより、各変調指数に対応する
尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ64QAMは、それぞれ、
【0127】
【数17】
【0128】
【数18】
【0129】
【数19】
【0130】となる。本発明の第2の原理では、本発明
の第1の原理の場合と同様に、各変調指数に対応する尤
度関数ΛMLのうち最小値を有するものが、変調指数の推
定結果として用いられる。従って、システム的な原理構
成は、本発明の第1の原理の場合と同様に、図1に示さ
れる。
【0131】ただし、本発明の第2の原理では、本発明
の第1の原理の場合と同様、熱雑音の分散が同一であっ
ても、同一測定シンボルにおける各変調指数の信号点分
散は異なる。これはランダム情報源が仮定された場合に
或る変調指数における全信号点の出現頻度を一定とする
ためには、変調指数が大きいほどシンボル数を大きくと
る必要があるためである。例えば、数17式〜数19式
に示されるサンプル数がNである例における各変調指数
の平均搬送波電力の分散に対する信頼度νMLには、
【0132】
【数20】
【0133】の関係がある。これは本発明が、大数の法
則に基づいており、Nを大きくとるほど、各変調指数の
平均搬送波電力(期待値)の分散に関する信頼度νML
0に近づき、Nサンプルの標本分散値σ2 (N)が真値に
近づくことを意味する。
【0134】上記のように本発明の第2の原理では、サ
ンプル数Nを同一とする条件のもとで各尤度関数値が計
算されるため、熱雑音の分散σ2 N (これは各変調指数
に関して同じである)及び各変調指数の平均搬送波電力
(期待値)の分散に関する信頼度νMLの、2つのパラメ
ータを考慮しなくてはならない。
【0135】前者はEs/Noに依存しており、後者は
各変調指数(特に最大の伝送効率を有する変調指数)に
依存している。特に後者については、本発明の第1の原
理の場合と同様に、十分な数のサンプルが測定されない
(Nが小さい)場合、熱雑音が無い場合であっても、伝
送誤り(軽減不能誤り)が発生する。また、本発明の第
1の原理の場合と同様に、(従来のビタビアルゴリズム
で用いられている基準である)前者の分散が大きい場合
にも、測定サンプル数が少ないと、その精度は低下す
る。
【0136】よって、本発明の第2の原理でも、本発明
の第1の原理の場合と同様に、サンプル数Nをある程度
大きくとれば、上記の相互作用に起因して発生する、変
調指数の推定誤りを、抑圧できる。
【0137】システム設計においては、本発明の第1の
原理の場合と同様に、正規化フェージング周期の観点か
らだけではなく、ブロック誤り率(若しくは変調指数推
定誤り率)の観点から、それらの推定誤り率の許容値を
満たすサンプル数Nが決定される。
【0138】例えば変調指数の上記組合せでは、最大の
伝送効率を有する64QAM変調方式において、N=5
0(シンボル)のときに、推定誤り率は4×10-4程度
と高品質になる。
【0139】上述のシンボル数N=50は、例えばフェ
ージング補償に用いられるパイロット信号の周期Lに較
べて伝送速度が小さい場合であっても、パイロット周期
あたりのシンボル数(数十シンボル)と同程度のシンボ
ル数であり、伝送速度が中高速の場合には、パイロット
周期あたりのシンボル数(数百〜数千シンボル)に比較
してかなり少ないシンボル数(サンプル数)となる。
【0140】即ち、本発明の第2の原理においても、本
発明の第1の原理の場合と同様に、パイロット信号の周
期で変調指数が変化させられる場合には、特に中高速の
場合に、かなり高品質(エラーレス)な推定精度を実現
することが可能となる。
【0141】以上が本発明の第2の原理の基本である。
次に尤度関数は、N個のランダム変数x1 ,・・,xN
の標本分散、
【0142】
【数21】
【0143】として考えることができる。ここで、標本
平均は、
【0144】
【数22】
【0145】である。個々のランダム変数は、同じ平均
値と分散、
【0146】
【数23】
【0147】
【数24】
【0148】を持っている。そして、それらは無相関、
つまり、
【0149】
【数25】
【0150】
【数26】
【0151】である。このとき、その期待値は、
【0152】
【数27】
【0153】である。よって、受信信号のN個の標本分
散r1 ,・・,rN と、この期待値との距離を尤度関数
値とすることができる。このようにランダム変数列とし
て受信系列を捉えることにより、推定精度の向上が可能
となる。
【0154】具体的には、熱雑音が無く(σN 2 −>1
とする)、かつ信号点間距離が2であるときの各変調指
数の平均搬送波電力(PML)の分散値、σ2 PQPSK=0.0
、σ2 P16QAM =16.0、σ2 P64QAM =336.0に測定サン
プル数Nに基づく係数{(N−1)/N}を基準オフセ
ットとして、受信信号電力の分散が測定される。このと
き、各変調指数の尤度関数ΛMLは、
【0155】
【数28】
【0156】である。これより、各変調指数に対応する
尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ64QAMは、それぞれ、
【0157】
【数29】
【0158】
【数30】
【0159】
【数31】
【0160】となる。これが、本発明の第2の原理の第
1の変形例である。そして、この場合においても、各変
調指数に対応する尤度関数ΛMLのうち最小値を有するも
のが、変調指数の推定結果として用いられる。この結
果、推定誤り率を、1.5×10-4と、Nシンボルの分
散に基づいて最尤推定する数17式〜数19式に示され
る方式に比較して、ほぼ1/3程度に低減させることが
可能となる。
【0161】更に、数13式〜数15式に基づいて分散
σ2 を計算しつつ、上記第1の変形例における基準オフ
セットを用いることにより、特定の改善を図ることも可
能である。具体的には、各変調指数の尤度関数ΛMLは、
【0162】
【数32】
【0163】である。これより、各変調指数に対応する
尤度関数ΛQPSK、Λ16QAM 、Λ64QAMは、それぞれ、
【0164】
【数33】
【0165】
【数34】
【0166】
【数35】
【0167】となる。これが本発明の第2の原理の第2
の変形例である。この結果、推定誤り率を、3×10-4
と、Nシンボルの分散に基づいて最尤推定する数17式
〜数19式に示される方式に比較して、ほぼ3/4程度
に低減させることが可能となる。 <本発明の第2の原理に基づく各実施の形態>上述の本
発明の第2の原理に基づく各実施の形態について、以下
に詳細に説明する。
【0168】以下の第6〜第8の各実施例の基本的な構
成としては、本発明の第1の原理に基づく、前述した本
発明の第1、第3、第4、又は第5の実施の形態の構成
(図2、図7、図8、又は図9)を採用することができ
る。
【0169】図12は、図2、図7、図8、又は図9に
示されるQPSK推定部202、16QAM推定部20
3、64QAM推定部204、又は256QAM推定部
205を実現する本発明の第6の実施の形態の構成図で
ある。これは、本発明の第2の原理の基本に基づく実施
の形態である。
【0170】図12において、二乗回路1201、12
02、1205、累算器1203、1204、減算器1
207、及び除算器1206、1208は、前述した数
13式〜数15式に基づいて、受信信号点の分散を算出
する。
【0171】減算器1209は、数16式の右辺の絶対
値の内部項を計算する。そして、絶対値演算回路121
0は、数16式の右辺の絶対値演算を実行し、尤度関数
値ΛMLを出力する。
【0172】図13は、図2、図7、図8、又は図9に
示されるQPSK推定部202、16QAM推定部20
3、64QAM推定部204、又は256QAM推定部
205を実現する本発明の第7の実施の形態の構成図で
ある。これは、本発明の第2の原理における第1の変形
例に対応する。
【0173】図13で、二乗回路1301、累算器13
02、及び除算器1303は、前述した数22式に基づ
く標本平均を計算し、減算器1304、二乗回路130
5、及び除算回路1306は、数21式に基づく標本分
散を計算する。
【0174】減算器1307は、数28式の右辺の絶対
値の内部項を計算する。そして、絶対値演算回路130
8は、数28式の右辺の絶対値演算を実行し、尤度関数
値ΛMLを出力する。
【0175】図14は、図2、図7、図8、又は図9に
示されるQPSK推定部202、16QAM推定部20
3、64QAM推定部204、又は256QAM推定部
205を実現する本発明の第8の実施の形態の構成図で
ある。これは、本発明の第2の原理における第2の変形
例に対応する。
【0176】図14において、二乗回路1201、12
02、1205、累算器1203、1204、減算器1
207、及び除算器1206、1208は、図12の場
合と同様であり、前述した数13式〜数15式に基づい
て、受信信号点の分散を算出する。
【0177】減算器1401は、数32式の右辺の絶対
値の内部項を計算する。そして、絶対値演算回路140
2は、数32式の右辺の絶対値演算を実行し、尤度関数
値ΛMLを出力する。
【0178】
【発明の効果】本発明の第1の態様の構成によれば、移
動通信などの、フェージング環境下における運用が想定
されるシステムにおいて、伝搬路の状況に応じて適応的
に変調指数(及び送信電力)を変化させる無線伝送技術
において、ビット誤り率(つまり瞬時Es/No)を一
定とする際の各変調指数の平均CNRの違いに着目し、
これを基にした尤度値を用いることで、従来必要であっ
た送信時の変調指数に関する情報を得ることなく、送信
された変調指数を受信信号のみから最尤推定することが
可能となる。
【0179】この場合、受信シンボル毎に尤度計算を行
うことにより、尤度値の絶対値、即ち尤度値のダイナミ
ックレンジを小さく抑えることが可能となり、実際の装
置において計算機資源を節約することが可能となる。
【0180】本発明の第2の態様の構成によれば、各変
調指数の信号点の分散の違いに着目し、これを基にした
尤度値を用いることで、更に精度のよい受信信号のみか
らの変調指数の最尤推定が可能となる。
【0181】本発明の第3の態様の構成によれば、各変
調指数の信号点の標本分散と基準標本分散との距離を基
にした尤度値を用いることで、更に精度のよい受信信号
のみからの変調指数の最尤推定が可能となる。
【0182】本発明の第4の態様の構成によれば、各変
調指数の信号点の分散と基準標本分散との距離を基にし
た尤度値を用いることで、精度のよくかつ演算効率のよ
い受信信号のみからの変調指数の最尤推定が可能とな
る。
【0183】また、本発明において、システムにおいて
許容された推定誤り率に応じて、同一の変調指数で送信
される信号のブロック長が設定可能となることにより、
特に中高速システムにおいて変調指数を変化させたい周
期(例えば正規化フェージング周期)が大きくなるた
め、この周期全てにおいて変調指数の推定を行うことに
より、更に高品質な変調指数の推定が可能とする。また
この場合、許容推定誤り率を変えずに推定ブロック長を
短縮できるため、演算量の削減が可能となる。
【0184】また、本発明において、受信信号レベルが
取得され、その受信信号レベルに基づいて、尤度値を算
出する変調指数の範囲が限定されることにより、推定全
体の演算量を削減することが可能となる。
【0185】また、本発明において、前回の推定時に推
定された変調指数に基づいて、今回の推定時に尤度値を
算出する変調指数の範囲が限定されることにより、推定
全体の演算量を削減することが可能となる。
【0186】また、本発明において、他の最尤判定アル
ゴリズムにおいて算出された信号点間距離情報があるス
レッショルドを越えた場合に、その変調指数においては
それ以降の尤度値の推定演算が中止されることにより、
推定全体の演算量を削減することが可能となる。
【0187】更に、本発明において、送信時の変調指数
を固定に設定することにより非適応変調方式を実現する
ことができ、適応変調方式と非適応変調方式の2方式が
共存するシステムであって例えば片方向のみ適応変調方
式が採用されるようなシステムでは、両方式の完全な共
存を実現でき、双方向で適応変調方式が採用されるよう
なシステムでは、基地局/端末において最大限のコモナ
リティを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の構成図である。
【図3】伝送フォーマットの比較を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の動作説明図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施の形態における各推定部の
構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における各推定部
(変調指数推定用ブランチメトリック値計算部)の構成
図である。
【図7】RSSI信号を用いた本発明の第3の実施の形
態の構成図である。
【図8】変調指数のUp/Down制御を行う適応変調
方式を用いた本発明の第4の実施の形態の構成図であ
る。
【図9】ビタビ復号法との結合方式である本発明の第5
の実施の形態の構成図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態におけるスレッシ
ョルドによる演算中止の一例を示す図である。
【図11】適応/非適応共存システムの構成図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態における各推定部
の構成図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態における各推定部
の構成図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態における各推定部
の構成図である。
【図15】適応変調方式の原理説明図である。
【符号の説明】
101 受信信号 102 変調指数推定部 103 変調指数復調部 104、210 最小尤度関数値セレクタ 105、215 データセレクタ 106、216 復調信号 201 受信信号フレーム 202 QPSK推定部 203 16QAM推定部 204 64QAM推定部 205 256QAM推定部 206 QPSKデマッパ 207 16QAMデマッパ 208 64QAMデマッパ 209 256QAMデマッパ 501、601、1201、1202、1301、13
05 二乗回路 502、603 加算器 503、604 ディレイ回路 504、605 Nシンボルカウンタ 505、606 スイッチ 506、602、1207、1209、1304、13
07、1401減算器 507、607、1210、1308、1402
絶対値演算回路 508 受信信号ディテクタ 701、801 変調指数セレクタ 702 RSSI測定器 802 推定範囲選択器 803 前推定値格納メモリ 901 距離算出器 902、1203、1204、1302 累算器 903 スレッショルドディテクタ 1208、1303、1306 除算器

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指数
    を変化させる無線伝送方法であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の平均値又は期
    待値を算出し、 該算出された各変調指数における搬送波電力の平均値又
    は期待値と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送
    波電力の基準平均値又は基準期待値との差を該各変調指
    数毎の尤度値として算出し、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、 受信シンボル毎に尤度計算を行うことにより、前記尤度
    値の絶対値を小さくする、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  3. 【請求項3】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指数
    を変化させる無線伝送方法であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の分散値を算出
    し、 該算出された各変調指数における搬送波電力の分散値
    と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力の
    基準分散値との差を該各変調指数毎の尤度値として算出
    し、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  4. 【請求項4】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指数
    を変化させる無線伝送方法であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の標本分散値を
    算出し、 該算出された各変調指数における搬送波電力の標本分散
    値と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力
    の基準標本分散値との差を該各変調指数毎の尤度値とし
    て算出し、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  5. 【請求項5】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指数
    を変化させる無線伝送方法であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の分散値を算出
    し、 該算出された各変調指数における搬送波電力の分散値
    と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力の
    基準標本分散値との差を該各変調指数毎の尤度値として
    算出し、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の方
    法であって、 システムにおいて許容された推定誤り率に応じて、同一
    の変調指数で送信される信号の推定ブロック長を設定す
    る、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の方
    法であって、 受信信号レベルを取得し、 該受信信号レベルに基づいて、前記尤度値を算出する変
    調指数の範囲を限定する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の方
    法であって、 前回の推定時に推定された変調指数に基づいて、今回の
    推定時に前記尤度値を算出する変調指数の範囲を限定す
    る、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の方
    法であって、 他の最尤判定アルゴリズムにおいて算出された信号点間
    距離情報があるスレッショルドを越えた場合に、その変
    調指数においてはそれ以降の前記尤度値の推定演算を中
    止する、 過程を含むことを特徴とする無線伝送方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至5の何れか1項に記載の
    方法であって、 送信時の変調指数を固定に設定することにより非適応変
    調方式を実現する、過程を含むことを特徴とする無線伝
    送方法。
  11. 【請求項11】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指
    数を変化させる無線伝送装置であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の平均値又は期
    待値を算出する回路と、 該算出された各変調指数における搬送波電力の平均値又
    は期待値と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送
    波電力の基準平均値又は基準期待値との差を該各変調指
    数毎の尤度値として算出する回路と、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の方法であって、 前記各変調指数毎に、 受信シンボル毎にその二乗値を計算する回路と、 その二乗値からその変調指数に予め規定される前記搬送
    波電力の基準平均値又は基準期待値を減算する回路と、 該減算結果を所定シンボル数だけ累算する回路と、 該累算結果の絶対値を演算し、その演算結果をその変調
    指数の尤度値として出力する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  13. 【請求項13】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指
    数を変化させる無線伝送装置であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の分散値を算出
    する回路と、 該算出された各変調指数における搬送波電力の分散値
    と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力の
    基準分散値との差を該各変調指数毎の尤度値として算出
    する回路と、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  14. 【請求項14】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指
    数を変化させる無線伝送装置であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の標本分散値を
    算出する回路と、 該算出された各変調指数における搬送波電力の標本分散
    値と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力
    の基準標本分散値との差を該各変調指数毎の尤度値とし
    て算出する回路と、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  15. 【請求項15】 伝搬路の状況に応じて適応的に変調指
    数を変化させる無線伝送装置であって、 送信時の変調指数の情報が付加されていない受信信号に
    対して、各変調指数における搬送波電力の分散値を算出
    する回路と、 該算出された各変調指数における搬送波電力の分散値
    と、該各変調指数毎に予め規定される前記搬送波電力の
    基準標本分散値との差を該各変調指数毎の尤度値として
    算出する回路と、 該各変調指数毎の尤度値のうち最尤値に対応する変調指
    数を、前記受信信号の変調指数として推定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  16. 【請求項16】 請求項11乃至15の何れか1項に記
    載の装置であって、 システムにおいて許容された推定誤り率に応じて、同一
    の変調指数で送信される信号の推定ブロック長を設定す
    る、 ことを特徴とする無線伝送装置。
  17. 【請求項17】 請求項11乃至15の何れか1項に記
    載の装置であって、受信信号レベルを取得する回路と、 該受信信号レベルに基づいて、前記尤度値を算出する変
    調指数の範囲を限定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  18. 【請求項18】 請求項11乃至15の何れか1項に記
    載の装置であって、 前回の推定時に推定された変調指数を記憶する回路と、 該記憶されている前回の推定時に推定された変調指数に
    基づいて、今回の推定時に前記尤度値を算出する変調指
    数の範囲を限定する回路と、 を含むことを特徴とする無線伝送装置。
  19. 【請求項19】 請求項11乃至15の何れか1項に記
    載の装置であって、 他の最尤判定アルゴリズムにおいて算出された信号点間
    距離情報があるスレッショルドを越えた場合に、その変
    調指数においてはそれ以降の前記尤度値の推定演算を中
    止する回路を含む、 ことを特徴とする無線伝送装置。
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