JP2005244598A - 無線通信装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユニキャストでのパケット送信レートと、それに応答するパケットの送信レートが同一となる通信環境において、ユニキャストでの送信されたパケットの受信レベルに基づいて、PER(Packet Error Rate;パケット誤り率)を閾値T以下に抑える送信レートをPER特性から決定し、これを送信レートの上限値とした上で、送信結果から最近N回分のPERを算出し、この算出結果から送信レートを決定する無線通信装置を提供する。
【解決手段】 パケットの送受信を無線で行う無線通信装置であって、パケットを送信した際の送信結果に基づいてパケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レートを決定する送信レート決定手段と、前記決定された送信レートに基づいてパケットを送信する送信手段とを有することにより通信品質を一定以上確保する送信レートを決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線LANにおける無線通信装置及びその方法に関し、特にパケットを送信した際の送信結果に基づいて送信レートを制御する無線通信装置及びその方法に関する。
無線LANの標準規格であるIEEE802.11で定義されるインフラストラクチャネットワークでは、図9に示すように、無線LANの基地局であるAP(Access Point)1と、このAP1の電波到達範囲内に存在し、AP1に帰属する複数の端末局であるSTA(Station)、例えばSTA2及びSTA3とから、ネットワークの最少単位BSS(Basic
Service Set)4が構成される。
このような構成において、AP1は、BSS4内のSTA2及びSTA3がAP1に同期するための情報を含むビーコン・フレームを、全STAに周期的にブロードキャスト送信する。この送信されたビーコン・フレームを受信したSTA1、STA2は、各々が通信を開始する際にAP1に対して認証要求を送信し、AP1からの認証許可を受信した後、AP1への帰属処理を完了することにより、AP1との間でパケットの送受信が可能となる。
無線LANの標準規格であるIEEE802.11では、周期的にブロードキャスト送信するビーコン・フレーム等は、BSS Basic Rate Setと呼ぶAPがBSS内で任意に定義し、BSS内の全STAが送受信可能であるレートの中から用いることを規定している。
一方、データパケット等、特定の通信相手に送信するユニキャスト送信の送信レートについては、通信相手が保持する送信レート内、且つ、パケットを送信する端末が保持する送信レート内での任意のレートであることが規定されている。しかしながら、詳細な送信レートの制御方法については特に規定をせず、実装依存としている。
一般的には、送信成功状態が継続する場合には、送信レートを上昇させることにより、高速な無線通信を実現させるといった送信レート制御が行われている。これに対して、送信失敗状態が継続する場合には、送信レートを低下させることにより、低速だが安定した通信状態を確保するといったレート制御が行われている。
一方、無線LANに限らず、ネットワークを介しての通信において、レートを制御するための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2001―144802 この技術は、データを送信し、このデータを受信した端末から送信される受信状況(データの送信時刻情報、データを処理するのに要する処理時間情報、及びデータ損失率)に基づいて、送信レートを制御する技術である。
しかしながら、断続的に送信成功と送信失敗とを繰り返す不安定な通信環境において上述した送信レートの制御方法を用いた場合、送信失敗が継続しないので送信レートを低下させる制御が発生しない。このため、送信の成功と送信の失敗とを延々繰り返す状態に陥ってしまう。又、これに伴い発生する再送パケットによる通信帯域の占有が、総合的には通信品質の低下につながっている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、特に、BSS内でのユニキャストでのパケットの送信レートと、それに対する応答パケットの送信レートが、同一となる通信環境において、通信相手から最近受信したユニキャストでのパケットの受信レベルに基づいて、PERを閾値T以下に抑える最高の送信レートを図6に示すPER特性から決定し、これを送信レートの上限値とした上で、送信結果から得られる最近Nパケット分のPER算出結果を元に通信品質を一定以上確保する送信レートを決定する技術を提供することである。
上記課題を解決する第1の発明は、パケットの送受信を無線で行う無線通信装置であって、パケットを送信した際の送信結果に基づいてパケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レートを決定する送信レート決定手段と、前記決定された送信レートに基づいてパケットを送信する送信手段とを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明は、上記第1の発明において、前記送信レート決定手段は、パケットを受信した際の受信レベルに基づいて、送信可能最高レートを算出する送信可能最高レート算出手段と、パケットを送信した際の送信結果に基づいて、パケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レート上昇又は送信レート低下の送信レート更新情報を生成する送信レート更新情報生成手段と、前記生成された送信レート更新要求が送信レート低下であり、且つ現在の送信レートが使用可能な最低レートでは無い場合には送信レートを低下させ、前記送信レート更新要求が送信レート上昇である場合には現在の送信レートと前記算出された送信可能最高レートとを比較し、比較の結果、現在の送信レートの方が低い場合には送信レートを上昇させる送信レート更新手段とを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明は、上記第2の発明において、前記送信レート更新手段は、送信レートを低下させる場合には送信レートを一段階低下させ、送信レートを上昇させる場合には送信可能な最高レートに上昇させることを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明は、上記第2の発明において、前記送信レート更新手段は、送信レートを低下させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを低下させ、送信レートを上昇させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを上昇させることを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明は、パケットの送受信を無線で行う無線通信装置の無線通信方法であって、パケットを送信した際の送信結果に基づいてパケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レートを決定する送信レート決定ステップと、前記決定された送信レートに基づいてパケットを送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明は、上記第5の発明において、前記送信レート決定ステップは、パケットを受信した際の受信レベルに基づいて、送信可能最高レートを算出する送信可能最高レート算出ステップと、パケットを送信した際の送信結果に基づいて、パケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レート上昇又は送信レート低下の送信レート更新情報を生成する送信レート更新情報生成ステップと、前記生成された送信レート更新要求が送信レート低下であり、且つ現在の送信レートが使用可能な最低レートでは無い場合には送信レートを低下させ、前記送出された送信レート更新要求が送信レート上昇である場合には現在の送信レートと前記算出された送信可能最高レートとを比較し、比較の結果、現在の送信レートの方が低い場合には送信レートを上昇させる送信レート更新ステップとを有することを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明は、上記第6の発明において、前記送信レート更新ステップは、送信レートを低下させる場合には送信レートを一段階低下させ、送信レートを上昇させる場合には送信可能な最高レートに上昇させることを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明は、上記第6の発明において、前記送信レート更新ステップは、送信レートを低下させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを低下させ、送信レートを上昇させる場合には前記パケット誤り率に応じて送信レートを上昇させることを特徴とする。
本発明では、ユニキャストで送信するパケットの送信レート制御を最近の通信品質状態から算出するPERに応じて判断することから、伝搬状態の不安定な環境において断続的に発生する送信失敗に伴う品質低下状況に即時対応した動的な通信品質の回復を可能とする。
また、最近受信したユニキャストで送信されたパケットの受信レベルと自己のPER特性とに基づいて、PERを一定値以下に抑えることを保証する送信可能レートの上限値を算出し、送信レート決定時の一要素として用いることは、通信相手から受信する応答パケットの送信レートを常にPERを一定値以下に保つ最高速レートにすることに等しいため、ユニキャストでのパケット送信に対する応答パケット受信を確実とする最高速レートでの通信確保を可能とする。
実際の通信においては、フェージングや干渉等周辺環境からの影響により、PER特性から得られる送信可能レート上限値で行う通信が、確実に安定した品質を保証するとは言えないため、受信レベルから算出する送信可能レート上限値と、最近のPER特性算出結果に伴う送信レートとを制御することが、送信失敗数を最低限に抑えることによる再送回数の低減、および再送回数の低減に伴う送信待ち時間発生頻度を最低限に抑えることにつながり、有限の無線通信帯域を有効に活用した通信品質の維持を可能とする。
本発明は、ユニキャストでのパケット送信レートと、それに応答するパケットの送信レートが同一となる通信環境において、ユニキャストでの送信されたパケットの受信レベルに基づいて、PER(Packet Error Rate;パケット誤り率)を閾値T以下に抑える送信レートをPER特性から決定し、これを送信レートの上限値とした上で、送信結果から最近N回分のPERを算出し、この算出結果から送信レートを決定する。
本発明における実施例1について、図を用いて説明する。
図9は、無線LANの標準規格であるIEEE802.11で定義されるインフラストラクチャネットワークの構成図である。
図9に示すように、無線LANの標準規格であるIEEE802.11で定義されるインフラストラクチャネットワークでは、無線LANの基地局であるAP(Access Point)1と、このAP1の電波到達範囲内に存在し、AP1に帰属する複数の端末局であるSTA(Station)、例えばSTA2及びSTA3とから、ネットワークの最少単位BSS(Basic
Service Set)4が構成される。
AP1は、BSS4内のSTA2及びSTA3がAP1に同期するための情報を含むビーコン・フレームを、全STAに周期的にブロードキャスト送信する。尚、AP1は、IEEE802.11以外のLANプロトコルとのプロトコル変換機能を保持し、Ethernet(登録商標)などの有線LANとの接続が可能な基地局端末である。
STA1、STA2は、AP1から送信されたビーコン・フレームを受信後、各々がパケットの送受信を開始する際にAP1に対して認証要求を送信し、AP1からの認証許可を受信して後、AP1への帰属処理を完了することにより、AP1との間でパケットの送受信が可能となる。
AP1は、図8に示す無線LANカード19と、上位レイヤとのインターフェース17とを介して、TCP/IPや各種アプリケーションなどの上位プロトコル処理を無線基地局端末18にて実現する。又、STA2、3は、図8に示す無線LANカード19と、上位レイヤとのインターフェース17とを介して、AP1と同様な上位プロトコル処理をノート型パーソナルコンピュータなどの移動端末によって実現する。
図8に示す無線LANカード19は、無線区間でのパケット送受信を行う無線機部12と、変復調処理を行うIEEE802.11PHYプロトコル処理部13と、MAC(Medium Access Control)レイヤでのアクセス制御を行うIEEE802.11MACプロトコル処理部14と、MACレイヤでの認証処理などのSME(Station
Management Entity)処理を内蔵CPU及びメモリ16によって実現する上位レイヤ処理部15とから構成される。
パケット送信時、上位レイヤ処理部15は送信要求をIEEE802.11MACプロトコル処理部14に出す。IEEE802.11MACプロトコル処理部14は、上位レイヤ処理部15からの送信要求を、図10に示すようなIEEE802.11MACプロトコルに従うMACフレームフォーマットへ変換する。このMACフレームフォーマットへの変換において、上位レイヤからの送信要求データはFrame Bodyに格納され、宛先アドレスや送信元アドレス等の送信要求に関する情報はMACヘッダに格納され、MACヘッダとFrame
Bodyとに対するCRC32(Cyclic Redundancy Code 32bits)算出結果をFCS(Frame Check Sequence)に格納される。IEEE802.11PHYプロトコル処理部13は、変換されたMACフレームを変調処理し、無線機部12を介して空間上に送出し、送信処理を完了させる。
また、パケットの受信の際には、IEEE802.11PHYプロトコル処理部13は、無線機部12を介して受信したパケットの復調処理を行う。そして、復調処理が行われた受信パケットに対して、IEEE802.11MACプロトコル処理部14はCRC32の算出を行い、受信パケットのFCSの値とCRC32の算出結果とを比較する。比較の結果、受信パケットのFCSの値とCRC32の算出結果とが一致した場合には、MACヘッダ内容の解析等の受信処理を行い、Frame Body部を上位レイヤ処理部15へ通知する。
AP1とSTA2又はSTA3とが上記のようにパケットを送受信する際の送信レートは、パケットの送受信の前にAP1とSTA2又はSTA3との間で行われる帰属処理で交換しあうAssociation
Requestフレーム内のSupported rates、又はAssociation Responseフレーム内のSupported ratesと呼ばれるフィールドに含まれるレート情報から決定しなければならない。このSupported
ratesとして設定可能な送信レートは、5GHz帯無線LAN規格のIEEE802.11aでは8種類(6,9,12,18,24,36,48,54[Mbps])、2.4GHz帯無線LAN規格のIEEE802.11bでは4種類(1,2,5.5,11[Mbps])存在するが、複数レートをSupported
ratesとして定義した場合の送信レート制御方法については特に規定されていない。
AP1、STA2及びSTA3の受信性能は無線機部12の受信機特性に依存し、図6に示すような受信レベル対PER(Packet
Error Rate;パケット誤り率)特性という形で表すことができる。
通信品質を安定させるためには、図6に示すPERを閾値T以下に抑えること、また通信帯域を有効活用するためには高速な送信レートで通信することが望ましいと考えられ、そのためには任意の受信レベルに対して(PER
<= 閾値T)となる最高の送信レートを使用する必要がある。
そこで、本実施形態では、BSS内でのユニキャストでのパケット送信に対する応答パケットが、ユニキャストでのパケット送信レートと同一レートで返るという通信環境を前提とし、ユニキャストで送信されたパケットの受信レベルに基づいて、PERを閾値T以下に抑える最高の送信レートを図6に示すPER特性から決定し、これを送信レートの上限値とした上で、送信結果から得られる最近Nパケット分のPER算出結果に基づいて送信レートを制御する無線通信装置装置及びその方法について説明する。
図1は、本発明における無線通信装置のブロック図である。
図1に示すように、送信結果保持部21と、送信レート更新情報生成部22と、送信可能最高レート算出部23と、メモリ24と、送信レート更新部25とから構成されている。尚、送信結果保持部21と、送信レート更新情報生成部22と、送信可能最高レート算出部23と、送信レート更新部25とは、図8の上位レイヤ処理部15に配置されている。又、図1のIEEE802.11MACプロトコル処理部26は図8のIEEE802.11MACプロトコル処理部14と同一であり、メモリ24は図8のメモリ16と同一である。
続いて、各部の詳細について説明する。
メモリ24は情報テーブルを保持している。情報テーブルは、帰属関係を確立した通信相手の各種情報を、AID毎に登録する領域である。情報テーブルは図7に示す通り、AIDと、送信結果格納フィールドと、格納先と、送信可能最高レートと、送信レートと、MACアドレスとから構成されている。
送信結果格納フィールド(TxResult[n])は、最近N回分の送信結果を各回毎に保持するものであり、各回の送信結果はTxResult[n](nは0からN-1)に成功であれば“0”が、失敗であれば“1”が格納される。尚、Nは任意数であり、実施の形態に合わせて設定するものとする。又、TxResult[n]は、上書きされるような構成であっても、外部からのリセット要求に応じて初期化される構成であっても良い。
格納先情報nは、最新の送信結果を送信結果格納フィールドのどのTxResult[n]に格納するかを示すものであり、TxResult[0]からTxResult[N−1]まで順に示すものである。尚、格納先情報nは、N−1まで示すと初期化される構成であっても、外部からのリセット要求に応じて初期化される構成であっても良い。
送信可能最高レート(Max_TxRate)は、送信可能最高レート算出部23が算出した送信可能最高レートを格納する。
送信レート(TxRate)、は送信レート更新部25が算出した送信レートを格納する。MACアドレスは、帰属関係を保つ通信相手(AP又はSTA)のMACアドレスを格納する。
送信可能最高レート算出部23は、IEEE802.11MACプロトコル処理部26が無線機部12とIEEE802.11PHYプロトコル処理部13とを介してパケットを受信すると送出する受信通知を元に、受信したパケットの受信情報の処理を行う。更に、情報テーブルのMACアドレス有無参照結果から、受信パケットの送信元が帰属関係を保つAP又はSTAであると判断した場合には、その通信相手に対する識別子であるAID(Association Identifier)を取得し、無線機部12が受信したパケットの受信レベルに基づいて送信可能最高レート情報を算出して情報テーブルの送信可能最高レート情報を更新する。なおAIDは、IEEE802.11においてSTAがAPへ帰属する際に、APからSTAに対して帰属端末の識別子として任意に割り当てる情報であり、APの場合、自己の構成するBSS配下に帰属するSTAの台数に相当するAIDを保持することになる。一方、STAの場合には、通常自らの帰属先APが同時に複数台存在することはあり得ないが、APとSTAとの動作を共通化するという観点から、本発明では、APと同様にSTAも内部的にAIDを保持するものとみなす。
送信結果保持部21は、パケットの送信完了時にIEEE802.11MACプロトコル処理部26から送出される送信結果通知及び通信相手の識別子であるAIDに基づいて、情報テーブルに格納されている当該通信相手との最近N回分の送信結果格納フィールドへ最新の送信結果を格納する。送信結果保持部21は送信結果を送信結果格納フィールドに格納する際、まず、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から送出されるAIDに基づいて、このAIDに対応付けられている格納先を読み出し、送信結果格納フィールドのどこに、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から送出される送信結果を格納するかを確認する。そして、この格納先に基づいて、送信結果を格納する。更に、N回分の送信結果を送信結果格納フィールドに格納後、送信レート更新情報生成部22に送信結果格納完了通知を送出する。尚、Nは任意数であり、実施の形態に合わせて設定するものとする。
送信レート更新情報生成部22は、送信結果保持部21から送信結果格納完了通知を受けると、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から得られるAIDと、情報テーブルから得られる当該通信相手の送信結果格納フィールドとを用いて最近N回分のPERを算出する。このPERは、まず、最近N回分の失敗数を送信結果格納フィールドの全TxResult[n]の値を加算することにより算出し、これをNで除算して算出されるPER算出後、任意に設定する閾値TとPERとを比較した結果を元に、送信レートの制御内容を示す送信レート更新要求通知を送信レート更新部25へ送出する。
送信レート更新部25は、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から得られるAIDに基づいて、現在の送信レート(TxRate)を取得する。更に、送信レート更新情報生成部22からの送信レート更新要求内容に応じて、現在の送信レートと使用可能な最低レートと、送信可能最高レート情報とを用いて送信レート更新内容を決定し、情報テーブルの送信レート情報を更新し、IEEE802.11MACプロトコル処理部26へ送信レート更新完了通知を送出する。尚、使用可能な最低レートは、Supported
ratesに含まれるレート情報を元に決定される。
IEEE802.11MACプロトコル処理部26は、パケットを受信すると、受信通知を送出する。又、パケットを送信すると、送信結果通知と通信相手の識別子であるAIDとを送出する。更に、送信レート更新部25からの送信レート更新完了通知以降、送信処理を行うことが可能となり、その際、送信レートを情報テーブルから参照する。
次に、具体的な処理手順について説明する。
まず、送信可能最高レート算出部23の詳細処理を図2に示したフローチャートを参照して説明する。
図1に示すIEEE802.11MACプロトコル処理部26から受信通知を受け取ると、無線機部12で受信されたパケットの内容から送信元MACアドレスを読み取り、更に、無線機部12が受信したパケットの受信レベルを読み取る等の受信処理を行う(ステップ31)。
読み取った送信元MACアドレスと情報テーブルに登録済みのMACアドレスとの一致を確認することにより、受信パケットの送信元が帰属関係を結んだAP又はSTAからのものであるか否かを確認する(ステップ32)。
受信パケットの送信元が帰属関係を結んでいないAP又はSTAからのパケット受信と判断した場合には、ステップ31に戻り、新たな受信待ち状態へ戻る。
一方、受信パケットの送信元が帰属関係を結んだAP又はSTAであると判断した場合には、当該送信元を示すAIDを情報テーブルから参照する(ステップ33)。
続いて、ステップ31で読み出した受信レベルに基づいて、図6に示す自己のPER特性に基づいた閾値T以下のPERを満たす最高のレートである送信可能最高レートを算出する(ステップ34)。
算出した送信可能最高レートを用いて情報テーブルの当該AIDに対する送信可能最高レートを更新し、受信待ち状態へ戻る(ステップ35)。
尚、IEEE802.11aに準拠した5GHz帯無線LANの場合には、送信レートは6[Mbps]から54[Mbps]までの8種類存在することから、図6に示すPERを閾値T以下に保つための受信レベルは、各レートに対応してA,B,C,D,E,F,G,Hまでの8種類存在し、且つその受信レベルの大小関係はA<B<C<・・・<Hと送信レートが高いほど高い受信レベルを要する関係となる。よって、具体的には、ステップ34における送信可能最高レート算出処理では、受信レベルが図6に網掛け部として示すBからCの間に該当するパケットを受信した場合には、閾値T以下のPERを確実に確保する送信可能最高レートとして9[Mbps]を選択するものとする。
続いて送信結果保持部21の詳細処理を、図3を用いて説明する。
まず、送信結果通知時に送信結果保持部21に対するリセット要求の有無を確認する(ステップ41)。
リセット要求のある場合には情報テーブルの送信結果格納フィールドの全TxResult[n]を初期化し(ステップ49)、情報テーブルの格納先情報を初期化する(ステップ50)。
一方、送信結果通知時に送信結果保持部21に対するリセット要求が無い場合には、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から通知されるAIDに基づいて、情報テーブルから、当該AIDに対応する格納先情報nを取得する(ステップ42)。
そして、IEEE802.11MACプロトコル処理部26から通知される送信結果が成功か否かを確認する(ステップ43)。
送信結果が成功の場合には、取得した格納先情報nに示されていた送信結果格納フィールドに0を設定する(ステップ45)。
一方、送信結果が失敗の場合には、取得した格納先情報nに示されていた送信結果格納フィールドに1を設定する(ステップ44)。
送信結果格納フィールドに送信結果を設定後、格納先情報nに、新たな格納先を設定して格納先情報nを更新する(ステップ46)。そして、送信結果格納フィールドが予め設定した最近N回分に限定されるように格納先情報nと任意設定数Nを比較する(ステップS47)。(n<N)の関係が成立しない場合には格納先情報nを0へ初期化する(ステップ48)。一方、(n<N)の関係が成立する場合には送信結果格納完了通知を送信レート更新情報生成部22に出力する。
続いて、送信レート更新情報生成部22の詳細処理を、図4を用いて説明する。
送信結果保持部21からの送信結果格納完了通知を受けてパラメータmとパラメータErrorとを初期化する(ステップ51)。
IEEE802.11MACプロトコル処理部26から通知されるAIDに基づき、このAIDに対応付けられている送信結果格納フィールドを情報テーブルから検索し、更にパラメータmの値に基づいて、検索した送信結果格納フィールドのTxResult[m]の送信結果を取得する(ステップ52)。続いて、取得したTxResult[m]の値をパラメータErrorに加算し(ステップ53)、パラメータmをカウントアップさせ(ステップ54)、パラメータmの値がN以下であるかを判定する(ステップ55)。パラメータmの値がN未満である場合はステップ52に戻り、パラメータmがNになるまで、ステップ52からステップ55までを繰り返す。
一方、パラメータmがN以上である場合は、最近N回分の送信失敗数に基づくPERを「パラメータError÷N」により算出する(ステップ56)。
算出したPERと予め設定した閾値Tとを比較する(ステップ57)。
「閾値T<PER」の関係が満たされる場合には最低限保持すべきPERを満たしていないとみなし、送信レート更新要求を低下要求として出力する。
一方、「閾値T>=PER」の関係が満たされる場合には期待するPERを満たしているとみなして送信レート更新要求を上昇要求として出力する。
続いて、送信レート更新部25の詳細処理を、図5を用いて説明する。
IEEE802.11MACプロトコル処理部26から通知される送信先AIDに基づいて、情報テーブルから当該AID宛の現在の送信レート(TxRate)を取得する(ステップ61)。送信レート更新情報生成部22からの送信レート更新要求の内容がレート低下要求か否かの判断を行う(ステップ62)。更新要求の内容がレート低下要求である場合は、現在の送信レート(TxRate)が使用可能な最低レートか否かを判断する(ステップ63)。現在の送信レートが使用可能な最低レートでは無い場合には、現在の送信レートを1段階低下し、情報テーブルの送信レート(TxRate)を更新する(ステップ64)。但し、送信レートが使用可能な最低レートである場合には、送信レート維持として、情報テーブルの送信レート(TxRate)をそのまま維持する(ステップ67)。
一方、更新要求の内容がレート低下要求で無い場合には、現在の送信レート(TxRate)と、情報テーブルの当該AIDに対する送信可能最高レート(Max_TxRate)の比較を行う(ステップ65)。「TxRate<Max_TxRate」の関係が成立する場合には、送信レートを送信可能最高レートに更新する(ステップ66)。一方、「TxRate<Max_TxRate」の関係が成立しない場合には、送信レート維持として、情報テーブルの送信レート(TxRate)をそのまま保持する(ステップ67)。
送信レート更新完了通知をIEEE802.11MACプロトコル処理部26に送出する。
IEEE802.11MACプロトコル処理部26は、送信レート更新完了通知以降、パケットを送信する際、そのパケットの送信先に対応付けられている送信レートを情報テーブルから検索し、検索した送信レートに従ってパケットを送信する。
本発明における実施例2について説明する。
実施例1の送信レート更新情報生成部22では、PERと閾値Tとを比較し、送信レートの低下又は送信レートの上昇のレート更新要求を送出していた。実施例2では、PERと閾値Tとの差分の程度によって送信レート更新内容に段階をつけること場合について説明する。尚、上述した実施例と同様の構成については同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。また、上述した実施例1と基本的には同様な構成であるため、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
送信レート更新情報生成部22は、PERと閾値Tとの差分の度合に応じた、送信レートの低下の度合及び送信レートの上昇の度合を予め保持している。
送信レート更新情報生成部22は、ステップ57において、算出したPERと予め設定した閾値Tとを比較する。比較の結果、「閾値T<PER」の関係が成立する場合、「PER−閾値T」を算出し、算出した「PER−閾値T」の差分の度合に応じて、送信レートを何段階低下させるかを確認する。そして、送信レートを何段階低下させるかの情報である送信レート低下情報を送信レート更新部25に送出する。
また、比較の結果「閾値T<PER」の関係が成立しない場合、「PER−閾値T」を算出し、算出した「PER−閾値T」の差分の度合に応じて、送信レートを何段階上昇させるかを確認する。そして、送信レートを何段階上昇させるかの情報である送信レート上昇情報を送信レート更新部25に送出する。
送信レート更新部25は、送信レート更新情報生成部22から送信レート低下情報が送信されたかの判断を行い、送信レート低下情報である場合には、送信レート更新情報生成部22からの送信レート低下情報に基づいて、送信レートを何段階か低下させ、情報テーブルの送信レートを更新する。一方、送信レート上昇情報である場合には、現在の送信レートと、情報テーブルの当該AIDに対する送信可能最高レートの比較を行い、「送信レート(TxRate)<送信可能最高レート(Max_TxRate)」の関係が成立する場合には、送信レート更新情報生成部22からの送信レート上昇情報と送信可能最高レートとに基づいて、送信レートを、送信可能最高レートを超えないように何段階か上昇させ、情報テーブルの送信レートを更新する。一方、「送信レート(TxRate)<送信可能最高レート(Max_TxRate)」の関係が成立しない場合には、送信レートを維持する。
図1は、本発明に係るブロック図である。 図2は、送信可能最高レート算出部23の動作手順を示すフローチャートである。 図3は、送信結果保持部21の動作手順を示すフローチャートである。 図4は、送信レート更新情報生成部22の動作手順を示すフローチャートである。 図5は、送信レート更新部25の動作手順を示すフローチャートである。 図6は、PER特性の一例である。 図7は、情報テーブルの構成例である。 図8は、無線LANカードの構成を示すブロック図である。 図9は、BSS4の構成を示すブロック図である。 図10は、MACフレームの構成を示すブロック図である。
符号の説明
21 送信結果保持部
22 送信レート更新情報生成部
23 送信可能最高レート算出部
24 メモリ
25 送信レート更新部

Claims (8)

  1. パケットの送受信を無線で行う無線通信装置であって、
    パケットを送信した際の送信結果に基づいてパケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レートを決定する送信レート決定手段と、
    前記決定された送信レートに基づいてパケットを送信する送信手段と
    を有することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記送信レート決定手段は、
    パケットを受信した際の受信レベルに基づいて、送信可能最高レートを算出する送信可能最高レート算出手段と、
    パケットを送信した際の送信結果に基づいて、パケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レート上昇又は送信レート低下の送信レート更新情報を生成する送信レート更新情報生成手段と、
    前記生成された送信レート更新情報が送信レート低下であり、且つ現在の送信レートが使用可能な最低レートではない場合には送信レートを低下させ、前記送信レート更新情報が送信レート上昇である場合には現在の送信レートと前記算出された送信可能最高レートとを比較し、比較の結果、現在の送信レートの方が低い場合には送信レートを上昇させる送信レート更新手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記送信レート更新手段は、送信レートを低下させる場合には送信レートを一段階低下させ、送信レートを上昇させる場合には送信可能な最高レートに上昇させることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記送信レート更新手段は、送信レートを低下させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを低下させ、送信レートを上昇させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを上昇させることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  5. パケットの送受信を無線で行う無線通信装置の無線通信方法であって、
    パケットを送信した際の送信結果に基づいてパケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レートを決定する送信レート決定ステップと、
    前記決定された送信レートに基づいてパケットを送信する送信ステップと
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  6. 前記送信レート決定ステップは、
    パケットを受信した際の受信レベルに基づいて、送信可能最高レートを算出する送信可能最高レート算出ステップと、
    パケットを送信した際の送信結果に基づいて、パケット誤り率を算出し、算出したパケット誤り率に応じて送信レート上昇又は送信レート低下の送信レート更新情報を生成する送信レート更新情報生成ステップと、
    前記生成された送信レート更新情報が送信レート低下であり、且つ現在の送信レートが使用可能な最低レートではない場合には送信レートを低下させ、前記送信レート更新情報が送信レート上昇である場合には現在の送信レートと前記算出された送信可能最高レートとを比較し、比較の結果、現在の送信レートの方が低い場合には送信レートを上昇させる送信レート更新ステップと
    を有することを特徴とする請求項5に記載の無線通信方法。
  7. 前記送信レート更新ステップは、送信レートを低下させる場合には送信レートを一段階低下させ、送信レートを上昇させる場合には送信可能な最高レートに上昇させることを特徴とする請求項6に記載の無線通信方法。
  8. 前記送信レート更新ステップは、送信レートを低下させる場合にはパケット誤り率に応じて送信レートを低下させ、送信レートを上昇させる場合には前記パケット誤り率に応じて送信レートを上昇させることを特徴とする請求項6に記載の無線通信方法。
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