JP4588793B2 - 食用油脂の製造方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、食用油脂の製造方法に関するものである。
各種調理油、及びマーガリン、ショートニング等に使用される食用油脂は、焙煎ごま油、オリーブ油などの特徴的な風味を有するもの以外は、一般的に、生風味、加熱臭、保存時の風味劣化の少ない製造油を用いている。一般に、油脂の製造方法は、植物種子・果実からの搾油工程を経て未精製油を得る。さらに未精製油を、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程、脱臭工程などを経て、原料由来の臭いを十分除去して行われる。
しかしながら、一般に使用される食用油脂は、大豆、菜種がその構成成分に占める割合が高いものとなっている。そして、大豆及び菜種から得られた食用油脂にあっては、いわゆる「戻り臭」の発生が問題となる。戻り臭とは、油の劣化初期過程において、過酸化物価がほとんど上昇していない時に生じる異臭をいう。特に、大豆油においては、この戻り臭が発生しやすく、その臭いも強いことが指摘されている。菜種油もまた、大豆油に比して戻り臭の発生度合いはやや弱いとされているものの同様の傾向がみられる。戻り臭の発生の大きな要因として光の影響があるとされ、遮光を施した保存を行えば戻り臭は抑制されることとなる。しかし、プラスチック、ガラス瓶等の透明容器に収容された食用油は、一般に遮光された状態を維持することは困難となり、戻り臭の発生の忌避は一般に困難である。
また、食用油脂にあっては、食用油脂を高温加熱(揚げ調理)した場合、加熱時の異臭の発生が指摘されている。これは、食用油脂を加熱することにより、トリグリセリドから脂肪酸が遊離し、或いは、二次生成物である様々なケトンやアルデヒド等の化合物の発生が要因であると考えられている。
「戻り臭」、「加熱臭」は、食用油脂の原料由来のものであり、例えば、大豆、菜種に由来する、青臭い風味、青豆様の風味等の独特の臭い成分によるものである。従って、食用油脂の製造工程において、「戻り臭」及び「加熱臭」の発生を十分抑制する為に、上記臭い成分を除去することができれば好ましいものとなる。
このような課題に対して、特許文献1では、活性炭フィルターを使用し、脱臭処理を行った食用油脂の製造方法が提案されている。また、特許文献2〜4では、活性白土に更に活性炭を添加することにより油脂の脱色を行う製造方法が提案されている。しかしながら、今尚、「戻り臭」及び「加熱臭」の発生を抑制する食用油脂の製造法が要求されている。
特開2003−061577号公報 特開昭56−21554号公報 特公昭62−43477号公報 特開平4−154897号公報
本発明者等は、本発明時において、圧搾油(抽出油)又は前処理されたこれらの油を二種以上の異なる活性炭に接触させることで、曝光による「戻り臭」の発生の抑制と、加熱調理をする際に発生する異臭及び加熱後の油に付着する臭いという「加熱臭」の発生を抑制した、風味の優れた食用油脂を提供することができるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明は、食用油脂の製造方法であって、
未精製油、又は該未精製油を脱ガム、脱酸、脱色、脱ロウ及び脱臭のいずれか一つ以上を行った処理油と、並びに、二種類以上の活性炭とを用意し、
前記未精製油又は前記処理油を、前記二種類以上の活性炭と接触させることを含んでなり、
前記活性炭が、植物由来の活性炭、石炭由来の活性炭、石油由来の活性炭及びプラスチック由来の活性炭からなる群から選択されてなり、
前記二種類以上の活性炭における少なくとも二種類が、原料が異なる活性炭であり、かつ、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理が施されてなるものである。
発明の詳細な説明
I 製造方法
1.油脂と活性炭の接触
本発明にあっては、未精製油又は該未精製油を特定の前処理を行った処理油に、二種類以上の活性炭と接触させることを含んでなるものである。
活性炭
活性炭には、原料を賦活、例えば、気体賦活、化学薬品賦活を施したものを使用することができる。気体賦活処理は、水蒸気(好ましい)、二酸化炭素、空気、燃焼ガス等により原料を賦活するものであり、化学薬品賦活処理は、塩化亜鉛(好ましい)、燐酸等の化学薬品により原料を賦活するものである。活性炭は、植物由来、石炭由来、石油由来及びプラスチック由来がある。植物由来の活性炭の場合、原料として、ヤシ殻、竹、オガ屑、木材等が挙げられ、石炭由来の活性炭の場合、原料として亜炭、泥炭(ピート)、褐炭、瀝青炭、無煙炭、石炭ピッチ等が挙げられ、石油由来の活性炭活性炭の場合、原料として、石油ピッチ、オイルカーボン等が挙げられ、プラスチック由来の活性炭の場合、原料として、プラスチック(主として、合成樹脂)であり、例えば、レーヨン、アクリロニトリル、フェノール樹脂等が挙げられる。本発明では、原料が異なる活性炭を用いるものであるが、原料が異なるとは由来原料が異なることを意味し、前述の植物由来の活性炭同士でも、木材とヤシ殻のように由来が異なれば、原料が異なることを意味する。活性炭の形状は、粉末状活性炭;粒状・ペレット状活性炭;破砕形態、円柱・球状等の成形形態等の顆粒状活性炭;繊維状活性炭;特殊形状活性炭が挙げられる。粉末活性炭は、平均粒径が2mm未満の微粉末のものである。また、繊維状活性炭としては、活性炭を原料として、クロス、ファイバー、トウ、シートの各形態としたもの、さらにフェルト状、糸状、織物状、紙状、カートリッジ等の特定の二次元、三次元成形体として利用することが可能である。また、特殊形状活性炭としては、活性炭を原料として形成したものであり、具体的には、ハニカム状、空隙を備えたブロック状、シート状、板状、スポンジ・ウレタン状等の各形態としたものが挙げられる。
本発明にあっては、様々な原料由来、賦活処理由来の活性炭を用いることができる。好ましくは、粒状活性炭、ペレット状活性炭、繊維状活性炭、特殊形状活性炭が利用される。繊維状活性炭(特殊形状活性炭)は、粉末状又は粒状の活性炭と比較して吸着速度が100〜1000倍と非常に速く、粒状の活性炭と比較して吸着容量が1.5〜10倍と多く、高比表面積のものが容易に製造できるという利点を有する。このため、「戻り臭」、「加熱臭」を発生する成分を有効量除去することが可能となる。
本発明にあっては、繊維状活性炭を液相吸着に利用した場合、繊維状活性炭の比表面積は粉末状又は粒状活性炭よりも大きいために通液抵抗が小さく、吸着速度が速いために高速処理が可能となる。また、繊維状活性炭を用いることにより、粉末状又は粒状活性炭を用いた場合と比較して、活性炭の飛散による作業環境の改善、ろ過装置の目詰まりの解消、ろ過装置の通り抜けを防止するための多段ろ過の実施等が不要となるので好ましい。
本発明の食用油脂製造方法において用いられる繊維状活性炭としては、繊維状活性炭がカートリッジ等に成型加工されているものが好ましい。繊維状活性炭がカートリッジ等に成型加工されたもの(特殊形状活性炭)は、一般のろ過ハウジングを使用することができ新たな設備、施設等が不要であり、作業性の向上を図ることが可能である。
繊維状活性炭の比表面積は500m/g以上であることが好ましく、更に好ましくは500m/g以上2500m/g以下であり、最も好ましくは1000m/g以上2500m/g以下である。また、繊維状活性炭は、ろ過性能を低下させない範囲で細孔構造であることが好ましく、孔径が5μm以下であれば、好ましい。
繊維状活性炭を使用する場合は、繊維状活性炭を主成分とし、その他に繊維状又は粉末状の熱可塑性繊維や粒状、粉末状の活性炭、活性白土、シリカゲル、珪藻土、イオン交換樹脂等の各種の吸着材が混合されていてもよい。このような成型加工された繊維状活性炭を用いることにより、「戻り臭」、「加熱臭」の発生成分を排除し、かつ、脱色も行うことができるので好ましい。
本発明にあっては、活性炭は、植物由来の活性炭、石炭由来の活性炭、石油由来の活性炭及びプラスチック由来の活性炭からなる群から選択されてなる、二種以上のものを使用する。そして、この二種類以上の活性炭における少なくとも二種類が原料の異なる活性炭であり、かつ、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理が施されてなるものを使用する。
賦活処理は、活性化(多孔質化)反応を施すものであり、その方法としては、化学薬品賦活と気体賦活の二種類がある。本発明にあっては、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理が施されてなるものを使用するものである。賦活処理とは、化学薬品賦活と気体賦活が挙げられ、異なる賦活処理は同一賦活処理において、薬品又は気体の種類、賦活条件を変更したものを包含する。本発明の好ましい態様によれば、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理とは、一が化学賦活処理であり、他が気体賦活処理を施したである。本発明のより好ましい態様によれは、二種の活性炭の中、一の活性炭が気体(好ましくは水蒸気)による賦活処理が施されてなり、他の活性炭が化学薬品による賦活処理が施されてなるものを使用する。また、より好ましい態様としては、先の一の活性炭は、気体(好ましくは水蒸気)による賦活処理が施された後に、酸洗浄をさらに行ったものを用いることがより好ましい。
化学薬品賦活は、例えば木質材料の場合、木質材料に、高温でタールの生成を抑制し木質材料の繊維質を浸食する薬品(塩化亜鉛、燐酸等)を添加、浸透させ、空気を断って400〜700℃の温度で炭化反応させて微細孔(平気孔径2000nm未満)を持つ活性炭とするものである。気体賦活は、炭化した原料(ヤシ穀炭、石炭等)と、気体(水蒸気、二酸化炭素、空気、燃焼ガス等)を600℃〜1100℃の温度で反応させ、炭素の部分反応によって微細孔(平気孔径2000nm未満)持つ活性炭とするものである。
本発明にあっては、原料が異なり、かつ、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理が施されてなる二種類の活性炭の使用を必須とするが、その好ましい使用量は、活性炭全量に対して、一つの活性炭あたり5〜95質量%であり、好ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは、30〜70質量%であり、最も好ましくは40〜60質量%である。例えば、ピート由来で気体(水蒸気が好ましい)賦活処理した活性炭を40〜60質量%と木材由来で化学賦活処理した活性炭を質量比5〜95:95〜5で使用することが好ましく、質量比30〜70:70〜30で使用することがより好ましく、最も好ましいくは質量比40〜60:60〜40で使用することである。
接触
本発明にあっては、未精製油、又は該未精製油を脱ガム、脱酸、脱色、脱ロウ及び脱臭のいずれか一つを行った処理油と、並びに、二種類以上の活性炭とを接触させるものである。未精製油の処理油と二種類以上の活性炭とを接触させる場合には、脱酸工程の直後、脱色工程、脱色工程と脱臭工程の間、脱臭工程、脱臭工程と充填工程の間において、10℃以上150℃以下の温度で接触させることが好ましい。未精製油を接触させる温度も同様であってよい。接触時間は、未精製油又は処理油及び活性炭の量等により適宜定めてよい。好ましくは、脱色工程において白土及び/又は活性白土と同時に接触させることが好ましい。脱色工程において接触させる場合は、油脂の脱色で通常行われる減圧下で、90〜130℃で10〜40分間接触することが好ましい。使用する好ましい活性炭量は、油脂に対して0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%であり、最も好ましくは0.1〜0.5%である。なお、活性炭は脱色工程の最後に活性白土とともにろ過にて除去される。
また、脱色工程の後で接触させる場合は、活性炭をフィルタープレスのようなろ過機にろ過助剤とともに充填し、70〜130℃の脱色油をとおす方法が好ましい。使用する好ましい活性炭量は、油脂に対して0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%であり、最も好ましくは0.1〜0.5%である。脱臭工程と充填工程の間で接触させる場合は、繊維状の活性炭が充填されている活性炭カートリッジの中を、10〜100℃の脱臭油をとおすことが好ましい。使用する好ましい活性炭量は、油脂に対して0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.001〜0.1質量%である。
食品添加物の添加
本発明の食用油の製造方法においては、食品添加物を添加することが含まれる。食品添加物の添加は、二種類以上の活性炭との接触前に未精製油又は処理油に添加されることが好ましい。
食品添加物は、一般的な食用油に用いられる成分であり、例えば、乳化剤、酸化・劣化防止剤、結晶調整剤、香辛料、着色成分等が挙げられる。乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリド、レシチン等が挙げられる。酸化・劣化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸エステル、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類、シリコーン等が挙げられる。結晶調整剤としては、トリアシルグリセロール、ジアシルグルセロール、ワックス類、ステロールエステル類等が挙げられる。香辛料としては、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロン等が挙げられる。着色成分としては、カロテン、アスタキサンチン等が挙げられる。
2.原料油
原料油は、未精製油、又は該未精製油を脱ガム、脱酸、脱色、脱ロウ及び脱臭のいずれか一つ以上を行った処理油である。未精製油は、植物油種から油を得る方法(圧搾、抽出)で得られたものの他、食用油脂又は2種以上の食用油脂を食用油脂分野において通常行われる水素添加、分別、エステル交換等を施した水素添加油、分別油、エステル交換油でよく、また、グリセリンと脂肪酸をエステル化したトリグリセリドでもよい。また、脱ガム、脱酸、脱色、脱ロウ及び脱臭等の各処理は食用油脂分野において通常行われる処理であってよい。
本発明で利用される植物油種は特に限定はなく、食用油脂として用いられるものであればいかなるものであっても使用可能であり、また、常温で液体、固体等の形態は問わないものである。植物油脂の具体例としては、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、及び藻類油などの植物油が挙げられる。本発明にあっては植物油脂が好ましいが、動物油脂の使用又は、植物油脂及び動物油脂の混合油脂を使用することも可能である。
II.食用油脂
本発明による製造方法で得た食用油脂は、そのまま、食卓及び調理油として利用することができる。また、必要に応じて、食品添加物を添加した上で市場に提供してもよい。食品添加物は先に述べたものと同様であってよい。また、本発明で製造された食用油脂は、風味が良好であり、生食(マヨネーズやドレッシング等)、炒め物(焼きそば、野菜炒め等)、揚げ物(天ぷら、コロッケ、トンカツ等)、スプレー加熱調理(油を食材にスプレーしてオーブンや電子レンジで加熱する調理)等に使用しても、調理する食品の風味を損なうことがない。さらに、食用離型油として使用しても、好適に使用することができる。
具体的な発明の実施の形態
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、かかる実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
活性炭の用意
下記、表1に記載した通り、活性炭(日本ノリット株式会社製:SX1G、CA1、HB PLUS)を用意した。また、活性白土(水澤化学株式会社製)を用意した。
Figure 0004588793
活性炭の調整1
下記表2の通り、実施例1及び比較例1及び2の活性炭を得た。
評価試験1:爆光試験
大豆未精製油を脱ガム、脱酸処理した大豆脱酸油2kgに、実施例1及び比較例1〜2の活性炭に接触させて、110℃、20分間、減圧下で脱色処理(活性炭処理)した処理油を、さらに250℃、90分間、脱臭処理を行った。これらの処理で得られた油を曝光処理(7000lux、40時間)を施し、下記評価方法1により、評価した結果を下記表2に記載した。
評価方法1
評価は3点順位法で行った。20歳から45歳までの男女14人および11人(n=11)によるブラインドパネル方式で、生風味Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、スポイトで1〜2mlを試飲し、曝光風味、大豆風味の少なさ、風味の好みの順位付けを行った。加熱臭Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、180℃に加熱した臭いを嗅いでもらい、曝光臭の少なさ、大豆戻り臭の少なさ、ニオイの好みの順位付けを行った。評価は1位:3点、2位:2点、3位:1点とした合計値を算出し、順位法の検定表を用いて行った。)。その結果は、下記表2に記載した通りであった。数値が大きい程、好ましいことを示す。
結果1
表2の結果より、実施例1は、比較例1〜2と比べて、風味A、加熱臭Aとも良好であることが理解される。
Figure 0004588793
活性炭の調整2
下記表3の通り、実施例2及び比較例3及び4の活性炭を得た。
評価試験2:爆光試験
大豆未精製油を脱ガム、脱酸処理した大豆脱酸油2kgに、実施例2及び比較例3〜4の活性炭に接触させて、110℃、20分間、減圧下で脱色処理(活性炭処理)した処理油を、さらに250℃、90分間、脱臭処理を行った。これらの処理で得られた油を曝光処理し(7000lux、16時間と40時間)、下記評価方法2により、評価した結果を下記表3に記載した。
評価方法2
評価は3点順位法で行った。20歳から45歳までの男女10人によるブラインドパネル方式で、生風味Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、スポイトで1〜2mlを試飲し、曝光風味、大豆風味の少なさ、風味の好みの順位付けを行った。加熱臭Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、180℃に加熱した臭いを嗅いでもらい、曝光臭の少なさ、大豆戻り臭の少なさ、ニオイの好みの順位付けを行った。評価は1位:3点、2位:2点、3位:1点とした合計値を算出し、順位法の検定表を用いて行った。)。その結果は、下記表5に記載した通りであった。数値が大きい程、好ましいことを示す。下記表5の結果より、実施例2は、比較例3〜4と比べて、風味A、加熱臭Aとも良好であることが分かった。
Figure 0004588793
活性炭の調整3
下記表4の通り、実施例3及び比較例5及び6の活性炭を得た。
評価試験3:爆光試験
大豆未精製油を脱ガム、脱酸処理した大豆脱酸油2kgに、表4に示す実施例3及び比較例5〜6の接触材に接触させて、110℃、20分間、減圧下で脱色処理(活性炭処理)した処理油を、さらに250℃、90分間、脱臭処理を行った。これらの処理で得られた油を曝光処理し(7000lux、16時間と40時間)、下記評価方法3により、評価した結果を下記表4に記載した。
評価方法3
評価は3点順位法で行った。20歳から45歳までの男女11人および14人によるブラインドパネル方式で、生風味Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、スポイトで1〜2mlを試飲し、曝光風味、大豆風味の少なさ、風味の好みの順位付けを行った。加熱臭Aについては、100mlビーカーに評価油をそれぞれ50g入れ、180℃に加熱した臭いを嗅いでもらい、曝光臭の少なさ、大豆戻り臭の少なさ、ニオイの好みの順位付けを行った。評価は1位:3点、2位:2点、3位:1点とした合計値を算出し、順位法の検定表を用いて行った。)。その結果は、下記表4に記載した通りであった。数値が大きい程、好ましいことを示す。
結果3
表4の結果より、実施例3は、比較例5〜6と比べて、風味A、加熱臭Aとも良好であることが分かった。
Figure 0004588793
活性炭の調整4
下記表5の通り、実施例4及び比較例5〜8の活性炭を得た。
評価試験4:爆光試験
大豆未精製油を脱ガム、脱酸処理した大豆脱酸油2kgに、表5に示す実施例4〜8及び比較例7〜8の接触材に接触させて、110℃、20分間、減圧下で脱色処理(活性炭処理)した処理油を、さらに250℃、90分間、脱臭処理を行った。これらの処理で得られた油を曝光処理(7000lux、40時間)し、下記評価方法4により、評価した結果を下記表5に記載した。
評価方法4
生風味Bの評価は、12名のパネルが、常温状態での油脂組成物を1〜2ml程度、口に含み、下記評価基準(5点評価)で行い、その平均値を評価値とした。また、加熱臭Bの評価は、100ml容ビーカーに油脂組成物を50g入れ、180℃に加熱して行なった。12名のパネルが、下記評価基準(5点評価)で行い、その平均値を評価値とした。
生風味B及び加熱臭Bの評価基準
5点・・・ひじょうに良好
4点・・・やや良好
3点・・・普通
2点・・・やや悪い
1点・・・ひじょうに悪い
結果4
表5の結果より、実施例4〜8は、比較例7〜8と比べて、風味B、加熱臭Bとも良好であることが分かった。
Figure 0004588793

Claims (5)

  1. 食用油脂の製造方法であって、
    未精製油、又は該未精製油を脱ガム、脱酸、脱色、脱ロウ及び脱臭のいずれか一つ以上を行った処理油と、並びに、二種類以上の活性炭とを用意し、
    前記未精製油又は前記処理油を、前記二種類以上の活性炭と接触させることを含んでなり、
    前記活性炭が、植物由来の活性炭、石炭由来の活性炭、石油由来の活性炭及びプラスチック由来の活性炭からなる群から選択されてなり、
    前記二種類以上の活性炭における少なくとも二種類が、原料が異なる活性炭であり、かつ、一の活性炭と他の活性炭とが異なる賦活処理が施されてなるものである、食用油脂の製造方法。
  2. 前記一の活性炭が気体による賦活処理が施されてなり、
    前記他の活性炭が化学薬品による賦活処理が施されてなる、請求項1に記載の食用油脂の製造方法。
  3. 前記一の活性炭が、気体による賦活処理が施された後に、酸洗浄をさらに行ったものである、請求項2に記載の食用油脂の製造方法。
  4. 活性炭が、繊維状活性炭である、請求項1〜3の何れか一項に記載の食用油脂の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法で製造された、食用油脂。
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