JP4587661B2 - 台所用家具 - Google Patents

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Description

本発明は台所用家具、特に、システムキッチンのキャビネット等、フロアに設置される台所用家具の足元空間の改良に関する。
一般に、システムキッチンのキャビネット等、フロアに設置される台所用家具は、その最下部が、蹴込みと称して、前壁が後方へ引き込んだ形状とされている。この蹴込みは、台所で作業する者が、なるべく身体を家具に近づけることができるように、足のつま先と家具の最下部との干渉を回避するための足置き空間である。
例えば、特許文献1には、図13に示すように、キッチンキャビネットaの最下部に、前方へ引き出す引出しbを備え、その引出しbの前壁cの下部を後方へ凹ませて蹴込みdとすると共に、その結果前壁cの上部の内側に生成した段部eを収納ポケットとして利用することが記載されている。しかし、これでは、収納ポケットeの高さをあまり大きく取れないから、該ポケットeにはせいぜい細長いパスタや調味料の小瓶ぐらいしか置くことができず、上記収納ポケットeを十分に有効利用することができない。
この問題に対処するものとして、特許文献2に記載されるように、台所用家具aの最下部に備えた収納部材bの前壁cを、その下部が後方へ後退するように傾斜させることが考えられる(図14参照)。こうすると、前壁cの内側に段部が生成しないから、この前壁cに近い収納部材bの前部空間xが上下に分断されず、該前部空間xを広い空間のまま使用することが可能となって、例えば背の高い醤油の瓶やサラダ油のボトル、あるいは径の大きな鍋の蓋等も収納部材bの前部に収納することができて、足元空間の有効利用が図られる。
特開2000−236964号公報 特開平9−262146号公報
しかし、上記特許文献2に記載の技術は、単なる蹴込みの形成だけでなく、集合住宅等の狭い台所をのびやかな空間にすることも目的としているため、台所用家具の足元空間を広くすることだけが関心事であり、そのため、該台所用家具の最下部に配置された収納部材の肝心の収納容量が大幅に減少してしまう虞がある。
本発明は、従来の台所用家具における上記のような不具合に対処するもので、台所で作業する者の足元空間を十分確保しながら、最下部に配置された収納部材の収納力もバランスよく維持することを課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、フロアに設置される台所用家具であって、前方へ引き出される収納部材が最下部に備えられ、前記収納部材の前壁が、作業者のつま先と干渉しないように、下部を後方へ後退させた傾斜状とされており、前記収納部材は、前記前壁と、前部側壁と、前部底壁とを有する前部ユニットを、後壁と、後部側壁と、後部底壁とを有する本体部に結合一体化させた構造であり、前記前部ユニットの前記前部底壁は、前記本体部の前記後部底壁よりも低い位置に設けられ、且つ、前記前部底壁と前記後部底壁とをつなぐ段差壁が前記前部ユニットに形成されており、前記前部ユニットの収納空間は、少なくとも、その上半部が前記本体部の収納空間から仕切られておらず、前記前部底壁によって区画された前記前部ユニットの収納空間の下端部は、前記後部底壁によって区画された前記本体部の収納空間の下端部よりも低い位置にあることを特徴とする台所用家具を提供するものである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の台所用家具において、前記前壁下部の後退量、50mm以上、100mm未満であることを特徴としている
また、請求項係る発明は、請求項1または2係る発明の台所用家具において、前記前部ユニットの前記前部側壁の上縁部は、その後部を下方へ下げた傾斜状とされていると共に、当該台所用家具の側壁には、前記前部側壁の輪郭に一致させて、上縁部が、後部を下方へ下げた傾斜状とされた切欠きが設けられており、その切欠きの傾斜部に、前記収納部材を当該台所用家具に収容したときに両者の隙間を塞ぐ封止部材が取り付けられていることを特徴としている
また、請求項係る発明は、請求項1、2または3係る発明の台所用家具において、前記収納部材の前記前壁の前面に、当該台所用家具の前面から前方へ突出しないように取っ手が設けられていることを特徴としている
上記請求項1に記載の発明によれば、台所用家具の最下部に備えた収納部材の前壁下部を、作業者のつま先との干渉を回避するように後方へ後退させ、それ以上不必要に後退させていないから、上記収納部材の肝心の収納容量が大幅に減少してしまうような不具合が解消される。換言すれば、台所用家具の最下部に備えた収納部材の前壁下部の後退量を、当該台所用家具の足元空間の拡大と上記収納部材の収納容量の確保との均衡を考慮して設定したから、台所で作業する者の足元空間を十分確保しつつ、併せて、上記収納部材の収納力もバランスよく維持することが可能となる。
また、の発明によれば、収納部材を、前部ユニットと、本体部とを結合一体化させた構造としたから、例えば、前部ユニットを、前壁が傾斜していない通常の前部ユニット等と取り替えることにより、異種の収納部材間、あるいは異種の台所用家具間で、部品の共通化が図られ、ひいては当該台所用家具のコストダウンが図られる。
またの発明によれば、前部ユニットの底壁の位置を本体部の底壁の位置よりも低くし、且つ、両底壁をつなぐ段差壁を前部ユニットに形成したから、前部ユニットと本体部との境界において底壁には段差が生成し、この段差に、前部ユニットの収納空間に収納した物品の下部を係止させることができて、例えば前部ユニットの前壁の傾斜面に持たせ掛けて収納した大型物品の安定化等が図られる。
また、請求項2に係る発明によれば、前壁下部の後退量を、50mm以上、100mm未満としたから、台所で作業する者の足元空間を必要最少量だけ確保することができ、該足元空間を無駄に大きく拡大することに起因する収納部材の収納力の大幅な低減が確実に回避される。すなわち、50〜100mmは、請求項1において、「収納部材の前壁が、作業者のつま先と干渉しないように、下部を後方へ後退させた」後退量の具体的数値の1例である。
また、請求項係る発明によれば、上記前部ユニットの側壁上縁部を、後部が下方へ下がるように傾斜させると共に、これに呼応させて、当該台所用家具の側壁に設けた切欠きの上縁部も、後部が下方へ下がるように傾斜させて、この切欠き側の傾斜部に、収納部材を当該家具に収容したときに両者の隙間を塞ぐ封止部材を取り付けたから、例えば塵埃や害虫等が収納部材と当該家具との壁部の隙間から収納部材内部及び当該家具内部に侵入することが効果的に防止できる。
また、請求項係る発明によれば、収納部材の前壁の前面に、当該台所用家具の前面から前方へ突出しないように取っ手を設けたから、この取っ手が邪魔になって台所の足元空間が狭くなるというような不具合がなくなり、台所での作業性が良好なものに維持される。以下、発明を実施するための最良の形態を通して、本発明をさらに詳しく説明する。
本実施形態においては、本発明は、図1に示すシステムキッチン1に適用されている。このシステムキッチン1は、フロアに設置されるベースキャビネット10の上にワークトップ(天板)20が載置された基本構成を有する。ベースキャビネット10は、高さが揃えられ、意匠の統一が図られた複数の個別キャビネットが列状に並設されたもので、本実施形態では、左から順に、シンク用キャビネット11、調理台用キャビネット12、及びコンロ用キャビネット13の3つの個別キャビネットが並んでいる。一方、ワークトップ20は、その上面にシンク21とガスコンロ22とが備え付けられている。
図2にコンロ用キャビネット13を例にして示すように、各個別キャビネットは、後壁15と左右の側壁16,16(図には左の側壁のみ図示)と底壁17とを有して、上面及び前面が開放された箱体である。そして、図1に示したように、すべての個別キャビネット11〜13の上面は、上記単一のワークトップ20で覆われていると共に、シンク用キャビネット11の前面は、上から順に、幕板111、中段引出しの前板112、及び下段引出し(以下、フロアラックという)11Aの前板113で覆われており、調理台用キャビネット12の前面は、上段引出しの前板121、中段引出しの前板122、及びフロアラック12Aの前板123で覆われており、コンロ用キャビネット13の前面は、コンロ操作パネルとそれを挟んで左右両側に配置された一対の上段引出しの前板131,131、中段引出しの前板132、及びフロアラック13Aの前板133で覆われている。
なお、個別キャビネットは、上記例に限らず、他にも、IHクッキングヒータ用キャビネットや、食器洗い乾燥機用キャビネット、あるいは電子レンジ・オーブンレンジ用キャビネット等でも構わない。
そして、本実施形態では、ベースキャビネット10の前面の下部領域が後方へ後退するように傾斜されており、その結果、各個別キャビネット11〜13の最下部に備えられたフロアラック11A〜13Aの前板113,123,133が、その下部が後方へ後退するように傾斜されている。以下、右端のコンロ用キャビネット13とそのフロアラック13Aを例にしてさらに説明するが、他のフロアラック11A,12Aについても事情は同じである。
図2に示したように、フロアラック13Aは、その前部を構成する前部ユニット31と、後部を構成する本体部32とを有する。前部ユニット31は、傾斜した上記前板133と、該前板133の内面の左右両端部に前端部が結合された左右の前部側壁33,33(図には左の前部側壁のみ図示)と、同じく前板133の内面の下端部に前端部が結合された前部底壁34とが一体となったものである。
一方、ラック本体部32は、上記前板133に対向配置された後壁41と、該後壁41の内面の左右両端部に後端部が結合された左右の後部側壁42,42(図には左の後部側壁のみ図示)と、同じく後壁41の内面の下端部に後端部が結合された後部底壁43とが一体となったものである。そして、前部ユニット31の後端部にラック本体部32の前端部が結合されることにより、全体としてフロアラック13Aが一体に形成されている。
ここで、図2に破線で例示したように、ラック本体部32の側壁42,42の外面に設けられたスライドレールが、キャビネット13の側壁16,16の内面に設けられたスライドローラに嵌合することにより、フロアラック13Aは、ほぼ全長に亘ってキャビネット13から前方へ引き出されるようになっている。なお、上段引出し及び中段引出しもこれに準じて同様の構成である。
また、図2に示したように、本実施形態では、ラック本体部32の側壁42,42の上方に、前後に水平に延びるポール部材44,44が設けられている。そして、上記ポール部材44,44には、間仕切り部材45,45が前後にスライド自在に嵌合されている。
また、図2に示したように、前部ユニット31の底壁34は、ラック本体部32の底壁43よりも低い位置に設けられ、これにより、前部ユニット31とラック本体部32との境界において底壁には段差が生じている。そして、その段差をつなぐ段差壁35が前部ユニット31の後下部に設けられている。
そして、図3〜図5に拡大図示するように、前部ユニット31とラック本体部32との結合時に、ラック本体部32の側壁42,42及びポール部材44,44を位置決めするための孔36…36が前部ユニット31の左右の後端壁37,37に形成されていると共に、図3に示したように、ラック本体部32の底壁43を位置決めするための金具38が前部ユニット31の段差壁35の外面に設けられている。なお、中段引出しもこれに準じて同様の構成である。
また、図1〜3に例示したように、フロアラック13Aをキャビネット13に収容したときに、前部ユニット31がキャビネット13にぴったりとおさまるように、該キャビネット13の側壁16,16の前下角部には、前部ユニット31の側壁33,33の輪郭に一致させて、逆L字状の切欠き18,18が形成されている。
その場合に、図3に示したように、フロアラック13Aを閉めたときに、該ラック13Aとキャビネット13との隙間を塞ぐ封止部材(パッキン)51〜53がキャビネット13側に取り付けられており、図例では、フロアラック13Aの前部ユニット31の前上縁部を塞ぐ上横パッキン51が、キャビネット13の前部で左右に架設された梁部材19の下面に設けられ、同じくフロアラック13Aの前部ユニット31の左右の後縦縁部を塞ぐ縦パッキン52,52(図には左の縦パッキンのみ図示)が、キャビネット13の切欠き18,18の縦縁部に設けられ、同じくフロアラック13Aの前部ユニット31の後下縁部を塞ぐ下横パッキン53が、キャビネット13の底壁17の前端面に設けられている。
ここで、フロアラック13Aの幅寸法や奥行寸法は、用途や種別等に応じて任意であり、特に限定されない。例えば、フロアラック13Aの幅寸法は、150mm,200mm,300mm,450mm,750mm,900mm,1200mm等が好ましく、奥行寸法は、600mm,650mm等が好ましい。
また、フロアラック13Aの材質も、用途や種別等に応じて任意であり、特に限定されない。例えば、フロアラック13Aは、木材、金属、樹脂、ラバー、あるいはこれらの複合体等により好ましく作製される。
そして、このフロアラック13Aの傾斜した前板133の下部の後方への後退量は、各個別キャビネット11〜13あるいはベースキャビネット10ひいてはシステムキッチン1全体の足元空間の拡大と、フロアラック13Aの収納容量の確保との均衡を考慮して設定されている。例えば、図6に概念的に示すように、フロアラック13Aの前板133の高さ寸法(すなわち、キャビネット13の下段の高さ寸法)をH、垂直線に対する傾斜角をθ、傾斜長(すなわち、前板133自体の高さ寸法)をA、及び奥行寸法(すなわち、後方への後退量)をBとすると、上記高さ寸法Hを240mm,250mm,260mm,270mm及び280mmと設定した場合に、傾斜角θを1〜30度としたときの、上記傾斜長A及び奥行寸法Bの変化は表1のようになる。








































Figure 0004587661
ここで、まず、足置き空間としての蹴込みは、図6に示したように、フロアからの縦寸法が50mm、及び家具前面からの奥行寸法が50mmあれば一般に十分である。そこで、奥行寸法Bの最低値を50mmとし(ただしこの場合、50mm×50mmの上記足置き空間の一部分に、傾斜した前板133の前面の一部分が進入する)、最大値を100mm未満とする。このとき、奥行寸法Bを100mm以上とすると、確かにそれだけキャビネット13Aの足元空間が広くなるが、台所で作業する者にとっては必要以上に大きなスペースで無駄であり、却ってフロアラック13Aの肝心の収納容量、つまり収納力が徒に大幅減少するだけなので好ましくない。
表1から明らかなように、前板133下部の後退量Bが50mm以上で100mm未満となる傾斜角θは、高さ寸法Hが240mmの場合で12〜22度、250mmの場合で12〜21度、260mmの場合で11〜20度、270mmの場合で11〜20度、及び280mmの場合で11〜19度である(総合すると傾斜角θは11〜22度の範囲が好ましい)。
次に、このフロアラック13Aに収納する物品として、例えば鍋の蓋の径は、一般的なミルクパンで120〜140mm、アルミパンで150〜210mm、ホーローシチュー鍋で190mm、耐熱ガラス鍋で280mm、及び寸銅鍋で300mm等である。そこで、これらの鍋の蓋を傾斜した前板133の内面に持たせ掛けて収納することを考えて、傾斜長Aの最大値を300mm、好ましくは270〜300mmとする。
表1から明らかなように、前板133の傾斜長Aが270〜300mmとなる傾斜角θは、高さ寸法Hが240mmの場合で28度以上、250mmの場合で22度以上、260mmの場合で16〜30度、270mmの場合で0〜26度、及び280mmの場合で0〜21度である。
特に、高さ寸法Hが260mmの場合は傾斜角θが16〜21度のときに、270mmの場合は傾斜角θが11〜20度のときに、及び280mmの場合は傾斜角θが11〜19度のときに、それぞれ、奥行寸法Bが50mm以上で100mm未満となる条件と、傾斜長Aが270〜300mmとなる条件の両方の条件を同時に満足することが分かる(総合すると傾斜角θは16〜19度の範囲が好ましい)。
以上のように、本実施形態に係るシステムキッチン1においては、その最下部に備えたフロアラック13Aの前板133が、その下部が後方へ後退するように傾斜していると共に、その後方後退量Bを、当該システムキッチン1の足元空間の拡大と、上記フロアラック13Aの収納容量の確保との均衡を考慮して設定したから、台所で作業する者の足元空間を十分確保しつつ、併せて、上記フロアラック13Aの収納力もバランスよく維持することが可能となる。
その場合に、前板133下部の後退量Bを、当該システムキッチン1の足元空間の拡大と上記フロアラック13Aの収納容量の確保との均衡を考慮して、具体的数値の1例として、50mm以上、100mm未満に設定したから、台所で作業する者の足元空間を必要最少量だけ確保することができ、該足元空間を無駄に大きく拡大することに起因するフロアラック13Aの収納力の大幅な低減が確実に回避される。
また、フロアラック13Aの前板133と、該前板133に近い前部側壁33,33及び前部底壁34とを、ラック本体部32に対して着脱自在な前部ユニット31として一体化したから、この前部ユニット31を、例えば前板が傾斜していない通常の前部ユニット等と取り替えることにより、異種の引出し間、異種のキャビネット間で部品の共通化が図られ、当該システムキッチン1のコストが抑制される。
その場合に、図3に示したように、傾斜した前板133の内側に段部等が形成されていないから、この前板133に近いフロアラック13Aの前部空間Xが上下に分断されず、該前部空間Xを広い空間のまま使用することが可能となって、例えば図3や図4に図示したような、径の大きい鍋の蓋や、あるいは背の高い醤油の瓶、サラダ油のボトル等の大型物品Wを、このフロアラック13Aの前部に収納することが可能となる。
そして、その場合に、前部ユニット31の底壁34を、ラック本体部32の底壁43の位置よりも低くしたから、これら前部ユニット31とラック本体部32との境界において底壁に段差が生成することになり、この段差に前部ユニット31の内部空間Xに収納した物品Wの下部を係止させることができて、例えば前板133の傾斜面に持たせ掛けて収納した鍋の蓋等の大型物品Wの安定化等が図られる。
以下、本発明の別の実施形態を説明する。なお、同じ又は類似する構成要素には同じ符号を用いる。
まず、図7に示す第2の実施形態は、フロアラック13Aの変形例を表すもので、前部ユニット31の側壁33、33は、前後長が短くなって、3つの辺しか有さない逆三角形状となっている。そして、フロアラック13Aの前板133の前面には取っ手60が設けられており、図例の取っ手60は、一般的な形状のものであるが、その先端部がキャビネット10の前面から前方へ突出しないように各部の寸法が定められている。これにより、この取っ手60が邪魔になって台所の足元空間が狭くなる、というような不具合が回避される。例えば、この取っ手60を余り下方へ配置すると、前述の50mm×50mmの足置き空間内に取っ手60が進入することになって好ましくない。
なお、ここで、図3にも取っ手60を鎖線で示し、併せて、このシステムキッチン1の従来の蹴込みラインを鎖線70で示している。このように、本発明に係る台所用家具では、取っ手60は、足置き空間である蹴込みの範囲内に位置しないように留意されている。
次に、図8に示す第3の実施形態は、フロアラック13Aの別の変形例を表すもので、前板133の傾斜面の上部に垂直のパネル部材61を設け、その下端部を下方へ突出させることにより、該突出部を、手を引っ掛けることのできる取っ手60としたものである。この例においても、取っ手60はキャビネット10の前面から前方へ出っ張ることがない。
併せて、この例では、前部ユニット31の側壁33,33の上縁部33a,33aは、その後部を下方へ下げた傾斜状とされていると共に、キャビネット13の側壁16,16の切欠き18,18も、それに呼応して、その上縁部18a,18aが、後部を下方へ下げた傾斜状とされて、この切欠き18,18の傾斜部18a,18aに、フロアラック13Aをキャビネット13に収容したときに、該ラック13Aとキャビネット13との隙間を塞ぐ封止部材(パッキン)54,54が取り付けられている。これにより、塵埃や害虫等が該ラック13Aとキャビネット13との壁部33,33;16,16の隙間からラック13A及びキャビネット13内部に侵入することが効果的に防止できる。
すなわち、上記第1、第2の実施形態のように、前部ユニット31の側壁33,33の上縁部、及びキャビネット13の切欠き18,18の上縁部が水平に形成されている場合に、パッキンを切欠き18,18の上縁部に取り付けたときは、フロアラック13Aの開け閉めの際に、該パッキンが前部ユニット31の側壁33,33の上縁部と擦れて脱落したり磨耗したりするので、そのような部位にはパッキンを配設することは極めて困難であった。これに対し、前部ユニット31の側壁33,33の上縁部33a,33a、及びキャビネット13の切欠き18,18の上縁部18a,18aを斜めにカットすると、該切欠き18,18の上縁部にパッキン54,54を支障なく容易にかつ安定に配設することが可能となる。
次に、図9に示す第4の実施形態は、フロアラック13Aのさらに別の変形例を表すもので、図8の第3実施形態と同様、前板133の傾斜面の上部に垂直のパネル部材61を設けるが、その下端部は下方へ突出させず、代わりに、該下端部に専用の取っ手60を取り付けたものである。
次に、図10に示す第5の実施形態は、フロアラック13Aのさらに別の変形例を表すもので、例えば薄板を曲げ加工した取っ手60が前板133の最上部に接着剤や溶接等で取り付けられている。この例においても、取っ手60の先端部は、フロアラック13Aが閉じられた状態のときに、キャビネット10の前面と面一となり、前方へ出っ張ることがない。
次に、図11に示す第6の実施形態は、フロアラック13Aのさらに別の変形例を表すもので、図10の第5実施形態と同様、専用の取っ手60が前板133の最上部に配置されている。ただし、この取っ手60は、前板133の幅方向に水平に延びていてもよいし、また前板133にスポット的に取り付けられていてもよい。
一方、図12に示す第7の実施形態のように、ベースキャビネット10の最下部に備える収納部材として、フロアラック11A〜13Aに代えて、ワゴン100のようなタイプにしてもよい。この場合、キャビネット10には底壁がなく、ワゴン100は直接フロア上をキャスタ101…101で転がり移動する。キャビネット10の側壁16,16の前下角部の切欠き18,18は斜めにカットされた傾斜縁部のみ有し、ワゴン100の前板133がそのままキャビネット10の前下角部に嵌り込んで上記切欠き18,18を封鎖するようになっている。
以上説明した実施形態は、本発明を実施するための最良の形態ではあるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、なお種々の変更や省略が可能なことはいうまでもない。例えば、図3〜図5に例示したように、前板133の傾斜面に持たせ掛けて収納した物品W,Wを固定するゴムバンドや押えバー等の物品固定部材80,80を前部ユニット31に架設してもよい。これにより、上記物品W,Wを転倒させることなく安定して収納できる。
また、以上説明した実施形態では、図3に示したように、前部ユニット31の段差壁35は、ラック本体部32の底壁43をわずかに超えて上方に延びていたが、ラック本体部32の底壁43と同じ高さであってもよく、また、例えば、ラック本体部32の側壁42,42と同じ高さ、あるいは前部ユニット31の側壁33,33と同じ高さまで上方へ延びてもよい。その場合は、前部ユニット31の収納空間Xとラック本体部32の収納空間Yとが部分的に又は完全に仕切られることになる。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、台所で作業する者の足元空間を十分確保しながら、最下部に配置された収納部材の収納力もバランスよく維持することができる。本発明は、フロアに設置されるキッチンキャビネット等の台所用家具一般の技術分野において、幅広い産業上の利用可能性が期待される。
本発明の実施の形態に係る台所用家具としてのシステムキッチンの斜視図である。 図1のII−II面に沿う縦側断面図である。 フロアラックの前部周辺の拡大縦側断面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図3の矢印Vによる部分平面図である。 フロアラックの前板の各部寸法を示す概念図である。 第2の実施形態に係るフロアラックの前部の拡大側面図である。 第3の実施形態に係るフロアラックの前部の拡大側面図である。 第4の実施形態に係るフロアラックの前部の拡大側面図である。 第5の実施形態に係るフロアラックの前部の拡大側面図である。 第6の実施形態に係るフロアラックの前部の拡大側面図である。 第7の実施形態に係るシステムキッチンの図2と類似の縦側断面図である。 フロアラックの従来例を示す縦側断面図である。 フロアラックの他の従来例を示す縦側断面図である。
符号の説明
1 システムキッチン
10 ベースキャビネット
11 シンク用キャビネット
11A〜13A フロアラック(収納部材)
12 調理台用キャビネット
13 コンロ用キャビネット
15 後壁
16 側壁
17 底壁
18 切欠き
18a 切欠きの傾斜部
19 梁部材
20 ワークトップ
21 シンク
22 ガスコンロ
31 前部ユニット
32 ラック本体部
33 前部側壁
33a 前部側壁の上縁部
34 前部底壁
35 段差壁
36 孔
37 後端壁
38 金具
41 後壁
42 後部側壁
43 後部底壁
44 ポール部材
45 間仕切り部材
51〜54 パッキン(封止部材)
60 取っ手
61 パネル部材
70 従来の蹴込みライン
80 物品固定部材
111 幕板
112 中段引出しの前板
113 フロアラック11Aの前板
121 上段引出しの前板
122 中段引出しの前板
123 フロアラック12Aの前板
131 上段引出しの前板
132 中段引出しの前板
133 フロアラック13Aの前板(前壁)
W 物品
X 前部空間
Y 後部空間

Claims (4)

  1. フロアに設置される台所用家具であって、前方へ引き出される収納部材が最下部に備えられ、前記収納部材の前壁が、作業者のつま先と干渉しないように、下部を後方へ後退させた傾斜状とされており、
    前記収納部材は、前記前壁と、前部側壁と、前部底壁とを有する前部ユニットを、後壁と、後部側壁と、後部底壁とを有する本体部に結合一体化させた構造であり、
    前記前部ユニットの前記前部底壁は、前記本体部の前記後部底壁よりも低い位置に設けられ、且つ、前記前部底壁と前記後部底壁とをつなぐ段差壁が前記前部ユニットに形成されており、
    前記前部ユニットの収納空間は、少なくとも、その上半部が前記本体部の収納空間から仕切られておらず、前記前部底壁によって区画された前記前部ユニットの収納空間の下端部は、前記後部底壁によって区画された前記本体部の収納空間の下端部よりも低い位置にあることを特徴とする台所用家具。
  2. 前記前壁下部の後退量は、50mm以上、100mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の台所用家具。
  3. 前記前部ユニットの前記前部側壁の上縁部は、その後部を下方へ下げた傾斜状とされていると共に、当該台所用家具の側壁には、前記前部側壁の輪郭に一致させて、上縁部が、後部を下方へ下げた傾斜状とされた切欠きが設けられており、その切欠きの傾斜部に、前記収納部材を当該台所用家具に収容したときに両者の隙間を塞ぐ封止部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の台所用家具。
  4. 前記収納部材の前記前壁の前面に、当該台所用家具の前面から前方へ突出しないように取っ手が設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の台所用家具。
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