JP4587654B2 - レンズバリヤ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラのレンズを保護するレンズバリヤ装置に関し、特に、レンズの光軸方向において作用する外力で光軸回りに回転する駆動リングによりバリヤ羽根を開閉駆動するレンズバリヤ装置に関する。
カメラのレンズ前面を開閉する従来のレンズバリヤ装置としては、開口部を有するベース、ベースの前面に回動自在に支持された駆動リング、駆動リングの前面においてベースに揺動自在に支持された一対のバリヤ羽根等を備えたものが知られている。
この装置においては、駆動リングは、その内周縁と係合する支軸により、ベースに対して回動自在に支持されると共に、その外周縁から光軸方向の後方に向けて延出するように折り曲げて形成されたガイドバー(カム部)を一体的に備えており、ガイドバーが光軸方向において押圧力(外力)を受けると、駆動リングが回転してバリヤ羽根が閉じ、押圧力から解放されるとバネの付勢力により駆動リング逆回転してバリヤ羽根が開くようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
また、他のレンズバリヤ装置としては、最前に位置するレンズを押える押えリング、押えリングに対して回動自在に支持された駆動リング、駆動リングの前方に配置され開口部をもつベース、ベースの前面において揺動自在に支持された一対のバリヤ羽根、バリヤ羽根を覆うように前方に配置された開口部を有するカバー等を備えたものが知られている。
この装置においては、駆動リングは、その外周縁から光軸方向の後方に向けて延出するカム部、ベースを貫通するように光軸方向の前方に向けて伸長しバリヤ羽根に連結された駆動ピンを一体的に備えており、カム部が光軸方向において押圧力(外力)を受けると、駆動リングが回転してバリヤ羽根が閉じ、押圧力から解放されると、バネの付勢力により駆動リングが逆回転してバリヤ羽根が開くようになっている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、内周縁と係合する支軸により回動自在に支持される駆動リングを備えるレンズバリヤ装置においては、ガイドバーが光軸方向において押圧力を受けると、ガイドバーの近傍においてその押圧力を受ける部材が無いため、駆動リングは光軸方向に撓むように押圧され、さらに、駆動リングを介してバリヤ羽根も撓むように押圧される虞がある。
このように、バリヤ羽根あるいは駆動リングが光軸方向において撓みを生じると、バリヤ羽根の開閉動作が円滑に行なわれなくなる。
一方、ベースを境に後方に駆動リングを前方にバリヤ羽根を配置するレンズバリヤ装置においては、カム部に作用する光軸方向の押圧力はバリヤ羽根に直接及ばないものの、光軸方向における駆動ピンの長さが長くなるため、駆動リングからバリヤ羽根に及ぼされる回転駆動力に伝達ロスを生じ、効率の良い駆動動作が得られない。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、光軸方向において作用する外力(例えば押圧力)を回転駆動力に変換する駆動リングでバリヤ羽根を駆動するレンズバリヤ装置において、薄型化、小型化等図りつつ、駆動リング及びバリヤ羽根の外力による撓み等を確実に防止して、円滑な開閉動作が得られるレンズバリヤ装置を提供することにある。
本発明のレンズバリヤ装置は、レンズの光軸方向前方に配置され,開口部,開口部の周りにおいて光軸方向の前方に突出する円筒部,円筒部の径方向外側において貫通孔を画定するベースと、ベースに対して揺動自在に設けられて開口部を開閉するバリヤ羽根と、ベースに対してバリヤ羽根と同一側に配置され,ベースにより光軸回りに回動自在に支持される環状部,環状部から突出しバリヤ羽根の一部に係合する係合部,環状部から光軸方向の後方に向けて突出し貫通孔に通される後方延出部を画定し,後方延出部に対して光軸方向に作用する外力により光軸回りに回転してバリヤ羽根を開閉駆動する駆動リングとを備え、上記駆動リングは、環状部の径方向において後方延出部を挟むように、後方延出部よりも径方向内側に設けられた第1被規制部と、後方延出部よりも径方向外側に設けられた被規制片を有し、上記ベースは、貫通孔を挟む径方向の内側領域に設けられて円筒部から径方向外向きに突出し後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力に拮抗する前方側から第1被規制部に係合する第1規制片と、貫通孔を挟む径方向の外側領域に設けられて第1規制片と略対向するように径方向内向きに突出し後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力に拮抗する前方側から被規制片に係合する第2規制片と、を含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、駆動リングの後方延出部が光軸方向において外力を受けると、駆動リング(環状部)が光軸回りに回動し、駆動リングの係合部がバリヤ羽根の一部に係合して、バリヤ羽根を開閉駆動する。このとき、外力を受ける後方延出部が設けられた領域の環状部は、後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力と拮抗する前方側から、環状部の内周縁部領域に設けられた第1被規制部が第1規制片により規制されかつ環状部の外周縁部領域に設けられた被規制片が第2規制片により規制されている、すなわち、後方延出部が設けられた領域の環状部は、後方延出部(貫通孔)を挟んで径方向の内側及び外側に設けられた二つの規制片により光軸方向の前方側に移動しないように規制されているため、駆動リングが光軸方向に移動する(例えば、位置ずれ、撓み等の変形を生じる)ことはなく、駆動リングは円滑に回動し、バリヤ羽根も変形等を生じることなく円滑に開閉動作を行なう。また、駆動リングが、ベースに対してバリヤ羽根と同一の側に配置されているため、駆動リングの回転駆動力がバリヤ羽根に伝達される際の光軸方向における伝達距離を短くでき、それ故に、バリヤ羽根に曲げ荷重等が加わるのを防止できる。
このように、駆動リングの後方延出部が設けられた領域の環状部の撓み及びそれに起因するバリヤ羽根の変形等を防止して円滑な動作が得られると共に、駆動リング及びバリヤ羽根が共通のベースに支持されているため、駆動リングを専用の部材で支持する場合に比べて、部品点数を削減でき、装置を薄型化、小型化できる。
上記構成において、バリヤ羽根は、ベースに対して揺動自在に支持される被支持部の近傍において、駆動リングの係合部が係合する被係合部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動リングの係合部が、バリヤ羽根の被支持部(揺動支軸)の近傍に設けられた被係合部に係合して開閉駆動力を及ぼすため、バリヤ羽根のうち被支持部から離れた領域(開口部を開閉する領域)には直接駆動力が加わらず、バリヤ羽根の曲げ、撓み等の変形を防止することができる。
上記構成において、第1規制片は、所定の角度間隔をおいて周方向に複数配列して形成され、第2規制片は、複数の第1規制片の少なくとも一つと略対向するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、複数の第1規制片により、駆動リングの環状部は、周方向において略均等に保持され、その傾きが防止される。
上記構成において、駆動リングの環状部は、第1規制片が係合する領域を薄肉に形成した第1被規制部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、薄肉に形成された分だけ、円筒部の長さを短くできるため、光軸方向において装置をより薄型化できる。
上記構成において、第1被規制部は、複数の第1規制片と対応するように周方向に複数形成され、駆動リングの環状部は、周方向において複数の第1被規制部にそれぞれ隣接して形成されかつ対応する第1規制片をそれぞれ光軸方向に挿通し得る複数の切り欠き部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、光軸方向において、各々の切り欠き部を各々の第1規制片に位置合わせしかつ後方延出部を貫通孔に位置合わせした状態で、光軸方向の前方から駆動リングをベースに近づけ、環状部を円筒部に嵌め込むと同時に後方延出部を貫通孔に挿通させた後、各々の第1規制片が対応する各々の第1被規制部と接触するように又第2規制片が環状部の外周縁領域の一部と接触するように、駆動リングを所定角度だけ回転させるだけで、駆動リングをベースに対して回動自在に組付けることができる。
上記のように、本発明のレンズバリヤ装置によれば、光軸方向に作用する外力により光軸回りに回転してバリヤ羽根を開閉駆動する駆動リングを、ベースに対してバリヤ羽根と同一側に回動自在に支持すると共に、駆動リングに対して、環状部の径方向において後方延出部を挟むように、後方延出部よりも径方向内側に第1被規制部及び後方延出部よりも径方向外側に被規制片を設け、ベースに対して、後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力に拮抗する前方側から第1被規制部に係合する第1規制片及び被規制片に係合する第2規制片を設けたことにより、駆動リングの後方延出部が設けられた領域の環状部の撓み及びそれに起因するバリヤ羽根の変形等を防止でき、これにより、円滑な駆動動作及び開閉動作が得られ、又、駆動リング及びバリヤ羽根が共通のベースに支持されているため、駆動リングを専用の部材で支持する場合に比べて、部品点数を削減でき、装置を薄型化、小型化できる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図11は、本発明に係るレンズバリヤ装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の外観斜視図、図2は装置の分解斜視図、図3はベースを示す斜視図、図4は駆動リングを示す斜視図、図5及び図6はバリヤ羽根を示す斜視図、図7は装置の一部断面図、図8及び図9はバリヤ羽根が開口部を開いた状態を示す平面図、図10及び図11はバリヤ羽根が開口部を閉じた状態を示す平面図である。
このレンズバリヤ装置は、図1及び図2に示すように、開口部10aを画定するベース10、ベース10に対して揺動自在に設けられたバリヤ羽根としての第1バリヤ羽根20及び第2バリヤ羽根30、バリヤ羽根20,30を開閉駆動する駆動リング40、バリヤ羽根20,30を覆うようにベース10に連結されると共に開口部50aを画定するカバー50、バリヤ羽根20,30を閉じ方向に付勢する2つのバネ60、バリヤ羽根20,30を開く方向に駆動するように駆動リング40を付勢するバネ70等を備えている。
ベース10は、樹脂材料を用いて、図2及び図3に示すように、円形状の開口部10aを画定するように環状に形成されており、その前面において、開口部10aの内周面を画定すると共に光軸方向Lの前方に向けて突出する円筒部11、バリヤ羽根20,30を摺動自在に案内する円弧状の案内路12、バリヤ羽根20,30を揺動自在に支持する支軸13、円筒部11の外周面から径方向外側に突出して形成された規制部としての4つの第1規制片11a、ベース10を光軸方向Lに貫通する貫通孔14、貫通孔14の縁部近傍において光軸方向Lの前方に向けて突出しかつ貫通孔14側に張り出すように形成された規制部としての第2規制片15等を備えている。
また、ベース10は、バリヤ羽根20,30を付勢するバネ60の一端61を掛止する2つの掛止突起16、駆動リング40を一方向に付勢するバネ70の一端71を掛止する掛止突起17、カバー50を位置決めするためのピン18a、レンズ鏡筒等への取り付けの際に用いる孔18b、カバー50をスナップフィットにより連結するための4つの突起19等を備えている。
駆動リング40は、樹脂材料により形成されており、図2及び図4に示すように、ベース10に対して摺動自在に支持されるべく環状に形成された環状部41、環状部41から光軸方向Lの後方に向けて突出する後方延出部としてのカム部42、環状部41から径方向外側に突出しバリヤ羽根20,30の一部に係合する係合部としての2つの係合片43a,43b、バネ70の他端72を掛止する掛止片44、ベース10への組付け時に規制片11aを通す4つの切り欠き部45、切り欠き部45に隣接して形成され第1規制片11aにより抜け落ちが規制される4つの第1被規制部46、第2規制片15により抜け落ちが規制される1つの被規制片47等を備えている。
ここで、第1被規制部46は、第1規制片11aが係合する領域であり、環状部41の他の領域に比べて薄肉に形成されている。したがって、ベースの円筒部11に駆動リング40の環状部41を嵌め込んで支持する際に、薄肉に形成された分だけ、円筒部11の長さを短くできるため、光軸方向Lにおいて装置をより薄型化できる。
カム部42は、図4に示すように、その先端側にカム面42aを有する。そして、このレンズバリヤ装置が、例えば、カメラのレンズ鏡筒の先端に取り付けられた場合、レンズ鏡筒の沈胴動作に伴なって、カメラ側に設けられた係合突起Pがカム面42aに係合するようになっている。
すなわち、カム部42に対して光軸方向Lに作用する外力(押圧力)が加わることで、その外力(押圧力)がカム面42aのカム作用を介して光軸回りの回転力に変換され、矢印R1方向に付勢するバネ70の付勢力に抗して、駆動リング40が光軸回りの矢印R2方向に回転するようになっている。
ここで、ベース10に形成された複数の第1規制片11aのうち、1つの第1規制片11aと第2規制片15とは、図3及び図7(b)に示すように、貫通孔14を挟む径方向において略対向する位置に形成されている。したがって、カム部42が光軸方向Lから外力(押圧力)Fを受けても、第1規制片11aと第2規制片15とが、カム部42の近傍に形成された駆動リング40の第1被規制部46及び被規制片47を外力Fに拮抗する反対側から押し付けて規制するため、駆動リング40(環状部41)は撓むことなく、平板状に保持された状態を維持する。
第1バリヤ羽根20は、樹脂材料により薄板状に形成されており、図5及び図6に示すように、ベース10の支軸13が通されて揺動自在に支持される被支持部21、被支持部21の近傍において円柱状に形成され駆動リング40の係合片43aが係合する被係合部22、直線状をなす当接端面23、当接端面23と垂直な方向(光軸方向L)に面をもつように連続して形成された対向面24、先端寄りに形成された嵌合凸部25、支軸13に支持される被支持部21寄りに形成された嵌合凹部26、ベース10の案内路12上を摺動する摺動片27等を備えている。
第2バリヤ羽根30は、樹脂材料により薄板状に形成されており、図5及び図6に示すように、ベース10の支軸13が通されて揺動自在に支持される被支持部31、被支持部31の近傍において円柱状に形成され駆動リング40の係合片43bが係合する被係合部32、直線状をなす当接端面33、当接端面33と垂直な方向(光軸方向L)に面をもつように連続して形成された対向面34、先端寄りに形成された嵌合凸部35、支軸13に支持される被支持部31寄りに形成された嵌合凹部36、ベース10の案内路12上を摺動する摺動片37等を備えている。
ここで、図6に示すように、第1バリヤ羽根20と第2バリヤ羽根30とが、お互いに近づいて接合し開口部10a,50aを閉じるとき、第1バリヤ羽根20の嵌合凸部25は、第2バリヤ羽根30の嵌合凹部36に嵌合し、第2バリヤ羽根30の嵌合凸部35は、第1バリヤ羽根20の嵌合凹部26に嵌合する。
また、当接端面23及び対向面24と当接端面33及び対向面34とは、お互いに噛み合うような相補形状になっているため、当接端面23,33同士が当接すると同時に対向面24,34同士が光軸方向Lにおいて接触した状態で対向(当接)する。
したがって、第1バリヤ羽根20と第2バリヤ羽根30とは、閉じ動作において、光軸方向Lにおいて段差を生じないように面一に確実に位置決めされると同時に、開口部10a,50aが確実に遮蔽されて、外部から光又は塵等が侵入するのを防止できる。
また、バリヤ羽根20,30において、駆動リング40の係合片43a,43bが係合する被係合部22,32は、被支持部21,31の近傍に設けられているため、駆動リング40の係合片43a,43bが及ぼす回転駆動力は、被支持部21,31から離れた領域(開口部を開閉する領域)には加わらず、バリヤ羽根20,30の曲げ、撓み等の変形を防止することができる。
カバー50は、図1及び図2に示すように、樹脂材料により円板状に形成されており、その中央部に略矩形状の開口部50a、外周縁から光軸方向Lの後方に向けて延出しベース10の突起19にスナップフィットされる掛止片51、ベース10のピン18aを通す2つの位置決め孔52、ベース10の孔18bに対応する2つの円孔53、支軸13の先端小径部13aが嵌合される2つの円孔54等を備えている。尚、カバー50は、ベース10と協働してバリヤ羽根20,30を収容する羽根室を画定する。
バネ60は、図2及び図7(a)に示すように、捩り式のバネであり、被支持部21,31の周りに配置され、その一端61がベース10の掛止突起16に掛止され、その他端62がバリヤ羽根20,30の被係合部22,32に対して、係合片43a,43bと反対の側から掛止されている。これにより、バネ60は、第1バリヤ羽根20及び第2バリヤ羽根30を閉じ方向に向けて常時付勢している。
上記のように、ベース10、駆動リング40、バリヤ羽根20,30、カバー50等を備える構成において、ベース10の前方側すなわち同一側において、順次に駆動リング40、バリヤ羽根20,30、カバー50が近接して配置されて、ベース10に対して駆動リング40及びバリヤ羽根20,30が回動及び揺動自在に支持されている。
したがって、図7(a)に示すように、駆動リング40の回転駆動力がバリヤ羽根20,30に伝達される際の光軸方向Lにおける伝達距離Dを短くでき、それ故に、バリヤ羽根20,30に曲げ荷重等が加わるのを防止できる。
これにより、駆動リング40及びバリヤ羽根20,30の変形等を防止して円滑な動作が得られると共に、駆動リング40及びバリヤ羽根20,30が共通のベース10に支持されているため、駆動リング40を専用の部材で支持する場合に比べて、部品点数を削減でき、装置を薄型化、小型化できる。
次に、この装置の組付け手順について説明する。先ず、ベース10に対して、図2に示すように、各々の切り欠き部45を各々の第1規制片11aに位置合わせし、かつ、カム部42を貫通孔14に位置合わせした状態で、光軸方向Lの前方から駆動リング40をベース10に近づけ、環状部41を円筒部11に嵌め込むと同時にカム部42を貫通孔14に挿通させる。
そして、駆動リング40がベース10の摺動面10bに当接した時点で、駆動リング40を所定角度だけ時計回り(矢印R2方向)に回転させると、図7(b)に示すように、ベース10の第1規制片11a及び第2規制片15が、駆動リング40の第1被規制部46及び被規制片47に摺動自在に係合して、駆動リング40が光軸方向Lの前方に向けて抜け落ちるのを規制する。これにより、駆動リング40はベース10に対して回動自在に組付けられた状態となる。
続いて、被支持部21,31の外周にバネ60を外嵌させた状態で、光軸方向Lの前方からバリヤ羽根20,30をベース10に近づけて、被支持部21,31にベース10の支軸13を通すと共に、バネ60の一端61を掛止突起16に掛止させ、他端62を被係合部22,32に掛止させる。また、バネ70の一端71をベース10の掛止突起17に掛止させ、他端72を駆動リング40の掛止片44に掛止させる。
その後、カバー50を光軸方向Lの前方からベース10に近づけて、円孔52,54に支軸13の先端小径部13a及びピン18aを通すと共に、掛止片51を突起19に掛止させてスナップフィットにより連結する。これにより、図1に示すようなレンズバリヤ装置の組付けが完了する。
次に、この装置の動作について、図8ないし図11を参照しつつ説明する。尚、説明の便宜上、図8及び図10ではカバー50が省略され(開口部50aのみ二点鎖線で示され)、図9及び図11ではカバー50が省略され(開口部50aのみ二点鎖線で示され)又バリヤ羽根20,30等が二点鎖線で示されている。
先ず、駆動リング40のカム部42が、カメラ側の係合突起P等から押圧力(外力)を受けない状態においては、駆動リング40はバネ70により付勢されて反時計回りの回転端に位置する。このとき、図8及び図9に示すように、第1バリヤ羽根20及び第2バリヤ羽根30は、その被係合部22,32が、バネ60の付勢力に抗しつつ、駆動リング40の係合片43a,43bにより押されて、カバー50の開口部50aを全開する開き位置に位置している。
この状態から、駆動リング40のカム部42がカメラ側の係合突起P等により押圧力(外力)を受けて、駆動リング40がバネ70の付勢力に抗しつつ、所定角度だけ時計回りに回転すると、駆動リング40の係合片43a,43bは、バリヤ羽根20,30の被係合部22,32から後退すると同時に、バネ60の付勢力により、第1バリヤ羽根20及び第2バリヤ羽根30は反時計回りに回転して閉じ動作を行なう。
この閉じ動作において、バリヤ羽根20,30は、それぞれの摺動片27,37が案内路12に沿って案内されるため、光軸方向Lにガタツキ等を生じることはない。その結果、閉じ動作が円滑にかつ安定して行なわれる。
そして、図10及び図11に示すように、第1バリヤ羽根20の嵌合凸部25が第2バリヤ羽根30の嵌合凹部36に嵌合し、第2バリヤ羽根30の嵌合凸部35が第1バリヤ羽根20の嵌合凹部26に嵌合し、さらに、第1バリヤ羽根20の当接端面23が第2バリヤ羽根30の当接端面33に当接し、第1バリヤ羽根20の対向面24が第2バリヤ羽根30の対向面34と接触した状態で対向する。
このように、嵌合凸部25,35が嵌合凹部26,36にそれぞれ勘合することで、第1バリヤ羽根20と第2バリヤ羽根30とは、光軸方向Lにおいて段差を生じることなく面一に位置決めされて開口部50aを閉じた状態となる。また、当接端面23,33同士が当接して確実に遮蔽し、しかも対向面24,34同士が当接端面23,33と垂直な光軸方向Lにおいて対向するため、外部からの光あるいは塵等の侵入が確実に防止される。
上記のように、この装置によれば、駆動リング40の外力を受けるカム部42(後方延出部)近傍の領域が、外力と拮抗する側から規制部としての第1規制片11a及び第2規制片15により規制されているため、駆動リング40が光軸方向Lに位置ずれあるいは撓み等の変形を生じることはなく、駆動リング40は円滑に回動し、バリヤ羽根20,30も変形等を生じることなく円滑に開閉動作を行なう。
また、駆動リング40が、ベース10に対してバリヤ羽根20,30と同一の側に配置されているため、駆動リング40の回転駆動力がバリヤ羽根20,30に伝達される際の伝達距離が短かくなり、バリヤ羽根20,30に曲げ荷重等が加わるのを防止できる。
このように、駆動リング40及びバリヤ羽根20,30の変形等を防止して円滑な動作が得られると共に、駆動リング40及びバリヤ羽根20、30が共通のベース10に支持されているため、部品点数を削減でき、装置を薄型化、小型化できる。
上記実施形態においては、バリヤ羽根として2枚のバリヤ羽根20,30を示したが、これに限定されるものではなく、1枚あるいは3枚以上のバリヤ羽根において本発明の構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、駆動リング40の係合部として径方向の外側に突出する係合片43a,43bを示しかつバリヤ羽根20,30の被係合部22,32として光軸方向Lに突出する円柱状のものを示したが、これに限定されるものではなく、駆動リング40の係合部として光軸方向に突出するピンを採用し、バリヤ羽根20,30の被係合部として、ピンを通す長孔等を採用する構成において、本発明の構成を採用してもよい。
上記実施形態においては、駆動リング40に対して光軸方向Lに作用する外力を及ぼすものとして、カメラ側の係合突起P等を示したが、これに限定されるものではなく、操作者が直接手で光軸方向の外力を及ぼすことにより駆動リングが光軸回りに回動するような構成において、本発明の構成を採用してもよい。
以上述べたように、本発明に係るレンズバリヤ装置は、レンズの前面に配置されてレンズを保護するものであれば、沈胴式のレンズ鏡筒を備えるカメラに限らず、その他のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、銀塩フィルム式カメラ等においても使用することができる。
本発明に係るレンズバリヤ装置の一実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示すレンズバリヤ装置の分解斜視図である。 レンズバリヤ装置の一部をなすベースを示す斜視図である。 レンズバリヤ装置の一部をなす駆動リングを示す斜視図である。 バリヤ羽根が開口部を開いた状態を示す斜視図である。 バリヤ羽根が開口部を閉じた状態を示す斜視図である。 レンズバリヤ装置を構成するベース、駆動リング、バリヤ羽根、カバー等の関係を示すものであり、(a)はバリヤ羽根の被支持部の近傍を示す断面図、(b)は駆動リングのカム部の近傍を示す断面図である。 バリヤ羽根が開口部を開いた状態を示す平面図である。 バリヤ羽根が開口部を開いた状態を示す平面図である。 バリヤ羽根が開口部を閉じた状態を示す平面図である。 バリヤ羽根が開口部を閉じた状態を示す平面図である。
符号の説明
10 ベース
10a 開口部
10b 摺動面
11 円筒部
11a 第1規制片(規制部)
13 支軸
14 貫通孔
15 第2規制片(規制部)
20 第1バリヤ羽根
21 被支持部
22 被係合部(バリヤ羽根の一部)
30 第2バリヤ羽根
31 被支持部
32 被係合部(バリヤ羽根の一部)
40 駆動リング
41 環状部
42 カム部(後方延出部)
43a,43b 係合片(係合部)
45 切り欠き部
46 第1被規制部
47 被規制片
50 カバー
50a 開口部
60,70 バネ
L 光軸方向

Claims (5)

  1. レンズの光軸方向前方に配置され,開口部,前記開口部の周りにおいて光軸方向の前方に突出する円筒部,前記円筒部の径方向外側において貫通孔を画定するベースと、
    前記ベースに対して揺動自在に設けられて前記開口部を開閉するバリヤ羽根と、
    前記ベースに対して前記バリヤ羽根と同一側に配置され,前記ベースにより光軸回りに回動自在に支持される環状部,前記環状部から突出し前記バリヤ羽根の一部に係合する係合部,前記環状部から光軸方向の後方に向けて突出し前記貫通孔に通される後方延出部を画定し,前記後方延出部に対して光軸方向に作用する外力により光軸回りに回転して前記バリヤ羽根を開閉駆動する駆動リングと、を備え、
    前記駆動リングは、前記環状部の径方向において前記後方延出部を挟むように、前記後方延出部よりも径方向内側に設けられた第1被規制部と、前記後方延出部よりも径方向外側に設けられた被規制片を有し、
    前記ベースは、前記貫通孔を挟む径方向の内側領域に設けられて前記円筒部から径方向外向きに突出し前記後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力に拮抗する前方側から前記第1被規制部に係合する第1規制片と、前記貫通孔を挟む径方向の外側領域に設けられて前記第1規制片と略対向するように径方向内向きに突出し前記後方延出部が光軸方向の後方側から受ける外力に拮抗する前方側から前記被規制片に係合する第2規制片と、を含む、
    ことを特徴とするレンズバリヤ装置。
  2. 前記バリヤ羽根は、前記ベースに対して揺動自在に支持される被支持部の近傍において、前記駆動リングの係合部が係合する被係合部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズバリヤ装置。
  3. 前記第1規制片は、所定の角度間隔をおいて周方向に複数配列して形成され、
    前記第2規制片は、前記複数の第1規制片の少なくとも一つと前記貫通孔を挟む径方向において略対向するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズバリヤ装置。
  4. 前記駆動リングの環状部は、前記第1規制片が係合する領域を薄肉に形成した前記第1被規制部を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のレンズバリヤ装置。
  5. 前記第1規制片は、所定の角度間隔をおいて周方向に複数配列して形成され、
    前記第1被規制部は、前記複数の第1規制片と対応するように周方向に複数形成され、
    前記駆動リングの環状部は、周方向において前記複数の第1被規制部にそれぞれ隣接して形成されかつ対応する前記第1規制片をそれぞれ光軸方向に挿通し得る複数の切り欠き部を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のレンズバリヤ装置。
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