JP2006171405A - カメラのレンズバリア装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな部品を追加せずにオーバーチャージ量を吸収できるバリア装置を得ることで低コスト化、薄型化を可能とすると共に、耐久性に富み信頼性に優れた、カメラのバリア装置を得る。
【解決手段】カメラのレンズ鏡胴の前端部に配置される地板1と、地板1に形成された開口部を開閉するバリア部材2と、バリア部材2を開方向に付勢する付勢部材4と、地板1に保持され回動可能なバリア駆動部材3と、を有し、バリア駆動部材3の回動によりバリア部材2を開閉動作させるカメラのレンズバリア装置であって、付勢部材4は、ねじりコイルバネであり、コイル部をバリア部材2と係合させ、一方の端部を地板1に、他方の端部をバリア駆動部材3に張設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影レンズを保護するために、撮影レンズ前方に設けられたカメラのレンズバリア装置に関するものである。
従来より、携帯時等の撮影を行わないときに、撮影レンズ鏡胴の前端部に配置されたバリアを閉鎖し、撮影レンズ保護をおこなうカメラが一般的である。また、このようなバリアは、撮影レンズ鏡胴の沈胴時に機械的に連動して開閉動作がなされるものが一般的である。
レンズ鏡胴の前端部に配置されたバリア装置は、バリアとの係合部を有し回動することによりバリアを閉じさせるバリア駆動部材が設けられており、このバリア駆動部材は、沈胴動作時に係合する係合部材によって回動させられるようになっている。また、バリアは、撮影レンズ鏡胴が繰り出されると、バリア駆動部材と係合部材の係合が解かれるため、付勢部材により開方向に付勢されているのが一般的である。
このような構成の場合、バリア閉時にバリア部材に僅かな隙間を生じたり、がたついたりしないように、バリア駆動リングの駆動ストロークをバリア羽根の作動ストロークより多めに設定する、即ち、バリア駆動リングにオーバーストロークを持たせること(オーバーチャージとも称す)が行われており、このオーバーストロークを吸収する機構について提案がなされている。
このオーバーストロークを吸収する機構に関し、2枚のバリア部材と、このバリア部材に連動連結されたバリア連動板と、このバリア連動板とバリア駆動板とをバネで連結し、バリア駆動板と地板とをバネで連結した構成にして、オーバーストロークを吸収するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、バリア部材に係合し、回動によりバリア部材を駆動する駆動部材の一部を可撓性を有するよう形成し、この可撓性を有する部位でオーバーストロークを吸収するものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−28130号公報 特開平10−62839号公報
上記の特許文献1及び2に記載のバリア装置は、2枚のバリアに対し、使用するバネは2本であり、組み込み工数の削減には効果を奏するものである。
しかしながら、特許文献1に記載のバリア装置は、オーバーチャージの吸収のために光軸回りに回動する部品としてバリア連動板と、バリア駆動板の2部品を要しており、新たな部品の追加によるコスト増の原因となる。更に、板状のバリア連動板と、バリア駆動板を重ねて使用するため、厚みが増加し薄型化には、不利である。
また、特許文献2に記載のバリア装置は、設定されるオーバーストローク量のバラツキを小さくする必要があり、オーバーストローク量の大きいものが発生すると、可撓性を有した部位が弾性限界を超え、塑性変形もしくは亀裂等を生じる恐れがあり、耐久性にやや問題がある。
本発明は上記問題に鑑み、新たな部品を追加せずにオーバーチャージ量を吸収できるバリア装置を得ることで低コスト化、薄型化を可能とすると共に、耐久性に富み信頼性に優れた、カメラのバリア装置を得ることを目的とするものである。
上記の目的は、以下の構成により解決される。
1)カメラのレンズ鏡胴の前端部に配置される地板と、前記地板に形成された開口部を開閉するバリア部材と、前記バリア部材を開方向に付勢する付勢部材と、前記地板に保持され回動可能なバリア駆動部材と、を有し、前記バリア駆動部材の回動により前記バリア部材を開閉動作させるカメラのレンズバリア装置であって、前記付勢部材は、ねじりコイルバネであり、前記ねじりコイルバネのコイル部を前記バリア部材と係合させ、前記ねじりコイルバネの一方の端部を前記地板に、他方の端部を前記バリア駆動部材に張設したことを特徴とするカメラのレンズバリア装置。
2)前記バリア部材は前記地板に形成された支軸に軸支され、前記ねじりコイルバネの一方の端部を前記支軸に張設した1)のカメラのレンズバリア装置。
上記1)の発明によれば、新たな部品を追加せずにオーバーチャージ量を吸収できるバリア装置を得ることができ、これにより低コスト、薄型で、耐久性に富んだ信頼性に優れるカメラのバリア装置を得ることが可能になる。
上記2)の発明によれば、コイル部と支軸に張設する端部の距離が変化せず、このため端部の形状を支軸を取り囲むよう形成することができ、ねじりコイルバネの脱落等の問題を解消したカメラのバリア装置を得ることができる。
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズバリア装置10の分解斜視図である。同図は、レンズ鏡胴の前端部に配置されたレンズバリア装置のみを抜き出し、分解斜視図としたものである。
同図において、1は地板、2はバリア部材、3はバリア駆動部材、4は付勢部材であるねじりコイルバネである。5は沈胴時にバリア駆動部材3に係合してバリア駆動部材3を回動させるよう形成された、係合部材である。
地板1には、撮影光束が通過する開口部1k、2枚のバリア部材2をそれぞれ軸支する支軸となるボス1b、バリア駆動部材3の回動のガイド部であるガイド壁1hが形成されている。ボス1bには、バリア部材2に形成された穴部2hが挿入され、このボス1bを軸としてバリア部材2が回動し、開口部1kを開閉するよう構成されている。バリア部材2には、穴部2hとボス2bが形成されている。バリア駆動部材3の外周部は、地板1のガイド壁1hの内壁に嵌合して組み込まれ、このガイド壁1hにガイドされて回動可能となっている。バリア駆動部材3には、ボス3bと係合部材5と係合するボス3kが形成されている。
付勢部材であるねじりコイルバネ4は、コイル部をバリア部材2と係合させ、ねじりコイルバネ4の一方の端部は地板1に形成されたボス1bに張設し、他方の端部はバリア駆動部材3に形成されたボス3bに張設して、組み立てられる。
また、バリア駆動部材3に形成されたボス3kは、図示しないレンズ鏡胴が繰り出されているときは係合部材5と離間し、沈胴する際にボス3kの側面と、係合部材5に形成された傾斜面5sが係合して、バリア駆動部材3を回動させるようになっている。
以上が、本実施の形態に係るレンズバリア装置の構成である。
以下に、ねじりコイルバネ4の自由時のバネ形状及びレンズバリア装置の開閉作動について説明する。
図2は、付勢部材であるねじりコイルバネ4の自由時のバネ形状の一例を示す図である。同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
同図に示す、ねじりコイルバネ4は、組み込まれた際には、バリア駆動部材の位置に関わらず、常にバリア部材を開方向に付勢するように、同図(a)の正面図に示す2つの端部は、破線で示す、図示左方向に曲げられた状態で組み付けられる。
図3は、本実施の形態に係るレンズバリア装置10の、バリア部材2が開いたときの各部の状態を示す平面図である。この状態は、図示しないレンズ鏡胴が繰り出され、バリア駆動部材3に形成されたボス3kと係合部材5(図1参照)は離間したときのものである。
同図に示すように、バリア部材2が開いたときの各部の状態は、ねじりコイルバネ4のコイル部がバリア部材2のボス2bと係合され、ねじりコイルバネ4の一方の端部を地板1に形成されたバリア部材2の支軸であるボス1b、他方の端部をバリア駆動部材3に形成されたボス3bに張設され、バリア部材2を開方向に付勢するようにねじりコイルバネ4が掛けられている。このため、ボス3kと係合部材5(図1参照)が離間した状態では、ねじりコイルバネ4の付勢力により、バリア駆動部材3はガイド壁1hに形成されたストッパー部1sに当接させられて停止し、ボス1bとボス3bの中間のコイル部は、地板1のボス1bに対し半時計方向に回動し、コイル部で係合するバリア部材2は支軸であるボス1bを中心に開方向に回動して図示の状態となる。これにより、開口部1kを被写体光束が通過できるようになる。
なお、バリア部材2が開状態の時、バリア駆動部材3をガイド壁1hに形成されたストッパー部1sに当接させて停止させる構成で説明したが、地板1に形成したストッパー部1tにバリア部材2が開状態で当接して停止するよう構成し、このときバリア駆動部材3はストッパー部1sと微小な隙間を有して停止するように構成してもよい。
図4は、本実施の形態に係るレンズバリア装置10の、バリア部材2が閉じたときの各部の状態を示す平面図である。
同図は、図3に示した状態から、図示しないレンズ鏡胴が沈胴し、バリア駆動部材3に形成されたボス3kと係合部材5(図1参照)が係合し、これによりボス3kが図示矢印方向に回動させられた状態を示している。
同図に示すように、ボス3kが図示矢印方向に回動させられることにより、ボス3bはねじりコイルバネ4の付勢力に抗して、図示の如く反時計方向に回動させられる。これにより、ボス1bとボス3bの中間のコイル部は、ボス1bに対し時計方向に回動させられ、コイル部で係合するバリア部材2は支軸であるボス1bを中心に閉方向に回動させられ、バリア部材2が相互に当接した閉状態となる。これにより、開口部1kは、バリア部材2により遮蔽される。
この閉状態から、更にバリア駆動部材3のボス3kは係合部材5(図1参照)により破線で示す位置までオーバーチャージされる。このオーバーチャージにより、ボス3bは破線で示す位置まで回動させられる。この実線で示すボス3bの位置から破線で示すボス3bの位置へのオーバーチャージによる回動に際しては、バリア部材2は互いに当接して移動できず、ねじりコイルバネ4が、ボス2bとボス3bの間で変形することで、ボス3bのオーバーチャージ分を吸収することになる。
また、図4に示す閉状態から、図3に示す開状態へは、図示しないレンズ鏡胴が繰り出され、バリア駆動部材3に形成されたボス3kと係合部材5(図1参照)が離間することで、ねじりコイルバネ4の開方向への付勢力により、図3に示す開状態となる。
以上説明したように、付勢部材に、ねじりコイルバネを用い、ねじりコイルバネのコイル部をバリア部材に係合させ、ねじりコイルバネの一方の端部を、バリア部材を支持する地板に張設し、他方の端部をレンズ鏡胴の移動によって回動させられるバリア駆動部材に張設して、バリア部材を開方向に付勢することにより、新たな部品を追加せずにオーバーチャージを吸収できるバリア装置を得ることができ、これにより低コスト、薄型のカメラのバリア装置を得ることが可能になる。
加えて、オーバーチャージを吸収する部材が、バネであるため耐久性に富み、信頼性に優れたカメラのバリア装置とすることが可能になる。
また、バリア部材を支持する支軸に、ねじりコイルバネの一方の端部を張設するようにすることで、コイル部と支軸に張設する端部の距離が変化せず、このため端部の形状を支軸を取り囲むよう形成することができ、ねじりコイルバネの脱落等の問題を解消できる。
なお、上記の実施の形態では、バリア部材を支持する支軸に、ねじりコイルバネの一方の端部を張設したもので説明したが、地板の他の部位にねじりコイルバネの一方の端部を張設したもの等の変形例も本発明を逸脱するものでない。
図5は、ねじりコイルバネの形状のその他の例を示す図である。同図(a)、(b)、(c)に示すように、ねじりコイルバネの形状は、各種の変形例が適用可能である。また、端部は図示しないがストレート、1段曲げ、2段曲げ、フック等を地板及びバリア駆動部材との相対位置関係により適宜選択して適用するのは勿論である。
本発明の実施の形態に係るレンズバリア装置の分解斜視図である。 付勢部材であるねじりコイルバネの自由時のバネ形状の一例を示す図である。 本実施の形態に係るレンズバリア装置の、バリア部材が開いたときの各部の状態を示す平面図である。 本実施の形態に係るレンズバリア装置の、バリア部材が閉じたときの各部の状態を示す平面図である。 ねじりコイルバネの形状のその他の例を示す図である。
符号の説明
1 地板
2 バリア部材
3 バリア駆動部材
4 ねじりコイルバネ
5 係合部材
10 レンズバリア装置

Claims (2)

  1. カメラのレンズ鏡胴の前端部に配置される地板と、前記地板に形成された開口部を開閉するバリア部材と、前記バリア部材を開方向に付勢する付勢部材と、前記地板に保持され回動可能なバリア駆動部材と、を有し、前記バリア駆動部材の回動により前記バリア部材を開閉動作させるカメラのレンズバリア装置であって、
    前記付勢部材は、ねじりコイルバネであり、前記ねじりコイルバネのコイル部を前記バリア部材と係合させ、前記ねじりコイルバネの一方の端部を前記地板に、他方の端部を前記バリア駆動部材に張設したことを特徴とするカメラのレンズバリア装置。
  2. 前記バリア部材は前記地板に形成された支軸に軸支され、前記ねじりコイルバネの一方の端部を前記支軸に張設したことを特徴とする請求項1に記載のカメラのレンズバリア装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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