JP4586449B2 - 曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、優れた曲げ性および伸びフランジ性が要求される自動車用部品の強度部材等に好適な、鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、自動車の構造部品は省資源、省エネルギーの立場から、より減量な部品が求められるようになっている。その一方で、衝突安全性の向上を図るため、引張強度が980MPa以上の超高強度冷延鋼板が補強部材を中心に積極的に活用されている。一般的に、980MPa以上の超高強度冷延鋼板では、絞り成形や張出し成形といった軟鋼板で適用される成形手法は適用できないため、成形手法としては曲げ成形および伸びフランジ成形が主体となる。したがって、自動車の構造部品として超高強度冷延鋼板を用いる場合、良好な曲げ性および伸びフランジ性を備えることが重要となる。
加工性の良い超高強度冷延鋼板として、軟らかいフェライト地に硬質のマルテンサイトを分散させて強度と加工性とを同時に高めたDP鋼 が知られており、広く用いられている。しかし、このDP鋼は、確かに延性は良好であるものの曲げ性は不足し、厳しい曲げ加工を行われて製造される部品には適用できない。
ところで、鋼板の曲げ加工においては、曲げ外周表層部に円周方向に大きな引張応力が、また、曲げ内周表層部に大きな圧縮応力がかかるため、超高強度冷延鋼板の曲げ性には表層部の状態も大きく影響し、表層に軟質層を有することで、曲げ加工時に鋼板表面に生じる引張応力、圧縮応力を緩和し、曲げ性が改善されることがわかっている。このような表層に軟質層を有する高強度鋼板に関しては、特許文献1〜4に以下のような鋼板および製造方法が開示されている。
特許文献1では、曲げ加工性とスポット溶接性を改善することを目的とし、表層を脱炭焼鈍し、表層に10vol%の軟質層と内層に10vol%以上の残留オーステナイトを含む硬質中心層を有する高強度鋼板およびその製造方法が開示されている。
特許文献2には、表層にC:0.1wt%以下の軟質層を両面に3〜15%有し、残部を10%未満の残留オーステナイトと低温変態相あるいはフェライトとの複合組織とする冷延鋼板および製造方法が記載されている。
特許文献3には、表層10μm〜200μmの部分がフェライト主体からなり、内層部分が、ベイナイト、マルテンサイトを主体とする冷延鋼板およびその製造方法が記載されている。
特許文献4には、表層10μm以内を除き、金属組織が実質的にマルテンサイト単相とした、伸びフランジ性に優れた冷延鋼板および製造方法が記載されている。
特開平2-175839号公報 特開平5-195149号公報 特開平10-130782号公報 特開2002-161336号公報
しかしながら、特許文献1では、中心層に残留オーステナイトを10vol%以上も含有させるため、成形時にマルテンサイトを形成し、軟質なフェライトと硬質相の界面でボイドを生成し、亀裂発生、亀裂の伝播が容易に起こるため、伸びフランジ性に悪影響を及ぼすことになる。
また、特許文献2および特許文献3では、脱炭処理により表層軟質層を形成しているが、連続焼鈍で製造するにあたり、炉雰囲気を酸素含有や高露点に制御する必要性があり、脱炭処理操業終了後の次コイル以降でロールピックアップが発生する危険性が考えられる。
特許文献4では、厚さが10μm以内の軟質層が生成することがある、と記載されているが、表層軟質層を積極的に生成させ、生成量を制御し加工性を向上するという技術思想ではないため、曲げ性が不充分である。
また、鋼板を自動車会社でブランキングする場合、クリアランスは変動する可能性があり、この場合、クリアランスの変動に伴い、伸びフランジ性も変動し低下する。また、クリアランスが小さくなった場合には打抜き端面の損傷が大きく、プレス成形する際に割れが発生し、問題となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、ブランキング時のクリアランスが小さい場合でも伸びフランジ性は低下せず、クレアランスの変動に対して伸びフランジ性の変動が少ない、曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究した。その結果、鋼板表層と中心部の組織に着目し、鋼板表層にフェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層を有し、中心部の組織は焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で残部はフェライト相とすることにより、曲げ性および伸びフランジ性が向上することを見出した。さらに、徐冷と急冷とを組み合わせた2段冷却を行った後に連続焼鈍することにより、上記組織を有した超高強度冷延鋼板が得られることも見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]mass%で、C:0.03〜0.2%、Si:0.05〜2%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.005%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、鋼板表層にフェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層を有し、中心部の組織は焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で残部はフェライト相であることを特徴とする曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板。
2]上記[1]において、さらに、mass%で、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%の1種または2種を含有することを特徴とする曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板。
3]上記[1]または上記[2記載の成分組成を有する鋼を溶製し、次いで熱間圧延、酸洗、冷間圧延を行い得られた鋼板を、Ac1点以上950℃以下の温度で再結晶焼鈍し、次いで、ア)鋼板表層を、冷却開始温度550℃以上から、水を噴射することにより5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間で冷却後、イ)100℃以下の冷却停止温度まで、100℃/s〜2000℃/sの冷却速度で冷却の2段冷却を行い、次いで、150〜500℃の温度で焼戻しすることを特徴とする曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべてmass%である。
また、本発明において、超高強度薄鋼板とは、例えば自動車の構造部品として好適な引張強度が980MPa以上の薄鋼板である。
また、本発明において、中心部とは、板厚のt/4〜3t/4の部分を意味する。
本発明によれば、曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板を得ることができる。このように、本発明の鋼板は高強度であり、なおかつ曲げ性及び伸びフランジ性に優れているので、従来、高強度鋼板の適用が困難であった例えば自動車構造部材等の難成形の部材として適用することが可能となる。また、鋼板をブランキングする場合、クリアランスの変動に対して伸びフランジ性の変動は小さく、クリアランスが小さい場合でも伸びフランジ性が低下することはない。ゆえに今まで問題となっていたプレス成形の際の割れ等の問題が解消される。さらに、自動車構造部品として本発明の超高強度冷延鋼板を用いた場合、自動車の軽量化、安全性向上などに寄与し、産業上極めて有益である。
また、家電および建築など厳しい加工性が必要とされる分野でも好適に使用することが可能となる。
本発明の超高強度冷延鋼板は、下記に示す成分に規定し、さらに、鋼板表層にフェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層を有し、中心部の組織は焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で残部はフェライト相の二相組織であることを特徴とする。これらは本発明において最も重要な要件であり、上記のように成分、表層および中心部の組織を最適化することにより、曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板を得ることができる。また、上記超高強度冷延鋼板は、熱間圧延、酸洗、冷間圧延を行い得られた鋼板を、Ac1点以上950℃以下の温度で再結晶焼鈍し、次いで、ア)鋼板表層を冷却開始温度550℃以上から、水を噴射することにより5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間で冷却後、イ)100℃以下の冷却停止温度まで、100℃/s〜2000℃/sの冷却速度で冷却の2段冷却を行い、次いで、150〜500℃の温度で焼戻しすることにより製造が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における鋼の化学成分の限定理由は以下の通りである。
C:0.03〜0.2%
Cは焼入れ組織のマルテンサイト相を強化するために重要な元素である。Cが0.03%未満では強度上昇の効果が不十分となる。一方、Cが0.2%を超えると、良好な溶接性が得られない。以上より、Cは0.03%以上0.2%以下とする。また980MPa以上の強度を得る上では、0.05%以上が好ましい。
Si: 0.05〜2%
Siは、固溶強化元素であって、高強度で高伸びの鋼板を得るために有効な元素であり、本発明では0.05%以上の含有を必要とする。しかし、2%を超えると鋼板表面にSi酸化物を多量に形成し、化成処理性を劣化させる。以上より、Siは0.05%以上2%以下とする。なお、好ましくは0.1%以上1.6%未満である。
Mn: 0.5〜3.0%
Mnは連続焼鈍炉での徐冷帯でフェライト生成を抑制するために重要な元素である。0.5%未満ではその効果が十分でない。一方、3.0%を超えると連続鋳造工程でスラブ割れが発生する。以上より、Mnは0.5%以上3.0%以下とする。なお、好ましくは1.5%以上2.5%以下である。
P:0.1%以下、S:0.01%以下
P、Sは、本発明鋼中では不純物であり、鋼板の加工性を考慮した場合、低いほうが好ましい。このため、Pは0.1%以下、Sは0.01%以下とする。より好ましくは、Pは0.05%以下、Sは0.002%以下とする。
Sol.Al:0.01〜0.1%
Alは鋼の脱酸のため使用されるが、0.01%未満では十分な脱酸効果が得られない。一方、0.1%超えではAl添加の効果が飽和し不経済となる。以上より、Sol.Alは0.01%以上0.1%以下とする。
N:0.005%以下
Nは粗鋼中に含有される不純物であり、素材鋼板の成形性を劣化させるので、可能な限り製鋼工程で除去、低減することが望ましい。しかしながら、Nを必要以上に低減すると精錬コストが上昇するので、Nは実質的に無害となる0.005%以下とする。
本発明の鋼板は、上記の必須添加元素で目的とする特性が得られるが、所望の特性に応じて以下の元素を含有することができる。
Cr:0.01〜1%
Crは鋼板の高強度化のため、必要に応じて添加される。耐食性が改善される等好ましい場合もある。本発明の効果を損なわず、上記効果を得るためには、Crは0.01%以上1%以下で含有することが好ましい。
Mo:0.01〜1%
Moは析出強化元素であるが、多すぎると延性の低下をもたらし、また、価格も高価である。以上の理由から、Moは0.01%以上1%以下で含有することが好ましい。
V:0.05〜0.2%、B:0.0002〜0.002%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%
V、B、Nb、Tiの窒化物生成元素は、強度調整などを目的に、特性、製造性を劣化させない範囲で含有することができる。含有する場合、V:0.05%以上%0.2%以下、B:0.0002%以上0.002%以下、Nb:0.005%以上0.1%以下、Ti:0.005以上0.1%以下で1種または2種以上含有することが好ましい。
なお、上記以外の残部はFe及び不可避不純物からなる。また、本発明では、本発明の作用効果を害さない微量元素として、Cu,Sb,Sn,Mg,REMを0.1%以下の範囲で含有してもよい。
次に、本発明の超高強度冷延鋼板の組織について説明する。本発明の超高強度冷延鋼板の組織は、鋼板表層にフェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層を有し、中心部の組織は焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で残部はフェライト相となる。以下に詳細に説明する。
鋼板表層:フェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層
表層の軟質層の厚さが10μm未満では曲げに対し十分な効果が得られず、また、100μm超えでは強度低下量が大きく、980MPa以上の強度を得るためには多量の合金を添加する必要が出てくる。よって、表層の軟質層の厚さは10μm以上100μm以下とする。なお、表層の軟質層の厚さとは、最表層からフェライト体積率90%のところまでの厚さであり、表層厚さは、120w×10tμm2の領域でのフェライトの体積率を測定し、表層からその値が90%になる場所までの厚さとする。
中心部の組織:焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で、残部はフェライト相の二相組織
焼戻しマルテンサイトの体積率が30%未満の場合、980MPa級の強度を確保するのが難しい。そのため焼戻しマルテンサイト体積率は30%以上とする。そして、残部はフェライト相とする。なお、本発明における中心部の組織は、マルテンサイトとフェライトの二相組織であるが、焼戻しマルテンサイト体積率が100%の場合も本発明の効果を奏する。よって、中心部の組織が焼戻しマルテンサイト体積率100%の場合も本発明では含むものとする。なお、中心部の組織とは、板厚のt/4〜3t/4の部分の組織とし、走査型電子顕微鏡で観察することにより調査し、板厚中央部120W×85tμm2の範囲で、フェライトと焼戻しマルテンサイトの占有面積を求め、それぞれの体積率とした。
次に本発明の製造方法について説明する。
前述の化学成分範囲に調整された溶鋼から、連続鋳造または造塊でスラブを溶製する。次いで、得られたスラブを冷却後再加熱するか、あるいはそのまま熱間圧延を行う。熱間圧延における最終圧延温度は、伸びおよび伸びフランジ性を向上させるためAr3点以上が望ましい。Ar3点より低い最終圧延温度では、最終圧延の段階で二相組織となるためフェライト粒の著しい粗大化が起こり、冷延、焼鈍を行っても加工性の良い鋼板が得られない場合がある。
次いで、酸洗後、冷間圧延により所望の板厚とする。このときの冷間圧延率は、伸びおよび伸びフランジ性を向上させるため50%以上が望ましい。
次いで、上記により得られた鋼板に対して再結晶焼鈍、2段冷却および焼戻処理を行う。特に再結晶焼鈍後の2段冷却は本発明の効果を得るために、最も重要な要件であり、本発明の特徴でもある。以下に製造条件を詳細に説明する。
まず、Ac1点以上950℃以下に均熱保持(再結晶焼鈍)した後、次に行われる2段冷却の開始温度まで冷却する。再結晶焼鈍温度がAc1未満では、高温保持中にオーステナイト相が得られないため、急冷後にマルテンサイト相が得られず、高強度が達成できない。一方、950℃を超えると焼鈍中にオーステナイト粒径が粗大化するため、最終組織が粗大化し、均一微細な組織が得られず、加工性が低下する。均熱保持時間は特に限定しないが、10秒未満では、未溶解炭化物が存在する可能性が高くなり、オーステナイト相の存在量が少なくなる可能性があるため、10秒以上が好ましい。再結晶焼鈍後、急冷開始温度までの冷却は、特に限定されず、例えば、ガスジェット等の手段を用いることができる。
次いで、ア)鋼板表層を、冷却開始温度550℃以上から、水を噴射することにより5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間で冷却後、イ)100℃以下の冷却停止温度まで、100℃/s〜2000℃/sの冷却速度で冷却の2段冷却を行う。一定の冷却速度では、鋼板の組織は鋼板板厚方向に均一となってしまうので、本発明の特徴とする表層と中心部で組織が異なる鋼板を得るためには、まず鋼板表層の水噴射による冷却、次いで鋼板全体の冷却の2段冷却を上記条件で行うことが重要である。
この場合、まず、ア)鋼板表層の温度が550℃以上を冷却開始温度とし、冷却開始温度550℃以上から、水を噴射することにより5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間で鋼板表層を冷却する。冷却開始温度が550℃未満では、第二相が十分にマルテンサイト変態せず、ベイナイトが混在する可能性がある。また、表層の冷却速度が50℃/s超えになるとフェライトの析出が起きず、軟質層が存在しない、もしくはその厚さが非常に薄くなり、本発明の効果が得られない。一方、5℃/s未満では過度にフェライトが生成するため強度が低下する。したがって1段目の冷却における冷却速度は5℃/s以上50℃/s以下とする。冷却時間が5秒超えではやはり過度にフェライトが生成するため強度確保が困難である。0.05秒未満では冷却効果がなく、所望の厚さの表層軟質相が得られない。したがって、1段目の冷却における冷却時間は0.05秒以上5秒以下とする。また、冷却速度を50℃/s以下と低くする設備手段としては、噴流水槽の直前で鋼板表面に水を噴射す
次いで、イ)100℃以下の冷却停止温度まで、100℃/s以上2000℃/s以下の冷却速度で冷却する。2段目の冷却速度が100℃/s未満では、冷却中に過度にフェライトが生成し強度確保が困難となる。冷却速度が100℃/s以上であれば、フェライトの過度の生成を抑制可能であり、容易に所望の強度確保ができる。また冷却速度が100℃/s未満では、マルテンサイト変態が起こらない可能性があり、高強度を得るには合金添加量を多くしなければならない等新たな問題が起きてしまう。一方、2000℃/s超えで効果は飽和し、冷却設備などコスト上の観点から過度に速くする必要性は無い。以上より2段目の冷却における冷却速度は100℃/s以上2000℃/s以下とする。より好ましくは、500〜1000℃/sである。また、冷却停止温度が100℃超えの場合、焼き入れが不十分であり、十分な量の低温変態相が得られない。一方、冷却停止温度は低ければ低いほうが好ましいが、冷却設備などコスト上の観点から過度に低温度にする必要性はなく、10℃程度で十分である。以上より、冷却停止温度は100℃以下、好ましくは10℃以上100℃以下とする。冷却手段については特に限定するものではないが、板幅方向、圧延長手方向の材質変動を抑制するためには、噴流水中に焼入れることが最も望ましい。さらに、この噴流水中の焼入れにより、冷却速度500℃/s以上、冷却停止温度100℃以下の冷却を容易に達成することができる。
2段冷却を実施する場合の一実施態様を図1に示す。図1において、1は鋼板、2はシールロール、3は徐冷スプレー帯、4は噴流水槽、5はシンクロールである。図1によれば、徐冷スプレー帯3で鋼板1の表層に水を噴射することで5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間が達成される。冷却時間は鋼板搬送速度により調節される。その後、噴流水槽4への浸漬により100℃/s〜2000℃/sの冷却速度での2段目の冷却が行われる。噴流設備の無い水槽の場合、鋼板1の表層に生成される蒸気膜のため、冷却速度が低くなるが、高圧で噴流水を吹き付けることでその膜が壊れ、高い冷却速度が可能となる。
次いで、2段冷却後、焼戻処理を行う。ここで、焼戻温度は150℃以上500℃以下とする。焼戻温度が150℃未満ではマルテンサイト相が十分焼戻されず、延性が低い。一方、焼戻温度が500℃超えでは、強度の急激な低下が起こる。引張強度980MPa以上の超高強度冷延鋼板を得るためには、焼戻温度は150℃以上400℃以下が好ましい。
次いで、焼戻処理後、冷却を行う。この時の冷却方法、冷却速度は特に限定しない。
以上より、曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板が得られる。このようにして得られた超高強度冷延鋼板は、ブランキング時のクリアランスが小さい場合でも伸びフランジ性が低下することなく、また、クリアランスが変動した場合でも伸びフランジ性の変動が小さいことを特徴とする。一般に伸びフランジ特性は穴拡げ試験によって評価されることが多く、鉄連規格により、試料に10φの穴を打抜く際、その標準クリアランス範囲は板厚2.0mm未満では12±2.0%、板厚2.0mm以上では12±1.0%と規定されている。そして、クリアランスが狭い場合には、打抜き時のダメージが大きく、伸びフランジ特性は低下することがわかっている。しかし、本発明では、表層にフェライト体積率90%以上で厚さ10〜100μmの軟化層を有することで、打抜き時のダメージが減少し、クリアランスが極小の場合でも特性低下が小さく、クリアランス変動に対する伸びフランジ特性の変動も小さくすることができる。
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で出鋼したものを、それぞれ連続鋳造によりスラブとした後、熱間圧延、酸洗後、板厚1.2mmに冷間圧延し、続いて水焼き入れタイプの連続焼鈍ラインで、表2に示す条件で連続焼鈍を行った。
以上より得られた鋼板に対し、以下に示す各試験を行い、YP(MPa)、TS(MPa)、El(%)、および穴拡げ率λ(%)、曲げ性(限界曲げ半径)を評価した。
引張試験:鋼板の圧延方向に対して直角にJIS5号試験片を切削加工により採取し、JIS Z2241に準拠して行った。
穴拡げ試験:日本鉄鋼連盟規格JFST1001−1996に準拠して行った。
曲げ試験:JIS Z 2248に基づき、圧延方向と垂直に、短冊試験片を切り出し、曲げ半径を変えて180°U曲げを行い、臨界曲げ半径で評価した。
また、表層軟質層厚さ、中心部の組織についても調査した。なお、表層軟質層厚さ、中心部の組織は走査型電子顕微鏡で観察することにより調査した。得られた結果を上記機械特性と併せ、表3に示す。
表3より、本発明例では、強度はTSが980MPa以上と高く、その他の機械的特性にも優れ、曲げ性および伸びフランジ性に優れた超高強度冷延鋼板が得られていることがわかる。
一方、供試材番号Bの比較例は、表層の徐冷時間が長いため、表層軟質層が厚く、強度が低下している。供試材番号Eの比較例は、表層の徐冷を行っていないため、表層軟質層が形成されておらず、伸びフランジ性および曲げ性が劣る。供試材番号Jの比較例は、急冷終了温度が300℃であるために、マルテンサイト変態が十分に行われておらず、伸びフランジ性および曲げ性が劣っている。供試材番号Mの比較例は、C、Mnが高すぎたため、脆化が生じ曲げ性が低下した。供試材番号Nの比較例は、C、Mnが高すぎ、また、焼戻し温度が100℃と低かったため、脆化が生じ曲げ性が低下した、供試材番号Oの比較例は、Mnが低すぎたので、目標強度が得られなかった。
表2に示す本発明例(鋼番号5,供試材番号I)と比較例(鋼番号3、供試材番号E)の鋼板を用いて、クリアランスを変えた場合の打抜き端面のせん断面比率(%)、穴拡げ率λ(%)を評価した。クリアランスは日本鉄鋼連盟規格JFST1001−1996によると12±2%以内とされているが、本試験では4.2〜20.8%まで行った。なお、穴拡げ率λは実施例1と同様の方法で、せん断面比率は打抜き端面観察写真よりせん断面長さを測定し、板厚に対するせん断面長さの比として求めた。
得られた結果を表4に示す。なお、表4におけるクリアランス(%)とは板厚に対するクリアランスの割合である。
表4より、本発明例では、特性への感受性が低い。クリアランスが4.2%と低い場合でも、せん断面比率は39.7%、λは56%と伸びフランジ性が低下することなく良好である。また、クリアランスが4.2%→20.8%と変動したのに対し、せん断面比率の変動幅は0.2%、λの変動は6%と特性の変動が小さい。
一方、比較例では、クリアランスが4.2%と低い場合、せん断面比率は85.6%と高く一部では二次せん断面も現れており、打抜きのダメージが大きくλが低下している。λは44%と低下し伸びフランジ性が低下している。また、クリアランスの4.2%→20.8%変動に対し、せん断面比率の変動幅は49.1%、λの変動は22%と大きく変動している。
自動車構造部品以外の家電および建築など厳しい加工性が必要とされる分野でも好適である。
2段冷却を実施する場合の一実施態様を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 シールロール
3 徐冷スプレー帯
4 噴流水槽
5 シンクロール

Claims (3)

  1. mass%で、C:0.03〜0.2%、Si:0.05〜2%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Sol.Al:0.01〜0.1%、N:0.005%以下を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、鋼板表層にフェライト体積率90%以上で厚さが10〜100μmの軟質層を有し、中心部の組織は焼戻しマルテンサイト体積率が30%以上で残部はフェライト相であることを特徴とする曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板。
  2. さらに、mass%で、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の成分組成を有する鋼を溶製し、次いで熱間圧延、酸洗、冷間圧延を行い得られた鋼板を、Ac1点以上950℃以下の温度で再結晶焼鈍し、次いで、ア)鋼板表層を、冷却開始温度550℃以上から、水を噴射することにより5〜50℃/sの冷却速度、0.05〜5秒の冷却時間で冷却後、イ)100℃以下の冷却停止温度まで、100℃/s〜2000℃/sの冷却速度で冷却の2段冷却を行い、次いで、150〜500℃の温度で焼戻しすることを特徴とする曲げ性および伸びフランジ性に優れる超高強度冷延鋼板の製造方法。
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