JP4640130B2 - 機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、優れた曲げ加工性および伸びフランジ性が要求される自動車用部品の強度部材に好適な、鋼板およびその製造方法に関する。
近年、自動車の構造部品では省資源、省エネルギーの立場から、より軽量化した部品が求められるようになっている。一方では、衝突安全性の向上を図るため、引張強度590MPa超級の高強度鋼板が適用され始めている。また、構造部材は複雑な形状にプレス成形して使用されることが多い。そのため、機械特性にばらつきが生じていた場合、スプリングバッグ等による戻り量が異なり、形状不良が問題となってしまう。
このような現状に対して、機械特性のばらつきは化学成分の変動や、製造条件の変動により発生することが知られており、その低減方法がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1では、予め鋼板の板厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ開始温度、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引張強度の関係を求めておき、対象鋼板の板厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度を考慮して、目標引張強度に応じて焼入れ開始温度を算出し、求めた焼入れ開始温度で焼入れすることで、強度のばらつきを低減する方法が開示されている。
特許文献2では、3%以上の残留γを含む組織を製造するにあたり、均熱後、450〜550℃の温度範囲まで一次冷却し、450〜400℃の温度範囲を、一次冷却速度に比べて小さい冷却速度で二次冷却するという二段冷却方法を採用することで、板幅方向における伸びのばらつきの少ない均質な鋼板が得られるとしている。
また、特許文献3では、SiおよびMnを従来鋼板以上に多量に添加することにより、鋼板の板幅方向の伸び特性のばらつきを低減することが開示されている。
特開2003-277832号公報 特開2000-212684号公報 特開2004-256872号公報
しかしながら、特許文献1では、化学成分に応じて焼入れ温度を変更するため、引張強度のばらつきは低減したとしても、マルテンサイト面積率がコイル間で異なるため、YP、El、λのばらつきは低減しない。
特許文献2に記載の技術はフェライトとベイナイトと残留γの含有鋼を対象とするものであり、鋼組織がフェライトとマルテンサイトを主組織とした二相組織鋼には適用できない。すなわち、フェライトとマルテンサイトからなる組織の鋼板を得る場合とは製造条件が大きく異なる。さらに、伸びばらつき低減については言及されているものの、伸びフランジ性のばらつきが小さい高強度鋼板を製造できることを示唆するものではない。
特許文献3は、フェライトと焼戻しマルテンサイト組織を有する鋼板に関する技術であるが、Si添加量が1.6〜3.0%と多量に添加するため、Siの粒界酸化により表面性状の劣化が問題となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる問題を解決するために鋭意研究した結果、以下の知見を得るに至った。すなわち、Alを0.5〜1.5%添加することにより、焼鈍条件変動による組織変化が小さくなり、伸びおよび伸びフランジ性等の機械特性のばらつきの小さい高加工性高強度冷延鋼板が得られる。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]mass%で、C:0.06〜0.15、Si:0.5〜1.5、Mn:1.5〜3.0、P:≦0.05、S:≦0.01、Al:0.5〜1.5を含有し、さらにA=Si+9×Alで定義するAが6.0≦A≦20.0を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成と、フェライトとマルテンサイトの二相組織で、かつ、フェライトの面積率が40%以上90%以下である組織を有することを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
[2]前記[1]において、さらに、mass%で、Cr:1%以下、Mo:1%以下の1種または2種を含有することを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
[3]前記[1]または[2]において、さらに、mass%で、V:0.05〜0.2%、B:0.0002〜0.002%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%の1種または2種以上を含有することを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成を有する鋼を、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、再結晶焼鈍・焼戻処理を行うに際し、該再結晶焼鈍・焼戻処理を、Ac1以上Ac3以下の温度で10s以上保持し、500〜750℃までを20℃/s以下の冷却速度で冷却し、その後、100℃以下までを100℃/s以上の冷却速度で急冷し、300〜500℃で焼戻しを行うことを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分(組成)を示す%は、すべてmass%である。
また、本発明において、高強度冷延鋼板とは、機械構造部品として好適な引張り強さ(TS)が590Mpa以上の冷延鋼板である。
本発明によれば、機械特性のばらつきの小さい高加工性高強度冷延鋼板を得ることができる。本発明の鋼板は高強度であり、さらに、伸び及び伸びフランジ性に優れ、かつそのばらつきが小さいので、従来、高強度鋼板の適用が困難であった例えば自動車構造部材等の難成形の部材として適用することが可能となる。さらに、自動車構造部材として本発明の高強度冷延鋼板を用いた場合、自動車の軽量化、安全性向上などに寄与し、産業上極めて有益な発明と言える。
以下に、本発明における鋼の化学成分(組成)の限定理由について述べる。
C:0.06〜0.15%
Cは焼入れ組織のマルテンサイトを強化するために重要な元素である。0.06%未満では強度上昇の効果が不十分となる。一方、Cが0.15%を超えると溶接性が劣化する。以上より、Cは0.06%以上0.15%以下とする。
Si:0.5〜1.5%
Siは、高強度で高伸びの鋼板を得るために有効な元素であり、また、ばらつき低減を推進する上でも極めて重要である。このような効果を有効に発揮させるには0.5%以上添加することが好ましい。0.5未満では本発明効果を有効に発揮できない。一方、Siを多量添加した場合、鋼板表面にSi酸化物を多量に形成し化成処理性が劣化し、粒界酸化により表面性状が劣化する。よって、Siは0.5%以上1.5%以下とする。
Mn:1.5〜3.0%
Mnは、高強度を安定して確保する上で有用な元素である。このような効果を得るためには1.5%以上添加する。一方、3.0%を超えると連続鋳造工程でスラブ割れが発生する。以上より、Mnは0.5%以上3.0%以下とする。
P:0.05%以下
Pは、旧オーステナイト粒界に偏析して低温靭性を劣化させるとともに、鋼中で偏析する傾向が強く、鋼板の加工性を低下させることから、極力低減することが好ましい。このため、Pは0.05%以下とする。
S:0.01%以下
Sは本発明鋼中では不純物であり、旧オーステナイト粒界に偏析、もしくはMnSを多量に含有する場合、低温靭性を低下させ、鋼板の加工性も低下させるため、低いほうが好ましい。このため、Sは0.01%以下とする。
Al:0.5〜1.5%
Alは本発明において最も重要な元素である。脱酸剤として有用であり、炭化物の生成を抑制する効果もある。また、Ac3点を大幅に高める効果もあり、この効果は本発明のばらつき低減を推進する上で極めて重要となる。このような効果を有効に発揮させるには0.5%以上添加することが好ましい。一方、1.5%を超えて過剰に添加すると、鋼の製造費用が上昇するのみならず、表面性状が劣化する。以上より、Alは0.5%以上1.5%以下とする。
A=Si+9×Al:6.0〜20.0
AはA=Si+9×Alで定義され、本発明において重要な要件である。Aが6.0未満になると、強度の安定性が低下する。また、20.0を超えると合金コストが高くなるだけでなく、鋼の表面性状も劣化する。よって、Aは6.0以上20.0以下とする。
以上の必須添加元素で、本発明鋼は目的とする特性が得られるが、上記の必須添加元素に加えて、所望の特性に応じて以下の元素を含有することができる。
Cr:1%以下、Mo:1%以下の1種または2種
Cr:1%以下
Crは鋼板の高強度化のため、必要に応じて添加される。耐食性が改善される等好ましい場合もある。本発明の効果を損なわず、上記効果を得るためには、Crは1%以下の含有量で添加することが好ましい。
Mo:1%以下
Moは析出強化元素であるが、多すぎると延性の低下をもたらし、また、価格も高価である。よって、添加する場合、Moは1%以下とする。
V:0.05〜0.2%、B:0.0002〜0.002%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%
V、B、Nb、Tiの窒化物生成元素は、強度調整などを目的に、特性、製造性を劣化させない範囲で含有することができ、この場合、V:0.05%以上%0.2%以下、B:0.0002%以上0.002%以下、Nb:0.005%以上0.1%以下、Ti:0.005以上0.1%以下の含有量で1種または2種以上添加されることが好ましい。
なお、上記以外の残部は鉄および不可避的不純物からなる。不可避的不純物として、例えば、Oは非金属介在物を形成し品質に悪影響を及ぼすため、0.003%以下に低減するのが望ましい。また、本発明では、本発明の作用効果を害さない不純物元素として、Cu、Ni、W、Zr、Sn、Sbを0.1%以下の範囲で含有してもよい。
次に本発明の高強度冷延鋼板の金属組織の限定理由について説明する。
まず、本発明の高強度冷延鋼板は強度と加工性を同時に高めることに有利なフェライトとマルテンサイトの二相組織とする。
また、フェライトの面積率は40〜90%とする。フェライトの面積率が40%未満の場合、伸び特性が劣る。一方、90%を超えた場合、引張強度が590MPaを達成することが困難となる。フェライトの面積率を40%以上90%以下とすることで、高強度を確保できしかも伸びと伸びフランジ性が向上する。残部は基本的にマルテンサイトとするが、本発明の効果を害しない範囲でたとえば残留オーステナイト、ベイナイト等が10%以下混在することは許容される。
次に本発明の高強度冷延鋼板の製造方法について説明する。
以上の化学成分範囲に調整された溶鋼から、連続鋳造または造塊でスラブを溶製する。次いで、得られたスラブを冷却後再加熱するか、あるいはそのまま熱間圧延を行う。熱間圧延における最終圧延温度は、伸びおよび伸びフランジ性を向上させるためAr3点以上が望ましい。Ar3点より低い最終圧延温度では、最終圧延の段階で二相組織となるためフェライト粒の著しい粗大化が起こり、冷延、焼鈍を行っても加工性の良い鋼板が得られない場合がある。
次いで、上記により得られた熱延板を冷却し巻取る。巻取り温度は伸びおよび伸びフランジ性を向上させるため、620℃以下が望ましい。
次いで、酸洗、冷間圧延し、所望の板厚とする。このときの冷間圧延率は、伸びおよび伸びフランジ性を向上させるため50%以上が望ましい。
次に、上記により得られた冷延鋼板に対して再結晶焼鈍・焼戻処理を行う。
本発明では、フェライト相とマルテンサイト相の二相組織とし、フェライトの面積率を40%以上90%以下とすることを特徴とする。そのために、再結晶焼鈍および焼戻処理は、上記組織とするために、Ac1点以上Ac3点以下の温度で10s以上保持し、500〜750℃までを20℃/s以下の冷却速度で冷却し、その後、100℃以下までを100℃/s以上の冷却速度で急冷し、300〜500℃で焼戻処理を行うこととする。これは、本発明の製造条件として、最も重要な要件である。以下、1)〜3)に詳細に説明する。
1)Ac1点以上Ac3点以下の温度で10s以上保持した後、500〜750℃(急冷開始温度)までを20℃/s以下の冷却速度で冷却する。再結晶焼鈍温度がAc1未満では、高温保持中にオーステナイト相が得られないため、急冷後にマルテンサイト相が得られず、高強度が達成できない。一方、Ac3点超えでは、急冷後の組織において、粗大なマルテンサイトが混在し特性が劣化する。また、保持時間が10秒未満では、未溶解炭化物が存在する可能性が高くなり、オーステナイト相の存在量が少なくなる可能性がある。また、500〜750℃(急冷開始温度)までの冷却速度が20℃/s超えではフェライト相生成量の制御が困難となり、最終製品としての機械特性のばらつきが大きくなるため、20℃/s以下とする。なお、保持後、急冷開始温度までの冷却は、例えば、ガスジェット等の手段を用いることができ、通常の方法で行うことができる。
従来、急冷開始温度は、コイル間で板厚変動がある場合は大きく変化し、機械特性のばらつき因子の一つであった。そして、急冷開始温度が大きく変化した部位の機械特性は、コイル内の平均機械特性値と大きく異なるため、その部位のトリムが必要となり、歩留りを低下させていた。しかし、本発明鋼では、AlとSiを適量添加することにより、Ac1温度とAc3温度幅が大きくなり、急冷開始温度が変化した場合でも組織変化が小さく、機械特性ばらつきも小さくすることが可能となる。
2)急冷開始温度から100℃以下まで100℃/s以上の冷却速度で急冷する。冷却速度が100℃/s未満では、パーライトやベイナイトの析出、またマルテンサイト変態が起こらない可能性があり、高強度を得るには合金添加量を多くしなければならない等新たな問題が起きてしまう。また、十分にマルテンサイト相を得るため、急冷は100℃以下まで行うものとする。
また、急冷開始温度は500℃以上750℃以下とする。500℃未満では、第二相が十分にマルテンサイト変態せず、ベイナイトが混在する可能性がある。一方、750℃超えではマルテンサイト面積率が高くなり加工性が低下するため、750℃以下とする。
急冷の方法としては、板幅方向での温度ムラを少なくし、安易に冷却速度を確保できる点で水冷が好ましい。しかし、急冷方法は、水冷に限定されるわけではなく、ガスジェット冷却、ミスト冷却、ロール冷却などを単独または併用して用いることも可能である。
3)焼戻処理を行う。この時の焼戻処理温度は300℃以上500℃以下とする。焼戻温度が300℃未満ではマルテンサイト相が十分焼戻されず、延性が低い。一方、焼戻温度が500℃超えでは、強度の急激な低下が起こり、安定して高強度を得ることが困難となる。
以上のように規定した範囲内で再結晶焼鈍・焼戻処理を行うことにより、本発明の高強度冷延鋼板の組織はフェライトとマルテンサイトの二相組織とし、フェライトの面積率は40〜90%を有することとなり、機械特性のばらつきが小さく、加工性に優れた高強度鋼板が得られることになる。
表1に示す化学組成を有する鋼スラブを連続鋳造により製造し、1250℃にスラブを再加熱後、板厚2.8mmまで熱間圧延を行った。熱間圧延は仕上げ温度850〜900℃、巻取り温度500〜600℃で行った。次いで、酸洗、冷間圧延し、板厚1.2mmの冷延鋼板を得た。得られた冷延鋼板に対して、連続焼鈍炉により再結晶焼鈍し、水焼入れにて急冷し、フェライト相を有する複合組織鋼を得た後、焼戻処理を行った。なお、この時の条件を表2に示す。次いで、上記により得られた冷延焼鈍板について、組織、引張特性、穴拡げ率を調査した。それぞれの測定方法、および条件は以下の通りである。また、得られた結果を条件と併せて表2に示す。
組織は、板厚1/4位置にて、研磨、ナイタールエッチング後、SEM観察し、画像処理によりフェライト分率を測定した。
引張試験はJIS 2241に準拠して、圧延方向を長手方向として採取したJIS5号試験片を用いて行った。穴拡げ試験は、鉄連規格JFST1001に準拠して実施した。
Figure 0004640130
Figure 0004640130
表2より、No.3〜4、7〜16、23〜26、33〜34は本発明の要件を満足する実施例である。急冷開始温度が700℃と600℃における機械特性値の差を表2に明記しているが、いずれの実施例もΔTSが100MPa以下であり、ΔElも3.0%以内と機械特性のばらつきが抑制された均質な冷延鋼板が得られていることがわかる。本実施例では急冷開始温度700℃と600℃の場合を用いて比較を行っているが、実際の操業においては、急冷開始温度の変動範囲は目標温度に対し±30℃以下であるため、製造時のコイル内での機械特性変動はさらに小さいといえる。
一方、本発明の要件を満足しない比較例は、それぞれ以下の様な不具合を有している。比較例No.1〜2、5〜6、17〜18は急冷開始温度が700℃の場合にフェライト分率が40%未満であり、延性が劣っている。また、ΔTSが100Mpa超えであり、ΔElが3.0%超えと機械特性のばらつきが大きい。
比較例19〜20、27〜28、29〜30、35〜36では、ΔTSが100Mpa超えであり、ΔElが3.0%超えと機械特性のばらつきが大きい。
比較例21〜22、31〜32ではAlが多量添加されており、高い残留γ分率起因と考えられる穴広げ特性が劣っている。
本発明の超高強度冷延鋼板は、優れた伸びおよび伸びフランジ性を有し、かつ、特性ばらつきも小さいため、厳しい伸びおよび伸びフランジ加工部に適用することができ、自動車用はもとより、家電および建築など厳しい加工性が必要とされる分野に好適に使用される。

Claims (4)

  1. mass%で、C:0.06〜0.15、Si:0.5〜1.5、Mn:1.5〜3.0、P:≦0.05、S:≦0.01、Al:0.5〜1.5を含有し、さらにA=Si+9×Alで定義するAが6.0≦A≦20.0を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成と、
    フェライトとマルテンサイトの二相組織で、かつ、フェライトの面積率が40%以上90%以下である組織を有することを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
  2. さらに、mass%で、Cr:1%以下、Mo:1%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
  3. さらに、mass%で、V:0.05〜0.2%、B:0.0002〜0.002%、Nb:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜0.1%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成を有する鋼を、熱間圧延、次いで冷間圧延を施した後、再結晶焼鈍・焼戻処理を行うに際し、
    該再結晶焼鈍・焼戻処理を、Ac1以上Ac3以下の温度で10s以上保持し、500〜750℃までを20℃/s以下の冷却速度で冷却し、その後、100℃以下までを100℃/s以上の冷却速度で急冷し、300〜500℃で焼戻しを行うことを特徴とする機械特性ばらつきの小さい高強度冷延鋼板の製造方法。
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