JP2007092154A - 加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板間の降伏強さ(降伏点)YPの変動幅を180MPa以下として製造できる、加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】C、Si、Mn、Al、Nを適正範囲に調整した同一溶製目標組成で、C、Si、Mn含有量の変動量が、ΔC:0〜0.02%、ΔSi:0〜0.2%、ΔMn:0〜0.2%を満足する鋼素材に、巻取温度:400〜700℃とする熱間圧延工程と、酸洗工程、冷間圧延工程と、水冷却の水冷却開始温度の変動量が0〜10℃となるように調整した連続焼鈍とする焼鈍工程と、熱処理温度:100〜500℃とする熱処理工程と、圧下率を0.05〜1.6%とし、かつその変動量が0〜0.4%となるように調整した調質圧延工程を順次施して複数の冷延鋼板を製造する。これにより、鋼板間の降伏強さの変動量が180MPa以内となる、加工性に優れた超高強度冷延鋼板とすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、厳しい形状にプレス成形される自動車部品用として好適な、加工性に優れた超高強度冷延鋼板に係り、とくに成形後の部品寸法精度の変動低減に関する。なお、鋼板には鋼帯をも含むものとする。
近年、地球環境保全の観点から自動車の燃費向上のために自動車車体の軽量化が指向され、自動車部品用として高強度鋼板の適用が進められている。さらに、最近では自動車車体の衝突安全性確保の観点から、高強度鋼板の適用が検討されている。高強度鋼板を自動車部品用に適用するに当り、高強度鋼板には、加工性に優れることに加えて、さらに成形後の部品寸法精度に優れることや、部品単位ごとの寸法の変動が少ないことが求められている。成形後に所望の寸法精度が得られない場合や部品単位ごとに寸法変動が大きくなる場合には、自動車の組立て工程で建て付け不良、溶接不良等の重大な不具合が発生する恐れがあり、また自動車の生産効率低下の要因ともなる。
寸法精度の不良原因としては、素材(鋼板)の材料特性の変動や部品成形条件の変動が要因として挙げられる。このため、とくに、素材(鋼板)には、高強度と高加工性とを具備したうえ、部品素材となる鋼板間で材料特性の変動が少ないことが強く要望されている。部品の寸法変動は、成形時の壁反り、開き量などスプリングバック挙動によるものが主であり、部品寸法変動の低減の観点からは、素材となる鋼板間でスプリングバック挙動に大きく影響する降伏強さ(降伏点)の変動が少ないことが重要となる。とくに、部品を量産する場合には、部品素材として使用する鋼板間の降伏強さの変動を小さくすることが要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、連続焼鈍による超高強度冷延鋼板の製造方法が開示されている。特許文献1に記載された技術は、C、Mn、Si、Alを適正範囲に調整するとともに、Nb、Ti、Vの1種または2種以上を合計で0.01〜0.20%含有する組成の鋼を、熱延、冷延後、連続焼鈍設備で800〜870℃の温度での総計が10〜300sとなるように保つ焼鈍を行った後、水焼入れし、ついで300℃以下の温度で10〜600s焼戻す超高強度冷延鋼板の製造方法であり、製造条件によって大きく生成量が変動しやすい低温変態相(マルテンサイト)による変態強化の寄与を少なくし、その分、析出強化により強度を補うものである。これにより、引張強さ80kgf/mm(780MPa)以上の超高強度冷延鋼板を強度ばらつきの少ない状態で製造することができるとしている。しかし、特許文献1に記載された技術で製造された鋼板は、熱処理条件によって析出物の大きさ、析出量、分布状況が大きく変動するため、鋼板間の降伏強さの変動を最小とするためには、熱処理条件の厳密な制御を必要とし、実操業ではかなりの困難を伴うという問題があった。
また、特許文献2には、強度変動の極めて小さい高強度冷延鋼板の製造方法が提案されている。特許文献2に記載された技術は、連続焼鈍において、予め、引張強さ、板厚、炭素当量、水焼入れ開始温度との間に成り立つ関係式を求め、実測の出鋼成分、板厚、目標強度を用いて、該関係式から求まる水焼入れ開始温度から水焼入れする、水焼入れ方式の連続焼鈍法による高強度冷延鋼板の製造方法である。特許文献2に記載された技術によれば、高価な合金元素を添加することなく、簡便に強度ばらつきの少ない高強度冷延鋼板を製造できるとしている。しかし、特許文献2に記載された技術では、引張強さのバラツキを抑制することを目的としており、加工性に大きく影響する降伏強さ(降伏点)のバラツキについては何の考慮も成されておらず、成形後の部品毎の寸法精度変動を低減するまでに至っていないという問題があった。
また、特許文献3には、加工性の優れた降伏強さ84kgf/mm(820MPa)以上の超高強度薄鋼板の製造方法が開示されている。特許文献3に記載され技術は、C、Mn、Si、Alを適正範囲に調整するとともに、Nb、Tiのいずれかまたは両方を合計で0.05%以上含有する鋳片スラブを仕上温度:850℃以上、巻取り温度:500〜650℃の条件で熱間圧延したのち、5〜40%の圧下率で冷間圧延して、超高強度薄鋼板を製造する方法である。これにより、コイル全長に亘って均一な材質を有する経済的な、加工性に優れた超高強度薄鋼板が得られるとしている。しかし、特許文献3に記載された技術で製造された超高強度鋼板は、冷間加工のみを付与された鋼板であり、延性に乏しく加工性に優れる鋼板とは言い難いうえ、最終製品板厚の制約上、鋼板間の材料特性の変動、とくに降伏強さの変動を小さくすることには実操業上かなりの困難を伴うという問題があった。
また、特許文献4には、超高張力鋼板の製造方法が開示されている。特許文献4に記載された技術は、C、Si、Mn、さらにはP、S、Alを適正範囲に調整した鋼に、Ar変態点以上の仕上温度で、600〜700℃の温度域で巻き取る熱間圧延を行ったのち、酸洗、冷間圧延を行い、800〜900℃の温度域に20〜200s間保持する連続焼鈍を行ってから冷却し、430℃以下の温度域で60〜600s間保持する過時効処理を行い、引張強さが980N/mm以上の超高張力鋼板を製造する製造方法であり、これにより、良好な曲げ性を有する超高張力冷延鋼板とすることができるとしている。しかし、特許文献4に記載された技術では、寸法精度に大きく影響する降伏強さ(降伏点)のバラツキについては何の考慮も成されておらず、成形後の部品毎の寸法精度変動を低減するまでに至っていないという問題があった。
特公平02−35013号公報 特開2000−192137号公報 特開昭58−107225号公報 特許第2621744号公報
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、加工性に優れた超高強度冷延鋼板を、鋼板間の降伏強さ(降伏点)の変動幅を180MPa以下として製造できる、成形後に部品毎の寸法精度変動の低減が可能な、加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。なお、本発明でいう「超高強度冷延鋼板」とは、780MPa以上の引張強さを有する冷延鋼板を言うものとする。また、本発明でいう「加工性に優れた」とは、伸び:18%以上の延性、または穴拡げ率λ:50%以上の伸びフランジ性を有する場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した課題を達成するため、降伏強さの変動に影響する各種要因の影響、とくに鋼素材の組成と連続焼鈍処理条件の影響に着目して鋭意考究した。その結果、使用する鋼素材として、同一溶製目標組成で、かつ特定成分の含有量の変動量が所定範囲内である鋼素材を選択し、これら鋼素材に熱間圧延、酸洗、冷間圧延を施し冷延板としたのち、冷延板に特定条件の連続焼鈍を施し冷延焼鈍板とすると共に、該冷延焼鈍板に、適正な圧下率で、かつ圧下率の変動量が適正範囲の調質圧延を施すことにより、加工性に優れた超高強度冷延鋼板を、鋼板間の降伏強さの変動幅を180MPa以内として製造することが可能であるという知見を得た。
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)複数の鋼素材に、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、焼鈍工程、熱処理工程および調質圧延工程を順次施して複数の冷延鋼板を製造するに当り、前記複数の鋼素材として、質量%で、C:0.05〜0.18%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Al:0.001%超0.08%以下、N:0.0010〜0.0080%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、溶製目標組成が同一で、かつC、Si、Mn含有量の変動量が、ΔC:0〜0.02質量%、ΔSi:0〜0.2質量%、ΔMn:0〜0.2質量%を満足する組成を有する複数の鋼素材を選択し、前記熱間圧延工程が、巻取り温度:400〜700℃とする熱間圧延とし、前記焼鈍工程が、焼鈍温度:760〜860℃、保持時間:10〜1000sの条件で加熱し、水冷却開始温度:550〜750℃、冷却速度:500℃/s以上の条件で水冷却する連続焼鈍であり、該水冷却開始温度の変動量が0〜10℃となるように調整するとともに、前記熱処理工程が、熱処理温度:100〜500℃、熱処理時間:100〜1400sの条件で行う熱処理であり、前記調質圧延工程の圧下率が0.05〜1.6%で、かつ該圧下率の変動量が0〜0.4%となるように調整して、複数の冷延鋼板とし、該複数の鋼板間の降伏強さの変動量が180MPa以内であることを特徴とする、平均結晶粒径が5μm以下のフェライト相を体積率で30〜70%含み、残部が低温変態相からなる組織を有する、加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする超高強度冷延鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、Cr:1%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする超高強度冷延鋼板の製造方法。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.005%以下を含有することを特徴とする超高強度冷延鋼板の製造方法。
本発明によれば、自動車部品用として好適な、780MPa以上の引張強さと、伸び:18%以上の延性、または穴拡げ率λ:50%以上の伸びフランジ性を有する、加工性に優れた超高強度冷延鋼板を容易にしかも、鋼板間の降伏強さの変動幅が180MPa以下となる、降伏強さのバラツキを少なく製造でき、産業上格段の効果を奏する。本発明によれば、自動車部品を寸法精度バラツキ少なく製造できるという効果がある。また、本発明の超高強度冷延鋼板は、自動車部品用以外にも、家電用、建築用として好適であり、厳しい寸法精度や優れた加工性が要求される使途に適用できる。
まず、本発明で使用する鋼素材(スラブ)の組成限定理由について説明する。以下、組成における質量%は単に%と記す。本発明で使用する鋼素材は、C:0.05〜0.18%、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.5〜2.5%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Al:0.001%超0.08%以下、N:0.001〜0.0080%を含有し、あるいはさらに、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、Cr:1%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca:0.005%以下、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材(スラブ)とする。
C:0.05〜0.18%
Cは、鋼を強化する作用を有し、とくに低温変態相の強度を増加させる元素であり、低温変態相を利用して強度を高め、引張強さ:780MPa以上を確保する本発明では、0.05%以上の含有を必要とする。Cが0.05%未満では所望の強度を確保することができない。一方、0.18%を超える含有は、スポット溶接性が劣化するとともに、低温変態相が過度に硬質化し延性、成形性が低下する傾向となる。このため、Cは、0.05〜0.18%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.06〜0.14%である。
Si:0.01〜2.0%
Siは、固溶して鋼の強化に寄与する元素であり、このような効果は0.01%以上の含有で認められる。一方、2.0%を超える過度の含有は、フェライト相の延性を低下させるとともに、熱延時に難剥離性のスケールを生成し、鋼板の表面性状を劣化させる。また、Siは、鋼板表面、結晶粒界に偏析、濃化するため、化学的に不活性な鋼板表面で局所的にSiが高濃度に偏析した部位や、酸化物が生成した部位が点在する場合がある。このため、化成処理薬液中に浸漬した際に、化成結晶の核生成を阻害しその後の塗装後耐食性が低下する。このようなことから、Siは0.01〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜1.5%である。
Mn:0.5〜2.5%
Mnは、鋼の焼入れ性を向上し、硬質な低温変態相の形成を介して強度向上に寄与する作用を有する元素である。また、MnはMnSを形成し、FeSの生成を防止することにより、熱間割れの防止にも寄与する。このような効果は0.5%以上の含有で認められる。一方、2.5%を超える過度の含有は、Mnの偏析を助長し、Mn偏析に起因する部分的に変態点が異なる組織の形成を促進し、フェライト相と低温変態相とが層状に分布した不均一組織を形成して、延性を低下させる。このため、Mnは0.5〜2.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.2〜2.3%である。
P:0.05%以下
Pは、固溶して鋼の強度を増加させる作用を有するが、一方では結晶粒界に偏析し、粒界結合力を低下させ、さらにはスポット溶接性を低下させる作用を有する元素であり、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、0.05%までは許容できる。このようなことから、Pは0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.02%以下である。また、過度の低減は、精錬工程におけるコストを増加させるため、0.001%以上とすることが好ましい。
S:0.005%以下
Sは、鋼中では主としてMnS(介在物)として存在し、圧延により圧延方向に長く延びた介在物となりやすく、鋼板の極限変形能を低下させて成形性を劣化させる。そのため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.005%までは許容できる。このようなことから、Sは0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.0030%以下である。また、過度の低減は、精錬工程におけるコストを増加させるため、0.0001%以上とすることが好ましい。
Al:0.001%超0.08%以下
Alは、製鋼工程で脱酸剤として有効に作用するとともに、局部伸びを低下させる非金属介在物をスラグ中に分離移行させる有効な元素である。このような効果は0.001%を超える含有で顕著に認められる。一方、0.08%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Alは0.001%超0.08%以下の範囲に限定した。なお、この好ましくは0.01〜0.05%である。
N: 0.0010〜0.0080%
Nは、窒化物を形成し、スラブの表面割れを抑制する作用を有する元素であり、このような効果は0.0010%以上の含有で認められる。一方、0.0080%を超えて含有しても、効果が飽和する傾向となる。このため、Nは0.0010〜0.0080%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.0010〜0.0060%である。
本発明では、上記した成分を基本成分とし、さらに必要に応じて次に示す元素を選択して単独または複合して含有できる。
Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、Nb、Vはいずれも、窒化物、炭化物、あるいは炭窒化物を形成し、結晶粒微細化に寄与し、組織を均一化して成形性を向上させる元素であり、必要に応じ選択して1種または2種以上を含有できる。
Tiは、炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成し、結晶粒微細化による組織の均一化に寄与し、成形性を向上させる作用を有する。また、Tiは、スラブ冷却時に高温で炭窒化物、硫化物として析出し、比較的低温で生成するAlNや粒界に生成するNb炭化物、V炭化物の析出を抑制し、スラブ表面割れを防止する作用も有する。このような効果は0.001%以上の含有で顕著となるため、含有する場合には0.001%以上とすることがより好ましい。一方、0.5%を超えて過度に含有すると、フェライト相中に過度に炭窒化物等が析出しフェライト相の延性を低下させる。さらに、過度な含有は、冷延焼鈍中にオーステナイト相へ濃化すべき炭素量が低減し、最終的に得られる残留オーステナイト量を低下させる。このようなことから、含有する場合には、Tiは0.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.2%である。
Nb、Vは、Tiと同様に、炭化物、窒化物、あるいは窒炭化物を形成し、連続焼鈍時の加熱段階でフェライト相の成長を抑制し、組織を微細均一化して、穴拡げ率を増加させ伸びフランジ性を著しく向上させるのに有効に作用する。このような効果は、Nb、Vとも、0.001%以上の含有で顕著に認められ、含有する場合には0.001%以上とすることがより好ましい。一方、Nb、Vの、0.5%を超える過度の含有は、降伏強さが増加し、加工性が低下するとともに、スラブ表面割れの発生が多発する。このようなことから、含有する場合には、Nb、Vともに、0.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくはNb、Vともに、0.001〜0.02%である。
Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、Cr:1%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Ni、Mo、Cr、Bはいずれも、焼入れ性向上を介して低温変態相の生成を促進し、強度向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。Cu、Ni、Mo、Crはさらに、低温変態相自体を強化する作用も有している。このような効果はそれぞれ、Cu:0.01%以上、Ni:0.01%以上、Mo:0.01%以上、Cr:0.01%以上、B:0.0001%以上の含有で顕著となり、Cu:0.01%以上、Ni:0.01%以上、Mo:0.01%以上、Cr:0.01%以上、B:0.0001%以上含有することがより好ましい。一方、過度の含有は、フェライト相の生成を抑制し、さらに低温変態相を過度に硬質化して、成形性が低下する。このため、含有する場合には、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、Cr:1%以下、B:0.005%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくはCu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜0.5%、B:0.0001〜0.002%である。
Ca:0.005%以下
Caは、硫化物(介在物)の形態制御に寄与し、硫化物(介在物)の形態制御を介して延性を向上させる元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果は、0.0001%以上の含有で顕著に認められるようになり、Caは含有する場合には0.0001%以上とすることが好ましい。一方、0.005%を超えて多量に含有しても、効果が飽和する。このようなことから、Caは0.005%以下に限定することが好ましい。
なお、本発明では、化成処理性を大きく変化させること無く、硫化物系介在物の形態を制御し、これにより伸びフランジ性を向上させるREMを0.0001〜0.1%の範囲で含有してもよい。また、鋼板表層の結晶粒を整粒とするSbを0.0001〜0.1%の範囲で含有してもよい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、Sb:0.01%以下、Sn:0.1%以下、Zn:0.01%以下、Co:0.1%以下が許容できる。
上記した組成の溶鋼を通常の溶製方法で溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法により、所望の寸法で上記した組成を有する鋼素材(スラブ)とすることが好ましい。
本発明では、上記した組成の鋼素材(スラブ)を出発素材とするが、本発明では、溶製目標組成が同一の鋼素材のうち、C、Si、Mn含有量の変動量が、ΔC:0〜0.02質量%、ΔSi:0〜0.2質量%、ΔMn:0〜0.2質量%を満足する組成を有する複数の鋼素材を選択して、複数の鋼板(コイル)を製造する。これにより、得られた鋼板(コイル)間の降伏強さ(降伏点)のバラツキ(変動量)を180MPa以内とすることが可能となり、成形後の部品毎の寸法精度のバラツキを小さくすることができるようになる。ここでいう各鋼素材間の各元素含有量の「変動量」(ΔC,ΔMn、ΔSi)とは、各鋼素材の含有量のうち、最大の含有量から最小の含有量を差し引いた値をいうものとする。
C、Mnは、低温変態相の強度や、種類、分布に大きな影響を及ぼす元素で、また、Siは、鋼中に固溶して強度を増加させる元素であり、これら元素の降伏強さ(降伏点)への影響は大きい。このため、使用する各鋼素材(スラブ)間で、これら元素の含有量がΔC:0.02質量%、ΔSi:0.2質量%、ΔMn:0.2質量%を超えて大きく変動すれば、得られる鋼板(コイル)間で降伏強さ(降伏点)の変動量を180MPa以内に維持することが困難となる。このため、本発明では、使用する複数の鋼素材として、ΔC:0〜0.02質量%、ΔSi:0〜0.2質量%、ΔMn:0〜0.2質量%を満足する鋼素材を選択して用いるものとした。
選択された上記組成の複数の鋼素材は、ついで、再加熱されるか、あるいはそのまま熱間圧延工程を施され熱延鋼板(以下、熱延板ともいう)とされ、ついで該熱延板に酸洗工程、冷間圧延工程を順次施され所望板厚の複数の冷延鋼板(以下、冷延板ともいう)とする。
熱間圧延工程では、巻取り温度:400〜700℃とする熱間圧延とする。巻取り温度が400℃未満では、熱延板の冷間圧延に際し、変形抵抗が増大しすぎて、冷間圧延性が低下する。一方、巻取り温度が700℃を超えて高くなると、熱延板のスケール生成が著しくなり、冷間圧延後の冷延板の表面性状が低下するとともに、バンド状組織の形成が著しくなる。なお、熱間圧延の仕上圧延温度は850℃以上とすることがより好ましい。仕上圧延温度が850℃未満では、熱延板の組織が不均一となり、曲げ性などの成形性が低下する。上記した以外の熱間圧延条件はとくに限定する必要はなく、通常の方法を適用することができる。
酸洗工程は、通常の方法がいずれも適用でき、とくに限定する必要はない。また、冷間圧延工程は、通常の方法がいずれも適用でき、本発明ではとくに冷間圧延条件を限定する必要はないが、焼鈍工程においてフェライトの再結晶を促進させ、延性を向上させるために、冷間圧下率を30%以上とすることが望ましい。
得られた冷延板には、ついで、焼鈍工程、熱処理工程および調質圧延工程が順次施される。
焼鈍工程は、焼鈍温度:760〜860℃、保持時間:10〜1000sの条件で加熱し、水冷却開始温度:550〜750℃、冷却速度:500℃/s以上の条件で水冷却する連続焼鈍とする。そして、水冷却では、水冷却開始温度の変動量が0〜10℃となるように調整する。
焼鈍温度が760℃未満では、冷間圧延により結晶粒が伸展した組織に起因した、第二相が圧延方向に連続して存在するバンド状の不均一な組織となりやすい。このような第二相の存在により変形が阻害されて、板厚方向に亀裂が伝播しやすくなり、伸び、伸びフランジ加工性や曲げ性などの加工性が劣化する。また、焼鈍温度が760℃未満では、焼鈍時に十分なオーステナイト相が存在せず、そのため、低温変態相の形成が不十分となり、所望の強度が得られない。一方、焼鈍温度が860℃を超えて高くなると、結晶粒が過度に粗大化し、穴拡げ率が低下するとともに、フェライト相の生成量も減少し、伸びが低下する。このようなことから、焼鈍温度は760〜860℃の範囲の温度に限定した。
また、焼鈍温度での保持時間が10s未満では、炭化物の溶解が不十分となり、未溶解炭化物が残存する可能性が高くなり、そのため、焼鈍中に生成するオーステナイト相量が少なくなり、低温変態相の形成が不十分となり、所望の強度を確保できなくなる。一方、1000sを超えて保持時間が長くなると、結晶粒が粗大化し、最終的に得られる組織が粗大化して、穴拡げ率が低下する。また、粗大粒に起因して、成形後に肌荒れが発生する場合があり、さらには冷却時に生成するフェライト相量も減少し、伸びが低下する。このようなことから、焼鈍前の組織の影響を小さくし、均一微細な組織を得るために、焼鈍の保持時間は10〜1000sの範囲に限定した。なお、好ましくは20〜500sである。
上記した条件で加熱保持された冷延板は、ついで水冷却を施される。水冷却における水冷却開始温度は、連続焼鈍時の加熱により生成したオーステナイト相から冷却中に生成するフェライト相量、ひいては生成する低温変態相であるマルテンサイト相量に影響する。水冷却の冷却開始温度が、550℃未満では、低温変態相であるマルテンサイト量が少なく、フェライト相主体の組織となり、所望の強度が確保できなくなる。一方、水冷却開始温度が750℃を超えて高くなると、マルテンサイト量が多くなりすぎて、所望のフェライト相量を確保できず、延性の低下を招く。このようなことから、水冷却開始温度は550〜750℃の範囲の温度に限定した。なお、好ましくは600〜720℃である。
そして、本発明では、複数の鋼板間における水冷却開始温度の変動量を0〜10℃とする。水冷却開始温度の変動により、生成する鋼板の組織が変動し、それにより、引張強さ、降伏応力(降伏点)が変動する。鋼板間の降伏応力の変動幅を小さくするためには、水冷却開始温度の変動量をできるだけ低減することが肝要となる。水冷却開始温度の変動量が10℃を超えて大きくなると、得られる鋼板間の降伏強さ(降伏点)の変動幅を180MPa以内とすることが困難となる。このため、水冷却開始温度の変動量を0〜10℃に限定した。
また、水冷却の冷却速度は、500℃/s以上とする。冷却速度が500℃/s未満では、フェライト相が過度に生成しマルテンサイト相分率が低減し、所望の強度を確保することが困難となる。このため、水冷却の冷却速度は500℃/s以上に限定した。なお、好ましくは600℃/s超えである。水冷却に代えて、放冷、ガス冷却、ミスト冷却、ロール冷却等を組み合わせた冷却としてもよい。なお、本発明でいう「水冷却における冷却速度」は、(冷却開始温度−200℃)/(冷却開始から200℃に達するまでの時間s)で定義される値を用いるものとする。
熱処理工程は、連続冷却に続いて、熱処理温度:100〜500℃、熱処理時間:100〜1400sの条件で再加熱する熱処理とする。熱処理工程は、適正な強度を有する焼戻マルテンサイト相を確保するうえで重要な工程である。熱処理温度が100℃未満では、低温変態相であるマルテンサイト相の焼戻が不十分となり、延性が不足する。また、低温変態相であるマルテンサイト相の焼戻が不十分でフェライト相との硬度差が大きくなり、伸びフランジ性が劣化するとともに、延性、曲げ性等の加工性が低下する。一方、500℃を超えて高温となると、焼戻が急激に進行し、低温変態相であるマルテンサイト相がフェライト相と炭化物に分解し、低温変態相が過度に軟化するため、所望の強度を確保することが困難となる。このようなことから、熱処理温度は100〜500℃の範囲の温度に限定した。なお、好ましくは150〜400℃である。
また、熱処理時間が100s未満では、マルテンサイト相の焼戻が不十分で、強度が高く、伸び、穴拡げ率が低下し、延性、伸びフランジ性が低下して成形性が低下する。一方、1400sを超えて長くなると、焼戻が過度に進行するため強度が低下し、所望の強度を確保することが困難となる。このようなことから、熱処理時間は100〜1400sの範囲内に限定した。なお、好ましくは300〜1000sである。また、熱処理後の室温までの冷却は、放冷、炉冷、ガス冷却、ミスト冷却、水冷のいずれでもよい。
調質圧延工程は、最終的に鋼板の強度を調整するうえで重要な役割を担っている。本発明では、調質圧延工程の圧下率を0.05〜1.6%とし、かつ複数の鋼板間における圧下率の変動量を0〜0.4%となるように調整する。
降伏強さ(降伏点)YPは、同一成分系で同一強度レベルの場合、フェライト相と低温変態相の体積分率、結晶粒径などの影響を受け、調質圧延を施さない場合には変動しやすい状態にある。とくに、鋼板の降伏挙動には鋼板内での可動転位の存在が重要であり、降伏強さ(降伏点)YPに及ぼす可動転位量の影響は大きい。調質圧延なしの状態では、偏析した炭素、窒素原子により可動転位が固着されているため、不連続降伏、降伏伸びが生じ、不安定な降伏挙動を示す。予め調質圧延することにより、動きやすい転位が比較的一様に、一定量鋼板内に生成されるため、鋼板内での変形初期の降伏発生が容易となり、降伏伸びは消失し、安定した降伏挙動を示すようになる。また降伏強さ(降伏点)YPに及ぼす可動転位の寄与が大きいため、一定量以上の可動転位を導入することにより、降伏強さ(降伏点)YPに及ぼす組織因子の影響度合いを相対的に低下させることが可能となり、結果的に降伏強さ(降伏点)YPの変動幅を低下させる傾向とすることができる。
このような効果は、調質圧延工程の圧下率を0.05%以上とすることにより認められるが、1.6%を超えて過度に圧下すると結晶粒が伸展した組織となり、延性が低下する。このようなことから、調質圧延工程における圧下率を0.05〜1.6%に限定した。
そして、本発明では複数の鋼板間における圧下率の変動量を0〜0.4%の範囲内に調整する。これらにより、成分組成、焼鈍条件を考慮し、さらに調質圧延の変動要因を低く抑制した調質圧延とすることができ、最終的に得られる降伏強さ(降伏点)YPの、複数の鋼板間の変動幅が180MPa以内に調整可能となる。複数の鋼板間における調質圧延工程の圧下率の変動量が上記した範囲を外れると、YPの変動幅を180MPa以内に調整することが困難となる。このようなことから、調質圧延工程における圧下率を0.05〜1.6%とし、かつ複数の鋼板間における圧下率の変動量を0〜0.4%に限定した。
上記した組成範囲の鋼素材に、上記した工程を順次施すことにより、平均結晶粒径が5μm以下のフェライト相を体積率で30〜70%含み、残部が低温変態相からなる組織を有する、加工性に優れた超高強度冷延鋼板を、各鋼板間の降伏強さ(降伏点)の変動量を小さく抑えて製造できる。以下、実施例に基づき、さらに本発明について詳細に説明する。
溶製目標組成を同一とする各鋼種について、各鋼種ごとに表1に示す成分範囲の組成を有する、表2に示すスラブ(鋼素材)を複数個用意し、これらスラブに、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程を順次施し、複数の冷延鋼板(コイル)とした。
なお、熱間圧延工程では、加熱温度:1250℃、仕上圧延温度:900℃とし、表2に示す範囲の巻取り温度で巻き取る熱間圧延を施した。酸洗工程では、熱延板を塩酸水溶液に浸漬する酸洗を行い、表面スケールを除去した。冷間圧延工程では、冷間圧下率:50%の冷間圧延を施した。
ついで、得られた冷延鋼板に焼鈍工程、熱処理工程、調質圧延工程を順次施し、冷延焼鈍鋼板とした。焼鈍工程は、表2に示す条件の焼鈍とそれに続く水冷却とからなる連続焼鈍とした。また、熱処理工程は、表2に示す条件の再加熱処理を行う熱処理とした。また、調質圧延工程では、表2に示す圧下率条件の調質圧延を行った。
得られた冷延焼鈍鋼板について、組織観察、引張試験、穴拡げ試験を実施し、フェライト相の平均結晶粒径、フェライト相分率、引張特性、穴拡げ率を求めた。なお、試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた冷延焼鈍鋼板から試験片を採取し、圧延方向断面でかつ板厚方向1/4Tの位置で、光学顕微鏡(倍率:1000倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)を用いて、各試験片について各5視野以上について組織を観察し、撮像した。得られた組織写真から、画像解析装置を用いて、フェライト相の体積率を求めた。また、フェライト粒の平均粒径は、JIS Z 0552の規定に準拠して結晶粒度を測定し、平均粒径に換算することにより求めた。
(2)引張試験
得られた冷延焼鈍鋼板から、圧延方向と直交する方向を引張方向とする引張試験片(JIS 5号試験片)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏強さ(降伏点)YP、引張強さTS、伸びElを測定した。
(3)穴拡げ試験
得られた冷延焼鈍鋼板から、試験片を採取し、日本鉄鋼連盟規格 JFST 1101の規定に準拠して穴拡げ試験を実施した。試験片(大きさ:t×100mm×100mm)に初期直径d:10mmの穴を打ち抜き、頂角:60°の円錐ポンチを上昇させて、該穴を広げた。その際、亀裂が板厚を貫通した時点で円錐ポンチの上昇を停止し、亀裂が板厚を貫通直後の打抜き穴の穴径dを測定し、穴拡げ率λを算出した。なお、繰返し試験数は3とし、算術平均した平均値を穴拡げ率λとした。なお、穴拡げ率λは、次式
λ(%)={(d−d)/d}×100
を用いて計算するものとする。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2007092154
Figure 2007092154
Figure 2007092154
本発明例は、C、Si、Mn含有量が所定範囲内の変動量である鋼素材(スラブ)を選択して使用し、さらに水冷却開始温度の変動量を所定範囲内とし、調質圧延の圧下量、圧下量の変動量を所定範囲に調整することにより、780MPa以上の引張強さと、伸び:18%以上の延性、または穴拡げ率λ:50%以上の伸びフランジ性を有する、加工性に優れた超高強度冷延鋼板を、各鋼板間の降伏強さ(降伏点)の変動量を180MPa以内として製造できることがわかる。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、所望の強度が確保できないか、あるいは所望の伸びあるいは所望の穴拡げ率を確保できないか、あるいはそれら両方とも満足できないか、および/または各鋼板間の降伏強さ(降伏点)の変動量が180MPaを超えて大きくなっている。

Claims (4)

  1. 複数の鋼素材に、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、焼鈍工程、熱処理工程および調質圧延工程を順次施して複数の冷延鋼板を製造するに当り、前記複数の鋼素材として、質量%で、
    C:0.05〜0.18%、 Si:0.01〜2.0%、
    Mn:0.5〜2.5%、 P:0.05%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.001%超0.08%以下、
    N:0.0010〜0.0080%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、溶製目標組成が同一で、かつC、Si、Mn含有量の変動量が、ΔC:0〜0.02質量%、ΔSi:0〜0.2質量%、ΔMn:0〜0.2質量%を満足する組成を有する複数の鋼素材を選択し、前記熱間圧延工程が、巻取り温度:400〜700℃とする熱間圧延とし、前記焼鈍工程が、焼鈍温度:760〜860℃、保持時間:10〜1000sの条件で加熱し、水冷却開始温度:550〜750℃、冷却速度:500℃/s以上の条件で水冷却する連続焼鈍であり、該水冷却開始温度の変動量が0〜10℃となるように調整するとともに、前記熱処理工程が、熱処理温度:100〜500℃、熱処理時間:100〜1400sの条件で行う熱処理であり、前記調質圧延工程の圧下率が0.05〜1.6%で、かつ該圧下率の変動量が0〜0.4%となるように調整して、複数の冷延鋼板とし、該複数の鋼板間の降伏強さの変動量が180MPa以内であることを特徴とする、平均結晶粒径が5μm以下のフェライト相を体積率で30〜70%含み、残部が低温変態相からなる組織を有する、加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の超高強度冷延鋼板の製造方法。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、Cr:1%以下、B:0.005%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の超高強度冷延鋼板の製造方法。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.005%以下を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の超高強度冷延鋼板の製造方法。
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