JP2008106351A - 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008106351A
JP2008106351A JP2007181176A JP2007181176A JP2008106351A JP 2008106351 A JP2008106351 A JP 2008106351A JP 2007181176 A JP2007181176 A JP 2007181176A JP 2007181176 A JP2007181176 A JP 2007181176A JP 2008106351 A JP2008106351 A JP 2008106351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
rolled steel
ferrite
workability
cold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007181176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5088023B2 (ja
Inventor
Toshio Ogawa
登志男 小川
Naoki Maruyama
直紀 丸山
Natsuko Sugiura
夏子 杉浦
Manabu Takahashi
学 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2007181176A priority Critical patent/JP5088023B2/ja
Publication of JP2008106351A publication Critical patent/JP2008106351A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5088023B2 publication Critical patent/JP5088023B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】高強度冷延鋼板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】高強度冷延鋼板を、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:1.00%以下、Mn:0.5〜3.5%、P:0.150%以下、S:0.0150%以下、Al:0.200%以下、N:0.0100%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、金属組織が、面積率で、10〜70%の未再結晶フェライト及び1〜30%の硬質第2相からなり、好ましくは硬質第2相におけるパーライトの割合が面積率で80%以上であるものとし、その高強度冷延鋼板の製造方法を、鋼片を熱間圧延し、酸洗後、冷間圧延を施した後、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度を10℃/s以上、Ac1[℃]〜{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}の温度範囲内での滞留時間を10〜200sとして焼鈍する方法とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用鋼板等の用途に好適な高強度冷延鋼板及びその製造方法に関するものである。
炭酸ガスの排出量の抑制するため、自動車の燃費の向上を目的とする自動車車体の軽量化が進められている。そのため、自動車の部材には、板厚の低減が可能な高強度鋼板の適用が増えつつある。また、搭乗者の安全性確保のためにも、高強度鋼板が自動車車体に多く使用されるようになってきている。
一方、高強度鋼板を自動車車体に適用するためには優れた加工性も要求される。このような強度と加工性を両立させた鋼材として、フェライトとマルテンサイトを主体とする硬質第2相とからなる複合組織を有する二相組織鋼(Dual Phase鋼、以下、DP鋼)が知られている。
しかし、従来のDP鋼は、汎用鋼に比べて強度と延性とのバランス(以下、強度−延性バランスともいう。)に優れてはいるものの、引張強度と全伸びの積の値(以下、TS×Elという。)を18000(MPa・%)以上とすることは困難であった。更には、従来のDP鋼は、軟質相のフェライトと硬質相のマルテンサイトとの境界部に、各相の硬度差に起因したミクロボイドが発生し易いため局部伸びが低く、伸びフランジ性が劣るという問題があった。
このような問題に対して、焼鈍後、再結晶フェライトの粒径を微細化することによって、強度−延性バランスと伸びフランジ性を両立させた鋼板が、例えば、特許文献1〜4により提案されている。
しかし、特許文献1には、硬質第2相を均一に微細分散させることにより、局部延性が向上すると記載されてはいるものの、実施例には、局部延性等の伸びフランジ性の材料特性に関する知見は示されていない。
また、特許文献2及び3において提案されている冷延鋼板は、再結晶フェライトの結晶粒を極めて微細にするものであり、冷間圧延後の再結晶焼鈍の温度範囲が非常に狭く、鋼板の温度制御が極めて困難である。
更に、特許文献4において提案されている冷延鋼板は、熱延後のコイルを冷却水に浸漬するか、コイルを巻き戻しながら、冷却水のスプレー又は送風によって強制冷却するものであり、生産性が損なわれる。
ところで、耐衝突特性の向上には、降伏強度を高くすることが有効である。降伏強度を高めるには、析出強化や未再結晶フェライトの活用によるフェライト相の強化が重要となる。
特許文献5には、未再結晶フェライトと硬質第2相からなる高強度の冷延鋼板が提案されているが、その鋼板は、強度が高く降伏比も高いものの、伸びが低いため、成形性が不十分であった。
また、本発明者らの一部は、特許文献6に、析出強化と未再結晶フェライトの双方を活用した、降伏比が高く、成形性にも優れた高強度冷延鋼板を提案した。これは、NbやTiの添加による析出強化を活用して降伏比を高めた高強度冷延鋼板である。
特開2002−235145号公報 特開2003−247043号公報 特開2004−250774号公報 特開2005−179732号公報 特開昭53−5018号公報 特願2007−002497号
本発明の課題は、強度−延性バランス、更には伸びフランジ性に優れ、更に好ましくは、降伏比が高く、耐衝突特性にも優れた高強度冷延鋼板を、安定的に、生産性を損なうことなく提供することである。
本発明者らは、再結晶フェライトよりも硬質であり、硬質第2相より軟質である未再結晶フェライトを積極的に活用することにより、再結晶フェライトと硬質第2相との硬度差に起因するミクロボイドの発生を抑制し、強度―延性バランスを劣化させることなく局部延性を向上させた高強度冷延鋼板を得ることができることを見出した。
また、本発明者らは、未再結晶フェライトを残留させるための製造条件について検討し、焼鈍工程において再結晶温度からAc1変態温度までの昇温速度を速くすることによって再結晶を抑制し、更にフェライトとオーステナイトが共存する領域であるα+γ二相域、即ち、Ac1変態温度以上に加熱した際に、オーステナイトへの変態が進み過ぎないように、鋼板の温度がAc1変態温度以上である滞留時間及び焼鈍の最高到達温度を最適化することが重要であることを見出した。
更に、本発明者らは、未再結晶フェライトを活用し、また、硬質第2相におけるパーライトの割合を多くすることで、加工性を劣化させることなく、降伏比を高めることに成功した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りであ
る。
(1) 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:1.00%以下、Mn:0.50〜3.50%、P:0.150%以下、S:0.0150%以下、Al:0.200%以下、N:0.0100%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、金属組織がフェライトと硬質第2相からなり、前記フェライトが再結晶フェライト、変態フェライトの一方又は双方と未再結晶フェライトからなり、前記未再結晶フェライトの面積率が10〜70%であり、前記再結晶フェライト、前記変態フェライトの一方又は双方の面積率が10〜70%であり、前記硬質第2相の面積率が1〜30%であることを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(2) 硬質第2相が、パーライトと、マルテンサイト、ベイナイト及び残留オーステナイトの1種又は2種以上とからなり、該硬質第2相におけるパーライトの割合が面積率で80%以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(3) 冷延鋼板の降伏比が、0.70以上であることを特徴とする上記(2)記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(4) 質量%で、Nb:0.005〜0.100%未満、Ti:0.005〜0.100%未満の一方又は双方を合計で0.130%未満さらに含有することを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(5) 質量%で、Mo:0.1〜1.5%、B:0.0005〜0.0100%、Cr:0.10〜1.50%、Ni:0.10〜1.50%のうち、1種又は2種以上をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(6) 上記(1)〜(5)の何れかに記載の冷延鋼板に溶融Znめっきを施したことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(7) 上記(1)〜(5)の何れかに記載の冷延鋼板に合金化溶融Znめっきを施したことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
(8) 上記(1)、(4)又は(5)の何れかに記載の化学成分を有する鋼片を熱間圧延し、酸洗後、冷間圧延を施し、得られた鋼板を、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度を10℃/s以上としてAc1[℃]〜{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}の温度範囲内に昇温し、前記鋼板の温度が該温度範囲内である滞留時間を10〜200sとして焼鈍することを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
ここで、Ac1[℃]及びAc3[℃]は質量%で表されるC、Mn、Siの含有量(%C)、(%Mn)、(%Si)によって下記(式1)及び(式2)から求めたAc1変態温度及びAc3変態温度である。
Ac1=761.3+212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si)
・・・(式1)
Ac3=915−325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si)
・・・(式2)
(9) 上記(8)記載の焼鈍後、平均冷却速度を40℃/s未満として350〜500℃まで冷却することを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(10) 上記(8)記載の焼鈍後、350〜500℃まで冷却し、次いで溶融Znめっきを施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(11) 上記(8)記載の焼鈍後、平均冷却速度を40℃/s未満として350〜500℃まで冷却し、次いで溶融Znめっきを施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(12)上記(10)又は(11)記載の溶融Znめっきを施した後に450〜600℃の温度範囲で10s以上の熱処理を行うことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(13)上記(8)〜(11)の何れか1項に記載の方法により製造した冷延鋼板に0.1〜5.0%のスキンパス圧延を施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
本発明により、加工性に優れた高強度冷延鋼板の提供が可能になり、特に、生産性を損なわずに安定的に製造できる未再結晶フェライトを積極的に活用した、強度―延性バランス及び伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板、更に降伏比を高めた高強度冷延鋼板の提供が可能になり、産業上の貢献が極めて顕著である。
従来、冷延鋼板の金属組織のフェライトの一部を未再結晶フェライトとして残留させるという発想は皆無であった。これは、再結晶が不完全であると冷延鋼板の材質が不均一になると考えられていたためである。
したがって、従来の未再結晶フェライトと硬質第2相からなる冷延鋼板は、未再結晶フェライトの外に焼鈍の加熱時に再結晶したフェライト(再結晶フェライトという。)や焼鈍後の冷却時にオーステナイトから変態したフェライト(変態フェライトという。)が混在したものではなく、フェライトは均質な未再結晶フェライトのみであると考えられる。
また、従来、焼鈍の昇温速度を速くし、鋼板の結晶粒径を微細化する製造方法が提案されているが、この方法は、α+γ二相域での保持によって未再結晶フェライトを完全にオーステナイトに変態させるものであると考えられる。即ち、この従来技術は、焼鈍により未再結晶フェライトを完全にオーステナイトに変態させた後、冷却時にオーステナイトから再変態したフェライトと硬質第2相からなるDP鋼を、未再結晶フェライトを残留させることなく得るものであると推定される。
しかし、焼鈍後の冷却時にオーステナイトをフェライトに変態させると、オーステナイトはフェライトとセメンタイトに分解する。そのため、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイトからなる硬質第2相とセメンタイトを含むフェライトからなるDP鋼となる。そのため、焼鈍時の昇温速度を速くして得られた従来のDP鋼は、局部延性の低下がセメンタイトによって更に助長されていると考えられる。
一方、模式的に図1に示した本発明のように、未再結晶フェライトを積極的に残留させると、軟質のフェライト、即ち、再結晶フェライト及び変態フェライトと硬質第2相の間に、中間の強度を有する未再結晶フェライトを存在させることができる。この、軟質のフェライトと硬質第2相との中間の強度を有する未再結晶フェライトの存在によって、フェライトと硬質第2相の界面への歪みの集中が緩和される。
したがって、未再結晶フェライトを積極的に活用する本発明の冷延鋼板は、軟質のフェライトと硬質第2相との界面に生じるボイドの発生が抑制される。更に、未再結晶フェライトを積極的に残留させ、変態フェライトの生成を抑制すると、ボイドの起点となるセメンタイトの生成も抑制される。そのため、局部延性が顕著に向上し、伸びフランジ成形性が改善され、厳しいバーリング加工が可能になる。
未再結晶フェライトは、冷間圧延によって圧延方向に延伸されたフェライトの結晶粒が再結晶せず、粒内の転位が回復したものである。そのため、図2に模式的に示したように、未再結晶フェライトの粒内には転位の回復によって形成されたサブグレインを有することが多い。また、未再結フェライトの粒内では、冷間圧延による塑性変形のため結晶方位が連続的に変化している。一方、再結晶フェライト及び変態フェライトは、再結晶又は変態によって、粒内の結晶方位はほぼ均一となり、隣接する結晶粒同士の結晶方位は大きく異なっている。
また、本発明者らは、未再結晶フェライトを残留させる方法について検討を行い、
(x)フェライトの再結晶温度が、フェライトからオーステナイトへの変態(α−γ変態という。)が開始する温度であるAc1変態温度(以下、Ac1ともいう。)よりも低い場合には、再結晶温度からAc1までの昇温速度を速くすること、
(y)フェライトの再結晶温度が、Ac1よりも高い場合には、昇温速度に依らず、再結晶が進行しないこと、
(z)焼鈍温度の上限が高すぎる場合や、Ac1以上での滞留時間が長すぎる場合には、α−γ変態が進行して未再結晶フェライトが残留しないこと、
を見出した。
したがって、焼鈍の条件は本発明において極めて重要であり、未再結晶フェライトを確保するためには、特にAc1以下での昇温速度、最高到達温度及びAc1以上での保持時間を制限する必要がある。
焼鈍における(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度は10℃/s以上とする。昇温速度を10℃/s以上とする温度の下限を(Ac1[℃]−100℃)以上としたのは、本発明のDP鋼の再結晶温度の下限が成分の含有量によって上昇しており、低くとも(Ac1[℃]−100℃)以上になるためである。また、昇温速度を10℃/s以上とする温度の上限をAc1[℃]としたのは、Ac1[℃]以上の温度ではα−γ変態を生じて、再結晶がほぼ停止するためである。
一方、昇温速度が10℃/s未満の場合、再結晶が十分に進行することにより、未再結晶フェライトの面積率が著しく減少する。なお、再結晶フェライトの粗大化を抑制するには、昇温速度を20℃/s超とすることが好ましい。更に、成分の含有量が少ない鋼は、Ac1が低くなるため、より再結晶が進行し易い。このようなAc1が低い鋼を製造する場合、未再結晶フェライトを確保するためには、昇温速度を30℃/s超とすることが好ましい。
更に、焼鈍における最高到達温度の下限はAc1[℃]以上とし、上限は、{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}とする。最高到達温度がAc1未満の場合、フェライトからオーステナイトに変態しないため、硬質第2相の量が不十分であり、強度−延性バランスを損なう。一方、最高到達温度が{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}超になると、オーステナイト変態が進行しすぎるため、未再結晶フェライトの確保が困難になる。
また、鋼板の温度がAc1[℃]以上である温度範囲での滞留時間は10〜200sとする。これは、以下の理由による。即ち、鋼板の温度がAc1[℃]以上になる時間が10s未満であると、α−γ変態が十分に進行しないため、硬質第2相を確保できず、強度−延性バランスを損なう。一方、Ac1[℃]以上での滞留時間が200sを超えると、オーステナイト変態が進行しすぎるため、未再結晶フェライトの確保が困難になる。
なお、Ac1[℃]及びAc3[℃]は、それぞれAc1変態点及びAc3変態点であり、質量%で表されるC、Mn、Siの含有量である(%C)、(%Mn)、(%Si)により、下記(式1)及び(式2)から求めた温度である。
Ac1=761.3+212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si)
・・・(式1)
Ac3=915−325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si)
・・・(式2)
更に、本発明の高強度鋼板を耐衝突特性が要求される用途、例えば、自動車のボディパネル等に適用する際には、降伏比を0.70以上に高めることが好ましい。一方、自動車のボディパネル等に適用するためには加工性を確保する必要がある。このような課題に対して、本発明者らは、加工性を劣化させることなく、降伏比を高くするために検討を行った。その結果、加工性の劣化を抑制して降伏比を高めるためには、硬質第2相の面積率を低下させ、且つ未再結晶フェライトの面積率を増加させること、又は硬質第2相におけるパーライトの割合を多くすることが好ましいという知見を得た。
特に、硬質第2相のうち、降伏強度よりも引張強度の向上への寄与が大きいベイナイト、マルテンサイトの割合を低下させると、引張強度を上昇させることなく、降伏比を高めることが可能になる。これにより、引張強度が若干低下するものの、加工性の劣化を抑制して降伏比を高めることができる。また、硬質第2相の増加を抑制して、未再結晶フェライトの面積率を増加させると降伏強度が高くなり、降伏比を高めることができる。これは、未再結晶フェライトが、粒内に転位の回復によって形成されたサブグレインを有しているためである。
本発明において、硬質第2相におけるパーライトの割合は、焼鈍後の冷却条件によって制御することができる。硬質第2相におけるパーライトの割合を多くするには、焼鈍後の冷却速度の上限を制限することが好ましい。これは、焼鈍後の冷却速度が速すぎると、マルテンサイトやベイナイトの生成が促進されるためである。
また、硬質第2相におけるパーライトの割合が少ない場合であっても、未再結晶フェライトの面積率を増加させることによって、降伏比を高めることは可能である。この場合には、マルテンサイト、ベイナイトの生成を抑制し、硬質第2相の面積率を低下させることが好ましい。
以下、本発明の限定理由について順次説明する。
まず、本発明における鋼成分及びミクロ組織について説明する。なお、%は質量%を意味する。
Cは、硬質第2相の生成を促進し、強度の増加に寄与する元素であり、狙いとする強度レベルに応じて適量を添加する。C量は、0.05%未満であると、高強度を得るのが困難となるため、下限を0.05%とする。一方、C量が0.25%を超えると、成形性や溶接性の劣化を招くため、0.25%を上限とする。
Siは脱酸元素であり、Si量の下限は規定しないが、0.01%未満とするには製造コストが高くなるため、下限を0.01%とすることが好ましい。また、Siは、固溶体強化元素として強度を増加させる働きがある上、硬質第2相を得るためにも有効である。しかし、Si量が1.00%を超えるとAc1が高くなり過ぎ、焼鈍温度を高くする必要が生じ、変態が促進されて未再結晶フェライトの確保が困難になるため、上限を1.00%以下とする。また、Siを0.50%超添加すると溶融Znめっきを施す際のめっき密着性の低下及び合金化反応の遅延による生産性の低下という問題が生ずることがある。そのため、Si量の上限を0.50%以下とすることが好ましい。
Mnは、Ac1及び、α−γ変態が完了してオーステナイト単相となる温度であるAc3変態温度(以下、Ac3ともいう。)を低下させる元素であり、本発明において極めて重要である。即ち、Mn量が少ないと、焼鈍温度を高くする必要が生じ、変態が促進されて未再結晶フェライトの確保が困難になる。また、Mnは、Siと同様、固溶強化に寄与する元素として強度を増加させる働きがある上、硬質第2相を得るためにも有効である。これらの観点から、Mn量の下限を0.50%とする。一方、Mn量が3.50%を超えると、成形性や溶接性の劣化を招くため、3.50%を上限とする。また、降伏比を高くする場合、Mn量が多いと焼入れ性が高くなり、硬質第2相におけるベイナイトとマルテンサイトの一方又は双方の割合が高くなる。したがって、高い降伏比を得るには、Mn量の上限を2.00%とすることが好ましい。
Pは不純物であり、粒界に偏析するため、鋼板の靭性の低下や溶接性の劣化を招く。更に、溶融Znめっき時に合金化反応が極めて遅くなり、生産性が低下する。これらの観点から、P量の上限を0.150%とする。下限は特に限定しないが、Pは安価に強度を高める元素であるため、P量を0.005%以上とすることが好ましい。
Sは不純物であり、その含有量が0.0150%を超えると、熱間割れを誘発したり、加工性を劣化させるので、上限を0.0150%とする。
Alは脱酸剤であり、下限は規定しないが、変態点を著しく高める元素であるため、上限を0.200%とする。
Nは不純物であり、N量が0.0100%を超えると、靭性や延性の劣化、鋼片の割れの発生が顕著になる。なお、Nは、硬質第2相を得るためには有効であるため、上限を0.0100%として積極的に添加しても良い。
なお、Ac1が700℃超の高温になると、α+γ二相域での焼鈍の際に、短時間でα−γ変態が進行してしまうため、本発明においてはAc1が700℃以下であることが好ましい。Ac1は、上述のように、質量%で表されるC、Mn、Siの含有量(%C)、(%Mn)、(%Si)から、上記(式1)によって求めることができる。
本発明では、更に、Nb、Ti、Mo、B、Cr、Niの1種又は2種以上を含有させても良い。
Nb及びTiは冷間圧延後の焼鈍工程において、冷間加工によって歪みを導入されたフェライトの再結晶を抑制することにより、未再結晶フェライトの残留を促進する元素である。このような効果を得るためには、Nb及びTiの一方又は双方を、それぞれの下限を0.005%以上として添加することが好ましい。一方、Nb及びTiの一方又は双方は、含有量が0.100%以上になると延性が低下することがあるため、それぞれの上限を0.100%未満とすることが好ましい。更に、Nb及びTiの一方又は双方の合計の含有量が0.130%以上になると、再結晶が抑制されて強度が上昇し、延性が低下することがあるため、上限を0.130%未満とすることが好ましい。また、合金コストの観点から、Nb及びTiの含有量のそれぞれの好ましい上限は0.04%である。なお、延性及び合金コストの観点から、Nb量とTi量の合計を0.010〜0.100%とすることが更に好ましい。
Mo、B、Cr及びNiは、いずれも焼入れ性を高める元素であり、必要に応じて1種又は2種以上を添加しても良い。強度向上の効果を得るためには、それぞれ、Mo:0.1%以上、B:0.0005%以上、Cr:0.10%以上、Ni:0.10%以上を下限として添加することが好ましい。一方、過剰な添加は合金コストの増加を招くため、それぞれの上限を、Mo:1.5%以下、B:0.0100%以下、Cr:1.50%以下、Ni:1.50%以下とすることが好ましい。
本発明によって得られる鋼板のミクロ組織は、フェライトと硬質第2相からなり、フェライトは、未再結晶フェライト、再結晶フェライト及び変態フェライトの総称である。なお、光学顕微鏡による組織観察では、再結晶フェライトと変態フェライトとの差異は明確ではなく、両者を区別することは困難である。
硬質第2相は、マルテンサイト、ベイナイト及びパーライトからなり、3%未満の残留オーステナイトを含むことがある。硬質第2相は、高強度化に寄与する一方で、過剰に存在すると著しく延性が低下するため、下限を1%、上限を30%とする。
また、硬質第2相におけるパーライトの割合を面積率で80%以上にすることによって、降伏比を高めることができる。これは、パーライトの割合の増加により、引張強度が若干低下し、降伏強度が上昇するためである。したがって、優れた耐衝突特性を得るためには、硬質第2相におけるパーライトの割合が面積率の下限を80%とすることが好ましく、これにより、降伏比を0.70以上とすることができる。なお、硬質第2相におけるパーライトの割合は、光学顕微鏡によって、パーライトと、マルテンサイト、ベイナイト及び残留オーステナイトの面積を測定し、パーライトの面積を硬質第2相の合計の面積で除した値を百分率で表した数値である。
ミクロ組織は、圧延方向に平行な板厚断面を観察面として試料を採取し、観察面を研磨、ナイタールエッチ、必要に応じてレペラーエッチし、光学顕微鏡で観察すれば良い。光学顕微鏡によって得られたミクロ組織写真を画像解析することによって、パーライト、ベイナイト又はマルテンサイトの内のいずれか1種又は2種以上の面積率の合計量を、フェライト以外の相の面積率として求めることができる。残留オーステナイトは、光学顕微鏡ではマルテンサイトとの区別が困難であるが、X線回折法によって体積率の測定を行うことができる。なお、ミクロ組織から求めた面積率は、体積率と同じである。
再結晶フェライトと変態フェライトの一方又は双方の面積率は、10〜70%とする。これは、再結晶フェライトと変態フェライトの一方又は双方の面積率が、10%未満では延性が低下し、70%を超えると強度が低下するためである。
未再結晶フェライトは高強度化に寄与することから、その効果を得るためには10%以上の未再結晶フェライトを含んでいる必要がある。一方、未再結晶フェライトの面積率が70%を超えると、著しく延性が低下するため、上限を70%とする。
また、未再結晶フェライトの面積率の増加は降伏比の上昇にも寄与する。そのため、未再結晶フェライトの面積率を増加させることが好ましい。更に、降伏比を高めるには、硬質第2相の面積率を制限することが好ましい。特に、耐衝撃特性が要求される場合には、再結晶フェライトの面積率を20%以上、好ましくは30%以上とすること、硬質第2相の面積率を10%以下、好ましくは5%以下に制限することによって、降伏比を0.70以上とすることができる。
未再結晶フェライトとそれ以外のフェライト、即ち再結晶フェライト及び変態フェライトとは、電子後方散乱解析像(Electron back scattering pattern、EBSPという。)の結晶方位測定データをKernel Average Misorientation法(KAM法)で解析することにより判別することができる。
未再結晶フェライトの粒内には、転位は回復しているものの、冷延時の塑性変形により生じた結晶方位の連続的な変化が存在する。一方、未再結晶フェライトを除くフェライト粒内の結晶方位変化は極めて小さくなる。これは、再結晶及び変態により、隣接する結晶粒の結晶方位は大きく異なるものの、1つの結晶粒内では結晶方位が変化していないためである。KAM法では、隣接したピクセル(測定点)との結晶方位差を定量的に示すことができるので、本発明では隣接測定点との平均結晶方位差が1°以内且つ、平均結晶方位差が2°以上あるピクセル間を粒界と定義した時に、結晶粒径が3μm以上である粒を未再結晶フェライト以外のフェライト、即ち再結晶フェライト及び変態フェライトと定義する。
EBSP測定は、焼鈍後の試料の平均結晶粒径の10分の1の測定間隔で、任意の板断面の板厚方向の1/4厚の位置で100×100μmの範囲において行えば良い。このEBSP測定の結果、得られた測定点はピクセルとして出力される。EBSPの結晶方位測定に供する試料は、機械研磨等によって鋼板を所定の板厚まで減厚し、次いで電解研磨等によって歪みを除去すると同時に、板厚1/4面が測定面となるように作製する。
未再結晶フェライトを含むフェライトの総面積率は、硬質第2相の面積率の残部であるから、EBSPの結晶方位測定に使用した試料をナイタールエッチし、該測定を行った視野の光学顕微鏡写真を同一の倍率で撮影し、得られた組織写真を画像解析して求めれば良い。更に、この組織写真とEBSPの結晶方位測定の結果を対比させることによって、未再結晶フェライト及び未再結晶フェライト以外のフェライト、即ち、再結晶フェライトと変態フェライトの面積率の合計を求めることもできる。
次に、製造方法及びその好ましい条件について説明する。
熱間圧延に供する鋼片は常法で製造すれば良く、鋼を溶製し、鋳造すれば良い。生産性の観点からは、連続鋳造が好ましく、薄スラブキャスター等で製造しても良い。また、鋳造後直ちに熱間圧延を行う連続鋳造―直接圧延のようなプロセスでも良い。熱間圧延は常法で行えば良く、圧延温度、圧下率、冷却速度、巻取温度等の条件は特に規定しない。熱間圧延後、鋼板を冷間圧延、焼鈍し、冷延鋼板とする。
冷間圧延の圧下率は特に規定しないが、10%未満の冷間圧延率では、板厚制御が難しく形状不良の原因となるため、その下限を10%以上とすることが好ましい。一方、冷間圧延率が90%超になると、圧延ロールへの負荷が大きくなる上、再結晶が促進されて未再結晶フェライトを確保するために、焼鈍の昇温速度を大きくすることが必要になる。そのため、冷間圧延の圧下率の上限は、90%以下とすることが好ましい。
本発明において、冷間圧延後の焼鈍は極めて重要であり、上述の条件で行うことが必要である。焼鈍は、昇温速度、加熱時間を制御するため、連続焼鈍設備によって行うことが好ましい。また、昇温速度を速くするために、高周波加熱装置、通電加熱装置を併用しても良い。焼鈍において、Ac1以上での滞留時間は、鋼板の温度がAc1以上である時間の合計であり、加熱炉の設定温度と炉の長さ、通板速度によって制御することができる。
未再結晶フェライトの面積率を増加させるには、焼鈍の加熱速度を高めることが好ましい。例えば、未再結晶フェライトの面積率を20%以上、30%以上とするには、焼鈍の加熱速度を15℃/s以上、30℃/s以上にすることが好ましい。また、未再結晶フェライトの面積率は、オーステナイト変態の進行にも影響を受ける。そのため、未再結晶フェライトの面積率を増加させるためには、焼鈍における最高到達温度を低く、滞留時間を短くすることが好ましい。
なお、冷間圧延後の焼鈍でのオーステナイト変態の進行は、硬質第2相の生成にも影響する。焼鈍における最高到達温度をAc1[℃]以上、滞留時間を10sとすることにより、硬質第2相の面積率を1%以上とすることができる。一方、焼鈍における最高到達温度を{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}以下、滞留時間を200s以下とすることによって、硬質第2相の面積率を30%以下とすることができる。また、硬質第2相の面積率を10%以下、5%以下にするためには、鋼板の温度がAc1[℃]以上の範囲に保持される滞留時間を、それぞれ、100s以下、50s以下とすれば良い。これにより、降伏比を高めることができる。
また、焼鈍後の冷却速度は特に規定しないが、冷却速度が1℃/s未満の場合、十分に硬質第2相が得られなくなることがある。この観点から、冷却速度の下限は1℃/sとすることが好ましい。一方、冷却速度を250℃/s超とするには、特殊な設備の導入などが必要になるため、250℃/sを冷却速度の上限とすることが好ましい。焼鈍後の冷却速度は、水等、冷媒の吹付け、送風、ミスト等による強制冷却により、適宜制御すれば良い。
硬質第2相におけるパーライトの割合を増加させて降伏比を高めるためには、焼鈍後の平均冷却速度の上限を40℃/s以下とすることが好ましい。焼鈍後の平均冷却速度の上限を40℃/s以下に制限すると、オーステナイトからパーライトへの変態が促進され、ベイナイトやマルテンサイトの生成は抑制されて、硬質第2相におけるパーライトの割合を面積率で80%以上とすることができる。これにより、冷延鋼板の降伏比は0.70以上となり、同時に、引張強度の上昇も抑えることができる。そのため、加工性を確保して、優れた耐衝突特性を得ることができる。
焼鈍後、必要に応じて、過時効処理、溶融Znめっき又は合金化溶融Znめっきを施しても良い。Znめっきの組成は特に限定するものではなく、Znの他、Fe、Al、Mn、Cr、Mg、Pb、Sn、Ni等を必要に応じて添加しても構わない。なお、めっきは、焼鈍と別工程で行っても良いが、生産性の観点から、焼鈍とめっきを連続して行う、連続焼鈍−溶融Znめっきラインによって行うことが好ましい。この場合も、未再結晶フェライトを確保するためには、焼鈍を上記の条件で行うことが必要である。
合金化処理を行う場合は、450〜600℃の温度範囲で行うことが好ましい。これは、450℃未満では合金化が十分に進行せず、また、600℃超では過度に合金化が進行し、めっき層が脆化して、プレス等の加工によってめっきが剥離する等の問題を誘発することがあるためである。合金化処理の時間は、10s未満では合金化が十分に進行しないことがあるため、10s以上とすることが好ましい。また、合金化処理の時間の上限は特に規定しないが、生産効率の観点から100s以内とすることが好ましい。
また、生産性の観点から、連続焼鈍−溶融Znめっきラインに合金化処理炉を連続して設け、焼鈍、めっき及び合金化処理を連続して行うことが好ましい。
焼鈍後の冷延鋼板には、インライン又はオフラインでスキンパス圧延を施しても良い。スキンパス圧延の圧下率は、形状を矯正するためには、0.1%以上とすることが好ましい。一方、スキンパス圧延の圧下率が5.0%を超えると、加工性を損なうことがあるため、5.0%以下とすることが好ましい。なお、スキンパス圧延は、亜鉛めっき、合金化処理後の冷延鋼板に、形状の矯正や強度の調整を目的として施しても良い。
表1に示す組成を有する鋼を溶製し、鋳造して得られた鋼片を、1250℃で再加熱した後、常法に従って熱間圧延を行った。この時、仕上げ温度は900℃、巻取温度は600℃とした。その後、60%の圧下率で冷間圧延を施した後、表2に示す条件で焼鈍を行った。なお、表1の[−]は、選択元素を意図的に添加していないことを意味する。また、表1には、Ac1[℃]とAc3[℃]の計算値も示した。表2の昇温速度は、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの温度の上昇に要した時間によって計算した。
表2に示す冷延鋼板のうち、製造No.2及び6については、焼鈍工程後、Znめっき浴に浸漬後、製造No.6については更に500℃で20s間の合金化処理を施した。更に、表2に示す冷延鋼板のうち、製造No.11については、均熱温度から300℃まで上述の通り50℃/sの冷却速度で冷却し、300℃で400s保持する過時効処理を行った後、10℃/sで室温まで冷却した。
製造後の冷延鋼板から、幅方向(TD方向という。)を長手方向としてJIS Z 2201の5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠してTD方向の引張特性を評価した。t−El[%]は破断伸びであり、L−El[%]は局部伸びであり、破断伸びから最大力時伸び、即ち、一様伸びを減じた値である。
鋼板の板厚断面のミクロ組織観察は、圧延方向を観察面として試料を採取し、エッチングをレペラー法として、光学顕微鏡で行った。硬質第2相の面積率は、光学顕微鏡による組織写真を画像解析し、フェライト以外の相の合計として求めた。また、未再結晶フェライトの面積率及び残部、即ち、未再結晶フェライトを除くフェライトの面積率は、EBSPの結晶方位測定及びその測定結果と光学顕微鏡組織写真を照合し、画像解析によって求めた。
結果を表3に示す。ここで、表3に示した金属組織の残部は、再結晶フェライトと変態フェライトの一方又は双方の合計の面積率である。なお、本発明において、延性の指標である引張強度TS[MPa]と全伸びt−EL[%]の積、伸びフランジ性の指標である引張強度TS[MPa]と局部伸びL−El[%]の積、即ち、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]がそれぞれ18000[MPa・%]及び7000[MPa・%]以上であるものを良好と評価した。また、表1〜3の下線は、本発明の範囲外又は好ましい範囲外であることを意味する。
その結果は表3に示す通り、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延及び冷延し、更に、適切な条件で焼鈍することにより、更に、過時効処理、Znめっき、合金化処理を施しても強度―延性バランス及び伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板を得ることが可能である。
一方、鋼No.BはC量が少ないため、強度が低下し、TS×t−El[MPa・%]も低下している。また、鋼No.DはSi量が多く、鋼No.FはMnが少ないため、高温で焼鈍を行う必要が生じ、未再結晶フェライトが少なくなり、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]が低下している。
また、製造No.3は、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度が遅く、未再結晶フェライトが少なくなり、強度が低く、TS×L−El[MPa・%]が低下している。製造No.5は、焼鈍の最高到達温度が低く、硬質第2相が得られなかったため、強度が低く、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]も低下している。
製造No.10は(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度が遅く、焼鈍の最高到達温度が高く、また、製造No.15は、焼鈍の最高到達温度が高く、Ac1[℃]以上での滞留時間が長いため、未再結晶フェライトが少なく、硬質第2相が増加して、高強度ではあるものの、全伸び及び局部伸びが低下し、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]も低下している。
製造No.13は、Ac1[℃]以上での滞留時間が長いため、未再結晶フェライトが少なく、高強度ではあるものの、全伸び及び局部伸びが低下し、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]も低下している。
Figure 2008106351
Figure 2008106351
Figure 2008106351
表4に示す組成を有する鋼を溶製し、鋳造して得られた鋼片を、1250℃で再加熱した後、常法に従って熱間圧延を行った。この時、仕上げ温度は900℃、巻取温度は600℃とした。その後、60%の圧下率で冷間圧延を施し、表5に示す条件で焼鈍を行った。なお、表4の[−]は、選択元素を意図的に添加していないことを意味する。また、表4には、Ac1[℃]とAc3[℃]の計算値も示した。表5の昇温速度は、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの温度の上昇に要した時間によって計算した。
表5に示す冷延鋼板のうち、製造No.20及び24については、焼鈍工程後、Znめっき浴に浸漬後、製造No.24については更に500℃で20s間の合金化処理を施した。更に、表5に示す冷延鋼板のうち、製造No.29については、均熱温度から300℃まで冷却し、300℃で400s保持する過時効処理を行った後、10℃/sで室温まで冷却した。また、製造No.34については、圧下率0.5%のスキンパス圧延を施した。
製造後の冷延鋼板から、実施例1と同様に、引張試験片を採取し、TD方向の引張特性を評価した。なお、降伏比は、降伏強度を引張強度で除した値である。また、鋼板の板厚断面のミクロ組織観察を、実施例1と同様の試料を作製して、光学顕微鏡で行った。硬質第2相の面積率、未再結晶フェライトの面積率及び未再結晶フェライトを除くフェライトの面積率は、実施例1と同様にして求めた。
更に、硬質第2相のうち、パーライトの面積と、パーライト以外の組織の面積を測定し、パーライトの面積を硬質第2相の合計で除して、百分率で表した硬質第2相におけるパーライトの割合を求めた。
結果を表6に示す。ここで、表6に示した金属組織の残部は、再結晶フェライトと変態フェライトの一方又は双方の合計の面積率である。なお、本発明において、延性の指標である引張強度TS[MPa]と全伸びt−EL[%]の積、伸びフランジ性の指標である引張強度TS[MPa]と局部伸びL−El[%]の積、耐衝突特性の指標である降伏比YR、即ちTS×t−El[MPa・%]、TS×L−El[MPa・%]及びがYS/TSがそれぞれ18000[MPa・%]、7000[MPa・%]及び0.70以上であるものを良好と評価した。また、表4〜6の下線は、本発明の範囲外又は好ましい範囲外であることを意味する。
その結果は表6に示す通り、本発明の化学成分を有する鋼を適正な条件で熱延及び冷延し、更に、適切な条件で焼鈍することにより、更に、過時効処理、Znめっき、合金化処理を施しても強度―延性バランス、伸びフランジ性及び耐衝突特性に優れた高強度冷延鋼板を得ることが可能である。
一方、鋼No.AFはC量が少ないため、強度が低下し、TS×t−El[MPa・%]も低下している。また、鋼No.AGはSi量が多いため、高温で焼鈍を行う必要が生じ、未再結晶フェライトが少なくなり、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]が低下している。また、鋼No.AGは、未再結晶フェライトの面積率が低下しているため、降伏比も低下している。
また、製造No.19は、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度が遅く、未再結晶フェライトが少なくなり、強度が低く、TS×t−El[MPa・%]、TS×L−El[MPa・%]及び降伏比が低下している。製造No.21は、焼鈍の最高到達温度が高いため、製造No.23は、Ac1[℃]以上での滞留時間が長いため、未再結晶フェライトが少なく、局部伸びが低下し、TS×L−El[MPa・%]及び降伏比が低下している。
製造No.25は、焼鈍の最高到達温度が低く、硬質第2相が得られなかったため、強度が低く、TS×t−El[MPa・%]及びTS×L−El[MPa・%]も低下している。なお製造No.25は硬質第2相を有していないため、硬質第2相におけるパーライトの割合を求めることができず、表6の「硬質第2相におけるパーライトの割合」の欄に「−」を示している。
製造No.28は、本発明鋼のうち、焼鈍の最高到達温度からの平均冷却速度が速いため、硬質第2相におけるパーライトの割合が少なく、高強度ではあるものの、降伏比が低下した例である。製造No.30は、本発明鋼であり、焼鈍の最高到達温度からの平均冷却速度が速いため、硬質第2相におけるパーライトの割合が少ないものの、焼鈍の加熱速度が速く、滞留時間が短いため、未再結晶フェライトの面積率が増加し、硬質第2相の面積率が低下したため、降伏比を高めることができた例である。
Figure 2008106351
Figure 2008106351
Figure 2008106351
本発明の鋼の金属組織の模式図である。 本発明の未再結晶フェライトの模式図である。
符号の説明
1 未再結晶フェライト
2 硬質第2相
3 再結晶フェライト又は変態フェライト
4 サブグレイン

Claims (13)

  1. 質量%で、
    C :0.05〜0.25%、
    Si:1.00%以下、
    Mn:0.50〜3.50%、
    P :0.150%以下、
    S :0.0150%以下、
    Al:0.200%以下、
    N :0.0100%以下
    を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、金属組織がフェライトと硬質第2相からなり、前記フェライトが再結晶フェライト、変態フェライトの一方又は双方と未再結晶フェライトからなり、前記未再結晶フェライトの面積率が10〜70%であり、前記再結晶フェライト、前記変態フェライトの一方又は双方の面積率が10〜70%であり、前記硬質第2相の面積率が1〜30%であることを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  2. 硬質第2相が、パーライトと、マルテンサイト、ベイナイト及び残留オーステナイトの1種又は2種以上とからなり、該硬質第2相におけるパーライトの割合が面積率で80%以上であることを特徴とする請求項1記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  3. 冷延鋼板の降伏比が、0.70以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  4. 質量%で、
    Nb:0.005〜0.100%、
    Ti:0.005〜0.100%
    の一方又は双方を合計で0.130%未満含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  5. 質量%で、
    Mo:0.1〜1.5%、
    B :0.0005〜0.0100%、
    Cr:0.10〜1.50%、
    Ni:0.10〜1.50%
    のうち、1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の冷延鋼板の表面に溶融Znめっきを設けたことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の冷延鋼板の表面に合金化溶融Znめっきを設けたことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板。
  8. 請求項1、4又は5の何れか1項に記載の化学成分を有する鋼片を熱間圧延し、酸洗後、冷間圧延を施した後、鋼板を、(Ac1[℃]−100℃)からAc1[℃]までの昇温速度を10℃/s以上としてAc1[℃]〜{Ac1[℃]+2/3×(Ac3[℃]−Ac1[℃])}の温度範囲内に昇温し、前記鋼板の温度が該温度範囲内である滞留時間を10〜200sとして焼鈍することを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
    ここで、Ac1[℃]及びAc3[℃]は質量%で表されるC、Mn、Siの含有量(%C)、(%Mn)、(%Si)によって下記(式1)及び(式2)から求めたAc1変態温度及びAc3変態温度である。
    Ac1=761.3+212(%C)−45.8(%Mn)+16.7(%Si)
    ・・・(式1)
    Ac3=915−325.9(%C)−35.9(%Mn)+31.4(%Si)
    ・・・(式2)
  9. 請求項8記載の焼鈍後、平均冷却速度を40℃/s未満として350〜500℃まで冷却することを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
  10. 請求項8記載の焼鈍後、350〜500℃まで冷却し、次いで溶融Znめっきを施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
  11. 請求項8記載の焼鈍後、平均冷却速度を40℃/s未満として350〜500℃まで冷却し、次いで溶融Znめっきを施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
  12. 請求項10又は11記載の溶融Znめっきを施した後に450〜600℃の温度範囲で10s以上の熱処理を行うことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
  13. 請求項8〜12の何れか1項に記載の方法により製造した冷延鋼板に0.1〜5.0%のスキンパス圧延を施すことを特徴とする加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
JP2007181176A 2006-09-29 2007-07-10 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 Active JP5088023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007181176A JP5088023B2 (ja) 2006-09-29 2007-07-10 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006268647 2006-09-29
JP2006268647 2006-09-29
JP2007181176A JP5088023B2 (ja) 2006-09-29 2007-07-10 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008106351A true JP2008106351A (ja) 2008-05-08
JP5088023B2 JP5088023B2 (ja) 2012-12-05

Family

ID=39439958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007181176A Active JP5088023B2 (ja) 2006-09-29 2007-07-10 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5088023B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011202272A (ja) * 2011-01-31 2011-10-13 Jfe Steel Corp 加工性に優れた高降伏比を有する高強度冷延鋼板およびその製造方法
EP2500445A1 (en) * 2009-11-09 2012-09-19 Nippon Steel Corporation High-strength steel sheet having excellent processability and paint bake hardenability, and method for producing of high-strength steel sheet
WO2013039272A1 (ko) * 2011-09-16 2013-03-21 주식회사 포스코 고강도 및 고성형성을 갖는 극박 냉연 강판 및 그 제조방법
US20140220383A1 (en) * 2011-08-05 2014-08-07 Jfe Steel Corporation Hot-dip galvanized steel sheet and production method therefor
JP5987999B1 (ja) * 2015-03-27 2016-09-07 Jfeスチール株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
WO2016157258A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 Jfeスチール株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
JP2017002333A (ja) * 2015-06-04 2017-01-05 新日鐵住金株式会社 形状凍結性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
US9976205B2 (en) * 2012-06-05 2018-05-22 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Steel, sheet steel product and process for producing a sheet steel product
WO2021033407A1 (ja) 2019-08-20 2021-02-25 Jfeスチール株式会社 高強度冷延鋼板およびその製造方法
WO2021175318A1 (zh) * 2020-03-06 2021-09-10 宝山钢铁股份有限公司 一种三层复合组织高强钢板及其制造方法
CN114207172A (zh) * 2019-07-31 2022-03-18 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板、高强度部件及其制造方法
WO2023052814A1 (en) * 2021-09-29 2023-04-06 Arcelormittal Cold rolled and heat treated steel sheet and a method of manufacturing thereof

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110117755B (zh) * 2019-05-21 2020-11-03 安徽工业大学 一种980MPa级低屈强比冷轧中锰钢的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63143223A (ja) * 1986-12-04 1988-06-15 Kawasaki Steel Corp 高張力冷延鋼板の製造方法
JP2003321714A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Jfe Steel Kk 歪み時効硬化特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法
JP2005154906A (ja) * 2000-02-29 2005-06-16 Jfe Steel Kk 歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63143223A (ja) * 1986-12-04 1988-06-15 Kawasaki Steel Corp 高張力冷延鋼板の製造方法
JP2005154906A (ja) * 2000-02-29 2005-06-16 Jfe Steel Kk 歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法
JP2003321714A (ja) * 2002-04-26 2003-11-14 Jfe Steel Kk 歪み時効硬化特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2500445A1 (en) * 2009-11-09 2012-09-19 Nippon Steel Corporation High-strength steel sheet having excellent processability and paint bake hardenability, and method for producing of high-strength steel sheet
EP2500445A4 (en) * 2009-11-09 2017-05-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation High-strength steel sheet having excellent processability and paint bake hardenability, and method for producing of high-strength steel sheet
CN103339280B (zh) * 2011-01-31 2015-08-19 杰富意钢铁株式会社 加工性优良并具有高屈服比的高强度冷轧钢板及其制造方法
WO2012105126A1 (ja) * 2011-01-31 2012-08-09 Jfeスチール株式会社 加工性に優れた高降伏比を有する高強度冷延鋼板およびその製造方法
CN103339280A (zh) * 2011-01-31 2013-10-02 杰富意钢铁株式会社 加工性优良并具有高屈服比的高强度冷轧钢板及其制造方法
US9914988B2 (en) 2011-01-31 2018-03-13 Jfe Steel Corporation High-strength cold-rolled steel sheet with high yield ratio having excellent formability and method for producing the same
JP2011202272A (ja) * 2011-01-31 2011-10-13 Jfe Steel Corp 加工性に優れた高降伏比を有する高強度冷延鋼板およびその製造方法
US10337094B2 (en) * 2011-08-05 2019-07-02 Jfe Steel Corporation Hot-dip galvanized steel sheet and production method therefor
US20140220383A1 (en) * 2011-08-05 2014-08-07 Jfe Steel Corporation Hot-dip galvanized steel sheet and production method therefor
JP2014530296A (ja) * 2011-09-16 2014-11-17 ポスコ 高強度及び高成形性を有する極薄冷延鋼板及びその製造方法
CN103797143A (zh) * 2011-09-16 2014-05-14 Posco公司 具有高强度和高可成型性的薄冷轧钢板及其制备方法
WO2013039272A1 (ko) * 2011-09-16 2013-03-21 주식회사 포스코 고강도 및 고성형성을 갖는 극박 냉연 강판 및 그 제조방법
US9976205B2 (en) * 2012-06-05 2018-05-22 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Steel, sheet steel product and process for producing a sheet steel product
CN107406931A (zh) * 2015-03-27 2017-11-28 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板及其制造方法
US10570476B2 (en) 2015-03-27 2020-02-25 Jfe Steel Corporation High-strength steel sheet and production method therefor
EP3257959A4 (en) * 2015-03-27 2017-12-20 JFE Steel Corporation High-strength steel sheet and production method therefor
KR20170120171A (ko) * 2015-03-27 2017-10-30 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 강판 및 그 제조 방법
WO2016157258A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 Jfeスチール株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
KR101989726B1 (ko) 2015-03-27 2019-06-14 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 강판 및 그 제조 방법
JP5987999B1 (ja) * 2015-03-27 2016-09-07 Jfeスチール株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
JP2017002333A (ja) * 2015-06-04 2017-01-05 新日鐵住金株式会社 形状凍結性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
CN114207172A (zh) * 2019-07-31 2022-03-18 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板、高强度部件及其制造方法
CN114207172B (zh) * 2019-07-31 2023-07-18 杰富意钢铁株式会社 高强度钢板、高强度部件及其制造方法
WO2021033407A1 (ja) 2019-08-20 2021-02-25 Jfeスチール株式会社 高強度冷延鋼板およびその製造方法
KR20220033517A (ko) 2019-08-20 2022-03-16 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 냉연 강판 및 그의 제조 방법
US11926881B2 (en) 2019-08-20 2024-03-12 Jfe Steel Corporation High-strength cold-rolled steel sheet and method for manufacturing the same
WO2021175318A1 (zh) * 2020-03-06 2021-09-10 宝山钢铁股份有限公司 一种三层复合组织高强钢板及其制造方法
WO2023052814A1 (en) * 2021-09-29 2023-04-06 Arcelormittal Cold rolled and heat treated steel sheet and a method of manufacturing thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP5088023B2 (ja) 2012-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5088023B2 (ja) 加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP4995109B2 (ja) 加工性及び耐衝突特性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP5983895B2 (ja) 高強度鋼板およびその製造方法、ならびに高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP6179674B2 (ja) 高強度鋼板、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、高強度溶融アルミニウムめっき鋼板および高強度電気亜鉛めっき鋼板、ならびに、それらの製造方法
CN109072380B (zh) 钢板、镀覆钢板和它们的制造方法
JP6544494B1 (ja) 高強度亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP5347738B2 (ja) 析出強化型冷延鋼板の製造方法
JP5157375B2 (ja) 剛性、深絞り性及び穴拡げ性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
CN107923013B (zh) 高强度钢板及其制造方法
JP5088041B2 (ja) 局部延性に優れた高ヤング率高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP4959418B2 (ja) 高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP2017048412A (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およびそれらの製造方法
WO2013084478A1 (ja) 耐時効性と焼付き硬化性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法
JP5151468B2 (ja) 加工性及び耐衝突特性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
CN107429355B (zh) 高强度钢板及其制造方法
WO2011118421A1 (ja) 深絞り性に優れた高強度鋼板の製造方法
JP5239562B2 (ja) 加工性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2019044269A (ja) 高強度冷延薄鋼板
CN111527223A (zh) 高强度冷轧钢板及其制造方法
CN113348259A (zh) 高强度热浸镀锌钢板和其制造方法
CN113316656B (zh) 高强度热浸镀锌钢板及其制造方法
CN108713065B (zh) 高强度冷轧钢板及其制造方法
JP5440375B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2007197748A (ja) 深絞り用高強度複合組織型冷延鋼板の製造方法
JP5338257B2 (ja) 延性に優れた高降伏比超高張力鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120814

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120827

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5088023

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350