JP5530209B2 - 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C:0.10〜0.25%、
Si:0.90〜2.40%、
Mn:1.50〜2.50%、
Al:0.10〜0.80%、
P:0.050%以下(0%を含む)、
S:0.050%以下(0%を含む)、
N:0.010%以下(0%を含む)、
Ca:0.0100%以下(0%を含む)
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
かつ、下記式1で定義されるTγ50(℃)が835〜950℃となる成分組成を有し、
フェライトを面積率で25〜75%含み、
残部が焼戻しマルテンサイトからなり、かつ、前記フェライトの存在形態を規定する、下記式2で定義されるフェライト同士連結率が、0.25以下である組織を有し、
前記フェライトの引張強度に対する前記焼戻しマルテンサイトの引張強度の倍率で定義される焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が4以下であり、
前記焼戻しマルテンサイト中に存在する、円相当直径0.1μm以上のセメンタイト粒子の分散状態が、前記焼戻しマルテンサイト1mm2当たり500個以下である、
ことを特徴とする伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板である。
式1:Tγ50=816.5−101.5√[C]+36.9[Si]−20.35[Mn]+200[Al]
ただし、[C]、[Si]、[Mn]および[Al]は、それぞれC、Si、MnおよびAlの含有量(質量%)を意味する。
式2:「フェライト同士連結率」=「フェライト粒子同士の界面との交点数」/(「フェライト粒子同士の界面との交点数」+「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」)
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。
請求項1に示す成分組成を有する鋼材を、下記(1)〜(4)に示す各条件で、熱間圧延した後、冷間圧延し、その後、焼鈍し、さらに焼戻しすることを特徴とする請求項1に記載の伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板の製造方法である。
(1) 熱間圧延条件
巻取温度:500℃以下
(2) 冷間圧延条件
冷間圧延率:20%以上
(3) 焼鈍条件
上記冷間圧延後の温度から800℃までの温度域を1〜15℃/sの加熱速度で加熱し、焼鈍加熱温度:[(50×Tγ50+50×Ac1)/100]〜[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]に焼鈍保持時間:3600s以下保持した後、該焼鈍加熱温度から500℃までを20℃/s以上の第1冷却速度で急冷した後、500℃から200℃までを200℃/s以上の第2冷却速度で急冷する。
(4) 焼戻し条件
焼戻し加熱温度Ttemp:300〜550℃にて、焼戻し保持時間ttemp:600s以下で、かつ、下記式2で定義される焼戻しパラメータξが15000〜19000となる時間保持する。
式2:ξ=(Ttemp+273)・〔log(ttemp)+20〕
上述したとおり、本発明鋼板は、上記特許文献2〜5と同様の、フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織をベースとするものであるが、特に、フェライトを焼戻しマルテンサイトで取り囲んで孤立分散させるとともに、該フェライトと焼戻しマルテンサイトの強度比を制御し、さらに、焼戻しマルテンサイト中に存在するセメンタイト粒子の分布状態を制御している点で、上記特許文献2〜5の鋼板とは相違している。
フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼では、変形は主として変形能の高いフェライトが受け持つ。そのため、フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼の伸びは主としてフェライトの面積率で決定される。
フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼においては、強度と伸びのバランスは、フェライトの面積率だけでなく、フェライトの存在形態にも依存する。すなわち、フェライト粒子同士が連結している状態では、変形能の高いフェライト側に応力が集中し、変形をフェライトのみが担うため、強度と伸びの適切なバランスが得られにくい。一方、フェライト粒子が焼戻しマルテンサイト粒に囲まれていると、この焼戻しマルテンサイト粒子が強制的に変形させられるため、該焼戻しマルテンサイト粒子も変形を担うようになり、強度と伸びのバランスが改善される。
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。
上記のようにフェライトの存在形態に関する要件を満足させることでフェライト中の亀裂伝播を抑制できた場合、次に破壊の起点になるのは、フェライトと焼戻しマルテンサイトの界面である。焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が高くなるとフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面に歪が集中しやすくなり、早期に破壊が発生し、局所伸びや伸びフランジ性が低下する。
上記のように焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比に関する要件を満足させることでフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面における歪の集中を抑制できた場合、次に破壊の起点になるのは、フェライトと界面を接する焼戻しマルテンサイト中に析出したセメンタイトになる。このセメンタイト粒子が粗大になると変形時の応力集中が過大となり伸びフランジ性が確保できなくなるので、伸びフランジ性を確保するためには、セメンタイト粒子のサイズと存在密度を制御する必要がある。
まず、各相の面積率については、各供試鋼板を鏡面研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、概略40μm×30μm領域5視野について倍率2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察し、点算法で1視野につき100点の測定を行い、コントラストの暗い領域(黒色部)をフェライトとし、残りの領域を焼戻しマルテンサイトとして、各領域の面積比率よりフェライトの面積率を算出した。
セメンタイト粒子のサイズおよびその存在密度については、各供試鋼板の抽出レプリカサンプルを作成し、2.4μm×1.6μmの領域3視野について倍率50000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)像を観察し、画像のコントラストから白い部分をセメンタイト粒子と判別してマーキングし、画像解析ソフトにて、前記マーキングした各セメンタイト粒子の面積Aから円相当直径D(D=2×(A/π)1/2)を算出するとともに、単位面積あたりに存在する所定のサイズのセメンタイト粒子の個数を求めた。なお、複数個のセメンタイト粒子が重なり合う部分は観察対象から除外した。
圧延方向から組織観察できるように各供試鋼板を圧延方向に垂直に切断して試料を切り出し、これを鏡面に研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、走査型電子顕微鏡(SEM)にて2000倍で組織観察を行う。そして、図1に示すように、板面方向(ND)が上下、圧延方向に垂直な方向(TD)が左右になるように撮影し、この組織写真中に5μm間隔でTD方向に平行な線分を総長で1000μm以上になるように引き、これらの線分と、フェライト粒子同士の界面との交点(□(白抜き)で囲んだ点)およびフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面との交点(○で囲んだ点)の数をそれぞれ求める。そして、上記式(2)にて「フェライト同士連結率」を算出する。「フェライト同士連結率」の値が小さいということは、フェライト粒子とフェライト粒子が連続している領域が少ないこと、つまり、フェライト粒子が連続せず、焼戻しマルテンサイトに囲まれ、孤立分散していることを示している。
焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比は、フェライトの引張強度TSFに対する焼戻しマルテンサイトの引張強度TSMの倍率TSM/TSFで定義されるが、下記式(3)で算出できる。
ここに、TSF=294+27.7[Si]+83.2[Mn]+7.7(DF/1000)−0.5
ただし、Hv:JIS Z 2244の試験方法に従って測定された、鋼板表面のビッカース硬さ(98.07N)、VF:フェライトの面積率(%)、VM:焼戻しマルテンサイトの面積率(%)、DF:JIS G0552に規定された切断法により粒度番号Gを求め、これから1mm2当たりの結晶粒数mを算出し、平均結晶粒径dmに換算して求めた、フェライト平均粒径(μm)、[Si]:Si含有量(質量%)、[Mn]:Mn含有量(質量%)である。
(なお、上記式(3)は、藤田利夫ら訳:「鉄鋼材料の設計と理論」(丸善株式会社)、昭和56年9月30日発行に記載の低炭素鋼の引張強度に及ぼす固溶強化および微細化強化の効果に関する数式から、フェライトの固溶強化および微細化強化の項を抽出するとともに、鋼板の引張強度は各組織の引張強度の加算則で決定されるという仮定の下、導出を行ったものである。)
C:0.10〜0.25%
Cは、焼戻しマルテンサイトの面積率および該焼戻しマルテンサイト中に析出するセメンタイト量に影響し、強度、伸びおよび伸びフランジ性に影響する重要な元素である。0.10%未満では強度が確保できなくなる。一方、0.25%超では焼戻しマルテンサイトの強度と焼戻し中におけるセメンタイトの粗大化防止が両立できなくなる。C含有量の範囲は、好ましくは0.12〜0.23%、さらに好ましくは0.14〜0.21%である。
固溶強化により伸びと伸びフランジ性を低下させずに引張強度を高められる有用な元素である。0.90%未満では固溶強化量が減少し、フェライトの強度が低下する。一方、2.40%超ではフェライトが強化されすぎて延性が低下する。Si含有量の範囲は、好ましくは1.10〜2.20%、さらに好ましくは1.30〜2.10%である。
Mnは、固溶強化によって鋼板の引張強度を高くするとともに、鋼板の焼入れ性を向上させ、低温変態相の生成を促進する効果を有し、マルテンサイト面積率を確保するために有用な元素である。1.5%未満では固溶強化量が不足するとともに、焼入れ性が低下し適切な組織分率のフェライト−焼戻しマルテンサイト組織を確保できなくなる。一方、2.50%超とすると逆変態温度(Ac1点およびAc3点)を低下させるとともに、セメンタイトにMnが溶け込み、セメンタイトの溶解を抑制するため、二相域加熱時に粗大セメンタイトが残存し、伸びフランジ性が低下する。Mn含有量の範囲は、好ましくは1.70〜2.30%、さらに好ましくは1.80〜2.10%である。
Alは強力なフェライト形成元素であり、逆変態温度(Ac1点およびAc3点)を上昇させるのに有用な元素である。0.10%未満では下記式(1)で定義されるTγ50を十分に高めることができず、焼戻し加熱時にセメンタイトの粗大化を十分に抑制できない。一方、0.80%超では脆いFe−Al化合物が形成されるため、伸びが確保できなくなる。Al含有量の範囲は、好ましくは0.15〜0.70%、さらに好ましくは0.20〜0.60%である。
Pは不純物元素として不可避的に存在し、固溶強化により強度の上昇に寄与するが、 旧オーステナイト粒界に偏析し、粒界を脆化させることで伸びフランジ性を劣化させるので、0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。
Sも不純物元素として不可避的に存在し、MnS介在物を形成し、穴拡げ時に亀裂の起点となることで伸びフランジ性を低下させるので、0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。
Nも不純物元素として不可避的に存在し、歪時効により伸びと伸びフランジ性を低下させるので、低い方が好ましく、0.010%以下とする。
Caは、介在物であるMnSを微細化し、破壊の起点を減少させることで、伸びフランジ性を向上させるのに有用な元素である。0.0100%を超える添加では介在物が粗大化し、伸びフランジ性が低下する。
Tγ50=816.5−101.5√[C]+36.9[Si]−20.35[Mn]+200[Al] ・・・式(1)
ただし、[C]、[Si]、[Mn]および[Al]は、それぞれC、Si、MnおよびAlの含有量(質量%)を意味する。
上記のような冷延鋼板を製造するには、まず、上記成分組成を有する鋼を溶製し、造塊または連続鋳造によりスラブとしてから熱間圧延(以下、「熱延」ともいう。)を行う。
熱間圧延条件としては、仕上げ圧延の終了温度をAr3点以上に設定し、適宜冷却を行った後、500℃以下で巻き取る。
巻取温度が500℃を超えるとパーライトやベイナイトのような粗大なセメンタイトを含む組織が形成され、二相域焼鈍加熱時に粗大セメンタイトが溶解しなくなり、伸びフランジ性が低下する。より好ましい巻取温度は450℃以下である。
熱間圧延終了後は酸洗してから冷間圧延(以下、「冷延」ともいう。)を行うが、冷間圧延率(以下、「冷延率」ともいう。)は20%以上とするのがよい。
冷間圧延を十分に施すことにより偏平化した結晶粒を焼鈍加熱時に再結晶させることで等軸状のフェライトを作りこみ、二相域加熱時にフェライト粒界にオーステナイトを形成させることでフェライト粒子を孤立化することが実現できる。冷間圧延率が20%未満では、焼鈍加熱時に再結晶が起こりにくくなり、孤立したフェライトが十分に得られず、伸びおよび伸びフランジ性が低下する。より好ましい冷間圧延率は25%以上である。
焼鈍条件としては、上記冷間圧延後の温度から800℃までの温度域を1〜15℃/sの加熱速度で加熱し、焼鈍加熱温度:[(50×Tγ50+50×Ac1)/100]〜[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]に焼鈍保持時間:3600s以下保持した後、該焼鈍加熱温度から500℃までを20℃/s以上の第1冷却速度で急冷した後、500℃から200℃までを200℃/s以上の第2冷却速度で急冷するのがよい。
加熱中にフェライトの再結晶を起こさせる一方で、加熱中におけるセメンタイトの成長を防止し、二相域加熱時にセメンタイトが溶解できる範囲にセメンタイトのサイズを抑制するためである。1℃/s未満ではフェライトが再結晶できず逆変態時にフェライト同士が連結した状態で残存しやすくなり、伸びまたは伸びフランジ性が低下する。一方、15℃/s超になるとセメンタイトが粗大化し、二相域加熱時にセメンタイトが十分に溶解できず、伸びフランジ性が低下する。加熱速度のより好ましい範囲は2〜12℃/s、特に好ましい範囲は3〜10℃/sである。
焼鈍加熱時においてフェライトからオーステナイトへ変態させることにより適正なフェライト−オーステナイト面積率を確保するためである。焼鈍加熱温度が(50×Tγ50+50×Ac1)/100]未満では、焼鈍加熱時においてオーステナイトへの変態量が不足するため、その後の冷却時にオーステナイトから変態生成するマルテンサイトの量が確保できなくなり、一方、[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]を超える加熱は、焼鈍加熱時においてオーステナイトへの変態量が過剰になりフェライトが不足する。
冷却中にオーステナイトから、フェライトが形成される温度域(500℃以上)とベイナイトが形成される温度域(500℃未満)を急冷することで、フェライト−マルテンサイト組織を得るためである。
焼戻し条件としては、焼戻し加熱温度Ttemp:300〜550℃にて、焼戻し保持時間ttemp:600s以下で、かつ、下記式2で定義される焼戻しパラメータξが15000〜19000となる時間保持すればよい。
これを表2に示す製造条件にて、熱間圧延で厚さ25mmにした後、再度、熱間圧延で厚さ3.2mmとし、これを酸洗した後、厚さ1.6mm(鋼No.20のみ厚さ2.88mm)に冷間圧延して供試材とし、熱処理(焼鈍、焼戻し)を施した。
Claims (2)
- 質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C:0.10〜0.25%、
Si:0.90〜2.40%、
Mn:1.50〜2.50%、
Al:0.10〜0.80%、
P:0.050%以下(0%を含む)、
S:0.050%以下(0%を含む)、
N:0.010%以下(0%を含む)、
Ca:0.0100%以下(0%を含む)
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
かつ、下記式1で定義されるTγ50(℃)が835〜950℃となる成分組成を有し、
フェライトを面積率で25〜75%含み、
残部が焼戻しマルテンサイトからなり、
かつ、前記フェライトの存在形態を規定する、下記式2で定義されるフェライト同士連結率が、0.25以下である組織を有し、
前記フェライトの引張強度に対する前記焼戻しマルテンサイトの引張強度の倍率で定義される焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が4以下であり、
前記焼戻しマルテンサイト中に存在する、円相当直径0.1μm以上のセメンタイト粒子の分散状態が、前記焼戻しマルテンサイト1mm2当たり500個以下である、
ことを特徴とする伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板。
式1:Tγ50=816.5−101.5√[C]+36.9[Si]−20.35[Mn]+200[Al]
ただし、[C]、[Si]、[Mn]および[Al]は、それぞれC、Si、MnおよびAlの含有量(質量%)を意味する。
式2:「フェライト同士連結率」=「フェライト粒子同士の界面との交点数」/(「フェライト粒子同士の界面との交点数」+「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」)
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。 - 請求項1に示す成分組成を有する鋼材を、下記(1)〜(4)に示す各条件で、熱間圧延した後、冷間圧延し、その後、焼鈍し、さらに焼戻しすることを特徴とする請求項1に記載の伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(1) 熱間圧延条件
巻取温度:500℃以下
(2) 冷間圧延条件
冷間圧延率:20%以上
(3) 焼鈍条件
上記冷間圧延後の温度から800℃までの温度域を1〜15℃/sの加熱速度で加熱し、焼鈍加熱温度:[(50×Tγ50+50×Ac1)/100]〜[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]に焼鈍保持時間:3600s以下保持した後、該焼鈍加熱温度から500℃までを20℃/s以上の第1冷却速度で急冷した後、500℃から200℃までを200℃/s以上の第2冷却速度で急冷する。
(4) 焼戻し条件
焼戻し加熱温度Ttemp:300〜550℃にて、焼戻し保持時間ttemp:600s以下で、かつ、下記式2で定義される焼戻しパラメータξが15000〜19000となる時間保持する。
式2:ξ=(Ttemp+273)・〔log(ttemp)+20〕
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