JP2006002186A - 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006002186A JP2006002186A JP2004177434A JP2004177434A JP2006002186A JP 2006002186 A JP2006002186 A JP 2006002186A JP 2004177434 A JP2004177434 A JP 2004177434A JP 2004177434 A JP2004177434 A JP 2004177434A JP 2006002186 A JP2006002186 A JP 2006002186A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- cold
- austenite
- rolled
- steel sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
【課 題】 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 C、Mn、P、S、Nを適正量に調整し、Nb:0.005〜0.20%を含み、Si:0.2〜1.5%、Al:0.2〜2.0%を、Si+1/2(Al)≧0.50% を満足するように含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼素材に、仕上圧延終了温度がAr3 変態点以上、巻取り温度が400〜650℃の熱間圧延と、冷間圧延と、さらに、Ac1変態点以上で20℃/s以下の加熱速度で800〜900℃の温度域の焼鈍均熱温度まで加熱し、800〜900℃で60〜300s間滞留したのち、600〜700℃の温度域の徐冷停止温度まで1〜10℃/sの冷却速度で徐冷却し、ついで350〜500℃の温度域の急冷停止温度まで15〜200℃/sの冷却速度で急冷却し、350〜500℃の温度域で30〜300s間滞留したのち、冷却する焼鈍処理を施す。これにより、延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板となる。なお、Cr、Ni、Mo、Bのうちから選ばれた1種または2種以上、Ti、Vのうちから選ばれた1種または2種を含有してもよい。
【選択図】 図1
Description
(1)mass%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.2〜1.5%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.2〜2.0%、N:0.01%以下、Nb:0.005〜0.20%を含有し、かつSi、Alを次(1)式
Si+1/2(Al)≧0.50% ………(1)
(ここで、Si、Al:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼素材に、熱間圧延を施し熱延板とする熱延工程と、前記熱延板に冷間圧延を施し冷延板とする冷延工程とを順次施したのち、前記冷延板に焼鈍処理を施し冷延焼鈍板とするに当たり、
前記熱間圧延を、仕上圧延終了温度がAr3 変態点以上、巻取り温度が400〜650℃とする熱間圧延とし、前記焼鈍処理を、Ac1変態点〜焼鈍均熱温度までの平均加熱速度が20℃/s以下の加熱速度で800〜900℃の温度域の焼鈍均熱温度まで加熱し、該800〜900℃の温度域で60〜300s間滞留させ、800℃から600〜700℃の温度域の徐冷停止温度まで1〜10℃/sの平均冷却速度で徐冷却し、ついで該徐冷停止温度から350〜500℃の温度域の急冷停止温度まで15〜200℃/sの平均冷却速度で急冷却し、該350〜500℃の温度域で30〜300s間滞留させる処理とすることを特徴とする延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、B:0.0005〜0.0030%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Ti:0.01〜0.20%、V:0.01〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
Cはオーステナイトを安定化させる元素であり、オーステナイト中に濃化して、オーステナイトを室温まで安定に残留させることができる。この残留オーステナイトは、プレス加工などによる歪導入時に硬質なマルテンサイトに歪誘起変態し、歪の集中を抑制することで加工性を向上させることができる。このような残留オーステナイトを得るためには、C:0.05%以上の含有を必要とする。なお、ベイナイトやマルテンサイトなどの硬質な低温変態相の生成を促進し、鋼板を高強度化するためには、Cは0.10%以上含有することが好ましい。一方、0.20%を超える含有は、セメンタイトやパーライトを多量に生成し、延性、穴広げ加工性がともに劣化する。また、多量のC含有は、溶接性の劣化も招く。このため、本発明では、Cは0.05〜0.20%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.15%以下である。
Siは、フェライトを安定化させる元素であり、フェライト生成を促進することで、オーステナイト中にCを濃化させる作用を有する。さらに、Siはフェライト中のC固溶量を低減する作用も有し、オーステナイト中のC濃度をさらに高めることができる。このような効果は、0.2%以上の含有で顕著となる。一方、Siの1.5%を超える多量含有は、溶接性を劣化させるとともに、熱延加熱時にスラブ表面にファイヤライトの生成を促進し、いわゆる赤スケールと呼ばれる表面模様の発生を助長する。また、冷延焼鈍時、表面に生成するSi酸化物が化成処理性を劣化させるとともに、溶融亜鉛めっき時に不めっきを誘発する。このようなことから、Siは0.2〜1.5%に限定した。なお、好ましくは0.4%以上である。とくに表面性状に優れることが要求される鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、0.7%以下とすることが好ましい。
Mnは、オーステナイトを安定化させる元素であり、マルテンサイトの生成開始温度Ms点を低下させ、焼鈍過程における冷却時にオーステナイトがマルテンサイトに変態するのを抑制する。また、パーライトの生成も遅らせ、オーステナイトを室温まで安定に残留させる作用を有する。さらに、Mnは、固溶強化元素として、鋼板の高強度化に有効に寄与する。このような効果は、0.5%以上、好ましくは1.0%以上の含有で認められる。一方、3.0%を超える多量のMn含有は、鋼板の溶接性を劣化させるとともに、ベイナイト変態を抑制し、焼鈍過程における冷却時にベイナイト変態の進行にともなうオーステナイト中へのC濃化を抑制する。このため、所望の残留オーステナイト量が確保できなくなる。このようなことから、Mnは0.5〜3.0%に限定した。なお、好ましくは2.0%以下である。
Pは、固溶強化に有効な元素であり、さらにフェライト安定化元素として、オーステナイト中へのC濃化を促進する作用も有する元素であり、このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となる。一方、Pは、多量に含有すると粒界に偏析して、鋼板の延性、靭性を低下させるとともに、溶接性も劣化させる。このため、Pは0.05%以下とする。
Sは、熱間での延性を著しく低下させ、熱間割れを誘発し、表面性状を著しく劣化させる。また、Sは、強度にほとんど寄与しないばかりか、不純物元素として粗大なMnSを形成することにより、延性や、とくに穴広げ加工性を低下させる。このため、Sは極力低減することが望ましいが、0.01%までは許容できる。このため、Sは0.01%以下に限定した。なお、延性および穴広げ加工性を向上させる観点からは、Sは0.005%以下に限定することが好ましい。
Alは、フェライトを安定化させる元素であり、フェライト生成を促進することで、オーステナイト中にCを濃化させる作用を有する。また、Alは、固溶強化元素として高強度化にも有効に寄与する。このようなことから、本発明では、Alは0.2%以上含有させる。一方、2.0%を超えるAlの多量含有は、鋼のAr3変態点を上昇させ、オーステナイト単相域で熱間圧延を終了することを困難にする。したがって、Alは0.2〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.3〜1.0%である。
0.01%を超えるNの多量含有は、熱間圧延中にスラブ割れを伴い、表面疵を発生する危険性が増大する。このため、Nは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.004%以下である。
Nbは、本発明における最も重要な元素の1つであり、熱間圧延時に加工されたオーステナイトの再結晶を抑制する作用を有し、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、熱延板の組織を細粒化して、冷延後の焼鈍処理時に再結晶フェライトの核生成サイトを増加させる作用を有する。また、Nbは、微細な炭窒化物を形成し、再結晶フェライトの粒成長を抑制する作用を有し、焼鈍時の加熱に際し、オーステナイトの核生成サイトをさらに増加させ、その結果、残留オーステナイトを微細分散させる。また、Nbは組織の細粒化と炭窒化物形成により強度上昇に寄与する。
Si+1/2(Al)≧0.50% ………(1)
を満足するように調整する。
Cr、Ni、Mo、Bは、いずれも強度を増加させる作用を有し、必要に応じ選択して含有できる。
Ti、Vは、いずれも微細な炭窒化物の形成を介して、延性の向上、鋼板の強度上昇に寄与する元素であり、強度−延性バランスを向上するために必要に応じ選択して含有できる。
ここでいう「残部が実質的に鉄である」とは、残部が鉄および不可避的不純物をはじめ、本発明の作用・効果を損なわない限り、他の微量元素を含有してもよいことを意味する。
仕上圧延終了温度がAr3変態点未満では、フェライト+オーステナイトの二相域での圧延となり、軟質なフェライト相に歪が集中してオーステナイトには十分な歪が導入されないため、変態後のフェライト粒が粗大化する。また、歪が集中するフェライト相においても、フェライト相は積層欠陥エネルギーが高いことから回復が進行して、フェライトの再結晶が起こらず、圧延方向に展伸した粗大粒となる。このような熱延板段階でのフェライト粒の粗大化は、冷延後の焼鈍時におけるオーステナイトの核発生サイトを減少させ、焼鈍後の残留オーステナイト相を含む第二相が粗大化して、良好な延性、良好な穴広げ加工性を得ることができなくなる。このため、仕上圧延終了温度はAr3変態点以上に限定した。なお、仕上圧延終了温度の上限は、オーステナイトの再結晶、粒成長の観点から、950℃以下とすることが好ましい。
巻取り温度が400℃未満では、低温変態相が生成し熱延板が硬質化する。このため、冷間圧延工程における圧延負荷が増大し、圧延能率が低下する。また、さらに、巻取り温度が400℃未満では、Nb炭窒化物の生成が抑制され、Nbが熱延板中で固溶Nbとして存在し、冷延後の焼鈍において再結晶が顕著に抑制される。そのため、未再結晶組織からのオーステナイト変態が促進され、オーステナイト粒が粗大化するため、焼鈍後に形成される第二相も粗大化し、穴広げ性が低下する。一方、巻取り温度が650℃を超えて高くなると、粗大パーライトが生成するため、冷延後の焼鈍において、C量の高いパーライト相からオーステナイト変態が進行し、そのため、焼鈍後の残留オーステナイト相を含む第二相も粗大化し、良好な延性、良好な穴広げ加工性を確保できなくなる。また、巻取り温度が650℃を超えて高くなると、Nb炭窒化物が粗大化し、冷延後の焼鈍における再結晶粒の粒成長抑制効果が低下し、粗大組織からオーステナイト変態が促進され、オーステナイト粒が粗大化するため、焼鈍後に形成される第二相も粗大化し、穴広げ性が低下する。また、粗大な炭窒化物は強度上昇にも寄与しない。このようなことから、巻取り温度は400〜650℃の範囲に限定した。
ついで、冷延板は焼鈍処理を施され、冷延焼鈍板となる。
焼鈍時の加熱は、平均加熱速度:20℃/s以下の徐加熱とする。Ac1変態点以上、焼鈍均熱温度までの加熱速度は、本発明の最も重要な要件の1つである。Ac1変態点以上の温度域で徐加熱を行なうことにより、微細なオーステナイトを分散させて変態させることができ、さらにオーステナイト中のC濃化を促進することができる。これは、Ac1変態点直上の、オーステナイト分率が小さい状態では、オーステナイトが粗大化せず、したがって、オーステナイト周りのC減少領域も小さくなり、結果としてCが濃化しうるサイトが多く残り、オーステナイトの核発生サイトが増加するためである。その後、さらに、焼鈍均熱温度まで徐加熱を行なうことで、加熱途中や均熱時の粗大なオーステナイトの生成を抑制し、オーステナイトが分散した状態を保ったまま、オーステナイト分率を高め、オーステナイト中へのC濃化を促進させることができ、所定量以上の分散した残留オーステナイト相を安定して確保でき、延性、穴広げ加工性が向上する。
焼鈍均熱温度は、オーステナイト+フェライトの二相域とし、オーステナイト分率の増加とオーステナイト中へのC濃化を促進させ、所定量以上の残留オーステナイト相を安定して確保し延性を向上させるため、800℃以上にすることが好ましい。一方、焼鈍均熱温度が900℃を超えると、オーステナイト分率が大きくなりすぎて、オーステナイト中のC濃化が小さくなり、その後の冷却過程でオーステナイトを室温まで残留させることが困難となるうえ、オーステナイト粒径の粗大化も招く。このため、焼鈍均熱温度は800〜900℃の温度域の温度とする。なお、ここで焼鈍均熱温度とは、焼鈍時の最高到達温度である。
加熱昇温、均熱および冷却時に800〜900℃の温度域(焼鈍均熱温度域)に滞留する滞留時間が60s未満では、オーストナイト中へのC濃化が不十分となり、その後の800℃以下の冷却過程でオーステナイトを室温まで残留させることが困難となる。一方、滞留時間が300sを超えると、オーステナイトが粗大化するとともに、操業能率の低下も招く。このため、800〜900℃の温度域における滞留時間は60〜300sの範囲に限定した。これにより、所定量以上の分散した残留オーステナイト相を安定して確保でき、延性、穴広げ加工性が向上する。なお、ここで滞留時間の確保は、上記焼鈍均熱温度で均熱(保持)してもよいし、加熱、冷却速度を調整して確保してもよい。
800℃以下の冷却は、平均冷却速度:1〜10℃/sの徐冷却とし、600〜700℃の温度域(徐冷停止温度域)の徐冷停止温度で冷却を停止する。800℃から徐冷停止温度までの温度域を徐冷却することにより、冷却時のフェライト生成を促進し、オーステナイト中へのC濃化を促進させるとともに、残留するオーステナイト相を微細に分断させることができ、延性、穴広げ性が向上する。このような効果を得るためには、冷却速度を10℃/s以下に限定する。一方、冷却速度が1℃/s未満では、オーステナイトから変態したフェライトが成長し粗大化して、オーステナイトが微細に分断されることなく残留する。また冷却速度が1℃/s未満では、操業能率の低下を招く。このため、800℃から徐冷停止温度までの冷却は、平均冷却速度:1〜10℃/sの徐冷却とした。なお、より好ましくは5℃/s以下である。これにより、所定量以上の残留オーステナイト相を安定して確保でき、延性、穴広げ加工性がともに向上する。
徐冷停止温度から、ついで平均冷却速度:15〜200℃/sで350〜500℃の温度域(急冷停止温度域)の急冷停止温度まで急冷却する。ベイナイト生成温度域である、350〜500℃の温度域まで急冷却を行なうことにより、冷却途中でのオーステナイトからのセメンタイト、パーライトの生成を抑制し、ベイナイト変態の駆動力を高めることができる。そして、これにより、オーステナイト相中へのC濃化が促進され、オーステナイトを室温まで安定に残留させることができる。これにより、所定量以上の残留オーステナイト相を安定して確保でき、延性が向上する。上記したような効果を得るためには、15℃/s以上の冷却速度で、350〜500℃の温度域の急冷停止温度まで冷却する必要がある。一方、平均冷却速度を200℃/sより大きくしても、更なる効果が認められないばかりか、操業においては、冷却停止温度のばらつきが大きくなるため、材質上のばらつきも大きくなる。このため、徐冷却停止温度から急冷停止温度までの冷却では、平均冷却速度:15〜200℃/sの範囲の冷却速度に限定した。
350〜500℃の温度域(急冷停止温度域)で滞留させることにより、ベイナイト変態を進行させ、オーステナイト中のC濃度を高めることができる。これにより、所定量以上の残留オーステナイト相を安定して確保でき、延性が向上する。このような効果を得るためには、この温度域で30s以上滞留させることが好ましい。一方、300sを超えて長く滞留させると、オーステナイトからフェライトと炭化物が析出し、オーステナイト分率が低下するとともに、オーステナイト中のC濃度も低下する。このため、350〜500℃の温度域での滞留時間を30〜300sの範囲に限定した。
得られた冷延焼鈍板から、試験片を採取し、圧延方向に平行な断面(L方向断面)について、ナイタール液で腐食し走査型電子顕微鏡を用いて組織を撮像し、画像解析装置を用いて、各相の組織分率を求めた。なお、各冷延焼鈍板について、1000倍の倍率で3視野観察し、各視野における各相の分率を求め、各視野の平均値を各冷延焼鈍板における組織分率とした。なお、マルテンサイト相と残留オーステナイト相は、さらに200℃×2hの焼戻しを施して、組織観察(倍率:5000倍)を行い、区別した。焼戻し熱処理後に炭化物が析出した相をマルテンサイト、炭化物の析出が認められない相を残留オーステナイト相とした。
得られた冷延焼鈍板に、伸び率:0.5%の調質圧延を施した後、圧延方向に直角な方向(C方向)が引張方向となるように、JIS Z 2201の規定に準拠してJIS 5号引張試験片を切り出し、JIS Z 2241の規定に準拠して、破断までの引張試験を実施し、降伏応力YS、引張強さTS、全伸びElを求めた。
得られた冷延焼鈍板から、試験片(大きさ:100×100mm)を採取し、中央部に直径:d0(=10mmφ)の初期穴をポンチで打抜き、この初期穴に、頂角60°の円錐ポンチを挿入し、拡大して、板厚を貫通する割れが発生した時の穴径dfを求め、次式
λ(%)={(df−d0)/d0}×100
を用いて、穴広げ率λを求めた。
Claims (3)
- mass%で、
C:0.05〜0.20%、 Si:0.2〜1.5%、
Mn:0.5〜3.0%、 P:0.05%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.2〜2.0%、
N:0.01%以下、 Nb:0.005〜0.20%
を含有し、かつSi、Alを下記(1)式を満足するように含有し、残部が実質的に鉄からなる鋼素材に、熱間圧延を施し熱延板とする熱延工程と、前記熱延板に冷間圧延を施し冷延板とする冷延工程とを順次施したのち、前記冷延板に焼鈍処理を施し冷延焼鈍板とするに当たり、
前記熱間圧延を、仕上圧延終了温度がAr3変態点以上、巻取り温度が400〜650℃とする熱間圧延とし、
前記焼鈍処理を、Ac1変態点〜焼鈍均熱温度までの平均加熱速度が20℃/s以下の加熱速度で800〜900℃の温度域の焼鈍均熱温度まで加熱し、該800〜900℃の温度域で60〜300s間滞留させ、800℃から600〜700℃の温度域の徐冷停止温度まで1〜10℃/sの平均冷却速度で徐冷却し、ついで該徐冷停止温度から350〜500℃の温度域の急冷停止温度まで15〜200℃/sの平均冷却速度で急冷却し、該350〜500℃の温度域で30〜300s間滞留させる処理とすることを特徴とする延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法。
記
Si+1/2(Al)≧0.50% ………(1)
ここで、Si、Al:各元素の含有量(mass%) - 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜1.0%、B:0.0005〜0.0030%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、mass%で、Ti:0.01〜0.20%、V:0.01〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004177434A JP4529549B2 (ja) | 2004-06-15 | 2004-06-15 | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004177434A JP4529549B2 (ja) | 2004-06-15 | 2004-06-15 | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006002186A true JP2006002186A (ja) | 2006-01-05 |
JP4529549B2 JP4529549B2 (ja) | 2010-08-25 |
Family
ID=35770831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004177434A Expired - Fee Related JP4529549B2 (ja) | 2004-06-15 | 2004-06-15 | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4529549B2 (ja) |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007211279A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Nippon Steel Corp | 耐水素脆性に優れた超高強度鋼板とその製造方法及び超高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法並びに超高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP2008240116A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Jfe Steel Kk | 形状凍結性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 |
JP2008240123A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Jfe Steel Kk | 穴拡げ性に優れた高剛性高強度鋼板およびその製造方法 |
JP2009270126A (ja) * | 2008-04-08 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板および溶融めっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
JP2010077511A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Jfe Steel Corp | 高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
CN101880823A (zh) * | 2010-07-05 | 2010-11-10 | 北京科技大学 | 一种热轧铌微合金化多相钢及其制备方法 |
WO2010140596A1 (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 機械構造用鋼 |
JP2011006765A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | プロジェクション溶接用冷延鋼板およびその製造方法 |
JP2011052317A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Hyundai Hysco | 複合組織鋼板及びこれを製造する方法 |
JP2011195956A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-10-06 | Nippon Steel Corp | 伸びと穴拡げに優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2011214072A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板およびその製造方法 |
JP2013540901A (ja) * | 2010-10-05 | 2013-11-07 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト | 多相鋼から作られた冷間圧延平鋼製品およびその製造方法 |
JP2014065975A (ja) * | 2013-12-27 | 2014-04-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 冷延鋼板およびその製造方法 |
CN104254630A (zh) * | 2012-02-22 | 2014-12-31 | 新日铁住金株式会社 | 冷轧钢板及其制造方法 |
JP2015516511A (ja) * | 2012-03-30 | 2015-06-11 | フォエスタルピネ スタール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングVoestalpinestahl Gmbh | 高強度冷間圧延鋼板およびそのような鋼板を作製する方法 |
JP2015533942A (ja) * | 2012-09-14 | 2015-11-26 | ザルツギッター・マンネスマン・プレシジョン・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 低合金高張力鋼用の合金鋼 |
JP2016074965A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-12 | Jfeスチール株式会社 | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 |
CN106521335A (zh) * | 2016-10-28 | 2017-03-22 | 东北大学 | 一种高强塑积trip钢棒材及等通道转角挤压制备方法 |
US10227683B2 (en) | 2012-03-30 | 2019-03-12 | Voestalpine Stahl Gmbh | High strength cold rolled steel sheet |
KR102255823B1 (ko) * | 2019-12-11 | 2021-05-26 | 주식회사 포스코 | 성형성이 우수한 고항복비형 강판 및 그 제조방법 |
CN116034176A (zh) * | 2020-06-17 | 2023-04-28 | 浦项股份有限公司 | 成型性优异的高强度钢板及其制造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038248A (ja) * | 2000-07-26 | 2002-02-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力高延性亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
2004
- 2004-06-15 JP JP2004177434A patent/JP4529549B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038248A (ja) * | 2000-07-26 | 2002-02-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力高延性亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Cited By (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007211279A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Nippon Steel Corp | 耐水素脆性に優れた超高強度鋼板とその製造方法及び超高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法並びに超高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP2008240116A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Jfe Steel Kk | 形状凍結性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 |
JP2008240123A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Jfe Steel Kk | 穴拡げ性に優れた高剛性高強度鋼板およびその製造方法 |
JP2009270126A (ja) * | 2008-04-08 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板および溶融めっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
JP2010077511A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-08 | Jfe Steel Corp | 高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
US9062360B2 (en) | 2009-06-05 | 2015-06-23 | Kobe Steel, Ltd. | Steel for machine structural use |
WO2010140596A1 (ja) * | 2009-06-05 | 2010-12-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 機械構造用鋼 |
JP2011006765A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | プロジェクション溶接用冷延鋼板およびその製造方法 |
JP2011052317A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Hyundai Hysco | 複合組織鋼板及びこれを製造する方法 |
JP2011195956A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-10-06 | Nippon Steel Corp | 伸びと穴拡げに優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2011214072A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板およびその製造方法 |
CN101880823A (zh) * | 2010-07-05 | 2010-11-10 | 北京科技大学 | 一种热轧铌微合金化多相钢及其制备方法 |
JP2013540901A (ja) * | 2010-10-05 | 2013-11-07 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト | 多相鋼から作られた冷間圧延平鋼製品およびその製造方法 |
US9970088B2 (en) | 2010-10-05 | 2018-05-15 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Multi-phase steel, cold-rolled flat product produced from such a multi-phase steel and method for producing it |
CN104254630A (zh) * | 2012-02-22 | 2014-12-31 | 新日铁住金株式会社 | 冷轧钢板及其制造方法 |
US10526671B2 (en) | 2012-02-22 | 2020-01-07 | Nippon Steel Corporation | Cold-rolled steel sheet and process for manufacturing same |
US10106874B2 (en) | 2012-03-30 | 2018-10-23 | Voestalpine Stahl Gmbh | High strength cold rolled steel sheet |
JP2015516511A (ja) * | 2012-03-30 | 2015-06-11 | フォエスタルピネ スタール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングVoestalpinestahl Gmbh | 高強度冷間圧延鋼板およびそのような鋼板を作製する方法 |
US10227683B2 (en) | 2012-03-30 | 2019-03-12 | Voestalpine Stahl Gmbh | High strength cold rolled steel sheet |
JP2015533942A (ja) * | 2012-09-14 | 2015-11-26 | ザルツギッター・マンネスマン・プレシジョン・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 低合金高張力鋼用の合金鋼 |
JP2014065975A (ja) * | 2013-12-27 | 2014-04-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 冷延鋼板およびその製造方法 |
JP2016074965A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-12 | Jfeスチール株式会社 | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 |
CN106521335A (zh) * | 2016-10-28 | 2017-03-22 | 东北大学 | 一种高强塑积trip钢棒材及等通道转角挤压制备方法 |
KR102255823B1 (ko) * | 2019-12-11 | 2021-05-26 | 주식회사 포스코 | 성형성이 우수한 고항복비형 강판 및 그 제조방법 |
CN116034176A (zh) * | 2020-06-17 | 2023-04-28 | 浦项股份有限公司 | 成型性优异的高强度钢板及其制造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4529549B2 (ja) | 2010-08-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102470965B1 (ko) | 우수한 인성, 연성 및 강도를 갖는 강 시트 및 이의 제조 방법 | |
JP4529549B2 (ja) | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 | |
US9732404B2 (en) | Method of producing high-strength steel plates with excellent ductility and plates thus produced | |
JP5277648B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼板並びにその製造方法 | |
JP4843982B2 (ja) | 高剛性高強度薄鋼板およびその製造方法 | |
KR101515730B1 (ko) | 신장 플랜지성이 우수한 고강도 냉연 강판 및 그 제조 방법 | |
KR20130037208A (ko) | 연성 및 내지연 파괴 특성이 우수한 초고강도 냉연 강판 및 그 제조 방법 | |
JP5363922B2 (ja) | 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板 | |
JP7339339B2 (ja) | 冷間加工性及びssc抵抗性に優れた超高強度鋼材及びその製造方法 | |
JP4457681B2 (ja) | 高加工性超高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP4311049B2 (ja) | 超微細粒組織を有し衝撃吸収特性に優れる冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP5302840B2 (ja) | 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板 | |
JP5477089B2 (ja) | 高強度高靭性鋼の製造方法 | |
JPH1060593A (ja) | 強度−伸びフランジ性バランスにすぐれる高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP4085809B2 (ja) | 超微細粒組織を有し伸びフランジ性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP4265152B2 (ja) | 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP4265153B2 (ja) | 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高張力冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP3879440B2 (ja) | 高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP2005325393A (ja) | 高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP5530209B2 (ja) | 伸びと伸びフランジ性のバランスに優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2010100896A (ja) | 機械的特性の安定性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP4848722B2 (ja) | 加工性に優れた超高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP2002363685A (ja) | 低降伏比高強度冷延鋼板 | |
JP2004211138A (ja) | 超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP3945373B2 (ja) | 微細粒組織を有する疲労特性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091027 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100518 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100531 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4529549 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |